特許第6624704号(P6624704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6624704
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】尿路上皮疾患の評価のための分子法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6886 20180101AFI20191216BHJP
   G01N 33/493 20060101ALI20191216BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20191216BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20191216BHJP
【FI】
   C12Q1/6886 ZZNA
   G01N33/493 A
   G01N33/50 P
   !C12N15/11 Z
【請求項の数】13
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2018-530656(P2018-530656)
(86)(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公表番号】特表2018-533368(P2018-533368A)
(43)【公表日】2018年11月15日
(86)【国際出願番号】US2016049483
(87)【国際公開番号】WO2017040520
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年3月6日
(31)【優先権主張番号】62/252,257
(32)【優先日】2015年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/212,501
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/331,241
(32)【優先日】2016年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515062832
【氏名又は名称】ヒタチ ケミカル カンパニー アメリカ, リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】591123724
【氏名又は名称】札幌市
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(72)【発明者】
【氏名】ムラカミ,タク
(72)【発明者】
【氏名】ヤマモト,シンディ
(72)【発明者】
【氏名】ミツハシ,マサト
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩
【審査官】 佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/028788(WO,A1)
【文献】 特表2013−526852(JP,A)
【文献】 特開2014−035186(JP,A)
【文献】 特開2012−185173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00− 3/00
G01N 33/48−33/98
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象から得られた尿試料から細胞および大きな壊死組織片を除去することにより尿上澄みを調製すること;
前記尿上澄みから尿中エキソソームおよび微小胞を単離すること;
前記尿中エキソソームおよび微小胞からRNAを単離すること;
SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17、GPRC5A、P4HA1、およびHSD17B2からなる群から選択されるマーカーの発現レベルを定量すること
記発現レベルが尿路上皮がんでない対象から得られた尿試料中のmRNAの発現レベルより高い場合、尿路上皮がんであると前記対象を特定すること;および
ALDOB、DHRS2およびUPK1Aからなる群から選択される参照遺伝子を検出し、前記参照遺伝子を使用して前記マーカーの前記発現レベルを正規化すること、
を含む前記対象の尿路上皮がんの存在の検出方法。
【請求項2】
前記正規化をΔCt法により行う、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記マーカーが、SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17およびGPRC5Aからなるから選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記マーカーが、SLC2A1、S100A13、およびKRT17からなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
1つより多い前記マーカーの前記発現レベルを用いてロジスティック回帰分析およびサポートベクターマシーンなどの機械学習法により診断式の値を得る、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
検出する前記尿路上皮がんが、膀胱がん、腎盂がん、および尿管がんからなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
検出する前記尿路上皮がんが、再発膀胱がんである、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象が、尿細胞診陽性結果を示さない、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
尿路上皮がん関連RNAを発現しているヒト対象のスクリーニング方法であって、前記方法が、前記対象からの尿試料から単離された小胞中の前記尿路上皮がん関連RNAの発現を健康なドナーからの尿試料から単離された小胞中の前記尿路上皮がん関連RNAの発現と比較することを含み、前記ドナーの前記尿路上皮がん関連RNAの前記発現と比較した前記対象の前記尿路上皮がん関連RNAの前記発現の増加は、前記増加が閾値を超える場合に前記対象が尿路上皮がんを有することを示し、
前記尿試料から単離した前記小胞中の前記尿路上皮がん関連RNAの前記発現の前記比較が:
(a)前記対象からの前記試料を小胞捕捉フィルターを通過させることにより前記対象からの前記試料から前記小胞を捕捉することと、
(b)前記小胞捕捉フィルター上に溶解バッファーをロードすることにより前記小胞を溶解して小胞関連RNAを遊離することと、
(c)前記小胞関連RNA中の前尿路上皮がん関連RNAの前記発現をPCRにより定量することであって、
前記小胞関連RNAを逆転写酵素と接触させて相補DNA(cDNA)を生成すること;
前記cDNAを前記尿路上皮がん関連RNAに対して特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマーおよびDNAポリメラーゼと接触させて増幅DNAを生成すること;
前記cDNAを参照RNAに対して特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマーおよび前記DNAポリメラーゼと接触させて増幅DNAを生成すること;ならびに
解析ソフトウェアを使用して前記RNAの発現レベル、量(quantity)または量(amount)を決定することであって、前記決定することが、解析ソフトウェアを使用して前記尿路上皮がん関連RNAのマーカーサイクル閾値(Ct値)を決定すること;解析ソフトウェアを使用して参照RNAの参照Ct値を決定すること:およびマーカーCt値から参照Ct値を差し引いてマーカーΔCt値を得ることを含む、決定することと、
をさらに含
前記尿路上皮がん関連RNAが、SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17、GPRC5A、P4HA1、およびHSD17B2からなる群から選択され、
前記参照RNAが、ALDOB、DHRS2およびUPK1Aからなる群から選択される、
前記方法。
【請求項10】
前記マーカーΔCt値が6未満である場合、前記増加が前記閾値レベルを超える、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記比較が:
前記対象から単離した前記尿路上皮がん関連RNAの前記発現レベルに基づいて診断式の値を決定することをさらに含み、前記診断式は、線形または非線形数式であり、診断式の値を決定するためのRNAは1遺伝子〜60遺伝子である、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記診断式の値を決定するためのRNAが、KRT17、SLC2A1、ALDOB、LINC00967、SLC16A9、CRH、PCAT4、AQP3、THAP7、FADS2、SERPINE1、AS1、OLFM3、S100A13、C5orf30、GINM1、GPRC5AおよびTOP1P1からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記診断式の値を決定するためのRNAが、ALDOB、CRH、SERPINE1、およびSLC2A1である、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願の参照による援用
海外または国内優先権が本願と共に提出した出願データシート中に確認されるいずれかおよび全ての出願は参照により本明細書に組み入れられ、本開示の一部とする。
【0002】
技術分野
本開示のいくつかの実施形態は、体液からバイオマーカーを単離するように構築された機器および方法ならびにこのようなバイオマーカーの発現プロファイルを疾病の診断および治療のため使用する方法に関する。いくつかの実施形態は、評価、診断、さもなければ尿路上皮がんに関する患者の状態を決定するための患者の尿試料からのエキソソームおよび微小胞のmRNAプロファイルの特徴付けに関し、いくつかの実施形態は、治療を行うことに関する。
【背景技術】
【0003】
2015年に、国立がん研究所は、米国内だけで約74,000名の新しい膀胱がん患者が発生し、14,000名が死亡するだろうと推定した。大部分の膀胱がんおよび他の尿路上皮がん(例えば、尿管および腎盂内の悪性病変)は、尿路の移行上皮から始まる。膀胱がん以外の尿路上皮がんは尿路上皮がんの5〜10%を占めるのみであるが、これらのがんは将来膀胱がんになる危険性を高める。
【0004】
尿路上皮がん(例えば、膀胱がん)の治療は、がんのステージおよびグレードに依存する。筋層非浸潤性がん(Ta、TisおよびT1)を経尿道腫瘍除去または膀胱内化学療法により治療することができる。一方、筋層浸潤性がん(T2、T3およびT4)は、嚢胞切除および静脈内化学療法などのより積極的治療を要する。筋層非浸潤性がんの再発率が50〜70%であり、筋層浸潤性がんについてはさらに高いので、膀胱がんの罹患歴を有する患者は生涯の再発のモニタリングを必要とし、膀胱がんを、診断から治療まで米国内で最も高価ながんにしている。さらに、尿管および腎盂がんの罹患患者の約30%は数年後に膀胱がんの症状が現れるだろう。
【0005】
膀胱がん検出の現在のゴールドスタンダードは尿細胞診を含む膀胱鏡検査である。尿細胞診を含む膀胱鏡検査は約96%の特異度を有するが、感度は約44%のみである。低悪性度腫瘍に対して、尿細胞診を含む膀胱鏡検査の感度はさらに低い(4〜31%)。膀胱鏡検査は、尿道中にカメラとライトを備えた細い管を挿入し、この管を膀胱へと進めることを含む侵襲的方法である。
【0006】
尿ベース尿路上皮がんマーカー(例えば、BTA stat/BTA trak(Polymedoco、ニューヨーク州)、NMP22 BladderChek(Alere、フロリダ州)、ImmunoCyt/uCyt+(Scimedx、ニュージャージー州)、UroVysion(Abbott Molecular、イリノイ州))をスクリーニングするために、いくつかのFDA認可試験キットを入手可能である。これらの診断キットは、現在のゴールドスタンダード、膀胱鏡検査および細胞診と非常に類似の感度および特異度を示す。従って、より良好な非侵襲的バイオマーカー、特により高感度を有するものがいまだ必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のように、膀胱がん、尿管がんおよび腎盂がんを含む尿路上皮がんの現在のゴール
ドスタンダードである診断方法は、膀胱鏡検査および尿細胞診である。方法の非侵襲性および診断能の他に尿路上皮がん(例えば、膀胱がん)の高い再発性も考慮して、より高感度を有する新規非侵襲的バイオマーカーを識別するニーズがある。本明細書中、いくつかの実施形態では、高特異度および高感度を有する尿路上皮がんの診断および評価方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、方法は低侵襲的である。いくつかの実施形態では、方法はコンピュータを利用し、尿路上皮がんの存在および/またはステージの本質的にリアルタイムな評価を可能とする。いくつかの実施形態では、具体的推奨治療パラダイムを示す(例えば、医療専門家が決定するため)。
【0008】
特定の態様では、これに限定されないが、対象の尿路上皮がんの存在を検出することを含む方法において様々なRNAを使用することができる。いくつかの実施形態では、方法は、対象から尿試料を得ること;該尿試料から細胞および大きな壊死組織片の除去により尿上澄みを準備すること;該尿上澄みから尿中エキソソームおよび微小胞を単離すること;該尿中エキソソームおよび微小胞からRNAを単離すること;SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17、GPRC5A、P4HA1、およびHSD17B2から選択されるマーカーの発現レベルを定量すること;および該発現レベルが尿路上皮がんでない対象から得られた尿試料中のmRNAの発現レベルより高い場合、尿路上皮がんであると該対象を識別することを含む。特定の変法では、方法は参照遺伝子を検出することをさらに含み、前記参照遺伝子を使用して前記マーカーの前記発現レベルを正規化し、該参照遺伝子はACTB、GAPDH、ALDOB、DHRS2およびUPK1Aからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、マーカーは、SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17およびGPRC5Aからなるリストから選択される。特定の実施形態では、1つより多い前記マーカーの発現レベルを用いてロジスティック回帰分析およびサポートベクターマシーンなどの機械学習法により診断式の値を得る。いくつかの実施形態では、検出する尿路上皮がんは、膀胱がん、腎盂がん、および尿管がんからなる群から選択される。いくつかの態様では、検出する尿路上皮がんは、再発膀胱がんである。特定の変化形では、対象は、尿細胞診陽性結果を示さない。
【0009】
いくつかの態様では、尿路上皮がんと関連するRNAを発現しているヒト対象をスクリーニングする方法が開示され、該方法は、該対象からの尿試料から単離された小胞中のRNAの発現を健康なドナーの尿試料から単離された小胞中のRNAの発現と比較するステップを含み、前記ドナーの前記RNAの前記発現の増加は、前記増加が閾値を超えている場合に前記対象が尿路上皮がんを有することを示し、尿試料から単離された小胞中のRNAの発現の前記比較は:対象からの試料を、小胞捕捉フィルターを通過させることにより対象からの試料から小胞を捕捉し;小胞捕捉フィルター上に溶解バッファーをロードすることにより小胞を溶解して小胞関連RNAを遊離し、および小胞関連RNA中の尿路上皮がんに関連するRNAの発現をPCRにより定量することをさらに含む。いくつかの変法では、比較は:対象から単離したRNAの発現から診断式の値を決定することを含み、該診断式は、線形または非線形数式であり、該RNAは1遺伝子〜60遺伝子、より好ましくは2遺伝子〜10遺伝子である。いくつかの態様では、RNAは、KRT17、SLC2A1、ALDOB、LINC00967、SLC16A9、CRH、PCAT4、AQP3、THAP7、FADS2、SERPINE1、AS1、OLFM3、S100A13、C5orf30、GINM1、GPRC5AおよびTOP1P1からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、RNAは、ALDOB、CRH、SERPINE1およびSLC2A1からなる群から選択される。
【0010】
上記要約し、以下にさらに詳細を記載する方法は、開業医が行う特定の措置を記載しているが、別の当事者により行われるこれらの措置の指示も含み得ると理解すべきである。従って、「疾病または病状のため対象を治療する」などの措置は、「疾病または病状のため対象の治療の管理を指示する」を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
様々な実施形態を例証目的のため付属の図に示すが、実施形態の範囲を限定するものと決して解釈すべきではない。さらに、異なる開示された実施形態の様々な特徴を組み合わせてさらなる実施形態を作ることができるが、これは本開示の一部である。
図1A図1Aは、EMV mRNAプロファイルのクラスター分析を示す。
図1B図1Bは、調節不全経路を同定するための膀胱腫瘍のインジェニュイティパスウェイ解析を示す。
図1C図1Cは、尿中EMV mRNAおよび膀胱がん生検mRNA中の遺伝子発現間の比較を示す。
図2A図2Aは、1000の最も豊富な尿中EMV mRNAの臓器発現を示す。
図2B図2Bは、尿中EMV中に豊富に発現される膀胱特異的遺伝子の発現レベルを示す。
図2C図2Cは、尿中EMV中に豊富に発現される腎臓特異的遺伝子の発現レベルを示す。
図2D-1】図2Dは、異なるがんタイプの異なる尿中EMV mRNAのRT−qPCRアッセイにおける生Ct値の箱ひげ図を示す。
図2D-2】図2D−1の続き。
図2E-1】図2Eは、異なる膀胱がんステージの異なる尿中EMV mRNAのRT−qPCRアッセイにおける生Ct値の箱ひげ図を示す。
図2E-2】図2E−1の続き。
図2F-1】図2Fは、異なる膀胱がんグレードの異なる尿中EMV mRNAのRT−qPCRアッセイにおける生Ct値の箱ひげ図を示す。
図2F-2】図2F−1の続き。
図3A-1】図3Aは、ΔCt法を用いてALDOBにより正規化されたRT−qPCRアッセイCt値の箱ひげ図を示す。正規化したCt値を、異なるがんタイプの異なる尿中EMV mRNAに対して示す。
図3A-2】図3A−1の続き。
図3A-3】図3A−2の続き。
図3B-1】図3Bは、ΔCt法を用いてALDOBにより正規化されたRT−qPCRアッセイCt値の箱ひげ図を示す。正規化したCt値を、異なる膀胱がんステージの異なる尿中EMV mRNAに対して示す。
図3B-2】図3B−1の続き。
図3B-3】図3B−2の続き。
図3C-1】図3Cは、ΔCt法を用いてALDOBにより正規化されたRT−qPCRアッセイCt値の箱ひげ図を示す。正規化したCt値を、異なる膀胱がんグレードの異なる尿中EMV mRNAに対して示す。
図3C-2】図3C−1の続き。
図3C-3】図3C−2の続き。
図4A-1】図4Aは、従来の尿細胞診結果が陰性または疑いがある場合の異なる膀胱がんステージに対する尿中EMV mRNA候補の遺伝子発現を示す。
図4A-2】図4A−1の続き。
図4A-3】図4A−2の続き。
図4B-1】図4Bは、従来の尿細胞診結果が陰性または疑いがある場合の異なる膀胱がんグレードに対する尿中EMV mRNA候補の遺伝子発現を示す。
図4B-2】図4B−1の続き。
図4B-3】図4B−2の続き。
図4C-1】図4Cは、再発膀胱がんの異なるステージに対する尿中EMV mRNA候補の遺伝子発現を示す。
図4C-2】図4C−1の続き。
図4C-3】図4C−2の続き。
図4D-1】図4Dは、再発膀胱がんの異なるグレードに対する尿中EMV mRNA候補の遺伝子発現を示す。
図4D-2】図4D−1の続き。
図4D-3】図4D−2の続き。
図4E-1】図4Eは、非膀胱尿路上皮がんの異なるステージに対する尿中EMV mRNA候補の遺伝子発現を示す。
図4E-2】図4E−1の続き。
図4F-1】図4Fは、非膀胱尿路上皮がんの異なるグレードに対する尿中EMV mRNA候補の遺伝子発現を示す。
図4F-2】図4F−1の続き。
図5A図5Aは、膀胱がんステージおよびグレードによるロジスティック回帰分析式「ALDOB+CRH+SERPINE1+SLC2A1」の検出能を示す。
図5B図5Bは、従来の尿細胞診結果が陰性または疑いがある場合の膀胱がんステージおよびグレードによるロジスティック回帰分析式「ALDOB+CRH+SERPINE1+SLC2A1」の検出能を示す。
図5C図5Cは、再発膀胱がんの検出に対する膀胱がんステージおよびグレードによるロジスティック回帰分析式「ALDOB+CRH+SERPINE1+SLC2A1」の検出能を示す。
図6A図6Aは、自動パラメーター選択を用いた様々なステージおよびグレードの膀胱がんを検出するSVMのエラー率を示す。
図6B図6Bは、5倍クロスバリデーションを10回反復してパラメーター、cおよびσの最善の組合せを得るグリッド検索によるパラメーター最適化を示す。
図6C図6Cは、それぞれ、最適化パラメーター(c=20.60〜20.94、σ=2−4.5〜2−3.5)を用いて様々なステージおよびグレードにおける膀胱がんを検出するSVMのエラー率を示し、トレーニングおよびクロスバリデーションエラーは、それぞれ、0%±0%および17.65%±0.03%であった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の特定の態様は、尿路上皮がんに関する患者の病状を評価する低侵襲的、または非侵襲的方法を対象とする。本明細書に記載の各および全ての特徴、およびこのような特徴の2つ以上の各および全ての組合せは本開示の範囲内に含まれるが、但し、このような組合せに含まれる特徴は相互に相反しない。
【0013】
エキソソームおよび微小胞(EMV)を全ネフロン領域から尿腔に遊離し、起始細胞の細胞質分子をカプセル化する。いくつかの研究は、腫瘍が高濃度においてより大きなEMVを生成することを示した。筋層浸潤性膀胱がん細胞からのEMVは、尿路上皮細胞が上皮から間葉へ変化する原因となることが分かった。尿路上皮がんは尿路上皮上にあり尿と直接接触しているので、尿路上皮がんからのEMVは、尿中に遊離され得、本明細書に開示のいくつかの実施形態に従えば、尿中EMVは尿路上皮がんバイオマーカーの豊富な供給源であり得ることを示唆している。腫瘍が著しく成長して周囲の領域に浸潤した後のみ、尿中細胞および他のマーカーは腫瘍から尿中に遊離される。しかしながら、尿中EMVは腫瘍からだけでなく、正常および損傷細胞からも遊離される。従って、尿路上皮がんの分子目印を、尿路上皮がんの従来のバイオマーカーよりずっと早く尿中で得ることができる。
【0014】
尿中EMVを単離する標準的方法は、超遠心分離を用いた分画遠心分離法である。しかしながら、超遠心分離の使用は、標準的臨床検査室でのルーチン臨床アッセイに適用できない可能性がある。本開示のいくつかの実施形態は、アッセイ感度、再現性および使い勝手の良さの面から標準的方法と同様またはさらにより優れている性能を可能とするバイオマーカーおよび臨床試験のための尿中EMV mRNAアッセイを使用する。いくつかの実施形態は、この尿中EMV mRNAアッセイを使用して様々なグレードの尿路上皮がん患者からの尿試料をスクリーニングするが、がんのステージをスクリーニングして尿路上皮がんの新規バイオマーカーを同定した。
【0015】
以下により詳細に記載するように、尿試料を小胞捕捉フィルターに通過させて、これにより超遠心分離を使用することなく、EMVを尿から単離することを可能とすることにより、尿中エキソソームを尿から単離することができる。いくつかの実施形態では、小胞捕捉材は、捕捉する小胞の大きさと比べて大きい桁である多孔性を有する。小胞捕捉材は、
EMVの大きさよりずっと大きい細孔径を有するが、EMVを小胞捕捉材に吸着することによりEMVを小胞捕捉材上に捕捉する。小胞捕捉材の細孔径および構造を目的に合わせて、EMVからのmRNAを小胞捕捉材から回収できるように、EMV捕捉とEMV回収とのバランスを取る。いくつかの実施形態では、小胞捕捉材は、異なる多孔性を有する少なくとも2層を備える多層フィルターである。いくつかの実施形態では、尿試料は、どちらもガラス繊維製である第一層を最初に、それから第二層を通過する。1つの実施形態では、第一層は1.6μmの細孔径を有し、第二層は0.7μmの細孔径を有する。いくつかの構成では、第一層は、0.6〜2.7μm、好ましくは1.5〜1.8μmの粒子保持率を有し、第二層は、0.1〜1.6μm、好ましくは0.6〜0.8μmの粒子保持率を有する。1つの実施形態では、第一層の粒子保持率は、第二層より大きく、それにより、高粒子担持能力およびより速い流速を得ることができる。
【0016】
本発明の開示のいくつかの態様は、ヒト対象の尿からのEMVに対して尿路上皮がんバイオマーカーであるものをスクリーニングする尿中EMV mRNAアッセイを使用する。健康なボランティアの尿中EMV mRNAプロファイルをRNA−seqにより解析し、腎特異的遺伝子だけでなく膀胱特異的遺伝子を発現することが分かったが、このことは、尿中EMVは、尿路上皮疾患(例えば、尿管がんおよび腎盂がん)の他に膀胱がんも検出するのに有用であり得ることを示唆している。尿路上皮がんは直接尿と接触しているので、尿路上皮がんの分子目印を現在の臨床診療で分析される尿中細胞または尿タンパクバイオマーカーと比較して尿中EMV中でより早く検出し得る可能性がある。
【0017】
患者および試料
本試験は、市立札幌病院における施設内審査委員会により審査および承認された(認可No.H25−047−197)。尿路上皮がんの疑いのある患者を募集し、膀胱鏡検査および尿細胞診により診断した。15mL以下のスポット尿を、インフォームドコンセントを行って、膀胱鏡検査前に収集した(表1および2参照)。健康なドナーからスポット尿を匿名で収集した。尿試料を収集後−80℃において3時間以内で貯蔵した。
【0018】
エキソソーム単離および特徴付け
いくつかの実施形態では、Murakamiらにより以前に記載された分画遠心分離法を用いてEMVを単離した(PLoS ONE 9:e109074(2014))。単離EMVの動的光散乱分析を、SZ−100(Horiba Instruments、カリフォルニア州)によりPBS中で行った。装置管理ソフトウェアに従ってZ平均値を得て、EMVの粒度分布を検査するために使用した。EXOCETエキソソーム定量キット(System Biosciences、カリフォルニア州)を用いてEMVの量を決定した。
【0019】
いくつかの実施形態では、エキソソーム単離チューブ(Hitachi Chemical Diagnostics,Inc.、カリフォルニア州)を用いて尿中EMVを単離した。
【0020】
尿中EMV RNA−seq解析
尿路上皮がん患者からの尿試料のRNA−seq解析を、尿路上皮がんバイオマーカーをスクリーニングするために、健康、疾病コントロールおよびがん寛解と比較して行った。健康ドナー(N=3)、疾病コントロールおよびがん寛解患者(N=3)、軽度膀胱がん患者(N=3)、ならびに進行尿路上皮がん患者(N=3)の尿試料から得られたEMVを用いて、下記のように、RNA−seqにより尿中EMV mRNAプロファイルを解析した(表1参照)。
【表1】
【0021】
エキソソーム単離チューブ(Hitachi Chemical Diagnostics,Inc.、カリフォルニア州)を用いて尿中EMVを単離した。捕捉したEMVをフィルターチップ上で溶解し、得られたライセートをmRNAハイブリダイゼーションのため遠心分離によりT7プロモーターオリゴ(dT)固定マイクロプレートに移した。ハイブリダイズしたmRNAをプレート上で直接的にMEGAscript T7 Transcription Kit(Life Technologies、カリフォルニア州)により増幅した。TruSeq library preparation(Illumina、カリフォルニア州)用の出発物質として使用する前に、RNeasy MinElute Cleanup Kitを用いてRNAを精製した。Illumina HiSeq 2500装置で50サイクルシングルリード処理を行った。FASTX−Toolkitにより得られた生の読み取りデータをフィルターにかけ、重複排除し、TopHatによりhg38に対してマッピングした後、リードカウントをHTSeqにより得て、Andersらにより記載されたようにedgeRにより解析した。FDR(欠陥虚報率)<5%判断基準を使用してedgeRにより差次的発現された遺伝子を検出した。加えて、インジェニュイティパスウェイ解析(Qiagen、カリフォルニア州)を使用して、がんゲノムアトラスから得られた遺伝子発現プロファイルを用いて膀胱腫瘍と比較して調節不全経路を同定した。
【0022】
RNA−seqデータの主成分分析は、上記試料分類(図1A):健康、疾病コントロールおよびがん寛解(RS01〜RS06)、軽度膀胱がん(RS07〜RS09)、および進行尿路上皮がん(RS10〜RS12)に対応するいくつかの可能性のあるクラスターを検出した。興味深いことに、がん寛解試料(RS05、RS06)は、健康、疾病コントロールおよび尿路上皮がんの間の境界に位置していた。これらのデータは、尿中EMV mRNAプロファイルを使用して、位置、グレードおよびステージにより尿路上皮がんを検出および識別できることを示唆している。尿路上皮がん患者尿試料中の調節不全ネットワークを同定するためにパスウェイ解析を行った。膀胱がんおよび腎盂がん尿の両方において、生物損傷および異常ならびにがんに関する経路は調節不全であったが(図1B)、膀胱腫瘍で観察されたパターンに従っている。膀胱がん尿において、細胞移動、血液系発生および機能、細胞間シグナル伝達および相互作用、免疫細胞輸送ならびに細胞死および生存などのさらなる経路も調節不全であったが、膀胱がん患者の免疫機能は障害が起きていることを示唆しており、尿EMV遺伝子発現の分析によりモニターすることができる。
【0023】
尿中EMV mRNAプロファイルの教師なしクラスター分析は、健康コントロール、膀胱がん、腎盂がん、軽度および進行尿路上皮がんを示す異なるクラスターを明白に示した。これらの前述の群の中での比較により、尿中EMV mRNA−seqデータのedgeR解析は、位置、グレードおよびステージにより尿路上皮がんを検出および識別する候補マーカーとして94の差次的発現された遺伝子(68の発現上昇した遺伝子および26の発現低下した遺伝子)を同定した(表2)。
【表2】
【0024】
得られた遺伝子の中で、尿中EMV中のそれらの発現レベルは尿路上皮がんのステージと大いに相関しているので、P4HA1、GPRC5A、MYC、F3、KRT17、SHISA3、CBX7およびSPTLC3は尿路上皮がんの特に有望なバイオマーカーである。これらの遺伝子は軽度尿路上皮がん群および疾病コントロール群の間で差次的発現されたので、CRHおよびTMPRSS4も有望である。さらに、PRSS58、KLRC1、PRPS1L1、TRPM6、CACNA1C、FRG2、LVRN、MFGE8、ZNF704、CDK9、MCF2LおよびTOMM70Aは、膀胱がんより腎盂がんに対してより特異的であり、腎盂がんを検出する他に膀胱がんと腎盂がんとを識別するのにも有用である。興味深いことに、がんゲノムアトラスの解析は、対応する正常膀胱組織(N=19)と比較して膀胱がん腫瘍(N=408)において大部分のこれらの差次的発現された遺伝子も調節不全であったことを明らかにした。 PANTHERによるこれらの遺伝子の機能分類解析は、触媒活性および結合などの分子機能ならびに代謝プロセスおよび細胞プロセスなどの生物プロセスの多くが尿路上皮がんにおいて調節不全であることを明らかにした。いくつかのこれらの差次的発現された遺伝子およびさらなる対象の遺伝子を、下記のようにRT−qPCRを用いてさらなる分析のために選択した。
【0025】
RT−qPCRのための尿中EMV mRNA分析
尿中EMV中の差次的発現された遺伝子の中で、参照遺伝子を含む60の遺伝子をRT−qPCRによりさらに評価した。尿試料を健康なドナー(N=9)および尿路上皮がんまたは他のがんを有する患者(N=245)から得た(表3参照)。尿中EMV mRNAアッセイを、cDNA合成工程において10μMランダムヘキサマーを添加したことを除いて、Murakamiら(PLoS ONE 9:e109074(2014))により前に記載された通りに行った。プライマー配列を表4に一覧にしている。サイクル閾値(Ct値)を、ViiA7ソフトウェア(Life Technologies、カリフォルニア州)を用いて、マニュアル閾値設定0.1および最大Ct値36(Ct生デー
タ)で得た。さらに、R ver.3.2を用いてデータ処理および解析を行った。遺伝子発現の正規化のため、次式:dCt=Ct[標的遺伝子]−Ct[参照遺伝子]を用いてΔCt(dCt)法を使用した。ALDOBを参照遺伝子として使用する場合、最大dCt、10を使用した。融解曲線分析により正確に決定して、標的遺伝子を検出しないかまたは増幅しない場合、最大dCtを定めた。ウェルチのt検定またはp値<5%でMann−Whitney−Wilcoxon検定により統計的有意性を得た。ROCRを用いてROC曲線解析における曲線下面積(AUC)により診断能を評価した。スパースロジスティック回帰分析を、glmnetを用いて行った。サポートベクターマシーン(SVM)を、kernlabを用いて行った。
【表3】
*DCは、腫瘍性変化(N=4)、良性上皮(N=1)、慢性腎盂腎炎(N=1)、内反性乳頭腫(N=1)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染(N=1)、および炎症性ポリープ(N=1)などの非がん患者を含む。
**OTは、腺がん(N=1)、腎細胞がん(N=1)、および前立腺がん(N=1)などの非尿路上皮がん患者を含む。
***膀胱腫瘍抗原(BTA)を、市販のBTA ELISAキット(Biotang、マサチューセッツ州)により評価した。
【表4-1】
【表4-2】
【0026】
RT−qPCRアッセイにおいてマーカー候補の遺伝子発現レベルを正規化するために、参照遺伝子候補もスクリーニングし、選択した。ACTB、GAPDHおよびリボソームRNAなどの多くの参照遺伝子を使用して、一般用mRNAの発現レベルを正規化した。GAPDHは大量に発現し、ほとんど全ての尿試料において検出可能であるので、尿中EMV試験においてGAPDHは頻繁に使用されてきた。正規化のため、アッセイ間再現性を改善するために、ΔCt法は頻繁に使用される。ΔCt法では、マーカー候補のサイクル閾値(Ct値)を参照遺伝子のCt値から差し引く。従って、より小さなΔCt値ほど、より高いマーカー遺伝子発現となる。理想的に、参照遺伝子の遺伝子発現レベルは疾病状態に依存しないで安定であるべきである。しかしながら、尿中のEMV数が疾病状態により影響を受ける場合、それらの発現レベルも影響されるので、普遍的に発現された遺伝子は参照遺伝子として理想的でないかもしれない。例えば、膀胱疾患が膀胱由来のEMV数に影響を及ぼす場合、全EMVまたは尿試料中の膀胱由来EMVの数が疾病状態に基づいて変化することが期待される。ACTB、GAPDHおよびリボソームRNAなどの普遍的に発現された遺伝子も膀胱内で発現されるので、尿中EMVのこれらの遺伝子の発現レベルは膀胱疾患状態により影響を受けるだろう。しかしながら、腎臓は尿路の上流に位置しているので、膀胱疾患状態は腎機能に影響する可能性はほとんどない。従って、尿中に遊離される腎由来EMV数は、膀胱疾患状態により影響を受けないかもしれない。従って、腎特異的遺伝子、または膀胱内で発現されない他の遺伝子は、膀胱疾患に対するマーカー遺伝子の発現レベルを正規化するための理想的参照遺伝子である。このように、いくつかの実施形態では、参照遺伝子は第一臓器からのEMV由来であるが、対象のEMVは異なる臓器(例えば、腎臓)からのものである。
【0027】
尿中EMV中で発現された臓器特異遺伝子を選択するために、尿中EMV中発現された1000の最も豊富なmRNAを、尿中EMVのRNA−seqデータから選択し、各遺伝子の様々な臓器の臓器特異性または発現パターンを、GTExデータベース(Broad Institute)を用いて調査した。尿中EMVの最も豊富なmRNAの大部分
は普遍的に発現される。しかしながら、最も豊富な尿中EMV mRNAの一部は腎臓、膀胱および肝臓などの特定の臓器内で特異的に発現される(図2A)。尿中EMV中豊富に発現される膀胱特異遺伝子は、例えば、S100P、DHRS2、GATA3、SNX31、UPK1AおよびUPK1Bである(図2B)。尿中EMV中豊富に発現される腎特異遺伝子は、例えば、ALDOB、SLC12A1、BHMT、KCNJ16、SPP1、CTXN3、DEFB1およびUMODである(図2C)。
【0028】
参照遺伝子を選択するために、分散分析(ANOVA)を、試験した参照遺伝子候補の生Ct値を用いて行った(図2D、表5)。10の参照遺伝子候補を、普遍的に発現された遺伝子、膀胱特異遺伝子、および腎特異遺伝子から選択し、RT−qPCRアッセイのそれらの生Ct値を、がんタイプ(Dx)、膀胱がんステージ(ステージ)または膀胱がんグレード(グレード)などの異なる診断群の中でANOVAにより比較した。
【表5】
【0029】
ANOVAは、異なるがんタイプの中ではないが、ACTB、GAPDHおよびUPK1Bは、膀胱がんステージおよびグレードなどの診断群の中で差次的発現されることを示した。一方、ALDOBは、尿中EMV中で高発現された(平均Ct=24.1および中央値Ct=23.9)が、がんタイプ、膀胱がんステージおよびグレードなどのいずれもの診断群の中で差次的発現されなかった。従って、ALDOBは本明細書において試験した遺伝子の中で理想的参照遺伝子である。あるいは、それらの発現レベルが相対的に高く、いずれもの診断群の中で差次的発現されないので、DHRS2およびUPK1Aも理想的参照遺伝子である。
【0030】
上記のようにΔCt法を用いてALDOBにより遺伝子発現プロファイルを正規化し、がんタイプ(図3A)、膀胱がんステージ(図3B)、および膀胱がんグレード(図3C)などの疾病状態により解析した。膀胱がんを疾病コントロールおよびがん寛解と比較することによるROC曲線解析を用いてこれらの尿中EMV mRNAの診断能を評価した(表6)。様々なステージおよびグレードにおける膀胱がんを検出するための個々のマーカーの診断能を、ROC曲線解析の曲線下面積により評価した。コントロール群は、DCおよびRMSN(N=36)であった。60のEMV mRNAを、尿細胞診および膀胱腫瘍抗原(BTA)ELISAアッセイなどの従来のアッセイと比較した。尿細胞診のため、3つの異なるスコアリングを使用した:細胞診1;陽性(2)、疑わしい(1)および陰性(0)、細胞診2;陽性/疑わしい(1)および陰性(0)、ならびに細胞診3;陽性(1)、および疑わしい/陰性(0)。
【0031】
SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17、GPRC5A、P4HA1、AQP3、SLC12A3、TMPRSS4、SLC12A1、UPK1B、FABP4、SMCR8、DHRS2、CHEK1、TOP1P1、LINC00967、CRH、MYC、ACSM2AおよびGLI3などの尿中EMV mRNAマーカーは、膀胱が
んの様々なステージおよびグレードを検出するのに有用であると分かった(表6)。SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17およびGPRC5Aは、特に、高特異性および高精度で膀胱がんを検出可能であった(例えば、全ステージに対してAUC=0.64〜0.70、pTaに対してAUC=0.56〜0.64、pTisに対してAUC=0.60〜0.80、pT1に対してAUC=0.77〜0.86、>pT2に対してAUC=0.68〜0.90)。SLC2A1、S100A13、GAPDH、KRT17およびGPRC5Aは、がん寛解および疾病コントロール試料と比較して尿路上皮がん尿試料中で差次的発現されただけでなく、高特異性および高感度で筋層非浸潤性早期尿路上皮がんを検出可能であった。これらのマーカーは、従来の尿細胞診およびBTAアッセイより優れる(表6)。
【0032】
これらのマーカーを、従来の尿細胞診と相補的に使用することができる。これらのEMV mRNAマーカーは、従来の尿細胞診が膀胱がんを検出できない場合(図4A)でさえ、または細胞診で陰性または疑わしい結果であった場合(図4B)でさえ、高診断能で膀胱がんを検出することができる(表7)。様々なステージおよびグレードにおける膀胱がんを検出する個々のマーカーの診断能を、尿細胞診結果がROC曲線解析の曲線下面積により陽性でなかった患者集団で評価した。コントロール群は、DCおよびRMSN(N=26)であった。60のEMV mRNAを、尿細胞診および膀胱腫瘍抗原(BTA)ELISAアッセイなどの従来のアッセイと比較した。尿細胞診のため、3つの異なるスコアリングを使用した:細胞診1;陽性(2)、疑わしい(1)および陰性(0)、細胞診2;陽性/疑わしい(1)および陰性(0)、ならびに細胞診3;陽性(1)、および疑わしい/陰性(0)。
【0033】
寛解群に対して再発膀胱がんでさえ同様な診断能を得たので、これらのマーカーも再発膀胱がんを検出するのに有用である(表8、図4C〜D)。表8中、様々なステージおよびグレードにおける膀胱がんを検出する個々のマーカーの診断能を、ROC曲線解析の曲線下面積により以前に膀胱がんにかかった患者集団で評価した。コントロール群は、RMSN(N=27)であった。60のEMV mRNAを、尿細胞診および膀胱腫瘍抗原(BTA)ELISAアッセイなどの従来のアッセイと比較した。尿細胞診のため、3つの異なるスコアリングを使用した:細胞診1;陽性(2)、疑わしい(1)および陰性(0)、細胞診2;陽性/疑わしい(1)および陰性(0)、ならびに細胞診3;陽性(1)、および疑わしい/陰性(0)。
【0034】
加えて、KRT17、P4HA1、HSD17B2、SLC2A1、S100A13、KCNJ15、SLC12A1、F3、TMEM45A、RNF39、FABP4、TMPRSS4、UPK1B、PLATおよびOLFM3などのEMV mRNAマーカーは、腎盂がんおよび尿管がんなどの非膀胱がん尿路上皮がんを検出するのに有用である(表9、図4E〜F)。特に、KRT17、P4HA1、HSD17B2、SLC2A1およびS100A13は、高特異性および高精度で非膀胱尿路上皮がんを検出可能であった(例えば、全ステージに対してAUC=0.69〜0.77、pTaに対してAUC=0.58〜0.77、pT1に対してAUC=0.64〜0.87、>pT2に対してAUC=0.63〜0.78)。表9中、様々なステージおよびグレードにおける腎盂および尿管がんなどの非膀胱尿路上皮がんを検出する個々のマーカーの診断能を、ROC曲線解析の曲線下面積により評価した。コントロール群は、DCおよびRMSN(N=36)であった。60のEMV mRNAを、尿細胞診および膀胱腫瘍抗原(BTA)ELISAアッセイなどの従来のアッセイと比較した。尿細胞診のため、3つの異なるスコアリングを使用した:細胞診1;陽性(2)、疑わしい(1)および陰性(0)、細胞診2;陽性/疑わしい(1)および陰性(0)、ならびに細胞診3;陽性(1)、および疑わしい/陰性(0)。
【0035】
膀胱がん検出の診断能を改善するために、ロジスティック回帰分析、ランダムフォレスト、およびサポートベクターマシーンなどの機械学習法を使用することができる。ロジスティック回帰分析を、尿中EMV mRNA Ct生データを用いて行った。第一に、DCおよびRMSNについてスコア0およびpT1および>pT2におけるBCについてスコア1など実際の診断に基づいて、膀胱がんを有する診断スコアまたは確率を尿試料に割り当てた。これらのスコアを、10倍クロスバリデーションを100回反復してmRNAデータの組合せにより予測した。60の遺伝子候補から選択された1〜4遺伝子の全ての可能性のある組合せ(合計523,685式)を試験し、性能の高い式を選択した。様々なステージおよびグレードにおける膀胱がんを検出するそれらの性能を、ROC曲線解析の曲線下面積によりコントロール群としてDCおよびRMSN(N=36)で評価した。表10は、性能の高い式を一覧にしており、それらの診断能を示している。高診断能を有する式で頻繁に選択される遺伝子は、KRT17、SLC2A1、ALDOB、LINC00967、SLC16A9、CRH、PCAT4、AQP3、THAP7、FADS2、SERPINE1、AS1、OLFM3、S100A13、C5orf30、GINM1、GPRC5AおよびTOP1P1である。遺伝子の組合せ「ALDOB+CRH+SERPINE1+SLC2A1」は、膀胱がん検出、特に、より低ステージおよび/またはグレード腫瘍の検出の最高性能を示した(例えば、pTaに対してAUC 0.631、pTisに対してAUC 0.822、pT1に対してAUC 0.886、>pT2腫瘍に対してAUC 0.798)(表10、図5A)。細胞診陰性がん検出(図5B)および再発がん検出(図5C)に対してこの式をさらに評価し、両方の状況で良好な診断能を維持することが分かった。従って、該式は、従来の尿細胞診試験を相補的に使用でき、かつ、再発膀胱がんのモニタリングに同様に使用できる有望な診断である。
【0036】
サポートベクターマシーン(SVM)を、尿中EMV mRNA Ct生データを用いて適用し、膀胱がん検出のための診断式を開発した。SVMは、様々な線形および非線形関数を用いてデータをフィットすることができる。その汎用的に優れた分類性能が理由で、非線形ラジアル基底関数(RBF)を選択した。パッケージは自動的に比較的最適なパラメーターを推定することができるが、RBFは、最善な結果を得るために2つのパラメーター(cおよびσ)を調整する必要がある。パラメーター自動選択でのSVMを先ず適用して様々なステージおよびグレードにおける膀胱がんを検出した(図6A)。トレーニングエラーは9%〜24%であり、クロスバリデーションエラーは17%〜24%であった。pTa、pTisおよびpT1を含む筋層非浸潤性膀胱がんのための診断式を改善するために、5倍クロスバリデーションを10回反復することによりパラメーター、cおよびσの最善な組合せを得るためグリッド検索を行った(図6B)。最適なパラメーター(c=20.60〜20.94、σ=2−4.5〜2−3.5)を用いて、トレーニングおよびクロスバリデーションエラーは、自動パラメーター選択と比較して、それぞれ、0%±0%および17.65%±0.03%であった(図6C)。これらのデータは、膀胱がんを、尿中EMV mRNA発現プロファイルを用いてSVMもより正確に検出することができることを示している。本開示の方法およびシステムは、尿中EMV mRNAを用いて、尿路上皮がんの有望な非侵襲的バイオマーカーを得る。
【0037】
本願は、尿中EMVを用いて尿路上皮がんを診断、治療、およびモニターする新規方法を特定する。他者らは、尿中EMVを用いて膀胱がんマーカーの小規模スクリーニング試験を行い、いくつかのマーカー候補を同定したが、本明細書で開示したマーカー候補はその試験で報告されなかった。これは、患者尿試料からの全RNAの低回収率のせいで他の試験が限定的であったことが原因であろう。本願は、他の試験により検出された遺伝子の発現プロファイルを調査したが、本明細書で同定されたものと異なって、報告されたマーカーで、尿路上皮がんを検出および/または識別するために有望であるものはなかった。
【0038】
上記説明したように、本明細書では、特定のマーカーの発現レベルを検出および決定す
るために、血液または尿試料から核酸を評価するいくつかの実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、マーカーの発現の決定は、疾病または病状、例えば、尿路上皮疾患の診断を可能とする。いくつかの実施形態では、該決定を使用して病状の重症度を測定し、適切な治療計画を立てて実行する。いくつかの実施形態では、それから、検出されたバイオマーカーを使用して適切な治療レジメンを作成する。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば、対象が寛解している場合、治療をさらに行わなくてもよい(例えば、治療を開始しない)。いくつかの実施形態では、方法をコンピュータ処理する(例えば、RNA単離、cDNA生成、または増幅の1つ以上をコンピュータにより全体または部分的に制御する)。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの検出はリアルタイムである。
【0039】
上記のように、方法の特定の態様は、必要に応じてコンピュータ処理する。また、いくつかの実施形態では、発現量は、その時に行うべき治療がないという決定をもたらし得る。従って、いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法は、不必要な医療費も減らし、その時に必要としない治療による副作用の可能性も低減する。
【0040】
いくつかの実施形態では、生体試料を収集した後(例えば、尿試料)、膜粒子、細胞、エキソソーム、エキソソーム様小胞、微小胞および/または対象の他の生体成分を、該試料のろ過により単離する。いくつかの実施形態では、収集した試料のろ過は、フィルター上に、膜粒子、細胞、エキソソーム、エキソソーム様小胞、および微小胞の1つ以上を捕捉するだろう。
【0041】
いくつかの実施形態では、生体試料を収集した後(例えば、尿試料)、膜粒子、細胞、エキソソーム、エキソソーム様小胞、微小胞および/または対象の他の生体成分を、該試料のろ過により単離する。いくつかの実施形態では、収集した試料のろ過は、フィルター上に、膜粒子、細胞、エキソソーム、エキソソーム様小胞、および微小胞の1つ以上を捕捉するだろう。いくつかの実施形態では、小胞捕捉材は、生体試料から所望の小胞を捕捉する。従って、いくつかの実施形態では、小胞捕捉材を該材料の細孔(または他の小胞捕捉材を貫通する道)径に基づいて選択する。いくつかの実施形態では、小胞捕捉材はフィルターを含んでなる。
【0042】
いくつかの実施形態では、フィルターは細孔を含んでなる。 本明細書で使用するとき、「細孔」または「細孔(複数)」という語は、その通常の意味を与えられるべきであり、また、小胞捕捉材を貫通する直接的または回旋状通路を表す。いくつかの実施形態では、フィルターを構成する材料は、フィルターを貫通する間接的通路を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、小胞捕捉材は、繊維中の隙間を貫通する特定の物質の道を可能とするが、それ自体は細孔を有さない複数の繊維を含んでなる。例えば、ガラス繊維フィルターは、直径約1.6ミクロン以上の大きさを有する粒子を保持するように構成されたメッシュ様構造を有し得る。本明細書において互換的に、このようなガラス繊維フィルターを1.6ミクロンの細孔径を有する、または直径約1.6ミクロン以上である成分を捕捉する材料を含んでなると呼んでもよい。しかしながら、上記説明したように、フィルターにより捕捉されるEMVは、ガラスフィルターの細孔径より小さい桁の大きさである。従って、本明細書において、フィルターを、直径約1.6ミクロン以上である成分を捕捉する材料を含んでなると記載し得るが、これらの小さい成分がフィルターに吸着し得るので、かかるフィルターはより小さい直径を有する成分(例えば、EMV)を捕捉し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、フィルターは、直径約1.6ミクロン以上である成分を捕捉する材料を含んでなる。いくつかの実施形態では、複数のフィルターを使用して特に好ましい範囲の大きさ(例えば、直径)以内の小胞を捕捉する。例えば、いくつかの実施形態では、フィルターを使用して、約0.2ミクロン〜約0.4ミクロン、約0.4ミクロン〜約0.6ミクロン、約0.6ミクロン〜約0.8ミクロン、約0.8ミクロン〜約1.
0ミクロン、約1.0ミクロン〜約1.2ミクロン、約1.2ミクロン〜約1.4ミクロン、約1.4ミクロン〜約1.6ミクロン(および記載したこれらの間のいずれもの大きさ)を含む直径約0.2ミクロン〜約1.6ミクロンの直径を有する小胞を捕捉する。他の実施形態では、小胞捕捉材は、約0.5ミクロン〜1.0ミクロンの大きさの範囲のエキソソームを捕捉する。
【0044】
いくつかの実施形態では、フィルター(またはフィルター(複数))は、ガラス様材料、非ガラス様材料、またはその組合せを含んでなる。いくつかの実施形態では、小胞捕捉材がガラス様材料を含んでなる場合、小胞捕捉材は、プラスチックまたはガラスのように、原子スケールで不規則または「非晶質」である構造を有する。ガラス様材料としては、ガラスビーズもしくは繊維、シリカビーズ(または他の構造)、ニトロセルロース、ナイロン、ポリフッ化ポリビニリデン(PVDF)もしくは他の同様な重合体、金属もしくはナノ金属繊維、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニルもしくは他の共重合体、天然繊維(例えば、絹)、アルギン酸繊維、またはその組合せが挙げられるが、これに限定されない。
特定の実施形態では、小胞捕捉材は、必要に応じて、複数の層の小胞捕捉材を含んでなる。他の実施形態では、小胞捕捉材は、ニトロセルロースをさらに含んでなる。
【0045】
いくつかの実施形態では、フィルター機器を使用して対象の生体成分を単離する。いくつかの実施形態では、該機器は:入口および出口、ならびに入口および出口の間の内部容積を有する第一本体;入口および出口、入口および出口の間の内部容積、第二本体の内部容積内に配置され、第一本体と流体連通するフィルター材を有する第二本体;ならびに入口、入口反対側の閉端および内部空洞を有する受け容器を備える。いくつかの実施形態では、第一本体および第二本体は、第二本体の入口と第一本体の出口との相互作用により可逆的に連結する。いくつかの実施形態では、受け容器の内部空洞は、第一本体および第二本体の両方を可逆的に囲い込み、第一本体の内部容積からフィルター材を貫通し、第二本体の内部空洞を通過して第二本体の出口から出て通った後に収集した試料を受けるような寸法である。いくつかの実施形態では、単離工程は、かかる機器内に収集した試料の少なくとも一部を入れて、機器に力を印加して収集した試料を、機器を通過させて受け容器に対象の生体成分を捕捉させることを含む。いくつかの実施形態では、力の印加は、機器の遠心分離を含む。他の実施形態では、力の印加は、機器に対して正圧を印加することを含む。他の実施形態では、力の印加は、機器に対して真空圧を印加することを含む。かかるフィルター機器の例は、国際公開第2014/182330号および国際公開第2015/050891号に開示されており、これらの全文を参照することにより本明細書に組み入れられるものとする。
【0046】
いくつかの実施形態では、収集した試料を複数のフィルターを通過させて対象の生体成分を単離する。他の実施形態では、生体成分の単離は、収集した試料の希釈を含む。他の実施形態では、遠心分離を使用して対象の生体成分を単離してもよい。いくつかの実施形態では、複数の単離技術を使用してもよい(例えば、ろ過選別および/または密度勾配遠心分離の組合せ)。いくつかの実施形態では、収集した試料を単離工程後1つ以上の試料に分離する。
【0047】
いくつかの実施形態では、測定のため、RNAを対象の生体成分から遊離する。いくつかの実施形態では、対象の生体成分からRNAを遊離することは、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、および/または微小胞を、溶解バッファーを用いて溶解することを含む。他の実施形態では、遠心分離を使用してもよい。いくつかの実施形態では、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、微小胞および/または対象の他の成分をフィルターに固定化しながら、該遊離を行う。いくつかの実施形態では、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、微小胞および/または対象の他の成分を、収集した試料の他の成分から(および/またはもう一方の−例えばエキソソームから分離した小胞)単離又は分
離する。
【0048】
様々な実施形態に従えば、ノーザンブロット解析、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ、PCR、RT−PCR、リアルタイムRT−PCR、他の定量PCR技術、RNAシークエンシング、核酸配列ベース増幅法(NASBA法)
、分岐DNA増幅法、質量分析法、CHIPシークエンシング、DNAまたはRNAマイクロアレイ解析および/または他のハイブリダイゼーションマイクロアレイを含むRNAを定量するための様々な方法を使用する。これらの実施形態のいくつかまたは代替の実施形態では、増幅したDNAを生成後、対象のバイオマーカーの部分に補完するプローブに暴露する。
【0049】
いくつかの実施形態では、コンピュータ処理された方法を使用して1つ以上の工程を完了する。いくつかの実施形態では、コンピュータ処理された方法は、単離したRNAおよび/または調製したcDNA、ポリメラーゼおよび遺伝子特異的プライマーを含んでなる反応混合物を熱サイクルに暴露することを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物を暴露する温度、およびサイクル数を制御するように構成されたコンピュータにより熱サイクルを生成する。他の実施形態では、コンピュータは時間のみを制御または反応混合物の温度のみを制御し、それぞれが1つ以上の追加の変数を制御する。いくつかの実施形態では、検出工程からデータを受取り、対象が婦人科疾患または病状を患っているかを識別するために所定の増幅閾値に達することにバイオマーカーが必要とする熱サイクル数を検出するプログラムを実行するように構成されたコンピュータを使用する。さらに追加の実施形態では、全試験および検出過程を自動化する。
【0050】
例えば、いくつかの実施形態では、完全に自動化した方法、例えば、コンピュータプロセッサーおよび関連する自動機械により制御された方法により、RNAを単離する。1つの実施形態では、尿試料などの生体試料を収集し、試料処理ユニット中に配置された受け容器中に投入する。使用者は試料同定、試料量および/または特定患者の特徴などの情報をデータ入力レシーバーに入力する。いくつかの実施形態では、使用者はグラフィカルユーザーインターフェースを使用してデータを入力する。他の実施形態では、データ入力を自動化する(例えば、バーコード、QRコード、または他の図形識別子による入力)。それから、使用者はRNA単離プロトコールを実行でき、このために、アルゴリズムにアクセスして小胞などの生体成分を単離するために試料を処理する関連機能を実行し、その後、小胞を処理してRNAを遊離するようにコンピュータを構成する。さらなる実施形態では、プログラムを実行したコンピュータは単離したRNA量を定量および/または純度を評価することができる。このような実施形態では、量および/または純度は最低閾値を上回るべきであり、RNAを自動的にさらに処理して相補DNA(cDNA)を生成することができる。それから、例えば、ポリA RNA鎖をオリゴdT分子に結合した後RNAポリメラーゼを用いて伸長するなど、確立された方法を用いて、cDNAを生成することができる。他の実施形態では、量および/または純度が最低閾値を超えない場合、プログラムを実行したコンピュータは、使用者が追加の生体試料(複数可)を提供するように促すことができる。
【0051】
実施形態に依存して、cDNAを個別の小口試料に分割することができ、いくつかは後で行う分析用に貯蔵し、いくつかは直ぐに分析する。いくつかの実施形態では、分析は、既知量のcDNAを塩ベース緩衝液、DNAポリメラーゼ、および少なくとも1つの遺伝子特異的プライマーと混合して反応混合物を生成することを含む。それから、cDNAを、コンピュータシステムを実行するように構成する所定の熱サイクルプログラムを用いて増幅することができる。同様に、この熱サイクルを必要に応じて手動で制御することもできる。増幅(例えば、リアルタイムPCR)後、コンピュータシステムは、発現の特定の閾値を上回るために対象の遺伝子(例えば、尿路上皮疾患または病状)が必要なサイクル
数を評価することができる。それから、データ解析プロセッサは、この評価を使用して元試料中に存在する対象の遺伝子数を算出することができ、異なる親試料、既知コントロール、またはその組合せのいずれかと比較することにより、対象の遺伝子の発現レベルを算出することができる。データ出力プロセッサは、別の許容できるフォーマットで電子的に、試験施設および/または直接医療提供者のいずれかにこの情報を提供することができる。それから、この決定に基づいて、医療提供者は、尿路上皮疾患または病状の存在の決定に基づいた特定の患者を治療するか、および如何に治療するかを決定することができる。いくつかの実施形態では、リアルタイムに発現データを生成し、必要に応じて、リアルタイムに医療提供者(または他の受取人)に送られる。
【0052】
いくつかの実施形態では、完全または部分的に自動化した方法は、手動試験方法より速い試料処理および分析を可能とする。特定の実施形態では、機械または試験機器は、医師または検査技師は通常の病院または実験室環境の外で試験を完了し得るように携帯型および/または移動可能型であってもよい。いくつかの実施形態では、移動可能型アッセイ機器は、アッセイパラメーターをアッセイ機器に入力および/またはさらに処理するためにアッセイ機器から完了した試験の生結果を受けるように使用できる携帯電話またはノートパソコンなどのコンピュータを備える携帯型機器と互換性であり得る。いくつかの実施形態では、患者または他の使用者は、検査技師または医師の支援なしでコンピュータインターフェースによりアッセイ機器を使用可能であってもよい。これらの場合、患者は、「在宅」試験を行う選択肢を有することになるだろう。一定のこれらの実施形態において、特殊化したソフトウェアまたはプログラムを備えるコンピュータは、アッセイ機器内に適切に試料を入れて、試験実施命令前にコンピュータに試料関連データおよび情報を入力するように、患者を案内してもよい。全試験を完了した後、コンピュータソフトウェアは、アッセイ機器から受けた生データに基づいて自動的に試験結果を算出してもよい。結果を処理することにより、いくつかの実施形態では、インターネットまたは追加の情報を有するコンピュータを供給する他の手段からのデータまたは他の出所の保存されたライブラリーからのコントロール情報と結果を比較することにより、コンピュータは追加のデータを算出してもよい。それから、コンピュータは、これらの結果に基づいて患者(および/または医療提供者、および/または試験施設)に出力を示してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、医療専門家は、患者を診断、モニターおよび/または治療するために遺伝子試験が必要であり得る。従って、いくつかの実施形態では、医療専門家は、試験を要求し、結果を使用して患者の診断または治療計画をしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、医療専門家は、患者から試料を集めるか、さもなければ患者に試験用試料(または試料(複数))を提供させてもよい。それから、医療専門家は、試料の処理および試験実施可能な実験室または他の第三者に試料を送ってもよい。あるいは、医療専門家が、自分自身(例えば、院内)で試料の処理および試験の一部または全部を実施してもよい。試験は、尿路上皮の疾病の存在に関連するデータを含む、試料についての定量的および/または定性的情報を提供し得る。一旦、この情報を収集すれば、いくつかの実施形態では、情報をコントロール情報(例えば、ベースラインまたは正常集団)と比較して、試験結果が患者の試料とコントロールとの間で差を示しているかどうかを決定してもよい。情報は比較、解析された後、追加の解析のために医療専門家に戻される。あるいは、医療専門家または他の病院スタッフが適用可能な比較および分析を実施できるように、試験から集められた生データを医療専門家に戻してもよい。試験および医療専門家の解析結果に基づいて、医療専門家は、患者を如何に治療または診断するか(または必要に応じて治療を止めるか)を決定してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、ろ過(単独または遠心分離と併用して)を使用して異なる大きさの小胞を捕捉する。いくつかの実施形態では、タンパク質マーカーの表面発現に基づいて小胞の識別捕捉を行う。例えば、特異的表面マーカー(例えば、抗体に結合したフィ
ルター)または特異的タイプの小胞または異なる起源の小胞と反応性があるようにフィルターを設計してもよい。いくつかの実施形態では、フィルターと遠心分離との併用はより高収率またはより高い純度の小胞を可能とする。
【0055】
いくつかの実施形態では、マーカーは固有の小胞タンパク質またはペプチドである。いくつかの実施形態では、特定の婦人科疾患または障害は、特定の小胞の単離を可能とするように活用できる特定の小胞修飾と関連する。修飾としては、脂質、炭水化物、およびアクリル化、ホルミル化、リポイル化、ミリストイル化、パルミトイル化、アルキル化、メチル化、イソプレニル化、プレニル化、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ化、アデニル化、ホスホリル化、硫酸化、およびセレノイル化、ユビキチン化などの他の分子の付加を挙げられ得るが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、小胞マーカーは、脂質、炭水化物、核酸、RNA、DNA、他などの非タンパク質を含んでなる。
【0056】
いくつかの実施形態では、その表面マーカーに基づいた小胞の特異的捕捉は、小胞の各異なるタイプを異なる捕捉分子(例えば、異なる特異性を有する抗体)で被覆したプローブを患者の試料中に浸漬することにより捕捉する「ディップスティック」フォーマットも可能とする。
【0057】
遊離細胞外RNAを、強力に劣化した診断マーカーにするヌクレアーゼにより迅速に分解する。上記のように、いくつかの細胞外RNAは、尿などの様々な生体試料中に見出される粒子または小胞と関連する。mRNAを含むこの小胞関連RNAを、分解過程から保護する。微小胞は、大部分の細胞型から流れ落とされ、細胞膜の断片からなる。微小胞は、RNA、mRNA、マイクロRNA、およびタンパク質を含有し、それらが流れ落とされた細胞の組成を映す。エキソソームは、広範な哺乳類細胞により分泌される小さな微小胞であり、正常および病的状態下で分泌される。これらの小胞は、特定のタンパク質ならびにmRNAおよびマイクロRNAを含むRNAを含有する。いくつかの実施形態は、とりわけ、低分子干渉RNA(siRNA)、tRNA、および低分子活性化RNA(saRNA)などの核酸を評価する。
【0058】
いくつかの実施形態では、患者の尿の小胞から単離されたRNAを鋳型として使用し、例えば、逆転写酵素の使用により相補DNA(cDNA)を製造する。いくつかの実施形態では、cDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅する。他の実施形態では、核酸配列ベース増幅法(NASBA法)または核酸のプライマー依存性連続増幅、またはリガーゼ連鎖反応などのいずれもの適切な増幅技術によって、核酸およびRNAの増幅を行ってもよい。例えば、ノーザンブロット解析、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ、RNAシークエンシング、RT−PCR、リアルタイムRT−PCR、NASBA法、分岐DNA増幅法、ELISA、質量分析法、CHIPシークエンシング、およびDNAまたはRNAマイクロアレイ解析などを含む他の方法を使用して、核酸を定量してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、mRNAからcDNA合成を起こす方法およびPCRを用いたcDNAの増幅により、mRNAを定量する。1つの好ましい実施形態では、マルチウェルフィルタープレートを溶解バッファーおよび洗浄バッファーで洗浄する。それから、cDNA合成バッファーをマルチウェルフィルタープレートに添加する。マルチウェルフィルタープレートを遠心分離することができる。PCRプライマーをPCRプレートに添加し、cDNAをマルチウェルフィルタープレートからPCRプレートに移動する。PCRプレートを遠心分離して、リアルタイムPCRを開始する。
【0060】
別の好ましい実施形態は、mRNAハイブリダイゼーションまたはcDNA合成中の特異的アンチセンスプライマーの適用を含んでなる。過剰のアンチセンスプライマーをcD
NA合成中に取り除いて持ち越し効果を避け得るように、mRNAハイブリダイゼーション中にプライマーを添加することが好ましい。オリゴ(dT)および特異的プライマー(NNNN)は、ポリA RNA上の異なる位置においてcDNA合成を同時にプライムする。特異的プライマー(NNNN)およびオリゴ(dT)は、増幅中にcDNA生成を引き起こす。各ウェルの加熱によりGenePlateから特異的プライマー由来cDNAを取り出す場合でさえ、熱変性過程(例えば、TaqMan定量PCRを用いて)から得られた特異的cDNA量は、非加熱ネガティブコントロールから得られた量と同様である。これは、熱変性過程を完全に省くことを可能とする。さらに、異なる標的用の複数のアンチセンスプライマーの添加により、cDNAのアリコットから複数の遺伝子を増幅することができ、GenePlate中のオリゴ(dT)由来cDNAを今後の使用のために貯蔵することができる。
【0061】
別の代替の実施形態は、尿(または他の体液)からmRNAの高スループット定量化のための機器を含む。該機器は:複数試料送達ウェル、該試料送達ウェル下部のエキソソーム捕捉フィルター(または対象の別の生体成分を対象にするフィルター)、およびmRNA捕捉ゾーンのウェル内に固定オリゴ(dT)を含有する該フィルター下のmRNA捕捉ゾーンを含むマルチウェルフィルタープレートを備える。エキソソーム収集効率を増大するために、いくつかのろ過膜を積み重ねることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、増幅は、エキソソーム由来RNAおよびコントロールRNAを用いてリアルタイム定量PCR(TaqMan)を実行することを含む。いくつかの実施形態では、Taqmanアッセイを使用する。Taqポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性をポリメラーゼ連鎖反応生成物検出システムにおいて使用して増幅と同時に特異的検出可能なシグナルを生成する。3’末端において伸長不能、5’末端において標識化、かつ標的配列内でハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドプローブを、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ中に導入する。増幅の途中でポリメラーゼ連鎖反応生成物の鎖の1本にプローブをアニーリングすることにより、エキソヌクレアーゼ活性に適切な基質を生成する。増幅中、Taqポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は、該プローブを、未分解プローブから識別できるより小さな断片に分解する。追加の実施形態では、方法は:(a)試料を含むPCRアッセイに、標的核酸の領域を相補する配列を含む少なくとも1つの標識化オリゴヌクレオチドを準備することであって、該標識化オリゴヌクレオチドが工程(b)のオリゴヌクレオチドプライマーにより結合された標的核酸配列内にアニールする前記少なくとも1つの標識化オリゴヌクレオチドを準備すること;(b)第一プライマーが標的核酸配列の1つの鎖中の領域を相補する配列を含み、相補DNA鎖の合成をプライムし、第二プライマーが標的核酸配列の第二の鎖中の領域を相補する配列を含み、相補DNA鎖の合成をプライムし;および、各オリゴヌクレオチドプライマーが同じ核酸鎖にアニールしたいずれかの標識化オリゴヌクレオチドの上流のその相補鋳型にアニールするように選択される、1組のオリゴヌクレオチドプライマーを準備すること;(c)(i)プライマーおよび標識化オリゴヌクレオチドを標的領域内に含まれる鋳型核酸配列にアニールすること、および(ii)前記核酸ポリメラーゼがプライマー伸長生成物を合成する一方で、核酸ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性が標識化オリゴヌクレオチドを含んでなるアニールした二本鎖およびその相補鋳型核酸配列から標識化断片を同時に遊離することにより、検出可能な標識化断片を作製する、プライマーを伸長すること、のPCRサイクリング工程を許容する条件下鋳型依存重合化剤として5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを使用して標的核酸配列を増幅すること;ならびに(d)標識化断片の遊離を検出および/または測定して試料中の標的配列の存在または非存在を決定すること、を含む。
【0063】
追加の実施形態では、標識の発光を修飾するように標識と相互作用するDNA結合化合物の存在下で反応を行い、発光標識で標識化した一本鎖オリゴヌクレオチドプローブの切
断をもたらす反応を提供するTaqmanアッセイを使用する。該方法は、プローブの分解から結果として起こる標識化プローブの発光変化を利用する。該方法は、概して、オリゴヌクレオチドプローブの切断をもたらす反応を利用するアッセイに、特に、ハイブリダイズしたプローブをプライマー伸長と同時に切断する均一な増幅/検出アッセイに適用することができる。増幅された標的の蓄積の同時検出および標的配列の配列特異的検出を可能とする均一な増幅/検出アッセイが提供される。
【0064】
追加の実施形態では、リアルタイムPCRフォーマットを使用してもよい。1つのフォーマットは、SYBRグリーンなどの挿入色素を使用する。この色素は、二本鎖DNAと結合時に強力な蛍光シグナルを提供し;このシグナルは増幅DNAの定量化を可能とする。このフォーマットは増幅の配列特異的モニタリングを可能にしないが、標識化プローブなしで増幅DNAの直接的定量化を可能とする。同様に使用し得る他のこのような蛍光色素は、SYBRゴールド、YO−PRO色素およびYo Yo色素である。
【0065】
使用し得る別のリアルタイムPCRフォーマットは、単位複製配列にハイブリダイズして蛍光シグナルを生成するレポータープローブを使用する。ハイブリダイゼーション事象は、プローブ上のレポーターおよびクエンチャー部分を分離するかあるいはそれらをより接近させる。プローブ自体は分解せず、反応においてレポーター蛍光シグナル自体は蓄積しない。プローブが単位複製配列にハイブリダイズする場合のレポーター蛍光シグナルの増加により、PCR中の生成物の蓄積をモニターする。この分類のフォーマットとしては、分子指標、デュアルハイブ(dual-hybe)プローブ、SunriseまたはAmplifluor、およびScorpionリアルタイムPCRアッセイが挙げられる。
【0066】
同様に使用し得る別のリアルタイムPCRフォーマットは、いわゆる、「Policeman」システムである。このシステムでは、プライマーは、FAMなどの蛍光部分、および該プライマーの3’末端において少なくとも1つのヌクレオチド塩基と共有結合した、TAMRAなどの蛍光部分の蛍光をクエンチ可能なクエンチャー部分を含んでなる。3’末端において、プライマーは、少なくとも1つのミスマッチ塩基を有し、従って、その塩基における核酸試料または塩基を相補しない。Pfu酵素などの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたPCRにより、鋳型核酸配列を増幅してPCR産物を産生する。クエンチャー部分と結合したミスマッチ塩基(複数可)を、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性により、PCR産物の3’末端から切断する。共有結合したクエンチャー部分を有するミスマッチ塩基がポリメラーゼにより切断され、それ故、蛍光部分に対するクエンチング効果が取り除かれた蛍光を、PCR中少なくとも1つの時間において検出および/または定量する。バックグラウンドより上の蛍光は、合成された核酸試料の存在を示す。
【0067】
別の代替の実施形態は、尿試料、低張緩衝液、および溶解バッファーを機器に適用するロボット;自動真空吸引装置および遠心分離、ならびに自動PCR装置を備える、尿などの生体液中のmRNAの高スループット定量を実行するための完全自動システムを含む。
【0068】
開示した腎移植後疾患または病状の存在の決定方法は、上記のもの以外のmRNAの他の測定方法を使用してもよい。使用し得る他の方法としては、例えば、ノーザンブロット解析、リボヌクレアーゼプロテクション、溶液ハイブリダイゼーション法、半定量RT−PCR、およびin situハイブリダイゼーションが挙げられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、mRNAを適切に定量するために、参照値に対して、尿路上皮疾患または病状のマーカーをコードするmRNA量を比較することにより、定量を算出する。いくつかの実施形態では、参照値は、健康で疾病のない患者中に見られたmRNA量であろう。他の実施形態では、参照値は、ハウスキーピング遺伝子の発現レベルである
。特定のかかる実施形態では、βアクチン、または他の適切なハウスキーピング遺伝子を、参照値として使用する。当技術分野で周知である多数の他のハウスキーピング遺伝子を、参照値として使用してもよい。他の実施形態では、究極の比較が、疾病のない(コントロール)試料からの同じマーカーと比較したとき、疾病患者からのマーカーの発現レベルであるように、補正因子としてハウスキーピング遺伝子を使用する。いくつかの実施形態では、ハウスキーピング遺伝子は、上記のものなど、組織特異的遺伝子またはマーカーである。さらに他の実施形態では、マーカーの定量が絶対数により表されるように参照値は0である。いくつかの実施形態では、疾病患者からの1つ以上のマーカーと疾病のない人からの1つ以上の他のマーカーとの発現比率を比較する。いくつかの実施形態では、発現分析の早期ステージで試料について決定可能であり得るように、参照値に対する比較をリアルタイムに行う。例えば、試料を処理してリアルタイムで参照値と比較する場合、全長分析を必要とするよりむしろ、数回のみの増幅サイクル後にマーカーの発現が参照値を超えることを決定してもよい。いくつかの実施形態では、この早期比較は、迅速な診断および治療計画を必要とする場合(例えば、腎不全または移植拒絶反応前の強い損傷を受けたまたは機能不良な腎臓の治療)など、特に役立つ。
【0070】
代替の実施形態では、既知量のスパイク標準RNAの使用による所与の試料の全効率を決定する能力は、投与非依存的および配列非依存的である実施形態に起因する。既知量のコントロールRNAの使用は、PCR測定値を元試料中の標的mRNAの量に換算することを可能とする。
【0071】
いくつかの実施形態では、尿などの体液試料から標的成分を抽出するためにキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、捕捉機器および本明細書に開示の方法を実行するのに有用な追加の品目を備える。いくつかの実施形態では、キットは、溶解バッファー、カオトロピック試薬、洗浄バッファー、アルコール、洗剤、またはその組合せからなる群から選択される1つ以上の試薬を備える。いくつかの実施形態では、キット試薬を個別または貯蔵容器内で提供する。いくつかの実施形態では、キット試薬をすぐ使用できる状態で提供する。いくつかの実施形態では、キット試薬を、使用前に希釈する原液の形態で提供する。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に開示の方法を実行するのに有用なプラスチックパーツ(必要に応じて滅菌または滅菌可能)を備える。いくつかの実施形態では、キットは、ラック、遠心分離管、真空マニホールド、およびマルチウェルプレートからなる群から選択されるプラスチックパーツを備える。いくつかの実施形態では、使用説明書も提供する。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の分析をヒト患者に適用可能であるが、いくつかの実施形態では、方法は動物に適用可能である(例えば、獣医診断)。
【0073】
いくつかの実施形態では、尿路上皮の病状または疾患の存在は、1つ以上のマーカーの変化した発現を含む。いくつかの実施形態では、発現の増加または減少を、前記マーカーをコードするmRNA量により測定する(他の実施形態では、DNAまたはタンパク質を使用して発現レベルを測定する)。いくつかの実施形態では、尿を患者から収集し直接評価する。いくつかの実施形態では、例えば、ろ過または遠心分離の使用により小胞を濃縮する。それから、単離した小胞を溶解バッファーとインキュベートし、小胞からRNAを遊離し、それから、RNAを定量PCR(または他の適切な増幅もしくは定量化技術)などの方法を用いて定量するcDNAのための鋳型として使用する。いくつかの実施形態では、患者小胞からの特異的マーカーRNAのレベルを、例えば、健康な患者集団からのRNAレベル、または同患者からの初期時点からのRNAレベルもしくは同患者からのコントロール遺伝子などの所望のコントロールと比較する。
【0074】
実装機構
いくつかの実施形態に従えば、本明細書に記載の方法を、1つ以上の専用コンピュータ機器により実行することができる。専用コンピュータ機器は、配線で接続して技術を実行してもよく、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)もしくは技術を実行するように持続的にプログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのデジタル電子機器を備えてもよく、またはファームウェア、メモリー、他の記憶装置、もしくは組合せ中にプログラム指示に従って技術を実行するようにプログラムされた1つ以上の汎用ハードウェアプロセッサを備えてもよい。このような専用コンピュータ機器は、技術を実行するように、カスタムハードワイヤードロジック、ASIC、またはFPGAをカスタムプログラムと組み合わせてもよい。専用コンピュータ機器は、技術を実行するように、デスクトップコンピュータシステム、サーバーコンピュータシステム、ポータブルコンピュータシステム、ハンドヘルドデバイス、ネットワークデバイスもしくは他の機器またはハードワイヤードおよび/またはプログラムロジックを組み込んだ機器の組合せであってもよい。
【0075】
概して、iOS、Android、Chrome OS、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8、Windows Server、Windows CE、Unix、Linux、SunOS、Solaris、iOS、Blackberry OS、VxWorks、または他の互換性のあるオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムソフトウェアにより、コンピュータ機器(複数可)を制御、統合する。他の実施形態では、コンピュータ機器を、独占所有権のあるオペレーティングシステムにより制御してもよい。従来のオペレーティングシステムは、とりわけ、実行用コンピュータプロセスを制御、スケジュール化し、メモリー管理を行い、ファイルシステム、ネットワーキング、I/Oサービスを提供し、グラフィカルユーザーインターフェース(「GUI」)などのユーザーインターフェース機能を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、バスまたは情報通信用の他の通信機構、および情報処理用バスと接続したハードウェアプロセッサ、またはマルチプルプロセッサを備える。ハードウェアプロセッサ(複数可)は、例えば、1つ以上の汎用マイクロプロセッサであってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、ランダムアクセスメモリー(RAM)などのメインメモリー、キャッシュおよび/または情報記憶用バスと接続した他のダイナミックストレージデバイスおよびプロセッサにより実行される命令を備えてもよい。プロセッサにより実行される命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するために、メインメモリーを使用してもよい。プロセッサにアクセス可能な記憶媒体に記憶された場合、このような命令は、コンピュータシステムを、命令に定められた動作を実行するようにカスタマイズされた専用機にする。
【0078】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、読出し専用メモリー(ROM)または静的情報およびプロセッサに対する命令の記憶用バスと接続した他の静的記憶機器をさらに備える。磁気ディスク、光ディスク、またはUSBサムドライブ(フラッシュドライブ)、他などの記憶機器を準備し、情報および命令の記憶用バスと接続してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、コンピュータ使用者に情報を表示するために、コンピュータシステムを陰極線管(CRT)またはLCDディスプレイ(またはタッチスクリーン)などのディスプレイにバス経由で接続してもよい。英数字および他のキーを備える入力デバイスを、プロセッサとの情報および命令選択の通信用バスと接続する。使用者入力デバイスの別のタイプは、プロセッサとの指示情報および命令選択通信用およびディスプレイ上のカーソル移動制御用マウス、トラックボールなどのカーソル制御、またはカーソル方向
キーである。この入力デバイスは、通常、機器が平面内の位置を特定することを可能とする二軸、第一軸(例えば、x)および第二軸(例えば、y)の二次自由度を有する。いくつかの実施形態では、同方向の情報およびカーソル制御などの命令選択を、カーソルなしでタッチスクリーン上にタッチを受けることにより実行してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、コンピュータ機器(複数可)により実行される実行用ソフトウェアコードとして大容量記憶装置内に記憶され得るGUIを実行するためのユーザーインターフェースモジュールを備えてもよい。例として、これおよび他のモジュールは、ソフトウェアコンポーネント、オブジェクト指向ソフトウェアコンポーネント、クラスコンポーネントおよびタスクコンポーネントなどのコンポーネント、処理、機能、属性、手順、サブルーチン、プログラムコード区間、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を備えてもよい。
【0081】
概して、本明細書で使用するとき、用語「モジュール」は、ハードウェアもしくはファームウェア中に具体化したロジック、または、例えば、Java、Lua、CもしくはC++などのプログラミング言語で書かれた入口および出口を場合により有するソフトウェア命令のコレクションを表す。ソフトウェアモジュールをダイナミックリンクライブラリにインストールした実行可能プログラムにコンパイルして連係してもよく、例えば、BASIC、Perl、もしくはPythonなどの解釈されたプログラミング言語で書いてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールまたはそれ自体から呼び出し可能であってもよく、および/または検出された事象または割り込みに応じて呼び出してもよいと考えられるだろう。コンピュータ機器上で実行するために構成されたソフトウェアモジュールを、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュドライブ、磁気ディスク、またはその他の有形媒体などのコンピュータ可読媒体で、またはデジタルダウンロードとして提供してもよい(実行前にインストレーション、解凍または復号を要する圧縮またはインストール可能なフォーマットで元々記憶してもよい)。このようなソフトウェアコードを、コンピュータ機器により実行するために、実行するコンピュータ機器のメモリーデバイス上に部分的または完全に記憶してもよい。ソフトウェア命令を、EPROMなどのファームウェアに埋め込んでもよい。ハードウェアモジュールは、ゲートおよびフリップフロップなどの接続されたロジックユニットからなってもよく、および/またはプログラム可能なゲートアレイもしくはプロセッサなどのプログラム可能ユニットからなってもよいとさらに考えられるだろう。本明細書に記載のモジュールまたはコンピュータ機器の機能を、好ましくはソフトウェアモジュールとして実行するが、ハードウェアまたはファームウェア内で表現してもよい。概して、本明細書に記載のモジュールは、他のモジュールと組合せたまたはその物理編成もしくは記憶にかかわらずサブモジュールに分割してもよい論理モジュールを表す。
【0082】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、コンピュータシステムとの併用において、コンピュータシステムを専用機にするまたは専用機になるようにプログラムする、カスタマイズしたハードワイヤードロジック、1つ以上のASICまたはFPGA、ファームウェアおよび/またはプログラムロジックを用いて本明細書に記載の方法を実行してもよい。1つの実施形態に従えば、本明細書の方法を、メインメモリー内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するハードウェアプロセッサ(複数可)に応じてコンピュータシステムにより実行する。このような命令を、記憶機器などの別の記憶媒体からメインメモリーに読み取ってもよい。メインメモリーに含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ(複数可)に本明細書に記載の工程を実施させる。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路をソフトウェア命令の代わりにまたはソフトウェア命令と併用して使用してもよい。
【0083】
本明細書で使用するとき、用語「一時的でない媒体」、および同様の用語は、装置を具体的に動作させるデータおよび/または命令を記憶するいずれもの媒体を表す。このような一時的でない媒体は、非揮発性媒体および/または揮発性媒体を含んでもよい。非揮発性媒体としては、例えば、光ディスクもしくは磁気ディスク、または他のタイプの記憶機器が挙げられる。揮発媒体としては、メインメモリーなどのダイナミックメモリが挙げられる。一時的でない媒体の通常の形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、半導体ドライブ、磁気テープ、または他の磁気データ記憶媒体、CD−ROM、他の光データ記憶媒体、孔のパターンを有するいずれもの物理媒体、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH−EPROM、NVRAM、その他のメモリーチップもしくはカートリッジ、ならびにそのネットワーク化バージョンが挙げられる。
【0084】
一時的でない媒体は、伝送媒体とは異なるが、併用して使用してもよい。伝送媒体は、一時的でない媒体間の情報の伝達に関与する。例えば、伝達媒体としては、バスを含んでなる線を含む同軸ケーブル、銅線および光ファイバーが挙げられる。伝送媒体は、電波および赤外データ通信中に生じるものなど、音波または光波の形態も取り得る。
【0085】
様々な形態の媒体は、実行のための1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサに伝送することに関与し得る。例えば、初めに、遠隔コンピュータの磁気ディスクまたは半導体ドライブに命令を伝送してもよい。遠隔コンピュータは命令をそのダイナミックメモリにロードし、モデムまたはWANもしくはLANインターフェースなどの他のネットワークインターフェースを用いて電話線で命令を送信することができる。コンピュータシステム固有のモデムは電話線でデータを受けて、赤外電送機を使用してデータを赤外シグナルに変換することができる。赤外検知器は赤外シグナルで伝送されたデータを受けることができ、適切な回路はデータをバスに置くことができる。バスはデータをメインメモリーに伝送し、そこから、プロセッサは命令を検索して実行する。メインメモリーにより受けた命令は、命令を検索し実行してもよい。必要に応じて、プロセッサによる実行前または実行後のいずれかに記憶機器にメインメモリーにより受けた命令を記憶してもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、バスと接続した通信インターフェースも備えてもよい。通信インターフェースは、ローカルネットワークと接続されたネットワークリンクに連結している双方向データ通信を提供してもよい。例えば、通信インターフェースは、総合デジタル通信網(ISDN)カード、ケーブルモデム、衛星モデム、または対応するタイプの電話線とのデータ通信接続を提供するモデムであってもよい。別の例としては、通信インターフェースは、互換LAN(またはWANと通信するWANコンポーネント)とデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクも実行してもよい。いずれものこのような実行では、通信インターフェースは、様々なタイプの情報を表現するデジタルデータストリームを伝送する電気、電磁気または光シグナルを送受信する。
【0087】
ネットワークリンクは、通常、1つ以上のネットワークを通って他のデータ機器にデータ通信を提供してもよい。例えば、ネットワークリンクは、ローカルネットワークを通って、ホストコンピュータまたはインターネットサービスプロバイダー(ISP)により運用されているデータ装置への接続を提供してもよい。次いで、ISPは、現在共通に「インターネット」と呼ばれているワールドワイドパケットデータ通信ネットワークを通ってデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワークおよびインターネットは両方デジタルデータストリームを伝送する電気、電磁気または光シグナルを使用する。コンピュータシステムへおよびコンピュータシステムからのデジタルデータを伝送する様々なネットワークを通ったシグナルおよびネットワークリンク上および通信インターフェースを通ったシグナルは、伝送媒体の例証となる形態である。
【0088】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、ネットワーク(複数可)、ネットワークリンク、および通信インターフェースを通って、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信する。インターネットの例では、サーバーは、インターネット、ISP、ローカルネットワーク、および通信インターフェースを通って、要求されたアプリケーションプログラム用コードを伝送し得る。
【0089】
受信したコードを、それを受けたときに、プロセッサにより実行してもよく、および/または記憶機器、または後で実行するために他の不揮発性記憶装置に記憶してもよい。
【0090】
上記開示の実施形態の特異的特徴および態様の様々な組合せまたは副組合せを行ってもよいが、それでもやはり本発明の1つ以上に含まれると理解される。さらに、実施形態に関していずれもの特定の特徴、態様、方法、特性、特有性、品質、特質、要素等の本明細書中の開示を、本明細書に記載の他の全ての実施形態で使用することができる。従って、開示された実施形態の様々な特徴および態様を、本開示された発明の様々な方法を形成するために互いに組み合わせるまたは置き換えることができると理解すべきである。従って、本明細書に開示した本発明の範囲を上記特定の開示された実施形態により限定すべきでないものとする。さらに、本発明は様々な変更、および代替の形態の影響を受けやすいが、その具体例を図で示しており、本明細書に詳細に記載する。しかしながら、本発明は開示した特定の形態または方法に限定されないが、それとは反対に、本発明は記載した様々な実施形態および添付の請求の範囲の趣旨および範囲内である全ての変更、均等物、および代替物を包含するものとすることを理解するべきである。本明細書に開示のいずれもの方法は、必ずしも、記載した順番で実施する必要はない。本明細書に開示した方法は、開業医によりなされる特定の行為を含むが;しかしながら、明示的あるいは含蓄的のいずれかでこれらの行為のいずれもの第三者の指示も包含し得る。例えば、「疾病または病状のため対象を治療する」などの措置は、「疾病または病状のため対象の治療の管理を指示する」を含む。
【0091】
とりわけ、「できる(can)」、「できる(could)」、「してもよい(might)」、または「してもよい(may)」などの条件的言語は、特に別段の指定がない限り、または使用したときの文脈内で別様に理解されない限り、概して、他の実施形態は含まないが、特定の実施形態が特定の特徴、要素および/またはステップを含むことを伝えるものとする。従って、このような条件的言語は、概して、特徴、要素および/またはステップが何らか1つ以上の実施形態に必要であることを暗示していないものとする。
【0092】
「第一(first)」、「第二(second)」、「第三(third)、「第四(fourth)」、「第五(fifth)」、「第六(sixth)」、「第七(seventh)」、「第八(eighth)」、「第九(ninth)」、「第十(tenth)」、または「第十一(eleventh)」およびそれ以上は、特に別段の指定がない限り、または使用したときの文脈内で別様に理解されない限り、概して、いずれもの順番を表し、必ずしも、対応する通常の数の単純解釈に基づいた順番を表さない。従って、通常の数を用いる用語は別の個々を単に示し得るし、必ずしも、その間の順番を意味しないかもしれない。従って、例えば、本願で使用する第一および第二バイオマーカーは、単に2組のバイオマーカーがあることを意味し得る。すなわち、いずれもの態様において、「第一」および「第二」組のデータ間の順番の意図が必ずしもないかもしれない。
【0093】
本明細書に開示した範囲は、いずれかおよび全ての重複部分、部分範囲、およびその組合せも包含する。「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、「より小さい(less than)」、「の間(between)」等の言語は記載した数を含む。「約(about)」または「
約(approximately)」などの用語が前に付く数は、記載した数を含む。例えば、「約10ナノメートル」は、「10ナノメートル」を含む。
【表6-1】
【表6-2】
【表7-1】
【表7-2】
【表8-1】
【表8-2】
【表9-1】
【表9-2】
【表10-1】
【表10-2】
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D-1】
図2D-2】
図2E-1】
図2E-2】
図2F-1】
図2F-2】
図3A-1】
図3A-2】
図3A-3】
図3B-1】
図3B-2】
図3B-3】
図3C-1】
図3C-2】
図3C-3】
図4A-1】
図4A-2】
図4A-3】
図4B-1】
図4B-2】
図4B-3】
図4C-1】
図4C-2】
図4C-3】
図4D-1】
図4D-2】
図4D-3】
図4E-1】
図4E-2】
図4F-1】
図4F-2】
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]