(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送波群は、波形データを量子化して逆フーリエ変換することで得られるIデータおよびQデータを用いて、互いに90°位相が異なる搬送波を変調することによって、生成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
前記複数の搬送波のうち、前記所定の周波数帯域において周波数が隣り合う少なくとも2つの搬送波は、位相が異なることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
前記複数の搬送波のうち、前記所定の周波数帯域において周波数が隣り合う少なくとも2つの搬送波は、位相が90°異なることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
前記搬送波群生成部は、前記プラズマにより被処理体に対してプラズマ処理を実行する前に、前記所定の中心周波数を中心とする前記所定の周波数帯域に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波から成る他の搬送波群を生成し、
前記プラズマ生成部は、前記他の搬送波群を用いて、前記処理容器内にプラズマを生成し、
前記他の搬送波群に含まれる各前記搬送波の振幅は、時間の経過と共に変動し、当該振幅の極大値は、前記搬送波群に含まれる各前記搬送波の振幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
前記搬送波群生成部は、前記プラズマにより被処理体に対してプラズマ処理を実行する前に、前記搬送波群に含まれる前記複数の搬送波の中の少なくとも1つの搬送波を生成し、
前記プラズマ生成部は、前記少なくとも1つの搬送波を用いて、前記処理容器内にプラズマを生成し、
前記少なくとも1つの搬送波の振幅は、前記プラズマ処理が実行される場合の前記少なくとも1つの搬送波の振幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本願の開示するプラズマ処理装置の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。
【0012】
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置の概略を示す図である。
図1に示すプラズマ処理装置1は、処理容器12、ステージ14、搬送波群生成部16、アンテナ18、誘電体窓20及び制御部100を備えている。
【0013】
処理容器12は、プラズマ処理を行うための処理空間Sを画成している。処理容器12は、側壁12a、及び、底部12bを有する。側壁12aは、略筒形状に形成されている。以下、側壁12aの筒形状の中心において筒形状の延在する軸線Xを仮想的に設定し、軸線Xの延在方向を軸線X方向という。底部12bは、側壁12aの下端側に設けられ、側壁12aの底側開口を覆う。底部12bには、排気用の排気孔12hが設けられている。側壁12aの上端部は開口している。
【0014】
側壁12aの上端部開口は、誘電体窓20によって閉じられている。誘電体窓20と側壁12aの上端部との間にはOリング19が介在している。誘電体窓20は、Oリング19を介して側壁12aの上端部に設けられる。Oリング19により、処理容器12の密閉がより確実なものとなる。ステージ14は、処理空間S内に収容され、被処理体Wが載置される。誘電体窓20は、処理空間Sに対向する対向面20aを有する。
【0015】
搬送波群生成部16は、所定の中心周波数を中心とする所定の周波数帯域に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波から成る搬送波群を生成する。例えば、搬送波群生成部16は、基準周波数と位相を同期させたマイクロ波を発振することが可能なPLL(Phase Locked Loop)発振器と、PLL発振器に接続されたIQディジタル変調器とを有する。そして、搬送波群生成部16は、PLL発振器から発振されるマイクロ波の周波数を中心周波数に設定する。そして、搬送波群生成部16は、中心周波数であるマイクロ波の周波数を中心とする所定の周波数帯域に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波をIQディジタル変調器を用いて生成することによって、搬送波群を生成する。例えば、N個の複素データシンボルを逆離散フーリエ変換し、連続信号にすれば、本発明の搬送波群を生成することが可能である。この信号の生成方法は、ディジタルテレビ放送等で用いられるOFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)変調方式と同様の方法で、実現される(例えば特許5320260号参照)。なお、搬送波群生成部16によって生成される搬送波群における中心周波数及び周波数帯域は、後述する制御部100によって制御される。
【0016】
図2は、搬送波群の生成方法の一例を説明するための図である。
図2において、波形データは、予めディジタル化された符号の列である。ある時刻tにおける波形データX(t)は、以下の式(1)により表される。
X(t)=A(t)cos(ωt+θ
0) ・・・ (1)
ただし、A(t):ある時刻tにおける振幅、
θ
0:初期位相
【0017】
上記式(1)を加法定理を用いて展開することで、以下の式(2)が導出される。
X(t)=A(t)cosωt・cosθ
0−A(t)sinωt・sinθ
0・・・(2)
【0018】
波形データX(t)の同相成分データ(Iデータ:In-Phase component)I(t)は、以下の式(3)により表される。また、波形データX(t)の直交成分データ(Qデータ:Quadrature component)Q(t)は、以下の式(4)により表される。
I(t)=A(t)cosθ
0 ・・・ (3)
Q(t)=A(t)sinθ
0 ・・・ (4)
【0019】
上記式(2)〜(4)により、以下の式(5)が導出される。
X(t)=I(t)cosωt−Q(t)sinωt ・・・ (5)
【0020】
上記の式(5)は、全ての波形データX(t)がIデータI(t)及びQデータQ(t)により表されることを意味する。
【0021】
搬送波群生成部16では、まず、波形データX(t)を量子化し、かつ、逆フーリエ変換することで、IデータI(t)とQデータQ(t)とが分離される。そして、IデータI(t)及びQデータQ(t)の各々が、D/A(Digital/Analog)変換され、低周波成分のみを通過させるLPF(ローパスフィルター)へ入力される。一方、PLL発振器から発振される中心周波数(fo)の基準搬送波(例えば、マイクロ波)から、互いに90°位相が異なる2つの基準搬送波cosωt、−sinωtが生成される。そして、LPFから出力されるIデータI(t)及びQデータQ(t)を用いて、互いに90°位相が異なる基準搬送波cosωt、−sinωtを変調することによって、搬送波群が生成される。すなわち、IデータI(t)に基準搬送波(cosωt)が乗算され、QデータQ(t)に基準搬送波(−sinωt)が乗算され、2つの乗算結果が加算されることによって、搬送波群が生成される。本実施形態における搬送波群は、中心周波数2450MHzのマイクロ波を用いて、10kHzピッチで40MHz帯域幅に搬送波を多重化したものである。隣り合う搬送波の位相を直交の関係(90°位相の異なる状態)にすることで、最も近接した、多くの搬送波を配列することができる。
【0022】
ここで、搬送波群生成部16によって生成される搬送波群の波形を説明する。
図3A〜3Dは、搬送波群の波形の一例を示す図である。
図3Aは、時間軸、周波数軸及び振幅軸により構成される3次元座標空間における搬送波群の波形を示している。
図3Bは、周波数軸及び振幅軸により構成される2次元座標空間における搬送波群の波形を示している。
図3Cは、時間軸及び周波数軸により構成される2次元座標空間における搬送波群の波形を示している。
図3Dは、時間軸及び振幅軸により構成される2次元座標空間における搬送波群の波形を示している。
【0023】
図3A〜
図3Dに示すように、搬送波群は、所定の中心周波数(例えば、2.45GHz)を中心とする所定の周波数帯域(例えば、40MHz)に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波(搬送波f1〜f12)から成る。各搬送波の周波数は、時間の経過に関わらず一定である。また、複数の搬送波の振幅は、同一である。各搬送波の振幅は、時間の経過に関わらず一定である。また、複数の搬送波のうち、所定の周波数帯域において周波数が隣り合う少なくとも2つの搬送波は、90°位相が異なる。例えば、周波数が隣り合う搬送波f1及び搬送波f2は、90°位相が異なる。また、所定の周波数帯域において、複数の搬送波の周波数は、一定の間隔(例えば、10kHz)を空けて配列される。
【0024】
一実施形態のように複数の搬送波から成る搬送波群を生成することにより、搬送波群の反射波のパワーが極小となる周波数(以下「極小反射周波数」という)を、搬送波群に含まれる複数の搬送波のうちいずれかの搬送波の周波数に一致させることができる。その結果、一実施形態によれば、プラズマに吸収される搬送波群のパワーをほぼ一定に保つことができるので、プラズマ密度のばらつきを抑制することができる。
【0025】
図4は、搬送波群によるプラズマ密度のばらつきの抑制を説明するための図である。
図4において、横軸は、周波数[GHz]であり、縦軸は、パワー[dBm]である。また、
図4において、グラフ501は、搬送波群の進行波の周波数スペクトルを示し、グラフ群502は、搬送波群の反射波の周波数スペクトルを示している。また、
図4では、実験条件として、処理ガス及び流量:Cl2/Ar=100/300sccm、圧力:140mTorrが用いられたものとする。
【0026】
図4のグラフ501及びグラフ群502に示すように、複数の搬送波から成る搬送波群を生成した場合、極小反射周波数と、搬送波群に含まれる複数の搬送波のうちいずれかの搬送波の周波数とが一致する。これにより、プラズマに吸収される搬送波群のパワーはほぼ一定に維持される。
図4の例では、プラズマに吸収される搬送波群のパワーは、グラフ501と、グラフ群502とで挟まれる領域の面積に相当する。ここで、グラフ501と、グラフ群502の中の1つのグラフ502aとで挟まれる領域の面積をA1とし、グラフ501と、グラフ群502の中の1つのグラフ502bとで挟まれる領域の面積をA2とする。面積A1と面積A2とはほぼ同等であるので、極小反射周波数が変動する場合であっても、プラズマに吸収される搬送波群のパワーはほぼ一定に維持されることが分かる。結果として、プラズマ密度の低下が抑制されるので、プラズマ密度のばらつきが抑制される。
【0027】
ここで、一実施形態における搬送波群によるプラズマ密度のばらつきの抑制のメカニズムについて詳細に説明する。一実施形態における搬送波群によるプラズマ密度のばらつきの抑制のメカニズムを説明する前に、その前提として、単一の周波数を有するマイクロ波を用いる場合の問題点を説明する。
図5は、単一の周波数を有するマイクロ波を用いた場合の問題点を説明するための図である。
図5において、グラフ511は、マイクロ波の反射波の周波数スペクトルのうち極小反射周波数に対応する部分を示している。
【0028】
図5に示すように、単一の周波数を有するマイクロ波f1´を用いる場合、マイクロ波f1´の単一の周波数は、極小反射周波数に一致するように固定される。すると、プラズマに吸収されるマイクロ波f1´のパワーが増大し、結果として、プラズマ密度が増加する。プラズマ密度が増加すると、極小反射周波数が、
図5の実線の矢印で示すように、マイクロ波f1´の単一の周波数からずれる。これにより、マイクロ波f1´の反射波が増大する。すると、プラズマに吸収されるマイクロ波f1´のパワーが減少し、結果として、プラズマ密度が低下する。プラズマ密度が低下すると、マイクロ波f1´の反射波が減少することにより、極小反射周波数が、
図5の破線の矢印で示すように、マイクロ波f1´の単一の周波数に近づく。すると、プラズマに吸収されるマイクロ波f1´のパワーが増加し、結果として、プラズマ密度が再び増加する。単一の周波数を有するマイクロ波f1´を用いる場合、このようなプラズマ密度の増加と低下とが繰り返されることによって、プラズマ密度のばらつきが増大するおそれがある。なお、搬送波を周波数変調することによって生成される所定の周波数帯域幅を有するマイクロ波を用いた場合、かかるマイクロ波もある時刻に対応して単一の周波数を有するので、同様にプラズマ密度のばらつきが増大するおそれがある。
【0029】
これに対して、一実施形態における搬送波群によるプラズマ密度のばらつきの抑制のメカニズムを説明する。
図6は、一実施形態における搬送波群によるプラズマ密度のばらつきの抑制のメカニズムを説明するための図である。
図6において、グラフ512は、搬送波群の反射波の周波数スペクトルのうち極小反射周波数に対応する部分を示している。
【0030】
図6に示すように、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波(搬送波f1、f2、f3、…)から成る搬送波群を用いる場合、極小反射周波数と、搬送波群に含まれる複数の搬送波のうちいずれかの搬送波の周波数とが一致する。
図6の例では、極小反射周波数と、搬送波群に含まれる複数の搬送波のうち搬送波f1の周波数とが一致するものとする。すると、プラズマに吸収される搬送波f1のパワーが増大し、結果として、プラズマ密度が増加する。プラズマ密度が増加すると、極小反射周波数が、
図6の実線の矢印で示すように、搬送波f1の周波数からずれる。すると、搬送波f1の周波数からずれた極小反射周波数は、搬送波f2の周波数と一致する。これにより、プラズマに吸収される搬送波f2のパワーが増大し、結果として、プラズマ密度が増加する。互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波から成る搬送波群を用いる場合、プラズマ密度の増加と低下との繰り返しが回避される。その結果、プラズマ密度のばらつきが抑制される。
【0031】
図1の説明に戻る。プラズマ処理装置1は、増幅器21、導波管22、ダミーロード23、検出器(進行波)24、検出器(反射波)25、チューナ26、モード変換器27、及び同軸導波管28を更に備えている。
【0032】
搬送波群生成部16は、増幅器21を介して導波管22に接続されている。増幅器21は、搬送波群生成部16によって生成される搬送波群を増幅し、増幅した搬送波群を導波管22へ出力する。導波管22は、例えば、矩形導波管である。導波管22は、モード変換器27に接続されており、モード変換器27は、同軸導波管28の上端に接続されている。
【0033】
ダミーロード23は、サーキュレーター23aを介して導波管22に接続されている。サーキュレーター23aは、処理容器12側から反射される搬送波群の反射波を抽出し、抽出した搬送波群の反射波をダミーロード23へ出力する。ダミーロード23は、サーキュレーター23aから入力される搬送波群の反射波を負荷等により熱に変換する。
【0034】
検出器(進行波)24は、方向性結合器24aを介して導波管22に接続されている。方向性結合器24aは、処理容器12側へ向かう搬送波群の進行波を抽出し、抽出した搬送波群の進行波を検出器(進行波)24へ出力する。検出器(進行波)24は、方向性結合器24aから入力される搬送波群の進行波の周波数スペクトルを検出し、検出した搬送波群の進行波の周波数スペクトルを制御部100へ出力する。
【0035】
検出器(反射波)25は、方向性結合器25aを介して導波管22に接続されている。方向性結合器25aは、処理容器12側から反射される搬送波群の反射波を抽出し、抽出した搬送波群の反射波を検出器(反射波)25へ出力する。検出器(反射波)25は、方向性結合器25aから入力される搬送波群の反射波の周波数スペクトルを検出し、検出した搬送波群の反射波の周波数スペクトルを制御部100へ出力する。
【0036】
チューナ26は、導波管22に設けられ、搬送波群生成部16と、処理容器12との間のインピーダンスを整合する機能を有する。チューナ26は、導波管22の内部空間に突出自在に設けられた可動板26a,26bを有する。チューナ26は、基準位置に対する可動板26a,26bの突出位置を制御することによって、搬送波群生成部16と、処理容器12との間のインピーダンスを整合する。
【0037】
同軸導波管28は、軸線Xに沿って延びている。この同軸導波管28は、外側導体28a及び内側導体28bを含んでいる。外側導体28aは、軸線X方向に延びる略円筒形状を有している。内側導体28bは、外側導体28aの内部に設けられている。この内側導体28bは、軸線Xに沿って延びる略円筒形状を有している。
【0038】
搬送波群生成部16によって発生された搬送波群は、チューナ26及び導波管22を介してモード変換器27に導波される。モード変換器27は、搬送波群のモードを変換して、モード変換後の搬送波群を同軸導波管28に供給する。同軸導波管28からの搬送波群は、アンテナ18に供給される。
【0039】
アンテナ18は、搬送波群生成部16によって発生される搬送波群に基づいて、プラズマ励起用の搬送波群を放射する。アンテナ18は、スロット板30、誘電体板32、及び冷却ジャケット34を有する。アンテナ18は、誘電体窓20の対向面20aの反対側の面20b上に設けられ、搬送波群生成部16によって発生される搬送波群に基づいて、誘電体窓20を介してプラズマ励起用の搬送波群を処理空間Sへ放射する。
【0040】
スロット板30は、軸線Xに板面が直交する略円板状に形成される。スロット板30は、誘電体窓20の対向面20aの反対側の面20b上に、誘電体窓20と互いに板面を合わせて配置される。スロット板30には、軸線Xを中心にして周方向に複数のスロット30aが配列される。スロット板30は、ラジアルラインスロットアンテナを構成するスロット板である。スロット板30は、導電性を有する金属製の円板状に形成される。スロット板30には、複数のスロット30aが形成される。また、スロット板30の中央部には、後述する導管36が貫通可能な貫通孔30dが形成される。
【0041】
誘電体板32は、板面が軸線Xに直交する略円板状に形成される。誘電体板32は、スロット板30と冷却ジャケット34の下側表面との間に設けられている。誘電体板32は、例えば石英製であり、略円板形状を有している。
【0042】
冷却ジャケット34の表面は、導電性を有する。冷却ジャケット34は、内部に冷媒が通流可能な流路34aが形成されており、冷媒の通流により誘電体板32及びスロット板30を冷却する。冷却ジャケット34の上部表面には、外側導体28aの下端が電気的に接続されている。また、内側導体28bの下端は、冷却ジャケット34及び誘電体板32の中央部分に形成された孔を通って、スロット板30に電気的に接続されている。
【0043】
同軸導波管28からの搬送波群は、誘電体板32に伝播され、スロット板30のスロット30aから誘電体窓20を介して、処理空間S内に導入される。一実施形態においては、同軸導波管28の内側導体28bの内孔には、導管36が通っている。スロット板30の中央部には、導管36が貫通可能な貫通孔30dが形成されている。導管36は、軸線Xに沿って延在しており、ガス供給系38に接続される。
【0044】
ガス供給系38は、導管36に被処理体Wを処理するための処理ガスを供給する。ガス供給系38は、ガス源38a、弁38b、及び流量制御器38cを含み得る。ガス源38aは、処理ガスのガス源である。弁38bは、ガス源38aからの処理ガスの供給及び供給停止を切り替える。流量制御器38cは、例えば、マスフローコントローラであり、ガス源38aからの処理ガスの流量を調整する。なお、ガス供給系38は、プラズマ反応に用いられる処理ガスを処理空間Sへ導入するガス供給機構の一例に相当する。
【0045】
一実施形態においては、プラズマ処理装置1は、インジェクタ41を更に備え得る。インジェクタ41は、導管36からのガスを誘電体窓20に形成された貫通孔20hに供給する。誘電体窓20の貫通孔20hに供給されたガスは、処理空間Sに供給される。以下の説明では、導管36、インジェクタ41、及び、貫通孔20hによって構成されるガス供給経路を、「中央ガス導入部」ということがある。
【0046】
ステージ14は、軸線X方向において誘電体窓20と対面するように設けられている。このステージ14は、誘電体窓20と当該ステージ14との間に処理空間Sを挟むように設けられている。ステージ14上には、被処理体Wが載置される。一実施形態においては、ステージ14は、台14a、フォーカスリング14b、及び、静電チャック14cを含む。ステージ14は、載置台の一例に相当する。
【0047】
台14aは、筒状支持部48によって支持されている。筒状支持部48は、絶縁性の材料で構成されており、底部12bから垂直上方に延びている。また、筒状支持部48の外周には、導電性の筒状支持部50が設けられている。筒状支持部50は、筒状支持部48の外周に沿って処理容器12の底部12bから垂直上方に延びている。この筒状支持部50と側壁12aとの間には、環状の排気路51が形成されている。
【0048】
排気路51の上部には、複数の貫通孔が設けられた環状のバッフル板52が取り付けられている。排気孔12hの下部には排気管54を介して排気装置56が接続されている。排気装置56は、自動圧力制御弁(APC:Automatic Pressure Control valve)と、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプとを有している。排気装置56により、処理容器12内の処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。
【0049】
台14aは、高周波電極を兼ねている。台14aには、給電棒62及びマッチングユニット60を介して、RFバイアス用の高周波電源58が電気的に接続されている。高周波電源58は、被処理体Wに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.65MHzの高周波電力(以下適宜「バイアス電力」という)を所定のパワーで出力する。マッチングユニット60は、高周波電源58側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、処理容器12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容している。この整合器の中に自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれている。
【0050】
台14aの上面には、静電チャック14cが設けられている。静電チャック14cは、被処理体Wを静電吸着力で保持する。静電チャック14cの径方向外側には、被処理体Wの周囲を環状に囲むフォーカスリング14bが設けられている。静電チャック14cは、電極14d、絶縁膜14e、及び、絶縁膜14fを含んでいる。電極14dは、導電膜によって構成されており、絶縁膜14eと絶縁膜14fの間に設けられている。電極14dには、高圧の直流電源64がスイッチ66および被覆線68を介して電気的に接続されている。静電チャック14cは、直流電源64より印加される直流電圧により発生するクーロン力によって、被処理体Wを吸着保持することができる。
【0051】
台14aの内部には、周方向に延びる環状の冷媒室14gが設けられている。この冷媒室14gには、チラーユニット(図示せず)より配管70,72を介して所定の温度の冷媒、例えば、冷却水が循環供給される。冷媒の温度によって静電チャック14cの上面温度が制御される。伝熱ガス、例えば、Heガスがガス供給管74を介して静電チャック14cの上面と被処理体Wの裏面との間に供給されており、この静電チャック14cの上面温度により被処理体Wの温度が制御される。
【0052】
このように構成されたプラズマ処理装置1では、導管36及びインジェクタ41を介して、誘電体窓20の貫通孔20hから処理空間S内に軸線Xに沿ってガスが供給される。また、アンテナ18から誘電体窓20を介して処理空間S及び/又は貫通孔20h内に搬送波群が導入される。これにより、処理空間S及び/又は貫通孔20hにおいてプラズマが発生する。なお、アンテナ18及び誘電体窓20は、搬送波群を用いて、処理容器12内にプラズマを生成するプラズマ生成部の一例である。
【0053】
制御部100は、プラズマ処理装置1を構成する各部に接続され、各部を統括制御する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を備えたコントローラ101と、ユーザインタフェース102と、記憶部103とを備える。
【0054】
コントローラ101は、記憶部103に記憶されたプログラム及び処理レシピを実行することにより、搬送波群生成部16、ステージ14、ガス供給系38、排気装置56等の各部を統括制御する。
【0055】
ユーザインタフェース102は、工程管理者がプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードやタッチパネル、プラズマ処理装置1の稼働状況等を可視化して表示するディスプレイ等を有している。
【0056】
記憶部103には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をコントローラ101の制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記録された、プロセスを実行するためのプロセスレシピ等が保存されている。コントローラ101は、ユーザインタフェース102からの指示等、必要に応じて、各種の制御プログラムを記憶部103から呼び出してコントローラ101に実行させることで、コントローラ101の制御下で、プラズマ処理装置1での所望の処理が行われる。また、制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータで読み取り可能なコンピュータ記録媒体(例えば、ハードディスク、CD、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用したり、或いは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0057】
次に、一実施形態に係るプラズマ処理装置1を用いたプラズマ処理方法について説明する。
図7は、一実施形態に係るプラズマ処理方法のフローチャートである。
【0058】
図7に示すように、プラズマ処理装置1の搬送波群生成部16は、所定の中心周波数を中心とする所定の周波数帯域に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波から成る搬送波群を生成する(ステップS101)。なお、搬送波群生成部16によって生成される搬送波群における中心周波数及び周波数帯域の初期値は、制御部100によって制御される。
【0059】
アンテナ18及び誘電体窓20は、搬送波群を用いて、処理容器12内にプラズマを生成する(ステップS102)。
【0060】
制御部100は、搬送波群の反射波の周波数スペクトルの入力を検出器25から受ける。そして、制御部100は、搬送波群生成部16を制御して、周波数スペクトルの極小値に対応する反射波の周波数である極小反射周波数が所定の周波数帯域内に存在するように、所定の周波数帯域の幅を決定する(ステップS103)。
【0061】
制御部100は、処理を継続する場合(ステップS104否定)、処理をステップS101に戻し、処理を終了する場合(ステップS104肯定)、処理を終了する。
【0062】
次に、一実施形態に係るプラズマ処理装置1による効果(プラズマ密度)について説明する。
図8は、搬送波群又は単一の周波数を有するマイクロ波を用いてプラズマを生成した場合のプラズマ密度の推移を示す図である。
図8において、横軸は、時間[sec]を示し、縦軸は、プラズマ密度の一例であるイオン密度[ions/cm3]を示している。
【0063】
また、
図8において、グラフ521は、単一の周波数を有するマイクロ波を用いてプラズマを生成した場合のプラズマ密度の推移を示すグラフである。グラフ522は、一実施形態に係るプラズマ処理装置1において、所定の周波数帯域の幅が10MHzである搬送波群を用いてプラズマを生成した場合のプラズマ密度の推移を示すグラフである。グラフ523は、一実施形態に係るプラズマ処理装置1において、所定の周波数帯域の幅が20MHzである搬送波群を用いてプラズマを生成した場合のプラズマ密度の推移を示すグラフである。グラフ524は、一実施形態に係るプラズマ処理装置1において、所定の周波数帯域の幅が40MHzである搬送波群を用いてプラズマを生成した場合のプラズマ密度の推移を示すグラフである。なお、
図8の例では、実験条件として、処理ガス及び流量:Ar=100mTorr、搬送波群の進行波のパワー又はマイクロ波の進行波のパワー:1.4kWが用いられたものとする。
【0064】
図8に示すように、単一の周波数を有するマイクロ波を用いてプラズマを生成した場合と比較して、搬送波群を用いてプラズマを生成した場合、イオン密度(すなわち、プラズマ密度)のばらつきが抑えられた。
【0065】
次に、一実施形態に係るプラズマ処理装置1による効果(モードジャンプ)について説明する。
図9は、単一の周波数を有するマイクロ波を用いてプラズマを生成した場合の、プラズマ密度と、マイクロ波の進行波のパワーとの関係を示す図である。
図10は、搬送波群を用いてプラズマを生成した場合の、プラズマ密度と、搬送波群の進行波のパワーとの関係を示す図である。
図9及び
図10において、縦軸は、プラズマ密度の一例であるイオン密度[ions/cm3]を示している。また、
図9において、横軸は、マイクロ波の進行波のパワー[W]を示している。また、
図10において、横軸は、搬送波群の進行波のパワー[W]を示している。
【0066】
また、
図9及び
図10において、「X=0mm」は、被処理体Wの中心位置「0」に対応するイオン密度を示す。また、「X=150mm」は、被処理体Wの中心位置「0」から被処理体Wの径方向に沿って「150(mm)」だけ離れた位置に対応するイオン密度を示す。また、「X=210mm」は、被処理体Wの中心位置「0」から被処理体Wの径方向に沿って「210(mm)」だけ離れた位置に対応するイオン密度を示す。
【0067】
図9に示すように、単一の周波数を有するマイクロ波を用いてプラズマを生成した場合、イオン密度(すなわち、プラズマ密度)が瞬間的に不連続となる現象であるモードジャンプが、3つのマイクロ波の進行波のパワーに対して計測された。
【0068】
これに対して、
図10に示すように、搬送波群を用いてプラズマを生成した場合、イオン密度(すなわち、プラズマ密度)が瞬間的に不連続となる現象であるモードジャンプが、1つのマイクロ波の進行波のパワーに対して計測された。つまり、単一の周波数を有するマイクロ波を用いてプラズマを生成した場合と比較して、搬送波群を用いてプラズマを生成した場合、モードジャンプの発生が抑制された。
【0069】
次に、一実施形態に係るプラズマ処理装置1による効果(プラズマの安定性)について説明する。以下では、
図11A〜
図11Cを参照して、搬送波群に含まれる複数の搬送波の周波数の間隔(以下「搬送波ピッチ」という)と、プラズマの安定性との関係の一例を示す実験結果を説明する。
図11Aは、搬送波ピッチと、搬送波群に含まれる複数の搬送波の個数との関係の一例を示す図である。
図11Aにおいて、搬送波群の電力、すなわち、搬送波群に含まれる複数の搬送波の電力の総和は、一定であるものとする。また、
図11Aにおいて、搬送波群は、2450MHzを中心周波数とする40MHzの周波数帯域内に存在するものとする。
【0070】
図11Aに示すように、搬送波ピッチが小さいほど、搬送波群に含まれる複数の搬送波の個数が多くなる。例えば、搬送波ピッチが400kHz、100kHz、40kHz、10kHzである場合、搬送波群に含まれる複数の搬送波の個数は、それぞれ、100個、400個、1000個、4000個となる。
【0071】
図11Bは、搬送波ピッチの変化に対応する、プラズマに吸収される搬送波群のパワーの変化を説明するための図である。
図11Bにおいて、横軸は、周波数[GHz]であり、縦軸は、パワー[dBm]である。また、
図11Bにおいて、グラフ515は、搬送波群の進行波の周波数スペクトルを示している。また、グラフ516は、搬送波ピッチが400kHzである場合の搬送波群の反射波の周波数スペクトルを示している。また、グラフ517は、搬送波ピッチが100kHzである場合の搬送波群の反射波の周波数スペクトルを示している。また、グラフ518は、搬送波ピッチが40kHzである場合の搬送波群の反射波の周波数スペクトルを示している。また、グラフ519は、搬送波ピッチが10kHzである場合の搬送波群の反射波の周波数スペクトルを示している。また、
図11Bでは、実験条件として、処理ガス及び流量:Cl2/Ar=100/300sccm、圧力:140mTorr、中心周波数:2.450GHz、周波数帯域:40MHz、搬送波群の進行波の投入パワー:1.5kWが用いられたものとする。
【0072】
図11Bに示すように、搬送波ピッチが100kHz以下である場合、グラフ515と、グラフ517、グラフ518又はグラフ519とで挟まれる領域の面積、すなわち、プラズマに吸収される搬送波群のパワーは、ほぼ一定に維持されることが分かった。
【0073】
図11Cは、搬送波ピッチと、プラズマの発光強度との関係の一例を示す図である。
図11Cは、プラズマの安定性を評価するために、時間に対するプラズマの発光強度の変化を調査した実験結果である。
図11Cにおいて、横軸は、時間[sec]であり、縦軸は、プラズマの発光強度[abu.]である。
図11Cにおいて、グラフ531は、搬送波ピッチが400kHzである搬送波群を用いて生成されたプラズマの発光強度の変化を示している。グラフ532は、搬送波ピッチが100kHzである搬送波群を用いて生成されたプラズマの発光強度の変化を示している。グラフ533は、搬送波ピッチが40kHzである搬送波群を用いて生成されたプラズマの発光強度の変化を示している。グラフ534は、搬送波ピッチが10kHzである搬送波群を用いて生成されたプラズマの発光強度の変化を示している。
【0074】
図11Cの実験結果から明らかなように、搬送波ピッチが小さいほど、時間に対するプラズマの発光強度の変化が抑制された。すなわち、搬送波ピッチを小さくすることで、プラズマの安定性を向上させることができることが分かった。
【0075】
以上のように、一実施形態に係るプラズマ処理装置1によれば、複数の搬送波から成る搬送波群を生成し、搬送波群を用いてプラズマを生成するので、プラズマ密度の増加と低下との繰り返しを回避することができる。その結果、プラズマ密度のばらつき及びモードジャンプの発生を抑制することができる。
【0076】
また、一実施形態に係るプラズマ処理装置1によれば、極小反射周波数が搬送波群の所定の周波数帯域内に存在するように、所定の周波数帯域の幅を決定する。その結果、極小反射周波数と、搬送波群に含まれる複数の搬送波のうちいずれかの搬送波の周波数とが一致する可能性を向上することができるので、プラズマ密度のばらつき及びモードジャンプの発生をより抑制することができる。
【0077】
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。変形例1に係るプラズマ処理装置は、プラズマ処理を実行する前に、搬送波群とは異なる他の搬送波群を生成する点を除き、上記一実施形態に係るプラズマ処理装置1と同様の構成を有する。したがって、変形例1では、上記一実施形態と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いるとともに、その詳細な説明は省略する。
【0078】
変形例1に係るプラズマ処理装置において、搬送波群生成部16は、搬送波群を用いて生成されたプラズマにより被処理体に対してプラズマ処理を実行する前に、他の搬送波群を生成する。他の搬送波群は、プラズマ処理に用いられる搬送波群(以下「プラズマ処理用搬送波群」という)と同様に、所定の中心周波数を中心とする所定の周波数帯域に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波から成る。他の搬送波群に含まれる各搬送波の振幅は、時間の経過と共に変動し、当該振幅の極大値は、プラズマ処理用搬送波群に含まれる各搬送波の振幅よりも大きい。
【0079】
アンテナ18及び誘電体窓20は、他の搬送波群を用いて、処理容器12内にプラズマを生成する。他の搬送波群は、プラズマの着火に用いられる。
【0080】
ここで、搬送波群生成部16によって生成される他の搬送波群の波形を説明する。
図12は、他の搬送波群の波形の一例を示す図である。
図12は、時間軸、周波数軸及び振幅軸により構成される3次元座標空間における他の搬送波群の波形を示している。
【0081】
図12に示すように、他の搬送波群は、所定の中心周波数(例えば、2.45GHz)を中心とする所定の周波数帯域(例えば、40MHz)に属する周波数であって、互いに異なる周波数をそれぞれ有する複数の搬送波(搬送波f1〜f9)から成る。他の搬送波群に含まれる各搬送波の振幅は、時間の経過と共に変動し、当該振幅の極大値は、プラズマ処理用搬送波群に含まれる各搬送波の振幅よりも大きい。
図12の例では、搬送波f1〜f9の振幅は、着火ステップの処理時間に含まれる異なる時刻において、極大値となる。そして、搬送波f1〜f9の振幅の極大値は、プラズマ処理用搬送波群に含まれる各搬送波の振幅よりも大きい。
【0082】
変形例1に係るプラズマ処理装置によれば、プラズマ処理を実行する前に、複数の搬送波から成る他の搬送波群を生成し、他の搬送波群を用いてプラズマを生成するので、プラズマの着火を安定的に実行することができる。
【0083】
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。変形例2に係るプラズマ処理装置は、プラズマ処理を実行する前に、搬送波群に含まれる複数の搬送波の中の少なくとも1つの搬送波を生成する点を除き、上記一実施形態に係るプラズマ処理装置1と同様の構成を有する。したがって、変形例2では、上記一実施形態と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いるとともに、その詳細な説明は省略する。
【0084】
変形例2に係るプラズマ処理装置において、搬送波群生成部16は、搬送波群を用いて生成されたプラズマにより被処理体に対してプラズマ処理を実行する前に、搬送波群に含まれる複数の搬送波の中の少なくとも1つの搬送波を生成する。
【0085】
アンテナ18及び誘電体窓20は、生成された少なくとも1つの搬送波を用いて、処理容器12内にプラズマを生成する。少なくとも1つの搬送波は、プラズマの着火に用いられる。
【0086】
ここで、搬送波群生成部16によって生成される少なくとも1つの搬送波の波形を説明する。
図13は、少なくとも1つの搬送波の波形の一例を示す図である。
図13は、時間軸、周波数軸及び振幅軸により構成される3次元座標空間における他の搬送波群の波形を示している。
【0087】
図13に示すように、少なくとも1つの搬送波f5の振幅は、プラズマ処理が実行される場合の搬送波f5の振幅よりも大きい。
【0088】
変形例2に係るプラズマ処理装置によれば、プラズマ処理を実行する前に、搬送波群に含まれる複数の搬送波の中の少なくとも1つの搬送波を生成し、少なくとも1つの搬送波を用いてプラズマを生成するので、プラズマの着火を安定的に実行することができる。
【0089】
なお、本発明は、マイクロ波を例に説明しているが、13.56MHzの高周波プラズマおよび100MHz帯のVHFプラズマにおいても同様の効果が得られ、マイクロ波に限定するものではない。