特許第6625423号(P6625423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6625423ウエハ検査装置及びそのメンテナンス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6625423
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】ウエハ検査装置及びそのメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20191216BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20191216BHJP
   G01R 31/26 20140101ALI20191216BHJP
【FI】
   H01L21/66 B
   G01R31/28 K
   G01R31/26 J
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-246180(P2015-246180)
(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公開番号】特開2017-112259(P2017-112259A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】赤池 由多加
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 剛央
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−140013(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/029130(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 31/26
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハへ向けて突出する多数の接触端子を有するプローブカードと、前記ウエハを載置して前記プローブカードに対向する厚板部材としてのチャックトップと、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際に前記プローブカード及び前記チャックトップの間の空間を密封するシールとを備えるウエハ検査装置において、
前記チャックトップに載置され、前記接触端子を研磨するための研磨用ウエハを載置する嵩上げ部材を備え、
前記嵩上げ部材は、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際、前記シールが前記空間を密封する前に前記研磨用ウエハを各前記接触端子へ当接させる厚みを有することを特徴とするウエハ検査装置。
【請求項2】
前記チャックトップは真空吸着を行う吸着口を有し、
前記嵩上げ部材は前記吸着口と前記嵩上げ部材に載置される前記研磨用ウエハとを連通させる連通穴を有することを特徴とする請求項1記載のウエハ検査装置。
【請求項3】
前記嵩上げ部材はアルミニウムからなることを特徴とする請求項1又は2記載のウエハ検査装置。
【請求項4】
前記嵩上げ部材は珪素又は炭化硅素からなることを特徴とする請求項1又は2記載のウエハ検査装置。
【請求項5】
ウエハへ向けて突出する多数の接触端子を有するプローブカードと、前記ウエハを載置して前記プローブカードに対向する厚板部材としてのチャックトップと、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際に前記プローブカード及び前記チャックトップの間の空間を密封するシールとを備えるウエハ検査装置のメンテナンス方法であって、
前記チャックトップへ嵩上げ部材を載置し、さらに、前記嵩上げ部材へ前記接触端子を研磨するための研磨用ウエハを載置し、
前記チャックトップを前記プローブカードへ移動させ、
前記嵩上げ部材は、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際、前記シールが前記空間を密封する前に前記研磨用ウエハを各前記接触端子へ当接させる厚みを有することを特徴とするウエハ検査装置のメンテナンス方法。
【請求項6】
前記チャックトップは真空吸着を行う吸着口を有し、
前記嵩上げ部材は、前記吸着口と前記嵩上げ部材に載置される前記研磨用ウエハを連通させる連通穴とを有し、
前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際、前記吸着口は前記連通穴を介して前記研磨用ウエハを吸着することを特徴とする請求項5記載のウエハ検査装置のメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ検査用のプローブカードの針状のプローブを研磨するウエハ検査装置及びそのメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の半導体デバイスが形成されたウエハの検査を行うために、検査装置としてプローバが用いられている。プローバはウエハと対向するプローブカードを備え、プローブカードは、ウエハの半導体デバイスの各電極パッドや各半田バンプと対向するように配置された複数の針状接触端子であるプローブを備える。プローバでは、ウエハをプローブカードへ押し当てるように真空吸着させ、プローブカードの各プローブを半導体デバイスにおける電極パッドや半田バンプと接触させる(例えば、特許文献1参照。)。このとき、各プローブから各電極パッドや各半田バンプに接続された半導体デバイスの電気回路へ電気を流すことによって半導体デバイスの電気的特性を検査する。
【0003】
ところが、ウエハの剛性は低いため、ウエハのみをプローブカードへ真空吸着させるとウエハが反って各電極パッドや各半田バンプがプローブカードの各プローブへ均等に接触しないことがある。そこで、ウエハとともにウエハを載置する厚板部材であるチャックトップをプローブカードへ真空吸着させ、該チャックトップによってウエハの反りを抑制することが提案されている。具体的には、図7(A)に示すように、基部であるポゴフレーム70に装着されたプローブカード71へチャックトップ72に載置されたウエハWを対向させる。チャックトップ72からはポゴフレーム70へ向けて弾性密封部材であるリップシール73が突出する。その後、チャックトップ72をポゴフレーム70へ向けて移動させ、リップシール73をポゴフレーム70へ当接させることにより、チャックトップ72及びポゴフレーム70の間の空間Sを密封する。ウエハWがプローブカード71へ押し当てられた後は空間Sが減圧されることにより、ウエハWがチャックトップ72ごとポゴフレーム70へ引き寄せられ、ウエハWのプローブカード71への当接状態が維持される。このとき、リップシール73は圧縮される(図7(B))。
【0004】
ところで、プローブカード71を用いたウエハWの検査を繰り返すと、各電極パッドや各半田バンプとプローブカード71の各プローブ74との接触が繰り返され、各プローブ74が摩耗する。したがって、定期的に各プローブ74を研磨する必要がある。各プローブ74を研磨する際には、研磨用ウエハを各プローブ74へ当接させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−29917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したチャックトップ72を用いてウエハWをプローブカード71へ押し当てる方法では、チャックトップ72に研磨用ウエハ75を載置してチャックトップ72をポゴフレーム70へ向けて移動させると、研磨用ウエハ75が各プローブ74に当接する前に、リップシール73がポゴフレーム70へ当接してチャックトップ72及びポゴフレーム70の間に空間Sが形成される(図7(C))。その後、さらに、チャックトップ72をポゴフレーム70へ向けて移動させると、空間Sの圧力が上昇してチャックトップ72に反発力が作用し、結果として研磨用ウエハ75が各プローブ74へ適切に当接しないという問題がある。
【0007】
空間Sの圧力の上昇を防止するために空間Sを減圧することも考えられるが、この場合、減圧工程に時間を要する。また、空間Sの圧力の上昇を緩やかにすることによって空間Sの圧力上昇を緩和し、研磨用ウエハ75を各プローブ74へ適切に当接させることも考えられるが、この場合、チャックトップ72をポゴフレーム70へ向けて低速で移動させる必要がある。すなわち、スループットが低下するという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、スループットを低下させることなく研磨用ウエハをプローブへ適切に当接させることができるウエハ検査装置及びそのメンテナンス方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のウエハ検査装置は、ウエハへ向けて突出する多数の接触端子を有するプローブカードと、前記ウエハを載置して前記プローブカードに対向する厚板部材としてのチャックトップと、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際に前記プローブカード及び前記チャックトップの間の空間を密封するシールとを備えるウエハ検査装置において、前記チャックトップに載置され、前記接触端子を研磨するための研磨用ウエハを載置する嵩上げ部材を備え、前記嵩上げ部材は、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際、前記シールが前記空間を密封する前に前記研磨用ウエハを各前記接触端子へ当接させる厚みを有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のウエハ検査装置のメンテナンス方法は、ウエハへ向けて突出する多数の接触端子を有するプローブカードと、前記ウエハを載置して前記プローブカードに対向する厚板部材としてのチャックトップと、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際に前記プローブカード及び前記チャックトップの間の空間を密封するシールとを備えるウエハ検査装置のメンテナンス方法であって、前記チャックトップへ嵩上げ部材を載置し、さらに、前記嵩上げ部材へ前記接触端子を研磨するための研磨用ウエハを載置し、前記チャックトップを前記プローブカードへ移動させ、前記嵩上げ部材は、前記チャックトップが前記プローブカードへ移動する際、前記シールが前記空間を密封する前に前記研磨用ウエハを各前記接触端子へ当接させる厚みを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウエハ及びチャックトップの間に介在して接触端子を研磨するための研磨用ウエハを載置する嵩上げ部材は、チャックトップがプローブカードへ移動する際、シールが空間を密封する前に研磨用ウエハを各接触端子へ当接させる厚みを有するので、上記空間が密封される前に研磨用ウエハが各接触端子へ当接する。すなわち、研磨用ウエハを各接触端子へ当接させる前にチャックトップへ反発力が作用することがなく、もって、研磨用ウエハを各接触端子へ適切に当接させることができる。また、空間の減圧や圧力上昇緩和を考慮する必要が無いので、減圧工程やプローブカードへのチャックトップの低速移動が不要であり、もって、スループットの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るウエハ検査装置の構成を概略的に示す平面図である。
図2図1における線II-IIに沿う断面図である。
図3図1及び図2における搬送ステージ及びテスターの構成を概略的に示す断面図である。
図4図3における各プローブの研磨時の様子を説明するための搬送ステージ及びテスターの断面図である。
図5図4における研磨用プレートの構成を説明するための図であり、図5(A)は側面図であり、図5(B)は平面図であり、図5(C)は底面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るウエハ検査装置のメンテナンス方法としてのプローブの研磨方法を示す工程図である。
図7】従来のウエハ検査装置としてのプローバにおけるウエハ及びプローブカードの当接の様子を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係るウエハ検査装置の構成を概略的に示す平面図であり、図2は、図1における線II-IIに沿う断面図である。なお、図1では理解を容易にするために内部の構成が透過して示される。本実施の形態に係るウエハ検査装置は、ウエハに形成された全ての半導体デバイスにおける全ての電極パッドや半田バンプへ、プローブカードの全てのプローブが一度に当接することにより、各半導体デバイスの電気的特性を検査する一括接触型のウエハ検査装置である。
【0015】
図1において、ウエハ検査装置10は、ウエハWに形成された各半導体デバイスの電気的特性を検査する検査領域11と、当該ウエハ検査装置10にウエハW、後述する研磨用ウエハ34やプローブカード21等の搬出入を行う搬出入領域12と、該搬出入領域12及び検査領域11の間に配置されてウエハW等の搬送を行う搬送領域13とを備える。
【0016】
搬出入領域12には搬出入用セル14が配置され、搬出入用セル14には、ウエハWの容器であるフープ15の受け入れ機構(図示しない)が配置される。また、搬出入領域12には、搬出入用セル14の他に検査前のウエハWの位置合わせを行う仮位置合わせセル(プレアライナー)16や複数の研磨用ウエハ34を格納するプレート格納セル(ストッカー)17も配置される。なお、プレアライナー16にはウエハWの位置合わせ時にウエハWを真空吸着するサブチャック18が配置される。また、ストッカー17には、研磨用ウエハ34の各々が後述する研磨用プレート35に載置された状態で格納される。
【0017】
搬送領域13には搬送アーム機構19が配置され、該搬送アーム機構19は、搬出入領域12のフープ15から受け取った検査前のウエハWを搬送領域13において搬送し、検査領域11において後述のチャックトップ23へ載置すると共に、検査後のウエハWをチャックトップ23から受け取って搬出入領域12まで搬送する。
【0018】
検査領域11には複数の検査部(テスター)20が配置される。各テスター20は相互に区画されず、検査領域11を構成する空間に、それぞれプローブカード21を有する複数のテスター20が配列されている。
【0019】
図2において、検査領域11は、複数階、例えば、3階に分かれ、各階に複数のテスター20が配置され、各テスター20の相互間を移動する搬送ステージ22、並びに、位置合わせ装置(アライナー)及び位置合わせ用カメラ(いずれも図示しない)がそれぞれ配置される。
【0020】
搬送ステージ22は、搬送アーム機構19によって検査領域11及び搬送領域13の境界まで搬送された検査前のウエハWを当該搬送ステージ22に載置されたチャックトップ23上に載置させ、載置されたウエハWを移動させてプローブカード21と対向させる。その後、搬送ステージ22は、ウエハW及びチャックトップ23をプローブカード21へ接近させ、最終的に、ウエハWをプローブカード21に当接させる。テスター20は、プローブカード21に当接されたウエハWの複数の半導体デバイスの電気的特性を検査する。半導体デバイスの電気的特性の検査が終了した後、搬送ステージ22は、検査後のウエハW及びチャックトップ23を検査領域11及び搬送領域13の境界部まで搬送し、検査後のウエハWを搬送アーム機構19に受け渡す。その後、搬送アーム機構19は、検査後のウエハWを搬出入用セル14のフープ15へ搬入する。
【0021】
ウエハ検査装置10では、搬送アーム機構19及び搬送ステージ22が協働して一のフープ15から一のウエハWを搬出して一のテスター20に搬入するが、一のテスター20で一のウエハWの半導体デバイスの電気的特性の検査が行われている間に、他のフープ15から搬出した他のウエハWを他のテスター20に搬入することができる。また、一のテスター20で一のウエハWの半導体デバイスの電気的特性の検査が行われている間に、搬送アーム機構19及び搬送ステージ22が協働して他のテスター20から検査後の他のウエハWを搬出して他のフープ15に搬入することもできる。すなわち、搬送アーム機構19及び搬送ステージ22は、協働して複数のフープ15及び複数のテスター20の間で順次ウエハWの搬出入を行うことにより、効率的な各ウエハWの半導体デバイスの電気的特性の検査を実現する。
【0022】
図3は、図1及び図2における搬送ステージ及びテスターの構成を概略的に示す断面図である。なお、図3は、搬送ステージ22がウエハWをテスター20のプローブカード21へ当接させた状態を示す。
【0023】
図3において、テスター20は、プローブカード21と、該プローブカード21が下部に装着される板状基部としてのポゴフレーム24と、ポゴフレーム24を釣支するベース25とを備える。
【0024】
プローブカード21は、円板状の本体26と、該本体26の上面のほぼ一面に配置される多数の電極(図示しない)と、本体26の下面から図中下方へ向けて突出するように配置される多数の針状接触端子であるプローブ27とを有する。各電極は対応する各プローブ27と接続され、各プローブ27は、プローブカード21へウエハWが当接した際、該ウエハWに形成された各半導体デバイスの電極パッドや半田バンプと接触する。
【0025】
ポゴフレーム24は、略平板状の本体28と、該本体28の中央部近辺に穿設された複数の貫通穴であるポゴブロック挿嵌穴29とを有し、各ポゴブロック挿嵌穴29には多数のポゴピンが配列されて形成されるポゴブロック30が挿嵌される。ポゴブロック30はテスター20が有する検査回路(図示しない)に接続されるとともに、ポゴフレーム24へ装着されたプローブカード21における本体28の上面の多数の電極へ接触し、該電極に接続されるプローブカード21の各プローブ27へ電流を流すとともに、ウエハWの各半導体デバイスの電気回路から各プローブ27を介して流れてきた電流を検査回路へ向けて流す。
【0026】
テスター20では、ポゴフレーム24及びベース25の間の空間はシール部材31で密封され、該空間が真空引きされることによってポゴフレーム24がベース25に釣支される。ポゴフレーム24及びプローブカード21の間の空間もシール部材32で密封され、該空間が真空引きされることによってプローブカード21がポゴフレーム24に装着される。
【0027】
搬送ステージ22はテスター20の下方に配置される平板状部材からなり、該搬送ステージ22は厚板部材であるチャックトップ23を載置して保持し、該チャックトップ23の上面にはウエハWが載置されて保持される。チャックトップ23は搬送ステージ22が有する吸着口(図示しない)によって当該搬送ステージ22へ真空吸着され、ウエハWはチャックトップ23が有する吸着口(以下、「チャックトップ吸着口」という。)(図示しない)によって当該チャックトップ23に真空吸着される。したがって、搬送ステージ22が移動する際、チャックトップ23やウエハWが搬送ステージ22に対して相対的に移動するのを防止することができる。なお、チャックトップ23やウエハWの保持方法は真空吸着に限られず、チャックトップ23やウエハWの搬送ステージ22に対する相対的な移動を防止できる方法であればよく、例えば、電磁吸着やクランプによる保持であってもよい。
【0028】
搬送ステージ22は移動自在であるため、テスター20のプローブカード21の下方へ移動してチャックトップ23に載置されたウエハWをプローブカード21へ対向させることができるとともに、テスター20へ向けて移動してウエハWをプローブカード21に当接させることができる。テスター20のプローブカード21、搬送ステージ22に載置されたチャックトップ23やウエハWはいずれも水平に配置される。したがって、搬送ステージ22がテスター20へ向けて移動する際、ウエハWは各プローブ27と満遍なく当接する。
【0029】
チャックトップ23は、上面、すなわち、ポゴフレーム24に対向する面において、ポゴフレーム24へ向けて突出する弾性密封部材であるリップシール33を有する。搬送ステージ22がテスター20へ向けて移動してウエハWがプローブカード21へ押し当てられる際、リップシール33はポゴフレーム24の本体28の下面へ当接する。ウエハWがプローブカード21へ押し当てられた際に形成される、チャックトップ23、ポゴフレーム24及びプローブカード21が囲む空間Sはリップシール33によって密封され、該空間Sが真空引きされることによってチャックトップ23がポゴフレーム24へ引き寄せられ、ウエハWをプローブカード21へ押し当てる。これにより、ウエハWの各半導体デバイスにおける各電極パッドや各半田バンプと、プローブカード21の各プローブ27との当接状態が維持される。
【0030】
図4は、図3における各プローブの研磨時の様子を説明するための搬送ステージ及びテスターの断面図である。なお、図4は、搬送ステージ22が研磨用ウエハ34をプローブカード21の各プローブ27へ当接させた状態を示す。
【0031】
図4において、チャックトップ23の上面には略円板状部材からなる研磨用プレート35(嵩上げ部材)が載置され、該研磨用プレート35の上面には研磨用ウエハ34が載置される。研磨用プレート35の上面及び下面は平行に形成されるため、水平に配置されるチャックトップ23に載置される研磨用プレート35の上面も水平を保ち、結果として研磨用プレート35の上面に載置される研磨用ウエハ34も水平を保つ。その結果、搬送ステージ22がテスター20へ向けて移動する際、研磨用ウエハ34は各プローブ27と満遍なく当接し、各プローブ27を均等に研磨する。
【0032】
本実施の形態において、研磨用プレート35の厚さは、搬送ステージ22がテスター20へ向けて移動する際、リップシール33がポゴフレーム24の本体28の下面へ当接する前に、研磨用プレート35に載置された研磨用ウエハ34をプローブカード21の各プローブ27へ当接させる値に設定される。具体的には、本実施の形態において、研磨用プレート35の厚さt、研磨用ウエハ34の厚さt及びポゴフレーム24の本体28の下面からプローブカード21の各プローブ27の下端までの突出量tの合計値Tが、リップシール33のチャックトップ23の上面からの突出量tよりも大きく設定される。これにより、研磨用ウエハ34が各プローブ27へ当接した際、リップシール33がポゴフレーム24の本体28の下面へ当接することがなく、チャックトップ23、ポゴフレーム24及びプローブカード21が囲む空間Sがリップシール33によって密封されず、空間Sの圧力が高まることもない。
【0033】
なお、本実施の形態では、リップシール33がポゴフレーム24の本体28の下面に当接することによって空間Sが形成されるため、研磨用プレート35の厚さは、リップシール33がポゴフレーム24の本体28の下面へ当接する前に、研磨用プレート35に載置された研磨用ウエハ34をプローブカード21の各プローブ27へ当接させる値に設定される。しかしながら、リップシール33がプローブカード21の本体26の下面に当接することによって空間Sが形成される場合、研磨用プレート35の厚さは、リップシール33がプローブカード21の本体26の下面へ当接する前に、研磨用プレート35に載置された研磨用ウエハ34を各プローブ27へ当接させる値に設定される。すなわち、研磨用プレート35の厚さは、空間Sがリップシール33によって密封される前に、研磨用プレート35に載置された研磨用ウエハ34を各プローブ27へ当接させる値であればよい。
【0034】
図5は、図4における研磨用プレートの構成を説明するための図であり、図5(A)は側面図であり、図5(B)は平面図であり、図5(C)は底面図である。
【0035】
図5において、研磨用プレート35は、研磨用ウエハ34が載置される上面に形成される複数の吸着溝36を有する。吸着溝36は、研磨用プレート35の中心から外周へ向けて放射状に広がる複数の放射溝36aと、研磨用プレート35の中心に関して同心円状に形成される複数の円周溝36bとを有する。吸着溝36は幅、深さとも数mmの断面を有する溝であり、後述する貫通穴37と連通する。
【0036】
研磨用プレート35は、厚さ方向に当該研磨用プレート35を貫通する複数の貫通穴37(連通穴)を有する。各貫通穴37は研磨用プレート35の下面においてチャックトップ吸着口と対向するように開口する。これにより、チャックトップ吸着口は、各貫通穴37を介して吸着溝36の内部を真空引きすることができ、もって、研磨用プレート35の上面に載置される研磨用ウエハ34を研磨用プレート35へ真空吸着することができる。また、研磨用ウエハ34が研磨用プレート35へ真空吸着される際、研磨用ウエハ34は研磨用プレート35をチャックトップ23へ向けて押圧する。したがって、搬送ステージ22が移動する際、研磨用プレート35や研磨用ウエハ34がチャックトップ23に対して相対的に移動するのを防止することができる。また、研磨用プレート35の下面にはやや幅広の吸着溝38が形成され、各貫通穴37は吸着溝38内に開口する。したがって、各貫通穴37がチャックトップ吸着口と一致するように開口していなくても、吸着溝38をチャックトップ吸着口に対向させるだけで、チャックトップ吸着口によって研磨用ウエハ34を真空吸着することができる。
【0037】
ところで、ウエハ検査装置10では、プレアライナー16において研磨用ウエハ34は研磨用プレート35に載置されたまま位置合わせが行われるため、サブチャック18は研磨用ウエハ34や研磨用プレート35を真空吸着する必要があるが、サブチャック18はチャックトップ23よりも小さく、サブチャック18が有する吸着口(以下、「サブチャックトップ吸着口」という。)(図示しない)はサブチャック18の中心に集中して配置される。これに対応して、研磨用プレート35では、各貫通穴37が開口する吸着溝38が当該研磨用プレート35の中心近傍、例えば、中心から38mm以内に形成される。これにより、吸着溝38をサブチャック18の中心に集中して配置されるサブチャックトップ吸着口と対向させることができ、サブチャックトップ吸着口によって研磨用ウエハ34や研磨用プレート35を真空吸着することができる。
【0038】
研磨用プレート35は上面の外周において複数、例えば、4つの窪み39を有する。各窪み39は研磨用ウエハ34によって一部が覆われる。したがって、各窪み39に篦等の薄板部材を挿入することにより、研磨用プレート35から研磨用ウエハ34を容易に剥離させることができる。
【0039】
また、研磨用プレート35は、研磨用ウエハ34の位置合わせ用のノッチに対応する位置に位置合わせ用の切り欠き40を有する。該切り欠き40は研磨用プレート35を厚み方向に貫通するため、研磨用プレート35に研磨用ウエハ34が載置されても、研磨用ウエハ34のノッチを下方から確認することができる。これにより、プレアライナー16等において研磨用ウエハ34を研磨用プレート35に載置させたまま、当該研磨用ウエハ34の位置合わせを行うことができる。さらに、研磨用プレート35は、切り欠き40の内側に研磨用プレート35を厚み方向に貫通するID読み取り穴41を有する。これにより、研磨用ウエハ34のノッチの内側に形成されるウエハIDを、研磨用ウエハ34を研磨用プレート35に載置させたまま読み取ることができ、研磨用ウエハ34の管理工程を簡素化することができる。なお、研磨用プレート35において切り欠き40及びID読み取り穴41は1箇所にまとめて形成されるため、これらを分離して形成する場合よりも研磨用プレート35の強度を確保することができる。
【0040】
さらに、研磨用プレート35は、下面において座繰り加工等によって形成される複数の凹部42を有する。また、各凹部42は上面の吸着溝36と対向しないように配置される。これにより、研磨用プレート35の強度を確保しつつ、研磨用プレート35を軽量化することができる。
【0041】
研磨用ウエハ34は珪素からなるが、高温域、例えば、85℃近傍において研磨用ウエハ34によって各プローブ27を研磨する場合、アルミニウムは安価かつ軽量であり加工性も高いため、研磨用プレート35をアルミニウムで構成するのが好ましい。アルミニウムは、温度域によって珪素との熱膨張量差が大きいことがあるが、85℃近傍であれば研磨用ウエハ34が熱膨張量差によって研磨用プレート35に対してずれることがない。また、高温域だけでなく低温域、例えば、−30℃近傍でも各プローブ27を研磨する場合、研磨用プレート35を珪素や炭化硅素で構成するのが好ましい。特に、炭化硅素は全温度域において珪素と同等の熱膨張率を有する。したがって、研磨用プレート35の研磨時の温度にかかわらず、研磨用ウエハ34が熱膨張量差によって研磨用プレート35に対してずれるのを防止することができる。
【0042】
図6は、本実施の形態に係るウエハ検査装置のメンテナンス方法としてのプローブの研磨方法を示す工程図である。
【0043】
図6において、まず、搬送アーム機構19が、ストッカー17から研磨用ウエハ34を研磨用プレート35に載置された状態で搬出し、プレアライナー16において研磨用ウエハ34の位置合わせを行った後、検査領域11及び搬送領域13の境界まで搬送する(図6(A))。このとき、搬送アーム機構19は研磨用ウエハ34や研磨用プレート35を真空吸着しないため、搬送アーム機構19は、位置合わせされた研磨用ウエハ34が研磨用プレート35に対してずれないように、研磨用ウエハ34や研磨用プレート35を、ウエハWを搬送するときの速度よりも遅い速度で搬送する。
【0044】
次いで、一のテスター20の搬送ステージ22は、搬送アーム機構19によって搬送された研磨用ウエハ34や研磨用プレート35を当該搬送ステージ22に載置されたチャックトップ23上に載置させる。このとき、チャックトップ23はチャックトップ吸着口によって研磨用ウエハ34及び研磨用プレート35を真空吸着する(図6(B))。
【0045】
次いで、搬送ステージ22は水平に移動し、チャックトップ23上に載置された研磨用プレート35及び研磨用ウエハ34をプローブカード21に対向させる(図6(C))。さらに、搬送ステージ22は上方に移動し、ウエハW及びチャックトップ23をプローブカード21へ接近させる。このとき、上述したように、研磨用プレート35の厚さt、研磨用ウエハ34の厚さt及びポゴフレーム24の本体28の下面からプローブカード21の各プローブ27の下端までの突出量tの合計値Tが、リップシール33のチャックトップ23の上面からの突出量tよりも大きく設定されるため、リップシール33がポゴフレーム24の本体28の下面へ当接する前に、研磨用ウエハ34が各プローブ27へ当接する。このとき、各プローブ27は研磨用ウエハ34によって研磨される。
【0046】
その後、搬送ステージ22は研磨用ウエハ34をプローブカード21から離間させ、研磨用ウエハ34及び研磨用プレート35を検査領域11及び搬送領域13の境界部まで搬送し、研磨用ウエハ34及び研磨用プレート35を搬送アーム機構19に受け渡す。その後、搬送アーム機構19は研磨用ウエハ34及び研磨用プレート35をストッカー17へ搬入し、本方法を終了する。
【0047】
本実施の形態によれば、チャックトップ23に載置され、且つ研磨用ウエハ34を載置する研磨用プレート35は、搬送ステージ22がテスター20へ向けて移動する際、リップシール33が空間Sを密封する前に研磨用ウエハ34を各プローブ27へ当接させる厚みを有するので、上記空間Sが密封される前に研磨用ウエハ34が各プローブ27へ当接する。すなわち、研磨用ウエハ34を各プローブ27へ当接させる前にチャックトップ23へ空間Sの圧力上昇に伴う反発力が作用することがなく、もって、研磨用ウエハ34を各プローブ27へ適切に当接させることができる。また、空間Sの減圧や圧力上昇の緩和を考慮する必要が無いので、減圧工程や搬送ステージ22のテスター20へ向けての低速移動が不要であり、もって、スループットの低下を防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、研磨用プレート35が上面に形成される複数の吸着溝36を有し、吸着溝36の内部を真空引きすることにより、研磨用ウエハ34を研磨用プレート35へ真空吸着する。すなわち、吸着溝36によって研磨用ウエハ34を真空吸着するため、吸着溝36以外の研磨用プレート35の上面と、研磨用ウエハ34との間を真空引きする必要が無く、真空断熱層が形成されるのを防ぐことができる。これにより、研磨用ウエハ34及び研磨用プレート35の間の熱伝達性を改善することができ、研磨用ウエハ34及び研磨用プレート35の熱膨張量差が生じるのを抑制することができる。その結果、研磨用ウエハ34が研磨用プレート35に対してずれるのを抑制することができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
S 空間
W ウエハ
10 ウエハ検査装置
21 プローブカード
23 チャックトップ
27 プローブ
34 研磨用ウエハ
35 研磨用プレート
37 貫通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7