特許第6625746号(P6625746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6625746
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】超音波内視鏡、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20191216BHJP
【FI】
   A61B8/12
【請求項の数】36
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2018-524904(P2018-524904)
(86)(22)【出願日】2017年4月12日
(86)【国際出願番号】JP2017014989
(87)【国際公開番号】WO2018003232
(87)【国際公開日】20180104
【審査請求日】2018年12月17日
(31)【優先権主張番号】特願2016-130194(P2016-130194)
(32)【優先日】2016年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝也
(72)【発明者】
【氏名】森本 康彦
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−060501(JP,A)
【文献】 特開2014−057136(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0782125(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0340129(US,A1)
【文献】 特開2011−229976(JP,A)
【文献】 特開2009−240755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、
複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、
前記複数の信号線をそれぞれ前記複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、
前記複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、
前記超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、
前記第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、
更に、前記超音波振動子アレイの背面側に積層され、前記複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を有し、
前記第1熱伝導部材は、前記超音波振動子アレイ、及び前記バッキング材層を備える積層体の側面に配設され、前記超音波振動子アレイの側とは逆側となる前記バッキング材層の下側まで延在しており、
前記第2熱伝導部材は、前記超音波振動子アレイの側とは逆側となる前記第1熱伝導部材の下端部において、前記第1熱伝導部材と予め一体化されており、
前記複数のシールド部材は、前記グランド部を構成し、それぞれ、前記第1熱伝導部材と一体化された前記第2熱伝導部材に接続されており、
前記第2熱伝導部材と一体化された前記第1熱伝導部材は、前記複数の超音波振動子に貼り付けられていることを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項2】
前記シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、
前記複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に前記信号線と、該信号線の外周側に前記シールド部材とを備え、
前記非同軸ケーブルは、前記複数の信号線と前記複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に前記複数の信号線を、前記複数の信号線の周囲に前記複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルである請求項1に記載の超音波内視鏡。
【請求項3】
前記第1熱伝導部材は、前記超音波振動子アレイの側とは逆側にある前記第1熱伝導部材の下端部を前記超音波振動子アレイの側である上側に向けて前記第2熱伝導部材に接続され、前記第1熱伝導部材の上端部側が前記積層体の側面側に折り返されて前記複数の超音波振動子に貼り付けられている請求項1又は2に記載の超音波内視鏡。
【請求項4】
前記第1熱伝導部材、及び前記第2熱伝導部材は、導電性部材であり、
前記配線部の前記複数の接続部は、それぞれ、前記複数の信号線を、第1半田を用いて、それぞれ前記複数の超音波振動子と電気的に接続し、
前記複数のシールド部材は、それぞれ前記第1半田を用いて、前記第2熱伝導部材に接続され、
前記第1熱伝導部材は、前記第1半田より低融点の第2半田、銀ペースト、及び導電性接着剤の少なくとも1つを用いて、前記第2熱伝導部材に接続されている請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項5】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーである請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項6】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、
前記第1熱伝導部材は、前記グランドバーに電気的に接合される前記配線基板上の位置に接続される請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項7】
前記グランド部は、前記複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、
前記第2熱伝導部材は、前記集合グランドと前記第1熱伝導部材とを熱的に接続する請求項1又は2に記載の超音波内視鏡。
【請求項8】
前記第2熱伝導部材は、前記信号線より太いケーブル、又は変形可能な金属編組のネット部材である請求項に記載の超音波内視鏡。
【請求項9】
前記第2熱伝導部材は、絶縁性熱伝導部材である請求項に記載の超音波内視鏡。
【請求項10】
前記第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔である請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項11】
前記金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔である請求項10に記載の超音波内視鏡。
【請求項12】
複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、
複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、
前記複数の信号線をそれぞれ前記複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、
前記複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、
前記超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、
前記第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、
前記第1熱伝導部材、及び前記第2熱伝導部材は、導電性部材であり、
前記配線部の前記複数の接続部は、それぞれ、前記複数の信号線を、第1半田を用いて、それぞれ前記複数の超音波振動子と電気的に接続し、
前記複数のシールド部材は、それぞれ前記第1半田を用いて、前記第2熱伝導部材に接続され、
前記第1熱伝導部材は、前記第1半田より低融点の第2半田、銀ペースト、及び導電性接着剤の少なくとも1つを用いて、前記第2熱伝導部材に接続されていることを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項13】
前記シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、
前記複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に前記信号線と、該信号線の外周側に前記シールド部材とを備え、
前記非同軸ケーブルは、前記複数の信号線と前記複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に前記複数の信号線を、前記複数の信号線の周囲に前記複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルである請求項12に記載の超音波内視鏡。
【請求項14】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーである請求項12又は13に記載の超音波内視鏡。
【請求項15】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、
前記第1熱伝導部材は、前記グランドバーに電気的に接合される前記配線基板上の位置に接続される請求項12〜14のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項16】
前記グランド部は、前記複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、
前記第2熱伝導部材は、前記集合グランドと前記第1熱伝導部材とを熱的に接続する請求項12又は13に記載の超音波内視鏡。
【請求項17】
前記第2熱伝導部材は、前記信号線より太いケーブル、又は変形可能な金属編組のネット部材である請求項16に記載の超音波内視鏡。
【請求項18】
前記第2熱伝導部材は、絶縁性熱伝導部材である請求項16に記載の超音波内視鏡。
【請求項19】
前記第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔である請求項12〜18のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項20】
前記金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔である請求項19に記載の超音波内視鏡。
【請求項21】
複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、
複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、
前記複数の信号線をそれぞれ前記複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、
前記複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、
前記超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、
前記第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、
前記グランド部は、前記複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、
前記第2熱伝導部材は、前記集合グランドと前記第1熱伝導部材とを熱的に接続し、かつ、前記信号線より太いケーブル、又は変形可能な金属編組のネット部材であることを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項22】
前記シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、
前記複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に前記信号線と、該信号線の外周側に前記シールド部材とを備え、
前記非同軸ケーブルは、前記複数の信号線と前記複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に前記複数の信号線を、前記複数の信号線の周囲に前記複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルである請求項21に記載の超音波内視鏡。
【請求項23】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーである請求項21又は22に記載の超音波内視鏡。
【請求項24】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、
前記第1熱伝導部材は、前記グランドバーに電気的に接合される前記配線基板上の位置に接続される請求項21〜23のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項25】
前記第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔である請求項21〜24のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項26】
前記金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔である請求項25に記載の超音波内視鏡。
【請求項27】
複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、
複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、
前記複数の信号線をそれぞれ前記複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、
前記複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、
前記超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、
前記第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、
前記グランド部は、前記複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、
前記第2熱伝導部材は、前記集合グランドと前記第1熱伝導部材とを熱的に接続し、かつ、絶縁性熱伝導部材であることを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項28】
前記シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、
前記複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に前記信号線と、該信号線の外周側に前記シールド部材とを備え、
前記非同軸ケーブルは、前記複数の信号線と前記複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に前記複数の信号線を、前記複数の信号線の周囲に前記複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルである請求項27に記載の超音波内視鏡。
【請求項29】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーである請求項27又は28に記載の超音波内視鏡。
【請求項30】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、
前記第1熱伝導部材は、前記グランドバーに電気的に接合される前記配線基板上の位置に接続される請求項27〜29のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項31】
前記第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔である請求項27〜30のいずれか一項に記載の超音波内視鏡。
【請求項32】
前記金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔である請求項31に記載の超音波内視鏡。
【請求項33】
請求項又はに記載の超音波内視鏡を製造するに際し、
予め、前記超音波振動子アレイの側とは逆側となる前記第1熱伝導部材の下端部において、前記第1熱伝導部材と前記第2熱伝導部材とを一体化しておき、
前記シールドケーブルの前記複数のシールド部材を、それぞれ前記第1熱伝導部材と予め一体化された前記第2熱伝導部材に接続した後、
前記第1熱伝導部材と予め一体化された前記第2熱伝導部材に接続された前記複数のシールド部材を備える前記シールドケーブルの前記複数の信号線を、それぞれ前記配線部の前記複数の接続部に半田を用いて接続して前記複数の超音波振動子に電気的に接続し、かつ
前記第2熱伝導部材と一体化された前記第1熱伝導部材を、前記複数の超音波振動子に貼り付けて、前記超音波振動子アレイ、及び前記超音波振動子アレイの背面側に積層され、前記複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を備える積層体の側面に配設することを特徴とする超音波内視鏡の製造方法。
【請求項34】
前記複数のシールド部材をそれぞれ前記第2熱伝導部材に接続するステップは、前記第2熱伝導部材が、前記超音波振動子アレイの側となり、かつ前記第2熱伝導部材と予め一体化された前記第1熱伝導部材が前記超音波振動子アレイの側とは逆側となり、前記複数のシールド部材をそれぞれ前記第2熱伝導部材に接続し、
前記第1熱伝導部材を前記積層体の側面に配設するステップは、前記第1熱伝導部材を折り返して、前記第2熱伝導部材が接続された側とは逆側が前記超音波振動子アレイの側に来る状態にして、前記複数の超音波振動子に貼り付けて、前記積層体の側面に配設する請求項33に記載の超音波内視鏡の製造方法。
【請求項35】
前記第2熱伝導部材は、グランドバーであり、
予め前記第1熱伝導部材と前記第2熱伝導部材とを一体化しておくステップは、前記グランドバーを備える配線基板と前記第1熱伝導部材とを予め一体化して前記グランドバーと前記第1熱伝導部材とを電気的に接続する請求項33又は34に記載の超音波内視鏡の製造方法。
【請求項36】
請求項1、2、12、13、21、22、27又は28に記載の超音波内視鏡を製造するに際し、
前記第1熱伝導部材を、前記複数の超音波振動子に貼り付けて、前記超音波振動子アレイ、及び前記超音波振動子アレイの背面側に積層され、前記複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を備える積層体の側面に配設し、
前記シールドケーブルの前記複数のシールド部材を、それぞれ半田を用いて前記第2熱伝導部材に接続し、かつ
前記シールドケーブルの前記複数の信号線を、それぞれ前記配線部の前記複数の接続部に前記半田を用いて接続して前記複数の超音波振動子に電気的に接続した後、
前記第1熱伝導部材を、前記半田より低融点の半田、銀ペースト、及び導電性接着剤の少なくとも1つを用いて、前記第2熱伝導部材に接続することを特徴とする超音波内視鏡の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波内視鏡、及びその製造方法に係り、特に、体腔内に挿入される超音波内視鏡に用いられる超小型超音波振動子において発生した熱を放熱するための放熱構造を先端部に有する超音波内視鏡、及びこの超音波内視鏡の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像を用いる超音波診断装置には、通常、被検体に接触させて用いられる体表用超音波探触子や、被検体の体腔内に挿入して用いられる体腔内用超音波探触子(プローブ)が備えられている。更に、近年においては、被検体内を光学的に観察する内視鏡と体腔内用の超音波探触子とが組み合わせられた超音波内視鏡が使用されている。
超音波探触子を用いて、人体等の被検体に向けて超音波ビームを送信し、被検体において生じた超音波エコーを受信すると、超音波画像情報が取得される。
この超音波画像情報に基づいて、被検体内に存在する物体(例えば、内臓や病変組織等)の超音波画像が、超音波内視鏡に接続された超音波内視鏡装置本体の表示部に表示される。
【0003】
超音波を送信及び受信する超音波トランスデューサ(超音波振動子アレイ)としては、圧電効果を発現する材料(圧電体)の両面に電極を形成した複数の超音波振動子(圧電振動子)が、一般的に用いられている。
これらの超音波振動子の電極に電圧を印加すると、圧電効果により圧電体が伸縮して超音波が発生する。複数の超音波振動子を1次元又は2次元状に配列して超音波振動子アレイとし、その複数の超音波振動子を順次駆動することにより、所望の方向に送信される超音波ビームを形成することができる。
また、超音波振動子は、伝播する超音波を受信することによって伸縮して電気信号を生成する。この電気信号は、超音波の検出信号として用いられる。
【0004】
このような複数の超音波振動子を備える超音波内視鏡は、経消化管による胆嚢又は膵臓の観察を主な目的として、内視鏡の先端部に超音波観察部を設けたものである。超音波内視鏡の先端部には、超音波観察部の他に、超音波観察部を設けていない通常の内視鏡と同様に、光学センサー、照明、送気口、送水口、及び吸引口が設けられている。このように、被検者の体腔内、特に上部消化管や気管支等に挿入される超音波内視鏡においては、被検者の身体的負担を軽減するために、超音波内視鏡の挿入部の小径化、及び先端部、特に超音波観察部の小型化が求められている。
また、超音波内視鏡の先端部においては、超音波振動子及び内視鏡の光源などの発熱要因がある。しかしながら、超音波内視鏡の挿入部、特に先端部は、人体などの生体の内部に直接接触するものであるため、低温火傷を防止する等の安全上の理由から、挿入部の表面温度が所定の温度以下にすることが要請されている。
そこで、先端部を小型に維持しつつ、先端部の表面温度を低下させるための手段を有する超音波内視鏡が求められており、近年では、熱の発生源である超音波内視鏡の先端部を冷却するための様々な提案がなされている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1は、屈曲部を有する挿入部を備え、その挿入部が、複数の超音波トランスデューサが配置された前面を有するバッキング材と、挿入部の先端において複数の超音波トランスデューサを収容する外装部材と、外装部材内に配設されて、バッキング材の裏面及び外装部材の内面に接する熱伝導部材を有する超音波内視鏡を開示している。この構成によれば、超音波トランスデューサにおいて発生してバッキング材に伝達した熱、及び超音波トランスデューサによる超音波を受けてバッキング材で発生した熱は、バッキング材を介して熱伝導部材に伝達し、更に、熱伝導部材を介して外装部材に伝達して、外装部材から超音波内視鏡の外部へ放熱される。従って、特許文献1では、超音波トランスデューサ部から外部への放熱が促進されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5329065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示の超音波内視鏡では、超音波振動子及びバッキング材層において発生した熱を、熱伝導部材を介して外装部材に放熱する放熱パスのみしか考慮されていないため、更なる放熱効果の向上が望めないという問題があった。更に、特許文献1に開示の技術では、超音波振動子及びバッキング材層に熱がこもることはないが、外装部材への放熱であるために、超音波内視鏡の先端部付近の体腔内に放熱することになる。ここで、熱は外装部材から拡散するので温度上昇はある程度抑制されるが、超音波内視鏡の先端部の外装部材の温度、及び先端部周囲の温度を上昇させてしまうという問題を含んでいる。
【0008】
現在、超音波内視鏡では診断精度を向上させるため、超音波トランスデューサ(振動子)を積層化して超音波の送信出力を増加させたり、超音波振動子の数を増やしたりして受信感度を高めている。
その結果、超音波振動子からの放熱量が大きくなり、超音波振動子の発熱により、体腔内壁と接する挿入部、特に超音波振動子が配置される先端部の温度が上昇する可能性がある。
更に、超音波内視鏡では、得られる超音波画像の画質等を向上させて診断精度を向上させるため、受信感度を高めることの他、超音波振動子を駆動する駆動電圧を上げることも考えられるが、駆動電圧を上げることによる超音波振動子(超音波トランスデューサ)の発熱によって更なる温度上昇を引き起こす虞がある。
【0009】
このように、超音波画像の画質等の向上による診断精度の向上を図るために、超音波振動子の数を増やしたり、超音波振動子の駆動電圧を上昇させたり、超音波の送信出力を増加させていった場合には、特許文献1に開示の技術では、人体などの生体の内部に直接接触する超音波内視鏡の先端部、及び外装部材等の周囲の温度を許容温度以上に上昇させてしまうという問題があった。
従って、挿入部の小径化や先端部の小型化を維持しつつ、発熱や温度上昇を抑えることが必要となっており、特に発生した振動子の熱を如何にして放熱するかが重要な課題となっている。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、挿入部を小径に、かつ先端部を小型に維持しつつ、超音波振動子において発生した熱を効率的に放熱することができる放熱構造を有し、その結果、超音波診断における診断精度を向上させることができる超音波内視鏡を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記目的に加え、このような超音波内視鏡を、構成部材、例えば超小型超音波振動子に接続される信号線等にダメージを当てることなく、また、コストアップを招くことがなく、確実、かつ安定して製造することができる超音波内視鏡の製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様の超音波内視鏡は、複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、複数の信号線と、信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、複数の信号線をそれぞれ複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、第1熱伝導部材をグランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、更に、超音波振動子アレイの背面側に積層され、複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を有し、第1熱伝導部材は、超音波振動子アレイ、及びバッキング材層を備える積層体の側面に配設され、超音波振動子アレイの側とは逆側となるバッキング材層の下側まで延在しており、第2熱伝導部材は、超音波振動子アレイの側とは逆側となる第1熱伝導部材の下端部において、第1熱伝導部材と予め一体化されており、複数のシールド部材は、グランド部を構成し、それぞれ、第1熱伝導部材と一体化された第2熱伝導部材に接続されており、第2熱伝導部材と一体化された第1熱伝導部材は、複数の超音波振動子に貼り付けられていることを特徴とする。
【0012】
ここで、シールドケーブルは、それぞれ、中心側に信号線と、信号線の外周側にシールド部材とを備える複数の同軸ケーブル、又は複数の信号線と複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置した、もしくは中心側に複数の信号線を、複数の信号線の周囲に複数のシールド部材として複数の導線を配置した非同軸ケーブルであることが好ましい。
また、更に、超音波振動子アレイの背面側に積層され、複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を有し、第1熱伝導部材は、超音波振動子アレイ、及びバッキング材層を備える積層体の側面に配設され、超音波振動子アレイの側とは逆側となるバッキング材層の下側まで延在するものであり、超音波振動子アレイの側とは逆側となる第1熱伝導部材の下端部において、第2熱伝導部材と第1熱伝導部材とは予め一体化されたものであり、複数のシールド部材は、グランド部を構成し、それぞれ、第1熱伝導部材と一体化された第2熱伝導部材に接続され、第2熱伝導部材と一体化された第1熱伝導部材は、複数の超音波振動子に貼り付けられたものシールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に信号線と、該信号線の外周側にシールド部材とを備え、非同軸ケーブルは、複数の信号線と複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に複数の信号線を、複数の信号線の周囲に複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルであることが好ましい。
【0013】
また、第1熱伝導部材は、超音波振動子アレイの側とは逆側にある第1熱伝導部材の下端部を超音波振動子アレイの側である上側に向けて第2熱伝導部材に接続され、第1熱伝導部材の上端部側が積層体の側面側に折り返されて複数の超音波振動子に貼り付けられていることが好ましい。
た、第1熱伝導部材、及び第2熱伝導部材は、導電性部材であり、配線部の複数の接続部は、それぞれ、複数の信号線を、第1半田を用いて、それぞれ複数の超音波振動子と電気的に接続したものであり、複数のシールド部材は、それぞれ第1半田を用いて、第2熱伝導部材に接続され、第1熱伝導部材は、第1半田より低融点の第1半田、銀ペースト、及び導電性接着剤の少なくとも1つを用いて、第2熱伝導部材に接続されていることが好ましい。
【0014】
また、第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、第1熱伝導部材は、グランドバーに電気的に接合される配線基板上の位置に接続されることが好ましい。
また、グランド部は、複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、第2熱伝導部材は、集合グランドと第1熱伝導部材とを熱的に接続することが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、信号線より太いケーブル、又は変形可能な金属編組のネット部材であることが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、絶縁性熱伝導部材であることが好ましい。
また、第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔であることが好ましい。
また、金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔であることが好ましい。
【0015】
また、上記の他の目的を達成するために、本発明の第2態様の超音波内視鏡は、複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、複数の信号線をそれぞれ複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、第1熱伝導部材、及び第2熱伝導部材は、導電性部材であり、配線部の前記複数の接続部は、それぞれ、複数の信号線を、第1半田を用いて、それぞれ複数の超音波振動子と電気的に接続し、複数のシールド部材は、それぞれ第1半田を用いて、第2熱伝導部材に接続され、第1熱伝導部材は、第1半田より低融点の第2半田、銀ペースト、及び導電性接着剤の少なくとも1つを用いて、第2熱伝導部材に接続されていることを特徴とする。
ここで、シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に信号線と、該信号線の外周側にシールド部材とを備え、非同軸ケーブルは、複数の信号線と複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に複数の信号線を、複数の信号線の周囲に複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルであるのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーであるのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、第1熱伝導部材は、グランドバーに電気的に接合される配線基板上の位置に接続されるのが好ましい。
また、グランド部は、複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、第2熱伝導部材は、集合グランドと第1熱伝導部材とを熱的に接続するのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、前記信号線より太いケーブル、又は変形可能な金属編組のネット部材であるのが好ましい。
第2熱伝導部材は、絶縁性熱伝導部材であるのが好ましい。
第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔であるのが好ましい。
金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔であるのが好ましい。
また、上記の他の目的を達成するために、本発明の第3態様の超音波内視鏡は、複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、複数の信号線をそれぞれ複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、グランド部は、複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、第2熱伝導部材は、集合グランドと第1熱伝導部材とを熱的に接続し、かつ、信号線より太いケーブル、又は変形可能な金属編組のネット部材であることを特徴とする。
また、シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に信号線と、該信号線の外周側にシールド部材とを備え、非同軸ケーブルは、複数の信号線と複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に複数の信号線を、複数の信号線の周囲に複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルであるのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーであるのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、第1熱伝導部材は、グランドバーに電気的に接合される配線基板上の位置に接続されるのが好ましい。
また、第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔であるのが好ましい。
また、金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔であるのが好ましい。
また、上記の他の目的を達成するために、本発明の第4態様の超音波内視鏡は、 複数の超音波振動子が配列された超音波振動子アレイと、複数の信号線と、該信号線の外側に配置された金属製の複数のシールド部材とを備えるシールドケーブルと、複数の信号線をそれぞれ前記複数の超音波振動子に電気的に接続する複数の接続部を備える配線部と、複数のシールド部材と電気的に接続され、熱伝導性を持つグランド部と、超音波振動子アレイの側面に配設されるシート状の第1熱伝導部材と、第1熱伝導部材を前記グランド部に熱的に接続する第2熱伝導部材と、を先端部に有し、グランド部は、複数のシールド部材に接続された共通の集合グランドであり、第2熱伝導部材は、集合グランドと第1熱伝導部材とを熱的に接続し、かつ、絶縁性熱伝導部材であることを特徴とする。
ここで、シールドケーブルは、複数の同軸ケーブル、及び非同軸ケーブルの少なくとも一方であり、複数の同軸ケーブルは、それぞれ、中心側に信号線と、該信号線の外周側にシールド部材とを備え、非同軸ケーブルは、複数の信号線と複数のシールド部材として複数のドレイン線とを混在させて配置したケーブル、又は中心側に複数の信号線を、複数の信号線の周囲に複数のシールド部材として複数の導線を配置したケーブルであるのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーであるのが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーを備える配線基板であり、第1熱伝導部材は、グランドバーに電気的に接合される配線基板上の位置に接続されるのが好ましい。
また、第1熱伝導部材は、電気伝導性、及び熱伝導性のある金属箔であるのが好ましい。
また、金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、又は金箔であるのが好ましい。
また、上記の他の目的を達成するために、本発明の第態様の超音波内視鏡の製造方法は、上記第1態様及び上記代2態様の超音波内視鏡を製造するに際し、予め、超音波振動子アレイの側とは逆側となる第1熱伝導部材の下端部において、第1熱伝導部材と第2熱伝導部材と一体化しておき、シールドケーブルの複数のシールド部材を、それぞれ第1熱伝導部材と予め一体化された第2熱伝導部材に接続した後、第1熱伝導部材と予め一体化された第2熱伝導部材に接続された複数のシールド部材を備えるシールドケーブルの複数の信号線を、それぞれ配線部の複数の接続部に半田を用いて接続して複数の超音波振動子に電気的に接続し、かつ第2熱伝導部材と一体化された第1熱伝導部材を、複数の超音波振動子に貼り付けて、超音波振動子アレイ、及び超音波振動子アレイの背面側に積層され、複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を備える積層体の側面に配設することを特徴とする。
【0016】
ここで、複数のシールド部材をそれぞれ第2熱伝導部材に接続するステップは、第2熱伝導部材が超音波振動子アレイの側となり、かつ第2熱伝導部材と予め一体化された第1熱伝導部材が超音波振動子アレイの側とは逆側となり、複数のシールド部材をそれぞれ第2熱伝導部材に接続するものであり、第1熱伝導部材を積層体の側面に配設するステップは、第1熱伝導部材を折り返して、第2熱伝導部材が接続された側とは逆側が超音波振動子アレイの側に来る状態にして、複数の超音波振動子に貼り付けて、積層体の側面に配設することが好ましい。
また、第2熱伝導部材は、グランドバーであり、予め第1熱伝導部材と第2熱伝導部材とを一体化しておくステップは、グランドバーを備える配線基板と第1熱伝導部材とを予め一体化してグランドバーと第1熱伝導部材とを電気的に接続することが好ましい。
【0017】
また、上記の他の目的を達成するために、本発明の第態様の超音波内視鏡の製造方法は、上記第1態様〜第4態様の超音波内視鏡を製造するに際し、第1熱伝導部材を、複数の超音波振動子に貼り付けて、超音波振動子アレイ、及び超音波振動子アレイの背面側に積層され、複数の超音波振動子を支持するバッキング材層を備える積層体の側面に配設し、シールドケーブルの複数のシールド部材を、それぞれ半田を用いて第2熱伝導部材に接続し、かつシールドケーブルの複数の信号線を、それぞれ配線部の複数の接続部に半田を用いて接続して複数の超音波振動子に電気的に接続した後、第1熱伝導部材を、半田より低融点の半田、銀ペースト、及び導電性接着剤の少なくとも1つを用いて、第2熱伝導部材に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、挿入部を小径に、かつ先端部を小型に維持しつつ、超音波振動子において発生した熱を効率的に放熱することができる放熱構造を有し、その結果、超音波診断における診断精度を向上させることができる超音波内視鏡を提供することができる。
即ち、本発明によれば、例えば、複数の超音波振動子に銅箔などの第1熱伝導部材を貼り付けると共に、第1熱伝導部材を、グランドバー、又は集合グランド等のグランド部に、第2熱伝導部材を介して接続することにより、複数の超音波振動子で発生し、第1熱伝導部材に伝わった熱を、グランド部を介して、効率よく、グランド部に接続された複数の同軸ケーブルに逃がして、被検体の外部に効率的に放熱することができる。なお、本発明において、第1熱伝導部材をグランド部に第2熱伝導部材を介して接続するとは、グランドバーがグランド部と第2熱伝導部材を兼ねる場合には、第1熱伝導部材をグランドバーに直接接続し、集合グランドがグランド部である場合には、第1熱伝導部材を集合グランドに第2熱伝導部材を介して接続することである。
また、本発明によれば、このような超音波内視鏡を、構成部材、例えば超小型超音波振動子に接続される信号線等にダメージを当てることなく、また、コストアップを招くことがなく、確実、かつ安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の超音波内視鏡を用いる超音波検査システムの構成の一例を示す概略構成図である。
図2図1に示す超音波内視鏡の先端部を示す部分拡大平面図である。
図3図2に示すIII−III線矢視図であり、図2に示す超音波内視鏡の先端部を模式的に示す部分縦断面図である。
図4図2に示す超音波内視鏡の先端部の超音波観察部を模式的に示す部分拡大断面図である。
図5図3に示すV−V線矢視図であり、図3に示す超音波内視鏡の先端部の超音波観察部の一例を模式的に示す横断面図である。
図6図3に示す超音波内視鏡の先端部の超音波観察部において用いられる同軸ケーブルの構成を模式的に示す断面図である。
図7図3に示す超音波内視鏡の先端部の超音波観察部において用いられる複数の同軸ケーブルによって構成されるシールドケーブルを模式的に示す断面図である。
図8図4に示す超音波観察部に銅箔とグランドバーとの一体化部材の模式的正面図である。
図9図8に示す銅箔とグランドバーとの一体化部材の模式的側面図である。
図10図9に示す一体化部材のグランドバーと同軸ケーブルのシールド部材との接続状態を模式的に示す側面図である。
図11】本発明の一実施形態の超音波内視鏡の先端部の超音波観察部の放熱構造を模式的に示す説明図である。
図12図9に示す一体化部材の他の形態の模式的側面図である。
図13図12に示す一体化部材のグランドバーと同軸ケーブルのシールド部材との接続状態を模式的に示す側面図である。
図14】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の放熱構造を模式的に示す説明図である。
図15】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の放熱構造の一製造工程を模式的に示す説明図である。
図16】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の放熱構造を模式的に示す説明図である。
図17】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の放熱構造の一製造工程を模式的に示す説明図である。
図18】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の放熱構造の他の製造工程を模式的に示す説明図である。
図19】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の放熱構造を模式的に示す説明図である。
図20】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の先端部を模式的に示す部分断面図である。
図21】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の挿入部の先端部を模式的に示す部分拡大平面図である。
図22図21に示すX−X線矢視図であり、図21に示す超音波内視鏡の挿入部の先端部の部分縦断面図である。
図23】本発明の他の実施形態の超音波内視鏡の挿入部の先端部を模式的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る超音波内視鏡、及び超音波内視鏡の製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る超音波内視鏡を用いる超音波検査システムの構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示す超音波検査システム10は、患者等の被検体の体表からの超音波検査では困難な胆嚢又は膵臓の観察を被検体の体腔である食道、胃、十二指腸、小腸、及び大腸等の消化管を経由して可能にし、本発明の超音波振動子ユニットを備え、超音波断層画像(以下、超音波画像という)を取得する超音波観察部と、内視鏡光学画像(以下、内視鏡画像という)を取得する内視鏡観察部とを有する本発明の超音波内視鏡を被検体の体腔内に挿入して、被検体の内視鏡画像を観察しながら被検体の観察対象部位の超音波画像を取得するものである。
【0021】
図1に示すように、超音波検査システム10は、先端部に放熱構造を有する本発明の第1実施形態の超音波内視鏡12と、超音波画像を生成する超音波用プロセッサ装置14と、内視鏡画像を生成する内視鏡用プロセッサ装置16と、体腔内を照明する照明光を超音波内視鏡12に供給する光源装置18と、超音波画像及び/又は内視鏡画像を表示するモニタ20と、を備えて構成されている。
また、超音波検査システム10は、更に、洗浄水等を貯留する送水タンク21aと、体腔内の吸引物(供給された洗浄水等も含む)を吸引する吸引ポンプ21bとを備えている。なお、超音波検査システム10は、図示しないが、更に、送水タンク21a内の洗浄水、又は外部の空気等の気体を超音波内視鏡12内の管路(図示せず)に供給する供給ポンプ等を備えていても良い。
【0022】
まず、本発明の超音波内視鏡12は、本発明の特徴とする放熱構造(70:図3図5参照)を備える超音波観察部36と、内視鏡観察部38とを先端部に有し、被検体の体腔内を撮影して、それぞれ超音波画像(エコー信号)及び内視鏡画像(画像信号)を取得するものである。
超音波内視鏡12は、先端部に超音波観察部36と内視鏡観察部38とを備え、被検体の体腔内に挿入される挿入部22と、挿入部22の基端部に連設され、医師や技師などの術者が操作を行うための操作部24と、操作部24に一端が接続されたユニバーサルコード26とから構成されている。
【0023】
操作部24には、送水タンク21aから送気送水管路(図示せず)を開閉する送気送水ボタン28a、及び吸引ポンプ21bからの吸引管路(図示せず)を開閉する吸引ボタン28bが並設されると共に、一対のアングルノブ29、29、及び処置具挿入口(鉗子口)30が設けられている。
ここで、送水タンク21aは、超音波内視鏡12の内視鏡観察部38等の洗浄等のために超音波内視鏡12内の送気送水管路に供給する洗浄水等を貯留するためのものである。なお、送気送水ボタン28aは、送水タンク21aから送気送水管路を経て供給された空気等の気体、及び洗浄水等の水を挿入部22の先端側の内視鏡観察部38から噴出させるために用いられる。
【0024】
また、吸引ポンプ21bは、超音波内視鏡12の先端側から体腔内の吸引物(供給された洗浄水等も含む)を吸引するために吸引管路(図示せず)を吸引するものである。吸引ボタン28bは、吸引ポンプ21bの吸引力によって挿入部22の先端側から体腔内の吸引物を吸引するために用いられる。
また、処置具挿入口30は、鉗子や穿刺針、高周波メス等の処置具を挿通するためのものである。
【0025】
ユニバーサルコード26の他端部には、超音波用プロセッサ装置14に接続される超音波用コネクタ32aと、内視鏡用プロセッサ装置16に接続される内視鏡用コネクタ32bと、光源装置18に接続される光源用コネクタ32cとが設けられている。超音波内視鏡12は、これらの各コネクタ32a、32b、及び32cを介してそれぞれ超音波用プロセッサ装置14、内視鏡用プロセッサ装置16、及び光源装置18に着脱自在に接続される。また、光源用コネクタ32cには、送水タンク21aを接続する送気送水用チューブ34a、及び吸引ポンプ21bを接続する吸引用チューブ34b等が接続される。
【0026】
挿入部22は、先端側から順に、硬質部材で形成され、超音波観察部36と内視鏡観察部38とを有する先端部(先端硬質部)40と、先端部40の基端側に連設され、複数の湾曲駒を連結してなり、湾曲自在の湾曲部42と、湾曲部42の基端側と操作部24の先端側との間を連結し、細長かつ長尺の可撓性を有する軟性部43とから構成されている。
湾曲部42は、操作部24に設けられた一対のアングルノブ29、29を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部40を所望の方向に向けることができる。
【0027】
また、先端部40には、内部に、超音波観察部36を覆う超音波伝達媒体(例えば、水、オイル等)を注入したバルーンが着脱自在に装着されていても良い。超音波及びエコー信号は空気中で著しく減衰するため、このバルーンに超音波伝達媒体を注入して膨張させ、観察対象部位に当接させることにより、超音波観察部36の超音波振動子(超音波トランスデューサ)アレイ(50:図2図5参照)と観察対象部位の間から空気を排除し、超音波及びエコー信号の減衰を防止することができる。
【0028】
なお、超音波用プロセッサ装置14は、超音波内視鏡12の挿入部22の先端部40の超音波観察部36の超音波振動子アレイ(50:図2図5参照)に超音波を発生させるための超音波信号(データ)を生成して供給するものである。また、超音波用プロセッサ装置14は、超音波が放射された観察対象部位から反射されたエコー信号(データ)を超音波振動子アレイ(50)によって受信して取得し、取得したエコー信号に対して各種の信号(データ)処理を施してモニタ20に表示される超音波画像を生成するためのものである。
【0029】
内視鏡用プロセッサ装置16は、超音波内視鏡12の挿入部22の先端部40の内視鏡観察部38において光源装置18からの照明光によって照明された観察対象部位から取得された撮像画像信号(データ)を受信して取得し、取得した画像信号に対して各種の信号(データ)処理、及び画像処理を施して、モニタ20に表示される内視鏡画像を生成するためのものである。
なお、これらのプロセッサ装置14、及び16は、PC(パーソナルコンピュータ)等のプロセッサによって構成されるものであっても良い。
【0030】
光源装置18は、超音波内視鏡12の内視鏡観察部38によって体腔内の観察対象部位を撮像して画像信号を取得するために、赤光(R)、緑光(G)、及び青光(B)等の3原色光からなる白色光や特定波長光等の照明光を、発生させて、超音波内視鏡12に供給し、超音波内視鏡12内のライトガイド(図示せず)等によって伝搬し、超音波内視鏡12の挿入部22の先端部40の内視鏡観察部38から出射して、体腔内の観察対象部位を照明するためのものである。
【0031】
モニタ20は、超音波用プロセッサ装置14及び内視鏡用プロセッサ装置16により生成された各映像信号を受けて超音波画像や内視鏡画像を表示する。これらの超音波画像や内視鏡画像の表示は、いずれか一方のみの画像を適宜切り替えてモニタ20に表示することや両方の画像を同時に表示すること等が可能である。なお、超音波画像を表示するためのモニタと内視鏡画像を表するためのモニタを別個に設けてよいし、他の任意に形態で、これらの超音波画像と内視鏡画像とを表示するようにしてもよい。
【0032】
次に、超音波内視鏡の挿入部の先端部の構成を図2図4を参照して詳細に説明する。
図2は、図1に示す超音波内視鏡の先端部及びその近傍を示す部分拡大平面図である。図3は、図2に示すIII−III線矢視図であり、図2に示す超音波内視鏡の先端部をその長手方向に沿った中心線で切断した模式的縦断面図である。図4は、図3に示す超音波内視鏡の先端部の超音波観察部の模式的部分拡大縦断面図である。図5は、図2に示すV−V線矢視図であり、図2に示す超音波内視鏡の先端部の超音波観察部の超音波振動子アレイの円弧構造の中心線で切断した模式的横断面図である。
【0033】
図2、及び図3に示すように、超音波内視鏡12の先端部40には、先端側に超音波画像を取得するための超音波観察部36と、基端側に内視鏡画像を取得するための内視鏡観察部38と、これらの間に処置具導出口44とが設けられており、共に超音波内視鏡12の先端部40の先端部本体となる、硬質樹脂等の硬質部材からなる外装部材41に取り付けられて保持されている。
図2に示す例では、処置具導出口44は、超音波観察部36と内視鏡観察部38との間に設けられているが、本発明は特に図示例に限定されず、内視鏡観察部38内に設けられていても良いし、内視鏡観察部38よりも基端側(湾曲部42側)に設けられていても良い。
【0034】
図2図4に示すように、超音波観察部36は、超音波振動子ユニット46と、超音波振動子ユニット46を取り付けて保持する外装部材41とから構成されるものである。
超音波振動子ユニット46は、複数の超音波振動子(トランスデューサ)48からなる超音波振動子アレイ50と、超音波振動子アレイ50の外側面又は内側面に設けられ、複数の超音波振動子48に接続する複数の個別電極52aを備える電極部52と、超音波振動子アレイ50の各超音波振動子48を下面側から支持するバッキング材層54と、電極部52の複数の個別電極52aとそれぞれ電気的に接続され、複数本の同軸ケーブル58の信号線58aを配線接続する複数の接続部56aを備えるケーブル配線部56と、超音波振動子アレイ50と逆側のバッキング材層54の下側に配置され、複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cがそれぞれ接続されるグランドバー60と、複数の超音波振動子48及びバッキング材層54の両外側面全面に貼り付けられ、超音波振動子アレイ50と逆側のバッキング材層54の下側まで延在してグランドバー60と接続される銅箔62と、を有する。
【0035】
本発明の第1実施形態においては、グランドバー60及び銅箔62は、予め一体化されており、複数の超音波振動子48をシールドすると共に、複数の超音波振動子48及びバッキング材層54において発生した熱を複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cに放熱する本発明の特徴とする放熱構造70を構成する。この放熱構造70についての詳細は後述する。
こうして、本発明の特徴とする放熱構造70によって、複数の超音波振動子48及びバッキング材層54において発生した熱は、複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cを介して挿入部22を経て被検体外に放熱される。
【0036】
また、超音波振動子ユニット46は、更に、超音波振動子アレイ50の上に積層された音響整合層64と、音響整合層64上に積層された音響レンズ66とを有する。即ち、超音波振動子ユニット46は、音響レンズ66、音響整合層64、超音波振動子アレイ50、及びバッキング材層54の積層体68からなる。
音響整合層64は、人体等の被検体と超音波振動子48との間の音響インピーダンス整合をとるためのものである。
音響整合層64上に取り付けられている音響レンズ66は、超音波振動子アレイ50から発せられる超音波を観察対象部位に向けて収束させるためのものである。音響レンズ66は、例えば、シリコン系樹脂(ミラブル型シリコンゴム(HTVゴム)、液状シリコンゴム(RTVゴム)等)、ブタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等からなる。音響整合層64によって被検体と超音波振動子48との間の音響インピーダンス整合をとり、超音波の透過率を高めるため、音響レンズ66には、必要に応じて酸化チタンやアルミナ、シリカ等の粉末が混合される。
【0037】
超音波振動子アレイ50は、円弧状かつ外側に向けて配列された複数、例えば48〜192個の直方体形状の超音波振動子(トランスデューサ)48からなる複数チャンネル、例えば48〜192チャンネル(CH)のアレイである。
即ち、超音波振動子アレイ50は、複数の超音波振動子48が、一例として、図示例のように一次元アレイ状に所定のピッチで配列されてなるものである。このように、超音波振動子アレイ50を構成する各超音波振動子48は、先端部40の軸線方向(挿入部22の長手軸方向)に沿って凸湾曲状に等間隔で配列されており、超音波用プロセッサ装置14から入力される駆動信号に基づいて順次駆動されるようになっている。これによって、図2に示す超音波振動子48が配列された範囲を走査範囲としてコンベックス電子走査が行われる。
【0038】
超音波振動子アレイ50は、バッキング材層54の底面と平行な方向(AZ(アジマス)方向)よりも、AZ方向と直交する超音波振動子48の長手方向(EL(エレベーション)方向)の長さのほうが短く、後端側が張り出すように傾斜して配置される。図5に示すように、超音波振動子48は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の圧電体厚膜の底面に電極を形成した構成を有する。一方の電極は、超音波振動子48毎に個々に独立した個別電極52a、他方の電極は、超音波振動子48の全てに共通の共通電極(例えば、グランド(接地)電極)52bとなっている。図示例では、複数の個別電極52aは、複数の超音波振動子48の内側の下面にそれぞれ設けられ、ケーブル配線部56の複数の配線(図示せず)に電気的にそれぞれ接続されている。なお、ケーブル配線部56では、複数の配線(図示せず)は、それぞれ複数の接続部56aに電気的に接続されている。一方、共通電極52bは、図示例では、超音波振動子48の端部の上面に設けられ、グランドバー60に接続されている。これらの複数の個別電極52a、及び共通電極52bは、電極部52を構成している。
なお、図示は省略するが、隣接する2つの超音波振動子48同士の隙間には、エポキシ樹脂等の充填材が充填されている。
【0039】
超音波観察部36の超音波振動子ユニット46において、超音波振動子アレイ50の各超音波振動子48が駆動され、超音波振動子48の両電極に電圧が印加されると、圧電体が振動して超音波を順次発生し、被検体の観察対象部位に向けて超音波が照射される。そして、複数の超音波振動子48をマルチプレクサ等の電子スイッチで順次駆動させることで、超音波振動子アレイ50が配された曲面に沿った走査範囲、例えば曲面の曲率中心から数十mm程度の範囲で、超音波が走査される。その結果、超音波振動子アレイ50の各超音波振動子48は、超音波を発生する際に発熱し、更に、バッキング材層54も、超音波の作用により発熱する。
また、観察対象部位から反射されたエコー信号(超音波エコー)を受信すると、圧電体が振動して電圧を発生し、この電圧を受信した超音波エコーに応じた電気信号(超音波検出信号)として超音波用プロセッサ装置14に出力する。そして、超音波用プロセッサ装置14において各種の信号処理が施されてから、超音波画像としてモニタ20に表示される。
【0040】
電極部52は、図3、及び図4に示すように、複数(48〜192)の超音波振動子48の配列による円弧状面に対して垂直となる超音波振動子アレイ50の(各超音波振動子48の)内側下面に円弧状に設けられるもので、複数(48〜192)の超音波振動子48にそれぞれ導通する複数(48〜192)の個別電極52aからなる。なお、電極部52には、複数の超音波振動子48の共通電極が含まれていても良い。本発明において、垂直とは、90度に限定されるわけではなく、略垂直。例えば、90度±5度、即ち、85度〜95度までの範囲の角度を含むものである。
なお、図3、及び図4においては、円弧状に配列された複数の個別電極52a及びこれらからなる電極部52は、バッキング材層54に隠れて見えないが、分かり易くするために破線表示している。
【0041】
電極部52は、図5に示す例では、複数の超音波振動子48の配列面に対して垂直となる超音波振動子アレイ50の内側下面に2列に設けられるが、超音波振動子48の数が少ない場合には、1列のみであっても良いし、複数の超音波振動子48の配列が長手方向に複数列に亘る場合には、2列以上の複数列であっても良い。なお、電極部52は、超音波振動子アレイ50の内側下面のみならず、超音波振動子アレイ50の長手方向の両外側面に設けられていても良いし、片側の外側面でも良いし、超音波振動子アレイ50の内側下面に1列以上、及びその外側面の片側又は両側に設けても良い。
なお、超音波振動子48の数は多い方が好ましいので、複数の個別電極52aは、超音波振動子アレイ50の内側下面に複数列、又はその両外側面に、もしくは両方に設けられることが好ましい。
なお、図5に示す例では複数の個別電極52aを、各超音波振動子48の長手方向の端面側に設けられた個別電極で構成しているが、本発明はこれに限定されず、超音波振動子48の個別電極52aに導通していれば、個別電極から配線によって接続された別の電極によって構成しても良い。また、電極部52には、直接共通電極が含まれているが、共通電極52bから配線によって接続された電極が含まれていても良い。
電極部52の複数の個別電極52a及び共通電極52bは、電極パッドとして設けられていることが好ましい。
【0042】
次に、バッキング材層54は、図3図5に示すように、複数の超音波振動子48の配列面に対して内側となる、即ち超音波振動子アレイ50の背面(下面)に配設されるバッキング材からなり、アレイ状に配列された複数の超音波振動子48を支持する部材の層である。バッキング材層54は、上表面(上側面)が断面凸円弧状に形成される。
なお、図5に示す例においては、バッキング材層54は、電極部52の複数の個別電極52aにそれぞれ接続されるケーブル配線部56の複数の配線(図示せず)の部分を内部に埋め込んだ構成となっている。なお、ケーブル配線部56の複数の接続部56aは、バッキング材層54に下側に出ている。
バッキング材層54を構成するバッキング材は、超音波振動子アレイ50の各超音波振動子48等を柔軟に支持するクッション材として機能する。このため、バッキング材は、硬質ゴム等の剛性を有する材料からなり、超音波減衰材(フェライト、セラミックス等)が必要に応じて添加されている。
したがって、超音波振動子アレイ50は、バッキング材層54の断面凸円弧状に形成された上面となる円弧状の外表面上に、図示例では、複数の直方体状の超音波振動子48をその長手方向が平行となるように、好ましくは等間隔に配列したもの、即ち、複数の超音波振動子48が円弧状かつ外側に向けて配列されたものである。
【0043】
ケーブル配線部56は、電極部52の複数の個別電極52aと電気的に接続される複数の配線(図示せず)と、複数の配線(図示せず)にそれぞれ接続され、複数本の同軸ケーブル58の信号線58aを配線接続する複数の接続部56aとを備えるものである。
ケーブル配線部56は、電極部52の複数の個別電極52aと電気的に接続された複数の配線(図示せず)の端部にそれぞれ複数の接続部56aとを備えるものであっても良い。
しかしながら、電極部52の複数の個別電極52aの接続への容易さからは、ケーブル配線部56は、例えばフレキシブルプリント配線基板(以下、単にFPC(Flexible Printed Circuit)という)、プリント配線回路基板(以下、PCB(Printed Circuit Board)という)、又はプリント配線基板(以下、PWB(Printed Wired Board)という)等の配線基板から構成されることが好ましく、図3及び図4に示すように、電極部52の複数(48〜192)の個別電極52aとそれぞれ電気的に接続するための複数(48〜192)の配線を有し、かつ複数(48〜192)の配線にそれぞれ接続される複数の接続部56aを有するものであることが好ましい。
【0044】
この場合、ケーブル配線部56は、1つの配線基板、例えばFPC等のフレキシブルな配線基板、もしくはPCB、又はPWB等のリジッドな配線基板で構成されていても良いし、更には、FPC等のフレキシブルな配線基板と、PCB、又はPWB等のリジッドな配線基板とが一体化された多層基板で構成しても良い。例えば、ケーブル配線部56として、電極部52の複数(48〜192)の個別電極52aとそれぞれ電気的に接続するための複数(48〜192)の配線を持つFPCと、複数本の同軸ケーブル58の信号線58aを配線接続する複数(48〜192)の接続部56aとを持つリジッドな配線基板とを、複数(48〜192)の配線と複数(48〜192)の接続部56aとがそれぞれ接続されるように一体化したものを用いることができる。
こうすることで、ケーブル配線部56の複数の配線と超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の個別電極52aとをそれぞれ容易に電気的に接続することができる。
【0045】
ここで、ケーブル配線部56の複数の配線と超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の個別電極(電極パッド)52aとの電気的な接続は、異方性導電性シート、又は異方性導電性ペーストを用いて行っても良いし、また、熱融着によって行っても良い。なお、これらの電気的な接続は、これらの接続方法に制限される訳ではなく、配線の作業性を阻害せず、作業工程の難易度が高くならなければ、いかなる方法を用いても良く、半田付け等の方法などの公知の方法を用いても良い。
こうすることにより、超音波振動子配線作業の簡素化、効率化、作業性の向上を図ることができ、小型化ができ、かつ超音波振動子アレイの各電極、及び多数のケーブルを配線する際に作業性の良く、作業工程の難易度が低く、ケーブルへの負荷がかかりにくく断線の危険性が少ない配線構造を有する超音波振動子ユニットを用いる超音波内視鏡を提供することができる。
【0046】
本発明に用いられる同軸ケーブル58は、図6に示すように、中心に信号線58aと、信号線58aの外周に第1絶縁層58bと、第1絶縁層58bの外周にシールド部材58cと、シールド部材58cの外周に第2絶縁層58dとを備えるものである。換言すれば、同軸ケーブル58は、中心側から信号線58aと、第1絶縁層58bと、シールド部材58cと、第2絶縁層58dとを同心円状に積層したものである。
ここで、本発明においては、複数の同軸ケーブル58は、図7に示すように、複数の同軸ケーブル58を最外層の外皮72aでその内部に包んだ1本のシールドケーブル72として用いられる。
なお、本発明に用いられるシールドケーブルは、複数の同軸ケーブル58を外皮72aで包んだシールドケーブル72に限定されず、中心の導体の外周を誘電体等の絶縁層で包んだ複数の信号線と、シールド部材として機能する導体からなる複数のドレイン線とをランダムに混在させて配置して1本のケーブルユニットとした非同軸ケーブルであっても良いし、中心の導体の外周を誘電体等の絶縁層で包んだ複数の信号線を中心側に配置し、複数の信号線の周囲にシールド部材として機能する複数の外部の導体を配置し、全体を遮蔽材で包んで1本のケーブルユニットとした非同軸ケーブルであっても良い。
【0047】
グランドバー60は、放熱構造70を構成するものであって、図3に示すように、1本のシールドケーブル72の複数の同軸ケーブル58の各シールド部材58cを電気的にかつ熱的にも接続するためのものである。
ここで、グランドバー60及びシールド部材58c等の2つの部材を電気的に接続するとは、2つの部材間で良好に電流が流れるように、直接接触させて固定する、又は半田、又は導電性接着剤等で接合して固定することを言う。
また、グランドバー60及びシールド部材58c等の2つの部材を熱的に接続するとは、2つの部材間で良好に熱伝達が生じ、一方の部材から他方の部材に熱が良好に伝わるように、直接接触させて固定する、又は半田、又は熱伝導性接着剤等で接合して固定することを言う。
グランドバー60としては、複数の同軸ケーブル58の複数のシールド部材58cを、例えば半田等により接電気的に続できるものであれば、どのようなものでも良く、超音波内視鏡に用いられる従来公知のグランドバーであれば良い。
なお、複数のシールド部材58cのグランドバー60への電気的な接続、及び上述した複数の信号線58aのケーブル配線部56の複数の接続部56aへのそれぞれの電気的な接続に際しては、1本のシールドケーブル72の先端側の外皮72aを剥いで除去し、複数の同軸ケーブル58を取り出し、取り出された複数の同軸ケーブル58の先端側の第2絶縁層58dを剥いで除去し、複数のシールド部材58cを外側に剥き出し、外側に剥き出された複数のシールド部材58cを基端側は残し、その先端部のシールド部材58cを切断して除去すると共に第2絶縁層58dを剥いで除去して複数の信号線58aを外側に剥き出す。
こうして、複数の同軸ケーブル58の外側に剥き出されたまま残された複数のシールド部材58cは、それぞれグランドバー60に半田等により電気的に接続される。
また、複数の同軸ケーブル58の先端の外側に剥き出された複数の信号線58aは、それぞれケーブル配線部56の複数の接続部56aに半田等により電気的に接続される。
【0048】
銅箔62は、超音波振動子アレイ50の複数の超音波振動子48の外側面に配置されて、シールド効果及び放熱効果の役割を担うものである。銅箔62は、グランドバー60と共に、放熱構造70を構成するものであって、超音波振動子アレイ50の複数の超音波振動子48に貼り付けられ、少なくとも超音波振動子アレイ50の側面、即ち積層体68の外側面、具体的には、超音波振動子アレイ50及びバッキング材層54の外側面に配設される。
ここで、本発明の第1実施形態の超音波内視鏡12の先端部40の超音波観察部36の放熱構造70においては、銅箔62は、本発明の第2熱伝導部材として機能するグランドバー60と予め一体化されて用いられるが、本発明では、超音波振動子アレイ50の側面に配設される本発明のシート状の第1熱伝導部材として機能する。
銅箔62は、箔形状に限定されるものではなく、メッシュ形状及びシート形状などの、超音波振動子アレイ50及びバッキング材層54の幅方向の側面から十分に熱を伝導できる形状であることが好ましい。
なお、本発明のシート状の第1熱伝導部材としては、銅箔62を用いているが、本発明はこれに限定されず、熱伝導性の良い薄い板状体であればどのようなものでもよく、例えば、銀箔などの金属箔であっても良いし、薄い金属板であっても良い。
【0049】
一方、グランドバー60は、電極部52の複数の個別電極52aとそれぞれ電気的に接続される複数本の同軸ケーブル58の信号線58aに対して、電極部52の共通電極52bと接続されるグランド部として機能するもので、複数の同軸ケーブル58の複数のシールド部材58cと電気的に接続されてグランド部の電位を複数のシールド部材58cの電位にするものである。
なお、グランドバー60は、例えば、金属等からなり電気伝導性を有することから、熱伝導性をも有する。したがって、グランドバー60は、本発明の第1熱伝導部材である銅箔62に熱的及び電気的に接続されており、銅箔62を複数のシールド部材58cに接続するので、本発明の第1熱伝導部材である銅箔62をグランド部に熱的に接続する本発明の第2熱伝導部材としても機能する。
【0050】
次に、本発明の第1実施形態の超音波内視鏡の製造方法を説明する。ここでは、超音波内視鏡の製造方法として、超音波内視鏡の先端部の超音波観察部の超音波振動子ユニット46の放熱構造70の製造工程について詳細に説明するが、超音波振動子ユニット46の個々の構成要素及び個々の部材の製造はなされているものとしている。
また、本発明の超音波内視鏡12の製造方法を、図8図11を参照して説明するが、図8図11は、実際の構成要素及び部材を示しているものではなく、説明に必要な部分のみを記載し、説明に用いない部分は省略している説明のための図面である。
本発明の第1実施形態の超音波内視鏡においては、図8図11に模式図で示すように、超音波観察部の超音波振動子ユニット46の放熱構造70を製造することができる。
【0051】
まず、図8及び図9に示すように、予め銅箔62の図中下側の側面にグランドバー60を取り付けて接続し、一体化しておき、銅箔62とグランドバー60とが一体化された一体化部材76を準備する。
次に、図10に示すように、図8及び図9に示す一体化部材76のグランドバー60に同軸ケーブル58のシールド部材58cを通常の半田、例えば、通常の半田接続に用いられる高温半田、又は高融点の半田等により接続する。なお、図10には、一体化部材76のグランドバー60に接続された1本の同軸ケーブル58のシールド部材58cしか図示されていないが、複数、即ち必要なチャンネル数に相当する本数の同軸ケーブル58のシールド部材58cが、一体化部材76のグランドバー60に接続されていることは当然である。
【0052】
次に、図11に示すように、一体化部材76のグランドバー60にシールド部材58cが接続された複数の同軸ケーブル58の信号線58aを、それぞれ対応するケーブル配線部56の接続部56aに、上述したシールド部材58cの接続の場合と同様に、半田等により接続する。なお、図示しないが、ケーブル配線部56の複数の接続部56aは、それぞれ対応する超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の個別電極52aに電気的に接続されている。
また、同時に、又は前後して、一体化部材76の銅箔62を、複数の超音波振動子48及びバッキング材層54の外側面、したがって積層体68の外側面に貼り付けて配置する。この時、銅箔62を積層体68のバッキング材層54の底面に当接する部分で折り曲げて積層体68の外側面に沿うように配置することが好ましい。また、銅箔62の貼り付けは、半田、銀ペースト、及び導電接着剤等の少なくとも1つの導電性部材、又はシリコン系の非導電性接着剤等を用いて行うことが好ましい。
こうして、放熱構造70を持つ超音波内視鏡12の超音波振動子ユニット46を製造することができる。
なお、図11に示す超音波振動子ユニット46においては、銅箔62を持つ放熱構造70が、積層体68(複数の超音波振動子48及びバッキング材層54)の両外側面の片側にしか設けられていないが、本発明においては、図5に示すように、積層体68の両外側面に設けられていても良い。なお、図11に示す超音波内視鏡12は、放熱構造70を強調して示すために、図5に示す超音波内視鏡12を簡略化して模式的に示すものであり、放熱構造70が片側に設けられている点を除いて、同一の構成を有するものであることは勿論である。
【0053】
従来、銅箔を複数の同軸ケーブルが接続されたグランドバーにつなげる際に、半田を用いて半田接続すると、半田の熱により、同軸ケーブルの信号線を傷つけ、信号線にダメージを与える結果となる可能性があった。しかしながら、本第1実施形態の超音波内視鏡12においては、予め銅箔62とグランドバー60とを一体化して一体化部材76としておき、この一体化部材76のグランドバー60に複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cを接続し、その後、複数の同軸ケーブル58の信号線58aをそれぞれケーブル配線部56の複数の接続部56aに接続し、一体化部材76の銅箔62を積層体68の外側面に配置するので、半田を用いた半田接続をすることなく、放熱構造70を製造することができ、超音波振動子48からの発熱を放熱構造70によって実現することができる。
こうして、本発明の超音波内視鏡を、構成部材、例えば超小型超音波振動子に接続される信号線等にダメージを当てることなく、また、コストアップを招くことがなく、確実、かつ安定して製造することができる。
【0054】
ここで、図5に示すように、超音波振動子ユニット46を本発明の超音波内視鏡12の先端部40の外装部材41に取り付ける際には、超音波振動子ユニット46の積層体68のバッキング材層54とケーブル配線部56との間の隙間(空間)、銅箔62とグランドバー60と複数の同軸ケーブル58(信号線58a、シールド部材58c等)との間の隙間(空間)、並びに積層体68、銅箔62、グランドバー60、複数の同軸ケーブル58、及びバッキング材層54と外装部材41との間の隙間(空間)は、放熱性の良い充填材で埋めて、充填材層74としておくことが好ましい。
このような充填材層74は、超音波振動子ユニット46と外装部材41との間の隙間、特にバッキング材層54と外装部材41との間の隙間を埋めるために設けられるものであって、ケーブル配線部56と複数の同軸ケーブル58の配線部分及び延長部分の一部とを固定して、ケーブル配線部56の複数の接続部56aにおける同軸ケーブル58の信号線58aの接続不良の発生、グランドバー60における同軸ケーブル58のシールド部材58cの接続不良の発生、及び同軸ケーブル58等の断線を防止することができるものである。このように、ケーブル配線部56、及び複数の同軸ケーブル58の少なくとも一部を、放熱性の良い充填材にて覆い、充填材層74を形成しておくことで、本発明の超音波内視鏡12の先端部40の超音波振動子ユニット46、及び超音波観察部36のアセンブリの取り回し時の複数の同軸ケーブル58の部分の保護を行うことができる。
【0055】
更に、充填材層74は、超音波振動子アレイ50から発振されて、その下側に伝播した超音波がバッキング材層54との境界で反射しないように、かつ超音波振動子アレイ50から発振された超音波が観察対象又はその周辺部において反射して、超音波振動子アレイ50の下側に伝播した超音波を十分に減衰させることができるように、バッキング材層54との音響インピーダンスが整合していることが好ましい。そのため、充填材層74の音響インピーダンスをZp(kg/m s)とし、かつバッキング材層54の音響インピーダンスをZb(kg/m s)としたときに、下記式(1)で表される充填材層74とバッキング材層54との音響インピーダンス反射率Q(%)が、50%以下であることが好ましい。
Q=100×|Zp−Zb|/(Zp+Zb) …(1)
【0056】
この音響インピーダンス反射率Qは、充填材層74とバッキング材層54との境界面における超音波(音響ビーム)の反射のし易さを表す指標であり、すなわち、値が0%に近いほど、充填材層74の音響インピーダンスとバッキング材層54の音響インピーダンスとが整合していることを示す。上記の音響インピーダンス反射率が50%以下程度であれば、超音波振動子アレイ50の下側に伝播した超音波が原因となる雑音は、超音波振動子アレイ50において受信される超音波信号を用いて、超音波用プロセッサ装置14において超音波画像を生成することにおいて、問題とはならないように処理をすることができる。
【0057】
また、超音波振動子ユニット46の超音波振動子アレイ50から超音波を発振する際に、超音波用プロセッサ装置14から超音波振動子アレイ50に伝送される駆動信号が熱エネルギーとなり、超音波振動子アレイ50が発熱するため、充填材層74は放熱性を有することが好ましい。そのため、充填材層74の熱伝導率は、1.0W/m K以上であることが好ましい。
本発明の超音波内視鏡12の先端部40の超音波観察部36は、以上のように構成される。
【0058】
次に、内視鏡観察部38は、観察窓78、対物レンズ80、固体撮像素子82、照明窓84、洗浄ノズル86、及び配線ケーブル88等から構成される。
観察窓78は、先端部40の斜め上方に向けて取り付けられている。観察窓78から入射した観察対象部位の反射光は、対物レンズ80で固体撮像素子82の撮像面に結像される。固体撮像素子82は、観察窓78、及び対物レンズ80を透過して撮像面に結像された観察対象部位の反射光を光電変換して、撮像信号を出力する。固体撮像素子82としては、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補形金属酸化膜半導体)等を挙げることができる。固体撮像素子82で出力された撮像画像信号は、挿入部22から操作部24まで延設された配線ケーブル88を経由して、ユニバーサルコード26により内視鏡用プロセッサ装置16に伝送される。内視鏡用プロセッサ装置16は、伝送された撮像信号に対して、各種信号処理、及び画像処理を施し、内視鏡光学画像としてモニタ20に表示する。
【0059】
照明窓84は、観察窓78を挟んで両側に設けられている。照明窓84には、ライトガイド(図示せず)の出射端が接続されている。ライトガイドは、挿入部22から操作部24まで延設され、その入射端は、ユニバーサルコード26を介して接続された光源装置18に接続されている。光源装置18で発せられた照明光は、ライトガイドを伝って照明窓84から被観察部位に照射される。
また、洗浄ノズル86は、観察窓78、及び照明窓84の表面を洗浄するために、送水タンク21aから超音波内視鏡12内の送気送水管路を経て空気、又は洗浄水を観察窓78、及び照明窓84に向けて噴出する。
【0060】
また、先端部40には、処置具導出口44が設けられている。処置具導出口44は、挿入部22の内部に挿通される処置具チャンネル45に接続されており、処置具挿入口30に挿入された処置具は、処置具チャンネル45を介して処置具導出口44から体腔内に導入される。なお、処置具導出口44は、超音波観察部36と内視鏡観察部38との間に位置しているが、処置具導出口44から体腔内に導入された処置具の動きを超音波画像で確認する構成する場合には、超音波観察部36に近づけて配設することが好ましい。
処置具導出口44の内部には、図示しないが、処置具導出口44から体腔内に導入される処置具の導出方向を可変する起立台が設けられていても良い。起立台にはワイヤ(図示せず)が取り付けられており、操作部24の起立レバー(図示せず)の操作による押し引き操作によって起立台の起立角度が変化し、これによって処置具が所望の方向に導出されるようになる。
【0061】
超音波内視鏡12によって体腔内を観察する際には、まず、挿入部22を体腔内に挿入し、内視鏡観察部38において取得された内視鏡光学画像をモニタ20で観察しながら、観察対象部位を探索する。
次いで、観察対象部位に先端部40が到達し、超音波断層画像を取得する指示がなされると、超音波用プロセッサ装置14から超音波内視鏡12内の同軸ケーブル58、ケーブル配線部56、及び電極部52を介して駆動制御信号が超音波振動子48に入力される。駆動制御信号が入力されると、超音波振動子48の両電極に規定の電圧が印加される。そして、超音波振動子48の圧電体が励振され、音響レンズ66を介して、観察対象部位に超音波が発せられる。
なお、この時、超音波振動子48及びバッキング材層54は発熱するが、発生した熱は放熱構造70を構成する銅箔62に効率的に伝達され、銅箔62を伝導した熱は、銅箔62に一体的に接続されたグランドバー60を介して複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cに効率的に伝達され、被検体の体腔の外部に効率的に放熱されるので、超音波内視鏡12の先端部40の温度上昇は抑制されるので、先端部40が接触する体腔表面に低温火傷等の損傷を与えることがない。
【0062】
以上のようにして、超音波が照射された後、観察対象部位からのエコー信号が超音波振動子48で受信される。この超音波の照射、及びエコー信号の受信は、駆動する超音波振動子48をマルチプレクサ等の電子スイッチによりずらしながら繰り返し行われる。これにより、観察対象部位に超音波が走査される。超音波用プロセッサ装置14では、エコー信号を受信して超音波振動子48から出力された検出信号を元に、超音波断層画像が生成される。生成された超音波断層画像は、モニタ20に表示される。
本発明の第1実施形態の超音波内視鏡は、基本的に以上のように構成される。
【0063】
以下に、図12図19を参照して、本発明の第2〜第4実施形態の超音波内視鏡、及びその製造方法について説明する。ここで、図12図19は、図8図11と同様に、超音波内視鏡の先端部の超音波観察部の超音波振動子ユニットの放熱構造を強調して示すために、超音波振動子ユニットの詳細な構造を簡略化して模式的に示すものであり、実際の構成要素及び部材を示しているものではなく、説明に必要な部分のみを記載し、説明に用いない部分は省略している説明のための図面である。
(第2実施形態)
図12及び図13は、本発明の第2実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニットの放熱構造の製造工程を示す模式図であり、図14は、本発明の第2実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニットの放熱構造を模式的に示す説明図である。
【0064】
本発明の第2実施形態の超音波内視鏡においては、図12図14に模式図で示すように、超音波振動子ユニット46aの放熱構造70aを製造することができる。
まず、予め銅箔62の図中下側の側面にグランドバー60を取り付けて接続し、一体化しておき、銅箔62とグランドバー60とが一体化された図9に示す一体化部材76を準備し、図12に示すように、銅箔62とグランドバー60とを反転させ、銅箔62が超音波振動子48とは逆側に引き出された状態にしておく。
次に、図13に示すように、図12に示す一体化部材76のグランドバー60に複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cを通常の半田等により接続する。
【0065】
次に、図11に示すように、一体化部材76のグランドバー60にシールド部材58cが接続された複数の同軸ケーブル58の信号線58aを、それぞれ、対応する超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の個別電極52aに電気的に接続されているケーブル配線部56の接続部56aに通常の半田等により接続する。
この後、一体化部材76の超音波振動子48とは逆側に引き出された銅箔62を、超音波振動子48側に折り返して、積層体68(複数の超音波振動子48及びバッキング材層54)の外側面に貼り付けて配置して、銅箔62を折り返す構造とした放熱構造70aを持つ本実施形態の超音波内視鏡の超音波振動子ユニット46aを製造することができる。即ち、本実施形態の超音波内視鏡の超音波振動子ユニット46aの放熱構造70aは、図11に示す超音波振動子ユニット46の放熱構造70に対して銅箔62を折り返す構造とした点のみで異なる。
本実施形態の放熱構造70aは、銅箔62を折り返す構造としたので、第1実施形態の放熱構造70に対して、配線スペースを小さくすることができ、省スペースとすることが可能となる。
なお、本実施形態の超音波振動子ユニット46aにおいても、第1実施形態の超音波振動子ユニット46と同様に、放熱構造70aは、積層体68の外側面の片側のみならず、積層体68の両外側面に設けられていても良いのは勿論である。
【0066】
(第3実施形態)
上述の第1及び第2実施形態は、銅箔とグランドバーとが予め一体化されたものであるが、本発明は、これに限定されず、予め一体化されていないものであっても良い。
図15は、本発明の第3実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニットの放熱構造の製造工程を示す模式図であり、図16は、本発明の第3実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニットの放熱構造を模式的に示す説明図である。
図15に示すように、先に、グランドバー60に複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cを通常の半田等により接続し、複数の同軸ケーブル58の信号線58aを、それぞれ、対応する超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の個別電極52aに電気的に接続されているケーブル配線部56の接続部56aに通常の半田等により接続する。
また、銅箔62を、積層体68(複数の超音波振動子48及びバッキング材層54)の外側面に貼り付けて配置する。
【0067】
この後、図16に示すように、銅箔62を折り返して、グランドバー60に、通常の半田等より低い温度で半田接続が可能な低温半田、低融点の半田、銀ペースト、及び導電性接着剤等の少なくとも1つを用いて接続する。
こうして、本実施形態の放熱構造70bを持つ本実施形態の超音波内視鏡の超音波振動子ユニット46bを製造することができる。
なお、本実施形態の超音波振動子ユニット46bにおいては、放熱構造70bは、積層体68の両外側面のみならず、積層体68の外側面の片側に設けられていても良いのは勿論である。
また、本実施形態の放熱構造70bにおいては、グランドバー60と銅箔62とが一体化されていないので、信号線58aをケーブル配線部56の接続部56aに通常の半田等により接続した後に、グランドバー60と銅箔62とを接続する必要があるが、グランドバー60と銅箔62との接続には、通常の半田等より低い温度で半田接続が可能な低温半田等を用いるので、第1及び第2実施形態と同様に、信号線58aへのダメージを無くすことができる。
【0068】
(第4実施形態)
図17及び図18は、本発明の第4実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニットの放熱構造の製造工程を示す模式図であり、図19は、本発明の第4実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニットの放熱構造を模式的に示す説明図である。
まず、図19に示す本実施形態に係る超音波内視鏡の超音波振動子ユニット46cの放熱構造70cは、グランドバー60となる部分と、複数の同軸ケーブル58の信号線58aが接続される複数の接続部56aを持つケーブル配線部56となる部分を備える配線基板90を用いる点で、上記の第1〜第3実施形態の放熱構造とは異なり、超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の超音波振動子48の各個別電極52aとの接続作業性の向上を図ることができる。
図17に示すように、グランドバー60となる部分を備える配線基板90を準備し、超音波振動子アレイ50が配置される側とは逆側の図中下側に引き出すように銅箔62をグランドバー60と電気的に接合された配線基板90上の位置に接続する。この時、銅箔62の配線基板90への接続部は、グランドバー60に直接つながる必要はなく、グランドバー60と電気的に接合されていれば良いので、銅箔62のレイアウトの自由度を向上させることができる。図示例では、銅箔62は、グランドバー60から離れた配線基板90上の位置に接続されている。
ここで、配線基板90としては、上述したFPC等のフレキシブルな配線基板を用いても良いし、PCB、又はPWB等のリジッドな配線基板を用いても良い。
図17に示す例では、予め銅箔62と配線基板90とが一体化された一体化部材92を1対(2つ)準備している。
【0069】
次に、図18に示すように、1対の2つの一体化部材92の配線基板90の複数の接続部56aをそれぞれ対応する超音波振動子アレイ50の電極部52の複数の超音波振動子48の各個別電極52aに接続された複数の配線94に接続する。
次に、図19に示すように、一体化部材92の、超音波振動子48とは逆側に引き出された銅箔62を、超音波振動子48側に折り返して、積層体68(複数の超音波振動子48及びバッキング材層54)の外側面に貼り付けて配置して、銅箔62を折り返す構造とした放熱構造70cを持つ本実施形態の超音波内視鏡の超音波振動子ユニット46cを製造することができる。
なお、図19に示す放熱構造70cには示されていないが、一体化部材92のグランドバー60には複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cが通常の半田等により接続され、一体化部材92のケーブル配線部56に設けられている複数の接続部56aにはそれぞれ複数の同軸ケーブル58の信号線58aが通常の半田等により接続されているのは勿論である。
また、本実施形態の超音波振動子ユニット46cにおいても、積層体68の両外側面のみならず、積層体68の外側面の片側に設けられていても良いのも勿論である。
また、図17図19に示す例では、予め銅箔62と配線基板90とが一体化された一体化部材92を用いているが、本実施形態はこれに限定されず、配線基板90の複数の接続部56aをそれぞれ対応する複数の配線94に接続した後に、銅箔62を配線基板90に接続しても良いし、更には、複数の同軸ケーブル58の信号線58aをそれぞれ複数の接続部56aに接続した後、かつ/又は複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cをグランドバー60に接続した後に、銅箔62を配線基板90に接続しても良い。
【0070】
(第5実施形態)
図20は、本発明の第5実施形態に係る超音波内視鏡の先端部を模式的に示す部分断面図である。
図20に示す超音波内視鏡12aの先端部40aは、図3及び図4に示す超音波内視鏡12の先端部40と、そのグランドバー60の代わりに、集合グランド96を有しており、積層体68(複数の超音波振動子48及びバッキング材層54)の外側面に配置された銅箔62を、第2熱伝導部材98を介して集合グランド96に熱的に接続している点で異なる以外は、同一の構成を有するものであるので、同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
図20に示す超音波内視鏡12aの先端部40aの超音波振動子ユニット46dの放熱構造70dは、本発明のグランド部となる集合グランド96と、本発明の第1熱伝導部材である銅箔62と、銅箔62を集合グランド96に熱的に接続する第2熱伝導部材98とを備える。
集合グランド96は、シールドケーブル72の複数の同軸ケーブル58のシールド部材58cを密着させて金属製の鐶状体で束ねたものであり、全てのシールド部材58c及び金属製の鐶状体が電気的にも熱的にも接続されている。
なお、複数の同軸ケーブル58は、集合グランド96においては、その前後含めてシールド部材58cが外表面となっており、ケーブル配線部56の複数の接続部56aに接続される先端は、信号線58aのみとなっており、集合グランド96と複数の接続部56aとの間においては、第1絶縁層58bが外表面となっており、信号線58aは第1絶縁層58bによって被覆されており、複数の信号線58aは互いに絶縁されている。
【0071】
第2熱伝導部材98は、複数の超音波振動子48及びバッキング材層54で発生し、銅箔62に伝達された熱を集合グランド96に伝導できるものであれば、特に制限的ではなく、熱伝導性を有し、超音波内視鏡12aの先端部40aの狭いスペースに柔軟に収納可能なものであればどのようなものでも良い。第2熱伝導部材98としては、熱伝導性を有し、狭いスペースに柔軟に収納可能なものとする必要があるので、例えば芯線を備えるケーブル等の熱伝導性ケーブル、金属線等の熱伝導性線材、金属ネット部材等の熱伝導性ネット、又は第1熱伝導部材である銅箔62の一部を線材として延長したものなどを挙げることができることができる。
第2熱伝導部材98として、これらの熱伝導部材を用いる場合、熱伝達効率を良くするために、同軸ケーブル58の信号線58aより太い芯線を備えるケーブル、又は信号線58aより太い金属線を使用することが好ましい。
また、第2熱伝導部材98として、狭いスペースに収納可能な柔軟性を求める場合には、金属編組のネット部材を使用することが好ましい。
更に、第2熱伝導部材98として、絶縁性熱伝導部材を使用することで、耐ノイズ性を向上させることができる。絶縁性熱伝導部材としては、例えば、放熱シリコンゴム、又は放熱シート等を用いることができる。
【0072】
上述した本発明の第1〜第5実施形態の先端部に放熱構造を備える超音波内視鏡は、いずれもコンベックス型の超音波探触子を有するコンベックス型超音波内視鏡であるが、本発明はこれに限定されず、先端部に放熱構造を備えるラジアル型の超音波探触子に有するラジアル型超音波内視鏡であっても良い。
(第6実施形態)
図21は、本実施形態の超音波内視鏡の挿入部の先端部を模式的に示す部分拡大平面図である。また、図22は、図21に示すX−X線矢視図であり、図21に示す超音波内視鏡の挿入部の先端部の部分縦断面図である。
なお、図21及び図22に示す第6実施形態の超音波内視鏡100は、図1図7に示す第1実施形態の超音波内視鏡12と、コンベックス型の超音波観察部36及び内視鏡観察部38を備える先端部40の代わりに、ラジアル型の超音波観察部104及び内視鏡観察部106を備える先端部102を有している点で異なる以外は、同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一参照の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0073】
図21及び図22に示すように、本実施形態の超音波内視鏡100は、ラジアル型の超音波観察部104及び内視鏡観察部106超音波探触子を備える先端部102を有し、被検体の体腔内を撮影して、それぞれ超音波画像(エコー信号)及び内視鏡画像(画像信号)を取得するものである。超音波内視鏡100は、先端部102に加え、図21及び図22には図示しないが、図1に示す超音波内視鏡12と同様に、湾曲部(42)及び軟性部(43)を備える挿入部(22)、操作部(24)、並びにユニバーサルコード(26)を有する。
ここで、図21及び図22に示す例においては、超音波観察部104は、内視鏡観察部106よりも超音波内視鏡100の先端側に配設されるが、本発明はこれに限定されず、内視鏡観察部106より基端側に配設されていても良いし、内視鏡観察部106の一部の構成要素より先端側に、残りの構成要素より基端側に配設されていても良い。
【0074】
なお、本実施形態の超音波内視鏡100は、図1図7に示す第1実施形態の超音波内視鏡12と同様、鉗子、穿刺針及び高周波メスなどの処置具を導出する機構を備えていて良い。また、それらの処置具が導出する処置具導出口(44(図3参照))は、超音波観察部104よりも基端側、例えば超音波観察部104と内視鏡観察部106との間にあっても良いし、超音波内視鏡100の先端側、例えば最先端にあっても良い。
また、本実施形態の超音波内視鏡100の内視鏡観察部106は、図2、及び図3に示す第1実施形態の超音波内視鏡12の内視鏡観察部38と同様の構成を有するものであり、観察部(78)、対物レンズ(80)、固体撮像素子(82)、照明窓(84)、洗浄ノズル(86)、及び配線ケーブル(88)等を有していることは勿論である。
【0075】
図21及び図22に示すように、本実施形態の超音波観察部104は、超音波振動子ユニット108と、超音波振動子ユニット108を取り付けて保持する円筒状の外装部材110と、超音波振動子ユニット108に配線されるシールドケーブル72の複数本の同軸ケーブル58と、から構成されるものである。
図22に示すように、超音波振動子ユニット108は、複数の超音波振動子112が円筒状に配列された超音波振動子アレイ114と、超音波振動子アレイ114と導通する電極部116と、超音波振動子アレイ114の各超音波振動子112を超音波振動子ユニット108の中心側の面(超音波振動子112の内側の面)側から支持するバッキング材層118と、超音波振動子アレイ114に対してバッキング材層118の逆側(超音波振動子アレイ114の外側)に積層された音響整合層120と、音響整合層120に対して超音波振動子アレイ114の逆側(音響整合層120の外側)に積層された音響レンズ122と、を有する。以上のように、超音波振動子ユニット108は、音響レンズ122、音響整合層120、超音波振動子アレイ114及びバッキング材層118からなる積層体124を有する。
【0076】
ここで、電極部116は、超音波振動子アレイ114の複数の超音波振動子112の各個別電極116aと、複数の超音波振動子112に共通な共通電極116bとを備える。
また、バッキング材層118は、中心側に配設されるフランジ126aを持つ円筒状部材126によって支持されている。
なお、本実施形態の超音波振動子112、超音波振動子アレイ114、電極部116、バッキング材層118、音響整合層120、音響レンズ122、及び積層体124は、図1図7に示す第1実施形態の超音波振動子48、超音波振動子アレイ50、電極部52、バッキング材層54、音響整合層64、音響レンズ66、及び積層体68と、形状的には異なるが、その構成、及び機能は同様であるので、その説明を省略する。
【0077】
また、超音波振動子ユニット108は、電極部116の複数の個別電極116aに電気的に接続され、複数本の同軸ケーブル58の信号線58aを配線接続する複数の接続部128aを備えるフレキシブル配線基板(FPC)128と、FPC128に設けられ、電極部116の共通電極116bに電気的に接続されるグランドバー130と、FPC128とバッキング材層118との間に配設され、円筒状のバッキング材層118の側端面(内視鏡観察部106側の端面)及び側端面に隣接する外周面に沿って貼り付けられる銅箔132と、を有する。
ここで、FPC128の複数の接続部128aには、複数本の同軸ケーブル58の信号線58aがそれぞれ電気的に接続され、複数の超音波振動子112の各個別電極116aを複数本の同軸ケーブル58の信号線58aにそれぞれ電気的に接続する。
一方、グランドバー130には、複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cがそれぞれ電気的に接続され、複数の超音波振動子112の共通電極116bを複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cにそれぞれ電気的に接続する。
なお、円筒状部材126には、積層体124の基端側の端部近傍において、円筒状部材126の内外を貫通する1以上のスリット126bが開けられており、複数本の同軸ケーブル58、その信号線58a、及びシールド部材が58cは、スリット126bを通り、円筒状部材126の内部から外部に引き出されて、それぞれFPC128の複数の接続部128a、及びグランドバー130に接続される。なお、スリット126bは、複数本の同軸ケーブル58、その信号線58a、及びシールド部材が58cを通すことができれば、1つであっても、複数であっても良い。
【0078】
また、銅箔132は、グランドバー130に熱的に接続され、グランドバー130を介して複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cに熱的に接続される。
ここで、銅箔132とグランドバー130とは、複数の超音波振動子112をシールドすると共に、複数の超音波振動子112及びバッキング材層118において発生した熱を複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cに放熱する本発明の特徴とする放熱構造134を構成する。
こうして、本発明の特徴とする放熱構造134によって、複数の超音波振動子112及びバッキング材層118において発生した熱は、複数本の同軸ケーブル58のシールド部材58cを介して挿入部(22)を経て被検体外に放熱される。
【0079】
本実施形態において、銅箔132とグランドバー130は、上述した第1、第2、及び第4実施形態の銅箔62とグランドバー60ように、予め一体化されているものであっても良いし、上述した第3、及び第4実施形態の銅箔62とグランドバー60ように、予め一体化されておらず、先に複数本の同軸ケーブル58の信号線58aを電気的、及び熱的に接続した後から電気的、及び熱的に接続するものであっても良い。
なお、図21及び図22に示す例では、銅箔132は、上述した第2実施形態のように、折り返してグランドバー130に接続されるが、本発明は、これに限定されない。
また、図21及び図22に示す例では、FPC128、グランドバー130、及び銅箔132を、バッキング材層118の内視鏡観察部38側に設けているが、本発明はこれに限定されず、先端部102の先端側に設けても良いし、いずれか1つを一方の側(例えば、内視鏡観察部38側)に設け、残りを他方の側(例えば、先端部102の先端側)に設けても良い。
【0080】
(第7実施形態)
図23は、本実施形態の超音波内視鏡の挿入部の先端部を模式的に示す部分断面図である。
なお、図23に示す第7実施形態の超音波内視鏡100aの先端部102aは、図22に示す超音波内視鏡100の先端部102と、そのグランドバー130の代わりに、集合グランド96を有しており、バッキング材層118の側端面に配置された銅箔132を、第2熱伝導部材136を介して集合グランド96に熱的に接続している点で異なる以外は、同一の構成を有するものであるので、同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
図23に示す超音波内視鏡100aの先端部40aの超音波振動子ユニット108aの放熱構造134aは、本発明の第5実施形態で用いた集合グランド96と、本発明の第1熱伝導部材である銅箔132と、銅箔132を集合グランド96に熱的に接続する第2熱伝導部材136とを備える。
ここで、複数本の同軸ケーブル58、及びその信号線58aは、第6実施形態と同様に、円筒状部材126の1以上のスリット126bを通り、円筒状部材126の内部から外部に引き出されて、それぞれFPC128の複数の接続部128aに接続される。
また、銅箔132に接続された第2熱伝導部材136も、円筒状部材126の1以上のスリット126bを通り、円筒状部材126の外部から内部に引き入れられて、それぞれ集合グランド96に接続される。
【0081】
なお、複数の同軸ケーブル58は、集合グランド96においては、その前後含めてシールド部材58cが外表面となっており、FPC128の複数の接続部128aに接続される先端は、信号線58aのみとなっており、集合グランド96と複数の接続部128aとの間においては、第1絶縁層58bが外表面となっており、信号線58aは第1絶縁層58bによって被覆されており、複数の信号線58aは互いに絶縁されている。
第2熱伝導部材136は、図20に示す第2熱伝導部材98と同様に、複数の超音波振動子112及びバッキング材層118で発生し、銅箔132に伝達された熱を集合グランド96に伝導できるものであれば、特に制限的ではなく、熱伝導性を有し、超音波内視鏡100aの先端部102aの狭いスペースに柔軟に収納可能なものであればどのようなものでも良い。第2熱伝導部材136としては、本発明の第5実施形態で用いた第2熱伝導部材98と同様なものを用いれば良い。
なお、図22に示す超音波内視鏡100の先端部102、及び図23に示す超音波内視鏡100aの先端部102aにおいては、シールドケーブル72からばらけた複数の同軸ケーブル58、及びその信号線58aの接続部を含め、配線部分と外装部材41との間は充填材で埋めることが好ましい。
この時に用いられる充填材としては、エポキシ樹脂、又はシリコン系樹脂等の非導電性の充填材であればどのような充填材も用いることができる。
【0082】
以上、本発明に係る超音波内視鏡、及び超音波内視鏡の製造方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0083】
10…超音波検査システム
12,12a,100,100a…超音波内視鏡
14…超音波用プロセッサ装置
16…内視鏡用プロセッサ装置
18…光源装置
20…モニタ
21a…送水タンク
21b…吸引ポンプ
22…挿入部
24…操作部
26…ユニバーサルコード
28a…送気送水ボタン
28b…吸引ボタン
29…アングルノブ
30…処置具挿入口(鉗子口)
32a…超音波用コネクタ
32b…内視鏡用コネクタ
32c…光源用コネクタ
34a…送気送水用チューブ
34b…吸引用チューブ
36,104…超音波観察部
38,106…内視鏡観察部
40,40a,102,102a…先端部
41,110…外装部材
42…湾曲部
43…軟性部
44…処置具導出口
45…処置具チャンネル
46,46a,46b,46c,46d,108,108a…超音波振動子ユニット
48,112…超音波振動子
50,114…超音波振動子アレイ
52,116…電極部
52a,116a…個別電極
52b,116b…共通電極
54,118…バッキング材層
56…ケーブル配線部
56a、128a…接続部
58…同軸ケーブル
58a…信号線
58b…第1絶縁層
58c…シールド部材
58d…第2絶縁層
60,130…グランドバー
62,132…銅箔
64,120…音響整合層
66,122…音響レンズ
68,124…積層体
70,70a,70b,70c,70d,134,134a…放熱構造
72…シールドケーブル
72a…外皮
74…充填材層
76,92…一体化部材
78…観察窓
80…対物レンズ
82…固体撮像素子
84…照明窓
86…洗浄ノズル
88…配線ケーブル
90…配線基板
94…配線
96…集合グランド
98…第2熱伝導部材
126…円筒状部材
126a…フランジ
126b…スリット
128…フレキシブル配線基板(FPC)
136…第2熱伝導部材
EL…長手方向(エレベーション方向)
AZ…平行な方向(アジマス方向)
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