特許第6626465号(P6626465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626465
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】バースト光送信装置及び光伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/296 20130101AFI20191216BHJP
   H04B 10/075 20130101ALI20191216BHJP
   H04B 10/516 20130101ALI20191216BHJP
【FI】
   H04B10/296
   H04B10/075
   H04B10/516
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-26930(P2017-26930)
(22)【出願日】2017年2月16日
(65)【公開番号】特開2018-133729(P2018-133729A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】益本 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】保米本 徹
(72)【発明者】
【氏名】片山 勝
(72)【発明者】
【氏名】行田 克俊
【審査官】 前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−255147(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0176667(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0291351(US,A1)
【文献】 米国特許第6975449(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/296
H04B 10/075
H04B 10/516
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バースト状のバイナリデータ列であるバーストデータ列をバースト光信号に変換し、この変換されたバースト光信号を、光増幅器で増幅しながら中継を行う光伝送路へ送信するバースト光送信装置であって、
微分回路で近似される前記光増幅器の長周期成分の過渡応答特性と同等の時定数の積分回路の過渡応答特性を有し、前記バーストデータ列を予等化してバースト信号を出力する過渡応答予等化部と、
前記バースト信号をバースト光信号に変換して前記光伝送路へ送信するE/O変換部と
を備えることを特徴とするバースト光送信装置。
【請求項2】
前記過渡応答予等化部は、
前記過渡応答特性が下式(1)で表される場合に、前記バースト光信号のパワーレベルが下式(3)を満足するように前記予等化を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のバースト光送信装置。
G(t)=Gcw+(G−Gcw)exp{−(t/τ)} …式(1)
但し、G(t)は時刻tにおける利得、GCWは定常利得、Gは初期利得、τは時定数である。
G(t)・r・E(t)・Pe(t)=Po(t) …式(3)
但し、Po(t)は光増幅器から出力されるバースト光信号の時刻tにおける所望のパワー、P(t)は伝送路に入力される予等化バースト光信号の時刻tにおけるパワー、rは伝送路損失、G(t)は時刻tにおける利得である。
【請求項3】
前記過渡応答予等化部は、
前記バーストデータ列がアナログ信号に変換後に2分岐された一方のアナログ信号を、前記光増幅器の長周期成分過渡応答の時定数の逆数を基準とする通過帯域で通過させた積分信号を出力するローパスフィルタと、
前記2分岐された他方のアナログ信号を、前記ローパスフィルタの信号入力から出力までの信号通過時間と同時間遅延して出力する遅延器と、
前記ローパスフィルタから出力される積分信号と、前記遅延器から出力されるアナログ信号とを乗算することにより予等化してバースト信号を出力する乗算回路と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバースト光送信装置。
【請求項4】
前記過渡応答予等化部は、
前記バーストデータ列が2分岐された一方のバーストデータ列を、前記光増幅器の長周期成分過渡応答の時定数を基準とする時間幅を有して積分し、この積分値を量子化したディジタル信号を出力する積分回路と、
前記2分岐された他方のバーストデータ列を、前記積分回路の信号入力から出力までの信号処理時間と同時間遅延して出力するバッファと、
前記バッファから出力されるバーストデータ列のデータが「1」の場合にのみ、前記積分回路から出力されるディジタル信号を選択することにより予等化してバースト信号を出力するセレクタ回路と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバースト光送信装置。
【請求項5】
前記過渡応答予等化部は、
前記光増幅器から出力されるバースト光信号の過渡応答成分がフィードバック入力された際に、当該過渡応答成分が抑圧されるように前記予等化の処理時の時定数を補正する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバースト光送信装置。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1項に記載のバースト光送信装置と、
前記バースト光送信装置から出力されるバースト光信号と、前記光伝送路を伝送してきた他のバースト光信号とを結合する、当該光伝送路に接続された光カプラと、
前記光カプラで結合されたバースト光信号を増幅する、前記光伝送路に接続された光増幅器と、
前記光増幅器で増幅されたバースト光信号を受信するバースト光受信装置と
を備え、
前記光増幅器は、前記バースト光送信装置での予等化後に光変換されて前記光カプラを介して前記光伝送路に伝送されるバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されている
ことを特徴とする光伝送システム。
【請求項7】
請求項5に記載のバースト光送信装置と、
前記バースト光送信装置から出力されるバースト光信号と、前記光伝送路を伝送してきた他のバースト光信号とを結合する、当該光伝送路に接続された光カプラと、
前記光カプラで結合されたバースト光信号を増幅する、前記光伝送路に接続された光増幅器と、
前記光増幅器で増幅されたバースト光信号を受信するバースト光受信装置と、
前記バースト光受信装置で受信されるバースト光信号の過渡応答成分をモニタし、このモニタされる過渡応答成分を、前記バースト光送信装置の過渡応答予等化部へフィードバックする過渡応答モニタ部と
を備え、
前記光増幅器は、前記バースト光送信装置での予等化後に光変換されて前記光カプラを介して前記光伝送路に伝送されるバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されており、
前記過渡応答予等化部は、前記フィードバックされる過渡応答成分に応じて、前記モニタされる過渡応答成分が抑圧されるように、前記予等化の処理時の時定数を補正する
ことを特徴とする光伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅器を用いて光増幅中継が行われる光伝送路へ、バースト光信号を送信するバースト光送信装置及び光伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ宅からインターネットプロバイダ迄のネットワークであるアクセスネットワークのように、1ユーザの使用帯域が小さい領域では、バースト光信号(光信号)を用いて時間多重により集線することで経済化を図るPON(Passive Optical Network)方式が広く導入されている(非特許文献1)。
【0003】
次世代PONとして標準化が進められているNG(Next Generation)−PON2や100GE(Gigabit Ethernet)−PONでは、総伝送容量は数10Gbit/s〜数100Gbit/sに達する。このため、ユーザ数の少ないエリアであれば、各ノードにおいて光信号の分岐(Drop)及び挿入(Add)を可能とするROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)システムの置き換えも可能であり、大幅な低コスト化が期待される(非特許文献2)。
【0004】
一方で、ROADMの適用エリアにPONシステムを導入する場合、100Km程度の伝送距離となる。単純なpoint−to−point(ポイント、ツー、ポイント)の伝送においてもPONの仕様のダイナミックレンジを考慮すると、100Kmの伝送距離では光信号を適正に伝送するには厳しい。実際のネットワークでは、ユーザ信号を収容するノードが伝送路中に複数存在し、各ノードからの光信号を挿入するための光カプラの通過損失により、伝送距離が著しく短縮される。これらの伝送路損失を補償し、光信号の伝送距離を長延化するためには光増幅器を用いた光増幅中継が必要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“技術基礎講座 GE−PON技術”,NTT技術ジャーナル2005年8月、No.7(2005)
【非特許文献2】M. Nakagawa, et al.,“Flexible and Cost-Effective Optical Mero Network with Photonic-Sub-Lambda Aggregation Capability”, OECC/PS2016. [平成29年1月27日検索], インターネット<URL:http://www.oecc-ps2016.org/>
【非特許文献3】深田、他、“バースト対応利得クランプ型光ファイバ増幅器による映像信号(SD-SDI/HD-SDI)の伝送距離長延化の検討(情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理” 情報処理学会 2007年12月14日(AVM)(2007)
【非特許文献4】加木、他2名、“光バースト通信に対応する光ファイバ増幅器に関する研究”, SCOPE 第2回成果発表会予稿集,(2005)
【非特許文献5】益本、他5名、“バースト光信号を用いたメトロ伝送システムにおけるEDFA過渡応答特性抑圧に関する一考察”,電子情報通信学会大会講演論文集 CD−ROM,日本,2016年9月6日,巻:2016号,ソサエティ大会,ページ:ROMBUNNO.B−12−6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、バースト光信号を光増幅中継する場合に、光増幅器の過渡応答が次のように問題となる。例えば、光増幅中継器として最も一般的な装置として、光信号を光のまま増幅可能なEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)を用いた場合を想定する。EDFAは、50μs〜100μs程度の緩和時間を持っているため、同程度の時間的な長さのバースト光信号を増幅すると、出力光信号はEDFAの過渡応答特性により、バースト光信号の先頭でピークパワーが極端に増加するオーバーシュートが発生する。このような光信号のピークパワーの増大は、光ファイバの非線形効果による信号品質の劣化を招き、最悪の場合、受信器への過大入力により、受信器を破壊することもある。
【0007】
そこで、EDFAの過渡応答を抑圧するために、ダミー光を入力する方法(非特許文献3)や、励起光出力を高速制御する方法(非特許文献4)が提案されているが、コストの増加や信頼性等の観点から商用装置への導入には至っていない。
【0008】
一方、既存のEDFAを用いて過渡応答を抑えるには励起光パワーを下げることが有効である(非特許文献5)。この方式を用いれば、コストや信頼性は従来の光増幅中継と変わらないが、励起光パワーを下げたことにより、信号光パワーが低下し、受信OSNR(光信号対雑音比)が劣化するため、従来の光増幅中継に比べて伝送距離が制限されてしまう。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、バースト光信号の光伝送路の長延化を行うことができるバースト光送信装置及び光伝送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、バースト状のバイナリデータ列であるバーストデータ列をバースト光信号に変換し、この変換されたバースト光信号を、光増幅器で増幅しながら中継を行う光伝送路へ送信するバースト光送信装置であって、微分回路で近似される前記光増幅器の長周期成分の過渡応答特性と同等の時定数の積分回路の過渡応答特性を有し、前記バーストデータ列を予等化してバースト信号を出力する過渡応答予等化部と、前記バースト信号をバースト光信号に変換して前記光伝送路へ送信するE/O変換部とを備えることを特徴とするバースト光送信装置である。
【0011】
この構成によれば、入力されたバーストデータ列を、過渡応答予等化部により予等化することで、右肩上がりのバースト信号列が得られる。この右肩上がりのバースト信号列を変換したバースト光信号列を、光増幅器で光増幅すると、光増幅器の過渡応答特性により、受信に適した一定パワーのバースト光信号列が得られる。これによって、バースト光信号の光伝送路の長延化を行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記過渡応答予等化部は、前記過渡応答特性が下式(1)で表される場合に、前記バースト光信号のパワーレベルが下式(3)を満足するように前記予等化を行うことを特徴とする請求項1に記載のバースト光送信装置である。
G(t)=Gcw+(G−Gcw)exp{−(t/τ)} …式(1)
但し、G(t)は時刻tにおける利得、GCWは定常利得、Gは初期利得、τは時定数である。
G(t)・r・E(t)・Pe(t)=Po(t) …式(3)
但し、Po(t)は光増幅器から出力されるバースト光信号の時刻tにおける所望のパワー、P(t)は伝送路に入力される予等化バースト光信号の時刻tにおけるパワー、rは伝送路損失、G(t)は時刻tにおける利得である。
【0013】
この構成によれば、光増幅伝送されるバースト光信号を、受信に適した一定パワーとすることができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記過渡応答予等化部は、前記バーストデータ列がアナログ信号に変換後に2分岐された一方のアナログ信号を、前記光増幅器の長周期成分過渡応答の時定数の逆数を基準とする通過帯域で通過させた積分信号を出力するローパスフィルタと、前記2分岐された他方のアナログ信号を、前記ローパスフィルタの信号入力から出力までの信号通過時間と同時間遅延して出力する遅延器と、前記ローパスフィルタから出力される積分信号と、前記遅延器から出力されるアナログ信号とを乗算することにより予等化してバースト信号を出力する乗算回路とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバースト光送信装置である。
【0015】
この構成によれば、ローパスフィルタ、遅延器及び乗算回路を、既製のアナログ回路を流用して容易に作成することができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記過渡応答予等化部は、前記バーストデータ列が2分岐された一方のバーストデータ列を、前記光増幅器の長周期成分過渡応答の時定数を基準とする時間幅を有して積分し、この積分値を量子化したディジタル信号を出力する積分回路と、前記2分岐された他方のバーストデータ列を、前記積分回路の信号入力から出力までの信号処理時間と同時間遅延して出力するバッファと、前記バッファから出力されるバーストデータ列のデータが「1」の場合にのみ、前記積分回路から出力されるディジタル信号を選択することにより予等化してバースト信号を出力するセレクタ回路とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバースト光送信装置である。
【0017】
この構成によれば、積分回路、バッファ及びセレクタ回路を、既製のディジタル回路を流用して容易に作成することができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、前記過渡応答予等化部は、前記光増幅器から出力されるバースト光信号の過渡応答成分がフィードバック入力された際に、当該過渡応答成分が抑圧されるように前記予等化の処理時の時定数を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のバースト光送信装置である。
【0019】
この構成によれば、光伝送路中の信号受信直前の光増幅器から出力されるバースト光信号の過渡応答成分が抑圧されるように、ローパスフィルタの通過帯域を可変することにより、光伝送路を伝送後に受信されるバースト光信号を、受信に適した一定パワーとすることができる。
【0020】
請求項6に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載のバースト光送信装置と、前記バースト光送信装置から出力されるバースト光信号と、前記光伝送路を伝送してきた他のバースト光信号とを結合する、当該光伝送路に接続された光カプラと、前記光カプラで結合されたバースト光信号を増幅する、前記光伝送路に接続された光増幅器と、前記光増幅器で増幅されたバースト光信号を受信するバースト光受信装置とを備え、前記光増幅器は、前記バースト光送信装置での予等化後に光変換されて前記光カプラを介して前記光伝送路に伝送されるバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されていることを特徴とする光伝送システムである。
【0021】
この構成によれば、光伝送路中の光増幅器は、バースト光送信装置での予等化後に光変換されたバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されている。このため、予等化されたバースト光信号を、バースト光受信装置での受信に適した一定パワーのバースト光信号となるように光増幅中継を行うことができる。これにより受信OSNRが向上するため、バースト光信号の光伝送路の長延化が可能となる。
【0022】
請求項7に係る発明は、請求項5に記載のバースト光送信装置と、前記バースト光送信装置から出力されるバースト光信号と、前記光伝送路を伝送してきた他のバースト光信号とを結合する、当該光伝送路に接続された光カプラと、前記光カプラで結合されたバースト光信号を増幅する、前記光伝送路に接続された光増幅器と、前記光増幅器で増幅されたバースト光信号を受信するバースト光受信装置と、前記バースト光受信装置で受信されるバースト光信号の過渡応答成分をモニタし、このモニタされる過渡応答成分を、前記バースト光送信装置の過渡応答予等化部へフィードバックする過渡応答モニタ部とを備え、前記光増幅器は、前記バースト光送信装置での予等化後に光変換されて前記光カプラを介して前記光伝送路に伝送されるバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されており、前記過渡応答予等化部は、前記フィードバックされる過渡応答成分に応じて、前記モニタされる過渡応答成分が抑圧されるように、前記予等化の処理時の時定数を補正することを特徴とする光伝送システムである。
【0023】
この構成によれば、フィードバックされる過渡応答成分に応じて予等化処理時の時定数を補正することにより、モニタされるバースト光信号の過渡応答成分が抑圧されるので、バースト光受信装置で受信されるバースト光信号を、受信に適した一定パワーとすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、バースト光信号の光伝送路の長延化を行うバースト光送信装置及び光伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の光伝送システムの原理の説明図であり、(a)はバーストデータ列の信号パワー(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示す図、(b)はバースト光信号のパワーが右肩下がりに低下する様子を示す図、(c)は右肩上がりの積分波形信号を示す図、(d)は右肩上がりのバースト信号列を示す図、(e)は一定パワーのバースト光信号を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態の応用例に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図4図2に示した光伝送システムにおけるバースト光送信装置の第1回路構成を示すブロック図である。
図5図2に示した光伝送システムにおけるバースト光送信装置の第2回路構成を示すブロック図である。
図6図2に示した光伝送システムの具体例としての光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図7】光増幅中継後の信号光ピークパワーの入力バースト信号長の依存性を示す図である。
図8】励起光パワーと相対OSNRとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
最初に、本発明の光伝送システムの原理を図1を参照して説明する。
図1(a)に、電気信号であるバースト状のバイナリデータ列(バーストデータ列ともいう)のパワー(縦軸)と、時刻t0〜t60(横軸)との関係を示す。図1(a)に示すバーストデータを光変換したバースト光信号を光伝送路へ伝送し、矢印Y1で示すように、光増幅器(図示せず)で光増幅したとする。この場合、その光増幅器の過渡応答特性により、図1(b)に示すように、バースト光信号のパワーが右肩下がりに低下する。言い換えれば劣化する。この低下(劣化)するカーブは、長周期における微分処理信号に相当する。また、この現象は、光増幅器が、バースト光信号を、一定に連続するバースト光信号として捉えて増幅すること等が起因している。
【0027】
図1(b)のように増幅後の信号パワーが、受信に必要なレベルから低下してしまうと、受信OSNR(光信号対雑音比)が劣化するため、従来の光増幅中継に比べて伝送距離が制限されてしまう。
【0028】
そこで、本発明では、図1(a)に示すバーストデータ列を矢印Y2で示すように積分する。この結果、図1(c)に示すように、右肩上がりの波形の信号(積分波形信号という)が得られる。この積分波形信号では、バーストデータのオンオフ情報が全て抜け落ちており、このままでは伝送不可能となる。
【0029】
そこで、矢印Y3で示す積分波形信号と、矢印Y4で示す図1(a)のバーストデータとを、乗算器Mで乗算するといった予等化(後述)を行って矢印Y5で示すように出力する。これによって、図1(d)に示す右肩上がりのバースト信号列を得るようにした。この右肩上がりのバースト信号列を光変換して伝送し、矢印Y6で示すように、光増幅器(図示せず)で光増幅した場合、図1(e)に示すように、受信に適した一定パワーのバースト光信号が得られる。これにより受信OSNRが向上するため、伝送距離の長延化が可能となる。
【0030】
つまり、本発明は、バーストデータ列に対して、光伝送路中の光増幅器の過渡応答特性を予等化する信号処理を施し、言い換えれば、過渡応答特性による信号波形の劣化を補償する信号処理を施し、この処理により得られるバースト光信号を送信することで、受信バースト光信号の過渡応答特性を抑圧する技術である。この技術により、光増幅器に既存のEDFAを利用してバースト光信号伝送の長延化を可能とする。次に、このような原理に基づく実施形態について説明する。
【0031】
<実施形態の構成>
図2は、本発明の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図2に示す光伝送システム10は、複数のバースト光送信装置11a,11b,…,11nと、光ファイバ伝送路12に接続された複数の光カプラ13a,13b,…,13n及び、EDFAによる光増幅器14a,14b,…,14n,14oと、バースト光受信装置15とを備えて構成されている。なお、バースト光送信装置11a〜11n、光カプラ13a〜13n、光増幅器14a〜14oの機能については、バースト光送信装置11a、光カプラ13a、光増幅器14aを代表して説明する。
【0032】
バースト光送信装置11a〜11nの各々は、個別に1つの光カプラ13a〜13nに光ファイバ12aで接続されており、バースト光送信装置11aに代表して示すように、過渡応答予等化部(予等化部ともいう)21及びE/O(electric/optic)変換部22を備えて構成されている。
【0033】
予等化部21は、バースト光送信装置11aへ入力される電気信号であるバーストデータ列に対して、光ファイバ伝送路12中の光増幅器14a〜14oの過渡応答特性を予等化する信号処理を施し、この処理により得られたバースト信号をE/O変換部22へ出力する。
E/O変換部22は、電気信号であるバースト信号を、光信号であるバースト光信号に変換して光ファイバ12aを介して光カプラ13aへ出力する。
【0034】
光カプラ13aは、光増幅器14aでの増幅後に光ファイバ伝送路12を伝送されてきたバースト光信号と、バースト光送信装置11aからのバースト光信号とを、時分割多重により結合して後段の光増幅器14bへ光ファイバ伝送路12を介して伝送する。
バースト光受信装置15は、最終段の光増幅器14oで増幅されたバースト光信号を受信し、各バースト光送信装置11a〜11nに入力されたバーストデータ列に対応するデータ列を出力する。
【0035】
このように、バースト光信号を光ファイバ伝送路12を介して送信することで、受信バースト光信号の過渡応答特性による信号波形の劣化を補償するようになっている。
具体的には、光増幅器14a〜14oの時定数程度の長周期成分に対する過渡応答特性は、次の式(1)で表される。

G(t)=Gcw+(G−Gcw)exp{−(t/τ)} …式(1)

ここで、G(t)は時刻tにおける利得であり、GCWは定常利得、Gは初期利得、τは時定数である。
式(1)の第2項は、次式(2)で表されるパルス入力電圧に対する微分回路の過渡応答電圧と等価である。

V(t)=V・exp{−(t/τ)} …式(2)

ここで、Vは入力パルス電圧の振幅である。
式(2)の微分回路は、同じ時定数を持つ積分回路で等化することができる。但し、光増幅器14a〜14oの場合、時定数より十分に短い時間変動、例えば高速信号のパルスパターン等に対しては、過渡応答が生じず通常の増幅となる。
【0036】
また、上式(1)の過渡応答特性の場合に、光増幅器14a〜14oで増幅されるバースト光信号のパワーが、次式(3)を満足するように予等化部21で処理する。

G(t)・r・E(t)・Pe(t)=Po(t) …式(3)

但し、Po(t)は光増幅器から出力されるバースト光信号の時刻tにおける所望のパワー、P(t)は伝送路に入力される予等化バースト光信号の時刻tにおけるパワー、rは伝送路損失、G(t)は時刻tにおける利得である。
【0037】
ここで、近似的手法もしくは数値解析的手法によるPe(t)の導出をPe(t)=F(Po(t))と表すと、光増幅器n段通過後の出力Po(t)に対する予等化バースト光信号は式(4)で与えられる。

e(t)=F(…F(Po(t)))=F(Po(t)) …式(4)
【0038】
従って、予等化部21によって、入力されたバーストデータ列を分岐し、この分岐した一方に積分処理を施した信号と、分岐した他方の信号とを乗算して得た信号(バースト光信号)を、光増幅器14a〜14oの予等化信号として用いることができる。
つまり、予等化部21は、入力されたバーストデータ列に対して、微分回路で近似される光増幅器の長周期成分の過渡応答特性と同等の時定数の積分回路の過渡応答特性を備え、予等化を行うことが可能となっている。
【0039】
光増幅器14aは、バースト光送信装置11aでの予等化後に光変換されて光ファイバ伝送路12に伝送されるバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値(リミット)を超えないように利得が設定されている。
【0040】
このような構成において、予等化部21で予等化したバースト信号を、E/O変換部22でバースト光信号に変換し、光カプラ13aを介して光ファイバ伝送路12に入射する。入射されたバースト光信号を増幅する各光増幅器14a〜14oは、この出力信号光のピークパワーが、適正な信号波形を保持可能なリミット(システム設計の許容値)を超えないように利得が設定されている。この光増幅器14a〜14oによって中継(光増幅中継)を行うことで、最終的にバースト光受信装置15で適正に受信することができる。
【0041】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の光伝送システム10は、バーストデータ列をバースト光信号に変換するバースト光送信装置11a〜11nと、このバースト光送信装置11a〜11nから出力されるバースト光信号及び、光ファイバ伝送路12を伝送してきた他のバースト光信号を結合する光カプラ13a〜13nとを備える。更に、光カプラ13a〜13nで結合されたバースト光信号を増幅する光増幅器14a〜14oと、光増幅器14a〜14oで増幅されたバースト光信号を受信するバースト光受信装置15とを備える。
【0042】
上記のバースト光送信装置11a〜11nは、微分回路で近似される光増幅器14a〜14oの長周期成分の過渡応答特性と同等の時定数の積分回路の過渡応答特性を有して、バーストデータ列を予等化することによりバースト信号を出力する過渡応答予等化部21と、その出力されたバースト信号をバースト光信号に変換して光カプラ13a〜13nへ送信するE/O変換部22とを備える。
【0043】
光増幅器14a〜14oは、バースト光送信装置11a〜11nでの予等化後に光変換されて光カプラ13a〜13nを介して光ファイバ伝送路12に伝送されるバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されている構成とした。
【0044】
この構成によれば、光伝送路中の光増幅器14a〜14oは、バースト光送信装置11a〜11nでの予等化後に光変換されたバースト光信号のピークパワーが、適正な光信号波形を保持可能な許容値を超えないように利得が設定されている。このため、予等化されたバースト光信号を、バースト光受信装置15での受信に適した一定パワーのバースト光信号となるように光増幅中継を行うことができる。これにより受信OSNRが向上するため、バースト光信号の光ファイバ伝送路12の長延化が可能となる。
【0045】
<実施形態の応用例>
図3は、本実施形態の応用例に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。但し、図3に示す光伝送システム10Aにおいて、図2に示した光伝送システム10と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図3に示す応用例の光伝送システム10Aが、光伝送システム10と異なる点は、最終段の光増幅器14oとバースト光受信装置15との間に、光カプラ13oを接続して設け、この光カプラ13oの分岐出力側に過渡応答モニタ部17を接続して設け、過渡応答モニタ部17を、バースト光送信装置11a〜11nの予等化部21に接続したことにある。
【0047】
光カプラ13oは、最終段の光増幅器14oからバースト光受信装置15へ出力されるバースト光信号を分岐して、過渡応答モニタ部17へ出力する。
過渡応答モニタ部17は、その分岐されたバースト光信号の過渡応答特性をモニタし、この過渡応答特性のモニタ値を、各バースト光送信装置11a〜11nの予等化部21へフィードバックする。更に説明すると、過渡応答モニタ部17は、バースト光信号の波形成分におけるオーバーシュート成分及びバースト光受信装置15が適正に受信可能な基準値を下回った波形成分を含む過渡応答成分を、過渡応答予等化部21へフィードバックする。なお、過渡応答成分は、言い換えればモニタ値である。
【0048】
過渡応答予等化部21は、フィードバックされたモニタ値に応じて過渡応答予等化処理時の時定数を補正する。言い換えれば、フィードバックされた過渡応答成分に応じて、積分の幅を変えることにより過渡応答特性を変える。つまり、予等化部21は、フィードバックされたモニタ値に応じて、モニタされるバースト光信号の過渡応答成分を抑圧し、バースト光受信装置15での受信に適した一定パワーのバースト光信号となるように、過渡応答予等化処理時の時定数を補正する。このように補正することで、バースト光受信装置15で受信されるバースト光信号を、受信に適した一定パワーとすることができる。
【0049】
<バースト光送信装置の第1回路構成例>
図4は、図2に示した光伝送システム10におけるバースト光送信装置11aの第1回路構成を示すブロック図である。
図4に示すバースト光送信装置11aは、上述した過渡応答予等化部21及びE/O変換部22の他に、D/Aコンバータ23を備える。更に、予等化部21が、アナログ回路要素である、スプリッタ21aと、ローパスフィルタ21bと、遅延器21cと、乗算回路21dとを備えて構成されている。
【0050】
D/Aコンバータ23は、入力されるディジタル信号としてのバーストデータ列を、アナログ信号に変換する。スプリッタ21aは、その変換されたアナログ信号を2分岐し、一方をローパスフィルタ21bへ出力し、他方を遅延器21cへ出力する。
【0051】
ローパスフィルタ21bは、積分回路に対応しており、光増幅器14a〜14oの長周期成分過渡応答の時定数の逆数を基準とする周波数帯域を有し、この帯域でアナログ信号を通過させることで、図1(c)に示した右肩上がりの積分波形信号(積分信号)を出力する。この積分波形信号は、D/Aコンバータ23に入力されるバーストデータ列の「0」、「1」データに応じたレベルの波形となる。
【0052】
遅延器21cは、入力されるアナログ信号をローパスフィルタ21bの信号入力から出力までの信号通過時間と同時間遅延して出力する。これにより、ローパスフィルタ21bの信号出力タイミングと、遅延器21cの信号出力タイミングとを合わせている。
【0053】
乗算回路21dは、分岐された一方のアナログ信号に基づく積分波形信号と、他方のアナログ信号とを乗算して合成する。この合成により、図1(d)に示した予等化された右肩上がりのバースト信号列を得る。このバースト信号は、E/O変換部22でバースト光信号に変換されて光カプラ13aへ送信される。
【0054】
このバースト光送信装置11aの第1回路構成では、スプリッタ21a、ローパスフィルタ21b、遅延器21c及び乗算回路21dを、既製のアナログ回路を流用して容易に作成することができる。
【0055】
第1回路構成のバースト光送信装置11aを、図3に示した光伝送システム10Aに適用する場合、ローパスフィルタ21bを通過帯域可変型のローパスフィルタとする。この通過帯域可変型のローパスフィルタに、過渡応答モニタ部17(図3)からフィードバックされる過渡応答成分を入力し、通過帯域を可変することで積分の幅を変える。これにより、モニタされる過渡応答成分を除去して、バースト光受信装置15で受信されるバースト光信号を、受信に適した一定パワーとすることができる。
【0056】
<バースト光送信装置の第2回路構成例>
図5は、図2に示した光伝送システム10におけるバースト光送信装置11aの第2回路構成を示すブロック図である。
図5に示すバースト光送信装置11aは、上述した過渡応答予等化部21及びE/O変換部22の他に、D/Aコンバータ23を備える。更に、予等化部21が、ディジタル回路要素である、スプリッタ21fと、積分回路21gと、バッファ21hと、セレクタ回路21iとを備えて構成されている。
【0057】
スプリッタ21fは、入力されるディジタル信号としてのバーストデータ列を2分岐し、一方を積分回路21gへ出力し、他方をバッファ21hへ出力する。
【0058】
積分回路21gは、光増幅器14a〜14oの長周期成分過渡応答の時定数を基準とする時間幅を有し、入力される「0」、「1」のバーストデータ列の積分値を量子化したディジタル信号を、図1(c)に示した右肩上がりの積分波形信号(積分信号)のように連続的に出力する。また、積分回路21gは、バーストデータ列の終わりを通知するリセット信号が入力されると一旦内部状態をクリアする。
【0059】
バッファ21hは、入力されるバーストデータを積分回路21gの信号入力から出力までの信号処理時間と同時間遅延して出力する。これにより、積分回路21gの信号出力タイミングと、バッファ21hの信号出力タイミングとを合わせている。バッファ21hからは、「0」、「1」のデータ列が出力される。
【0060】
セレクタ回路21iは、バッファ21hから出力されるデータが「1」の場合にのみ、積分回路21gから出力される積分波形信号を選択して出力する。この選択により、図1(d)に示した予等化された右肩上がりのバースト信号列を得る。このディジタルのバースト信号は、D/Aコンバータ23でアナログのバースト信号に変換され、更に、E/O変換部22でバースト光信号に変換されて光カプラ13aへ送信される。
【0061】
このバースト光送信装置11aの第2回路構成では、スプリッタ21f、積分回路21g、バッファ21h及びセレクタ回路21iを、既製のディジタル回路を流用して容易に作成することができる。
【0062】
第2回路構成のバースト光送信装置11aを、図3に示した光伝送システム10Aに適用する場合、積分回路21gでの積分の幅を、過渡応答モニタ部17(図3)からフィードバックされる過渡応答成分に応じて変えるようにする。これにより、モニタされる過渡応答成分を除去して、バースト光受信装置15で受信されるバースト光信号を、受信に適した一定パワーとすることができる。
【0063】
<光伝送システムの具体例>
図6は、図2に示した光伝送システム10の具体例としての光伝送システム10Bの構成を示すブロック図である。
図6に示す光伝送システム10Bは、図4に示したバースト光送信装置11aと、光ファイバ伝送路12と光カプラ13a(図2)の光損失を模擬した7段の光アッテネータ13−1,13−2,…,13−7と、7段の光増幅器14−1,…,14−6,14−7と、バースト光受信装置15とを備えて構成されている。
【0064】
また、光アッテネータ13−1〜13−7の損失値を18.5dBとした。光増幅器14−1〜14−7は、1.48μmの励起光を用いた前方励起構成であり、NF(Noise Figure:雑音指数)をdBとし、バースト光信号入力時の光増幅器の過渡応答の時定数を約83μsとした。バースト光送信装置11aのローパスフィルタ21bは、3dB帯域幅で12kHzのベッセルトムソン型フィルタを用いた。
【0065】
このような具体構成の光伝送システム10Bにおいて、バースト光送信装置11aからバースト光信号を光ファイバ伝送路12へ送信し、光アッテネータ13−1〜13−7を経由し、光増幅器14−1〜14−7で増幅しながらバースト光受信装置15で受信したとする。
この場合の光増幅中継後の信号光ピークパワー[dBm]の入力バースト信号長[μs]の依存性を図7に示し、その説明を行う。
最初に、非特許文献5によれば、光ファイバ伝送時の非線形効果を考慮した際の信号光ピークパワーの限界値は2.95dBmであり、通常のバースト光信号を光増幅中継した場合の励起光パワーの上限が、一点鎖線で示すように50mWであった。これに対して、本実施形態の光伝送システム10Bの構成とすることで、励起光パワーの上限が実線で示すように、信号光ピークパワーリミット(リミット)の直前の67mWまで上げることができた。励起光パワーを、破線の40mW、一点鎖線の50mW、実線の67mWと上げる程に、信号光ピークパワーを上げることができる。
【0066】
励起光パワーをリミットを超えて上げると光信号の波形が崩れる。つまり、損失を補償できる利得(損失値と同じだけの利得)で一定になるようにすることが、基本的に望ましいが、リミットを超えると波形が崩れたり、バースト光受信装置15の受信レベルを超えて最悪破壊してしまう。
【0067】
上記のように励起光パワーを上げる程に、信号光パワーが上がるので、図8に示すように、相対OSNR[dB]が良くなる。図8では、相対OSNR値=0としている。これは、従来では50mWでピークパワーがリミットに達するので、励起光パワーが50mWの場合の相対OSNR値=0としている。本具体例の光伝送システム10Bでは、励起光パワーを67mWまで上げられるので、この際の相対OSNR値を1.2dBに改善できた。
【0068】
上述したように、励起光パワーには上限がある。連続信号を増幅した時に、損失と利得が同じとなるような励起光パワーが上限値となる。また、バースト光送信装置11aの過渡応答予等化部21において完全に予等化が上手くいけば、連続信号と同じだけの励起光パワーとすることが可能となるので、既存のEDFAを光増幅器としてそのまま使用して、光伝送路の長さを長くすることができる。
【0069】
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
10,10A,10B 光伝送システム
11a,11b,…,11n バースト光送信装置
12,12a 光ファイバ伝送路
13a,13b,…,13n,13o 光カプラ
13−1,13−2,…,13−7 光アッテネータ
14a,14b,…,14n,14o,14−1,…,14−6,14−7 光増幅器
15 バースト光受信装置
17 過渡応答モニタ部
21 過渡応答予等化部
21a,21f スプリッタ
21b ローパスフィルタ
21c 遅延器
21d 乗算回路
21g 積分回路
21h バッファ
21i セレクタ回路
22 E/O変換部
23 D/Aコンバータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8