特許第6626753号(P6626753)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626753
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】被加工物の処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20191216BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H02N13/00 D
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-56940(P2016-56940)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-174889(P2017-174889A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2018年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】小岩 真悟
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−249541(JP,A)
【文献】 特開2006−261541(JP,A)
【文献】 特表2006−526289(JP,A)
【文献】 特開2002−009064(JP,A)
【文献】 特開2014−011382(JP,A)
【文献】 特開平05−243191(JP,A)
【文献】 特開2008−177285(JP,A)
【文献】 特表2007−507104(JP,A)
【文献】 特開2010−123809(JP,A)
【文献】 特開2002−327275(JP,A)
【文献】 特開2002−353298(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/012025(WO,A1)
【文献】 特開2002−217178(JP,A)
【文献】 特開2008−192643(JP,A)
【文献】 特開平07−045523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物の処理装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体の内部に設けられた載置台と、
を備え、
前記載置台は、
冷媒用の流路が形成された金属製の冷却台と、
前記冷却台の上に設けられた静電チャックと、
を有し、
前記静電チャックは、該静電チャックの中心軸線に対して同心の複数の領域を含んでおり、該複数の領域にそれぞれ設けられた複数のヒータを有しており、
前記冷却台と前記静電チャックとの間、且つ、前記複数の領域それぞれの下方において延在し互いに分離された複数の伝熱空間が設けられており、
該処理装置は、
前記複数のヒータに接続されたヒータ電源と、
チラーユニット、伝熱ガスのガスソース、及び、排気装置を、前記複数の伝熱空間のそれぞれに選択的に接続し、前記チラーユニットと前記流路との接続と切断とを切り替えるための複数のバルブを有する配管系と、
を更に備え
前記複数のバルブが前記チラーユニットと前記冷却台の前記流路とを接続するように設定されているときに、前記チラーユニットから前記冷媒が前記冷却台の前記流路に供給され、前記複数のバルブが前記チラーユニットと前記複数の伝熱空間を接続するように設定されているときに、前記チラーユニットから前記複数の伝熱空間に前記冷媒が供給される、
処理装置。
【請求項2】
前記複数のバルブ及び前記ヒータ電源を制御する制御部を更に備え、
前記複数の領域は、第1領域、第2領域、及び、第3領域を含み、前記第1領域は、前記中心軸線に交差しており、前記第3領域は、前記静電チャックのエッジを含む領域であり、前記第2領域は、前記第1領域と前記第3領域との間にあり、
前記複数のヒータは、前記第1領域に設けられた第1のヒータ、前記第2領域に設けられた第2のヒータ、及び、前記第3領域に設けられた第3のヒータを含み、
前記複数の伝熱空間は、前記第1領域の下方にある第1の伝熱空間、前記第2領域の下方にある第2の伝熱空間、及び、前記第3領域の下方にある第3の伝熱空間を含む、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のヒータに電力を供給するよう前記ヒータ電源を制御し、前記流路と前記チラーユニットとの間で冷媒を循環し、前記複数の伝熱空間を前記ガスソースに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1のヒータの発熱量及び前記第2のヒータの発熱量が前記第3のヒータの発熱量よりも大きくなるよう前記ヒータ電源を制御し、前記流路と前記チラーユニットとの間で冷媒を循環し、前記第1の伝熱空間及び前記第2の伝熱空間を前記ガスソースに接続し、前記第3の伝熱空間を前記チラーユニットに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2又は3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2のヒータの発熱量が前記第1のヒータの発熱量よりも大きくなり、前記第1のヒータの発熱量が前記第3のヒータの発熱量よりも大きくなるよう前記ヒータ電源を制御し、前記流路と前記チラーユニットとの間で冷媒を循環し、前記第1の伝熱空間及び前記第2の伝熱空間を前記ガスソースに接続し、前記第3の伝熱空間を前記チラーユニットに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2〜4の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数のヒータに電力を供給するよう前記ヒータ電源を制御し、前記複数の伝熱空間を前記チラーユニットに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2〜5の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1のヒータの発熱量及び前記第2のヒータの発熱量が前記第3のヒータの発熱量よりも大きくなるよう前記ヒータ電源を制御し、前記複数の伝熱空間を前記チラーユニットに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2〜6の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記複数のヒータに電力を供給するよう前記ヒータ電源を制御し、前記流路と前記チラーユニットとの間で冷媒を循環し、前記複数の伝熱空間を前記排気装置に接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2〜7の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記複数のヒータへの電力の供給を停止するよう前記ヒータ電源を制御し、前記流路と前記チラーユニットとの間で冷媒を循環し、前記複数の伝熱空間を前記ガスソースに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2〜8の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記複数のヒータへの電力の供給を停止するよう前記ヒータ電源を制御し、前記流路と前記チラーユニットとの間で冷媒を循環し、前記複数の伝熱空間を前記チラーユニットに接続するよう前記複数のバルブを制御する、請求項2〜9の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項11】
前記静電チャックは、導電性の基台、及び、セラミックス製の吸着部を有し、
前記吸着部は、前記基台の上に設けられており、前記複数のヒータは、前記吸着部の中に内蔵されており、
該処理装置は、
前記基台に電気的に接続された高周波電源と、
前記チャンバ本体の内部に処理ガスを供給するガス供給部と、
を更に備える、
請求項1〜9の何れか一項に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チャンバ内において被加工物を処理するための処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスといった電子デバイスの製造においては、処理装置が用いられる。処理装置は、一般的に、チャンバ本体、載置台、及びガス供給部を備えている。載置台は、チャンバ本体内に設けられている。載置台は、その上に被加工物が載置される本体部、及び、その内部に冷媒用の流路が形成された冷却台を有している。本体部は、冷却台上に設けられている。また、本体部は、ヒータを内蔵している。ガス供給部は、チャンバ本体内に被加工物の処理用のガスを供給する。
【0003】
このような処理装置を用いた被加工物の処理では、被加工物の温度が、例えば200℃を超える高温に設定されることがある。そのために、冷却台と本体部との間の断熱性を高めた構造を有する載置台が、下記の特許文献1において提案されている。
【0004】
特許文献1に記載された載置台は、冷却台及び本体部に加えて、複数の断熱材を備えている。複数の断熱材は、冷却台と本体部との間に設けられている。したがって、特許文献1に記載された載置台では、冷却台と本体部との間に、複数の断熱材と、複数の断熱材の間にある空間とが介在するようになっている。これにより、本体部の温度を高温に設定することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5482282号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、載置台には、冷却台上に静電チャックを備えるものがある。冷却台と静電チャックは一般的には接着剤を介して接合される。このような載置台には、静電チャックの温度の分布を、当該静電チャックの中心軸線に対して径方向において調整することが求められる。そのために、通常は、静電チャックの内部に複数のヒータが同心状に設けられる。
【0007】
上記の載置台では、静電チャックに設定可能な温度の範囲が狭い。また、設定可能な静電チャックの昇温レートの範囲及び設定可能な静電チャックの降温レートの範囲も狭い。また、径方向において大きく変化する温度分布を静電チャックに設定することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様においては、被加工物の処理装置が提供される。この処理装置は、チャンバ本体及び載置台を備える。載置台は、チャンバ本体の内部に設けられている。載置台は、金属製の冷却台及び静電チャックを有する。冷却台の内部には、冷媒用の流路が形成されている。静電チャックは、冷却台の上に設けられている。静電チャックは、当該静電チャックの中心軸線に対して同心の複数の領域を含んでいる。複数の領域には複数のヒータがそれぞれ設けられている。冷却台と静電チャックとの間には、複数の伝熱空間が設けられている。複数の伝熱空間は、複数の領域それぞれの下方において延在しており、互いに分離されている。処理装置は、ヒータ電源及び配管系を更に備える。ヒータ電源は、複数のヒータに接続されている。配管系は、チラーユニット、伝熱ガスのガスソース、及び、排気装置を、複数の伝熱空間のそれぞれに選択的に接続し、チラーユニットと冷却台の流路との接続と切断とを切り替えるための複数のバルブを有する。
【0009】
一態様に係る処理装置では、複数の伝熱空間の各々が減圧されるか、複数の伝熱空間の各々に伝熱ガスが供給されるか、或いは、複数の伝熱空間の各々にチラーユニットからの冷媒が供給され得る。したがって、冷却台と静電チャックとの間の熱抵抗が変更され得る。故に、静電チャックに設定可能な温度の範囲が広い。また、設定可能な静電チャックの昇温レートの範囲及び設定可能な静電チャックの降温レートの範囲も広い。また、複数の伝熱空間の熱抵抗に差を与えることにより、径方向において大きく変化する温度分布を静電チャックに設定することが可能となる。また、複数の伝熱空間それぞれの熱抵抗を調整することができるので、静電チャックに種々の温度分布を設定することが可能である。例えば、径方向において急峻に変化する温度分布、径方向において緩やかに変化する温度分布、或いは、径方向において略一定の温度分布を静電チャックに設けることが可能である。さらに、冷却台と静電チャックとの間の熱抵抗を大きくすることが可能であるので、複数のヒータに与える電力を低減することが可能である。
【0010】
一実施形態において、処理装置は、制御部を更に備える。制御部は、複数のバルブ及びヒータ電源を制御するよう構成されている。静電チャックの複数の領域は、第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む。第1領域は、静電チャックの中心軸線に交差しており、第3領域は、静電チャックのエッジを含む領域であり、第2領域は、第1領域と第3領域との間にある。複数のヒータは、第1領域に設けられた第1のヒータ、第2領域に設けられた第2のヒータ、及び、第3領域に設けられた第3のヒータを含む。複数の伝熱空間は、第1領域の下方にある第1の伝熱空間、第2領域の下方にある第2の伝熱空間、及び、第3領域の下方にある第3の伝熱空間を含む。
【0011】
一実施形態において、制御部は、複数のヒータに電力を供給するようヒータ電源を制御し、冷却台の流路とチラーユニットとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間をガスソースに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、静電チャックの温度を高温に設定し、静電チャックの径方向における温度分布を略一定に設定するときに用いられ得る。また、この実施形態の制御は、比較的低い昇温レートで、静電チャックの温度を上昇させるときに用いられ得る。
【0012】
一実施形態において、制御部は、第1のヒータの発熱量及び第2のヒータの発熱量が第3のヒータの発熱量よりも大きくなるようヒータ電源を制御し、冷却台の流路とチラーユニットとの間で冷媒を循環し、第1の伝熱空間及び第2の伝熱空間をガスソースに接続し、第3の伝熱空間をチラーユニットに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、静電チャックの温度を高温に設定し、静電チャックのエッジに近付くにつれて温度が緩やかに低下する温度分布を静電チャックに設定するときに、用いられ得る。
【0013】
一実施形態において、制御部は、第2のヒータの発熱量が第1のヒータの発熱量よりも大きくなり、第1のヒータの発熱量が第3のヒータの発熱量よりも大きくなるようヒータ電源を制御し、冷却台の流路とチラーユニットとの間で冷媒を循環し、第1の伝熱空間及び第2の伝熱空間をガスソースに接続し、第3の伝熱空間をチラーユニットに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、静電チャックの温度を高温に設定し、エッジを含む領域で急激に温度が低下する温度分布を静電チャックに設定するときに、用いられ得る。
【0014】
一実施形態において、制御部は、複数のヒータに電力を供給するようヒータ電源を制御し、複数の伝熱空間をチラーユニットに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、静電チャックの温度を低温に設定し、静電チャックの径方向における温度分布を略一定に設定するときに用いられ得る。
【0015】
一実施形態において、制御部は、第1のヒータの発熱量及び第2のヒータの発熱量が第3のヒータの発熱量よりも大きくなるようヒータ電源を制御し、複数の伝熱空間をチラーユニットに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、静電チャックの温度を低温に設定し、静電チャックのエッジに近付くにつれて温度が緩やかに低下する温度分布を静電チャックに設定するときに、用いられ得る。
【0016】
一実施形態において、制御部は、複数のヒータに電力を供給するようヒータ電源を制御し、冷却台の流路とチラーユニットとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間を排気装置に接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、比較的高い昇温レートで、静電チャックの温度を上昇させるときに用いられ得る。
【0017】
一実施形態において、制御部は、複数のヒータへの電力の供給を停止するようヒータ電源を制御し、冷却台の流路とチラーユニットとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間をガスソースに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、比較的低い降温レートで、静電チャックの温度を低下させるときに用いられ得る。
【0018】
一実施形態において、制御部は、複数のヒータへの電力の供給を停止するようヒータ電源を制御し、冷却台の流路とチラーユニットとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間をチラーユニットに接続するよう複数のバルブを制御してもよい。この実施形態の制御は、比較的高い降温レートで、静電チャックの温度を低下させるときに用いられ得る。
【0019】
一実施形態において、静電チャックは、導電性の基台、及び、セラミックス製の吸着部を有する。吸着部は、基台の上に設けられており、複数のヒータは、吸着部の中に内蔵されている。処理装置は、基台に電気的に接続された高周波電源、及び、チャンバ本体の内部に処理ガスを供給するガス供給部を更に備える。この実施形態の処理装置は、プラズマ処理装置として用いられ得る。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、静電チャックに設定可能な温度の範囲を拡大し、設定可能な静電チャックの昇温レートの範囲及び設定可能な静電チャックの降温レートの範囲を拡大し、径方向において大きく変化する温度分布を静電チャックに設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係る処理装置を概略的に示す図である。
図2図1に示す処理装置の載置台の一部を拡大して示す断面図である。
図3図1に示す処理装置の載置台の別の一部を拡大して示す断面図である。
図4】一実施形態に係る配管系の構成を示す図である。
図5】配管系の状態を例示する図である。
図6】配管系の状態を例示する図である。
図7】配管系の状態を例示する図である。
図8】配管系の状態を例示する図である。
図9】配管系の状態を例示する図である。
図10】配管系の状態を例示する図である。
図11】配管系の状態を例示する図である。
図12】配管系の状態を例示する図である。
図13】配管系の状態を例示する図である。
図14】静電チャックの温度分布を例示する図である。
図15】静電チャックの温度分布を例示する図である。
図16】静電チャックの温度分布を例示する図である。
図17】静電チャックの温度分布を例示する図である。
図18】静電チャックの温度分布を例示する図である。
図19】静電チャックの温度の時間変化を例示する図である。
図20】別の実施形態に係る配管系の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0023】
図1は、一実施形態に係る処理装置を概略的に示す図である。図1に示す処理装置10は、容量結合型のプラズマ処理装置である。処理装置10は、チャンバ本体12及び載置台14を備えている。チャンバ本体12は、略円筒形状を有しており、その内部空間としてチャンバSを提供している。チャンバ本体12は、例えば、アルミニウムから構成されている。チャンバ本体12の内部空間側の表面には、アルマイト膜、及び/又は、酸化イットリウムといった耐プラズマ性を有するセラミックス製の皮膜が形成されている。このチャンバ本体12は接地されている。また、チャンバ本体12の側壁には、被加工物WをチャンバSに搬入し、また、チャンバSから搬出するための開口12pが形成されている。この開口12pは、ゲートバルブGVによって開閉することが可能となっている。なお、被加工物Wは、ウエハのように円盤形状を有している。
【0024】
載置台14は、被加工物WをチャンバS内で支持するよう構成されている。載置台14は、被加工物Wを吸着する機能、被加工物Wの温度を調整する機能、及び、静電チャックの基台に高周波を伝送する構造を有している。この載置台14の詳細については、後述する。
【0025】
処理装置10は、上部電極16を更に備えている。上部電極16は、チャンバ本体12の上部開口内に配置されており、後述する載置台14の下部電極と略平行に配置されている。上部電極16とチャンバ本体12との間には、絶縁性の支持部材18が介在している。
【0026】
上部電極16は、天板20及び支持体22を有している。天板20は、略円盤状形状を有している。天板20は、導電性を有し得る。天板20は、例えば、シリコンから形成されている。或いは、天板20は、アルミニウムから形成されており、その表面には、耐プラズマ性のセラミックス皮膜が形成されている。この天板20には、多数のガス吐出孔20aが形成されている。ガス吐出孔20aは、略鉛直方向に延びている。
【0027】
支持体22は、天板20を着脱自在に支持している。支持体22は、例えば、アルミニウムから形成されている。支持体22には、ガス拡散室22bが形成されている。このガス拡散室22bからは、ガス吐出孔20aにそれぞれ連通する多数の連通孔22aが延びている。また、ガス拡散室22bには、ポート22cを介して配管24が接続している。この配管24には、ガスソース26が接続されている。また、配管24の途中には、マスフローコントローラといった流量制御器28及びバルブ30が設けられている。なお、ガスソース26、流量制御器28、及び、バルブ30は、一実施形態においてガス供給部を構成している。
【0028】
処理装置10は、排気装置32を更に備えている。排気装置32は、ターボ分子ポンプ、ドライポンプといった一以上のポンプ、及び、圧力調整弁を含んでいる。この排気装置32は、チャンバ本体12に形成された排気口に接続されている。
【0029】
処理装置10は、制御部MCUを更に備えている。制御部MCUは、処理装置10の各部を制御するよう、構成されている。例えば、制御部MCUは、プロセッサ、及び、メモリといった記憶装置を備えるコンピュータ装置であり得る。制御部MCUは、記憶装置に記憶されたプログラム及びレシピに従って動作することにより、処理装置10の各部を制御することができる。
【0030】
この処理装置10の使用時には、被加工物Wが、載置台14上に載置されて、当該載置台14によって保持される。また、ガスソース26からの処理ガスがチャンバ本体12内に供給され、排気装置32が作動されて、チャンバ本体12内の空間の圧力が減圧される。また、上部電極16と載置台14の下部電極の間に高周波電界が形成される。これにより、処理ガスが解離し、処理ガス中の分子及び/又は原子の活性種によって被加工物Wが処理される。このような処理において、処理装置10の各部は、制御部MCUによ制御される。
【0031】
以下、図1に加えて、図2及び図3を参照し、載置台14、及び、当該載置台14に付随する処理装置10の構成要素について詳細に説明する。図2は、図1に示す処理装置の載置台の一部を拡大して示す断面図である。図3は、図1に示す処理装置の載置台の別の一部を拡大して示す断面図である。
【0032】
載置台14は、冷却台34及び静電チャック36を有している。冷却台34は、チャンバ本体12の底部から上方に延びる支持部材38によって支持されている。この支持部材38は、絶縁性の部材であり、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)から形成されている。また、支持部材38は、略円筒形状を有している。
【0033】
冷却台34は、導電性を有する金属、例えば、アルミニウムから形成されている。冷却台34は、略円盤形状を有している。冷却台34は、中央部34a及び周縁部34bを有している。中央部34aは、略円盤形状を有している。中央部34aは、冷却台34の第1上面34cを提供している。第1上面34cは、略円形の面である。
【0034】
周縁部34bは、中央部34aに連続しており、径方向(鉛直方向に延びる軸線Zに対して放射方向)において中央部34aの外側で、周方向(軸線Zに対して周方向)に延在している。一実施形態では、周縁部34bは、中央部34aと共に、冷却台34の下面34dを提供している。また、周縁部34bは、第2上面34eを提供している。第2上面34eは、帯状の面であり、径方向において第1上面34cの外側にあり、且つ、周方向に延びている。また、第2上面34eは、鉛直方向において、第1上面34cよりも下面34dの近くにある。
【0035】
冷却台34には、給電体40が接続されている。給電体40は、例えば給電棒であり、冷却台34の下面34dに接続されている。給電体40は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。
【0036】
給電体40は、チャンバ本体12の外部に設けられた高周波電源42及び高周波電源44に電気的に接続されている。高周波電源42は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源である。第1の高周波の周波数は、例えば、40MHzである。高周波電源44は、イオン引き込み用の第2の高周波を発生する電源である。第2の高周波の周波数は、例えば、13.56MHzである。
【0037】
高周波電源42は、整合器46を介して給電体40に接続されている。整合器46は、高周波電源42の負荷側のインピーダンスを、高周波電源42の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。高周波電源44は、整合器48を介して給電体40に接続されている。整合器48は、高周波電源44の負荷側のインピーダンスを、高周波電源44の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。
【0038】
冷却台34には、冷媒用の流路34fが形成されている。流路34fは、冷却台34内において、例えば螺旋状に延在している。この流路34fには、チラーユニットTUから冷媒が供給される。流路34fに供給される冷媒は、一実施形態では、その気化によって吸熱し、冷却を行う冷媒である。この冷媒は、例えば、ハイドロフルオロカーボン系の冷媒であり得る。
【0039】
静電チャック36は、冷却台34の上に設けられている。具体的に、静電チャック36は、冷却台34の第1上面34cの上に設けられている。静電チャック36は、基台50及び吸着部52を有している。基台50は、下部電極を構成しており、冷却台34の上に設けられている。基台50は、導電性を有している。基台50は、例えば、窒化アルミニウム又は炭化ケイ素に導電性を付与したセラミックス製であってもよく、或いは、金属(例えば、チタン)製であってもよい。
【0040】
基台50は、略円盤形状を有している。基台50は、中央部50a及び周縁部50bを有している。中央部50aは、略円盤形状を有している。中央部50aは、基台50の第1上面50cを提供している。第1上面50cは、略円形の面である。
【0041】
周縁部50bは、中央部50aに連続しており、径方向において中央部50aの外側で、周方向に延在している。一実施形態では、周縁部50bは、中央部50aと共に、基台50の下面50dを提供している。また、周縁部50bは、第2上面50eを提供している。この第2上面50eは、帯状の面であり、径方向において第1上面50cの外側で周方向に延びている。また、第2上面50eは、鉛直方向において、第1上面50cよりも下面50dの近くにある。
【0042】
吸着部52は、基台50上に設けられている。吸着部52は、当該吸着部52と基台50との間に介在させた金属を用いた金属接合により、基台50に結合されている。吸着部52は、略円盤形状を有しており、セラミックスから形成されている。吸着部52を構成するセラミックスは、室温(例えば、20度)以上、400℃以下の温度範囲において、1×1015Ω・cm以上の体積抵抗率を有するセラミックスであり得る。このようなセラミックスとして、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)が用いられ得る。かかる体積抵抗率を有するセラミックス製の吸着部52によれば、200℃を超える高温においても、十分な吸着力が発揮される。
【0043】
静電チャック36は、軸線Z、即ち静電チャック36の中心軸線に対して同心の複数の領域RNを含んでいる。一実施形態では、静電チャック36は、第1領域R1、第2領域R2、及び、第3領域R3を含んでいる。第1領域R1は、軸線Zに交差しており、第3領域R3は、静電チャック36のエッジを含む領域であり、第2領域R2は、第1領域R1と第3領域R3との間にある。一例では、第1領域R1は、静電チャック36の中心から半径120mmの領域であり、第2領域R2は、静電チャック36において半径120mmから半径135mmまでの領域であり、第3領域R3は、静電チャック36において半径135mmから半径150mmまでの領域である。なお、静電チャック36の領域の個数は、二以上の任意の個数であり得る。
【0044】
静電チャック36の吸着部52は、吸着用電極54を内蔵している。吸着用電極54は電極膜であり、当該吸着用電極54には、直流電源60が電気的に接続されている。直流電源60からの直流電圧が吸着用電極54に与えられると、吸着部52はクーロン力といった静電力を発生し、当該静電力によって被加工物Wを保持する。
【0045】
吸着部52は、複数のヒータHNを更に内蔵している。複数のヒータHNは、静電チャックの上記複数の領域RN内にそれぞれ設けられている。一実施形態では、複数のヒータHNは、第1のヒータ56、第2のヒータ57、及び、第3のヒータ58を含んでいる。第1のヒータ56は第1領域R1内に設けられており、第2のヒータ57は第2領域R2内に設けられており、第3のヒータ58は第3領域R3内に設けられている。
【0046】
複数のヒータHNは、ヒータ電源62に接続されている。一実施形態では、第1のヒータ56とヒータ電源62の間には、ヒータ電源62への高周波の侵入を防止するために、フィルタ64が設けられている。第2のヒータ57とヒータ電源62の間には、ヒータ電源62への高周波の侵入を防止するために、フィルタ65が設けられている。また、第3のヒータ58とヒータ電源62の間には、ヒータ電源62への高周波の侵入を防止するために、フィルタ66が設けられている。
【0047】
基台50と冷却台34の間には、複数の第1の弾性部材EM1が設けられている。複数の第1の弾性部材EM1は、静電チャック36を冷却台34から上方に離間させている。複数の第1の弾性部材EM1の各々は、Oリングである。複数の第1の弾性部材EM1は、互いに異なる直径を有しており、軸線Zに対して同心状に設けられている。また、複数の第1の弾性部材EM1は、静電チャック36の隣接する領域の境界及び静電チャック36のエッジの下方に設けられている。一実施形態では、複数の第1の弾性部材EM1は、弾性部材67、弾性部材68、及び、弾性部材69を含んでいる。弾性部材67は、第1領域R1と第2領域R2の境界の下方に設けられており、弾性部材68は、第2領域R2と第3領域R3の境界の下方に設けられており、弾性部材69は、静電チャック36のエッジの下方に設けられている。
【0048】
複数の第1の弾性部材EM1は、冷却台34の第1上面34cによって提供される溝の中に部分的に配置されており、第1上面34cと基台50の下面50dに接している。複数の第1の弾性部材EM1は、冷却台34と基台50と共に、冷却台34の第1上面34cと基台50の下面50dとの間に、複数の伝熱空間DSNを画成している。複数の伝熱空間DSNは、静電チャック36の複数の領域RNそれぞれの下方において延在しており、互いに分離されている。一実施形態では、複数の伝熱空間DSNは、第1の伝熱空間DS1、第2の伝熱空間DS2、及び、第3の伝熱空間DS3を含んでいる。第1の伝熱空間DS1は、弾性部材67の内側にあり、第2の伝熱空間DS2は、弾性部材67と弾性部材68との間にあり、第3の伝熱空間DS3は、弾性部材68と弾性部材69との間にある。後述するように、複数の伝熱空間DSNには、配管系PSにより、伝熱ガス(例えば、Heガス)のガスソースGS、チラーユニットTU、及び、排気装置VUが選択的に接続される。
【0049】
複数の伝熱空間DSNの各々の鉛直方向における長さは、処理装置10の使用時における静電チャック36の設定温度範囲に依存するが、例えば、0.1mm以上2.0mm以下の長さに設定される。一例として、静電チャック36の設定温度範囲が80℃以上、250℃以下である場合には、複数の伝熱空間DSNの各々の鉛直方向における長さは、0.5mmに設定される。また、静電チャック36の設定温度範囲の下限値が80℃よりも低い温度である場合には、複数の伝熱空間DSNの各々の鉛直方向における長さは0.5mmよりも短い長さに設定される。
【0050】
一実施形態では、複数の第1の弾性部材EM1は、Heガスが供給されている複数の伝熱空間DSNの各々の熱抵抗よりも高い熱抵抗を有するように構成される。複数の伝熱空間DSNの熱抵抗は、伝熱ガスの熱伝導率、その鉛直方向の長さ、及びその面積に依存する。また、複数の第1の弾性部材EM1の各々の熱抵抗は、その熱伝導率、その鉛直方向における厚さ、及び、その面積に依存する。したがって、複数の第1の弾性部材EM1の各々の材料、厚さ、及び、面積は、複数の伝熱空間DSNの各々の熱抵抗に応じて、決定される。なお、複数の第1の弾性部材EM1には、低い熱伝導率及び高い耐熱性が要求される。したがって、複数の第1の弾性部材EM1は、例えば、パーフロロエラストマーから形成され得る。
【0051】
載置台14は、締付部材70を更に備えている。締付部材70は、金属から形成されており、基台50及び複数の第1の弾性部材EM1を、当該締付部材70と冷却台34との間に挟持するように構成されている。締付部材70は、基台50と冷却台34との間の当該締付部材70を介した熱伝導を抑制するために、低い熱伝導率を有する材料、例えば、チタンから形成される。
【0052】
一実施形態において、締付部材70は、筒状部70a及び環状部70bを有している。筒状部70aは、略円筒形状を有しており、その下端において第1下面70cを提供している。第1下面70cは、周方向に延びる帯状の面である。
【0053】
環状部70bは、略環状板形状を有しており、筒状部70aの上側部分の内縁に連続して、当該筒状部70aから径方向内側に延びている。この環状部70bは、第2下面70dを提供している。第2下面70dは、周方向に延びる帯状の面である。
【0054】
締付部材70は、第1下面70cが冷却台34の第2上面34eに接し、第2下面70dが基台50の第2上面50eに接するように配置される。また、締付部材70は、冷却台34の周縁部34bに対してねじ72によって固定される。このねじ72の締付部材70に対する螺合を調整することにより、複数の第1の弾性部材EM1の潰し量が調整される。これにより、複数の伝熱空間DSNの鉛直方向における長さが調整される。
【0055】
一実施形態では、締付部材70の環状部70bの内縁部下面と基台50の第2上面50eとの間には、第2の弾性部材74が設けられている。第2の弾性部材74は、Oリングであり、締付部材70の第2下面70dと基台50の第2上面50eとの摩擦により生じ得るパーティクル(例えば、金属粉)が、吸着部52側に移動することを抑制する。
【0056】
また、第2の弾性部材74は、複数の第1の弾性部材EM1が発生する反力よりも小さい反力を発生する。換言すると、複数の第1の弾性部材EM1は、当該複数の第1の弾性部材EM1が発生する反力が第2の弾性部材74が発生する反力よりも大きくなるように構成される。さらに、この第2の弾性部材74は、高い耐熱性を有し、且つ、低い熱伝導率を有する材料として、パーフロロエラストマーから形成され得る。
【0057】
締付部材70の上には、ヒータ76が設けられている。このヒータ76は、周方向に延在しており、フィルタ78を介してヒータ電源62に接続されている。フィルタ78は、高周波がヒータ電源62に侵入することを防止するために、設けられている。
【0058】
ヒータ76は、第1の膜80と第2の膜82の間に設けられている。第1の膜80は、第2の膜82に対して締付部材70側に設けられている。第1の膜80は、第2の膜82の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有している。例えば、第1の膜80は、ジルコニア製の溶射膜であり、第2の膜82は酸化イットリウム(イットリア)製の溶射膜であり得る。また、ヒータ76は、タングステンの溶射膜であり得る。
【0059】
第2の膜82上には、フォーカスリング84が設けられている。このフォーカスリング84は、ヒータ76からの熱によって加熱される。また、ヒータ76からの熱流束の多くは、第1の膜80よりも第2の膜82に向かい、当該第2の膜82を介してフォーカスリング84に向かう。したがって、フォーカスリング84が効率的に加熱される。
【0060】
また、載置台14の冷却台34、締付部材70等は、それらの外周側において一以上の絶縁性部材86によって覆われている。一以上の絶縁性部材86は、例えば、酸化アルミニウム又は石英から形成されている。
【0061】
さらに、図3に示すように、載置台14の冷却台34及び静電チャック36には、被加工物Wと吸着部52との間に伝熱ガス(例えば、Heガス)を供給するためのガスライン90が提供されている。このガスライン90は、伝熱ガスの供給部91に接続されている。
【0062】
図3に示すように、ガスライン90は、ガスライン90a、ガスライン90b、及びガスライン90cを含んでいる。ガスライン90aは、吸着部52に形成されている。また、ガスライン90cは、冷却台34に形成されている。ガスライン90aとガスライン90cはガスライン90bを介して接続されている。このガスライン90bは、スリーブ92によって提供されている。このスリーブ92は、略筒状の部材であり、少なくともその表面において絶縁性を有しており、当該表面はセラミックスから形成されている。一例において、スリーブ92は、絶縁性のセラミックスから形成されている。例えば、スリーブ92は、酸化アルミニウム(アルミナ)から形成されている。別の例において、スリーブ92は、表面に絶縁処理を施した金属製の部材であってもよい。例えば、スリーブ92は、アルミニウム製の本体と当該本体の表面に設けられたアルマイト皮膜とを有していてもよい。
【0063】
基台50と冷却台34は、スリーブ92を収容するための収容空間を提供している。この収容空間を画成する基台50の面50fには、絶縁性セラミックスの皮膜94が形成されている。皮膜94は、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)の溶射膜であり得る。
【0064】
皮膜94と冷却台34との間には、スリーブ92の収容空間を封止する第3の弾性部材96が設けられている。第3の弾性部材96は、Oリングであり、絶縁性を有する。第3の弾性部材96は、例えば、パーフロロエラストマーから形成されている。また、第3の弾性部材96の外側には、第4の弾性部材98が設けられている。第4の弾性部材98は、Oリングであり、冷却台34の第1上面34cと基台50の下面50dに接しており、伝熱空間(例えば、第1の伝熱空間DS1)を封止している。第4の弾性部材98は、例えば、パーフロロエラストマーから形成されている。
【0065】
以上説明したように、載置台14では、複数の第1の弾性部材EM1によって冷却台34と基台50とが互いに離間されている。また、この載置台14では、基台50と吸着部52との接合に、接着剤が用いられていない。したがって、静電チャック36の温度を、250℃といった200℃を超える高温に設定することが可能である。また、複数の伝熱空間DSNに供給される伝熱ガスを介して静電チャック36と冷却台34との間の熱交換がなされ得るので、静電チャック36の温度を低温に設定することも可能である。また、この載置台14では、給電体40、冷却台34、及び締付部材70により、静電チャック36の基台50に対する高周波の給電ルートが確保されている。さらに、給電体40が、静電チャック36の基台50に直接接続されるのではなく、冷却台34に接続されるので、当該給電体40の構成材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金を採用することができる。したがって、13.56MHz以上の高い周波数の高周波が用いられる場合であっても、給電体40における高周波の損失が抑制される。
【0066】
また、上述したように、一実施形態では、締付部材70の環状部70bの内縁部下面と基台50の第2上面50eとの間には、第2の弾性部材74が設けられている。基台50の周縁部50bの第2上面50eと締付部材70の第2下面70dは、互いに接しているので、それらの接触箇所において摩擦が生じ、パーティクル(例えば、金属粉)が発生することがある。第2の弾性部材74は、このようなパーティクルが発生しても、吸着部52及び当該吸着部52上に載置される被加工物Wに、パーティクルが付着することを抑制し得る。
【0067】
また、複数の第1の弾性部材EM1は、これら複数の第1の弾性部材EM1が発生する反力が第2の弾性部材74が発生する反力よりも大きくなるように構成される。これにより、静電チャック36を冷却台34から確実に離間させることができる。
【0068】
また、一実施形態では、複数の第1の弾性部材EM1は、複数の伝熱空間DSNにHeガスが供給されているときの当該複数の伝熱空間DSNの熱抵抗よりも高い熱抵抗を有するように構成される。また、複数の第1の弾性部材EM1は、例えば、パーフロロエラストマーから形成される。これら複数の第1の弾性部材EM1によれば、静電チャック36と冷却台34との間では、複数の第1の弾性部材EM1を介した熱伝導よりも複数の伝熱空間DSNを介した熱伝導が優位となる。したがって、静電チャック36の温度分布が均一化され得る。
【0069】
また、一実施形態では、被加工物Wと吸着部52との間に供給される伝熱ガス用のガスライン90が接着剤を用いずに形成されている。また、このガスライン90を部分的に構成するスリーブ92が配置される収容空間を画成する基台50の面50fが皮膜94で覆われており、且つ、当該収容空間を封止するように皮膜94と冷却台34との間において絶縁性の第3の弾性部材96が設けられている。これにより、プラズマが基台50と冷却台34との間に侵入すること、及び、それに伴う基台50の絶縁破壊が抑制される。
【0070】
また、上述した載置台14を有する処理装置10によれば、80℃以下といった低い温度から、250℃といった200℃を超える高い温度までの温度帯において、被加工物Wに対するプラズマ処理を行うことができる。
【0071】
以下、処理装置10に採用され得る配管系PSについて説明する。図4は、一実施形態に係る配管系の構成を示す図である。図4に示す配管系PSは、複数のバルブを有している。配管系PSは、複数の伝熱空間DSNの各々に、ガスソースGS、チラーユニットTU、及び、排気装置VUを選択的に接続し、チラーユニットTUと流路34fとの接続と切断とを切り替えるように構成されている。以下、複数の伝熱空間DSNが、三つの伝熱空間(第1の伝熱空間DS1、第2の伝熱空間DS2、及び、第3の伝熱空間DS3)からなる実施形態について説明する。しかしながら、複数の伝熱空間DSNの個数は、静電チャック36の複数の領域RNの個数に対応した個数であれば、任意の個数であり得る。
【0072】
配管系PSは、配管L21、配管L22、バルブV21、及び、バルブV22を有している。配管L21の一端は、チラーユニットTUに接続されており、配管L21の他端は、流路34fに接続されている。配管L21の途中にはバルブV21が設けられている。配管L22の一端は、チラーユニットTUに接続されており、配管L22の他端は、流路34fに接続されている。配管L22の途中にはバルブV22が設けられている。バルブV21及びバルブV22が開かれると、チラーユニットTUから配管L21を介して流路34fに冷媒が供給される。流路34fに供給された冷媒は、配管L22を介してチラーユニットTUに戻される。
【0073】
また、配管系PSは、圧力調整器104a、配管L11a、配管L12a、配管L13a、配管L14a、配管L15a、配管L17a、配管L31a、配管L32a、バルブV11a、バルブV12a、バルブV13a、バルブV14a、バルブV15a、バルブV31a、及び、バルブV32aを更に有している。
【0074】
圧力調整器104aは、ガスソースGSに接続されている。圧力調整器104aには配管L11aの一端が接続されている。配管L11aの途中にはバルブV11aが設けられている。配管L15aの一端は、第1の伝熱空間DS1に接続されている。配管L15aの他端は、排気装置VUに接続されている。また、配管L15aの途中にはバルブV15aが設けられている。
【0075】
配管L11aの他端には、配管L12aの一端が接続されている。配管L12aの他端は、バルブV15aに対して第1の伝熱空間DS1の側で配管L15aに接続されている。配管L12aの途中には、バルブV12aが設けられている。配管L11aの他端には、配管L13aの一端及び配管L14aの一端が接続されている。配管L13aの途中にはバルブV13aが設けられており、配管L14aの途中にはバルブV14aが設けられている。配管L13aの他端及び配管L14aの他端は互いに接続している。配管L13aの他端と配管L14aの他端との接続点には、配管L17aの一端が接続している。配管L17aの他端は、配管L12aの他端よりもバルブV15aの近くで配管L15aに接続している。
【0076】
配管L31aの一端は、バルブV21に対してチラーユニットTUの側において配管L21に接続している。配管L31aの他端は第1の伝熱空間DS1に接続している。配管L31aの途中には、バルブV31aが設けられている。配管L32aの一端は、バルブV22に対してチラーユニットTUの側で配管L22に接続している。配管L32aの他端は第1の伝熱空間DS1に接続している。配管L32aの途中には、バルブV32aが設けられている。
【0077】
また、配管系PSは、圧力調整器104b、配管L11b、配管L12b、配管L13b、配管L14b、配管L15b、配管L17b、配管L31b、配管L32b、バルブV11b、バルブV12b、バルブV13b、バルブV14b、バルブV15b、バルブV31b、及び、バルブV32bを更に有している。
【0078】
圧力調整器104bは、ガスソースGSに接続されている。圧力調整器104bには配管L11bの一端が接続されている。配管L11bの途中にはバルブV11bが設けられている。配管L15bの一端は、第2の伝熱空間DS2に接続されている。配管L15bの他端は、排気装置VUに接続されている。また、配管L15bの途中にはバルブV15bが設けられている。
【0079】
配管L11bの他端には、配管L12bの一端が接続されている。配管L12bの他端は、バルブV15bに対して第2の伝熱空間DS2の側で配管L15bに接続されている。配管L12bの途中には、バルブV12bが設けられている。配管L11bの他端には、配管L13bの一端及び配管L14bの一端が接続されている。配管L13bの途中にはバルブV13bが設けられており、配管L14bの途中にはバルブV14bが設けられている。配管L13bの他端及び配管L14bの他端は互いに接続している。配管L13bの他端と配管L14bの他端の接続点には、配管L17bの一端が接続している。配管L17bの他端は、配管L12bの他端よりもバルブV15bの近くで配管L15bに接続している。
【0080】
配管L31bの一端は、バルブV21に対してチラーユニットTUの側において配管L21に接続している。配管L31bの他端は第2の伝熱空間DS2に接続している。配管L31bの途中には、バルブV31bが設けられている。配管L32bの一端は、バルブV22に対してチラーユニットTUの側において配管L22に接続している。配管L32bの他端は第2の伝熱空間DS2に接続している。配管L32bの途中には、バルブV32bが設けられている。
【0081】
また、配管系PSは、圧力調整器104c、配管L11c、配管L12c、配管L13c、配管L14c、配管L15c、配管L17c、配管L31c、配管L32c、バルブV11c、バルブV12c、バルブV13c、バルブV14c、バルブV15c、バルブV31c、及び、バルブV32cを更に有している。
【0082】
圧力調整器104cは、ガスソースGSに接続されている。圧力調整器104cには配管L11cの一端が接続されている。配管L11cの途中にはバルブV11cが設けられている。配管L15cの一端は、第3の伝熱空間DS3に接続されている。配管L15cの他端は、排気装置VUに接続されている。また、配管L15cの途中にはバルブV15cが設けられている。
【0083】
配管L11cの他端には、配管L12cの一端が接続されている。配管L12cの他端は、バルブV15cに対して第3の伝熱空間DS3の側で配管L15cに接続されている。配管L12cの途中には、バルブV12cが設けられている。配管L11cの他端には、配管L13cの一端及び配管L14cの一端が接続されている。配管L13cの途中にはバルブV13cが設けられており、配管L14cの途中にはバルブV14cが設けられている。配管L13cの他端及び配管L14cの他端は互いに接続している。配管L13cの他端と配管L14cの他端の接続点には、配管L17cの一端が接続している。配管L17cの他端は、配管L12cの他端よりもバルブV15cの近くで配管L15cに接続している。
【0084】
配管L31cの一端は、バルブV21に対してチラーユニットTUの側において配管L21に接続している。配管L31cの他端は第3の伝熱空間DS3に接続している。配管L31cの途中には、バルブV31cが設けられている。配管L32cの一端は、バルブV22に対してチラーユニットTUの側において配管L22に接続している。配管L32cの他端は第3の伝熱空間DS3に接続している。配管L32cの途中には、バルブV32cが設けられている。
【0085】
配管系PSの複数のバルブの開閉は、制御部MCUによって制御される。また、上述したようにヒータ電源62も、制御部MCUによって制御される。制御部MCUによる配管系PSの複数のバルブ及びヒータ電源62の制御には、複数のモードがある。以下、図5図13を参照して、複数のモードそれぞれにおける配管系PSの複数のバルブの制御及びヒータ電源62の制御について説明する。図5図13は、複数のモードそれぞれにおける配管系の状態を例示する図である。図5図13においてバルブを示す黒塗りの図形は、そのバルブが閉じられていることを示しており、バルブを示す白抜きの図形は、そのバルブが開かれていることを示している。また、以下の説明では図14図19も参照する。図14図18は、静電チャックの温度分布を例示する図である。図19は、静電チャックの温度の時間変化を例示する図である。図14図18において、横軸は、静電チャック36の吸着部52の半径上の各位置と当該吸着部52の中心との間の距離を示しており、縦軸は吸着部52の各位置の温度を示している。なお、図14図18では、被加工物Wの直径が300mmであることを想定し、吸着部52の中心を基準とした半径上で150mmまでの間の各位置の温度が示されている。また、図19において、横軸は時間であり、縦軸は吸着部52の温度を示している。図19には、静電チャック36の吸着部52の中心の温度の時間変化とエッジの温度の時間変化が示されている。
【0086】
図5に示すように、第1のモードでは、複数のヒータHNに電力を供給するよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第1のモードでは、複数のヒータHNには、当該複数のヒータHNが略同等の発熱量で発熱するように、電力が供給され得る。また、第1のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間DSNをガスソースGSに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。図5に示す配管系PSの例では、第1のモードにおいて、バルブV11a、バルブV12a、バルブV14a、バルブV11b、バルブV12b、バルブV14b、バルブV11c、バルブV12c、バルブV14c、バルブV21、及び、バルブV22が開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第1のモードの制御によれば、複数のヒータHNが発熱し、複数の伝熱空間DSNに伝熱ガスが供給され、流路34fに冷媒が供給される。これにより、図14に示すように、静電チャック36の吸着部52の温度は比較的高温になり、また、静電チャック36の径方向における温度分布は略一定になる。
【0087】
図6に示すように、第2のモードでは、第1のヒータ56の発熱量及び第2のヒータ57の発熱量が第3のヒータ58の発熱量よりも大きくなるよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第2のモードでは、第1のヒータ56には、第1のモードにおいて第1のヒータ56に供給される電力と同等の電力が供給され、第2のヒータ57には、第1のモードにおいて第2のヒータ57に供給される電力と同等の電力が供給され得る。第2のモードでは、第3のヒータ58に電力が供給されなくてもよい。また、第2のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、第1の伝熱空間DS1及び第2の伝熱空間DS2をガスソースGSに接続し、第3の伝熱空間を前記チラーユニットに接続するよう複数のバルブが制御される。図6に示す配管系PSの例では、第2のモードにおいて、バルブV11a、バルブV12a、バルブV14a、バルブV11b、バルブV12b、バルブV14b、バルブV21、バルブV22、バルブV31c、及び、バルブV32cが開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第2のモードの制御によれば、第1のヒータ56の発熱量及び第2のヒータ57の発熱量が第3のヒータ58の発熱量よりも大きくなり、第1の伝熱空間DS1及び第2の伝熱空間DS2に伝熱ガスが供給され、第3の伝熱空間DS3及び流路34fに冷媒が供給される。これにより、図15に示すように、静電チャック36の吸着部52の温度は比較的高温になり、また、静電チャック36の径方向における温度分布は、中心からエッジに近付くにつれて温度が緩やかに低下する温度分布となる。
【0088】
図7に示すように、第3のモードでは、第2のヒータ57の発熱量が第1のヒータ56の発熱量よりも大きくなり、第1のヒータ56の発熱量が第3のヒータ58の発熱量よりも大きくなるよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第3のモードでは、第1のヒータ56には、第1のモードにおいて第1のヒータ56に供給される電力と同等の電力が供給され得る。第3のモードでは、第3のヒータ58に電力が供給されなくてもよい。また、第3のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、第1の伝熱空間DS1及び第2の伝熱空間DS2をガスソースGSに接続し、第3の伝熱空間DS3をチラーユニットTUに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。図7に示す配管系PSの例では、第3のモードにおいて、バルブV11a、バルブV12a、バルブV14a、バルブV11b、バルブV12b、バルブV14b、バルブV21、バルブV22、バルブV31c、及び、バルブV32cが開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第3のモードの制御によれば、第2のヒータ57の発熱量が第1のヒータ56の発熱量よりも大きくなり、第1のヒータ56の発熱量が第3のヒータ58の発熱量よりも大きくなり、第1の伝熱空間DS1及び第2の伝熱空間DS2に伝熱ガスが供給され、第3の伝熱空間DS3及び流路34fに冷媒が供給される。これにより、図16に示すように、静電チャック36の吸着部52の温度は比較的高温になり、また、静電チャック36の径方向における温度分布は、エッジを含む領域において急激に温度が低下する温度分布となる。
【0089】
図8に示すように、第4のモードでは、複数のヒータHNに電力を供給するよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第4のモードでは、第1のヒータ56には、第1のモードにおいて第1のヒータ56に供給される電力と同等の電力が供給され、第2のヒータ57には、第1のモードにおいて第2のヒータ57に供給される電力と同等の電力が供給され、第3のヒータ58には、第1のモードにおいて第3のヒータ58に供給される電力と同等の電力が供給され得る。また、第4のモードでは、複数の伝熱空間DSNをチラーユニットTUに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。なお、第4のモードでは、冷媒は、流路34fに供給されなくてもよく、流路34fに供給されてもよい。図8に示す配管系PSの例では、第4のモードにおいて、バルブV31a、バルブV32a、バルブV31b、バルブV32b、バルブV31c、及び、バルブV32cが開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第4のモードの制御によれば、複数のヒータHNが発熱し、複数の伝熱空間DSNに冷媒が供給される。これにより、図17に示すように、静電チャック36の吸着部52の温度は比較的低温になり、また、静電チャック36の径方向における温度分布は、略一定になる。
【0090】
図9に示すように、第5のモードでは、第1のヒータ56の発熱量及び第2のヒータ57の発熱量が第3のヒータ58の発熱量よりも大きくなるよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第のモードでは、第1のヒータ56には、第1のモードにおいて第1のヒータ56に供給される電力と同等の電力が供給され、第2のヒータ57には、第1のモードにおいて第2のヒータ57に供給される電力と同等の電力が供給され得る。第5のモードでは、第3のヒータ58に電力が供給されなくてもよい。また、第5のモードでは、複数の伝熱空間DSNをチラーユニットTUに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。なお、第5のモードでは、冷媒は、流路34fに供給されなくてもよく、流路34fに供給されてもよい。図9に示す配管系PSの例では、第5のモードにおいて、バルブV31a、バルブV32a、バルブV31b、バルブV32b、バルブV31c、及び、バルブV32cが開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第5のモードの制御によれば、第1のヒータ56の発熱量及び第2のヒータ57の発熱量が第3のヒータ58の発熱量よりも大きくなり、複数の伝熱空間DSNに冷媒が供給される。これにより、図18に示すように、静電チャック36の吸着部52の温度は比較的低温になり、また、静電チャック36の径方向における温度分布は、中心からエッジに近付くにつれて温度が緩やかに低下する温度分布となる。
【0091】
図10に示すように、第6のモードでは、複数のヒータHNに電力を供給するよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第6のモードでは、複数のヒータHNの発熱量が、第1のモードにおける複数のヒータHNの発熱量よも高い発熱量となるようにヒータ電源62が制御される。また、第6のモードでは、複数のヒータHNには、当該複数のヒータHNが略同等の発熱量で発熱するように、電力が供給され得る。また、第6のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間DSNをガスソースGSに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。図10に示す配管系PSの例では、第6のモードにおいて、バルブV11a、バルブV12a、バルブV14a、バルブV11b、バルブV12b、バルブV14b、バルブV11c、バルブV12c、バルブV14c、バルブV21、及び、バルブV22が開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第6のモードの制御によれば、複数のヒータHNが発熱し、複数の伝熱空間DSNに伝熱ガスが供給され、流路34fに冷媒が供給される。これにより、図19に示す期間T1における静電チャック36の吸着部52の温度の時間変化のように、静電チャック36の吸着部52は比較的低速で昇温される。したがって、第6のモードの制御によれば、比較的低い昇温レートで、静電チャック36の吸着部52の温度を上昇させることが可能となる。
【0092】
図11に示すように、第7のモードでは、複数のヒータHNに電力を供給するよう、ヒータ電源62が制御される。なお、第7のモードでは、複数のヒータHNに、第6のモードにおいて複数のヒータHNに供給される電力と略同等の電力が供給される。また、第7のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間DSNを排気装置VUに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。図11に示す配管系PSの例では、第7のモードにおいて、バルブV15a、バルブV15b、バルブV15c、バルブV21、及び、バルブV22が開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第7のモードの制御によれば、複数のヒータHNが発熱し、複数の伝熱空間DSNの圧力が減圧され、流路34fに冷媒が供給される。これにより、図19に示す期間T4における静電チャック36の吸着部52の温度の時間変化のように、静電チャック36の吸着部52は比較的高速で昇温される。したがって、第7のモードの制御によれば、比較的高い昇温レートで、静電チャック36の吸着部52の温度を上昇させることが可能となる。
【0093】
図12に示すように、第8のモードでは、複数のヒータHNへの電力の供給を停止するよう、ヒータ電源62が制御される。また、第8のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間DSNをガスソースGSに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。図12に示す配管系PSの例では、第8のモードにおいて、バルブV11a、バルブV12a、バルブV14a、バルブV11b、バルブV12b、バルブV14b、バルブV11c、バルブV12c、バルブV14c、バルブV21、及び、バルブV22が開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第8のモードの制御によれば、複数のヒータHNは発熱せず、複数の伝熱空間DSNに伝熱ガスが供給され、流路34fに冷媒が供給される。これにより、図19に示す期間T3における静電チャック36の吸着部52の温度の時間変化のように、静電チャック36の吸着部52は比較的低速で降温される。したがって、第8のモードの制御によれば、比較的低い降温レートで、静電チャック36の吸着部52の温度を低下させることが可能となる。
【0094】
図13に示すように、第9のモードでは、複数のヒータHNへの電力の供給を停止するよう、ヒータ電源62が制御される。また、第9のモードでは、流路34fとチラーユニットTUとの間で冷媒を循環し、複数の伝熱空間DSNをチラーユニットTUに接続するよう、配管系PSの複数のバルブが制御される。図1に示す配管系PSの例では、第9のモードにおいて、バルブV21、バルブV22、バルブV31a、バルブV32a、バルブV31b、バルブV32b、バルブV31c、及び、バルブV32cが開かれ、配管系PSの複数のバルブのうち他のバルブは閉じられる。第9のモードの制御によれば、複数のヒータHNは発熱せず、複数の伝熱空間DSNに冷媒が供給され、流路34fにも冷媒が供給される。これにより、図19に示す期間T5における静電チャック36の吸着部52の温度の時間変化のように、静電チャック36の吸着部52は比較的高速で降温される。したがって、第9のモードの制御によれば、比較的高い降温レートで、静電チャック36の吸着部52の温度を低下させることが可能となる。
【0095】
図19に示す静電チャック36の吸着部52の温度の時間変化では、期間T1と期間T3との間の期間T2において、上述した第1のモードの制御が利用されている。また、期間T6において、上述した第2のモード又は第3のモードの制御が利用されている。また、期間T7においては上述した第4のモードの制御が利用され、期間T8においては上述した第5のモードの制御が利用されている。なお、図19に示した静電チャック36の吸着部52の温度の時間変化を得るための制御部MCUによる制御のモードの系列は単に例示のためのものである。制御部MCUは、吸着部52の温度を昇温する際には、第6のモード又は第7のモードを選択し、吸着部52の温度を降温する際には、第8のモード又は第9のモードを選択することができる。また、制御部MCUは、吸着部52の温度が比較的高くなっているときに、第1〜第3のモードのうち何れかを選択することができ、吸着部52の温度が比較的低くなっているときに、第4のモード又は第5のモードを選択することができる。
【0096】
以下、別の実施形態に係る配管系ついて説明する。図20は、別の実施形態に係る配管系の構成を示す図である。図20に示す配管系PSAは、配管系PSに代えて処理装置10に採用することができる配管系である。配管系PSAは、バルブV18a、バルブV18b、バルブV18c、タンクTa、タンクTb、タンクTc、配管L33、バルブV23,タンクTd、及び、バルブV24を更に備える点において、配管系PSと異なっている。
【0097】
タンクTaは、配管L17aと配管L15aの接続点と配管L12aと配管L15aの接続点との間において、配管L15aに設けられている。バルブV18aは、配管L12aと配管L15aの接続点とタンクTaとの間において配管L15aに設けられている。タンクTbは、配管L17bと配管L15bの接続点と配管L12bと配管L15bの接続点との間において、配管L15bに設けられている。バルブV18bは、配管L12bと配管L15bの接続点とタンクTbとの間において配管L15bに設けられている。タンクTcは、配管L17cと配管L15cの接続点と配管L12cと配管L15cの接続点との間において、配管L15cに設けられている。バルブV18cは、配管L12cと配管L15cの接続点とタンクTcとの間において配管L15cに設けられている。
【0098】
配管L33は、配管L32aに接続されている。配管L33には、排気装置VU2が接続されている。バルブ23及びバルブV24は、配管L33に設けられている。タンクTdは、バルブV23とバルブV24との間に設けられている。
【0099】
上述したように、配管系PSでは、その気化によって吸熱し冷却を行う冷媒を使用することが可能である。この冷媒は、複数の伝熱空間DSN内において気化するので、排気装置VUによって排気することが可能である。しかしながら、液状冷媒を排気装置VUに流すことはできないので、配管系PSでは液状冷媒を使用することができない。
【0100】
一方、配管系PSAでは、処理装置10の使用温度範囲、例えば20℃以上250℃以下の温度帯域において液体である液状冷媒を使用することが可能である。配管系PSAでは、バルブV11a、バルブV12a、バルブV13a、及び、バルブV14aを閉じて、バルブV15a及びバルブV18aを開くことにより、第1の伝熱空間DS1から排出される液状冷媒を、タンクTaに溜めることができる。また、バルブV11b、バルブV12b、バルブV13b、及び、バルブV14bを閉じて、バルブV15b及びバルブV18bを開くことにより、第2の伝熱空間DS2から排出された液状冷媒を、タンクTbに溜めることができる。また、バルブV11c、バルブV12c、バルブV13c、及び、バルブV14cを閉じて、バルブV15c及びバルブV18cを開くことにより、第3の伝熱空間DS3から排出された液状冷媒を、タンクTcに溜めることができる。さらに、バルブV21、バルブV22、バルブV31a、バルブV31b、及び、バルブV31cを閉じて、バルブV32a、バルブV32b、バルブV32c、バルブV23、及び、バルブV24を開くことにより、第1の伝熱空間DS1から排出された液状冷媒、第2の伝熱空間DS2から排出された液状冷媒、及び、第3の伝熱空間DS3から排出された液状冷媒を、タンクTdに溜めることができる。
【0101】
以上説明した処理装置10では、複数の伝熱空間DSNの各々が減圧されるか、複数の伝熱空間DSNの各々に伝熱ガスが供給されるか、或いは、複数の伝熱空間DSNの各々にチラーユニットからの冷媒が供給され得る。したがって、冷却台34と静電チャック36との間の熱抵抗が変更され得る。故に、静電チャック36(吸着部52)に設定可能な温度の範囲が広い。また、設定可能な静電チャック36(吸着部52)の昇温レートの範囲、及び、設定可能な静電チャック36(吸着部52)の降温レートの範囲も広い。また、複数の伝熱空間DSNの熱抵抗に差を与えることにより、径方向において大きく変化する温度分布を静電チャック36(吸着部52)に設定することが可能となる。また、複数の伝熱空間DSNそれぞれの熱抵抗を調整することができるので、静電チャック36(吸着部52)に種々の温度分布を設定することが可能である。例えば、径方向において急峻に変化する温度分布、径方向において緩やかに変化する温度分布、或いは、径方向において略一定の温度分布を静電チャック36(吸着部52)に設けることが可能である。さらに、冷却台34と静電チャック36との間の熱抵抗を大きくすることが可能であるので、複数のヒータHNに与える電力を低減することが可能である。
【0102】
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、高周波電源42は、整合器46を介して上部電極16に接続されていてもよい。また、処理装置10は、容量結合型のプラズマ処理装置以外の任意のプラズマ処理装置、例えば、誘導結合型のプラズマ処理装置、マイクロ波といった表面波をプラズマの生成に利用するプラズマ処理装置、或いは、被加工物Wを処理する他の処理装置であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
10…処理装置、12…チャンバ本体、14…載置台、34…冷却台、36…静電チャック、50…基台、52…吸着部、RN…領域、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域、HN…ヒータ、56…第1のヒータ、57…第2のヒータ、58…第3のヒータ、62…ヒータ電源、DSN…伝熱空間、DS1…第1の伝熱空間、DS2…第2の伝熱空間、DS3…第3の伝熱空間、PS…配管系、GS…ガスソース、VU…排気装置、TU…チラーユニット、MCU…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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