(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間にある側面と、を有する透光性部材と、前記側面の一部に配置される第1光反射部材と、前記第1の面の周囲に位置し、前記側面の他の一部と前記第1光反射部材の上面とに配置される被覆部材と、を準備する工程と、
前記被覆部材に対する濡れ性が、前記第1光反射部材に対する濡れ性よりも悪い接合部材を用いて、発光素子を前記第1の面に接合する工程と、
を含む発光装置の製造方法。
前記被覆部材がポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成され、前記接合部材がシリコーン樹脂から形成される請求項1に記載の発光装置の製造方法。
第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間にある側面と、を有する透光性部材と、前記側面の一部に配置される第1光反射部材と、前記第1の面の周囲に位置し、前記側面の他の一部と前記第1光反射部材の上面とに配置され、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成される被覆部材と、を準備する工程と、
シリコーン樹脂から形成される接合部材を用いて、発光素子を前記第1の面に接合する工程と、
を含む発光装置の製造方法。
前記発光素子は複数有り、前記第2光反射部材を形成する工程の後に、前記発光素子と隣接する前記発光素子の間の前記第1光反射部材及び前記第2光反射部材を切断する工程を含む請求項5に記載の発光装置の製造方法。
第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、を有する透光性部材と、前記第1の面の少なくとも一部が露出されるように前記第1の面を覆う被覆部材と、を準備する工程と、
前記被覆部材に対する濡れ性が、前記透光性部材に対する濡れ性よりも悪い接合部材を用いて、発光素子と露出された前記第1の面とを接合する工程と、
前記被覆部材を除去する工程と、
前記発光素子の側面と、前記透光性部材と、前記接合部材と、を覆う第2光反射部材を形成する工程と、
を含む発光装置の製造方法。
前記被覆部材がポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成され、前記接合部材がシリコーン樹脂から形成される請求項7に記載の発光装置の製造方法。
第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、を有する透光性部材と、前記第1の面の少なくとも一部が露出されるように前記第1の面を覆い、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成される被覆部材と、を準備する工程と、
シリコーン樹脂からなる接合部材を用いて、発光素子を前記第1の面に接合する工程と、
前記被覆部材を除去する工程と、
前記発光素子の側面と、前記透光性部材と、前記接合部材と、を覆う第2光反射部材を形成する工程と、
を含む発光装置の製造方法。
前記発光素子は複数有り、前記第2光反射部材を形成する工程の後に、前記発光素子と隣接する前記発光素子の間の前記透光性部材及び前記第2光反射部材を切断する工程を含む請求項7〜9いずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、および、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
【0009】
<発光装置の製造方法1>
図1〜
図9を参照しながら、本実施の形態に係る発光装置1000の製造方法について説明する。尚、第1光反射部材10及び被覆部材20は耐熱性シート等からなる支持部材30上に載置されている。
【0010】
工程1−1.透光性部材と、第1光反射部材と、被覆部材と、を準備する
図1(b)に示すように、第1の面401と、第1の面401の裏面である第2の面402と、第1の面401と第2の面402との間にある側面403と、を有する透光性部材40と、透光性部材40の側面403の一部に配置される第1光反射部材10と、第1の面401の周囲に位置し、透光性部材40の側面403の他の一部と第1光反射部材10の上面とに配置される被覆部材20と、を準備する。
【0011】
言い換えると、
図1(a)に示すように、第1光反射部材10は貫通孔を有し、第1光反射部材10の貫通孔内に透光性部材40が配置される。尚、第1の面401側である透光性部材40の側面の少なくとも一部には第1光反射部材10は配置されない。そして、第1光反射部材10が配置されていない透光性部材の側面403に被覆部材20が配置される。このような透光性部材40と、第1光反射部材10と、被覆部材20と、を準備する。
【0012】
更に言い換えると、被覆部材20の一面と第1光反射部材10の一面とが接して配置される。そして、第1光反射部材10と、被覆部材20と、を貫通する貫通孔を有し、透光性部材40が貫通孔内に配置される。つまり、透光性部材40の側面403には、第1光反射部材10及び被覆部材20が配置される。尚、第1の面401側の透光性部材40の側面403には被覆部材20が配置され、第2の面402側の透光性部材40の側面403には第1光反射部材10が配置される。このような透光性部材40と、第1光反射部材10と、被覆部材20と、を準備する。
【0013】
工程1−1−1.第1光反射部材及び被覆部材の貫通孔内に透光性部材を配置する
図1(b)に示す透光性部材40と、第1光反射部材10と、被覆部材20と、を準備する工程の一例について示す。透光性部材40とは後述する発光素子の光取り出し面と接合部材を介して接合される部材であり、発光素子から発する光を透過する材料により形成される。透光性部材40の材料としては、特に硬化前が液体状である樹脂材料が好ましい。透光性部材40の硬化前が液体状の場合には、
図2(a)に示すように、まず支持部材30上に貫通孔105が形成された第1光反射部材10及び被覆部材20を準備する。
【0014】
貫通孔105を有する第1光反射部材10及び被覆部材20を準備する時は、まず貫通孔105を有していない第1光反射部材10と貫通孔105を有していない被覆部材20とを貼り合わせることが好ましい。尚、第1光反射部材10の形状は板状又はシート状であることが好ましい。板状又はシート状であれば、凹凸がほとんどないので第1光反射部材10と被覆部材20とを貼り合わせやすくなる。また後述する個片化工程により個片化された発光装置の形状をほぼ同一にすることもできる。また、被覆部材20の形状も板状又はシート状であることが好ましい。このようにすることで更に第1光反射部材10と被覆部材20とを貼り合わせやすくなる。
【0015】
次に、貼り合わせた第1光反射部材10と被覆部材20とを貫通する貫通孔105を形成する。例えば、パンチングにより貫通孔105を形成する場合には、パンチングにより1度に第1光反射部材10と被覆部材20とを貫通する貫通孔105を形成することが好ましい。尚、パンチング以外のレーザー光の照射等で貫通孔105を形成する場合でも、1度に第1光反射部材10と被覆部材20とを貫通する貫通孔105を形成することが好ましい。このようにすることで、第1光反射部材10の貫通孔と、被覆部材20の貫通孔との平面視における位置ズレを小さくすることができる。また第1光反射部材10の貫通孔及び被覆部材20の貫通孔を同じ工程で形成するので工程数を削減することもできる。
【0016】
尚、貫通孔を有する第1光反射部材10と貫通孔を有する被覆部材20とを別々に準備してもよい。そして、第1光反射部材10の貫通孔と被覆部材20の貫通孔とが繋がるように第1光反射部材と被覆部材20とを貼り合わせることで、
図2(a)に示す貫通孔105を有する第1光反射部材10及び被覆部材20を準備してもよい。
【0017】
第1光反射部材10の貫通孔及び被覆部材の貫通孔を形成する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば、パンチング、エッチング、ブラスト、レーザー光の照射等が挙げられる。
【0018】
また、貫通孔105を有する第1光反射部材10を、金型を使った圧縮成形やトランスファー成形、射出成形で形成してもよい。このように形成することで、第1光反射部材10の貫通孔の形状のばらつきを防ぐことができる。
【0019】
次に
図2(b)に示すように、貫通孔105内に液体状の透光性部材40を配置し、透光性部材40を硬化して形成することが好ましい。このようにすることで、透光性部材40の形状を貫通孔105の形状と略同形状にできるので形状のバラつきを抑制することができる。特に、透光性部材40の材料が熱硬化性樹脂の場合は貫通孔内に複数配置された硬化前の透光性部材40に熱を加えることで複数を同時に硬化し、形成することができる。
【0020】
各貫通孔105内に、透光性部材40を配置する方法としては、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば、印刷、ポッティング等が挙げられる。
【0021】
工程1−1−2.第1光反射部材及び/又は透光性部材の上面に貫通孔を有する被覆部材を配置する
次に
図1(b)に示す透光性部材40と、第1光反射部材10と、被覆部材20と、を準備する工程の別の一例について示す。
図3(a)に示すように、支持部材30上に形成された貫通孔を有する第1光反射部材10と、第1光反射部材10の貫通孔内に配置された透光性部材40とを準備する。透光性部材40の形成方法をしては、上述のように第1光反射部材10の貫通孔内に液体状の透光性部材40を注入し、透光性部材40を硬化して形成してもよい。
【0022】
そして、
図3(b)に示すように、被覆部材20を第1光反射部材10の上面に配置する。被覆部材20の配置方法としては、被覆部材20が接着性を有する場合には第1光反射部材10の上面と貼り合わせることにより配置してもよい。また、印刷やスプレー等により被覆部材20を第1光反射部材10の上面に形成することにより配置してもよい。このようにすることで、透光性部材40の第1の面401と被覆部材20の上面とに段差が生じるので、後述する接合部材が広がる時に段差により広がりを更に抑制することができる。また、
図3(b)に示すように、平面視における被覆部材20の形状は第1光反射部材10と同じでもよい。後述する接合部材は透光性部材40上を広がり形成されるので、平面視における透光性部材40と接合部材の大きさをほぼ同一にできる。これにより、接合部材が第1光反射部材の上面まで形成される場合よりも光の取り出し効率を上げることができる。
【0023】
また、
図3(c)に示すように、被覆部材20が第1光反射部材10の上面及び透光性部材40の第1の面401の一部を覆ってもよい。このようにすることで、更に光の取り出し効率を上げるために透光性部材40を大きくしても、被覆部材20により、接合部材がx、y方向に広がることを抑制できる。
【0024】
図3(d)に示すように、被覆部材20が第1光反射部材10の上面の一部のみを覆ってもよい。このようにすることで、平面視における透光性部材40の面積を発光素子の外縁よりも小さくしても、接合部材が透光性部材40の第1の面401及び第1光反射部材10の上面まで広がるので、接合強度を高めながら見切り性の高い発光装置を提供できる。そして、被覆部材20があることで第1光反射部材10の上面に広がる接合部材の面積を抑制できる。
【0025】
変形例1.工程1−1で準備する透光性部材と、第1光反射部材と、被覆部材と、の変形例
次に
図1(b)に示す透光性部材40と、第1光反射部材10と、被覆部材20と、の変形例について示す。まず、発光装置を薄型化する場合は
図2(b)のCt1−Ct1線(破線)より上側を除去して
図4(a)に示すように薄型化してもよい。つまり、第1光反射部材10及び透光性部材40の一部を除去し、z方向の厚みを薄くしてもよい。
【0026】
また、
図4(b)に示すように、透光性部材40に発光素子からの光を吸収して発光素子からの出力光とは異なる波長の光を発する波長変換部材41を含有させてもよい。波長変換部材41があることで、発光素子から発する光の波長を変換させることができる。これにより、様々な色度の光を得ることができる。例えば、青色を発する発光素子に、波長変換部材41として黄色蛍光体を使用してもよい。このようにすることで発光素子から発する青色光と、発光素子から発する青色光で励起された波長変換部材41から発する黄色光との混色で白色光を得ることができる。
【0027】
図4(b)に示すように透光性部材40に発光素子からの光を拡散させる光拡散材42を含有させてもよい。発光素子から出射された光が光拡散材42によって透光性部材40中に拡散されることにより、輝度ムラを抑制することができる。
【0028】
尚、透光性部材40に波長変換部材41と光拡散材42とを両方含有させてもよいし、単独で含有させてもよい。透光性部材40に波長変換部材及び/又は光拡散材をそれぞれ2種類以上含有させてもよい
【0029】
尚、透光性部材40の平面視における形状は円、楕円、半円、半楕円等のような曲線を含む形状や、三角形、四角形等の多角形、T及びL等の変則的な形等の任意の形状でよい。
【0030】
工程1−2.発光素子と透光性部材とを接合する工程
図5(a)に示すように、硬化前の接合部材60を透光性部材40の第1の面401上に配置する。接合部材60を配置する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えばポッティング、印刷、転写、スプレー等が挙げられる。次に
図5(b)に示すように、発光素子50を硬化前の接合部材60の上に配置する、もしくは配置した上で発光素子50を押圧し、その後に硬化することで接合部材60を形成する。つまり、接合部材60を介して発光素子50と、透光性部材40の第1の面401とを接合する。
【0031】
尚、透光性部材40と第1光反射部材10と被覆部材20とを準備する工程において
図2(b)に示すように、支持部材30と被覆部材20とが対面するように配置されている場合は、
図5(a)に示すように、透光性部材40と第1光反射部材10と被覆部材20との上下の向きを変える。つまり、被覆部材20が上面に配置されるようにする。この時、透光性部材40と第1光反射部材10と被覆部材20との上下の向きを変える前後で支持部材30を別の支持部材に変えてもよい。
【0032】
また、被覆部材20に対する濡れ性が、第1光反射部材10に対する濡れ性よりも悪い接合部材60を用いることが好ましい。本明細書において、濡れ性が悪いとは接触角が大きいことを意味する。つまり、被覆部材20に対する濡れ性が、第1光反射部材10に対する濡れ性よりも悪い接合部材60とは、硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角が、硬化前の接合部材60と第1光反射部材10との接触角よりも大きいことを意味する。尚、硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角とは、硬化前の接合部材60と被覆部材20と空気とが接する部位から、硬化前の接合部材60の曲面に接線を引いたとき、この接線と被覆部材20の表面がなす角度である。また、硬化前の接合部材60と第1光反射部材10との接触角とは、硬化前の接合部材60と第1光反射部材10と空気とが接する部位から、硬化前の接合部材60の曲面に接線を引いたとき、この接線と被覆部材20の表面がなす角度である。尚、本明細書の接触角とは発光素子50と透光性部材40とを接合する時の温度である20℃〜35℃において静滴法によって測定した値を指す。
【0033】
硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角と、硬化前の接合部材60と第1光反射部材10との接触角との差は特に限定されるものではないが、硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角が硬化前の接合部材60と第1光反射部材10との接触角よりも10°以上大きい方が好ましく、20°以上大きい方がより好ましく、30°以上大きい方が更に好ましい。
【0034】
このようにすることで、被覆部材20がない場合に接合部材60が第1光反射部材10上を広がる面積よりも、接合部材60が被覆部材20上を広がる面積を小さくすることができる。つまり、被覆部材20があることで接合部材60の広がりを抑制できる。接合部材60の広がりが抑制されているので、発光素子の実装位置がずれることを抑制することができる。
【0035】
また、接合部材60がシリコーン樹脂からなる場合は、被覆部材20がシリコーン樹脂に対して濡れ性の悪い材料であるポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成されることが好ましい。被覆部材20の材料を選定することでも、接合部材60が被覆部材20上を広がることを抑制することができる。接合部材60の広がりが抑制されているので、発光素子50の実装位置がずれることを抑制することができる。
【0036】
接合部材60及び第1光反射部材10がシリコーン樹脂を含む場合には、更に被覆部材20が上述したシリコーン樹脂に対して濡れ性の悪い材料で形成されることが好ましい。接合部材60及び第1光反射部材10がシリコーン樹脂を含むので、接合部材60が被覆部材20上を広がる面積よりも、被覆部材20がない場合に接合部材60が第1光反射部材10上を広がる面積が大きくなる。つまり、シリコーン樹脂に対して濡れ性の悪い被覆部材20があることで接合部材60の広がりを更に抑制できる。尚、本明細書において濡れ性が悪いとは、接触角が90°以上であることを指す。
【0037】
また、接合部材60の量を調整して、
図5(b)に示すように、被覆部材20の上面に接合部材60が形成されない量に制御してもよい。尚、接合部材60の濡れ性が、第1光反射部材10よりも被覆部材20のほうが悪いので接合部材60が被覆部材20の上面に形成されにくくなっている。また、
図5(c)に示すように接合部材60が被覆部材20の上面に形成されてもよい。
図5(c)に示すように接合部材60が被覆部材20の上面に形成されても接合部材60の広がりを抑制しているので、平面視における接合部材の面積を小さくできる。
【0038】
また、発光素子50を接合部材60の上に配置してから、発光素子50を押圧する際に接合部材60が発光素子50の側面を這い上がるように接合部材60の粘度や量の調整することが好ましい。このようにすることで、
図5(b)、
図5(c)に示すように接合部材60が発光素子50の側面503を覆い下向きに拡がった形状になる。言い換えると、後述する発光素子50の電極形成面502(上面)から光取り出し面501(下面)に向かって接合部材60の断面積が大きい。接合部材60は発光素子50と透光性部材40とを接合するだけでなく、発光素子50から発する光が接合部材60を通るので、接合部材60を発光素子50の側面503を覆い発光素子50の電極形成面502(上面)から光取り出し面501(下面)に向かって拡がった形状にすることで発光素子から発する光の取り出しを向上させることができる。
【0039】
発光素子50は、透光性基板51と、透光性基板51の上面側に形成された半導体積層体52と、を含む。発光素子50は、透光性基板51側の光取り出し面501(下面)と、光取り出し面の裏面である電極形成面502(上面)と、電極形成面502(上面)に一対の電極53、54と、を有する。一対の電極を構成する2つの電極53、54の各々は、任意の形状にすることができる。発光素子50の光取り出し面501と、透光性部材40の第1の面401と、は接合部材60を介して接合される。
【0040】
尚、発光素子50の光取り出し面501とは、発光素子50を基体に実装する場合に、発光素子50において基体と対面する面と反対側の面を示す。言い換えると、発光素子50をフェイスダウン実装する場合は、発光素子50の電極を有する面の反対側の面を示す。また、発光素子50をフェイスアップ実装する場合は、発光素子50の電極を有する面を示す。また、電極を有する面を電極形成面とする。また、本明細書において、発光素子50の「電極形成面」は、電極53、54を含まない状態における発光素子50の面を指している。本実施の形態では、電極形成面502は、半導体積層体52の下面と一致する。
【0041】
また、平面視において透光性部材40の面積が、発光素子50の面積よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、発光素子50から出射された光が透光性部材40を通過する時に、透光性部材40の面積が発光素子50の面積よりも小さい場合よりも第1光反射部材10に当たる光を低減することができる。これにより光の損失を少なくすることができる。
【0042】
工程1−3.被覆部材を除去する工程
次に、
図6(a)に示すように被覆部材20を除去する。被覆部材20は濡れ性が悪い材料なので後述する発光素子50の側面と、第1光反射部材10と、接合部材60と、を覆う第2光反射部材を形成すると、被覆部材20と第2光反射部材の界面が剥離しやすくなる。このため、被覆部材20を除去することが好ましい。尚、被覆部材20の貫通孔の大きさが発光素子50の外縁よりも大きい方が、被覆部材20の除去が容易になるので好ましい。
【0043】
また、
図5(c)に示すように接合部材60が被覆部材20上にも形成される場合では、被覆部材20を除去することで
図6(b)に示すように被覆部材20上に形成された接合部材60の一部も除去できる。つまり、接合部材60が平面視において広がって形成されても接合部材60の一部を除去することで平面視における接合部材60の面積を小さくできる。このようにすることで、発光装置のサイズを変更することなく接合部材60が除去された分だけ第2光反射部材の横方向の厚みを厚くできるので、発光素子50から出射された光が接合部材60を通り後述する第2光反射部材の薄い部分から光が抜けることを抑制できる。また、接合部材60が第1光反射部材10の上面に配置される部分を低減させることができる。このようにすることで、発光素子50から発する光が接合部材60を通って第1光反射部材10の上面に当たることが抑制されるので光の取り出し効率を向上させることができる。
【0044】
尚、被覆部材20の厚みは特に限定されるものではないが10〜150μmであることが好ましい。被覆部材20の厚みが薄すぎれば、被覆部材20の除去時に被覆部材20が破れるおそれがあり、被覆部材20の厚みが厚すぎれば、被覆部材20にかかるコストが上がったり、被覆部材20を剥がして除去することが困難になったりするためである。
【0045】
工程1−4.第2光反射材を形成する工程
図7(a)に示すように発光素子50の側面503と、第1光反射部材10と、接合部材60と、を覆う第2光反射部材70を形成する。第2光反射部材70を形成する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成型等が挙げられる。尚、発光素子50の側面503は、接合部材60を介して第2光反射部材70に覆われてもよい。さらに、発光素子50の電極形成面502のうち、電極53、54で覆われていない部分も、第2光反射部材70で覆ってもよい。このとき、電極53、54の一部が第2光反射部材70から露出するように、第2光反射部材70の厚さ(z方向の寸法)を調節してもよい。
【0046】
また、
図7(b)に示すように電極53、54を埋設する厚みの第2光反射部材70を形成してもよい。その後、
図7(b)のCt2−Ct2線(破線)より上側を除去する。つまり、第2光反射部材70の一部を除去し、発光素子の電極53、54を露出させる。第2光反射部材70を除去する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば、エッチング、切削、研削、研磨、ブラスト等が挙げられる。
【0047】
工程1−5.発光装置の個片化
発光素子50は複数有り、発光素子50と隣接する発光素子50の間の第1光反射部材10及び第2光反射部材70を切断する。つまり、
図8(a)に示す隣接する発光素子50の中間を通る破線X1、破線X2、破線X3および破線X4に沿って、
図8(b)に示すように第1光反射部材10と、第2光反射部材70と、支持部材30と、をダイサー等で切断する。これにより
図9(a)に示すように発光装置を個片化できる。最後に、
図9(b)に示すように支持部材30を除去(剥離)することにより、発光装置1000を得る。
【0048】
また、第1光反射部材10と、第2光反射部材70と、支持部材30と、を切断する時に支持部材30は完全に切断しない方が好ましい。つまり、
図9(c)に示すように、切断部101により第1光反射部材10と、第2光反射部材70と、は個片化され、支持部材30は個片化されていないことが好ましい。このようにすることで支持部材30が複数に分割されないので、支持部材30を一度に除去(剥離)することができる。尚、切断前に支持部材30を除去し、その後に、第1光反射部材10と、第2光反射部材70と、を切断してもよい。これにより、発光素子50を1つ含む発光装置1000を、複数製造することができる。また、複数の発光素子50を含む位置で切断してもよい。
【0049】
<発光装置の製造方法2>
図10〜
図17を参照しながら、発光装置2000の製造方法について説明する。発光装置1000と比較して透光性部材40の側面に第1光反射部材10が配置されていない点で相違する。その他の点については、発光装置1000と同様である。尚、透光性部材40は耐熱性シート等からなる支持部材30上に載置されている。
【0050】
工程2−1.透光性部材と、被覆部材と、を準備する
図10(b)に示すように、第1の面401と、第1の面401の裏面である第2の面402と、を有する透光性部材40と、第1の面の少なくとも一部が露出されるように第1の面を覆う被覆部材20と、を準備する。
【0051】
言い換えると、透光性部材40の第1の面401に、貫通孔を有する被覆部材20が配置される。尚、
図10(a)に示すように、被覆部材20の貫通孔内に位置する透光性部材40の第1の面は被覆部材20より露出される。このような透光性部材40と、被覆部材20と、を準備する。
【0052】
工程2−1−1.透光性部材の第1の面に被覆部材を配置する
図10(b)に示す透光性部材40と、被覆部材20と、を準備する工程の一例について示す。まず
図11(a)に示すように、透光性部材40を支持部材30上に形成する。その後で
図11(b)に示すように、被覆部材20を透光性部材40の第1の面401に配置する。被覆部材20の配置方法をしては、被覆部材20が接着性を有する場合には透光性部材40の第1の面401と貼り合わせることにより配置してもよい。また、印刷やスプレー等により被覆部材20を透光性部材40の第1の面401に形成することにより配置してもよい。尚、被覆部材20は透光性部材40の第1の面401の少なくとも一部が露出されるように第1の面を覆う。
【0053】
尚、透光性部材40の形状は板状又はシート状であることが好ましい。透光性部材40と被覆部材20とを貼り合わせる場合に、透光性部材40の形状が板状又はシート状であれば凹凸がほとんどないので被覆部材20と貼り合わせやすくなる。また後述する個片化工程により個片化された発光装置の形状をほぼ同一にすることもできる。また、被覆部材20の形状も板状又はシート状であることが好ましい。尚、被覆部材20は貫通孔を有しているので貫通孔内が被覆部材20で埋まっていると仮定した場合に、被覆部材20の形状が板状又はシート状であればよい。このようにすることで更に第1光反射部材10と被覆部材20とを貼り合わせやすくなる。
【0054】
変形例2.工程2−1で準備する透光性部材と、被覆部材と、の変形例
次に
図10(b)に示す透光性部材40と、被覆部材20と、の変形例の一例について示す。まず、発光装置を薄型化する場合は
図11(b)のCt3−Ct3線(破線)より上側を除去してもよい。つまり、透光性部材40を除去し、z方向の厚みを薄くしてから、
図12(a)に示すように被覆部材20を透光性部材40の第1の面401に配置してもよい。また、
図12(b)に示すように透光性部材40に波長変換部材41及び/又は光拡散材42を含有させてもよい。
【0055】
工程2−2.発光素子と透光性部材とを接合する工程
図13(a)に示すように、硬化前の接合部材60を第1の面401に配置する。接合部材60を配置する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えばポッティング、印刷、転写、スプレー等が挙げられる。次に
図13(b)に示すように、発光素子50を硬化前の接合部材60の上に配置する、もしくは配置した上で発光素子50を押圧し、その後に硬化することで接合部材60を形成する。つまり、接合部材60を介して発光素子50と、透光性部材40の第1の面401とを接合する。
【0056】
また、被覆部材20に対する濡れ性が、透光性部材40に対する濡れ性よりも悪い接合部材60を使用することが好ましい。被覆部材20に対する濡れ性が、透光性部材40に対する濡れ性よりも悪い接合部材60とは、硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角が、硬化前の接合部材60と透光性部材40との接触角よりも大きいことを意味する。尚、硬化前の接合部材60と透光性部材40との接触角とは、硬化前の接合部材60と透光性部材40と空気とが接する部位から、硬化前の接合部材60の曲面に接線を引いたとき、この接線と被覆部材20の表面がなす角度である。
【0057】
硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角と、硬化前の接合部材60と透光性部材40との接触角との差は特に限定されるものではないが、硬化前の接合部材60と被覆部材20との接触角が硬化前の接合部材60と透光性部材40との接触角よりも10°以上大きい方が好ましく、20°以上大きい方がより好ましく、30°以上大きい方が更に好ましい。
【0058】
このようにすることで、平面視にて被覆部材がない場合に接合部材60が透光性部材40上を広がる面積よりも、接合部材60が被覆部材20上を広がる面積を小さくすることができる。つまり、被覆部材20があることで接合部材60の広がりを抑制できる。接合部材60の広がりが抑制されているので、発光素子50の実装位置のずれを抑制することができる。
【0059】
また、接合部材60がシリコーン樹脂からなる場合は、被覆部材が上述と同じシリコーン樹脂に対して濡れ性の悪い材料により形成されることが好ましい。被覆部材20の材料を選定することでも、接合部材60が被覆部材20上を広がることを抑制することができる。接合部材60の広がりが抑制されているので、発光素子の実装位置がずれることを抑制することができる。
【0060】
接合部材60及び透光性部材40がシリコーン樹脂を含む場合には、更に被覆部材20が上述と同じシリコーン樹脂に対して濡れ性の悪い材料により形成されることが好ましい。接合部材60及び透光性部材40がシリコーン樹脂を含んでいるので、接合部材60が被覆部材20上を広がる面積よりも、被覆部材20がない場合に接合部材60が第1光反射部材上を広がる面積が大きくなる。つまり、シリコーン樹脂に対して濡れ性の悪い被覆部材20があることで接合部材60の広がりを更に抑制できる。
【0061】
また、
図13(b)に示すように透光性部材40の第1の面401と被覆部材20の上面とに段差が生じるので、接合部材60が広がる時に段差により広がりを更に抑制することができる。
【0062】
また、接合部材60の量を調整して、
図13(b)に示すように、被覆部材20の上面に接合部材60が形成されない量に制御してもよい。接合部材60の濡れ性が、透光性部材40よりも被覆部材20が悪いので接合部材60が被覆部材20の上面に形成されにくくなっている。
図13(c)に示すように接合部材60が被覆部材20の上面に形成されてもよい。
図13(c)に示すように接合部材60が被覆部材20の上面に形成されても接合部材60の広がりを抑制しているので、平面視における接合部材60の面積を小さくできる。
【0063】
また、発光素子50を接合部材60の上に配置してから、発光素子50を押圧する際に接合部材60が発光素子50の側面を這い上がるように接合部材60の粘度や量の調整することが好ましい。このようにすることで、
図13(b)に示すように接合部材60が発光素子50の側面を覆い下向きに拡がった形状になる。言い換えると、発光素子50の電極形成面502(上面)から光取り出し面501(下面)に向かって接合部材60の断面積が大きい。接合部材60は発光素子50と透光性部材40とを接合するだけでなく、発光素子から発する光が接合部材60を通るので、接合部材60を発光素子50の側面を覆い発光素子50の電極形成面502(上面)から光取り出し面501(下面)に向かって拡がった形状にすることで発光素子50から発する光の取り出しを向上させることができる。
【0064】
工程2−3.被覆部材を除去する工程
次に、
図14(a)に示すように被覆部材20を除去する。被覆部材20は濡れ性が悪いので後述する発光素子50の側面と、第1光反射部材10と、接合部材60と、を覆う第2光反射部材を形成すると、被覆部材20と第2光反射部材の界面が剥離しやすいので被覆部材20を除去することが好ましい。
【0065】
また、
図13(c)に示すように接合部材60が被覆部材20上にも形成される場合では、被覆部材を除去することで
図14(b)に示すように被覆部材20上に形成された接合部材60の一部も除去できる。つまり、接合部材60が平面視において広がって形成されても接合部材60の一部を除去することで平面視における接合部材60の面積を小さくできる。このようにすることで、発光装置のサイズを変更することなく接合部材60が除去された分だけ第2光反射部材の横方向の厚みを厚くできるので、発光素子50から出射された光が接合部材60を通り第2光反射部材70の薄い部分から光が抜けることを抑制できる。
【0066】
工程2−4.第2光反射材を形成する工程
図15(a)に示すように発光素子50の側面503と、透光性部材40と、接合部材60と、を覆う第2光反射部材70を形成する。第2光反射部材70を形成する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成型等が挙げられる。尚、発光素子50の側面503は、接合部材60を介して第2光反射部材70に覆われてもよい。さらに、発光素子50の電極形成面502のうち、電極53、54で覆われていない部分も、第2光反射部材70で覆ってもよい。このとき、電極53、54の一部が第2光反射部材70から露出するように、第2光反射部材70の厚さ(z方向の寸法)を調節してもよい。
【0067】
また、
図15(b)に示すように電極53、54を埋設する厚みの第2光反射部材70を形成してもよい。その後、
図15(b)のCt4−Ct4線(破線)より上側を除去する。つまり、第2光反射部材70を除去し、発光素子50の電極53、54を露出させるい。第2光反射部材70を除去する際は、当該分野で公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば、エッチング、切削、研削、研磨、ブラスト等が挙げられる。
【0068】
工程2−5.発光装置の個片化
発光素子50は複数有り、発光素子50と隣接する発光素子50の間の透光性部材40及び第2光反射部材70を切断する。つまり、
図16(a)に示す隣接する発光素子50の中間を通る破線X5、破線X6、破線X7および破線X8に沿って、
図16(b)に示すように透光性部材40と、第2光反射部材70と、支持部材30と、をダイサー等で切断する。これにより
図17(a)に示すように発光装置を個片化できる。最後に、
図17(b)に示すように支持部材30を除去(剥離)することにより、発光装置2000を得る。
【0069】
また、透光性部材40と、第2光反射部材70と、支持部材30と、を切断する時に支持部材30は完全に切断しない方が好ましい。つまり、
図17(c)に示すように、切断部101により第1光反射部材10と、第2光反射部材70と、は個片化され、支持部材30は個片化されていないことが好ましい。このようにすることで支持部材30が複数に分割されないので、支持部材30を一度に除去(剥離)することができる。尚、切断前に支持部材30を除去し、その後に、透光性部材40と、第2光反射部材70と、を切断してもよい。これにより、発光素子50を1つ含む発光装置を、同時に複数製造することができる。また、複数の発光素子50を含む位置で切断してもよい。
【0070】
以下に、製造方法1、2の各構成部材に適した材料等について説明する。
(発光素子50)
発光素子50としては、例えば発光ダイオード等の半導体発光素子を用いることができる。半導体発光素子は、透光性基板51と、その一面に形成された半導体積層体52とを含むことができる。
【0071】
(透光性基板51)
発光素子50の透光性基板51には、例えば、サファイア(Al
2O
3)、スピネル(MgA1
2O
4)のような透光性の絶縁性材料や、半導体積層体52からの発光を透過する半導体材料(例えば、窒化物系半導体材料)を用いることができる。
【0072】
(半導体積層体52)
半導体積層体52は、複数の半導体層を含む。半導体積層体52の一例としては、第1導電型半導体層(例えばn型半導体層)、発光層(活性層)および第2導電型半導体層(例えばp型半導体層)の3つの半導体層を含むことができる。半導体層には、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等の半導体材料から形成することができる。具体的には、In
XAl
YGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料(例えばInN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等)を用いることができる。
【0073】
(電極53、54)
発光素子50の電極53、54としては、電気良導体を用いることができ、例えばCu等の金属が好適である。
【0074】
(第1光反射部材10)
第1光反射部材とは、発光素子からの光に対する反射率が60%以上、好ましくは70%以上の部材であればよい。こうすることにより、第1光反射部材に達した光が反射され、光が透光性樹脂の外側に向かうことにより、発光装置の光取出し効率を高めることができる。
【0075】
第1光反射部材の材料としては、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス、金属又はこれらの複合材料等が挙げられる。なかでも、任意の形状に容易に成形することができるという観点から、樹脂が好ましい。樹脂としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。
【0076】
また、第1光反射部材の反射率を上げるために樹脂に光反射性物質を含有させることが好ましい。光反射性物質を含有させる量は、特に限定されるものではないが、光反射性物質を第1光反射部材の重量に対して10〜95重量%、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%程度含有させることが好ましい。また、樹脂中に光反射性物質を分散させて第1光反射部材を形成することで、エッチング、切削、研削、研磨、ブラスト等の加工が容易になるので好ましい。
【0077】
光反射性物質としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウム、各種希土類酸化物例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等が挙げられる。
【0078】
(第2光反射部材70)
第2光反射部材の材料は、第1光反射部材と同様の材料を用いて形成することができる。第2光反射部材の材料は、第1光反射部材の材料と同じでもよいが、求められる特性に応じて変えてもよい。例えば、第1光反射部材と、第2光反射部材と、に含有される光反射性物質の含有量を変えてもよい。第2光反射部材は発光素子の側面を覆うので、第1光反射部材より強度を求められることがある。このため、光反射性物質を含有させた樹脂から第1光反射部材と、第2光反射部材と、を形成する場合には、第2光反射部材に含有する光反射性物質の量を第1光反射部材に含有する光反射性物質の量より減らして強度を高めてもよい。こうすることにより、より反射性を求められる第1光反射部材の反射率を高くすることが出来る。また、第1光反射部材は、その一部が除去される工程を有するため強度が求められることがある。この場合は、第1光反射部材に含有する光反射性物質の量を第2光反射部材に含有する光反射性物質の量より減らしてもよい。このようにすることで第1光反射部材の強度を第2光反射部材の強度より高くすることができる。尚、第1光反射部材は金属又は光反射性物質で形成され、第2光反射部材は光反射性物質を含有させた樹脂で形成されるような異種の材料で形成されてもよい。
【0079】
(透光性部材40)
透光性樹脂は発光素子を外部環境から保護するとともに、発光素子から出力される光を光学的に制御するため、発光素子の光取り出し面側に配置させる部材である。透光性部材は、透光性樹脂、ガラス等の透光性材料から形成することができる。透光性樹脂としては、特に、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。さらに、ジメチル系シリコーン樹脂であれば高温耐性など信頼性において優れ、フェニル系シリコーン樹脂であれば屈折率を高くして発光素子からの光の取り出し効率を高めることができる。また、接合部材は、光の透過率が高いことが好ましい。また、望ましい特性を付与するために、透光性樹脂に波長変換部材や光拡散材等を添加してもよいし、硬化前の透光性部材の粘度を調整するために、各種フィラーを添加してもよい。
【0080】
(接合部材60)
接合部材は、透光性を有する材料から形成することが好ましい。接合部材の材料としては、上述した透光性樹脂と同様の材料を用いて形成することができる。接合部材は発光素子の側面と接触しているので、点灯時に発光素子で発生する熱の影響を受けやすい。このため、耐熱性に優れている熱硬化性樹脂が、接合部材に適している。また、望ましい特性を付与するために、接合部材に添加物を添加してもよい。例えば、接合部材の屈折率を調整するため、または硬化前の接合部材の粘度を調整するために、各種フィラーを添加してもよい。また、接合部材に波長変換部材や光拡散材等を添加してもよい。
【0081】
(被覆部材20)
被覆部材は、硬化前の接合部材の濡れ性が第1光反射部材又は透光性部材より悪い材料から形成される。つまり、硬化前の接合部材60の接触角が第1光反射部材又は透光性部材の方が大きい材料から形成される。特に、濡れ性が悪いポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成されることが好ましい。また、接合部材がシリコーン樹脂からなる場合は、特に被覆部材の材料としてポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンを選択することで接合部材が被覆部材上を広がりにくくなる。
【0082】
また、発光装置1000のように第1光反射部材上に接合部材が形成されることを抑制し、且つ、第1光反射部材にシリコーン樹脂を含んでいる場合では特にポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成されることが好ましい。接合部材及び第1光反射部材にシリコーン樹脂を含んでいるので接合部材が広がりやすくなるので上述の材料を選定することで接合部材の広がりを抑制できる。
【0083】
発光装置2000のように透光性部材上に接合部材が形成されることを抑制し、且つ、透光性部材にシリコーン樹脂を含んでいる場合でも、特にポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種により形成されることが好ましい。接合部材及び透光性部材にシリコーン樹脂を含んでいるので接合部材が広がりやすくなるので上述の材料を選定することで接合部材の広がりを抑制できる。
【0084】
(波長変換部材41)
波長変換部材としては、発光素子からの発光で励起可能な蛍光体が使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Ce:YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Ce:LAG)、ユウロピウムおよび/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(CaO−Al
2O
3−SiO
2)、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体((Sr,Ba)
2SiO
4)、βサイアロン蛍光体、CASN系蛍光体、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体;KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、塩化物系蛍光体、ケイ酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。尚、KSF系蛍光体の一般式はA
2[M
1−aMn
4+aF
6]…(I)で表すことができる。(式中、Aは、K
+、Li
+、Na
+、Rb
+、Cs
+及びNH
4+からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオンを示し、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を示し、aは0.01<a<0.20を満たす。)また、一般式(I)におけるAがK
+を含み、MがSiを含むフッ化物系蛍光体でもよい。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を製造することができる。
【0085】
(光拡散材42)
光拡散材42の材料としては、具体的には、SiO
2、Al
2O
3、Al(OH)
3、MgCO
3、TiO
2、ZrO
2、ZnO、Nb
2O
5、MgO、Mg(OH)
2、SrO、In
2O
3、TaO
2、HfO、SeO、Y
2O
3、CaO、Na
2O、B
2O
3、SnO、ZrSiO
4などの酸化物、SiN、AlN、AlONなどの窒化物、MgF
2、CaF
2、NaF、LiF、Na
3AlF
6のようなフッ化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、各種を溶融混合させてガラス等として用いてもよい。あるいは、複数の層に分けてこれらを積層させるようにしてもよい。
【0086】
特にガラスとすることで屈折率を任意に制御する事が出来る。光拡散材の粒径としては0.01〜100umまで任意に選ぶ事が出来る。また、光拡散材の含有量は、それぞれ調整が必要で被覆樹脂の体積や光拡散材の粒径により一義的には決められない。
【0087】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。