【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、ミラー機構であって、
電磁放射線を反射するよう設けられたミラー面を有する少なくとも1つのミラー素子と、
少なくとも1つのミラー素子を収容するよう設けられた頭部及び座部を含む少なくとも1つのキャリア要素と、
少なくとも1つのキャリア要素を収容するマウント機構と
を備え、少なくとも1つの挿入開口がマウント機構に形成され、
キャリア要素の座部は上記挿入開口に突入し、且つ
伝熱媒体を誘導するチャネルデバイスが、座部を囲む領域でマウント機構に形成されるミラー機構により、本発明に従って解決される。
【0008】
これにより、ミラー素子の領域で生じる熱を効果的に放散することができ、さらにミラー素子をキャリア要素と組み合わせて、マウント機構に連結するか又は必要であればマウント機構から取り外すこともできることが有利なアセンブリを形成することができる、EUV投影露光装置のミラー機構を提供することが可能である。
【0009】
ミラー機構を通して誘導された冷却媒体の温度は、ミラー機構の設定温度に実質的に対応するように、また熱流の実現に必要な温度勾配がミラー素子の領域又は各キャリア要素の隣接領域における局所的に高いシステム温度から実質的に得られるように調整することができる。冷却能力は、その場合、冷却媒体の流れの調整により主に調整することができる。
【0010】
ミラー機構のさらに別の有利な実施形態によれば、キャリア要素はピン状コンポーネントとして形成され、座部は挿入方向に細くなる。この場合、座部は、コーン形すなわち円錐形の外面を有するように作ることができる。この場合、コーン角は、適度な軸力に対して座部の円錐形に延びる外周面と当該面に接触するマウント機構の内壁との間で比較的高い圧縮が生じるように規定される。
【0011】
コーン形又は円錐形の外面は、設置位置に達すると、特にこの場合に発生した取付け力の作用下で、座部と挿入開口の内壁とのできる限り密接な接触が生じるように幾何学的に作ることができる。この目的で、座部の領域では、挿入開口の内壁のできる限り密接な接触を確保すると共にそれ自体が最小限の伝熱抵抗を引き起こす弾性変形可能且つ/又は塑性変形可能な構造を少なくとも一部に形成することができる。この目的で、少なくとも1つの材料層を含むコーティングをキャリア要素の座部の領域に施すことができ、例えば、上記コーティングは、マウント機構へのキャリア要素の特に効果的な熱結合をもたらすように取付け力が得られる際に塑性変形する。上記コーティングは、特に金属コーティングとして具現することができ、例えば電気化学的に、特に電解コーティングとしてキャリア要素の座部の領域に施すことができる。上記コーティングは、適切な場合にはさらに別のコーティングで、特に金又は銀コーティングで覆われるインジウム含有コーティングとして特に具現することができる。上記コーティングの層厚は、10μm〜20μmの範囲であることが好ましい。例えばテフロン層等の非金属延性層も、熱接触の改善につながり得る。さらに、座面は、本質的に円錐形の幾何学的形状に、キャリア要素の取付け後に面圧の高い接触区域が生じるという効果があるわずかに波状の幾何学的形状が重ね合わせられるように作ることができる。座部の領域に、適切な場合には塑性変形可能なコーティングの一部が移動し得る溝又は他の局所的な小さな切欠き若しくは窪みを設けることができることで、キャリア要素の固定の際に、塑性変形可能なコーティングは、マウント機構の内面及び座部の外面の表面粗さ及び形状不良をほぼ埋めて、それ以外では選択された取付け力で塑性変形可能なコーティングの変位をそれ以上引き起こさない残厚しか有しない層厚になる。
【0012】
キャリア要素の座面に比較的延性があるコーティングを形成するという上記措置に加えて、キャリア要素のうち座面を形成する領域に、相互に近接して好ましくはキャリア要素と一体的に形成された弾性的なコンプライアント構造、特に径方向のコンプライアント舌部を形成することも可能である。キャリア要素の取付けにおいては、上記舌部がキャリア要素を収容する孔の内壁に押し付けられてから、舌部の幾何学的形状により調整された接触力で内壁に接触する。
【0013】
座部の領域に、局所的に高い面圧を発生させることでキャリア要素がマウント機構に密封状に着座する効果がある幾何学的構造を形成することがさらに可能である。コンポーネントアセンブリをシールするために、キャリア要素のうち各ミラー素子に面しない頭部の下側でシール機構を実現することも可能である。上記シール機構は、特にシールリング構造を含むことができ、これは、マウント機構へのキャリア要素の組込みの際に、その過程で軸方向に荷重を受けて押圧される。この場合、シール材料は、放出されるガスができる限り少ないことを確実にするよう選択されることが好ましい。この場合、特に延性金属材料、また同様に特に延性金属材料及びエラストマー材料から構成された複合構造と純粋なエラストマーから構成されたシールとが、シール材料として適している。頭部の下側をシールシステムの実現に用いることができない限り、又はこの手法と組み合わせて、コーンの隣接する、すなわち上側の領域に、実質的に径方向に向いた圧力を用いてシールをもたらすシール構造を設けることが可能である。この場合、上記シール構造はさらに、リング状要素、例えばOリングにより形成することができる。ここで設けられるシールシステムは同様に、塑性変形可能な金属構造、例えば金、同、又はアルミニウムワイヤシールを好ましくは含むことができる。このシール機構は、織物構造及び/又はエラストマー要素を有するシール、特にOリングも含み得る。シール機構は、金属及びエラストマーシール部材の組み合わせも含み得る。さらに、複数の連続したシール区域によりマウント機構におけるキャリア要素のシールを実現すること、及び2つのシール区域間で中間吸出し又はバリアガス導入を行うことで、下側マウント領域からミラー素子の領域にガスが入ることをできなくすることが可能である。
【0014】
例えば主に対流効果に基づく伝熱をキャリア要素内で起こすようにするチャネル構造を、キャリア要素の内部領域に設けることがさらに可能である。この目的で、いわゆるヒートパイプシステムを例えばキャリア要素の内部領域で実現することができ、このシステムにおいて、頭部に隣接する領域と座部との間の伝熱が伝熱媒体の物質の状態の変化により補助される。
【0015】
好ましくは、座部を貫通する通過チャネルがキャリア要素に形成される。ミラー素子に連結されたアクチュエータシステムを対応する電子駆動システムに接続するような接続・制御ラインを、上記通過チャネルに通すことができる。本発明による概念により、通過チャネルがあるにも関わらずキャリア要素が入熱領域に大きな熱伝導断面を提供し、こうして効果的な放熱が確保される。
【0016】
各挿入開口の内壁は、マウント機構に連結されたブシュ要素により形成される。この場合、ブシュ要素は、キャリア要素が挿入開口から取り外された場合又は挿入開口にまだ挿入されていない場合でも、冷却システムが開かないようにマウント機構に密封状に連結することができる。ブシュ要素は、マウント機構に挿入される、特にマウント機構に密封状にはんだ付けされる比較的薄肉の中空コーンブシュとして特に形成することができる。
【0017】
伝熱媒体を誘導するために設けられたチャネルデバイスは、例えば、上記チャネルデバイスが中空コーン状のブシュ要素の外側の領域に延びる切欠きにより少なくとも一部が形成されることにより設けることができる。その代替として、又はこの概念と組み合わせて、マウント機構を形成する本体にも流体誘導用に設けられた対応する溝構造を形成することも可能である。ブシュ要素の溝又はチャネル構造の形成は、複雑な線細工チャネル形状を実現することを可能にし、生産技術の観点から利点ももたらす。
【0018】
冷却媒体は、好ましくはマウント機構に直接形成されたチャネルシステムにより挿入開口を囲む領域に誘導され、上記チャネルシステムは、ブシュ要素の部分に設けられたチャネルデバイスと連通する。マウント機構に形成されたチャネルシステムは、複数の挿入開口を囲む領域の並列冷却が上記チャネルシステムにより実現されるよう作ることができる。流体流分岐は、切り換え又は制限部材により調整することができる。好ましくは、各ブシュ要素を囲むチャネルシステムは、流体を給送するために設けられたチャネルシステムの流動抵抗よりも大きな流動抵抗も形成し、複数の挿入開口を有するマウント機構の場合、各挿入開口で実質的に同一の流量、したがって同一の冷却能力を実現できる。
【0019】
各ブシュ要素の外側領域に形成されたチャネルデバイスは、当該チャネルデバイスがブシュ要素の周囲にねじ溝のように渦巻状又は螺旋状に連続して延びるように形成することができる。上記ねじ溝は、複数リード分上昇するようにも形成することができる。しかしながら、ブシュ要素の内外をできる限り均一にフラッシングするという効果を伴って分岐又は他の何らかの方法で延びるように、チャネルデバイスを作ることも可能である。
【0020】
キャリア要素は、すでに上述したように、ブシュ要素に密封状に挿入されることが好ましい。結果として、ミラー素子を収容する領域で、キャリア要素の接合領域を介してマウント機構の後部領域からのガス流入を起こすことなく真空を形成することが可能となる。
【0021】
キャリア要素に固定部が設けられ、キャリア要素をマウント機構に固定する保持力を、上記固定部を介してキャリア要素に導入することができることがさらに好ましい。上記固定部は、締付け状態で上記保持力を発生させるナットが着座するねじ部として特に具現することができる。上記ナットの部分に発生した保持力のマウント機構への転向は、ばね、特に円板ばねと関連して実行することができるので、マウント機構又はキャリア要素の熱膨張が生じた場合でも十分に大きな軸力が常に提供される。好ましくは、マウント機構の領域において、例えばねじ又はリング状凹部の形態の幾何学的構造が設けられ、これにより、必要となり得るキャリア要素の取外しに役立つ離脱機構をそこに取り付けることが可能となる。上記離脱機構は、必要に応じて「下から」マウント機構に螺入することができるねじブシュを特に含むことができ、キャリア要素をマウント機構から押し出すことを可能にする。
【0022】
ミラー素子は、ブロック状又は平行六面体状のコンポーネントとして形成されることが好ましい。このコンポーネントのキャリア要素への接続は、これらのコンポーネント間で効果的な伝熱をもたらすようなものであることが好ましい。この目的で、特に、ミラーファセットの領域からミラー素子のより深い領域への伝熱を促進する構造を、ミラー素子に形成することもできる。キャリア要素へのミラー素子の結合は、好ましくは2つのコンポーネントを密接な平面支承状態にして、特に溶接、はんだ付け、接着結合により、又は機械的接続構造、例えば締付け、楔止め、又は他の接合により実現することができる。
【0023】
さらに、回転位置を固定するために回転固定手段を設けることができる。回転固定手段は、例えば、スロット等の対応する受け口に係合するピン又はボールを含み得る。
【0024】
キャリア要素は、特にマウント機構に突入する領域に伝熱に十分な最大限の断面を与えるよう幾何学的に調整される。熱伝導率が良く熱膨張が適度な、好ましくは最小限の材料が、キャリア要素に選択されることが好ましい。特に、銅、ケイ素、SiC、モリブデン合金、タングステン合金、又は高級鋼がここでは材料として適している。キャリア要素は、さらにより効率的に、すなわちさらに小さな熱勾配で熱を輸送するために対流効果により内部伝熱を補助する、いわゆるヒートパイプ構造も内部に有し得る。他の電気素子、特に電子回路をコーンキャリア要素に連結することができ、それらは、例えばミラー素子の駆動及び/又は温度検出に必要な信号変換を実現する。
【0025】
座部は、上述のように、円錐形又はコーン状に形成されることが好ましい。コーン角は、所望であれば一定の戻り止めをもたらすよう設定することができる。すなわち、締付けねじを離脱させた場合でもキャリア要素は即座に緩まない。
【0026】
本発明のさらに別の態様によれば、導入部で示した課題は、複数のミラー素子を備えたミラー機構の領域から放熱する方法であって、ミラー素子で生じる熱をキャリア要素により最初に取り出してマウント機構の領域に誘導し、冷却媒体をマウント機構においてキャリア要素に隣接する領域に誘導し、キャリア要素から流れ込む熱流を冷却媒体を介して取り出す方法によっても解決される。
【0027】
冷却媒体の流量及び冷却媒体の入口温度は、制御工学に関して、ミラーマウントが所定の設定温度に達するように調整されることが好ましい。この目的で、好ましくは、冷却媒体の戻り温度が検出され、冷却媒体の流量が戻り温度に応じて調整される。
【0028】
マウント機構におけるキャリア要素の熱結合は、キャリア要素の円錐形に設計された部分がマウント機構の相補的に円錐形に設計された孔に押し込まれて、そこでマウント機構と密接して固定されることにより達成されることが好ましい。
【0029】
キャリア要素及びマウント機構は、マウント機構におけるキャリア要素の回転位置が精密に定められるように相互に連携して形成されることが有利であり得る。回転位置を定めるような構造は、キャリア要素の挿入の際にすでに取り付けられたミラー素子への上記キャリア要素の接触が防止されるように、終端位置に達する前に回転位置がすでに精密に定められるように作ることができる。挿入軸周りの正確な位置合わせを確保する構造は、システム全体に留まる、すなわちキャリア要素及びマウント機構の幾何学的構造により提供されるように作ることができる。こうした構造は、取付補助具によっても提供することができ、取付補助具は、一時的に用いられるだけであり、マウント機構の他の幾何学的に十分に精密に加工された部分に対して中心合わせされ且つ向きを定められて取付け後に取り外される。
【0030】
含水混合物、非導電性媒体、グリコール、ガス又はガス混合物、例えばCO
2又はCO
2含有ガス混合物を、冷却媒体として用いることが有利であり得る。冷却回路内の冷却媒体の流れは、強制循環により、例えばポンプデバイスにより制約されることが好ましい。多くの調節手段、特に絞り構造を冷却回路に設けることができ、それらは、マウント機構の貫流を各キャリア要素を囲む領域で予想される局所入熱と協調させることを可能にする。冷却回路は、冷却媒体の流れを各入熱区域間で分ける複数の分岐及び合流場所を含むように作ることができる。本機構は、輸送量を個別に調整できることが好ましい複数のポンプも含み得る。
【0031】
ミラー機構は、マウント機構により複数のミラー素子が平面又は曲面、特に球状曲面として示されるミラー面を形成するよう配置されるように構成されることがさらに有利であり得る。キャリア要素に配置されたミラー素子は、多角形、特に正方形、矩形、菱形、六角形、丸形、又は楕円形の外形輪郭を有することが有利であり得る。隣接するミラー素子は、異なる縁輪郭を有することもできるが、中間隙間を最小限にして相補的に隣接することが好ましい。形成されるミラー面の最大限の部分をできる限り同様に設計されたミラー素子を用いて形成し、続いて特定の幾何学的に特別な条件に従うことを可能にする特殊形状のミラー素子を特定の区域に挿入することも可能である。
【0032】
本発明のさらに別の態様によれば、隣接配置される特定数のキャリア要素に関して、複数のキャリア要素を予め組み合わせて群を形成することを可能にする挿入方向が生じるように、マウント機構を形成することも可能である。例として、六角形の輪郭を有するミラー素子を用いる場合、7個のキャリア要素を組み合わせて予め相互に接続されたキャリア要素を有するモジュール群を形成することができ、準備群として取り付けることができる。これにより、取付けが単純化され、さらにミラー素子の縁に対する損傷のリスクが低減する。これらの準備群は、できる限り狭い光受動的な、適切な場合には保護的な筐体を有し得る。このように群を形成するよう組み合わせたキャリア要素は、特に物質的に、例えば溶接又ははんだ付けにより相互に接続することができ、この組み合わせ形態でミラー素子の正確な光配向を確保しておくことができる。
【0033】
マウント機構は、レーザ融着法の過程で複雑な一体構造コンポーネントとして製造することが有利であり得る。この場合、特に、キャリア要素の座部の周囲に延びる壁部分を含むマウント機構がレーザ融着法の過程で単体から製造されるようにマウント機構を実現することが可能である。キャリア要素の座部を収容する上記ブシュ要素は、マウント機構とは当初別個であるコンポーネントとして作製できる限り、同様にレーザ融着法の過程で製造されることが有利であり得る。この場合、ブシュ要素は、いずれの場合もブシュ要素の特に中空コーン状の外側面に例えば螺旋経路に沿って延びる冷却チャネルを有するように作ることができる。
【0034】
本質的に、本発明は、多数の特別に設計されたミラーキャリア用の、特にマイクロリソグラフィ露光装置用の冷却コーン受け口を有する熱負荷が大きいマウントに関する。本発明によれば、多数のミラー素子がそれぞれコーンキャリアにより冷却マウントに収容され、上記マウントにより相互に対して位置決めされる。上記回転固定手段が回転を補助することができる。各ミラー素子は、コーンキャリアにより担持され、大きな熱負荷を小さな熱抵抗で冷却マウント又は冷却媒体へ伝える。コーン受け口は、マウント内でミラー素子を同時に位置決めする。コーンキャリアを含む各ミラー素子は、冷却回路を開かずに交換することができる。ミラー素子はコーンキャリアに固定される。ミラー素子とコーンキャリアとの間の接続は、例えば溶接、はんだ付け、接着結合等により実施することができる。コーンキャリアは、熱伝導率が良く且つ熱膨張が適合した、好ましくは熱膨張が小さな部分を構成するように形成される。コーンキャリアは、良好な熱伝導率及び目標通りの熱膨張の範囲内の材料、例えば銅、ケイ素、SiC、モリブデン合金、タングステン合金、高級鋼等からなることが好ましい。コーンキャリアは、さらにより効率的に熱を伝えるためにヒートパイプとして形成することもできる。電気素子は、コーンキャリアに組み込むこともできる。本発明に従って冷却されたマウントは、ミラー素子が固定されたコーンキャリアを担持する。マウントは、高級鋼からなることが好ましい。銅、アルミニウム合金、インバー、SiC、モリブデン合金、タングステン合金等の代替的な材料も、(必要であれば、例えば膨張要件/熱工学要件、強度要件、固有周波数要件等により)原理上はマウントを製造する材料として適している。冷却マウントは、同時に冷却器として具現される。冷却媒体がそこを流れ、冷却媒体を介したマウントに伝達された熱エネルギーを放散する。マウントは、はんだ付けアセンブリとして製造されることが好ましく、比較的大きな設計の少なくとも2つの部品(前板及び後板)及び多数のコーンスリーブからなる。これらのコンポーネントは、完全に真空気密にはんだ付けされることが好ましい。はんだ付けされていることが好ましいコーンスリーブは、並列で冷却される。各コーンスリーブの供給孔は、冷却量を設定するために絞りとして形成することができる。マウントは、適切な場合には単体から(例えばレーザ融着法により)製造することもできる。このように構成されたこの内部冷却可能なマウントはホルダ全体に連結することができ、これがコーンキャリアを担持する下板の終端をなすことを可能にする。
【0035】
本発明によるマウント設計及びコーンキャリア(場合によっては以下でキャリア要素とも称する)の具体的な構成は、以下のシステム特性を実現することができる。
1.冷却回路を開く必要なく、マウント内のミラー素子の交換が可能である。
2.(コーンキャリアの)ミラー素子接続面と(マウント内の)冷却媒体との間で非常に小さな熱抵抗が達成される。
3.特にコーンキャリアが銅製である場合、コーンキャリアを介して大量の熱を放散可能である。
4.コーンキャリアを精密に固定及び保持するのに小さな締付け力しか必要ない。
5.コーン形状が、軸方向に正確且つ密接な力ロック接続を可能にする。
6.電流及び信号搬送接続素子を、コーンキャリアの中心開口(孔)に通すことができる。
7.冷却液がコーン形状に沿って直接流れるので、マウントにはんだ付けされた液冷コーンスリーブが、特に小さな熱抵抗を可能にする。貫流は、コーン直径が大きい側部から起こることが好ましい。
8.はんだ付けされている全てのコーンスリーブが、供給チャネルから並列で冷却される。
9.各コーンスリーブの供給孔は、直径が異なり得ると共に絞りとして働き得る。
10.コーン形状が、大きな伝熱面積を可能にし、正確な嵌合と共に非常に良好な伝熱をもたらす。コーン表面上の適切な追加コーティングが、伝熱のさらなる改善につながる。
11.この設計は、少なくとも主に層流での冷却回路の貫流を可能にし、その結果として冷媒の流れから得られる振動励起を減らすことができる。
【0036】
本発明のさらなる詳細及び特徴は、添付図面に関連した以下の説明から明らかである。