(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態による視聴量解析装置の概略機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、視聴量解析装置1は、ログサーバー装置100−1,100−2,・・・,100−Xと、ログ収集蓄積サーバー装置200と、タグデータベース装置300と、ログ解析サーバー装置400と、解析クライアント装置500とを含んで構成される。複数のログサーバー装置100−1,100−2,・・・,100−Xのそれぞれを、以下において単に「ログサーバー装置100」と呼ぶ場合がある。ここで、ログサーバー装置100の台数はX台(Xは任意の正整数)である。同図に示す各装置間は通信ネットワークによって接続されている。通信ネットワークは、例えば、インターネットや、企業等の組織内部のLAN(ローカルエリアネットワーク)や、遠隔地間を結ぶ専用回線や、それらの複合等により構成される。配信サーバー装置50とログサーバー装置100との間、ログサーバー装置100とログ収集蓄積サーバー装置200との間、ログ収集蓄積サーバー装置200とログ解析サーバー装置400との間、タグデータベース装置300とログ解析サーバー装置400との間、ログ解析サーバー装置400と解析クライアント装置500との間は、それぞれ、通信ネットワークを介してデータを相互に送受信することが可能となっている。
【0017】
ログサーバー装置100−1,100−2,・・・,100−Xは、それぞれ、配信サーバー装置50−1,50−2,・・・,50−Xから得る情報に基づいて、視聴ログを生成する。ログサーバー装置100−1,100−2,・・・,100−Xは、生成した視聴ログを、ログ収集蓄積サーバー装置200に送信する。なお、配信サーバー装置50−1,50−2,・・・,50−Xのそれぞれを、以下において単に「配信サーバー装置50」と呼ぶ場合がある。ここでは、配信サーバー装置50の台数はX台であり、ログサーバー装置100と1対1に対応している。ただし、配信サーバー装置50の台数は任意であり、配信サーバー装置50とログサーバー装置100との対応関係も任意である。
【0018】
視聴量解析装置1を構成する装置は、すべて1つの筐体内に格納されている形態であってもよいし、複数の筐体に分散して機能を有する形態であってもよい。
また、視聴量解析装置1を構成する複数の装置の一部を、同一の装置として実現してもよい。例えば、配信サーバー装置50とログサーバー装置100とは、同一のサーバー装置(コンピューター)上で稼働する異なるプログラムであってもよい。複数の筺体として視聴量解析装置1を構成する場合、各筺体は、相互に近接した場所(例えば、1つのデータセンター内)に置かれていてもよいし、遠隔地に置かれていてもよい。複数の筺体として視聴量解析装置1を構成する場合、視聴量解析装置1を視聴量解析システムと呼んでもよい。ただし、以下では統一して「視聴量解析装置1」と呼ぶ。
また、本説明では、配信サーバー装置50ログサーバー装置100は別の装置として説明するが、同じ装置(コンピューター)で動作する別のプログラムであってもよい。
【0019】
本実施形態が想定するコンテンツ配信システムの一例は、次のようなものである。コンテンツ配信システムは、主に、複数の配信サーバー装置50と、通信ネットワーク(不図示)と、多数の視聴クライアント装置(不図示)とを含んで構成される。なお、視聴クライアント装置は、例えば、テレビ受像機や、テレビ録画機や、パーソナルコンピューター(PC)や、タブレットや、スマートフォン(スマホ)や、スマートウォッチや、ウェアラブル端末などといった情報機器である。視聴クライアント装置は、視聴者による操作等に基づいて、通信ネットワークを介して、配信サーバー装置50に対してコンテンツの配信要求を送ることができる。配信サーバー装置50は、テレビ番組の放送後の任意の時刻に、視聴クライアント装置からの配信要求に応じて、テレビ番組の映像や音声のデータを要求元の視聴クライアント装置に向けて配信する。
配信サーバー装置50は、複数の放送局による複数の放送サービスのコンテンツを配信するように構成される。ただし、配信サーバー装置50が、単一の放送局による複数の放送サービスのコンテンツを配信するように構成されてもよく、また単一の放送局による単一の放送サービスのコンテンツのみを配信するように構成されてもよい。
視聴クライアント装置からの配信要求には、放送サービスを特定する情報と、配信開始の放送時刻を特定する情報(年、月、日、時、分、秒等)と、視聴クライアント装置側から配信要求を行った日付や時刻を特定する情報とが含まれる。ここで、放送サービスを特定する情報は、例えば、地域IDと放送局IDの組み合わせで表される。なお、他の方法で放送サービスを特定する情報を表現するようにしてもよい。
また、視聴クライアント装置側から異なる放送時刻の情報を順次送信することにより、視聴者は、時間方向に飛びながら、即ち番組内の複数のシーンをジャンプしつつ、見たいシーンを探したりすることもできる。つまり、視聴クライアント装置側からは、視聴者が望む複数のシーンを、飛び飛びに配信要求することもできる。
ここに記載したコンテンツ配信システムはほんの一例であり、本実施形態による視聴量解析装置は、他のコンテンツ配信システムにも適用可能である。
【0020】
配信サーバー装置50は、個々の視聴クライアント装置からの配信要求の情報と、その配信要求に基づく配信実績の情報を、ログサーバー装置100に渡す。視聴クライアント装置は、例えばインターネットを介して、配信サーバー装置50と通信を行う。このようなコンテンツ配信システムを用いることにより、視聴者は、放送時刻以後にもテレビ放送番組を視聴する(いわゆる「追っかけ再生(視聴)」も含む)ことができる。
【0021】
ログサーバー装置100は、配信サーバー装置50への番組コンテンツの配信要求アクセスがあった際に、その配信サーバー装置50から渡される配信要求アクセスのデータを視聴ログとして記録するものである。また、ログサーバー装置100は、記録した視聴ログを、ログ収集蓄積サーバー装置200へ送信するものである。
ログ収集蓄積サーバー装置200は、ログサーバー装置100から送信された視聴ログを受信し、保存するものである。また、ログ収集蓄積サーバー装置200は、ログ解析サーバー装置400から視聴ログの要求を受け取った場合には、要求された視聴ログを、ログ解析サーバー装置400に送信するものである。
【0022】
タグデータベース装置300は、番組コンテンツのシーンに付与されているタグを管理し、保存するものである。また、タグデータベース装置300は、ログ解析サーバー装置400から、タグのデータを要求された場合には、その要求に応じて、番組コンテンツのシーンに付与されているタグのデータを、ログ解析サーバー装置400に通知するものである。
【0023】
ログ解析サーバー装置400は、解析クライアント装置500からの要求に基づき、ログ収集蓄積サーバー装置200から視聴ログを受信する。なお、解析クライアント装置500からの要求には視聴ログに関する条件が含まれており、ログ解析サーバー装置400は、その条件に合致する視聴ログを、ログ収集蓄積サーバー装置200側に要求し、受信する。ログ解析サーバー装置400は、受け取った視聴ログに含まれる番組コンテンツのタイムコードの情報に基づいて、映像フレームごとの視聴ログの件数をカウントする。つまり、ログ解析サーバー装置400は、視聴ログに基づいて、映像フレームごとの視聴量を算出する。
【0024】
また、ログ解析サーバー装置400は、タグごとの視聴量の算出を行ってもよい。具体的には、ログ解析サーバー装置400は、解析クライアント装置500から要求された条件に基づき、ログ収集蓄積サーバー装置200から視聴ログを取得する。そして、それらの視聴ログに関連付けられているタグの情報をタグデータベース装置300に要求し、タグデータベース装置300から該当するタグの情報を受け取る。そして、ログ解析サーバー装置400は、タグごとに視聴ログの件数をカウントする。つまり、ログ解析サーバー装置400は、解析クライアント装置500から指定された条件に基づき、タグごとに視聴されたフレーム数をカウントする。即ち、ログ解析サーバー装置400は、解析クライアント装置500から指定された条件に基づき、タグごとに視聴量を算出する。
【0025】
映像のフレームは、所定の長さの時間を占める。その時間の長さは、フレーム期間である。つまり、1枚の映像フレームが視聴され、その映像フレームに対応して視聴ログが生成されることは、そのフレーム期間の長さ分だけ、番組コンテンツが視聴されたことと対応する。つまり、視聴量は、視聴ログの件数に比例する。なお、フレーム期間は、後述するフレームレートの逆数である。
【0026】
解析クライアント装置500は、ユーザーから入力される測定条件に基づいて、視聴ログの解析処理をログ解析サーバー装置400に要求する。ユーザーは、視聴量の測定・解析について、所望の条件を解析クライアント装置500に入力することができる。解析クライアント装置500は、ログ解析サーバー装置400から応答として送信される視聴量の解析結果のデータを受信する。解析クライアント装置500は、受信した解析結果のデータを、数値を表す文字情報として画面に表示したり、グラフとして画面に表示したりする。なお、解析クライアント装置500における視聴量の情報の表示方法は、特に限定されず、任意である。解析クライアント装置500は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や、タブレットや、スマートフォン(スマホ)や、スマートウォッチや、ウェアラブル端末などといった情報機器である。
【0027】
以上述べたように、視聴量解析装置1において、ログサーバー装置100は、配信サーバー装置50から視聴クライアント装置への番組コンテンツの配信の状況を表す視聴ログを記録する。そして、ログ収集蓄積サーバー装置200は、すべての視聴ログを収集する。また、視聴量解析装置1において、ログ収集蓄積サーバー装置200は、保存している視聴ログのうち、解析クライアント装置500から要求のあった視聴ログをログ解析サーバー装置400へ送信する。また、タグデータベース装置300は、解析対象の番組コンテンツに付与されているタグの情報を、ログ解析サーバー装置400へ送信する。ログ解析サーバー装置400は、視聴ログに基づいて、視聴された映像フレームの数を数える。また、ログ解析サーバー装置400は、タグに関連付けて、視聴された映像フレームの数を数える。ログ解析サーバー装置400は、このようにして得られた視聴量の情報を、要求元の解析クライアント装置500に送信する。解析クライアント装置500は、受け取った視聴量の情報を表示する。
【0028】
次に、
図1に含まれる主要な装置の、さらに詳細な機能構成について説明する。
図2は、ログサーバー装置100の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、ログサーバー装置100は、視聴ログ生成部101と、視聴ログ記録部102と、視聴ログ送信部103と、視聴ログ記憶部104とを含んで構成される。
【0029】
視聴ログ生成部101は、通信ネットワークを介して配信された番組コンテンツに関して配信されたフレームを配信先ごとに表す視聴ログを生成する。具体的には、視聴クライアント装置からの要求にしたがって配信サーバー装置50が番組コンテンツを配信する際に、配信サーバー装置50から得る情報に基づいて、視聴ログ生成部101が視聴ログを生成する。そして、視聴ログ生成部101は、生成した視聴ログを視聴ログ記録部102と視聴ログ送信部103とに渡す。
視聴ログ記録部102は、視聴ログ生成部101から受け取った視聴ログを、視聴ログ記憶部104に書き込む。
視聴ログ送信部103は、視聴ログ生成部101から受け取った視聴ログを、通信ネットワークを介して、ログ収集蓄積サーバー装置200へ送信するものである。
視聴ログ記憶部104は、視聴ログを記憶する機能を有するものである。視聴ログ記憶部104は、内部に記憶媒体(例えば、磁気ハードディスク装置(HDD)や、半導体ディスク装置(SSD)等)を備えている。
【0030】
図3は、視聴ログのデータ構成を示す概略図である。同図に示すように、視聴ログは、配信先識別情報と、配信日時と、番組コンテンツ放送日時と、地域IDと、放送局IDとを含むデータである。図示するデータは、1件の視聴ログであり、1フレーム分の視聴に対応するものである。視聴ログに含まれる各データ項目の意味は、下記の通りである。
【0031】
配信先識別情報は、配信先を識別する情報である。具体的には、配信先識別情報は、視聴クライアント装置を識別する情報や、視聴者を識別する情報などである。視聴クライアント装置を識別する情報としては、例えば、IPアドレスやホスト名の文字列などを用いる。図示する例では、IPアドレス「192.168.1.15」が配信先識別情報である。
【0032】
配信日時は、番組コンテンツ内の映像の1フレームを配信した日時である。日時は「YYYY/MM/DD hh:mm:ss」(年月日、時分秒)の形式で表される。配信日時の情報として、秒の下の単位であるフレームの番号を含めてもよい。フレームの番号を含める場合、配信日時は「YYYY/MM/DD hh:mm:ss;nn」の形式で表される。ここで、秒の下の「nn」が当該秒内のフレームの通し番号である。図示する例では、配信日時は、「2015/10/29 19:06:27;06」である。これは、「2015年10月29日 19時06分27秒のフレーム番号06」を表す。なお、1秒あたりのフレーム数は、放送規格等によって適宜定められる。本実施形態では、番組コンテンツの映像は、1秒あたり30個のフレームを含む。ただし、1秒あたりのフレーム数は30に限定されるものではない。
番組コンテンツ放送日時は、視聴クライアント装置からの要求にしたがって視聴される番組コンテンツの放送日時である。なお、番組コンテンツは放送済みであり、放送日時以後には、配信サーバー装置50から配信可能である。番組コンテンツ放送日時は、フレームの単位まで表される。番組コンテンツの放送日時は「YYYY/MM/DD hh:mm:ss;nn」の形式で表される。図示する例では、番組コンテンツ放送日時は、「2012/08/18 19:00:58;06」である。これは、「2012年08月18日 19時00分58秒のフレーム番号06」を表す。
地域IDは、番組コンテンツが放送された地域を識別するための情報である。日本においては、地上波テレビ放送は地域ごとに特有のものであり、放送衛星によるテレビ放送は全国を単一のサービスエリアとするものである。地域IDは、例えば、「関東」、「近畿」、「全国」などといった地域を表す情報である。
放送局IDは、放送局あるいはサービスを識別するための情報である。
【0033】
図示した視聴ログでは、地域IDと放送局IDとの組み合わせにより、サービスを特定している。なお、他の方法でサービスを特定するようにしてもよい。例えば、放送局IDのみによってサービスを特定するようにしてもよい。
また、番組コンテンツ放送日時は、視聴ログが対象とする映像フレームを特定する情報である。
また、配信先識別情報は、配信先を特定する情報である。
即ち、図示する視聴ログのデータでは、地域ID「全国」且つ放送局ID「BS1」で特定されるサービスの、番組コンテンツ放送日時で示されるフレームが、配信先識別情報で示される配信先において視聴されたことを表すデータである。このように、視聴ログは、サービスごと、フレーム時刻ごと、且つ配信先(視聴者)ごとに生成される。つまり、この視聴ログを収集・蓄積することにより、システム全体における視聴量を、フレーム単位で把握することが可能となる。
【0034】
図4は、ログ収集蓄積サーバー装置200の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、ログ収集蓄積サーバー装置200は、視聴ログ受信部201と、視聴ログ記録部202と、視聴ログ要求受付部203と、視聴ログ読出部204と、視聴ログ送信部205と、視聴ログ記憶部206とを含んで構成される。
【0035】
視聴ログ受信部201は、複数のログサーバー装置100から送信される視聴ログをそれぞれ受信し、視聴ログ記録部202に渡すものである。
視聴ログ記録部202は、視聴ログ受信部201から受け取った視聴ログを、視聴ログ記憶部206に書き込むものである。
視聴ログ要求受付部203は、ログ解析サーバー装置400から視聴ログの送信の要求を受け付け、要求内に含まれる条件に合致する視聴ログを視聴ログ記憶部206から読みだすように、視聴ログ読出部204に要求するものである。
視聴ログ読出部204は、視聴ログ要求受付部203からの要求に基づいて、視聴ログを視聴ログ記憶部206から読み出し、視聴ログ送信部205に渡すものである。
視聴ログ送信部205は、視聴ログ送信部205は、視聴ログ読出部204から渡された視聴ログを、通信ネットワークを介して、ログ解析サーバー装置400に送信するものである。
視聴ログ記憶部206は、視聴ログを記憶する機能を有するものである。視聴ログ記憶部206によって記憶される視聴ログは、元々、ログサーバー装置100の視聴ログ生成部101によって生成され、視聴ログ受信部201で受信されたものである。視聴ログ記憶部206は、内部に記憶媒体(例えば、磁気ハードディスク装置(HDD)や、半導体ディスク装置(SSD)等)を備えている。
【0036】
図5は、タグデータベース装置300の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、タグデータベース装置300は、タグデータ要求受付部301と、タグデータ読出部302と、タグデータ送信部303と、タグデータ記憶部304とを含んで構成される。
【0037】
タグデータ要求受付部301は、ログ解析サーバー装置400からタグデータの要求があったとき、その要求を受け付けるものである。ログ解析サーバー装置400からの要求には、放送サービスを特定する情報(例えば、放送局IDおよび地域ID)と、タグデータ取得の対象となる期間の情報とが含まれている。タグデータ取得の対象となる期間としては、その期間の開始日時(フレーム単位)および終了日時(フレーム単位)の情報が指定される。タグデータ要求受付部301は、要求された番組コンテンツの、当該期間内のフレームに付与されているタグデータを読みだすよう、タグデータ読み出し部302に要求する。
タグデータ読出部302は、タグデータ要求受付部301からの要求に応じて、指定された地域IDと放送局IDと期間(開始日時および終了日時)に基づいて、タグデータ記憶部304を検索する。そして、タグデータ読出部302は、該当するタグデータをタグデータ記憶部304から読み出す。そして、タグデータ読出部302は、読み出したタグデータを、タグデータ送信部303に渡す。
タグデータ送信部303は、タグデータ読出部302から渡されたタグデータを、通信ネットワークを介して、ログ解析サーバー装置400に送信する。
タグデータ記憶部304は、タグデータを記憶する機能を有するものである。つまり、タグデータ記憶部304は、配信されたフレームごとに付与されたタグの情報を記憶する。タグデータ記憶部304は、内部に記憶媒体(例えば、磁気ハードディスク装置(HDD)や、半導体ディスク装置(SSD)等)を備えている。
【0038】
図6は、タグデータベース装置300が保持するタグデータの構成とデータ例とを示す概略図である。図示するように、本実施形態におけるタグデータは、表形式のデータとして表現されている。この表は、番号と、地域IDと、放送局IDと、開始フレームと、終了フレームと、タグの各項目を有する。この表の各行(レコード)は、配信される番組コンテンツ内の所定の期間に含まれるフレームに付与されたタグに対応している。この表に含まれる各データ項目の意味は、次の通りである。
【0039】
番号は、タグデータの各レコード(行)を識別するために付与した数値である。
地域IDは、テレビ放送の地域を識別するための情報である。
放送局IDは、放送局を識別するための情報である。
本実施形態では、上記の地域IDと放送局IDとの組み合わせにより放送サービスを一意に特定している。
開始フレームは、当該放送サービスにおいて、当該レコードで表されるタグが付与されている期間の最初のフレームを示す情報である。開始フレームは、「YYYY/MM/DD hh:mm:ss;nn」(年月日、時分秒、フレーム番号)の形式で表現される。ここで「nn」は当該秒内におけるフレームの番号である。なお、ここでは、1秒あたりのフレーム数は30であり、フレーム番号は00から29までの範囲の整数である。開始フレームの値は、番組コンテンツが放送された日時に対応している。
終了フレームは、当該放送サービスにおいて、当該レコードで表されるタグが付与されている期間の最後のフレームを示す情報である。終了フレームもまた、開始フレームと同様に、「YYYY/MM/DD hh:mm:ss;nn」(年月日、時分秒、フレーム番号)の形式で表現される。
上記の開始フレームおよび終了フレームの組み合わせが、当該タグが付与されている期間を表している。
タグは、文字列として与えられるデータである。タグは、番組コンテンツの内容に関するキーワードを表すものである。タグとて用いられる語は、番組内容に関わる一般名詞や、番組内容に関する人名(出演者名を含む)や、番組内容に関する地名等である。一般に番組に関係する語をタグとして用いることができ、特別な制約はない。
【0040】
図示する例において、番号が1であるレコードは、地域IDが「関東」であり、放送局IDが「総合テレビ」であり、開始フレームが「2016/04/08 10:02:00;10」であり、終了フレームが「2016/04/08 10:09:39;00」であり、タグは「料理」である。同図に示す例では、他に、「カレー」、「田中○夫」(人名)、「佐藤△子」(人名)、「サモサ」といったタグのデータが保持されている。
【0041】
図7は、タグデータベース装置300が保持するタグデータが表すタグの内容を、時間軸に沿って示した概略図である。同図において横軸は時刻である。ここで、時刻は、年月日、時分秒、フレーム番号(秒内の通し番号)で表される。
図7に示すタグの内容は、
図6に示したデータ例に対応しているものである。例えば、タグ「料理」は、「2016/04/08 10:02:00;10」から「2016/04/08 10:09:39;00」までの期間(開始時点と終了時点とを含む、その間のフレーム)に対して付与される。また、タグ「カレー」は、「2016/04/08 10:02:31;14」から「2016/04/08 10:07:17;18」までの期間に対して付与される。また、タグ「田中○夫」は、「2016/04/08 10:03:38;24」から「2016/04/08 10:06:33;04」までの期間に対して付与される。その他のタグについても同様である。なお、上の例からも明らかなように、あるタグの期間と、他のタグの期間とが重複していてもよい。
【0042】
図8は、ログ解析サーバー装置400の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、ログ解析サーバー装置400は、解析条件受付部401と、視聴データ解析部402と、視聴ログ要求部403と、視聴ログ受信部404と、視聴データ記録部405と、視聴データ読出部406と、視聴データ消去部407と、タグ要求部408と、タグデータ受信部409と、解析データ記録部410と、解析データ読出部411と、解析データ表示部412と、視聴データ記憶部413と、解析データ記憶部414とを含んで構成される。
【0043】
ここで、ログ解析サーバー装置400が解析する視聴量について説明する。視聴量は、番組コンテンツ内のある映像フレームが何回配信されたかをカウントして得られる数値である。つまり、ここで視聴量は、配信サーバー装置(50−1〜50−X)から配信された当該映像フレームの、すべての視聴者によるのべ視聴回数である。例えば、地域IDが「関東」且つ放送局IDが「総合テレビ」で、フレームが「2016年04月08日15時01分20秒の15フレーム」と指定されたとき、ログ解析サーバー装置400は、当該映像フレームに関する視聴ログすべてを抽出して、カウントする。これにより、ログ解析サーバー装置400は、当該映像フレームの視聴量を求める。
上記のように、視聴量は、フレームをカウントすることにより求められる。なお、1フレームが視聴されたことは、フレームレートの逆数の時間分の番組コンテンツが視聴されたことを意味する。即ち、ある時刻のフレームについての視聴ログをカウントすることは、そのフレームがすべての視聴用クライアント装置において延べ何回視聴されたかを求めることである。その視聴ログの件数に、上記のフレームレートの逆数を乗ずることにより、そのフレームに相当するコンテンツが視聴された延べ時間を求めることができる。
【0044】
またここで、解析クライアント装置500からログ解析サーバー装置400に渡される解析条件について説明する。
解析条件の第1のパターンは、解析クライアント装置500からのアクセス期間の指定である。アクセス期間は、開始時刻と終了時刻によって指定される。なお、終了時刻を省略してアクセス期間を指定することもできる。
例えば、開始時刻が2016年04月04日10時00分00秒、且つ終了時刻が2016年04月11日17時59分59秒と指定された場合、このアクセス期間内の視聴ログのみが解析対象となる。なおここで、ある視聴ログが指定されたアクセス期間に含まれているか否かは、視聴ログ(
図3を参照)に含まれる配信日時がこのアクセス期間に含まれているか否かによって決まる。
また、例えば、終了時刻の指定が省略されて、開始時刻が2016年04月12日18時00分00秒と指定された場合、指定された開始時刻以後のすべての視聴ログが、ログ解析サーバー装置400による解析処理の対象となる。終了時刻が指定されなかった場合、時間の経過とともに、新たに生成される視聴ログがログ収集蓄積サーバー装置200に蓄積され、増えていく。この場合、ログ解析サーバー装置400は、新たに蓄積されていく視聴ログもまた解析処理の対象とする。
【0045】
解析条件の第2のパターンは、「現在から過去方向に、○時間○分○秒間」というアクセス期間の指定のしかたである。例えば、解析クライアント装置500は、「現在から過去方向に、2時間00分00秒間」という解析条件を指定する。この場合も、時間の経過とともに新たに生成される視聴ログが解析処理の対象となる。この第2のパターンの解析条件を受け付けた場合、ログ解析サーバー装置400は、直ちに自己が管理するクロックを参照することによって、現在時刻を取得する。そして、その現在時刻から指定された時間が経過した時点までの視聴ログを解析処理の対象とする。
この第2のパターンにおいても、ある視聴ログが指定されたアクセス期間に含まれているか否かは、視聴ログに含まれる配信日時がこのアクセス期間に含まれているか否かによって決まる。
【0046】
解析条件のもう一つの要素は、時刻ごと(フレームごと)の視聴量を解析するか、タグごとの視聴量を解析するかの区別である。
つまり、ここで説明した解析条件の組み合わせとして、次の4種類の解析条件があり得る。即ち、上記の第1のパターンで時刻ごと(フレームごと)の視聴量を解析、上記の第2のパターンで時刻ごと(フレームごと)の視聴量を解析、上記の第1のパターンでタグごとの視聴量を解析、上記の第2のパターンでタグごとの視聴量を解析、の4通りである。
【0047】
次に、ログ解析サーバー装置400を構成する各部の機能を個別に説明する。
解析条件受付部401は、解析クライアント装置500から送信されて来る、視聴量の解析条件のデータを受信し、視聴データ解析部402に通知する。
【0048】
視聴データ解析部402は、解析条件受付部401から通知された視聴量の解析条件に基づいて、解析処理を実行する。視聴データ解析部402は、ログ収集蓄積サーバー装置200の視聴ログ記憶部206から読み出された視聴ログに基づいて、配信された番組コンテンツのフレームごとの視聴量を求める。また、フレームに付与されたタグごとの視聴量を求めることもできる。
具体的には、視聴データ解析部402は、解析条件に基づいて、取得すべき視聴ログの、アクセス期間(つまり、配信日時の年月日・時分秒の範囲)を決定する。そして、視聴データ解析部402は、このアクセス期間の情報を視聴ログ要求部403に通知する。要求された視聴ログは、後述する視聴ログ受信部404によって受信され、後述する視聴データ記録部405によって視聴データ記憶部413に書き込まれる。
また、視聴データ解析部402は、タグごとの視聴量の解析を行う場合には、取得した視聴ログに関連するタグの情報を取得するよう、タグ要求部408に要求する。具体的には、視聴データ解析部402は、取得した視聴ログの映像フレームに付与されているタグの情報を取得するよう、タグ要求部408に要求する。視聴データ解析部402は、要求したタグの情報を取得すると、視聴ログにタグの情報を付加する。
また、視聴データ解析部402は、解析条件受付部401から通知された視聴量の解析条件に基づいて、条件から外れた視聴ログを消去するよう、視聴データ消去部407に要求する。条件から外れた視聴ログを消去する必要があるのは、過去の解析のために取得した視聴ログが視聴データ記憶部413に残っている場合である。
また、視聴データ解析部402は、解析対象の視聴ログの数を数える。視聴データ解析部402は、解析条件に応じて、時刻ごと(フレームごと)に視聴ログの数を数える場合と、タグごとに視聴ログの数を数える場合とがある。なお、タグごとに視聴ログの数を数えるのは、視聴ログにタグの情報が付加されている場合に限られる。視聴データ解析部402は、解析結果のデータを、解析データ記録部410に渡す。
【0049】
視聴ログ要求部403は、視聴データ解析部402から通知されたデータ(アクセス期間の情報)に基づいて、このアクセス期間に該当する視聴ログを、ログ収集蓄積サーバー装置200に要求する。
視聴ログ受信部404は、視聴ログ要求部403からの要求に基づいてログ収集蓄積サーバー装置200から送信された視聴ログを受信し、視聴データ記録部405に渡す。
【0050】
視聴データ記録部405は、視聴ログ受信部404から渡された視聴ログを、視聴データ記憶部413に書き込む。また、視聴データ記録部405は、後述するタグデータ受信部409から渡されるタグの情報を、視聴ログと関連付けて、視聴データ記憶部413に書き込む。つまり、視聴データ記録部405は、視聴ログ内の番組コンテンツ放送日時(フレーム単位)のデータをキーとして、その番組コンテンツのその映像フレームに付与されているタグの情報を、当該視聴ログに関連付けて書き込む。これにより、視聴データ記憶部413に書き込まれた視聴ログは、その視聴ログに対応する映像フレームに付与されたタグの情報を併せ持っている。
【0051】
視聴データ読出部406は、視聴データ解析部402の要求により、視聴ログを視聴データ記憶部413から読み出す。また、視聴データ読出部406は、視聴データ解析部402の要求により、タグのデータが付与されている視聴ログを視聴データ記憶部413から読み出す。
【0052】
視聴データ消去部407は、視聴データ解析部402から要求があった場合に、視聴データ記憶部413に残っている不要な視聴データを消去する。具体的には、視聴データ消去部407は、視聴データ解析部402から通知された条件(アクセス期間の範囲の条件)に基づいて、視聴データ記憶部413を検索する。そして、視聴データ消去部407は、消去すべきデータが見つかった場合には、それらのデータを視聴データ記憶部413から消去する。
【0053】
タグ要求部408は、視聴データ解析部402から通知された番組コンテンツの放送局のIDと、放送地域のIDと、番組コンテンツが放送された年月日と、番組コンテンツが放送された時分秒にもとづいて、タグデータベース装置300へ、該当する番組コンテンツに付与されているタグを要求する。
タグデータ受信部409は、タグデータベース装置300から送信されたタグを受信する。そして、タグデータ受信部409は、タグの情報を視聴データ記録部405に渡す。
【0054】
解析データ記録部410は、視聴データ解析部402から渡される解析データを、解析データ記憶部414に書き込むものである。なお、解析データの具体例については、後で詳細に説明する。
解析データ読出部411は、視聴データ解析部402からの要求に基づいて、解析データ記憶部414から解析データを読み出す。そして、解析データ読出部411は、解析データ表示部412に、読み出した解析データを渡す。
解析データ表示部412は、解析データ読出部411から渡された解析データを、文字やグラフなどのビジュアルな形のデータとして、解析クライアント装置500に送信する。これにより、解析クライアント装置500における解析データの表示が可能となる。
【0055】
視聴データ記憶部413は、視聴ログを記憶するものである。また、視聴データ記憶部413は、視聴ログと関連付ける形で、タグの情報を記憶する。視聴データ記憶部413への書き込みは、視聴データ記録部405によって行われる。また、視聴データ記憶部413のデータは、視聴データ消去部407からの信号によって消去される場合がある。
解析データ記憶部414は、視聴データ解析部402による解析処理の結果である解析データを記憶するものである。また、解析データ記憶部414に記憶されているデータは、解析データ読出部411によって読み出される。
【0056】
図9は、視聴データ解析部402による解析結果の例を示すものであり、フレームごと(時刻ごと)の視聴量を集計した例である。図示する解析データは、表形式のデータである。この解析データは、地域ID、放送局ID、フレーム、視聴量の各項目を有している。地域IDと放送局IDの組み合わせにより放送サービスが特定される。フレームは、年月日、時分秒、フレーム番号の情報により特定される。視聴量は、視聴ログをカウントして得られた値である。つまり、この視聴量は、解析条件として指定されたアクセス期間において当該フレームが視聴された(配信された)回数を表す。
【0057】
図10は、視聴データ解析部402による解析結果の例を示すものであり、タグごとの視聴量を集計した例である。図示する解析データは、表形式のデータである。この解析データは、タグ、視聴量の各項目を有している。つまり、ここでの視聴量は、解析条件として指定されたアクセス期間において視聴された(配信された)フレームに、そのタグが付与されていた延べ回数を表す。
【0058】
次に、視聴量解析装置1内の主要な処理の手順について説明する。
図11は、ログ収集蓄積サーバー装置200が、ログサーバー装置100によって生成された番組コンテンツの視聴ログを収集し、保存するまで処理の手順を示すフローチャートである。ログ収集蓄積サーバー装置200は、以下で説明する手順により、すべての配信サーバー装置50から配信された番組コンテンツの視聴ログを、ログサーバー装置100から収集する処理を行うものである。以下、フローチャートに沿って手順を説明する。
【0059】
まずステップS11において、ログサーバー装置100側の視聴ログ生成部101は、視聴ログを生成する。具体的には、視聴者側の視聴クライアント装置から配信サーバー装置50に番組コンテンツの配信要求があり、この要求にしたがって配信サーバー装置50が番組コンテンツを配信したとき、視聴ログ生成部101は、視聴ログを生成する。このとき、配信サーバー装置50は、対応するログサーバー装置100に対して、番組コンテンツの配信の記録を渡す。これを受けたログサーバー装置100内の視聴ログ生成部101が、フレームごとに1件の視聴ログを生成する。つまり、フレームレートが30フレーム毎秒である場合、ある視聴クライアント装置において番組コンテンツが1秒間視聴されると、それに応じて、視聴ログ生成部101は、30件の視聴ログを生成する。視聴ログのデータの構造は前述したとおりであり、番組コンテンツ放送日時の情報を含む。この番組コンテンツ放送日時は、日付(年月日)と、時刻(時分秒)と、秒内におけるフレームの番号(0から29まで)で表される。また、視聴ログには、配信日時の情報も含まれている。
視聴ログ生成部101は、生成した視聴ログを視聴ログ記録部102に渡すとともに、視聴ログ送信部103にも渡す。
【0060】
次にステップS12において、視聴ログ記録部102は、視聴ログ生成部101から受け取った視聴ログを、視聴ログ記憶部104に書き込む。
【0061】
次にステップS13において、視聴ログ送信部103は、視聴ログ生成部101から受け取った視聴ログを、通信ネットワークを介して、ログ収集蓄積サーバー装置200に送信する。
このステップS13の処理が終了すると、ログサーバー装置100は、ステップS11の処理に戻ってさらに視聴ログを生成する。
【0062】
ログ収集蓄積サーバー装置200側では、ステップS14において、視聴ログ受信部201が、ログサーバー装置100から送信された視聴ログを受信する。視聴ログ受信部201は、受信した視聴ログを視聴ログ記録部202に渡す。
【0063】
次にステップS15において、視聴ログ記録部202は、視聴ログ受信部201から受け取った視聴ログを、視聴ログ記憶部206に書き込む。
このステップS15の処理が終了すると、ログ収集蓄積サーバー装置200は、ステップS14の処理に戻ってさらに視聴ログを生成する。
【0064】
上のフローチャートで説明した通り、ログサーバー装置100とログ収集蓄積サーバー装置200は、ログ解析サーバー装置400の動作とは関係なく、視聴ログを収集して保存する動作を行う。また、ログサーバー装置100とログ収集蓄積サーバー装置200は、視聴ログを収集する処理を何度も繰り返して行う。
【0065】
なお、
図11のステップS13において視聴ログ送信部103が視聴ログを送信するタイミングは、視聴ログ送信部103が視聴ログ生成部101から視聴ログを受け取って即座であっても良く、また所定の時間間隔ごとであってもよい。所定の時間間隔ごとに送信する場合、視聴ログ送信部103は、その送信タイミングが来るまで一時的に視聴ログを送信バッファー等に貯め込んでおく。ただし、ログ収集蓄積サーバー装置200側で蓄積される視聴ログが古い状態であることを避けるためには、視聴ログ送信部103が、例えば少なくとも数秒おき、または数十秒おきに視聴ログを送信することが望ましい。視聴ログ送信部103が頻繁に視聴ログを送信することにより、ログ収集蓄積サーバー装置200側での蓄積状態をフレッシュに維持することができる。また、これにより、ログ解析サーバー装置400は、フレッシュな状態の視聴ログに基づいて解析処理を行うことができるようになる。
【0066】
次に、ログ解析サーバー装置400による処理について説明する。
図12,
図13,
図14,および
図16は、それぞれ、解析条件のパターンに応じた処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートの各々について、以下で、順に説明する。
【0067】
図12は、ログ解析サーバー装置400が、解析クライアント装置500から指定された開始時刻および終了時刻の条件に基づいて視聴ログを解析し、番組コンテンツの放送時刻ごとの視聴量を解析する処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
【0068】
まずステップS41において、解析条件受付部401は、解析クライアント装置500から送信された、解析条件を受信する。解析条件には、放送サービスを特定する情報(本実施形態では、地域IDおよび放送局ID)と、アクセス期間とが含まれる。アクセス期間の条件は、開始時刻および終了時刻により示される。ただし、前述の通り、終了時刻の指定は省略される場合がある。なお、解析クライアント装置500側から送られてくる解析条件は、解析クライアント装置500のユーザー(解析ユーザー)によって指定されるものである。
なお、解析条件受付部401は、受信した解析条件の情報を、視聴データ解析部402に渡す。
【0069】
次にステップS42において、視聴データ解析部402は、解析条件に基づいて、取得すべき視聴ログの、放送サービス(地域IDおよび放送局ID)およびアクセス期間(つまり、配信日時の年月日・時分秒の範囲)を決定する。そして、視聴データ解析部402は、このアクセス期間の情報を視聴ログ要求部403に通知する。そして、視聴ログ要求部403は、ログ収集蓄積サーバー装置200に、通知された地域IDおよび放送局IDに基づき、通知されたアクセス期間内に配信されたと記録がある視聴ログを要求する。
なお、視聴ログ要求部403からの要求を、ログ収集蓄積サーバー装置200側の視聴ログ要求受付部203が受け付ける。そして、視聴ログ読出部204は、受け付けられた解析条件にしたがって、視聴ログ記憶部206を検索する。そして、視聴ログ読出部204は、解析条件に合致する視聴ログを、視聴ログ記憶部206から読み出す。そして、視聴ログ送信部205は、視聴ログ読出部204によって読み出されたこれらの視聴ログのすべてを、ログ解析サーバー装置400宛てに送信する。
【0070】
次にステップS43において、視聴ログ受信部404は、ログ収集蓄積サーバー装置200から送信された視聴ログを受信する。視聴ログ受信部404によって受信された視聴ログは、視聴データ記録部405に渡される。
次にステップS44において、視聴データ記録部405は、受け取った視聴ログを、視聴データ記憶部413にすべて書き込む。
【0071】
次にステップS45において、視聴データ読出部406は、視聴データ記憶部413に記録されている視聴ログを読み出して視聴データ解析部402に渡す。そして、視聴データ解析部402は、渡された視聴ログに基づいて、時刻ごとの視聴量を求める。より具体的には、視聴データ解析部402は、番組コンテンツ放送日時ごとに、視聴ログの個数をカウントすることによって視聴量を求める。ここで、番組コンテンツ放送日時は、フレームの単位であり、前述の通り「YYYY/MM/DD hh:mm:ss;nn」の形式で表される。そして、視聴データ解析部402は、地域IDと放送局IDとフレームで特定される視聴量を、フレームごとの数値のデータとして出力する。ここでの視聴データ解析部402による解析処理の結果のデータは、
図9で説明したデータである。なお、視聴データ解析部402は、必要に応じて、出力するデータを時刻順に整列させる処理(ソーティング)を行う。
そして、ステップS46において、解析データ記録部410は、視聴データ解析部402によって出力された上記の解析データを、解析データ記憶部414に書き込む。
【0072】
そして、ステップS47において、解析データ読出部411は、解析データ記憶部414に保存されている解析データを読み出す。解析データ読出部411は、読み出した解析データを、解析データ表示部412に渡す。
次にステップS48において、解析データ表示部412は、得られた解析データを解析クライアント装置500側で表示できるように、解析クライアント装置500に送信する。なお、このときの解析データの表示の形態は、文字情報のまま(時系列に羅列)であってもよく、また、グラフのような図的な表示であってもよい。グラフとしては、例えば、時系列に視聴量を表す折れ線グラフや棒グラフなどを用いればよいが、グラフの形態はこれらに限定されるものではない。具体的には、解析データ表示部412は、望まれる表示の形態に対応した形式のデータを解析クライアント装置500に送信する。データの形式とは、例えば、テキスト形式、画像形式、ハイパーテキスト形式などである。解析クライアント装置500は、受信した解析データを自身の画面等に表示する。
【0073】
なお、解析条件として解析クライアント装置500側から指定されるアクセス期間の終了時刻が省略されている場合には、上述したログ解析サーバー装置400による解析処理の後にも、新たに生成された視聴ログがログ収集蓄積サーバー装置200に蓄積される。この場合、ログ解析サーバー装置400は、適宜、定められたタイミングで再度ログ解析の処理を行うようにする。これにともなって、解析データ表示部412は、再処理の結果である解析データを解析クライアント装置500に表示させる。ログ解析サーバー装置400による再解析処理の頻度は、例えば、ログサーバー装置100からログ収集蓄積サーバー装置200へ視聴ログが送られる頻度と同じであってもよく、また、より少ない頻度であってもよい。
【0074】
図13は、ログ解析サーバー装置400が、解析クライアント装置500から指定された期間の長さ(現在から過去方向への長さ)の条件に基づいて視聴ログを解析し、番組コンテンツの放送時刻ごとの視聴量を解析する処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
【0075】
まずステップS61において、解析条件受付部401は、解析クライアント装置500から送信された、解析条件を受信する。解析条件には、放送サービスを特定する情報とアクセス期間とが含まれる。ここでは、アクセス期間の条件として、時間の長さが指定される。これは、現在から指定された長さ分だけ過去の時点をアクセス期間の開始とし、現在をアクセス期間の終了とするものである。例えば、時間の長さとして「2時間」が指定された場合、2時間前から現在時刻までがアクセス期間である。なお、後述するように、時間が経過するのに伴い、最新の時点を基準としてアクセス期間の開始時刻および終了時刻は設定し直される。
なお、解析条件受付部401は、受信した解析条件の情報を、視聴データ解析部402に渡す。
【0076】
次にステップS62において、視聴データ解析部402は、解析条件に基づいて、取得すべき視聴ログの、放送サービス(地域IDおよび放送局ID)およびアクセス期間を決定する。
ここでは、解析条件としては、現在からアクセス期間の開始時点までの時間の長さが指定されている。したがって、視聴データ解析部402は、アクセス期間の開始時刻を、現在時刻から指定された時間を減じた時刻とする。視聴データ解析部402は、アクセス期間の終了時刻を、現在時刻とする。例えば、現在時刻が「2016年04月09日 13時55分51秒」であり、指定された時間の長さが「2時間」であるとき、視聴データ解析部402は、次のように開始時刻および終了時刻を決定する。即ち、開始時刻を「2016年04月09日 11時55分51秒」とする。また、終了時刻を「2016年04月09日 13時55分51秒」とする。
そして、視聴データ解析部402は、このアクセス期間の情報と、サービスを特定する情報とを視聴ログ要求部403に通知する。そして、視聴ログ要求部403は、ログ収集蓄積サーバー装置200に、指定された放送サービスの、指定されたアクセス期間内に配信されたと記録がある視聴ログを要求する。
なお、視聴ログ要求部403からの要求をログ収集蓄積サーバー装置200が受け付けて、解析条件に合致する視聴ログをログ収集蓄積サーバー装置200がログ解析サーバー装置400宛てに送信する点は、
図12のステップS42の処理と同様である。
【0077】
次にステップS63において、視聴ログ受信部404は、ログ収集蓄積サーバー装置200から送信された視聴ログを受信する。なお、ステップS62からS63に移ってきた場合、視聴ログ受信部404が受信するのは、ステップS62で要求された視聴ログである。また、ステップS70からS63に移ってきた場合、視聴ログ受信部404が受信するのは、ステップS69で要求された視聴ログである。
視聴ログ受信部404によって受信された視聴ログは、視聴データ記録部405に渡される。
【0078】
次にステップS64において、視聴データ記録部405は、受け取った視聴ログを、視聴データ記憶部413にすべて書き込む。なおこのとき、視聴データ記録部405は、書き込もうとする視聴ログと同一のデータが既に視聴データ記憶部413に存在している場合には、重複を避けるために、視聴データ記録部405は該当するデータの書き込みを行わない。同一の視聴ログの重複は、処理のループによって本ステップが複数回実行される場合に起こり得る。
【0079】
次にステップS65において、視聴データ読出部406は、視聴データ記憶部413に記録されている視聴ログを読み出して視聴データ解析部402に渡す。そして、視聴データ解析部402は、渡された視聴ログに基づいて、時刻ごとの視聴量を求める。具体的には、視聴データ解析部402は、番組コンテンツ放送日時(フレーム)ごとに、視聴ログの個数をカウントすることによって視聴量を求める。
なお、視聴ログをカウントすることによって視聴量を求める処理は、
図12のステップS45の処理と同様である。ここの処理においてもまた、視聴データ解析部402による解析処理の結果のデータは、
図9で説明したデータである。
そして、ステップS66において、解析データ記録部410は、視聴データ解析部402によって出力された上記の解析データを、解析データ記憶部414に書き込む。
【0080】
次にステップS67において、解析データ読出部411は、解析データ記憶部414に保存されている解析データを読み出す。解析データ読出部411は、読み出した解析データを、解析データ表示部412に渡す。
【0081】
次にステップS68において、解析データ表示部412は、得られた解析データを解析クライアント装置500側で表示できるように、解析クライアント装置500に送信する。ここでの、解析データを解析クライアント装置500側で表示できるようにする処理は、
図12におけるステップS48の処理と同様である。
【0082】
次にステップS69において、視聴データ解析部402は、所定時間経過するまでの待機を行った後、アクセス期間を再設定する。即ち、視聴データ解析部402は、アクセス期間の開始時刻を、そのときの現在時刻から指定された時間を減じた時刻とする。また、アクセス期間の終了時刻を、そのときの現在時刻とする。そして、視聴データ解析部402は、このアクセス期間の情報と、サービスを特定する情報とを視聴ログ要求部403に通知する。そして、視聴ログ要求部403は、ログ収集蓄積サーバー装置200に、指定された放送サービスの、指定されたアクセス期間内に配信されたと記録がある視聴ログを要求する。
この要求に対して、ログ収集蓄積サーバー装置200は、解析条件に合致する視聴ログをログ解析サーバー装置400宛てに送信する。つまり、時間の経過に伴って、解析対象の視聴ログが更新されることとなる。
【0083】
次にステップS70において、視聴データ消去部407は、視聴データ記憶部413に記憶されている視聴データのうち、アクセス期間の範囲外の視聴ログを消去する処理を行う。つまり、視聴データ消去部407は、最新のアクセス期間の開始時刻よりも前の配信日時を保持する古い視聴ログを消去する。
【0084】
本ステップの処理の終了後、ログ解析サーバー装置400は、制御をステップS63に戻して処理を繰り返す。
なお、終了条件が満たされたときには、ログ解析サーバー装置400が処理のループを抜けて終了するようにしてもよい。終了条件とは、例えば、予め決められた回数の繰り返しが完了したことや、予め決められた処理時間が経過したことや、予め決められた時刻が到来したことや、装置の外部から終了指示を受け付けたことなどである。
【0085】
次に、ログ解析サーバー装置400によるタグごとの視聴量の解析について説明する。
図14は、ログ解析サーバー装置400が、解析クライアント装置500から指定された開始時刻および終了時刻の条件に基づいて視聴ログを解析し、タグごとの視聴量を解析する処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
【0086】
まず、ステップS81からS83までの処理は、
図12におけるステップS41からS43までの処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0087】
次にステップS84において、視聴データ解析部402は、受信した視聴ログに記載されている、放送サービスを特定する情報(地域IDおよび放送ID)と、番組コンテンツ放送日時(年月日、時分秒、およびフレーム番号)とを、タグ要求部408に渡す。タグ要求部408は、視聴データ解析部402から受け取った情報に基づいて、タグデータベース装置300に、当該映像フレームに付与されているタグを要求する。
なお、本ステップにおけるタグデータの要求は、取得されたすべての視聴ログに関して、それぞれ行う。ただし、ある映像フレームに関する視聴ログが複数ある場合、その映像フレームに関するタグの要求をまとめて1回だけ行うようにしても良い。
また、タグ要求部408からタグデータベース装置300への要求のしかたも次のように任意である。たとえば、映像フレーム1件ごとに、個別に、タグ要求部408からタグデータベース装置300へのタグの要求を行うようにしてもよい。複数件の映像フレームに関するタグの要求を、複数個まとめてタグ要求部408からタグデータベース装置300に送るようにしてもよい。
【0088】
ステップS84における、タグ要求部408からの要求を受けたタグデータベース装置300側での処理は、次の通りである。
タグデータ要求受付部301は、ログ解析サーバー装置400から送信された要求を受信し、タグデータ読出部302にその情報(映像フレームを特定する情報)を通知する。
タグデータ読出部302は、通知された情報に基づいて、タグデータ記憶部304を検索する。これにより、タグデータ読出部302は、要求された映像フレームに付与されたタグの情報を、タグデータ記憶部304から読み出す。タグデータ記憶部304に記憶されているデータの構成は
図6で説明した通りである。したがって、タグデータ読出部302は、指定されている放送サービスに一致し、且つ指定された映像フレームが、開始フレーム以上且つ終了フレーム以下であるようなタグを読み出す。1件の映像フレームに複数のタグが付与されている場合もあり、したがってタグデータ読出部302は、その映像フレームに該当するタグのすべてを読み出す。タグデータ読出部302は、読み出したタグの情報を、タグデータ送信部303に通知する。そして、タグデータ送信部303は、通知されたタグデータをログ解析サーバー装置400に送信する。
なお、ログ解析サーバー装置400側から複数件の映像フレームに関する要求をまとめて受けた場合には、タグデータベース装置300は、それらの各々の映像フレームについてタグの情報を読み出した後、それらの映像フレームの各々に付与されているタグの情報をまとめてログ解析サーバー装置400に送信する。
【0089】
次にステップS85において、タグデータ受信部409は、タグデータベース装置300から送信されたタグデータを受信する。タグデータ受信部409は、受信したタグデータを視聴データ解析部402に渡す。
【0090】
次にステップS86において、視聴データ解析部402は、視聴ログと、その視聴ログの映像フレームに付与されたタグの情報とをあわせて、視聴データ記録部405に渡す。視聴データ記録部405は、渡された視聴ログとタグの情報とを関連付ける形で、視聴データ記憶部413に書き込む。前述の通り、1件の視聴ログに複数のタグが関連付けられる場合もある。なお、タグと関連付けられた視聴ログのデータの構成については、後で
図15を参照しながら説明する。
視聴データ解析部402および視聴データ記録部405は、対象とするすべての視聴ログに関して、この処理を行う。
【0091】
次にステップS87において、視聴データ読出部406は、視聴データ記憶部413に記録されている視聴ログを読み出して視聴データ解析部402に渡す。そして、視聴データ解析部402は、渡された視聴ログに基づいて、タグごとの視聴量を求める。具体的には、視聴データ解析部402は、タグごとに、視聴ログの個数をカウントすることによって視聴量を求める。つまり、あるタグの視聴量は、そのタグが関連付けられた視聴ログの個数である。そして、視聴データ解析部402は、タグごとの視聴量のデータを出力する。ここで、視聴データ解析部402による解析処理の結果のデータは、
図10で説明したデータである。なお視聴データ解析部402は、必要に応じて、出力するデータを視聴量順に整列させる処理(ソーティング)を行う。
次にステップS88において、解析データ記録部410は、視聴データ解析部402から出力された解析データを解析データ記憶部414に保存する。
【0092】
次にステップS89において、解析データ読出部411は、解析データ記憶部414に保存されている解析データを読み出す。解析データ読出部411は、読み出した解析データを、解析データ表示部412に渡す。
次にステップS90において、解析データ表示部412は、得られた解析データを解析クライアント装置500側で表示できるように、解析クライアント装置500に送信する。解析データ表示部412による表示のしかたに関して、ステップS48の処理において説明した様々なバリエーションをここでも取ることができる。
【0093】
なお、解析条件として解析クライアント装置500側から指定されるアクセス期間の終了時刻が省略されている場合には、上述したログ解析サーバー装置400による解析処理の後にも、新たに生成された視聴ログがログ収集蓄積サーバー装置200に蓄積される。この場合、ログ解析サーバー装置400は、適宜、定められたタイミングで再度ログ解析の処理を行うようにする。これにともなって、解析データ表示部412は、再処理の結果である解析データを解析クライアント装置500に表示させる。ログ解析サーバー装置400による再解析処理の頻度は、例えば、ログサーバー装置100からログ収集蓄積サーバー装置200へ視聴ログが送られる頻度と同じであってもよく、また、より少ない頻度であってもよい。
【0094】
図15は、視聴データ記憶部413に記憶される視聴ログがタグの情報に関連付けられる場合のデータの構成を示す概略図である。このデータは、
図14のステップS86の処理において視聴データ記憶部413に書き込まれるものである。
ここで図示する視聴ログは、
図3で説明した視聴ログのデータに加えて、タグリストに関連付けるためのデータを保持している。タグリストは、複数のタグの情報を並べた構造体である。同図に示す視聴ログは、その視聴ログが表す映像フレームに「料理」、「カレー」、「チキン」の3つのタグが付与されていることを表している。
【0095】
図16は、ログ解析サーバー装置400が、解析クライアント装置500から指定された期間の長さ(現在から過去方向への長さ)の条件に基づいて視聴ログを解析し、タグごとの視聴量を解析する処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
【0096】
まずステップS101からS102までの処理は、
図13で説明したステップS61からS62までの処理と同様である。
次にステップS103において、視聴ログ受信部404は、ログ収集蓄積サーバー装置200から送信された視聴ログを受信する。なお、ステップS102からS103に移ってきた場合、視聴ログ受信部404が受信するのは、ステップS102で要求された視聴ログである。また、ステップS112からS103に移ってきた場合、視聴ログ受信部404が受信するのは、ステップS111で要求された視聴ログである。
視聴ログ受信部404によって受信された視聴ログは、視聴データ解析部402に渡される。
【0097】
次にステップS104において、視聴データ解析部402は、受信した視聴ログに記載されている、放送サービスを特定する情報(地域IDおよび放送ID)と、番組コンテンツ放送日時(年月日、時分秒、およびフレーム番号)とを、タグ要求部408に渡す。タグ要求部408は、視聴データ解析部402から受け取った情報に基づいて、タグデータベース装置300に、当該映像フレームに付与されているタグを要求する。なお、本ステップにおける処理は、
図14のステップS84の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。タグ要求部408からの要求を受けたタグデータベース装置300側での処理も、
図14のステップS84において説明した処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0098】
次にステップS105において、タグデータ受信部409は、タグデータベース装置300から送信されたタグデータを受信する。タグデータ受信部409は、受信したタグデータを視聴データ解析部402に渡す。
【0099】
次にステップS106において、視聴データ解析部402は、視聴ログと、その視聴ログの映像フレームに付与されたタグの情報とをあわせて、視聴データ記録部405に渡す。視聴データ記録部405は、渡された視聴ログとタグの情報とを関連付ける形で、視聴データ記憶部413に書き込む。本ステップの処理は、
図14のステップS86の処理と同様である。また、タグの情報が関連付けられた視聴ログのデータは、
図15を参照しながら説明した通りである。
【0100】
次にステップS107において、視聴データ読出部406は、視聴データ記憶部413に記録されている視聴ログを読み出して視聴データ解析部402に渡す。そして、視聴データ解析部402は、渡された視聴ログに基づいて、タグごとの視聴量を求める。本ステップにおける処理は、
図14におけるステップS87の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
次にステップS108において、解析データ記録部410は、視聴データ解析部402から出力された解析データを解析データ記憶部414に保存する。
【0101】
次にステップS109において、解析データ読出部411は、解析データ記憶部414に保存されている解析データを読み出す。解析データ読出部411は、読み出した解析データを、解析データ表示部412に渡す。
【0102】
次にステップS110において、解析データ表示部412は、得られた解析データを解析クライアント装置500側で表示できるように、解析クライアント装置500に送信する。ここでの、解析データを解析クライアント装置500側で表示できるようにする処理は、
図12におけるステップS48の処理と同様である。
【0103】
次にステップS111において、視聴データ解析部402は、所定時間経過するまでの待機を行った後、アクセス期間を再設定する。そして、視聴データ解析部402は、このアクセス期間の情報と、サービスを特定する情報とを視聴ログ要求部403に通知する。そして、視聴ログ要求部403は、ログ収集蓄積サーバー装置200に、指定された放送サービスの、指定されたアクセス期間内に配信されたと記録がある視聴ログを要求する。なお、本ステップにおける処理は、
図13のステップS69における処理と同様である。そして、ログ収集蓄積サーバー装置200もまた、ステップS69と同様に、解析条件に合致する視聴ログをログ解析サーバー装置400宛てに送信する。つまり、時間の経過に伴って、解析対象の視聴ログが更新されることとなる。
【0104】
次にステップS112において、視聴データ消去部407は、視聴データ記憶部413に記憶されている視聴データのうち、アクセス期間の範囲外の視聴ログを消去する処理を行う。本ステップの処理は、
図13のステップS70における処理と同様である。つまり、視聴データ消去部407は、最新のアクセス期間の開始時刻よりも前の配信日時を保持する古い視聴ログを消去する。
【0105】
ステップS112の処理の終了後、ログ解析サーバー装置400は、制御をステップS103に戻して処理を繰り返す。
なお、終了条件が満たされたときには、ログ解析サーバー装置400が処理のループを抜けて終了するようにしてもよい。終了条件とは、例えば、予め決められた回数の繰り返しが完了したことや、予め決められた処理時間が経過したことや、予め決められた時刻が到来したことや、装置の外部から終了指示を受け付けたことなどである。
【0106】
以上、説明したように、本実施形態では、視聴ログの件数をそのまま視聴量として用いた。これにより、視聴量解析装置1は、実際に視聴されたフレームの件数に応じて、視聴量を解析することはできる。
【0107】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、前実施形態において説明した事項についてはここでは説明を省略する場合がある。ここでは、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。
第2実施形態による視聴量解析装置は、第1実施形態におけるログ解析サーバー装置400に代えて、ログ解析サーバー装置800を含んで構成される。
【0108】
図17は、本実施形態によるログ解析サーバー装置800の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、ログ解析サーバー装置800は、解析条件受付部401と、視聴データ解析部402と、視聴ログ要求部403と、視聴ログ受信部404と、視聴データ記録部405と、視聴データ読出部406と、視聴データ消去部407と、タグ要求部408と、タグデータ受信部409と、解析データ記録部410と、解析データ読出部411と、解析データ表示部412と、視聴データ記憶部413と、解析データ記憶部414と、視聴量換算部802とを含んで構成される。ログ解析サーバー装置800の特徴は、視聴量換算部802を含んで構成される点である。
【0109】
視聴量換算部802は、視聴データ解析部402が視聴データの解析を行う際に、所定の処理により、視聴ログの件数を視聴量に換算するものである。具体的には、視聴量換算部802は、視聴ログの件数(フレーム数)を、基準となるフレームレートにおけるフレーム数の値または所定の長さを有する単位時間の個数の値に換算するものである。
第1実施形態において視聴量は視聴ログの件数であったが、その前提は、すべての番組コンテンツのフレームレートが同一であることであった。フレームレートは、番組コンテンツの単位時間あたりのフレーム数であり、例えばfps(frames per second,フレーム毎秒)の単位で表される数値である。日本でのテレビ等の番組において典型的なフレームレートは30フレーム毎秒である。しかし、番組コンテンツごとにフレームレートが異なる状況も想定され得る。そういった状況において、視聴量を、視聴ログの件数即ちフレーム数で測るよりも、視聴された時間の長さで測るほうが適切であると考えられる場合もある。視聴量換算部802は、収集された視聴ログの件数(即ち、番組コンテンツのフレーム数)を、視聴時間の長さに換算する。視聴量換算部802による処理の詳細については、後述する。
【0110】
図18は、本実施形態における視聴ログのデータ構成を示す概略図である。同図に示すように、視聴ログは、配信先識別情報と、配信日時と、番組コンテンツ放送日時と、フレームレートと、地域IDと、放送局IDとを含むデータである。図示するデータは、1件の視聴ログであり、1フレーム分の視聴に対応するものである。図示する視聴ログの特徴は、フレームレートの項目を有することである。視聴ログにおいて、フレームレートのデータは、その視聴ログが対象とする番組コンテンツが配信された際のフレームレートであり、前述のフレーム毎秒(fps)の単位で表される数値を保持する。つまり、フレームレートは、視聴された番組コンテンツに関して、単位時間あたりの視聴ログ件数を表す値である。図示する例では、1行目の視聴ログのフレームレートは30フレーム毎秒であり、2行目の視聴ログのフレームレートは60フレーム毎秒である。なお、フレームレートは、30フレーム毎秒あるいは60フレーム毎秒以外の値であってもよい。
つまり、本実施形態において、ログサーバー装置100の視聴ログ生成部101は、フレームが配信された際の、単位時間あたりのフレーム数を表すフレームレートの情報を含んだ前記視聴ログを生成する。
【0111】
本実施形態において、配信サーバー装置50は、視聴された番組コンテンツのフレームレートの情報をログサーバー装置100に渡す。そして、ログサーバー装置100は、上記のフレームレートの情報を含んだ視聴ログを生成して、ログ収集蓄積サーバー装置200に渡す。ログ収集蓄積サーバー装置200は、フレームレートの情報を含んだ視聴ログを収集する。そして、ログ解析サーバー装置400は、フレームレートの情報を含んだ視聴ログの解析処理を行う。
【0112】
図19は、ログ解析サーバー装置400が、解析対象の視聴ログをタグの情報に関連付けた場合のデータの構成を示す概略図である。このデータは、前実施形態で説明した
図14のステップS86の処理や
図16のステップS106の処理において、視聴データ記憶部413に書き込まれるものである。ここで図示する視聴ログは、
図18で説明した視聴ログのデータに加えて、タグリストに関連付けるためのデータを保持している。タグリストは、複数のタグの情報を並べた構造体である。同図に示す視聴ログは、その視聴ログが表す映像フレームに「スポーツ」、「サッカー」の2つのタグが付与されていることを表している。
【0113】
次に、
図18あるいは
図19に示したデータに基づいて、視聴量換算部802が行う処理の詳細について説明する。前述の通り、視聴量換算部802は、視聴ログの件数を、視聴量の値に換算する。視聴量換算部802によって算出される視聴量は、(1)基準フレームレートを想定した場合のフレーム数、(2)微小な単位時間の数、のいずれかである。それぞれの場合について、下に説明する。
【0114】
(1)基準フレームレートを想定した場合のフレーム数
この場合、基準となるフレームレート(例えば、30fps)を想定し、視聴量換算部802は、視聴ログの件数(実際に視聴されたフレーム数)を基に、基準フレームレートを想定した場合のフレーム数を算出する。ある番組コンテンツに関して、視聴量は、次の式1により算出される。
式1:視聴量=視聴ログの件数×(基準フレームレート/その視聴ログのフレームレート)
例えば、基準フレームレートが30fpsであり、視聴ログに記録されているフレームレートが60fpsであるとき、視聴ログ件数が600件(10秒分)であれば、式1によって算出される視聴量は300である。
【0115】
(2)微小な単位時間の数
この場合、単位時間の長さLを適宜定める。Lを、例えば、1秒、1/10秒、1/30秒、1/1000秒などとする。そして、視聴量換算部802は、視聴ログの件数(実際に視聴されたフレーム数)を基に、対応する単位時間の個数を算出する。ある番組コンテンツに関して、視聴量は、次の式2により算出される。
式2:視聴量(単位時間の個数)=視聴ログの件数/(L×その視聴ログのフレームレート)
例えば、Lが1/10秒であり、視聴ログに記録されているフレームレートが30fpsであるとき、視聴ログ件数が600件(20秒分)であれば、式2によって算出される視聴量は200である。なお、式2によって算出される視聴量は、整数でなくてもよい。
【0116】
本実施形態における視聴データ解析部402は、前実施形態と同様の解析処理を行う。ただし、本実施形態における視聴データ解析部402が解析する視聴量は、視聴量換算部802によって換算された後の視聴量である。本実施形態では、上で説明したように、フレームレートの異なる番組コンテンツが配信された場合にも、視聴量換算部802が、視聴ログの件数を、標準的な視聴量に換算する。ここで、標準的な視聴量とは、基準フレームレートを想定した場合のフレーム数や、予め定められた長さ(L秒)の単位時間の数である。これにより、ログ解析サーバー装置400は、番組コンテンツごとのフレームレートの違いによらず、視聴された時間の長さに比例する視聴量を解析することができる。
【0117】
なお、上述した実施形態における視聴量解析装置が含む各部の機能を、コンピューターで実現するようにしても良い。その場合、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0118】
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。
[変形例1]
例えば、第1実施形態および第2実施形態では、視聴量解析装置は、映像を含むコンテンツを配信する場合の視聴量を解析した。しかし、視聴量解析装置が、映像を含まないコンテンツの視聴量を解析するようにしてもよい。映像を含まないコンテンツとは、音声のみによるコンテンツ(例えば、ラジオ番組のコンテンツ)、データ放送によるコンテンツ、字幕等のテキストデータによるコンテンツなどである。音声のみによるコンテンツの場合、視聴量とは、そのコンテンツが聴取された延べ時間に比例する数値で表される。映像以外のビジュアルな表現を含むコンテンツの場合、視聴量とは、そのコンテンツが視られた延べ時間に比例する数値で表される。第1実施形態で説明した「フレーム」(フレーム期間は例えば1/30秒)の数で視聴量を表してもよく、また、第2実施形態で説明した単位時間(長さはL秒)の個数で視聴量を表しても良い。
【0119】
[変形例2]
第1実施形態および第2実施形態で用いた解析条件以外に、他の解析条件に基づいて、ログ解析サーバー装置400が解析処理を行うようにしてもよい。例えば、タグごとの視聴量を解析する際に、与えられる条件に基づいて、解析対象のタグを絞り込むようにしてもよい。また、例えば、時刻ごと(フレームごと)の視聴量の解析や、タグごとの視聴量の解析だけではなく、複数のデータ項目に基づくクロス集計を行うようにしてもよい。
【0120】
[変形例3]
第1実施形態および第2実施形態では、フレームごとに独立の視聴ログを生成するようにしていた。その代わりに、別形態の等価なデータの形式で視聴ログを生成し、解析するようにしてもよい。一例として、ある配信先における、ある放送サービスの、配信開始時刻と配信終了時刻(いずれもフレーム単位)の情報、および対応する番組コンテンツ放送日時(開始時刻と終了時刻)を視聴ログ内に書き込むようにしてもよい。このような視聴ログに基づいても、ログ解析サーバー装置400側では、第1実施形態および第2実施形態で説明した解析処理と同等の処理を行うことができる。
【0121】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。