特許第6633102号(P6633102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6633102流体制御装置及びガスライン部の着脱方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633102
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】流体制御装置及びガスライン部の着脱方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20200109BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20200109BHJP
   F15B 11/00 20060101ALN20200109BHJP
【FI】
   F16K27/00 B
   F16B5/10 B
   !F15B11/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-564207(P2017-564207)
(86)(22)【出願日】2017年1月20日
(86)【国際出願番号】JP2017001855
(87)【国際公開番号】WO2017130850
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2018年7月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-14917(P2016-14917)
(32)【優先日】2016年1月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】100183380
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落石 将彦
(72)【発明者】
【氏名】松田 隆博
(72)【発明者】
【氏名】宇波 博志
(72)【発明者】
【氏名】才記 由次
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−241823(JP,A)
【文献】 実開昭61−191959(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
F16B 5/10
F15B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体制御機器が取り付けられたライン支持部材を備えるガスライン部が、フレームに着脱可能に取り付けられた流体制御装置であって、
前記フレームは、第1横フレーム部材およびその下側に位置する第2横フレーム部材を有し、
前記第1横フレーム部材は、左右方向に延びる引掛部材と、前記引掛部材よりも下側に位置し前方に開口する複数の第1溝が形成された下側部とを備え、
前記ライン支持部材は、機器載置部と、前記機器載置部の左右両縁から後方へ突出する一対の側板部と、を有し、
各側板部は、前記引掛部材よりも下側に位置する基部と、前記基部よりも上側かつ前記引掛部材の後側に位置する上方部とを有し、
前記基部には、後方へ開口し、前記第1溝に嵌め込まれた第2溝が形成され、
前記上方部には、前方へ突出し、前記引掛部材に上側から当接する突起部が設けられている、流体制御装置。
【請求項2】
前記上方部の後端には、その上端から下方へ行くにつれて前記機器載置部から離間するように傾斜する傾斜面が形成されている、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記ライン支持部材の下端には、ボルトにより前記第2横フレーム部材に固定されるボルト固定部が設けられ、
前記ボルト固定部は、前記ボルトにより前記第2横フレーム部材に固定されていない状態では、下方にいくにつれて前方へ向かうように傾斜している、請求項1または請求項2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記第2横フレーム部材には、左右方向に並ぶ複数の第1固定孔が形成され、
前記ライン支持部材の下端には、第2固定孔が形成されたボルト固定部が設けられ、
前記第2固定孔および対応する前記第1固定孔にボルトが挿入されることにより、前記ボルト固定部は、前記第2横フレーム部材に固定される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記第2横フレーム部材には、左右方向に延び前方へ開口するスリットが形成され、
前記ライン支持部材の下端には、第2固定孔が形成されたボルト固定部が設けられ、
前記第2固定孔および前記スリットにボルトが挿入されることにより、前記ボルト固定部は、前記第2横フレーム部材に固定される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の流体制御装置。
【請求項6】
第1横フレーム部材および前記第1横フレーム部材の下側に位置する第2横フレーム部材を有し、前記第1横フレーム部材は、左右方向に延びる引掛部材と前記引掛部材よりも下側に位置し前方に開口する複数の第1溝が形成された下側部とを備える、フレームに対して、
流体制御機器が取り付けられる機器載置部と、前記機器載置部の左右両縁から後方へ突出する一対の側板部と、を有するライン支持部材を備え、各側板部は、基部と、前記基部よりも上側に位置する上方部とを有し、前記基部には、後方へ開口する第2溝が形成され、前記上方部には、前方へ突出する突起部が設けられた、ガスライン部の着脱方法であって、
前記ガスライン部を上下方向に対して傾斜させた状態で、前記ライン支持部材の各基部の前記第2溝を、前記第1横フレーム部材の前記下側部の前記第1溝に嵌め込み、前記上方部を前記引掛部材の後側に位置させ、
前記第2溝を中心に、前記ガスライン部を前記上方部が前方へ向かうように回転させて、前記上方部の前記突起部を前記第1横フレーム部材の前記引掛部材に上側から当接させ、前記ガスライン部を前記第1横フレーム部材に対し吊り下げられた状態にする、ガスライン部の着脱方法。
【請求項7】
前記上方部と前記第溝との間には、下方に面する段差面を有する段差部が設けられ、
前記ガスライン部を上下方向に対して傾斜させた状態で、前記段差部の前記段差面を、前記第1横フレーム部材の前記下側部の上面に載置し、
前記ガスライン部を斜め上方に移動させて、前記ライン支持部材の各基部の前記第2溝を、前記第1横フレーム部材の前記下側部の前記第1溝に嵌め込む、請求項6に記載のガスライン部の着脱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置等に使用される流体制御装置、およびガスライン部の着脱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体製造装置の筐体の垂直な壁面に固定される流体制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。各ガスライン部のライン保持部材は、その鉤状の上端部を上横フレーム部材の切欠きに引掛け、ライン保持部材の下端を下横フレームのスリットに嵌め込み、上部カバーおよび下部カバーをボルトにより上横フレーム部材および下横フレーム部材に対し固定することにより、ライン保持部材の上端部および下端部を上横フレーム部材および下横フレーム部材に対し固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−241823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1における流体制御装置では、ライン保持部材を着脱する際には、上部カバーおよび下部カバーを取り外す必要があるが、他の機器との関係で、上部カバーの上側にあまりスペースはなく、上部カバーの取り外しが困難であった。さらに、ライン保持部材を上横フレーム部材に対し着脱する際には、ライン保持部材の上端部を一度上横フレームの上側を通過させる必要があるが、上部カバーの上側にあまりスペースはないため、ライン保持部材を着脱するのは困難であった。また、ボルトを用いてライン保持部材を固定するので作業効率が良くなかった。
【0005】
そこで本発明は、ガスライン部をフレームに対し効率よくかつ容易に装着することが可能な流体制御装置およびガスライン部の着脱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本発明の一態様である流体制御装置は、流体制御機器が取り付けられたライン支持部材を備えるガスライン部が、フレームに着脱可能に取り付けられた流体制御装置であって、前記フレームは、第1横フレーム部材およびその下側に位置する第2横フレーム部材を有し、前記第1横フレーム部材は、左右方向に延びる引掛部材と、前記引掛部材よりも下側に位置し前方に開口する複数の第1溝が形成された下側部とを備え、前記ライン支持部材は、機器載置部と、前記機器載置部の左右両縁から後方へ突出する一対の側板部と、を有し、各側板部は、前記引掛部材よりも下側に位置する基部と、前記基部よりも上側かつ前記引掛部材の後側に位置する上方部とを有し、前記基部には、後方へ開口し、前記第1溝に嵌め込まれた第2溝が形成され、前記上方部には、前方へ突出し、前記引掛部材に上側から当接する突起部が設けられている。
【0007】
また、前記上方部の後端には、その上端から下方へ行くにつれて前記機器載置部から離間するように傾斜する傾斜面が形成されても良い。
【0008】
また、前記ライン支持部材の下端には、ボルトにより前記第2横フレーム部材に固定されるボルト固定部が設けられ、前記ボルト固定部は、前記ボルトにより前記第2横フレーム部材に固定されていない状態では、下方にいくにつれて前方へ向かうように傾斜しても良い。
【0009】
また、前記第2横フレーム部材には、左右方向に並ぶ複数の第1固定孔が形成され、前記ライン支持部材の下端には、第2固定孔が形成されたボルト固定部が設けられ、前記第2固定孔および対応する前記第1固定孔にボルトが挿入されることにより、前記ボルト固定部は、前記第2横フレーム部材に固定されても良い。
【0010】
また、前記第2横フレーム部材には、左右方向に延び前方へ開口するスリットが形成され、前記ライン支持部材の下端には、第2固定孔が形成されたボルト固定部が設けられ、前記第2固定孔および前記スリットにボルトが挿入されることにより、前記ボルト固定部は、前記第2横フレーム部材に固定されても良い。
【0011】
また、本発明の一態様であるガスライン部のフレームに対する装着方法は、第1横フレーム部材および前記第1横フレーム部材の下側に位置する第2横フレーム部材を有し、前記第1横フレーム部材は、左右方向に延びる引掛部材と前記引掛部材よりも下側に位置し前方に開口する複数の第1溝が形成された下側部とを備える、フレームに対して、流体制御機器取り付けられる機器載置部と、前記機器載置部の左右両縁から後方へ突出する一対の側板部と、を有するライン支持部材を備え、各側板部は、基部と、前記基部よりも上側に位置する上方部とを有し、前記基部には、後方へ開口する第2溝が形成され、前記上方部には、前方へ突出する突起部が設けられた、ガスライン部の着脱方法であって、前記ガスライン部を上下方向に対して傾斜させた状態で、前記ライン支持部材の各基部の前記第2溝を、前記第1横フレーム部材の前記下側部の前記第1溝に嵌め込み、前記上方部を前記引掛部材の後側に位置させ、前記第2溝を中心に、前記ガスライン部を前記上方部が前方へ向かうように回転させて、前記上方部の前記突起部を前記第1横フレーム部材の前記引掛部材に上側から当接させ、前記ガスライン部を前記第1横フレーム部材に対し吊り下げられた状態にする。
【0012】
また、前記上方部と前記第1溝との間には、下方に面する段差面を有する段差部が設けられ、前記ガスライン部を上下方向に対して傾斜させた状態で、前記段差部の前記段差面を、前記第1横フレーム部材の前記下側部の上面に載置し、前記ガスライン部を斜め上方に移動させて、前記ライン支持部材の各基部の前記第2溝を、前記第1横フレーム部材の前記下側部の前記第1溝に嵌め込んでも良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ガスライン部をフレームに対し容易に装着することが可能な流体制御装置およびガスライン部の着脱方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る流体制御装置の斜視図を示す。
図2】一つのガスライン部がフレームに装着された状態を示す図である。
図3】(a)は、第1横フレーム部材を一部省略した斜視図を示し、(b)は、第1横フレーム部材の一部拡大図を示す。
図4】第2横フレーム部材の一部省略斜視図を示す。
図5】(a)は、ライン支持部材の一部省略斜視図を示し、(b)は、ライン支持部材の一部省略側面図を示す。
図6】ガスライン部を第1横フレーム部材および第2横フレーム部材に装着した状態の一部省略側面図を示す。
図7】ライン支持部材を第1横フレーム部材および第2横フレーム部材に装着した状態におけるライン支持部材の係合部および固定部付近の拡大斜視図を示す。
図8】ガスライン部のフレームへの装着方法の説明図を示す。
図9】第2横フレーム部材の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る流体制御装置1およびガスライン部3の着脱方法について、図面を参照して説明する。以下の説明において図1に示すように上下方向、左右方向、および前後方向を定義する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る流体制御装置1の斜視図を示している。図2は、一つのガスライン部3がフレーム2に装着された状態を示す図である。
【0017】
図1に示すように、流体制御装置1は、フレーム2と、複数のガスライン部3(図の簡略化のため一つのガスライン部3にのみ参照番号を付している。)とを備える。
【0018】
フレーム2は、例えば半導体製造装置の筐体の垂直な壁面に固定される。フレーム2は、方形の枠状をなし、第1横フレーム部材10と、第2横フレーム部材20と、第1縦フレーム部材4、第2縦フレーム部材5とを備える。第2横フレーム部材20は、第1横フレーム部材10と平行をなし、第1横フレーム部材10の下側に位置している。第1縦フレーム部材4および第2縦フレーム部材5は、第1横フレーム部材10および第2横フレーム部材20に直交し、それらの端部にそれぞれ接続されている。各フレーム部材10、20、4、5は、例えばステンレス鋼により構成されている。
【0019】
図2に示すように、各ガスライン部3は、第1横フレーム部材10および第2横フレーム部材20に支持され、ライン支持部材30と、複数の継手6と、複数の流体制御機器7とを備える。各継手6は、図示せぬボルトによりライン支持部材30に固定されている。複数の流体制御機器7は、自動弁、手動弁、レギュレータ、圧力計、および流量制御機器(例えば、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller))等により構成され、継手6に対しボルト8(図の簡略化のため一つのボルト8にのみ参照番号を付している。)により固定されている。
【0020】
次に、第1横フレーム部材10の詳細な構造について図3を参照して説明する。図3(a)は、第1横フレーム部材10の一部省略斜視図を示し、図3(b)は、第1横フレーム部材10の一部拡大図を示している。
【0021】
図3(a)、(b)に示すように、第1横フレーム部材10は、板金を折り曲げることにより形成され、前方に開口10aを有する断面略コの字状をなし、第1上側部11と、第1後側部12と、第1下側部13とを備える。
【0022】
第1上側部11は、左右方向に延び上下方向に直交する平板状をなし、その両端には、第1、2縦フレーム部材4、5を取り付けるための取付部14がそれぞれ設けられている。一対の取付部14の間に位置する第1上側部11の前端には、下側に突出する第1前側部15が設けられている。第1前側部15の後面15Aには、その左右方向の全長に亘って延びる引掛部材16が、ボルト15Bにより固定されている。
【0023】
第1後側部12は、第1上側部11の後端から下側に向かって突出し、前後方向に直交し左右方向に延びる平板状をなしている。
【0024】
第1下側部13は、第1後側部12の下端から前側に向かって突出し、左右方向に延び上下方向に直交する平板状をなし、その両端には、第1、2縦フレーム部材4、5を取り付けるための取付部17がそれぞれ設けられている。第1下側部13は、上面13Aと下面13Dを有している。第1下側部13の前端部13Bには、前方に開口する複数の第1溝13cが形成されている(図の簡略化のため一つの第1溝13cにのみ参照番号を付している。)。各第1溝13cは、後方にいくにつれ徐々に幅が狭くなるように形成されている。
【0025】
次に、第2横フレーム部材20の詳細な構造について図4を参照して説明する。
【0026】
図4は、第2横フレーム部材20の一部省略斜視図を示している。
【0027】
図4に示すように、第2横フレーム部材20は、板金を折り曲げることにより形成され、後方が開口する断面略逆コの字状をなし、第2上側部21と、第2前側部22と、第2下側部23とを備える。
【0028】
第2上側部21は、左右方向に延び上下方向に直交する平板状をなしている。第2前側部22は、第2上側部21の前端から下側に向かって突出し、左右方向に延び前後方向に直交する平板状をなしている。第2前側部22の両端には、第1、2縦フレーム部材4、5を取り付けるための取付部24がそれぞれ設けられている。第2前側部22の一対の取付部24の間には、左右方向に並ぶ複数の第1固定孔22a(図の簡略化のため一つの第1固定孔22aにのみ参照番号を付している。)が形成されている。第2下側部23は、第2前側部22の下端から後方に向かって突出し、左右方向に延び上下方向に直交する平板状をなしている。
【0029】
次に、ライン支持部材30の詳細な構造について図5を参照して説明する。
【0030】
図5(a)は、ライン支持部材30の一部省略斜視図を示し、図5(b)は、ライン支持部材30の一部省略側面図を示している。
【0031】
ライン支持部材30は、例えばステンレス鋼の板材を折り曲げることにより形成されている。ライン支持部材30は、上下方向に延びる平板状の機器載置部31と、機器載置部31の左右両縁から後方へ突出する一対の側板部32と、機器載置部31の下端に設けられた固定部33とを有する。
【0032】
機器載置部31には、継手6を固定する図示せぬボルトと螺合する継手孔31a(図の簡略化のため一つの継手孔31aにのみ参照番号を付している。)が複数形成されている。
【0033】
一対の側板部32は、同一の形状を有している。各側板部32は、上下方向に延びる平板状をなし、係合部34と、係合部34の下側に位置する板状部35とを有する。係合部34は、ライン支持部材30がフレーム2に装着されたときに第1横フレーム部材10の第1下側部13よりも上側に位置する。
【0034】
係合部34は、機器載置部31の右縁から直接後方へ突出する基部36と、基部36の上端から上方へ延びる上方部37とを備える。上方部37には、その上端部から前方へ突出する突起部37Aが設けられている。基部36、上方部37、および突起部37Aにより、前方へ開口する凹部37bが形成されている。上方部37の後端には、その上端から下方へ行くにつれて機器載置部31から離間するように傾斜する第1傾斜面37Cが形成されている。
【0035】
基部36の下端には、後方へ開口する第2溝36aが形成されている。第2溝36aの下側部分は、機器載置部31から離間するにつれて下方へ傾斜する第2傾斜面36Bにより形成されている。基部36の後端であって第2溝36aの上側には、切欠き36cが上下方向に沿って形成されている。当該切欠き36cにより、基部36の後端には、下方に面する段差面36Dを有する段差部36Eが形成されている。なお、基部36の後端は、第1傾斜面37Cの下端から下方に延びる第1後面36Fと、第1後面36Fよりも下側かつ前側に位置し切欠き36cを形成する第2後面36Gと、第1後面36Fと第2後面36Gを接続する段差面36Dとにより構成される。
【0036】
固定部33は、機器載置部31の下端に接続され後方へ突出する接続部33Aと、接続部33Aの後端から下方へ突出するボルト固定部33Bとを備える。接続部33Aは、機器載置部31に対して直角に折り曲げられている。ボルト固定部33Bは、下方にいくにつれて前方へ向かうように傾斜しており、ボルト9を挿入するための一対の第2固定孔33cが形成されている。
【0037】
次に、ガスライン部3をフレーム2に装着した状態におけるライン支持部材30と第1横フレーム部材10および第2横フレーム部材20との関係について、図6、7を参照して説明する。
【0038】
図6は、ガスライン部3を第1横フレーム部材10および第2横フレーム部材20に装着した状態の一部省略側面図を示している。図7は、ライン支持部材30を第1横フレーム部材10および第2横フレーム部材20に装着した状態におけるライン支持部材30の係合部34および固定部33付近の拡大斜視図を示している。
【0039】
図6、7に示すように、ガスライン部3を第1横フレーム部材10および第2横フレーム部材20に装着した状態において、ライン支持部材30の各上方部37は、第1横フレーム部材10の第1前側部15の後方に位置している。そして、各上方部37の突起部37Aは、引掛部材16に上側から当接し、上方部37の凹部37b内に引掛部材16が位置している。
【0040】
また、図7に示すように、ライン支持部材30の各基部36の第2溝36aが、相欠き継ぎのように第1横フレーム部材10の第1下側部13の第1溝13cに前方から嵌め込まれ、左右方向において、ガスライン部3がフレーム2に対して位置決めされている。第1溝13cは、側板部32が2つ収まる寸法に形成されているが、後方にいくにつれて幅が狭くなって(テーパー部分を形成して)いる。さらに、一対の側板部32の間隔は、右側の側板部32が、対応する第1溝13cの左側のテーパー部分に接し、左側の側板部32が、対応する第1溝13cの右側のテーパー部分に接する間隔で形成されている。このため、ライン支持部材30の各基部36の第2溝36aが奥まで挿入された際に、ガスライン部3がフレーム2に対して確実に位置決めされる。
【0041】
また、ボルト9が、ボルト固定部33Bに各第2固定孔33cおよび第2前側部22の第1固定孔22aに挿入され、ライン支持部材30の固定部33が第2横フレーム部材20に固定されている。上記のように、ボルト固定部33Bは、下方にいくにつれて前方へ向かうように傾斜しているので、ボルト固定部33Bを第2横フレーム部材20の第2前側部22に当接するようにボルト9により固定すると、ライン支持部材30の上方部37に前方側への力が作用する。これにより、ライン支持部材30の上方部37は、第1横フレーム部材10の第1前側部15に押しつけられる。
【0042】
次に、ガスライン部3の着脱方法について図8を参照して説明する。
【0043】
図8は、ガスライン部3のフレーム2への装着方法の説明図を示している。
【0044】
図8(a)に示すように、ガスライン部3を上下方向に対して傾斜して保持して、ガスライン部3の係合部34の一部を、開口10aを介して第1横フレーム部材10内に挿入し、各側板部32の係合部34の基部36を第1横フレーム部材10の第1下側部13の第1溝13cに挿入させながら、各段差部36Eの段差面36Dを第1下側部13の上面13A上に載置する。これにより、ガスライン部3の自重の大部分が、第1横フレーム部材10により支持される。
【0045】
図8(b)に示すように、各係合部34の基部36の第2後面36Gを第1下側部13の第1溝13cに沿って斜め上方に滑らせながら、図8(c)に示すように、係合部34の基部36の第2傾斜面36Bが第1下側部13の下面13Dに当接するまでガスライン部3を上昇させる。
【0046】
次に、ライン支持部材30の各基部36の第2溝36aを、第1横フレーム部材10の第1下側部13の第1溝13cに嵌め込みながら、第2溝36aを中心にガスライン部3をその固定部33が第2前側部22に近づくように回転させる。これにより、ライン支持部材30の各上方部37の突起部37Aは、第1横フレーム部材10の第1前側部15に設けられた引掛部材16に上側から当接し、上方部37の凹部37b内に引掛部材16が位置する。この結果、ガスライン部3は、第1横フレーム部材10に対し吊り下げられた状態となる。
【0047】
ボルト9を、ボルト固定部33Bに各第2固定孔33cおよび第2前側部22の第1固定孔22aに挿入し、ライン支持部材30の固定部33を第2横フレーム部材20に固定する。
【0048】
また、ガスライン部3をフレーム2から取り外す際には、図8(a)〜(d)に基づき説明した順序の逆を行う。すなわち、ボルト9を固定部33のボルト固定部33Bおよび第2横フレーム部材20の第2前側部22から取外し、第2溝36aを中心にガスライン部3をその固定部33が第2前側部22から離間するように回転させる。各基部36の第2溝36aを第1下側部13の第1溝13cから外して、各基部36の第2後面36Gを第1下側部13の第1溝13cに沿って滑らせながら、各段差部36Eの段差面36Dが第1下側部13の上面13Aに当接するまでガスライン部3を下降させる。そして、各係合部34を第1横フレーム部材10から離間させることによって、ガスライン部3がフレーム2から取り外される。
【0049】
以上のように、本実施形態の流体制御装置1によれば、上下方向に延びるライン支持部材30は、平板状の機器載置部31と、機器載置部31の左右両縁から後方へ突出する一対の側板部32とを有する。各側板部32は、引掛部材16よりも下側に位置する基部36と、基部36よりも上側かつ引掛部材16の後側に位置する上方部37とを有する。基部36には、後方へ開口し、第1横フレーム部材10の第1溝13cに嵌め込まれた第2溝36aが形成され、上方部37には、前方へ突出し、引掛部材16に上側から当接する突起部37Aが設けられている。
【0050】
かかる構成により、ライン支持部材30の各基部36の第2溝36aを、第1横フレーム部材10の第1下側部13の第1溝13cに嵌め込み、上方部37を引掛部材16の後側に位置させ、第2溝36aを中心に、ガスライン部3を上方部37が前方へ向かうように回転させて、上方部37の突起部37Aを第1横フレーム部材10の引掛部材16に上側から当接させ、ガスライン部3を第1横フレーム部材10に対し吊り下げられた状態にすることができる。よって、第1横フレーム部材10の上側にスペースがなくても、ガスライン部3をフレーム2に対し容易に装着することができる。また、ボルト等の固定具を用いずに装着するので、ガスライン部3をフレーム2に対する装着時の作業効率を向上させることができる。なお、装着時のみでははく、ガスライン部3をフレーム2から取り外す際にも、容易に取り外すことができ、作業効率を向上させることができる。
【0051】
また、上方部37の後端には、その上端から下方へ行くにつれて機器載置部31から離間するように傾斜する第1傾斜面37Cが形成されている。かかる構成により、第1横フレーム部材10にあまり奥行きが無い場合であっても、ライン支持部材30の第1横フレーム部材10への装着を容易に行うことができる。
【0052】
また、ボルト固定部33Bは、ボルト9により第2横フレーム部材20に固定されていない状態では、下方にいくにつれて前方へ向かうように傾斜しているので、ボルト固定部33Bを第2横フレーム部材20に当接するようにボルト9により固定すると、ライン支持部材30の上方部37に前方側への力が作用する。これにより、ライン支持部材30の上方部37は、第1横フレーム部材10の第1前側部15に押しつけられるので、ガスライン部3に対する振動による影響を低減させることができる。
【0053】
ボルト固定部33Bの一対の第2固定孔33cおよび第2横フレーム部材20の対応する第1固定孔22aにボルト9が挿入されることにより、ボルト固定部33Bは、第2横フレーム部材20に固定される。かかる構成により、ガスライン部3に対する振動による影響を低減させることができる。
【0054】
また、ガスライン部3をフレーム2に装着する際に、ガスライン部3を上下方向に対して傾斜させた状態で、基部36の段差部36Eの段差面36Dを、第1横フレーム部材10の第1下側部13の上面13Aに載置する。これにより、ガスライン部3の自重の大部分を、第1横フレーム部材10に支持させることができるので、作業者の負担を軽減することができ、ガスライン部3をフレーム2に対する着脱時の作業効率を向上させることができる。
【0055】
また、第1下側部13に形成された各第1溝13cは、後方にいくにつれ徐々に幅が狭くなるように形成されているので、第1溝13cに対する基部36に形成された第2溝36aの嵌め込みを容易に行うことができる。また、基部36に形成された第2溝36aの下側部分は、機器載置部31から離間するにつれて下方へ傾斜する第2傾斜面36Bにより形成されているので、第1下側部13の下面13Dから離間させることができる。これにより、ガスライン部3に対する振動による影響を低減させることができる。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【0057】
例えば、図9に示すような第2横フレーム部材120に左右方向に延びるスリット120aを形成して、スリット120a内にめねじ部材(図示せず)を挿入することで、一対の第2固定孔33cおよび前記スリット120aにボルト9を挿入して、ボルト固定部33Bを第2横フレーム部材120に固定しても良い。かかる構成により、ボルト固定部33Bを第2横フレーム部材120の任意の位置に固定することができる。
【0058】
また、ライン支持部材30の固定部33を第1横フレーム部材20に固定するのに、従来技術のような左右方向に延びるカバーを用いて固定しても良い。また、第2固定部33Bは2本のボルト9で第2横フレーム部材20に対し固定するようにしたが、第2固定部33Bの左右方向の中央部に一つのボルト孔33cを形成し、一本のボルト9のみで、第2固定部33Bを第2横フレーム部材20に固定しても良い。また、フレーム2は、一対の横フレーム部材と一対の縦フレーム部材とにより構成されていたが、一対の横フレーム部材から構成され、各横フレーム部材が半導体製造装置の筐体の垂直な壁面に固定される構成であっても良い。
【符号の説明】
【0059】
1:流体制御装置
2:フレーム
3:ガスライン部
4:第1縦フレーム部材
5:第2縦フレーム部材
7:流体制御機器
9:ボルト
10:第1横フレーム部材
13:第1下側部
13c:第1溝
16:引掛部材
20、120:第2横フレーム部材
22a:第1固定孔
30:ライン支持部材
31:機器載置部
32:側板部
33B:ボルト固定部
33c:第2固定孔
36:基部
36a:第2溝
37:上方部
37A:突起部
37C:第1傾斜面
120a:スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9