(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633275
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】デクランプ電極を備えた静電チャックと脱離方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20200109BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20200109BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-255131(P2014-255131)
(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-135960(P2015-135960A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2017年12月1日
(31)【優先権主張番号】14/136,826
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーミート・シン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・キンボール
(72)【発明者】
【氏名】キース・ギャフ
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・グロスキー
【審査官】
宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−251353(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0021717(US,A1)
【文献】
特開2013−098277(JP,A)
【文献】
特開2008−153701(JP,A)
【文献】
特開2002−203893(JP,A)
【文献】
特開2008−120654(JP,A)
【文献】
特開平04−162443(JP,A)
【文献】
特開平09−139419(JP,A)
【文献】
特開2012−212866(JP,A)
【文献】
特開2008−251737(JP,A)
【文献】
特開2011−009692(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3187554(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0200981(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハを処理するための半導体ウエハ処理装置であって、
内部で半導体ウエハが処理される処理チャンバと、
前記処理チャンバと流体連通し、前記処理チャンバに処理ガスを供給するよう適合された処理ガス源と、
処理ガスおよび前記処理の副生成物を前記処理チャンバから排出するよう適合された真空源と、
静電チャックアセンブリと、を備え、
静電チャックアセンブリは、
前記処理チャンバ内での前記半導体ウエハの処理中に前記半導体ウエハを支持するセラミック材料層に設けられた支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、前記静電クランプ電極に静電クランプ電圧が印加されたとき、前記支持面上の前記半導体ウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極の上に位置し、前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つのデクランプ電極であって、前記静電クランプ電圧が前記静電クランプ電極に印加されなくなったとき、前記半導体ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能なデクランプ電極と
を備え、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極および前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記半導体ウエハを支持する任意の表面の直下にない、半導体ウエハ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理装置であって、
前記静電チャックアセンブリは、前記支持面上に複数のメサを備えるメサパターンをさらに備え、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記少なくとも1つの静電クランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化され、および、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化される、処理装置。
【請求項3】
請求項1の処理装置であって、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記静電クランプ電極の少なくとも1つのパターンおよび前記デクランプ電極の少なくとも1つのパターンは、重なり合い、同じパターンを有する、処理装置。
【請求項4】
請求項1の処理装置であって、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下に環状クランプ電極を備え、
前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記支持面の前記外側環状端部シールの下に環状デクランプ電極を備え、
前記環状デクランプ電極は、前記環状クランプ電極の上に位置する、処理装置。
【請求項5】
請求項1の処理装置であって、
(a)前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約10ミクロン以下の下の位置にあり、および/または
(b)前記少なくとも1つのクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約100ミクロン以上の下の位置にある、処理装置。
【請求項6】
請求項1の処理装置であって、
(a)前記静電チャックアセンブリは、前記支持面に設けられ前記半導体ウエハの裏面に伝熱ガスを送る少なくとも1つの流出口と、前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の伝熱ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な伝熱ガス源に接続された少なくとも1つのガス通路と、をさらに備え、
(b)前記静電チャックアセンブリの前記セラミック材料層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、
(c)前記静電チャックアセンブリは、前記静電チャックアセンブリの前記支持面上に前記半導体ウエハを降ろし、前記静電チャックアセンブリの前記支持面から前記半導体ウエハを持ち上げるように、動作可能なリフトピンをさらに備え、
(d)前記処理装置は、前記処理チャンバ内で前記処理ガスをプラズマ状態に励起するよう適合されたRFエネルギ源をさらに含み、および/または
(e)前記静電チャックアセンブリは、独立的に制御可能なヒータゾーンを含むヒータ層をさらに備える、処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の処理装置であって、前記静電クランプ電極は、単極または双極静電クランプ電極である、処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の処理装置であって、さらに、
前記処理装置が行う処理を制御するよう構成された制御システムと、
前記処理装置を制御するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体と、を備える、処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の処理装置であって、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記静電クランプ電極の上に設けられ、および/または、前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の内側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記静電クランプ電極の上に設けられる、処理装置。
【請求項10】
ウエハ処理装置の処理チャンバで有用な静電チャックアセンブリであって、
前記処理チャンバ内での半導体ウエハの処理中に前記半導体ウエハを支持するセラミック材料層に設けられた支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、静電クランプ電圧が前記静電クランプ電極に印加されたとき、前記支持面上のウエハに静電クランプ力を加えるよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極の上に設けられ前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つのデクランプ電極であって、前記静電クランプ電圧が前記静電クランプ電極に印加されなくなったとき、前記半導体ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能なデクランプ電極と
を備え、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極および前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記半導体ウエハを支持する任意の表面の直下にない、静電チャックアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、
前記支持面上に複数のメサを備えるメサパターンをさらに備え、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記少なくとも1つの静電クランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化され、および、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化される、静電チャックアセンブリ。
【請求項12】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記静電クランプ電極の少なくとも1つのパターンおよび前記デクランプ電極の少なくとも1つのパターンは、重なり合って同じパターンを有する、静電チャックアセンブリ。
【請求項13】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下の環状クランプ電極を含み、
前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記支持面の前記外側環状端部シールの下の環状デクランプ電極を含み、
前記環状デクランプ電極は、前記環状クランプ電極の上に位置する、静電チャックアセンブリ。
【請求項14】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、
(a)前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約10ミクロン以下の下の位置にあり、および/または
(b)前記少なくとも1つのクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約100ミクロン以上の下の位置にある、静電チャックアセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、
(a)前記静電チャックアセンブリは、前記支持面に設けられ前記半導体ウエハの裏面に伝熱ガスを送る少なくとも1つの流出口と、前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の伝熱ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な伝熱ガス源に接続された少なくとも1つのガス通路と、をさらに備え、
(b)前記セラミック材料層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、
(c)前記静電チャックアセンブリは、前記静電チャックアセンブリの前記支持面上に前記半導体ウエハを降ろし、前記静電チャックアセンブリの前記支持面から前記半導体ウエハを持ち上げるように、動作可能なリフトピンをさらに備え、
(d)前記静電チャックアセンブリは、独立的に制御可能なヒータゾーンを含むヒータ層をさらに備える、静電チャックアセンブリ。
【請求項16】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、前記静電クランプ電極は、単極または双極静電クランプ電極である、静電チャックアセンブリ。
【請求項17】
請求項10に記載の静電チャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記静電クランプ電極の上に設けられ、および/または、前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の内側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記静電クランプ電極の上に設けられる、静電チャックアセンブリ。
【請求項18】
請求項1に記載の装置内で半導体ウエハを処理後、静電チャックアセンブリの支持面から前記半導体ウエハを脱離する方法であって、
前記処理ガス源から前記処理チャンバに前記処理ガスを供給することと、
前記処理中に前記少なくとも1つのデクランプ電極を電気的に浮遊させながら、前記静電チャックアセンブリの前記支持面に前記半導体ウエハをクランプするために、前記少なくとも1つの静電クランプ電極に電圧を印加させながら、前記処理チャンバ内で前記半導体ウエハを処理することと、
前記半導体ウエハの処理後、前記静電クランプ電極への電圧をオフするとともに、前記デクランプ電極を導電路に電気的に接続することによって、前記少なくとも1つのデクランプ電極を用いて前記半導体ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を設け、その結果、前記静電チャックアセンブリの前記支持面から前記半導体ウエハを脱離することと、
を備える方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
(a)前記半導体ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するため、前記導電路を接地し、または、電圧源に接続すること、および/または、
(b)前記半導体ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出しつつ、前記半導体ウエハを前記静電チャックアセンブリの前記支持面から持ち上げること、
を備える方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記処理は、RFエネルギを前記処理チャンバに供給することによって、前記処理ガスをプラズマに生成して、前記半導体ウエハをプラズマエッチングすること、または、堆積処理をすることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャック設計およびウエハの脱離方法の改良に関する。
[背景技術]
真空チャンバ(プラズマエッチングチャンバ、プラズマ強化物理蒸着チャンバ、化学蒸着チャンバ、プラズマ強化化学蒸着チャンバ、原子層堆積チャンバなど)内でのウエハの処理中にウエハをクランプするための様々なチャック構成が開発されてきた。脱離動作中のウエハとチャックとの間の残留付着力が1つの課題でありつづけてきた。したがって、この付着の問題を解決するチャックの設計および脱離方法の改良が求められている。
【発明の概要】
【0002】
半導体ウエハを処理するための半導体ウエハ処理装置が開示されている。その処理装置は:半導体ウエハを処理する処理チャンバと;処理チャンバと流体連通し、処理チャンバに処理ガスを供給するよう適合された処理ガス源と;処理ガスおよび処理の副生成物を処理チャンバから排出するよう適合された真空源と;静電チャックアセンブリとを備え、静電チャックアセンブリは:チャンバ内で半導体ウエハを処理する際に半導体ウエハを支持するセラミック材料層に設けられた支持面と;セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、クランプ電極に静電クランプ電圧が印加されたとき、支持面上のウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と;少なくとも1つの静電クランプ電極の上に位置し、セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つのデクランプ電極であって、静電クランプ電圧がクランプ電極に印加されなくなったとき、ウエハと支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能なデクランプ電極とを備える。
【0003】
また、半導体ウエハ処理装置の半導体ウエハ処理チャンバで用いる静電チャックアセンブリが開示されている。静電チャックアセンブリは:チャンバ内で半導体ウエハを処理する際に半導体ウエハを支持するセラミック材料層に設けられた支持面と;セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、クランプ電極に静電クランプ電圧が印加されたとき、支持面上のウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と;少なくとも1つの静電クランプ電極の上に位置し、セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つのデクランプ電極であって、静電クランプ電圧がクランプ電極に印加されなくなったとき、ウエハと支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能なデクランプ電極とを備える。
【0004】
さらに、半導体ウエハの処理後、半導体ウエハを静電チャックアセンブリの支持面から脱離する方法が開示されている。その方法は:処理ガス源から処理チャンバに処理ガスを供給する工程と;処理中に少なくとも1つのデクランプ電極を電気的に浮遊させながら静電チャックアセンブリの支持面に半導体ウエハをクランプするために、少なくとも1つの静電クランプ電極に電圧を印加させながら処理チャンバ内で半導体ウエハを処理する工程と;半導体ウエハの処理後、静電クランプ電極への電圧をオフするとともに、デクランプ電極を導電路に電気的に接続することによって、少なくとも1つのデクランプ電極を用いてウエハと支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を設け、その結果、静電チャックアセンブリの支持面からウエハを脱離する工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】静電チャック(ESC)の粗いセラミック面と、ESC表面に接触したウエハ裏面とを示す概略図。
【0006】
【
図2】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0007】
【
図3】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0008】
【
図4】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0009】
【
図5】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0010】
【
図6】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0011】
【
図7】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0012】
【
図8】開示されている一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、改良された脱離能力を有する半導体ウエハ処理装置用の静電チャックの実施形態が開示されている。半導体ウエハ処理装置は、半導体ウエハを処理する処理チャンバ(すなわち真空チャンバ)と、処理チャンバと流体連通し、処理チャンバに処理ガスを供給するよう適合された処理ガス源と、処理チャンバから処理ガスおよび処理の副生成物を排出するよう適合された真空源と、を備えることが好ましい。処理装置は、処理チャンバに供給される処理ガスを処理チャンバ内でプラズマ状態に励起するよう適合されたRFエネルギ源を、さらに備えたプラズマ処理装置であることが好ましい。また、半導体ウエハ処理装置は、処理装置が行う処理を制御するよう構成された制御システムと、処理装置を制御するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体と、を備えることが好ましい。処理チャンバは、半導体ウエハ処理装置のプラズマエッチング
チャンバ、化学蒸着チャンバ、プラズマ強化化学蒸着チャンバ、原子層堆積チャンバ、プラズマ強化原子層堆積チャンバ等(これら全ては以下真空チャンバという)であってもよい。以下では、本実施例について十分な理解を提供するため、多数の具体的詳細について述べる。しかし、本実施例がこれら具体的詳細の一部または全てなしで実施されてもよいことは当業者にとって明らかであろう。他の例では、周知の工程作業は、本明細書に開示されている本実施例を不必要に曖昧にしないよう詳細に述べられていない。さらに、本明細書で使用される単語の「約」は、数値に関して使用される場合は±10%を指す。
【0014】
静電チャックアセンブリ(本件における「ESC」)は、一般に、半導体製造処理中にウエハをクランプして(例えば、ジョンソン−ラーベック効果またはクーロン力効果)、ウエハ(つまり半導体基板)の温度制御を提供するために用いられる。ESCは、電圧(直流または交流)がESCの1つ以上のクランプ電極に印加された際に、ウエハをその上に保持するためのクランプ力を提供する。静電クランプ電極は、単極または双極静電クランプ電極であってもよい。電圧の印加をやめると、クランプ力はゼロになると期待され、ウエハは容易に取り除くことができる。ウエハおよび1つ以上のクランプ電極は、外部から(電源を通して)印加された電界の存在下では、コンデンサの電極として機能する。静電チャックアセンブリは、ウエハが処理される前にウエハをESCの支持面上に降ろし、ウエハが処理された後にウエハをESCの支持面から持ち上げるよう動作可能なリフトピンを含むことが好ましい。ウエハを上げ降ろしするよう動作可能なリフトピンを含む静電チャックアセンブリの例示的な実施形態は、本発明の譲受人に譲渡され、その内容を参照として本明細書中に援用する米国特許第6,567,258号に示されている。
【0015】
理想的な条件下では、外部から印加される電圧が切られると、ウエハとESCのクランプ電極との間のクランプ力は完全に消えるが、実際の条件下では、そうはならないことが多い。例えば、ESCの支持面上に薄膜が堆積すると、ESCアセンブリの表面で電荷捕獲が起こりうる。かかる電荷は、外部から印加された電界よりも消えるのに長い時間が掛かりうるため、印加電界がオフにされた後でもウエハに対する残留付着力を引き起こしうる。例えば、チャンバ洗浄処理によってESC(セラミック)表面がフッ素化されることで、プラズマエッチングチャンバ内のESC支持面上の薄膜堆積が、引き起こされうる。さらに、プラズマ処理の副生成物が、ESC支持面上に堆積して、電荷を捕獲する膜を形成しうる。
【0016】
繰り返されるウエハ処理によってESCアセンブリ支持面が滑らかになることも、残留付着力につながりうる。ウエハ(つまりシリコン基板)とセラミック支持面を有するESCとの間の熱膨張率の差により、プラズマ熱負荷がウエハの加熱(およびその結果としてのウエハの膨張)を引き起こすと、ウエハ表面はESCセラミックと擦れ合う。処理中はウエハがクランプ力によって保持されるため、長時間使用すると、ウエハとESC支持面との間の摩擦でESCセラミックが大幅に滑らかになる。滑らかになったセラミック支持面は、ウエハとESCとの間の実際の接触面積を大幅に増大させる。クランプ力は1/d2で変化するため(dは、ウエハ裏面とセラミック表面との間の距離)、ESC支持面とウエハ裏面との間の有効距離がさらに短くなることで、界面に存在する任意の電荷によるクランプ力は増大する。一般に、距離dは(
図1に示すように)ESC表面の粗さとほぼ等しいため、ウエハ表面上に残留電荷が存在する場合、ESC表面が滑らかであるほど付着力は大きくなる。上述の通り、残留電荷は、ESCセラミックからの少量のリーク電流またはESC表面上の膜による電荷捕獲が原因で起こりうる。
【0017】
ウエハをESC表面から持ち上げる際に、ウエハに対する残留付着力は、ウエハの跳ね上げ、粒子の生成、さらにはウエハの破損などの重大な問題を引き起こしうる。
【0018】
ウエハがクランプされている間、ウエハとESCとの間の物理的接触だけの場合と比べて熱伝達率を向上させるため、ウエハとESC支持面との間の小さい空間/隙間は、ヘリウム(通常、1〜100Torrの圧力)で満たされることが好ましい。
【0019】
図1は、クランプ電圧除去後のESCの粗いセラミック支持面2とウエハ4との間の残留
付着力を示している。残留付着力は、ウエハがESC表面から持ち上げられる際に、ウエハの跳ね上げ、粒子の生成、さらにはウエハの破損などの問題を引き起こしうる。
【0020】
図2は、ESCアセンブリに含まれるリフトピン(図示せず)の上げ下げなどのESCが行う処理を制御するよう動作可能な制御システム24に接続されたESCアセンブリ(ESC)40を示す。ESCの縁付近にある穴6は、熱伝達ガス(例えばヘリウム)をウエハ4の裏面に供給する。ESCアセンブリ40は、セラミック材料層に半導体ウエハ4を支持する支持面を有する。支持面は、クランプされたウエハが、ウエハの裏面と半導体ウエハ処理装置の真空チャンバ内の圧力との間に最大約100Torrの圧力差を維持できるように、その外周に1〜10ミリの外側環状端部シール48を有する。それにより、ウエハ4の裏面に供給される熱伝達ガスの圧力が維持され、ESC40とウエハとの間の熱伝導率を高めることができる。さらに、ESC支持面は、ウエハ4とESC表面との間の接触面積が低減されるように、その上面に分布された複数のメサ20を含むメサパターンを備える。かかる構成においては、支持面の面積の約3〜10%がメサ20および外側環状端部シール48である。
【0021】
メサ20は、それぞれ約5〜40ミクロンの高さを有しうる。メサ20は、実質的に任意のサイズ、形状、および配置であってよい。例えば、メサ20は、楕円形、多角形、および/またはドーナツ形が可能で、垂直または傾斜する壁を有する。メサ20のそれぞれの上面は、凹状、平坦、または凸状であってよく、角は鋭角または円形であってよい。メサ20は、球形の一部が平面から突出している「こぶ」形状を有することができる。好ましいメサの形状およびサイズは、各メサの直径が約1ミリの、垂直の壁を有する円形である。好ましくは、メサ20は、それぞれの間に約5ミリの間隔を有し、実質的にESC支持面を覆う。
【0022】
ESCセラミック10は、好ましくは冷却プレート(ベースプレート)12上に接着される。冷却プレートは、流体を循環させる温度制御ユニット(冷却機)に冷却プレートを接続することによって冷却プレートの温度を制御できるように、冷却剤流路14を有する。セラミックと冷却プレートとの間にある接着層16の熱抵抗は、セラミックと冷却プレートとの間の温度差がウエハ4への熱流束10W/cm2で2℃ないし90℃となりうるように選択できる。さらに、ヒータ層84に埋め込まれたヒータ(図示せず)は、ESC40の支持面の空間的および時間的温度、および、支持面に支持されるウエハ4の空間的および時間的温度を独立して制御および調整するため、独立して制御可能なヒータゾーンを形成できる。
【0023】
ESC40は、外部電源(図示せず)に接続されて静電クランプ電圧が印加されるとウエハのクランプを可能にするESCセラミック層10の中に埋め込まれた、クランプ電極8および環状クランプ電極8aなどの少なくとも1つの静電クランプ電極を備える。静電チャックアセンブリ40はまた、ESCセラミック層10の層に埋め込まれた、デクランプ電極18などの少なくとも1つのデクランプ電極を備える。少なくとも1つのデクランプ電極は、少なくとも1つの静電クランプ電極の上に位置し、静電クランプ電圧が少なくとも1つのクランプ電極に印加されなくなったとき、ウエハ4とESCの支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能である。例えば、ウエハの処理中に、少なくとも1つのデクランプ電極は、少なくとも1つの静電クランプ電極に干渉しないように電気的浮遊(floating)が保たれる。ウエハが処理された後に、制御システム24は、ウエハ4と支持面との間に蓄積した任意の残留電荷が排出されるように、脱離中に導電路42が少なくとも1つのデクランプ電極18をグランドまたは電圧源に電気的に接続するように、スイッチ41を制御するよう構成されている。さらに、導電路42は、ウエハ4がESC40の支持面から脱離されるように、任意の残留電荷を排出するためにグランドに接続されることができ、あるいは、ウエハと支持面との間の任意の残留電荷が排出されるよう電圧が選択される電圧源に接続されうる。
【0024】
少なくとも1つの静電クランプ電極8は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、少なくとも1つのデクランプ電極18は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含む。クランプ電極8の少なくとも1つのパターンおよびデクランプ電極18の少なくとも1つのパターンは、好ましくは重なり合い同じパターンを有する。ESCアセンブリに含まれる少なくとも1つのデクランプ電極18は、ESCアセンブリの支持面の上面より約10ミクロン以下の下の位置にあり、少なくとも1つのクランプ電極8は、ESCアセンブリの支持面の上面より約100ミクロン以上の下の位置にあることが好ましい。
【0025】
例えば、
図2に示す実施形態において、少なくとも1つのクランプ電極は、双極クランプ電極8およびクランプ電極8を囲む環状クランプ電極8aを備える。デクランプ電極18は、クランプ電極8の上に位置し、デクランプ電極18およびクランプ電極8は、重なり合い同じパターンを有する。脱離中、デクランプ電極18は、ウエハ4とESC40の支持面との間の任意の残留電荷が排出されうるようにグランドまたは電圧源に接続されることが好ましい。例えば、
図2に示すように、制御システム24は、脱離工程中にデクランプ電極18が導電路42によってグランドに電気的に接続されるように、スイッチ41を制御できる。
【0026】
他の実施形態では、
図3に示すように、デクランプ電極18は、環状デクランプ電極18aで囲むことができる。環状デクランプ電極18aは、環状クランプ電極8aと重なり合い、環状デクランプ電極18aおよび環状クランプ電極8aは、同じパターンを有する。脱離中、デクランプ電極18および環状デクランプ電極18aは、ウエハ4とESC40の支持面との間の任意の残留電荷が排出されうるように、グランドまたは電圧源に接続されることが好ましい。例えば、
図3に示すように、制御システム24は、脱離工程中にデクランプ電極18および環状デクランプ電極18aが導電路42によって電圧源21に電気的に接続されるように、スイッチ41および電圧源21を制御できる。電圧源は、ウエハ4とESC40の支持面との間の任意の残留電荷を排出するよう構成された電圧を提供する。
【0027】
他の実施形態では、
図4に示すように、少なくとも1つの静電デクランプ電極は、環状デクランプ電極18aであってよく、環状デクランプ電極18aは、支持面の外側環状端部シール48の下に位置する。少なくとも1つの静電デクランプ電極の環状デクランプ電極18aは、少なくとも1つの静電クランプ電極8の上に位置する。任意で、少なくとも1つの静電デクランプ電極は、
図2および3に示すように静電クランプ電極8の上に位置するデクランプ電極18を備えることもできる。静電クランプ電極8およびデクランプ電極18は、重なり合い、同じパターンを有する。さらなる実施形態では、
図5に示すように、環状クランプ電極8aは、外側環状端部シール48および環状デクランプ電極18aの下に配置できる。処理中、外側環状端部シール48とウエハ4との間で端部の密封が維持できるように、環状クランプ電極8aおよびクランプ電極8には別々の電圧が印加できる。本実施形態では、
図6に示すように、ESCアセンブリ40は、内側環状端部シール48aを備えることもでき、第1環状デクランプ電極18aを外側環状端部シール48の下に、第2環状デクランプ電極18bを内側環状端部シール48aの下に備えることができる。内側環状端部シール48aは、支持面の領域を区域に分けることができ、区域では熱伝達ガス(例えば、ヘリウム)がウエハ4の裏面に供給される。
【0028】
図7は、ESC40の好適な実施形態を示し、クランプ電極8は、複数のメサのうちメサ20の直下にならないようにパターン化される。さらなる好適な実施形態では、
図8に示すように、デクランプ電極18は、クランプ電極8と重なり合うことができ、デクランプ電極18およびクランプ電極8は、デクランプ電極18およびクランプ電極8が複数のメサのうちメサ20の直下にならないように、さらには、デクランプ電極18およびクランプ電極8がウエハ4を支持する任意の面の直下にならないように、同じパターンを有する。少なくとも1つのクランプ電極および/または少なくとも1つのデクランプ電極が複数のメサのうちメサ20の直下にならないように、さらには、ウエハ4を支持する任意の面の直下にならないように、少なくとも1つのクランプ電極および/または少なくとも1つのデクランプ電極のパターンを配置することによって、ウエハ4とESCの支持面との間で捕獲される電荷量は低減する。
【0029】
プラズマ処理などの処理動作中に、処理ガス源からの処理ガスが処理チャンバ(すなわち真空チャンバ)に供給される。処理ガスは、ウエハがその後プラズマエッチングまたはプラズマ強化堆積工程によって処理されうるように、処理チャンバにRFエネルギを供給することによってプラズマに生成される。真空チャンバ内で半導体ウエハを処理する間、少なくとも1つのデクランプ電極が電気的に浮遊したまま半導体ウエハを静電チャックアセンブリの支持面にクランプするように、少なくとも1つの静電クランプ電極に電圧を印加する。ウエハの処理後、静電クランプ電極への電圧はオフにし、デクランプ電極は、半導体ウエハと支持面との間の任意の残留電荷を少なくとも1つのデクランプ電極によって排出するための経路を提供するために導電路に電気的に接続されることにより、ウエハが静電チャックアセンブリの支持面から脱離される。導電路は、ウエハと静電チャックアセンブリの支持面との間の残留電荷を排出するための経路を提供するため、グランドまたは電圧源に接続されうる。本実施形態では、導電路は、ウエハをESCの支持面上にクランプするために使用する電圧とは逆の極性を有する電圧源に接続されうるため、ウエハと支持面との間の残留電荷を容易に除去できる。その後、ウエハは、残留電荷が排出された後、静電チャックの支持面から持ち上げられうる。または、他の実施形態では、ウエハは、支持面とウエハとの間の残留電荷が排出される間に持ち上げられうる。
【0030】
本発明が特定の実施形態と関連させて記載されてきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な変更や修正を行い、同等物を使用することが可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
半導体ウエハを処理するための半導体ウエハ処理装置であって、
内部で半導体ウエハが処理される処理チャンバと、
前記処理チャンバと流体連通し、前記処理チャンバに処理ガスを供給するよう適合された処理ガス源と、
処理ガスおよび前記処理の副生成物を前記処理チャンバから排出するよう適合された真空源と、
静電チャックアセンブリと、を備え、
静電チャックアセンブリは、
前記チャンバ内での前記半導体ウエハの処理中に前記ウエハを支持するセラミック材料層に設けられた支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、前記クランプ電極に静電クランプ電圧が印加されたとき、前記支持面上の前記ウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極の上に位置し、前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つのデクランプ電極であって、前記静電クランプ電圧が前記クランプ電極に印加されなくなったとき、前記ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能なデクランプ電極と
を備える半導体ウエハ処理装置。
適用例2:
適用例1の処理装置であって、
前記静電チャックアセンブリは、前記支持面上に複数のメサを備えるメサパターンをさらに備え、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記少なくとも1つの静電クランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化され、および/または、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化される、処理装置。
適用例3:
適用例1の処理装置であって、
(a)前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記クランプ電極の少なくとも1つのパターンおよび前記デクランプ電極の少なくとも1つのパターンは、重なり合い、同じパターンを有し、および/または
(b)前記少なくとも1つの静電クランプ電極および前記少なくとも1つのデクランプは、前記ウエハを支持する任意の表面の直下にない、処理装置。
適用例4:
適用例1の処理装置であって、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下に環状クランプ電極を備え、
前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記支持面の前記外側環状端部シールの下に環状デクランプ電極を備え、
前記環状デクランプ電極は、前記環状クランプ電極の上に位置する、処理装置。
適用例5:
適用例1の処理装置であって、
(a)前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約10ミクロン以下の下の位置にあり、および/または
(b)前記少なくとも1つのクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約100ミクロン以上の下の位置にある、処理装置。
適用例6:
適用例1の処理装置であって、
(a)前記静電チャックアセンブリは、前記支持面に設けられ前記ウエハの裏面に伝熱ガスを送る少なくとも1つの流出口と、前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の伝熱ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な伝熱ガス源に接続された少なくとも1つのガス通路と、をさらに備え、
(b)前記静電チャックアセンブリの前記セラミック材料層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、
(c)前記静電チャックアセンブリは、前記静電チャックアセンブリの前記支持面上に前記ウエハを降ろし、前記静電チャックアセンブリの前記支持面から前記ウエハを持ち上げるように、動作可能なリフトピンをさらに備え、
(d)前記処理装置は、前記処理チャンバ内で前記処理ガスをプラズマ状態に励起するよう適合されたRFエネルギ源をさらに含み、および/または
(e)前記静電チャックアセンブリは、独立的に制御可能なヒータゾーンを含むヒータ層をさらに備える、処理装置。
適用例7:
適用例1の処理装置であって、前記静電クランプ電極は、単極または双極静電クランプ電極である、処理装置。
適用例8:
適用例1の処理装置であって、さらに、
前記処理装置が行う処理を制御するよう構成された制御システムと、
前記処理装置を制御するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体と、を備える、処理装置。
適用例9:
適用例1の処理装置であって、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記クランプ電極の上に設けられ、および/または、前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の内側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記クランプ電極の上に設けられる、処理装置。
適用例10:
ウエハ処理装置の処理チャンバで有用な静電チャックアセンブリであって、
前記チャンバ内での半導体ウエハの処理中に前記ウエハを支持するセラミック材料層に設けられた支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、静電クランプ電圧が前記クランプ電極に印加されたとき、前記支持面上のウエハに静電クランプ力を加えるよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極の上に設けられ前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つのデクランプ電極であって、前記静電クランプ電圧が前記クランプ電極に印加されなくなったとき、前記ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を提供するよう動作可能なデクランプ電極と
を備える静電チャックアセンブリ。
適用例11:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、
前記支持面上に複数のメサを備えるメサパターンをさらに備え、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記少なくとも1つの静電クランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化され、および/または、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記少なくとも1つの静電デクランプ電極が前記複数のメサのうちの1つのメサの直下にならないようにパターン化される、静電チャックアセンブリ。
適用例12:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、
(a)前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、導電性材料の少なくとも1つのパターンを含み、
前記クランプ電極の少なくとも1つのパターンおよび前記デクランプ電極の少なくとも1つのパターンは、重なり合って同じパターンを有し、および/または
(b)前記少なくとも1つの静電クランプ電極および前記少なくとも1つのデクランプは、前記ウエハを支持する任意の表面の直下にない、静電チャックアセンブリ。
適用例13:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの静電クランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下の環状クランプ電極を含み、
前記少なくとも1つの静電デクランプ電極は、前記支持面の前記外側環状端部シールの下の環状デクランプ電極を含み、
前記環状デクランプ電極は、前記環状クランプ電極の上に位置する、静電チャックアセンブリ。
適用例14:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、
(a)前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約10ミクロン以下の下の位置にあり、および/または
(b)前記少なくとも1つのクランプ電極は、前記静電チャックアセンブリの前記支持面の上面より約100ミクロン以上の下の位置にある、静電チャックアセンブリ。
適用例15:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、
(a)前記静電チャックアセンブリは、前記支持面に設けられ前記ウエハの裏面に伝熱ガスを送る少なくとも1つの流出口と、前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の伝熱ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な伝熱ガス源に接続された少なくとも1つのガス通路と、をさらに備え、
(b)前記セラミック材料層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、
(c)前記静電チャックアセンブリは、前記静電チャックアセンブリの前記支持面上に前記ウエハを降ろし、前記静電チャックアセンブリの前記支持面から前記ウエハを持ち上げるように、動作可能なリフトピンをさらに備え、
(d)前記静電チャックアセンブリは、独立的に制御可能なヒータゾーンを含むヒータ層をさらに備える、静電チャックアセンブリ。
適用例16:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、前記静電クランプ電極は、単極または双極静電クランプ電極である、静電チャックアセンブリ。
適用例17:
適用例10の静電チャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の外側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記クランプ電極の上に設けられ、および/または、前記少なくとも1つのデクランプ電極は、前記支持面の内側環状端部シールの下に設けられた環状デクランプ電極であり、
前記環状デクランプ電極は、前記クランプ電極の上に設けられる、静電チャックアセンブリ。
適用例18:
適用例1の装置内で半導体ウエハを処理後、静電チャックアセンブリの支持面から前記半導体ウエハを脱離する方法であって、
前記処理ガス源から前記処理チャンバに前記処理ガスを供給することと、
前記処理中に前記少なくとも1つのデクランプ電極を電気的に浮遊させながら、前記静電チャックアセンブリの前記支持面に前記半導体ウエハをクランプするために、前記少なくとも1つの静電クランプ電極に電圧を印加させながら、前記処理チャンバ内で前記半導体ウエハを処理することと、
前記半導体ウエハの処理後、前記静電クランプ電極への電圧をオフするとともに、前記デクランプ電極を導電路に電気的に接続することによって、前記少なくとも1つのデクランプ電極を用いて前記ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するための経路を設け、その結果、前記静電チャックアセンブリの前記支持面から前記ウエハを脱離することと、
を備える方法。
適用例19:
適用例18の方法であって、
(a)前記ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出するため、前記導電路を接地し、または、電圧源に接続すること、および/または、
(b)前記ウエハと前記支持面との間の任意の残留電荷を排出しつつ、前記ウエハを前記静電チャックの前記支持面から持ち上げること、
を備える方法。
適用例20:
適用例18の方法であって、前記処理は、RFエネルギを前記プラズマ処理チャンバに供給することによって、前記処理ガスをプラズマに生成して、前記ウエハをプラズマエッチングすること、または、堆積処理をすることを含む、方法。