(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、全体を通し、各図において同一の機能を有する各構成部分には原則として同一の符号を付し、説明を省略することがある。本発明は、後述する実施例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
【0016】
(1)実施例1
(1−1)装置構成
図1に、本実施例に係る自動分析装置の基本構成を示す。本実施例では、ターンテーブル方式の生化学分析部と血液凝固時間分析ユニットとを備える複合型の自動分析装置を説明する。自動分析装置1は、その筐体上に、血液凝固時間分析ユニット2、サンプルディスク11、反応ディスク13、第1試薬ディスク16、第2試薬ディスク15、光度計19を有している。
【0017】
血液凝固時間分析ユニット2は、主として、サンプル分注ポジション18、血液凝固試薬分注機構20、血液凝固時間検出部21、光学ジグマガジン22、反応容器移送機構23、反応容器廃棄口24、使い捨て反応容器マガジン25から構成される。血液凝固時間検出部21は、使い捨て反応容器28に吐出された血液を所定温度(例えば37℃)に昇温し、血液の凝固時間を測定する。反応容器移送機構23は、使い捨て反応容器28を使い捨て反応容器マガジン25から血液凝固時間検出部21に移送する。
【0018】
サンプルディスク11は、時計回り又は反時計回りに回転自在なディスク状のユニットであり、標準サンプルや被検サンプル等のサンプルを収容するサンプル容器27をその円周上に複数個配置することができる。反応ディスク13は、時計回り又は反時計回りに回転自在なディスク状のユニットであり、反応容器26をその円周上に複数個配置することができる。
【0019】
第1試薬ディスク16と第2試薬ディスク15は、時計回り又は反時計回りに回転自在なディスク状のユニットであり、サンプルに含まれる各検査項目に対応する成分と反応する試薬を収容する試薬容器をその円周上に複数個配置できる。第1試薬ディスク16と第2試薬ディスク15には、不図示の保冷機構を設けることができる。保冷機構が設けられている場合、試薬容器内の試薬を保冷することができる。
【0020】
サンプルディスク11と反応ディスク13の間にはサンプル分注プローブ12が配置されている。サンプル分注プローブ12は、サンプルディスク11上のサンプル容器27、反応ディスク13上の反応容器26、血液凝固時間分析ユニット2のサンプル分注ポジション18に位置する使い捨て反応容器28の間を移動し、各位置の反応容器との間でサンプルの吸引又は分注を行う。
【0021】
反応ディスク13と第1試薬ディスク16の間には第1試薬分注プローブ14が配置され、反応ディスク13と第2試薬ディスク15の間には第2試薬分注プローブ17が配置されている。各プローブは、反応ディスク13上の反応容器26と第1試薬ディスク16の試薬容器の間、又は、反応ディスク13上の反応容器26と第2試薬ディスク15上の試薬容器の間を移動し、各容器との間で試薬を吸引又は吐出を行う。
【0022】
(1−2)制御系の構成
引き続き、
図1を用いて、自動分析装置1に搭載される制御系及び信号処理系を簡単に説明する。コンピュータ105は、インターフェース101を介して、サンプル分注制御部201、移送機構制御部202、A/D変換器(2)203、血液凝固試薬分注制御部204、A/D変換器(1)205、試薬分注制御部(1)206、試薬分注制御部(2)207と通信し、各制御部の動作を制御する。
【0023】
サンプル分注制御部201は、コンピュータ105から受けた指令に基づいてサンプル分注プローブ12の分注動作を制御し、使い捨て反応容器28にサンプルを分注する。移送機構制御部202は、コンピュータ105からの指令に基づき、反応容器移送機構23を駆動制御する。この駆動制御を通じ、移送機構制御部202は、サンプル分注ポジション18、血液凝固時間検出部21の反応ポート208、反応容器廃棄口24及び使い捨て反応容器マガジン25の間で、血液凝固分析用の使い捨て反応容器28を移送する。
【0024】
血液凝固試薬分注制御部204は、コンピュータ105から受けた指令に基づいて血液凝固試薬分注機構20の分注動作を制御し、反応ポート208に移動された使い捨て反応容器28に対して血液凝固用の試薬を分注する。この場合、血液凝固用の試薬とサンプルとの混合は使い捨て反応容器28内で行われる。
【0025】
あるいは、血液凝固試薬分注制御部204は、コンピュータ105から受けた指令に基づいて血液凝固試薬分注機構20の分注動作を制御する。すなわち、血液凝固試薬分注制御部204は、血液凝固試薬分注機構20の分注動作を制御し、前処理液(サンプルと血液凝固分析用の試薬との混合液であり、混合液は反応容器26内で生成される。)を空の使い捨て反応容器28に分注する。この場合、血液凝固試薬分注制御部204は、前処理液を収容する使い捨て反応容器28に対して血液凝固分析用の第2試薬を更に分注する。
【0026】
ここでの血液凝固分析用の試薬は、第1試薬ディスク16と第2試薬ディスク15に配置されている。血液凝固分析用の試薬は、必要に応じ、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ17によって反応ディスク13上の反応容器26に一旦分注された後、血液凝固分析に用いられる。
【0027】
試薬分注制御部(1)206と試薬分注制御部(2)207は、コンピュータ105から受けた指令に基づいて、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ17による試薬の分注動作を制御する。
【0028】
A/D変換器(1)205は、反応容器(生化学分析用)26内の反応液の透過光又は散乱光の測光値をデジタル信号に変換し、インターフェース101を介してコンピュータ105に出力する。A/D変換器(2)203は、使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28内の反応液の透過光又は散乱光の測光値をデジタル信号に変換し、インターフェース101を介してコンピュータ105に出力する。
【0029】
本実施例の場合、インターフェース101には、測定結果をレポート等として出力する際に使用するプリンタ106、記憶装置であるメモリ104や外部出力メディア102、操作者が入力に使用するキーボードなどの入力装置107、操作画面を表示する表示装置103が接続されている。表示装置103には、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等が用いられる。
【0030】
(1−3)生化学項目の分析
自動分析装置1は、次の手順で、生化学項目の分析を実行する。まず、キーボード等の入力装置107を通じ、操作者が、各サンプルに対する検査項目を入力する。コンピュータ105は、入力された検査項目についてサンプルを分析するために、サンプル分注プローブ12を駆動制御する。この際、サンプル分注プローブ12は、分析パラメータに従ってサンプル容器27から反応容器(生化学分析用)26に所定量のサンプルを分注する。
【0031】
サンプルが分注された反応容器(生化学分析用)26は、反応ディスク13の回転によって移送され、試薬受け入れ位置に停止する。第1試薬分注プローブ14又は第2試薬分注プローブ17のピペットノズルは、該当する検査項目の分析パラメータに従って、反応容器(生化学分析用)26に所定量の試薬液を分注する。サンプルの分注は、試薬の分注前でも後でもよい。
【0032】
反応容器26内に分注されたサンプルと試薬は、不図示の攪拌機構により攪拌され、混合される。この混合液(「反応液」ともいう。)を収容する反応容器(生化学分析用)26が、測光位置を横切る時、光度計19により反応液の透過光又は散乱光が測光される。測光された透過光又は散乱光は、A/D変換器(1)205により光量に比例した数値のデータに変換され、インターフェース101を経由してコンピュータ105に取り込まれる。
【0033】
コンピュータ105は、この数値と検査項目毎に指定された分析法により予め測定しておいた検量線とに基づいて、サンプルに含まれる所定の成分濃度データを算出する。成分濃度データは、各検査項目の分析結果である。成分濃度データは、プリンタ106や表示装置103の画面に出力される。なお、以上の分析動作に先立ち、操作者は、分析に必要な種々のパラメータ、使用する試薬及びサンプルを、表示装置103の操作画面を介して登録する。また、操作者は、測定後の分析結果を表示装置103上の操作画面により確認する。
【0034】
(1−4)血液凝固時間項目の分析
自動分析装置1は、次の手順で、血液凝固時間項目を分析する。まず、キーボード等の入力装置107を通じ、操作者が、各サンプルに対する検査項目を入力する。コンピュータ105は、入力された検査項目についてサンプルを分析すべく、反応容器移送機構23を駆動制御する。この際、反応容器移送機構23は、使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28を使い捨て反応容器マガジン25からサンプル分注ポジション18へ移送する。次に、コンピュータ105は、サンプル分注プローブ12を駆動制御し、サンプル容器27から使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28に所定量のサンプルを分注する。
【0035】
サンプルが分注された使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28は、反応容器移送機構23によって血液凝固時間検出部21の反応ポート208へ移送され、所定の温度(例えば37℃)へ昇温される。第1試薬分注プローブ14は、該当する検査項目の分析パラメータに従い、反応ディスク13上の反応容器(生化学分析用)26に所定量の試薬液を分注する。反応ディスク13には、不図示の恒温槽が設けられており、反応容器(生化学分析用)26に分注された試薬液は37℃に温められる。
【0036】
その後、血液凝固試薬分注機構20は、反応容器(生化学分析用)26に分注されている試薬を吸引し、不図示の昇温機構により所定の温度に昇温した後、使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28に吐出する。
【0037】
試薬が吐出された時点から、使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28に照射された光の透過光又は散乱光の測光が開始される。測光された透過光又は散乱光は、A/D変換器(2)203により光量に比例した数値のデータに変換され、インターフェース101を経由して、コンピュータ105に送信される。
【0038】
コンピュータ105は、この変換された数値を用い、血液凝固反応に要した時間(血液凝固時間)を求める。例えばATPP(活性化部分トロンボプラスチン時間)等の検査項目では、このようにして求めた血液凝固時間を分析結果として出力する。ここで、Fbg(フィブリノーゲン)等の検査項目については、求めた血液凝固時間に対して、さらに、検査項目毎に指定された分析法により予め測定しておいた検量線に基づき、成分濃度のデータを求めて分析結果として出力する。各検査項目の分析結果としての血液凝固時間や成分濃度のデータは、プリンタ106や表示装置103の画面に出力される。
【0039】
上記の測定動作の実行に先立ち、操作者は、表示装置103の操作画面を介して、分析に必要な種々のパラメータ、使用する試薬及びサンプルを登録する。また、操作者は、測定後の分析結果を表示装置103上の操作画面により確認する。
【0040】
サンプル分注プローブ12は、サンプル容器27から吸引したサンプルを、反応容器(生化学分析用)26に吐出してもよい。この場合、予め反応容器(生化学分析用)26内で前処理液と反応させた後の溶液を、血液凝固分注機構20の分注プローブによって、使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28に分注することもできる。
【0041】
血液凝固分注機構20の分注プローブは、先に使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28に収容されているサンプルに対して試薬を勢いよく吐出することにより、使い捨て反応容器(血液凝固分析用)28内のサンプルと試薬とを混合する。この混合による撹拌は、吐出攪拌と呼ばれる。なお、サンプルより先に試薬を分注してもよく、この場合は、サンプルを吐出するときの勢いによりサンプルを試薬と混合する。
【0042】
(1−5)カバーの構成
図2に、本実施例の自動分析装置1で使用する装置カバーの構成例を示す。本実施例の装置カバーは、サンプルディスク11のみを覆うサンプルディスクカバー301と、反応ディスク13、第1試薬ディスク16、第2試薬ディスク15を覆う全体カバー302の2つで構成されている。サンプルディスクカバー301と全体カバー302は独立しており、それぞれ個別に開閉することができる。
【0043】
このため、測定終了から次の測定開始までの間にサンプルの交換や追加の作業が必要となる場合でも、反応ディスク13の上部を覆う全体カバー302を開けずに済む。この結果、サンプルの交換や追加の作業を行っても、反応容器に異物が混入するおそれがなく、分析開始前の洗浄とブランク測定をスキップすることができ、TATを改善することができる。なお、自動分析装置1には全体カバー302の開閉を検知する開閉検知センサ211を有する。全体カバー302の開閉を検知できれば、開閉検知センサ211の取り付けは任意である。また、サンプルディスクカバー301にも開閉検知センサを設けてもよい。開閉検知センサ211の出力はインターフェース101を通じてコンピュータ105に入力される。
【0044】
(1−6)分析シーケンス
図3に、自動分析装置1で実行される分析シーケンスの一例を示す。
図3に示す分析シーケンスは、コンピュータ105が実行するプログラムの制御を通じて実現される。後述するように、本実施例の分析シーケンスには、装置カバーの開閉監視機能(不図示のセンサーによる)が含まれており、当該機能により分析開始前の洗浄動作及びブランク測定のスキップが実行される。
【0045】
コンピュータ105は、前回の分析が終了した時点を基点に制御を開始すると(ステップS101)、動作モードをスタンバイ状態に移行させる(S102)。スタンバイ状態となっている間、コンピュータ105は、装置カバーの開閉を監視し、開閉があればメモリ104に記憶する(S103)。本実施例の場合、全体カバー302の開閉のみを監視する。もっとも、コンピュータ105は、サンプルディスクカバー301と全体カバー302の両方の開閉を監視してもよい。その場合、メモリ104には開閉したカバーの種別も記録され、どちらのカバーが開閉されたか判別できるようにする。
【0046】
操作者より分析動作の開始が指示されると、コンピュータ105は、分析シーケンスを開始し(ステップS104)、最初にリセット動作を行う(S105)。次に、コンピュータ105は、メモリ104から前回の分析データを読出し、「前回の分析動作」が正常に終了したか否かを判定する(S106)。正常終了であった場合、コンピュータ105は、メモリ104から装置カバーの開閉履歴データを読出し、「開履歴」の有無を判定する(ステップS107)。ここで、「開履歴」が無いことは、「前回の分析動作」が正常終了し、かつ、分析後に反応容器26が洗浄され、しかも、反応容器26への異物混入の可能性も無いことを意味する。
【0047】
従って、ステップS107で肯定結果が得られた場合、コンピュータ105は、前回の分析後に測定したブランク値を使用し、そのまま今回の分析動作を開始する(ステップS111)。一方、「前回の分析動作」が異常終了であった場合(ステップS106で否定結果)、又は、装置カバーを開けた履歴がある場合(ステップS107で否定結果)、コンピュータ105は、洗浄動作(ステップS108)、ブランク測定(ステップS109)、ブランク水吸引(ステップS110)を順に実行し、その後に、分析動作を開始する(ステップS111)。
【0048】
いずれの場合も、コンピュータ105は、測定終了後に分析結果を報告する(ステップS112)。分析結果の報告は、プリンタ106や表示装置103の画面に出力される。その後、コンピュータ105は、測定に使用した反応容器26の洗浄を指示し(ステップS113)、更に、ブランク測定の実行と測定値のメモリ104への記憶(ステップS114)を実行する。この後、コンピュータ105は、ブランク水の吸引を指示し(ステップS115)、最後に、分析動作が正常に終了したことをメモリ104に記憶する(ステップS116)。
【0049】
(1−7)実施例の効果
図4に、本実施例に係る分析シーケンスの時間配分の一例を示す。本図の横軸は時間(秒)を表しており、縦方向に3つのシーケンスパターンを示している。最上段のシーケンスパターンは、洗浄動作とブランク測定の両方をスキップする場合の例であり、中段のシーケンスパターンは、洗浄動作のみをスキップする場合の例であり、最下段のシーケンスパターンは、通常動作の例である。通常動作とは、
図3のステップS108〜S110に示す洗浄動作とブランク測定を、分析動作の開始前に必ず実行することを意味する。
【0050】
本実施例の自動分析装置1の場合、独立に開閉可能なサンプルディスクカバー301と全体カバー302を有するので、サンプルディスクカバー301を開いてサンプルを追加又は交換しても、全体カバー302は閉じたままとでき、反応容器26が汚染される可能性を防ぐことができる。従って、洗浄動作とブランク測定をスキップすることができ、操作者がオペレーションを開始してから分析結果を報告するまでの時間を短縮することができる。
【0051】
(2)実施例2
実施例2に係る自動分析装置1について説明する。本実施例の自動分析装置1は、装置カバーの構成を除き、実施例1と同様の構成を有している。
図5に、本実施例で使用する装置カバーの構成を示す。本実施例の装置カバーは、反応ディスク13のみを覆う反応ディスクカバー303と、サンプルディスク11、第1試薬ディスク16、第2試薬ディスク15を少なくとも覆う全体カバー304の2つで構成されている。
【0052】
もっとも、全体カバー304は、反応ディスクカバー303の全体を更に覆っても良い。すなわち、反応ディスク13は、反応ディスクカバー303と全体カバー304で二重に覆ってもよい。また、
図5に示す全体カバー304は血液凝固時間分析ユニット2も覆っているが、血液凝固時間分析ユニット2を覆わない構成としてもよい。
【0053】
本実施例の場合、測定終了から次の測定開始までの間に、反応ディスクカバー303を開けることなく、サンプルの交換や追加、試薬の交換や追加を行うことができる。このため、本実施例の自動分析装置1は、洗浄動作とブランク測定をスキップできる条件を、実施例1に比して増やすことができる。
【0054】
本実施例の場合も、自動分析装置1は
図3に示す手順で分析動作を実行する。ただし、本実施例の場合には、反応ディスクカバー303の開閉を監視し、反応ディスクカバー303の開閉履歴に基づいて洗浄動作とブランク測定のスキップを決定する。本実施例の場合、試薬の交換や追加のために全体カバー304を開いても、実施例1とは異なり、反応ディスク13が外部に露出されることがなく、操作者がオペレーションを開始してから分析結果を報告するまでの時間を実施例1に比して短縮することができる。
【0055】
(3)実施例3
実施例3に係る自動分析装置1について説明する。本実施例の自動分析装置1は、装置カバーの構成を除き、実施例1と同様の構成を有している。本実施例の装置カバーは、反応ディスク13を覆う反応ディスクカバーとその他の部分を覆う独立した2つの全体カバーで構成される。
【0056】
図6に、本実施例で使用する装置カバーの構成を示す。
図6に示す装置カバーは、反応ディスク13の一部分のみを覆う反応ディスクカバー305と、反応ディスク13のうち反応ディスクカバー305で覆われていない左側の部分とサンプルディスク11を覆う全体カバー306と、反応ディスク13のうち反応ディスクカバー305で覆われていない右側の部分と、第1試薬ディスク16と、第2試薬ディスク15を覆う全体カバー307との3つで構成されている。いずれのカバーも、図中に1点鎖線で示す回転軸を中心に開閉可能に装置本体の背面側に取り付けられている。
【0057】
本実施例の場合、反応ディスクカバー305を閉じたまま、全体カバー306及び307の両方又は一方を開閉することができるが、反応ディスクカバー305を開く場合には同時に全体カバー306及び307も同時に開く構成となっている。ここで、反応ディスク
カバー305の左右のエッジに沿って段差が設けられており、その下段面の上面に重なるように全体カバー306及び307のエッジ部分が配置されている。
【0058】
反応ディスクカバー305は、光度計19に外光が入射しないように(すなわち遮光するために)遮光材料で構成される。一方、全体カバー306及び307は遮光の必要がないので、光が透過する素材で構成される。このため、全体カバー306及び307を開かなくても、全体カバー306及び307を通してサンプルディスク11、第1試薬ディスク16と、第2試薬ディスク15等の動作状態を目視で確認することができる。もっとも、
図6の場合には、反応ディスク13の一部の目視が可能であるので、目視可能な部分から間接的に反応ディスク13の動作を推測することができる。
【0059】
勿論、本実施例の自動分析装置1の場合も、実施例2と同様、測定終了から次の測定開始までの間に反応ディスクカバー305を開くことなく、サンプルの交換や追加、試薬の交換や追加を行うことができる。その結果、洗浄動作とブランク測定をスキップできる条件を実施例1に比して増やすことができる。
【0060】
本実施例の場合も、自動分析装置1は
図3に示す手順で分析動作を実行する。ただし、コンピュータ105は、反応ディスクカバー305の開閉を監視し、反応ディスクカバー305の開閉履歴に基づいて洗浄動作とブランク測定のスキップを決定する。この仕組みにより、本実施例の自動分析装置1は、操作者がオペレーションを開始してから分析結果を報告するまでの時間を短縮することができる。
【0061】
もっとも、
図6に示す構成の反応ディスクカバー305を用いる場合、全体カバー306又は307が開いた際に反応ディスク13の一部が外部に露出する。このため、
図6に示すカバーを用いる場合には、全体カバー306及び307のそれぞれについて開閉検知センサを用意し、全体カバー306又は307を開いた際に、外部に露出した反応容器26を確認し、メモリ104に記憶する機能を設けることが好ましい。そして、外部に露出した反応容器26については、反応ディスクカバー305が開いた場合と同じ処理を実行する。
【0062】
この機能の搭載により、反応ディスクカバー305で覆われている領域に位置した反応容器26については洗浄動作とセルブランク測定をスキップすることができ、それらの反応容器26についての測定時間を短縮することができる。なお、当該処理の詳細は、例えば後述する実施例6と同様の処理手法(
図8)により実現できる。また、本実施例では、
図6に示す構成の反応ディスクカバー305を用いているが、言うまでもなく、反応ディスクカバー305は反応ディスク13の全体を覆うカバーであってもよい。反応ディスクカバー305が反応ディスク13の全体を覆う場合の動作は実施例2の動作と同じになる。
【0063】
(4)実施例4
実施例4に係る自動分析装置1について説明する。本実施例の自動分析装置1は、装置カバーの構成を除き、実施例1と同様の構成を有している。本実施例の装置カバーは、反応ディスク13を1つ又は複数個の容器カバーで覆う点で実施例2の装置カバーと相違する。なお、反応ディスク13以外は、実施例2で説明した全体カバーで覆う。
【0064】
図7に、本実施例で使用する装置カバーの一例を示す。前述したように、反応ディスク13には、その円周に沿って複数の反応容器26が載置されている。本実施例の場合、サンプル分注プローブ12、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ17の分注位置を除き、反応容器26の上方が1つ又は複数個の反応容器カバー308で覆われる構成を採用する。もっとも、洗浄機構が設置されている位置も反応容器カバー308で覆わない。
図7に示す反応容器カバー308は、反応ディスク13の形状に合わせた扇形又は円環形状を有している。
図7では、5つの反応容器カバー308によって反応ディスク13に載置された複数の反応容器26を覆っている。勿論、個数は一例である。
【0065】
複数個の反応容器カバー308で構成される場合、個々の反応容器カバーは、反応ディスク13の上部を覆う位置に独立に着脱することができる。勿論、反応容器カバー308毎に、その開閉を検知するための開閉検知センサ(不図示)が設けられる。反応容器カバー308は、前述した各実施例の全体カバー302(
図2)、反応ディスクカバー303(
図5)、反応ディスクカバー305(
図6)との組み合わせを妨げない。
【0066】
反応容器カバー308を用いる場合、例えば反応ディスクカバー305(
図6)を開けたとしても、分析動作前の洗浄動作とブランク測定をスキップできる反応容器26を数多く用意することができる。また、反応容器カバー308を設ける場合には、前述した実施例で説明したカバーを設けなくても済む。
【0067】
本実施例の場合も、自動分析装置1は
図3に示す手順で分析動作を実行する。ただし、本実施例の自動分析装置1は、反応容器カバー308の開閉履歴をメモリ104に記録する。この際、どの反応容器カバー308が開閉されたか、開閉された時間情報も記録する。反応容器カバー308と反応ディスク13上の反応容器26との位置関係が分かれば、コンピュータ105は、ステップS107において、分析動作に使用する反応容器26に汚染の可能性があるか否かを判定することができる。
【0068】
具体的には、いずれかの反応容器カバー308が開かれたことにより、外部に露出した反応容器26か否かがコンピュータ105によって判定される。そして、外部に露出した反応容器26については、ステップS107で否定結果が得られ、洗浄動作等が実行される。一方、外部に露出していない反応容器26については、ステップS107で肯定結果が得られ、洗浄動作とセルブランク測定がスキップされる。これにより、本実施例の自動分析装置1を用いれば、操作者がオペレーションを開始してから分析結果を報告するまでの時間を短縮することができる。
【0069】
(5)実施例5
前述の実施例においては、サンプル容器27がターンテーブル方式のサンプルディスク11に載置されている場合について説明したが、サンプル容器27を載置するラックを装置に投入する方式(すなわち、ラック方式)の自動分析装置であってもよい。
【0070】
(6)実施例6
反応容器カバー308(
図7)を使用する場合でも、各種プローブの分注位置は、反応容器カバー308で覆うことができない。このため、反応容器カバー308の開閉がなくても、反応ディスク13の全体を覆うカバーが設けられていない場合や反応ディスク13の全体を覆うカバーが開いた場合、分注位置等の開口部に位置した(又は通過した)反応容器26には異物が混入する可能性がある。
【0071】
そこで、本実施例に係る自動分析装置1には、開口部に反応容器26が位置したか否かを判定する機能を追加し、開口部に位置した(通過を含む)反応容器26については洗浄動作とブランク測定を実施すると共に、開口部に位置しない反応容器26を優先的に分析に使用してTATの短縮を図る。
【0072】
図8に、本実施例に係る自動分析装置1で実行される分析シーケンスの一例を示す。
図8には、
図3との対応部分に同一符号を付して示す。
図8に示す分析シーケンスは、コンピュータ105が実行するプログラムの制御を通じて実現される。コンピュータ105は、前回の分析が終了した時点を基点に制御を開始すると(ステップS101)、反応ディスク13の位置(反応ディスク13の特定点の本体側の基準位置に対する相対位置)をメモリ104に記憶し、その後、動作モードをスタンバイ状態に移行させる(ステップS121)。
【0073】
スタンバイ状態となっている間、コンピュータ105は、装置カバーの開閉を監視し、開閉があればメモリ104に記憶する(ステップS103)。本実施例の場合、1又は複数個の反応容器カバー308の個々の開閉を監視する。もっとも、コンピュータ105は、反応ディスク13の上部覆う全体カバー302(
図2)、又は、反応ディスクカバー303(
図5)、305(
図6)の開閉も監視してもよい。
【0074】
操作者より分析動作の開始が指示されると、コンピュータ105は、分析シーケンスを開始し(ステップS104)、最初にリセット動作を行う(ステップS105)。次に、コンピュータ105は、メモリ104から前回の分析データを読出し、「前回の分析動作」が正常に終了したか否かを判定する(ステップS106)。正常終了であった場合、コンピュータ105は、メモリ104から装置カバーの開閉履歴データを読出し、「開履歴」の有無を判定する(ステップS107)。ここで、「開履歴」が無いことは、「前回の分析動作」が正常終了し、かつ、分析後に反応容器26が洗浄され、しかも、反応容器26への異物混入の可能性も無いことを意味する。
【0075】
ステップS107で肯定結果が得られた場合、コンピュータ105は、メモリ104に記憶されているスタンバイ時の反応ディスク13の位置情報から開口部に位置した(停止又は通過した)反応容器26か否かを判定する(ステップS122)。ステップS122で肯定結果が得られた場合、コンピュータ105は、開口部に位置しなかった(停止も通過もしなかった)反応容器26を優先的に測定に使用するようにスケジューリングする(ステップS123)。分析開始前に洗浄等を行う反応容器26も当然に分析に使用されるが、それらを用いた分析は、開口部に位置していない反応容器26の使用後にスケジューリングされる。
【0076】
開口部に位置していない反応容器26は、前回の分析動作が正常終了である場合、分析終了後に洗浄されており(前回分析時のステップS113)、その後に反応容器カバー308の開閉も無いため異物が混入する可能性がないので、コンピュータ105は、前回の分析動作の終了後に測定したブランク値を使用し、そのまま今回の分析動作を開始する(ステップS111)。
【0077】
一方、「前回の分析動作」が異常終了であった場合(ステップS106で否定結果)、反応容器カバー308を開けた履歴がある場合(ステップS107で否定結果)、又は、開口部に位置した反応容器26の場合(ステップS122で否定結果)、コンピュータ105は、洗浄動作(ステップS108)、ブランク測定(ステップS109)、ブランク水吸引(ステップS110)を順に実行し、その後に、分析動作を開始する(ステップS111)。ここでの洗浄等の実行は、ステップS106で否定結果の場合とステップS107で否定結果の場合は全ての反応容器26が対象であり、ステップS122で否定結果の場合は対応する反応容器26のみが対象である。
【0078】
いずれの場合も、コンピュータ105は、測定終了後に分析結果を報告する(ステップS112)。分析結果の報告は、プリンタ106や表示装置103の画面に出力される。その後、コンピュータ105は、測定に使用した反応容器26の洗浄を指示し(ステップS113)、更に、ブランク測定の実行と測定値のメモリ104への記憶(ステップS114)を実行する。この後、コンピュータ105は、ブランク水の吸引を指示し(ステップS115)、最後に、分析動作が正常に終了したことをメモリ104に記憶する(ステップS116)。
【0079】
本実施例に係る自動分析装置1を用いれば、開口部に位置した反応容器26の測定への使用を確実に回避できるため、測定結果、ひいては分析結果の信頼性とTATの短縮とを両立することができる。また、
図7に示す処理動作は、
図6に示す構成の反応ディスクカバー305を使用する自動分析装置1(実施例3)の処理動作にも適用できる。その場合、開口部に位置する反応容器26を、全体カバー306又は307が開くことで外部に露出された反応容器26と読み替えればよい。
【0080】
(7)実施例7
前述の実施例で説明した仕組みでは、反応ディスク13又は反応容器26の上方を覆うカバーの開閉が無いと判定された場合又は開口部に位置しないと反応容器26が判定された場合には、反応容器26の洗浄なしに分析動作が必ず開始される。しかし、前回の分析動作が正常に終了時からオペレーション開始までにカバーの開閉がなくても、前回の分析終了時点から長時間が経過した場合、密閉されていないカバーの隙間等から異物の混入が発生する可能性があり、洗浄動作とブランク測定が必要となる。
【0081】
図9に、本実施例に係る自動分析装置1で実行される分析シーケンスの一例を示す。
図9には、
図3との対応部分に同一符号を付して示す。
図9に示す分析シーケンスは、コンピュータ105が実行するプログラムの制御を通じて実現される。コンピュータ105は、前回の分析が終了した時点を基点に制御を開始すると(ステップS101)、分析動作の終了時刻をメモリ104に記憶し、その後、動作モードをスタンバイ状態に移行させる(ステップS131)。
【0082】
スタンバイ状態となっている間、コンピュータ105は、装置カバーの開閉を監視し、開閉があればメモリ104に記憶する(ステップS103)。操作者より分析動作の開始が指示されると、コンピュータ105は、分析シーケンスを開始し(ステップS104)、最初にリセット動作を行う(ステップS105)。次に、コンピュータ105は、メモリ104から前回の分析データを読出し、「前回の分析動作」が正常に終了したか否かを判定する(ステップS106)。正常終了であった場合、コンピュータ105は、メモリ104から装置カバーの開閉履歴データを読出し、「開履歴」の有無を判定する(ステップS107)。
【0083】
ステップS107で肯定結果が得られた場合、コンピュータ105は、メモリ104から前回の分析終了時刻を読み出して経過時間を計算し、計算された経過時間が予め決められた基準時間以内か否かを判定する(ステップS132)。ステップS132で肯定結果が得られた場合は、「前回の分析動作」が正常終了して分析後に反応容器26が洗浄され、経過時間も基準時間以内であり、反応容器26への異物混入の可能性も無いことを意味する。
【0084】
従って、ステップS132で肯定結果が得られた場合、コンピュータ105は、メモリ104に記憶されている前回分析後に測定したブランク値を使用し、そのまま分析動作を開始する(ステップS111)。勿論、実施例6で説明したステップS122及びS123(
図8)のように、スタンバイ時の反応ディスク13の位置情報から開口部に位置していた全ての反応容器26を特定し、反応容器26の位置に応じたスケジューリングを同時に行ってもよい。
【0085】
一方、「前回の分析動作」が異常終了であった場合(ステップS106で否定結果)、又は、反応容器カバー308を開けた履歴がある場合(ステップS107で否定結果)、又は、経過時間が基準時間を超える場合(ステップS132で否定結果)、コンピュータ105は、洗浄動作(ステップS108)、ブランク測定(ステップS109)、ブランク水吸引(ステップS110)を順に実行し、その後に、分析動作を開始する(ステップS111)。
【0086】
いずれの場合も、コンピュータ105は、測定終了後に分析結果を報告する(ステップS112)。分析結果の報告は、プリンタ106や表示装置103の画面に出力される。その後、コンピュータ105は、測定に使用した反応容器26の洗浄を指示し(ステップS113)、更に、ブランク測定の実行と測定値のメモリ104への記憶(ステップS114)を実行する。この後、コンピュータ105は、ブランク水の吸引を指示し(ステップS115)、最後に、分析動作が正常に終了したことをメモリ104に記憶する(ステップS116)。
【0087】
本実施例に係る自動分析装置1を用いれば、前回の分析動作が正常に終了時からオペレーション開始までの経過時間も加味した上で、異物の混入による測定精度の低下の可能性を回避できる。従って、より信頼性の高い分析結果の取得とTATの短縮を両立することができる。
【0088】
(8)実施例8
前述の実施例では、一律に洗浄動作とブランク測定をスキップする場合について説明したが、本実施例では、スキップする項目を操作者が選択できる場合又はコンピュータ105が分析項目に応じて自動的に選択する場合について説明する。洗浄動作とブランク測定の両方をスキップしなくても、
図4に示すように、通常動作の場合よりもTATの短縮が可能である。
【0089】
図10に、本実施例に係る自動分析装置1で実行される分析シーケンスの一例を示す。
図10には、
図3との対応部分に同一符号を付して示す。
図10に示す分析シーケンスは、コンピュータ105が実行するプログラムの制御を通じて実現される。本実施例の場合、ステップS107で肯定結果が得られた場合にスキップ項目の選択処理が実行される(ステップS141)。スキップ項目の選択は、表示装置103に表示される操作画面に対する操作者の入力を通じて行われ、コンピュータ105は、操作者の選択操作を受け付ける。
【0090】
本実施例の場合、操作者は、全てスキップ(洗浄動作とブランク測定の両方)と、洗浄動作のスキップと、ブランク測定のスキップの3つの中から1つを選択することができる。ステップS141で全てスキップが選択された場合、コンピュータ105は、
図3に示す分析シーケンスと同様、即座に分析動作を開始する。一方、ステップS141で洗浄動作のスキップが選択された場合、コンピュータ105は、ブランク水の吐出(ステップS142)、ブランク測定(ステップS109)、ブランク水吸引(ステップS110)を順番に実行し、その後、分析動作を開始する。また、ステップS141でブランク測定のスキップが選択された場合、コンピュータ105は、反応容器26の洗浄動作(ステップS108)の実行後、直ちに分析動作を開始する。
【0091】
図10では、3種類のスキップを選択できる場合について説明したが、スキップできる動作はこれらに限らない。例えばスキップしない選択も可能である。また、コンピュータ105が分析項目に応じて自動的にスキップするか否かを決定できるようにしてもよい。例えばISE(Ion Selective Electrode)法による電解質の分析や複合型自動分析装置における凝固時間項目では、反応容器26を使用する場合でも、反応容器26を用いた測光は行わないためブランク値は不要であり、装置カバーの開閉が無ければ必ずブランク測定をスキップすることができる。
【0092】
また、反応容器26の汚れの影響を受け易い短波長の光を測定する項目や傷の影響を受け易い散乱光を測定する項目においては、必ず洗浄動作とブランク値の測定を必ず実行する選択とすることもできる。
【0093】
(9)実施例9
反応容器26の洗浄動作では、最後に水の吸引を行うが、水分を完全に除去できるとは限らない。このため、洗浄動作を実行した反応容器26では、容器内にほぼ一定量の水が残った状態で分析が開始されている。一方で、前回の分析動作の終了時刻からの経過時間が長い場合、水が蒸発して残水が無くなっている。このため、前述の実施例のように洗浄動作などをスキップする反応容器26をそのまま分析動作を開始する場合には、容器内がドライであるが、直前に洗浄された反応容器26では容器内がウェットである違いがある。この違いは、厳密には、スキップの有無によって試薬やサンプルの薄まり量が変わることを意味し、分析結果にばらつきが発生する可能性がある。
【0094】
そこで、本実施例では、分析動作に使用する反応容器26の状態の同一化を図るべく、スキップ動作の対象となった反応容器26でも、分析動作の開始前に水の吐出と吸引動作を実行する。分析動作の直前に水の吐出と吸引のみを実行しても、洗浄動作の実行とは異なり、短時間のうちに分析動作に移行できる。また、前述の通り、スキップの有無によらず、反応容器26の状態を同一化でき、分析再現性を高く保ったままTATを短縮することができる。
【0095】
(10)他の実施例
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。例えばステップS103におけるカバーの開閉の監視は、分析動作の実行中も含めて実行されてもよい。また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることができる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることもできる。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【0096】
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより(すなわちソフトウェア的に)実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。