特許第6638525号(P6638525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6638525
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年1月29日
(54)【発明の名称】弁開度表示装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20200120BHJP
【FI】
   F16K37/00 C
   F16K37/00 B
   F16K37/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-73822(P2016-73822)
(22)【出願日】2016年4月1日
(65)【公開番号】特開2017-187056(P2017-187056A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2018年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 正和
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−114129(JP,U)
【文献】 特開2008−032186(JP,A)
【文献】 特開2013−210038(JP,A)
【文献】 特開2001−055765(JP,A)
【文献】 特開平05−256379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16K 1/00− 1/54
F16K 31/44−31/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、該弁体が一端に係合されて外周に雄ネジが切られた弁棒と、該弁棒の前記雄ネジに螺合する雌ネジが切られた支持体と、前記弁棒の他端に固設され該弁棒を手動により軸回転可能にするハンドルと、を備えて構成された弁に付設されることにより、該弁の弁開度を表示する弁開度表示装置であって、
前記弁棒の前記雄ネジに直接ウォーム歯合するとともに回動自在に軸支されたウォームホイールと、
該ウォームホイールの回転角度に基づいて前記弁開度を表示するため前記ウォームホイールに表示手段を機能的に結合させたユニットを含む表示部と、
前記ウォームホイールおよび前記表示部を前記弁に着脱可能に付設するクランプと、を備え、
前記表示部は、前記弁棒の前記他端を正対方向に延長した位置による視点から直視可能であるように、前記ハンドルより外側の位置に配設された弁開度表示装置。
【請求項2】
前記ユニットは、複数の組み合わせ歯車を有して構成された請求項1に記載の弁開度表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記ウォームホイールの回転角度を指示部材の直線移動距離に変換する変換機構を備えた請求項1又は2に記載の弁開度表示装置。
【請求項4】
前記変換機構は、ラックギアとピニオンギアとを備え、前記ウォームホイールの回転角度は、前記ピニオンギアを介し、該ピニオンギアに歯合する前記ラックギアに伝達され、該ラックギアに前記指示部材を付設した請求項3に記載の弁開度表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記ウォームホイールの回転角度に連動して指示角度が変化する指示部材を備えた請求項1又は2に記載の弁開度表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記ウォームホイールの回転角度を電気信号に変換するエンコーダと、該電気信号から前記弁開度を表示する表示手段と、を備えた請求項1又は2に記載の弁開度表示装置。
【請求項7】
前記弁は玉形弁又は仕切弁である請求項1〜6の何れか1項に記載の弁開度表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁開度表示装置に関し、より詳しくは、玉形弁、仕切弁又はダイヤフラム弁等に適宜付設される弁開度表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玉形弁(グローブバルブ)や仕切弁(ゲートバルブ)の弁開度については、弁棒やハンドルの位置の変位量によって、外部からある程度確認できるが、定量的かつ正確なものではない。そこで、弁棒の昇降に追随した指示部材を昇降させることにより弁開度を表示するようにした指示器付きの弁が市販されている。
【0003】
特許文献1には、弁開度指示器が無くとも弁開度の読み取りが可能な流体制御器が開示されている。この流体制御器は、適宜に弁開度指示器の付設も可能である。すなわち、この流体制御器におけるステム(弁体等)には、グランドナットとハンドルとの間に、弁体の開度を表示する弁開度指示器又は弁体の開度を固定するロックナットのいずれかからなる付属部品を後付け可能である。
【0004】
例えば、特許文献1に開示された流体制御器において、弁の設置角度について、弁棒が鉛直に立設された縦向きの場合、弁開度の視認は遠方からでも容易である。逆に弁棒が水平に設置された横向きの場合、ハンドルの中心軸である弁棒を正面方向に延長した位置を視点とする作業者や監視員(以下、単に「作業者」という)からは、弁開度指示器がハンドルの背後に位置して隠されるため、直接視認することは困難である。
【0005】
つまり、ハンドルに正対して行う弁開度調整作業において、この弁開度指示器付きの弁により弁開度を視認するには、ステム(弁体等)から露出した弁棒の長さを目測する必要がある。したがって、作業者は、弁棒を直角方向から視認するため、ハンドルの横から覗き込むことが必要となる。
【0006】
その結果、作業者は、日常的な弁の操作や弁開度確認作業の都度に不自然な姿勢を余儀なくされ、体の位置や向きを変える等の余分な労力と時間を費やすという問題があった。また、工場等で配管やバルブが密集した狭隘な箇所に、作業者が頭部や顔面を不用意に差し挟む行為は、労力と時間の無駄ばかりでない別の問題もあった。これらの問題について、より具体的には以下のとおりである。
【0007】
第一に危険であり怪我の原因になる。例えば、単なる打撲のほか、グランドシール部に顔を近付けることによって、漏れ液が目に入る被害も考えられる。第二に、設備破損の危険性もある。例えば、作業員の頭部が配管等に打撃を与えることも考えられる。
【0008】
また、特許文献2には、弁開度指示器付開閉バルブが開示されている。この弁についても、ハンドルに正対する向きからでは、弁開度指示器がハンドルの陰に隠れてしまうため、弁開度を直接視認することが困難である点について、特許文献1と同様の問題がある。
【0009】
また、特許文献3には、回転弁の弁開度指示装置が開示されている。すなわち、回転弁の駆動装置において、回転弁の弁軸とともに90度の角度範囲内で回動する回転体に磁石を固定し、回転体と平行に延びる平面上で磁石の通る通路に近接して1個又は2個以上のスイッチを付設し、スイッチを磁石に感応して回路を開閉するというものである。特許文献3に開示された回転弁の弁開度指示装置についても、ハンドルに正対する向きから弁開度を直接に視認できるようにした構成ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2014−109340号公報
【特許文献2】実公昭48−37304号公報
【特許文献3】特開2003−240156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の弁開度指示器等において、ハンドルに正対する方向から弁開度を直接視認することは困難であるという問題があった。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、既設の弁に対して外付けユニットを取り付けることにより、弁棒を正対方向に延長した位置による視点からでも弁開度の視認を確実容易にするとともに、取り付けと取り外しが容易な弁開度表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る弁開度表示装置は、弁体と、該弁体が一端に係合されて外周に雄ネジが切られた弁棒と、該弁棒の前記雄ネジに螺合する雌ネジが切られた支持体と、前記弁棒の他端に固設され該弁棒を手動により軸回転可能にするハンドルと、を備えて構成された弁に付設されることにより、該弁の弁開度を表示する弁開度表示装置であって、前記弁棒の前記雄ネジに直接ウォーム歯合するとともに回動自在に軸支されたウォームホイールと、該ウォームホイールの回転角度に基づいて前記弁開度を表示するため前記ウォームホイールに表示手段を機能的に結合させたユニットを含む表示部と、前記ウォームホイールおよび前記表示部を前記弁に着脱可能に付設するクランプと、を備え、前記表示部は、前記弁棒の前記他端を正対方向に延長した位置による視点から直視可能であるように、前記ハンドルより外側の位置に配設された構成である。
【0013】
また、本発明の一態様に係る弁開度表示装置において、前記ユニットは、複数の組み合わせ歯車を有しても良い。
【0014】
また、本発明の一態様に係る弁開度表示装置において、前記表示部は、前記ウォームホイールの回転角度を指示部材の直線移動距離に変換する変換機構を備えても良い。
【0015】
また、本発明の一態様に係る弁開度表示装置において、前記変換機構は、ラックギアとピニオンギアとを備え、前記ウォームホイールの回転角度は、前記ピニオンギアを介し、該ピニオンギアに歯合する前記ラックギアに伝達されるものとし、該ラックギアに前記指示部材を付設しても良い。
【0016】
また、本発明の一態様に係る弁開度表示装置において、前記表示部は、前記ウォームホイールの回転角度に連動して指示角度が変化する指示部材を備えても良い。
【0017】
また、本発明の一態様に係る弁開度表示装置において、前記表示部は、前記ウォームホイールの回転角度を電気信号に変換するエンコーダと、該電気信号から前記弁開度を表示する表示手段と、を備えても良い。
【0018】
また、本発明の一態様に係る弁開度表示装置において、前記弁は玉形弁又は仕切弁であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、既設の弁に対して外付けユニットを取り付けることにより、弁棒を正対方向に延長した位置による視点からでも弁開度の視認を確実容易にするとともに、取り付けと取り外しが容易な弁開度表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る弁開度表示装置を一部透視した正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る弁開度表示装置の平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る弁開度表示装置の適用対象となる玉形弁の縦断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る弁開度表示装置の概略平面図であり、(A)直線移動指針型、(B)回動指針型である。
図5】本発明の一実施形態に係る弁開度表示装置の表示部において、エンコーダの出力する電気信号に基づいて動作する弁開度の表示部を説明する模式説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る弁開度表示装置(以下、「本装置」ともいう)を一部透視した正面図であり、図2は、本装置の平面図である。図1図2に示す本装置100は、既設の玉形弁(以下、単に「弁」ともいう)50に、適宜付設して弁開度Xを表示するように機能する。また、本装置100の弁開度表示機能が不要になれば、弁50から撤去して同型の弁に転用することも可能である。なお、各図面にわたって、同一効果の部位には同一符号を付して説明の重複を避ける。
【0023】
一般的に、この種の弁50は、支持体30が不図示の配管に介挿されるように固定されている。本装置100は、その主要構成部であるユニット80を、弁50の支持体30に、例えば、ブラケット(クランプ)90を用いてボルト止めされている。ユニット80は、筐体82内部で複数の歯車(以下、「変換機構60」ともいう)61〜65を歯合させて変換機構60を形成し、表示手段70に所望の表示をさせるように構成されている。
【0024】
なお、図1および後に説明する図3においては、説明の便宜上、確実強固に固定できるブラケット90を例示したが、より簡素なクランプで固定することも考えられる。これらの固定手段によれば、完成品として市販されている設置前の弁50のほか、既に設置済みの弁50であっても適用できる。したがって、弁50のメンテナンス等の都合により、弁50から本装置100を一次的に取外した後に再度付け直したり、あるいは、適宜に本装置100を交換したりすることも容易である。
【0025】
図3は、本装置の適用対象となる玉形弁の縦断面図である。図3に示すように、玉形弁50は、不図示の配管に流体の流通を自在にするように固定された支持体30と、その支持体30に支持された可動部とにより構成されている。支持体30は、弁箱33と、弁蓋32と、により主要構成されている。可動部は、弁体10と、弁棒20と、ハンドル40と、により主要構成されている。
【0026】
弁棒20は、その外周に雄ネジ21を切られたボルト状であり、下方の一端22に弁体10が回り継ぎ手(Swivel)の機能を介して係合され、上方の他端23にハンドル40が固定されている。弁蓋32は、弁箱33に被さるように固定されて弁箱33を密閉する。弁蓋32は、弁棒20の雄ネジ21に螺合する雌ネジ31により、弁棒20を螺合範囲で回転自在に軸支するナット状の機能を有する。つまり、玉形弁50は、弁蓋32に弁棒20が回転可能に支持され、その弁棒20につながって弁箱33に収容された弁体10を、外部からハンドル40により弁操作できるように構成されている。
【0027】
上述のように、ユニット80は、付設対象である弁50の弁開度Xを、筐体82内部に配設された変換機構60により所望の表示形態に変換し、表示手段70に表示させる。変換機構60はウォームホイール61と、それに歯合された中継ギア62,63と、それに歯合されたピニオンギア64と、それに歯合されたラックギア65により構成されている。
【0028】
表示手段70は、弁棒20の他端23を延長した位置による視点Vから直視可能であるように、ハンドル40より外側の位置Wに配設されている(図3参照)。また、ラックギア65には、指示部材(以下、「指針」ともいう)74が固定されている。指針74の背後には、「閉」と「開」あるいはそれらに該当する意味の文言や彩色等が明示された文字盤76が配設されている。指針74は文字盤76上で、「閉」から「開」までの何れかの変位量を指示して表示することが可能である。
【0029】
ウォームホイール61は筐体82に回動自在に軸支され、その筐体82は、弁50の支持体30に、ブラケット(クランプ)90を用いて着脱可能にボルト止めされている。また、ウォームホイール61は、弁棒20の雄ネジ21にウォーム歯合するような位置関係に設定されている。また、ユニット80は、筐体82にウォームホイール61および表示手段70を機能的に結合するように構成される。
【0030】
なお、ここで機能的に結合するとは、表示手段70が、ウォームホイール61の回転角度θ1に基づいて弁開度Xを表示する機能が実現される構成をいう。すなわち、作業員の手動により回されたハンドル40とともに弁棒20が軸回転し、弁棒20の外周に切られた雄ネジ21が山谷を上下動する。その結果、雄ネジ21に歯合するウォームホイール61は、雄ネジ21が上下動した変位量に応じて回転角度θ1だけ回転する。
【0031】
図2に基づいてユニット80の説明をすると、ウォームホイール61と同軸回転する中継ギア62、さらにその中継ギア62に歯合されたつぎの中継ギア63を介してピニオンギア64から、それに歯合されたラックギア65へと変位量が伝達される。その結果、ラックギア65に固定された指針74が、その背後に固定された文字盤76上で、「閉」から「開」までの何れかの変位量を指示する。上述したように、ハンドル40の正面からは、ハンドル40の陰に隠れた部分を視認することが困難である。したがって、表示手段70は、弁棒20の他端23を延長した位置による視点Vから直視可能であるように、ハンドル40より外側の位置Wに配設されている(図1図3図4参照)。
【0032】
図4は、本装置の概略平面図であり、(A)直線移動指針型、(B)回動指針型である。図4(A)に示す直線移動指針型の本装置100は、弁棒20を正面に延長した位置(ハンドル40の正面)による視点V(図1図3参照)からでも弁開度Xを容易に視認できる。同様に、図4(B)に示す回動指針型の本装置200も、弁棒20を正面に延長した位置による視点Vからでも弁開度Xを容易に視認できる。
【0033】
図4(B)に示す回動指針型の本装置200は、ウォームホイール61の回転角度θ1に基づいて弁開度Xを、回動指針により指示角度θ2として表示するユニット81を備えて構成されている。ユニット81は、筐体82にウォームホイール61および表示手段71を機能的に結合するように構成される。表示手段71は、弁開度Xに応じたウォームホイール61の回転角度θ1に比例するように指示角度θ2が変化する指示部材(以下、「指針」ともいう)75が配設されている。
【0034】
回動指針型の本装置200(図4(B))は、指針75が円盤状のハンドル40を含む平面上で指示角度θ2に変化する動作について、以下のようにして実現できる。すなわち、本装置100のウォームホイール61(図1図2)以外の歯車について、図示は省略するが、ギア比や回転方向を変えられる傘歯車等を含む複数の歯車を組合せた構成により実現できる。
【0035】
また、指針75の背後には、「閉」と「開」あるいはそれらに該当する意味の文言や彩色等が明示された文字盤77が配設されている。指針75は文字盤77上で、「閉」から「開」までの何れか変位量を指示して表示することが可能である。
【0036】
図5は、本装置の表示部において、エンコーダの出力する電気信号に基づいて動作する弁開度Xの表示部を説明する模式説明図である。図5に示すように、本装置300の表示部72は、ウォームホイール61の回転角度θ1を電気信号Pに変換するエンコーダ78と、その電気信号Pから弁開度Xを表示する表示手段(ディスプレイ)79と、を備え、ウォームホイール61に表示手段79を機能的に結合させたユニット(不図示)を含む構成である。
【0037】
表示手段79は、電気信号Pに含まれる弁開度Xに応じた信号の変化に基づいて、「閉」から「開」までの何れかの変位量を、所望のままに表現することが可能である。具体的には、「閉」、「中」、「開」等でなる表意文字の変化、弁開度Xを0〜100%の数値表示するほか、単純に色分けランプの点滅等でも良い。例えば、液晶やLEDを用いたデジタル式の表示手段79を、視認性が最良とされる任意の位置を選んで設置することが可能である。つまり、表示手段79の設置場所についての制約は無く、弁棒20やハンドル40等に近接した位置である必要も無い。
【0038】
つぎに、エンコーダ78について、詳細な図解は避けて簡略に例示する。回転体であるウォームホイール61の外周近傍にN,Sの磁極を交互かつ連続的に着磁又は埋設し、それらの磁極を感知できる磁気センサ(ホール素子等)を固定側に配設した構成が考えられる。そのようなエンコーダ78によって、例えば、弁開度Xが全閉又は全開の場合を基準点とし、その基準点からウォームホイール61の変位した回転角度(位相)θ1を電気信号Pに変換して出力することが可能である。
【0039】
また、電気信号Pは、弁開度Xに応じた変化量を電圧や周波数の変化として表示手段(ディスプレイ)79のほか、集中制御部99へ伝達しても良い。そうすると、集中制御部99は、完全自動制御でない手動の弁操作でシステム構成されていても、その弁操作履歴を管理記録として残すこともできる。その結果、プラント等のシステム管理を充実させることも可能である。つまり、手動操作式の弁でありながら、その弁開度Xをプロセスコンピューター等の監視機器によって遠隔監視することができる。弁開度情報をプロセスコンピューターに取り込んだ場合には、データ処理やデータ解析も行うことができる。
【0040】
以下、補足説明をする。なお、以下の説明には符号を省略している。
本装置は、完成品として市販されている設置前の弁のほか、既に設置済みの弁であっても適用できる。すなわち、弁棒の外周に切られた雄ネジに外部からウォームホイールを歯合させることが可能な開閉構造を有する弁であれば、ほとんどの弁に対して取付けることができる。そうすると、弁棒のネジ山に歯合するウォームホイールにより、弁棒の回転を検出し、その変位量に基づいて弁開度を表示することができる。
【0041】
つまり、本装置は、弁棒をハンドルによって回転させることで弁体を昇降させながら開度を調整する弁に対して適用することができる旨を開示している。より具体的には、弁体を昇降させるためにその外周に雄ネジが切られた弁棒を有する弁、すなわち玉形弁、仕切弁等であって、弁棒のネジ山に外部からウォームホイールを歯合させることが可能な構造を有する弁に対して適用することができる。
【0042】
また、ダイヤフラム弁も、上述の玉形弁や仕切弁に類似した構造であり、弁棒とハンドルによりダイヤフラムを昇降させて開度を調整する構造である点で共通している。したがって、ダイヤフラム弁にも玉形弁や仕切弁と同様に本装置を適用できる。なお、ダイヤフラム弁は、弁棒の外周に切られた雄ネジが露出しない構造である場合も多いが、そのことで本装置の適用を除外するものでは無い。
【0043】
これらの弁開度表示装置の表示手段は、例えば、ハンドルを含む平面上で、しかもハンドルよりも外側の部分に設置する。これは、弁のハンドルに正対する方向から、表示手段がハンドルの陰に隠れないように良好な視認性を確保するためである。ハンドルに正対する方向とは、日常的な弁の操作や弁開度確認作業において、作業員が最も高い頻度で対向する方向をいう。
【実施例】
【0044】
また、本装置の適用対象として、日立バルブ(株)製で、口径65Aの玉形弁(型式:U10FG)を用いて所望の効果が得られた。これに限らず、適用可能な弁について、汎用的かつ容易に装着可能である。つまり、開閉のストローク(弁棒の移動距離)が同じで、弁棒の外周に切られた雄ネジの形状やピッチが同じ弁棒を用いた弁であれば、同じ開閉指示器を使うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明による弁開度表示装置は、流体の流量、圧力、流れ方向を手動で制御するための弁に対して適宜に付設し、弁開度を表示できるようにするために採用される可能性がある。特に、玉形弁、仕切弁又はダイヤフラム弁において、好適に採用される可能性がある。
【0046】
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0047】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、弁開度表示装置の構成、動作も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 弁体、20 弁棒、21 雄ネジ、30 支持体、22 (弁棒20の)一端、23 (弁棒20の)他端、30 支持体、31 雌ネジ、32 弁蓋、33 弁箱、40 ハンドル、50 (玉形)弁、60 変換機構(複数の組み合わせ歯車61〜65)、61 ウォームホイール、62,63 中継ギア、64 ピニオンギア、65 ラックギア、70,71,79 表示手段、72 表示部、74 (ラックギア65に付設された指針)指示部材、75 (指示角度θ2が変化する指針)指示部材、76,77 文字盤、78 エンコーダ、80,81 ユニット、82 筐体、90 ブラケット(クランプ)、99 集中制御部、100,200,300 弁開度表示装置、P 電気信号、V 視点、W (ハンドル40より外側の)位置、X 弁開度、Y 指示部材74の直線移動距離、θ1 (ウォームホイール61の)回転角度、θ2 (指示部材75の)指示角度
図1
図2
図3
図4
図5