(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、半導体プロセスを用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子は、半導体基板上に可動電極、犠牲層(絶縁膜)および固定電極を形成した後、犠牲層の一部を除去することで、スペーサーを介して固定された固定電極と可動電極との間にエアーギャップ(中空)構造が形成されている。
【0003】
例えば、容量型のMEMS素子であるコンデンサマイクロフォンでは、音圧を通過させる複数の貫通孔を備えた固定電極と、音圧を受けて振動する可動電極とを対向配置し、音圧を受けて振動する可動電極の変位を電極間の容量変化として検出する構成となっている。
【0004】
ところで、コンデンサマイクロフォンの感度を上げるためには、音圧により可動電極の変位を大きくする必要がある。そのため、可動電極のバネ定数を小さくする方法が採用されている。
【0005】
一般的なこの種のMEMS素子の断面図を
図14に示す。
図14(a)に示すように、基板1上に熱酸化膜2を介して可動電極膜3が形成されている。可動電極膜3上には、スペーサー4を介して固定電極膜5と窒化膜6が形成され、この固定電極膜5と窒化膜6からなるバックプレートには貫通孔7が形成されている。また可動電極膜3と固定電極膜5との間にはエアーギャップ9が形成され、固定電極膜3と固定電極膜5にそれぞれ接続する配線部10が形成されている。
【0006】
図14(a)に示すMEMS素子において、可動電極膜3が熱酸化膜2とスペーサー4によって全周にわたり固定されていると、可動電極膜3のバネ定数が大きくなり、可動範囲が狭くなってしまう。そこで、
図14(b)に模式的に示すように、可動電極膜3の外周の一部を切り欠いてスリット8を形成し、スリット8間の可動電極膜3の端部を
図14(a)に示すように熱酸化膜2とスペーサー4によって固定することで、可動電極膜3のばね定数を小さくするように工夫されている。その結果、可動電極膜3の変位を大きくすることができ、感度を向上させることが可能となる。なお
図14(b)は、可動電極膜3を露出した状態の平面図を示しており、
図14(a)で記載した配線部10と接続する引出電極部の図示は省略している。
【0007】
また可動電極3に形成されるスリット8は、
図15に示すように、スペーサー4と熱酸化膜2によって挟持される部分に沿って形成する場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、可動電極膜3のバネ定数を小さくして感度を向上させるためには、スリット8の長さを長くし、あるいは幅を広くしてスリット8の開口面積を大きくするのが好ましい。しかしながら、スリット8の開口面積を大きくしてしまうとMEMS素子の感度が低下するという問題が発生する。特にMEMS素子をコンデンサマイクロフォンとして使用する場合、低域感度が低下するという問題があった。一方感度を向上させるため、スリット8の長さを短くし、あるいはスリット8の幅を狭くすると、スリット端部に応力が集中し可動電極膜3が破損するという問題があった。本発明はこのような問題点を解消するため、スリットが形成された可動電極膜の破損を防止しながら、MEMS素子の感度を向上させることができるMEMS素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、バックチャンバーを備えた基板と、該基板上に、スペーサーを挟んで固定電極膜と可動電極膜とを配置することでエアーギャップが形成されたMEMS素子において、前記可動電極膜に形成されたスリットと、該スリットに対向配置した庇部と、を備え、該庇部と前記可動電極膜との間隙により前記エアーギャップと前記バックチャンバーとの間の空気抵抗が高くなる狭窄部を形成していることを特徴とする。
【0011】
本願請求項2に係る発明は、請求項1記載のMEMS素子において、前記庇部は、導電性材料からなり、前記エアーギャップ内の前記可動電極上に接続固定され、前記可動電極膜の振動と連動して上下動することを特徴とする。
【0012】
本願請求項3に係る発明は、請求項1記載のMEMS素子において、前記庇部は、前記エアーギャップ側あるいは前記バックチャンバー側のいずれか一方あるいは両方に配置され、前記可動電極膜が振動しても上下動しないように固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のMEMS素子は、バネ定数を小さくするとともに、開口の端部に応力集中が生じない大きさのスリットが形成された可動電極膜を備え、さらにこのスリットを覆う庇部を備える構造としている。このような構造とすることで、庇部と可動電極膜との間に狭い隙間が形成され、エアーギャップとバックチャンバーとの間の空気抵抗を高くする狭窄部となる。その結果、スリットを備えることで可動電極膜の応力集中による破損を防止しながら、庇部を備えることで空気抵抗を高め、感度を向上させることが可能となる。
【0014】
さらに本発明の庇部を導電性材料で形成し、エアーギャップ側の可動電極膜上に接続固定して配置すると、可動電極の振動と連動して庇部が上下動することになる。この庇部は可動電極膜上に接続固定されているため、可動電極膜より固定電極膜に近い位置に配置されることになる。その結果、庇部が無い場合と比較して容量変化が大きくなり、感度の高い信号が得られるという利点がある。
【0015】
一方、庇部をスリットの外周側に固定して庇部の上下動を小さくしたり、上下動しないように固定する構造とすると、可動電極の振動が想定より大きくなった場合に、可動電極が庇部に接触して、可動電極の振動を抑制するストッパーとして機能することになる。なお庇部は、可動電極を挟んで、エアーギャップ側あるいはバックチャンバー側のいずれか一方、あるいは両方に形成でき、所望のストッパー構造を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図2】本発明の第1の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図3】本発明の第1の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図4】本発明の第1の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図6】本発明の第2の実施例のMEMS素子の説明図である。
【
図7】本発明の第3の実施例のMEMS素子の説明図である。
【
図8】本発明の第4の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図9】本発明の第4の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図10】本発明の第4の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図11】本発明の第4の実施例のMEMS素子の製造工程の説明図である。
【
図12】本発明の第5の実施例のMEMS素子の説明図である。
【
図13】本発明の第6の実施例のMEMS素子の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るMEMS素子は、可動電極膜に形成されたスリットと、このスリットを覆うように形成された庇部とを備える構造としている。この庇部と可動電極との間は、空気抵抗の高い狭窄部となりMEMS素子の低域感度の低下を防止する構造となる。以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1の実施例について、製造工程に従い説明する。まず、結晶方位(100)面の厚さ420μmのシリコン基板1上に、厚さ0.1〜1.0μm程度の熱酸化膜2(SiO
2)を形成し、さらに熱酸化膜2上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ0.2〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、可動電極膜3を形成する。可動電極膜3には、スリット8が形成されている(
図1)。なおスリット8の形状は、
図15で説明したように円形に開口が形成された場合について説明する。
【0019】
次に、可動電極膜3上に厚さ0.1〜1.0μm程度のUSG(Undoped Silicate Glass)膜からなる絶縁膜11を積層形成し、通常のフォトリソグラフ法によりスリット8より外周側に凹部を形成して先に形成した可動電極膜3の一部を露出させる。その後、厚さ0.1〜0.5μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。この導電性ポリシリコン膜は通常のフォトリソグラフ法により、先に形成したスリット8を覆い、さらに空気抵抗となる狭窄部を形成するため可動電極膜3の中心方向に延出した形状の庇部12となる(
図2)。可動電極膜3と庇部12との間の絶縁膜11は、後述する工程で除去され、その間隙が狭窄部となる。従って、可動電極膜3上に形成される絶縁膜11の厚さは、所望の空気抵抗が得られるように調整される。また、可動電極膜3の中心方向に延出する庇部12の寸法も同様に調整される。
【0020】
以下、通常の製造工程に従い、厚さ2.0〜4.0μm程度のUSG膜からなる犠牲層13を積層形成し、さらに犠牲層13上にCVD法により厚さ0.1〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、固定電極膜5を形成する。その後、先に形成した可動電極膜3の一部を露出させ可動電極膜3に接続する配線部10と、固定電極膜5に接続する配線部10をそれぞれ形成する(
図3)。
【0021】
その後、全面に窒化膜6を堆積させた後、通常のフォトリソグラフ法により音圧を可動電極膜3に伝えるための貫通孔7を形成し、貫通孔7内に犠牲層13を露出させる。その後、シリコン基板1の裏面側から熱酸化膜2が露出するまでシリコン基板1を除去し、バックチャンバー14を形成する(
図4)。
【0022】
さらに、貫通孔7を通して犠牲層13の一部、絶縁膜11および熱酸化膜2の一部を除去する。その結果、
図5に示すように絶縁膜11およびスペーサー4に固定電極膜3と可動電極膜5が固定されたエアーギャップ9が形成される。本実施例では、庇部12を備えることで庇部12と可動電極膜3との間に狭窄部15が形成され、エアーギャップ9とバックチャンバー14との間の空気抵抗を高くすることが可能となる。
【0023】
また
図5に示す本実施例では、庇部12が可動電極膜3上に接続固定された状態であるので、庇部12は可動電極膜3の振動と連動して上下動することになる。庇部12と固定電極膜5との間隔は、可動電極膜3と固定電極膜5との間隔よりも狭くなっているため、庇部12の変位によって大きな容量変化を検知することができ、MEMS素子の感度を向上させることが可能となる。
【0024】
さらに、狭窄部15が形成された部分の可動電極膜3の変位と庇部12が固定された部分の可動電極膜3の変位とを比較すると、前者の変位が大きい。つまり、狭窄部15の可動電極膜3と庇部12との間の寸法は、可動電極膜3の変位に応じてより小さくなり、エアーギャップ9とバックチャンバー14との間の空気抵抗を高くすることができ、感度を向上させることが可能となる。
【実施例2】
【0025】
次に第2の実施例について説明する。本実施例は、
図6に示すように上記第1の実施例で説明した可動電極膜3上に接続固定される庇部12の固定位置のみを変更したものである。即ち、
図2に示す工程において、可動電極膜3上に厚さ0.1〜1.0μm程度のUSG膜からなる絶縁膜11を積層形成し、通常のフォトリソグラフ法によりスリット8の内周側に凹部を形成して先に形成した可動電極膜3の一部を露出させた後、厚さ0.1〜0.5μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。
【0026】
この導電性ポリシリコン膜は、通常のフォトリソグラフ法により先に形成したスリット8を覆い、さらに空気抵抗となる狭い領域を形成するため、可動電極膜3の外周方向に延出した形状とすることで庇部12を構成することになる(
図6)。
【0027】
本実施例のMEMS素子は、上記第1の実施例で説明した構造に比べて、変位の大きい位置に庇部12が固定されているため、庇部12の変位が大きくなり、MEMS素子の感度向上が期待できるという利点がある。
【実施例3】
【0028】
次に第3の実施例について説明する。上記第1の実施例及び第2の実施例では、庇部12は可動電極膜3の振動と連動して上下動する構造としたが、本実施例では庇部12が上下動しない構造としている。即ち、上記第1の実施例で説明した
図4に示す状態から、貫通孔7を通して犠牲層13の一部、絶縁膜11および熱酸化膜2の一部を除去する際、庇部12の一部を覆うようにスペーサー4を形成する。その結果、
図7に示すようにスペーサー4に可動電極膜3、固定電極膜5及び庇部12が固定されたエアーギャップ9が形成される。
【0029】
このように形成することで、可動電極膜3の振動が大きいほど可動電極膜3が庇部12に近づき狭窄部15の間隔が狭くなり、エアーギャップ9とバックチャンバー14との間の空気抵抗を高め、感度を向上させることが可能となる。
【0030】
なお、本実施例では、庇部12が導電性材料で構成されること、庇部12が可動電極膜3に固定接合していることは必ずしも必須ではなく、犠牲層13および絶縁膜11の一部を除去してエアーギャップ9と狭窄部15を形成する際、エッチングされずに残る材料であれば、庇部12を絶縁性材料で構成することも可能である。
【0031】
特に本実施例の構造は、
図15(b)で説明したスリット構造をとる場合に好適である。
【実施例4】
【0032】
次に第4の実施例について説明する。上記第1乃至第3の実施例では庇部12をエアーギャップ9内に備える構造としたが、庇部をバックチャンバー14側に備える構造としても良い。本実施例のMEMS素子は次のように形成することができる。まず上記第1乃至第3の実施例同様、結晶方位(100)面の厚さ420μmのシリコン基板1上に、厚さ0.1〜1.0μm程度の熱酸化膜2を形成する。その後、厚さ0.1〜0.5μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成し、庇部12を形成する。庇部12上および熱酸化膜2上に、厚さ0.1〜1.0μm程度のUSG膜からなる絶縁膜11を積層形成する。通常のフォトリソグラフ法により後述する可動電極膜に形成されるスリット8の外周側に位置する部分に凹部を形成して先に形成した可動電極膜3の一部を露出させる(
図8)。
【0033】
その後、全面にCVD法により厚さ0.2〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成し、通常のフォトリソグラフ法によりパターニングして可動電極膜3を形成する。可動電極膜3には、スリット8を形成する。
図9に示すように先に形成した庇部12が、スリット8の外周側で可動電極膜3と接合し、スリット8の下側に配置する構造となる。さらに庇部12は、空気抵抗となる狭い領域を形成するため、可動電極膜3の中心方向に延出した配置となる。
【0034】
以下、上述の第1の実施例同様、犠牲層13、固定電極膜5、配線部10、窒化膜6および貫通孔7を形成する。その後、シリコン基板1の裏面側から熱酸化膜2が露出するまでシリコン基板1を除去し、バックチャンバー14を形成する(
図10)。これは、庇部12と絶縁膜11の配置が相違することを除けば上述の第1の実施例で説明した
図4の工程に相当する。
【0035】
さらに、貫通孔7を通して犠牲層13の一部、熱酸化膜2および絶縁膜11の一部を除去する。本実施例では、バックチャンバー14側に庇部12を備えることで、庇部12と可動電極膜3の裏面側との間に狭窄部15が形成され、エアーギャップ9とバックチャンバー14との間の空気抵抗を高くし、感度向上が可能となる(
図11)。
【0036】
なお、本実施例では、庇部12が導電性材料で構成されることは必ずしも必須ではなく、犠牲層13および絶縁膜11の一部を除去してエアーギャップ9と狭窄部15を形成する際、エッチングされずに残る材料であれば、庇部12を絶縁性材料とすることも可能である。
【0037】
本実施例では、庇部12が可動電極膜3上に接続固定された状態であるので、庇部12は可動電極膜3の振動と連動して上下動することになる。狭窄部15が形成された部分の可動電極膜3の変位と庇部12が固定された部分の可動電極膜3の変位とを比較すると、前者の変位が大きい。つまり、狭窄部15の可動電極膜3と庇部12との間の寸法は、可動電極膜3の変位に応じてより小さくなり、エアーギャップ9とバックチャンバー14との間の空気抵抗を高くすることができ、感度を向上させることが可能となる。
【0038】
さらに、可動電極の振動が想定より大きくなった場合に、可動電極が庇部に接触して、可動電極の振動を抑制するストッパーとして機能することになる。なお庇部は、可動電極を挟んで、エアーギャップ側にも形成でき、可動電極膜3を破損から保護するストッパー構造とすることができる。
【実施例5】
【0039】
次に第5の実施例について説明する。本実施例は
図12に示すように上記第4の実施例で説明した可動電極膜3と接続する庇部12の固定位置のみを変更したものである。即ち、
図8に示す工程において、庇部12上に、厚さ0.1〜1.0μm程度のUSG膜からなる絶縁膜11を積層形成し、通常のフォトリソグラフ法により可動電極膜に形成されるスリットの内周側に凹部を形成して先に形成した庇部12の一部を露出させた後、厚さ0.2〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。この導電性ポリシリコン膜は、可動電極膜3となる。
【0040】
図12に示すように、先に形成した庇部12が、スリット8の内周側で可動電極膜3と接合し、スリット8の下側に配置する構造となる。さらに庇部12は、空気抵抗となる狭い領域を形成するため、可動電極膜3の外周方向に延出した形状となる。
【0041】
本実施例のMEMS素子は、上記実施例4で説明したい構造に比べて、変位の大きい位置に庇部12が固定されているため、庇部12の変位が大きくなり、MEMS素子の感度向上が規定できる。
【実施例6】
【0042】
次に第6の実施例について説明する。上記第4の実施例及び第5の実施例では、庇部12は、可動電極3の振動と連動して上下動する構造としたが、本実施例では、庇部12が上下動しない構造としている。即ち、バックチャンバー14を形成する際、庇部12の一部を覆うように絶縁膜11を除去する。その結果、
図13に示すように絶縁膜11に庇部12が固定されたバックチャンバー14が形成される。
【0043】
このように形成することで、可動電極膜3の振動が大きいほど可動電極膜3が庇部12に近づき狭窄部15の間隔が狭くなり、エアーギャップ9とバックチャンバー14との間の空気抵抗を高め、感度を向上させることが可能となる。
【0044】
特に本実施例の構造は、
図15(b)で説明したスリット構造をとる場合に好適である。
【0045】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、庇部12は、スリット8を覆うように形成すれば足りるので、上述のようにスリットの形状に合わせて、分離する構造としても良い。また、バックチャンバー側に配置する庇部12がすべてのスリット8を覆い、あるいはエアーギャップ側に配置する庇部12がすべてのスリットを覆う必要はなく、スリットの一部はバックチャンバー側に配置する庇部12により覆われ、残りの一部はエアーギャップ側に配置する庇部12に覆われる構造にする等、種々変更可能である。