(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6639211
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】リン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造装置
(51)【国際特許分類】
C05F 7/00 20060101AFI20200127BHJP
C02F 3/30 20060101ALI20200127BHJP
C02F 3/34 20060101ALI20200127BHJP
C02F 3/28 20060101ALI20200127BHJP
C05B 7/00 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
C05F7/00ZAB
C02F3/30 C
C02F3/34 Z
C02F3/28 Z
C05B7/00
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-237882(P2015-237882)
(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-113357(P2016-113357A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2018年11月2日
(31)【優先権主張番号】特願2014-250385(P2014-250385)
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】598073604
【氏名又は名称】築野ライスファインケミカルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山上 伸一
(72)【発明者】
【氏名】副島 孝一
(72)【発明者】
【氏名】入戸野 太郎
(72)【発明者】
【氏名】井戸 英和
(72)【発明者】
【氏名】服部 一裕
(72)【発明者】
【氏名】小林 恵三
(72)【発明者】
【氏名】築野 富美
【審査官】
柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−194373(JP,A)
【文献】
特開2006−034141(JP,A)
【文献】
特開2009−214007(JP,A)
【文献】
特開2003−285096(JP,A)
【文献】
特開平10−286085(JP,A)
【文献】
特開平05−111698(JP,A)
【文献】
特開2000−109386(JP,A)
【文献】
特開平07−088498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05B
C05C
C05D
C05F
C05G
C02F 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米加工廃水からリン酸肥料を製造するリン酸肥料製造方法であって、
酵母および麹菌の存在下で、前記米加工廃水に嫌気性処理を含む微生物処理を行って前記米加工廃水中の有機態リン酸をオルトリン酸に分解するとともに、前記米加工廃水のpHを調整して調整廃水を得る前処理工程と、
前記前処理工程により微生物処理された前記調整廃水を供給して、少なくともリン蓄積細菌の存在下で、嫌気処理及び好気処理の順で微生物処理を行い、前記リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進させるリン回収工程と、
前記リン回収工程で微生物処理された微生物処理液を沈降容器内で沈降させることによりリン酸含有の汚泥と処理水に分離する固液分離工程と、を備え、
前記リン回収工程では、前記リン蓄積細菌を活性化させるとともに、前記調整廃水中に存在する前記リン蓄積細菌以外の非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度になるように前記調整廃水の温度調整が行われることを特徴とするリン酸肥料製造方法。
【請求項2】
前記リン回収工程が、前記前処理工程により微生物処理された前記調整廃水を回分式に供給されて、少なくともリン蓄積細菌の存在下で、嫌気処理及び好気処理の順で微生物処理を行い、前記リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進させるリン回収工程である請求項1記載のリン酸肥料製造方法。
【請求項3】
前記リン回収工程が、温度制御下で循環汚泥を嫌気処理と好気処理を循環させつつ更に前記リン回収工程後固液分離した返送汚泥をリン回収工程に戻しつつリン含有汚泥の濃縮を図る連続方式である請求項1記載のリン酸肥料製造方法。
【請求項4】
オルトリン酸の取り込みを促進させる前記リン回収工程が、主要微生物として酵母、麹菌を用いた嫌気性の第一工程と、主要微生物として前記リン蓄積細菌を用いた嫌気性の第2工程と、主要微生物として前記リン蓄積細菌を用いた好気性の第3工程よりなり、これらが連続式の攪拌条件で行われることを特徴とする請求項3記載のリン酸肥料製造方法。
【請求項5】
前記前処理工程では、前記米加工廃水のpHが4以上になるようにpHの調整が行われることを特徴とする請求項請求項1乃至4いずれか1項に記載のリン酸肥料製造方法。
【請求項6】
前記リン回収工程の嫌気処理では、前記調整廃水の温度が30℃〜35℃になるように且つ前記リン回収工程の好気処理では、前記調整廃水の温度が25℃〜30℃になるように温度調整が行われることを特徴とする請求項2に記載のリン酸肥料製造方法。
【請求項7】
米加工廃水からリン酸肥料を製造するリン酸肥料製造装置であって、
前記米加工廃水を貯留する前処理槽と、
前記前処理槽内の米加工廃水のpHの調整を行うpH調整手段と、
前記前処理槽内の米加工廃水内に存在する酵母および麹菌によって、前記米加工廃水を、嫌気性処理して有機態リン酸を低分子有機物およびオルトリン酸に分解して調整廃水を得る前処理手段と、
前記前処理手段により得られた前記調整廃水を貯留する本処理槽と、
前記本処理槽に前記調整廃水を回分式に供給する調整廃水供給手段と、
前記本処理槽内の前記調整廃水を、少なくともリン蓄積細菌の存在下で、嫌気処理及び好気処理の順で処理して、前記リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進させるリン回収手段と、
前記本処理槽内の前記調整廃水の温度を、前記リン蓄積細菌を活性化させるとともに、非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度に調整する温度調整手段と、
前記リン回収手段で微生物処理された微生物処理液を貯留して沈降させることによりリン酸含有の汚泥と処理水に分離する固液分離槽と、を備えることを特徴とするリン酸肥料製造装置。
【請求項8】
連続処理方式のリン酸肥料製造装置において、前記好気処理を行う好気処理域から前記嫌気処理を行う嫌気処理域に向けて循環汚泥ラインが、又前記固液分離槽から前記嫌気処理域に向けて返送汚泥ラインが夫々接続されていることを特徴とする請求項7記載のリン酸肥料製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米ぬか等の米加工廃水からリン酸肥料を製造するリン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造装置に係り、特に回分方式のリン回収技術のみならず、大規模処理に対応可能な連続方式のリン回収技術を含めた技術に関する。
関する。
【背景技術】
【0002】
米加工工場等から排出される米ぬかや米とぎ汁を含む米加工廃水は、デンプン質やタンパク質、脂質などが含まれた廃水である。このような米加工廃水の特徴としては、デンプン質が多く含有されているため有機炭素源濃度の指標であるCOD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)が高く、タンパク質由来の窒素成分が含まれている。また、米ぬかから米油を製造する際、その精製段階でリン脂質がカルシウムやマグネシウムイオンなどと結合した不純物を取り除く工程がある。このため、その精製工程の廃水には高濃度のリン酸が含有されていることが特徴であり、米加工廃水は、水質汚濁で問題視される成分が高濃度に混在した廃水である。
【0003】
一般的なリン除去法としてはアルミ塩、鉄塩を用いた金属塩あるいは塩化カルシウム、消石灰を用いたカルシウム塩の形成により沈殿させる凝集沈殿法が挙げられる。また、近年、リンのみを除去する方法あるいは窒素とリンを同時に除去する方法として、下水処理施設等ではAO法あるいはA
2O法の生物的脱リン法が用いられている。AO法は、リン蓄積細菌(PAO)により嫌気工程でのリン放出と好気工程でのリン摂取が行なわれ、廃水中からリンが汚泥中に取り込まれて廃水中のリンが除去される。さらにA
2O法は、特許文献2に記載されているように、嫌気工程、無酸素工程、好気工程からなり、硝化細菌により好気工程での硝化作用が行なわれ、脱窒細菌により無酸素工程での脱窒作用が行なわれ、廃水中の窒素が除去される。
【0004】
しかしながら、凝集沈殿法は凝集剤のランニングコストが高く、汚泥に含まれるリン酸塩は不動態のため、汚泥肥料としての価値は低く汚泥処分が困難である。一方、AO法や特許文献2に記載のA
2O法は、凝集沈殿法に比べランニングコストは低く、汚泥にポリリン酸が含まれるため汚泥肥料としての価値が高い。しかし、廃水組成や温度などの季節変動に対して不安定であり、さらに好気工程の曝気にかかる電気代や汚泥を乾燥させる燃料代(重油代)がランニングコストの大半を占め、工場廃水などに普及するためには、処理の安定化とさらなるランニングコストの低減が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−169895号公報
【特許文献2】特開2011−194373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本出願の発明者らは、汚泥発生量を抑制し、且つ乾燥させた汚泥中に含まれるリンの含有量を増加させたものを安定的に製造し、肥料として販売すればランニングコストを低下させることができると考えた。しかしながら、米加工廃水においては、脂質の高いぬかを含むためBODが高く、且つ廃水中に難分解性有機物や有機態リン酸が多く存在するため、処理効率が低下してしまう。また、難分解性有機物は微生物が分解しにくい有機物であり、この存在により廃水中のリン除去を担うリン蓄積細菌類が嫌気条件下で有機物の取り込み不良となる結果、プロセス稼動状態が不安定となり、リン回収効率の低下を招く。さらに、pHや温度の変動もプロセス稼動状態の不安定を招き、リン回収効率の低下を招く。
【0007】
そこで、難分解性有機物や有機態リン酸を分解すれば、微生物の活性を向上させ汚泥中に含まれるリンの含有量を増大することができる。しかしながら、リン蓄積細菌だけでなく非リン蓄積細菌も増殖すればそれだけ、汚泥中に含まれるリンの含有量の比率が低下して肥料として価値も低下する。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一つの実施形態は、米加工廃水から得られる汚泥を、リン含有量が高い肥料として製造可能なリン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は回分方式のリン回収技術のみならず、大規模処理に対応可能な連続方式のリン回収技術を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の少なくとも一つの実施形態に係わるリン酸肥料製造方法は、
米加工廃水からリン酸肥料を製造するリン酸肥料製造方法であって、
酵母および麹菌の存在下で、前記米加工廃水に嫌気性処理を含む微生物処理を行って前記米加工廃水中の有機態リン酸をオルトリン酸に分解するとともに、前記米加工廃水のpHを調整して調整廃水を得る前処理工程と、
前記前処理工程により微生物処理された前記調整廃水を供給して、少なくともリン蓄積細菌の存在下で、嫌気処理及び好気処理の順で微生物処理を行い、前記リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進させるリン回収工程と、
前記微生物処理工程で微生物処理された微生物処理液を沈降容器内で沈降させることによりリン酸含有の汚泥と処理水に分離する固液分離工程と、を備え、
前記リン回収工程では、前記リン蓄積細菌を活性化させるとともに、前記調整廃水中に存在する前記リン蓄積細菌以外の非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度になるように前記調整廃水の温度調整が行われる。
【0010】
そして前記リン回収工程は温度制御下でバッチ的に処理水混合と嫌気処理と好気処理を繰り返し行う回分方式を採用してもよく、又大規模処理に対応可能な連続方式、具体的には温度制御下で循環汚泥を嫌気処理と好気処理を循環させつつ更に前記リン酸回収工程後固液分離した返送汚泥をリン回収工程に戻しつつリン蓄積細菌の優占化を図る連続方式を採用してもよい。
【0011】
上記リン酸肥料製造方法によれば、前処理工程にて嫌気性処理を行って、有機物をリン蓄積細菌が資化し易い低分子有機物およびオルトリン酸に分解する。前処理工程にて米加工廃水のpHを調整することで、次工程(リン回収工程)以降のリン蓄積細菌によりリン摂取を安定化することができる。前処理工程で得られた調整廃水を回分式若しくは連続式リン回収工程に供給することで、リンを高濃度にした調整排水をリン回収工程に供給することができる。また、リン回収工程において嫌気処理及び好気処理の順でリン蓄積細菌による微生物処理を行うことで、リン蓄積細菌によるリンの摂取を活性化して、リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進することができる。また、リン回収工程において、リン蓄積細菌を活性化させるとともに、調整廃水中に存在するリン蓄積細菌以外の非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度になるように調整廃水の温度調整が行なわれるので、非リン蓄積細菌の増殖を抑制することができ、安定的にリン蓄積細菌を優占化することができる。従って、固液分離工程によって得られる汚泥中のリン酸の含有率を高めることができ、汚泥を肥料効果の高いリン酸菌体肥料とすることができる。よって、付加価値の高いリン酸肥料を生産することができ、これを販売することで、ランニングコストを低減することができる。よって、米加工廃水から付加価値の高いリン酸肥料を製造可能なリン酸肥料製造方法を実現ができる。
【0012】
また、幾つかの実施形態では、
前記前処理手段は、前記米加工廃水のpHが4以上になるようにpHの調整が行われるとよい。
【0013】
この場合、米加工廃水のpHを4程度以下にすると、リン回収工程でのリン蓄積細菌によるリン摂取を担うリン蓄積細菌の菌体がダメージを被り、リン蓄積細菌によるリン摂取を安定化することができなくなる。そこで、前処理手段において、米加工廃水のpHが4以上になるようにpH処理を行うことで、リン回収工程でのリン蓄積細菌によるリン摂取を安定化することができる。
【0014】
また、温度制御下でバッチ的に処理水混合と嫌気処理と好気処理を繰り返し行う回分方方式では、前記リン回収工程の嫌気処理では、前記調整廃水の温度が30℃〜35℃になるように且つ前記リン回収工程の好気処理では、前記調整廃水の温度が25℃〜30℃になるように温度調整が行われるのがよい。
【0015】
この場合、リン回収工程の嫌気処理で調整廃水の温度が30℃〜35℃に調整されるので、非リン蓄積細菌の増殖を抑制することができ、リン摂取に関わるリン蓄積細菌を優占化させることができる。
【0016】
また、前記リン回収工程の好気処理では、前記調整廃水の温度が25℃〜30℃になるように温度調整が行われるのがよい。
【0017】
この場合、リン回収工程の好気処理で調整廃水の温度が25℃〜30℃に調整されるので、リン蓄積細菌のリン摂取を活性化させる環境を作ることができ、単位菌体量当たりのリン含有量を増加させることができる。
【0018】
また、本発明の少なくとも一つの実施形態に係わるリン酸肥料製造装置は、
米加工廃水からリン酸肥料を製造するリン酸肥料製造装置であって、
前記米加工廃水を貯留する前処理槽と、
前記前処理槽内の米加工廃水のpHの調整を行うpH調整手段と、
前記前処理槽内の米加工廃水内に存在する酵母および麹菌によって、前記米加工廃水を、嫌気性処理して有機態リン酸を低分子有機物およびオルトリン酸に分解して調整廃水を得る前処理手段と、
前記前処理手段により得られた前記調整廃水を貯留する本処理槽と、
前記本処理槽に前記調整廃水を回分式若しくは連続的に供給する調整廃水供給手段と、
前記本処理容器内の前記調整廃水を、少なくともリン蓄積細菌の存在下で、嫌気処理及び好気処理の順で処理して、前記リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進させるリン回収手段と、
前記本処理容器内の前記調整廃水の温度を、前記リン蓄積細菌を活性化させるとともに、非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度に調整する温度調整手段と、
前記リン回収手段で微生物処理された微生物処理液を貯留して沈降させることによりリン酸含有の汚泥と処理水に分離する固液分離槽を備える。
【0019】
又連続処理方式のリン回収技術によれば温度制御された前記好気処理域から嫌気処理域に向けて循環汚泥ラインが、又前記固液分離槽から前記嫌気処理域に向けて返送汚泥ラインが夫々接続され、嫌気処理容器と好気処理容器を循環汚泥ラインで接続しつつその後流側に設けられた、返送汚泥ラインで固液分離工程寄りのリン含有汚泥を嫌気処理域(嫌気処理槽)側に戻し、リン蓄積細菌の優占化を図りながら嫌気処理及び好気処理の順で処理して、前記リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進させる。
【0020】
上記リン酸肥料製造装置によれば、前処理槽に貯留された米加工廃水を前処理手段で嫌気性処理を行って、有機物をリン蓄積細菌が資化し易い低分子有機物およびオルトリン酸に分解してCOD濃度を調整する。このため、その後のリン回収手段におけるリン蓄積細菌によりリン摂取を安定化することができる。また前処理工程において米加工廃水のpHを調整することで、次工程(リン回収工程)以降のリン蓄積細菌によりリン摂取をより安定化することができる。また、前処理工程で得られた調整廃水を調整廃水供給手段によって回分式で本処理槽に供給することで、リンを高濃度にした調整排水を本処理槽に供給することができる。また、リン回収手段において嫌気処理及び好気処理の順でリン蓄積細菌による微生物処理を行うことで、リン蓄積細菌によるリンの摂取を活性化して、リン蓄積細菌内へのオルトリン酸の取り込みを促進することができる。また、リン回収工程において、温度調整手段により調整廃水の温度を、非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度に調整するので、安定的にリン蓄積細菌を優占化することができる。そして、固液分離槽で微生物処理液を貯留して沈降させることにより、リン酸含有の汚泥と処理水に分離する。従って、汚泥中のリン酸の含有率を高めることができ、汚泥を肥料効果の高いリン酸菌体肥料とすることができる。よって、付加価値の高いリン酸肥料を生産可能なリン酸肥料製造装置を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、米加工廃水から得られる汚泥を、リンの含有量が高い汚泥を製造して肥料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の回分方式の一実施形態に係るリン酸肥料製造装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の回分方式の一実施形態に係るリン酸肥料製造方法の工程図である。
【
図3】前処理開始後の経過時間とオルトリン酸濃度との関係を示すグラフである。
【
図4】前処理開始後の経過時間とCODとの関係を示すグラフである。
【
図5】好気工程における槽内の温度条件を示す表である。
【
図6】MLSS濃度と好気工程槽内温度との関係を示すグラフである。
【
図7】汚泥リン含有率とリン回収量/MLSS濃度との関係を示すグラフである。
【
図8】本発明の連続方式の一実施形態に係るリン酸肥料製造装置の概略構成図である
【
図9】本発明の連続方式の一実施形態に係るリン酸肥料製造方法の工程図である
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明の回分方式のリン酸肥料製造技術の実施形態について、
図1、
図2を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における処理対象の米加工廃水は、米加工工場等から排出された米ぬかや米のとぎ汁等を含む米ぬか加工廃水であり、BOD、COD、窒素、リンを含む米加工廃水である。また、この実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下、添付図面に従って本発明の回分方式のリン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造装置の実施形態について、
図1、
図2を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における処理対象の米加工廃水は、米加工工場等から排出された米ぬかや米のとぎ汁等を含む米ぬか加工廃水であり、BOD、COD、窒素、リンを含む米加工廃水である。また、この実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
図1は、本発明の回分方式の一実施形態であるリン酸肥料製造装置の概略構成図である。先ず、リン酸肥料製造方法を説明する前に、リン酸肥料製造装置について説明する。リン酸肥料製造装置1は、
図1に示すように、主に、前処理槽3と、pH調整手段17と、前処理手段23と、本処理槽8と、微生物処理手段24と、温度調整手段21、26と、固液分離槽14と、を備えて構成される。
【0025】
本処理槽8は、後述する嫌気性処理工程、好気性処理工程をそれぞれ別個に行う槽を複数設け、これらを直列に接続してもよいし、同図に示すように槽内の条件を変化させて嫌気性処理工程、好気性処理工程を夫々各槽で行う複数槽で行うようにしてもよいが、装置の設置面積の削減及び装置の小型化ができることから、特に処理槽8全体が単一の槽であることが好ましい。
【0026】
以下に、リン酸肥料製造装置1の詳細な構成を説明する。
【0027】
前処理槽3には、槽内を撹拌する撹拌機5と、米加工廃水のpHや温度を測定するセンサ4が設置されている。
【0028】
前処理槽3から排出された米加工廃水は、廃水供給ライン7を介してポンプ6により本処理槽8に送給される。本処理槽8には、曝気装置15、及びポンプ16が接続されている。曝気装置15、及びポンプ16は、廃水中に空気を供給して本処理槽8内を好気条件にするための装置である。
【0029】
また、前処理槽3には循環ライン19a、19bを介して槽内の温度調整を行う温度調整手段21の一部であるチラー25が接続されている。同様に本処理槽8には、循環ライン22a、22bを介して槽内の温度調整を行う温度調整手段26の一部であるチラー27が接続されており、また、本処理槽8には、槽内を撹拌する撹拌機9と、本処理槽8内の廃水のpHや温度、溶存酸素を測定するセンサ10が設置されている。
【0030】
この本処理槽8で、嫌気性処理工程、好気性処理工程からなる一連の処理工程が終了したら、排出ライン12より処理水を排出し、後段の固液分離槽14に送給する。
【0031】
前処理槽3及び本処理槽8に設置されたセンサ4、10により測定されたpHや温度の測定値のデータは、後述するコントローラ18、20に送信される。
【0032】
前処理槽3には、処理対象の廃水のpHを調整するpH調整手段17が接続される。このpH調整手段17は、処理対象の廃水のpHを調整するためのpH調整剤を貯留するためのpH調整剤タンク17aと、pH調整剤タンク17a内のpH調整剤を前処理槽3内に送出するためのpH調整ポンプ17bとを含む。後述のコントローラ18がpH調整ポンプ17bを制御することにより、pH調整ポンプ17bから前処理槽3内に送出されるpH調整剤の量が制御される。
【0033】
なお、pH調整ポンプ17bとしては、例えば電磁定量ポンプを使用することができる。また、pH調整剤としては、アルカリ性の被処理廃水に対しては酸性の水溶液を、酸性の被処理廃水に対しては塩基性の水溶液(例えば、水酸化ナトリウム)を用いることができる。一実施形態においては、pHが低い米ぬか加工排水(米加工廃水)のpHを増加させるため、40質量%の水酸化ナトリウム水溶液をpH調整剤として用いる。
【0034】
コントローラ18は、前処理槽3に設置されたセンサ4から送信されるpHや温度の測定値のデータを受信し、これらの値に基づいて、pH調整手段17を制御する。例えば、前処理槽3に設置されたセンサ4からコントローラ18に送信されたpHが一定範囲(例えば4.0以上7.0以下)外である場合には、pHが前記範囲内となるのに必要な量だけ、pH調整剤タンク17a内に貯留されたpH調整剤を前処理槽3内に送出するように、pH調整ポンプ17bを制御する。
【0035】
前処理槽3から排出された米ぬか加工廃水は、前処理済みの前処理廃水として後段の本処理槽8へ送給される。本処理槽8内の温度は冷却または必要にあわせて加温調節が可能なチラー27等により本処理槽8内の温度が25〜35℃に調節される。
【0036】
次に、一実施形態に係るリン酸肥料製造法について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、一実施形態に係るリン酸肥料製造法のフローチャートである。本実施形態に係るリン酸肥料製造法は、主に、前処理工程60と、嫌気処理工程61a、好気処理工程61bを含むリン回収工程61と、固液分離工程62とを備える。
【0037】
次に、発明の回分方式のリン酸肥料製造方法の一実施形態に係る米加工廃水処理方法の各工程について説明する。
【0038】
前処理工程60では、酵母および麹菌の存在下で、米加工廃水に嫌気性処理を含む微生物処理を行って米加工廃水中の有機態リン酸をオルトリン酸に分解するとともに、米加工廃水のpHを調整して調整廃水を得る。米加工廃水のpHの調整は、水酸化ナトリウム水溶液を加えることでpHが4.0以上7.0以下となるように調整する。このようにpHを調整すると、その後のリン回収工程61においてpHが5.0以上8.0の中性付近に調整された被処理水が通水されるため、リン回収工程61においてリン摂取を担う活性汚泥中の菌体(リン蓄積細菌)が受けるダメージが低減される。その結果、リン摂取を活性化することができ、リン回収工程61におけるリン蓄積細菌の優占化を安定して維持することができる。
【0039】
なお、前処理工程60における米加工廃水の温度は、25〜35℃内に設定され、前処理工程60の時間は少なくとも20時間が好ましい。
【0040】
本実施形態のリン回収工程61では、リン蓄積細菌の存在下で、前処理工程60で得られた調整廃水に、嫌気処理、好気処理をこの順に含む微生物処理を行い、リン蓄積細菌により調整廃水に含まれるリンを摂取する。
【0041】
嫌気処理工程61aは、リン蓄積細菌存在下で、前処理工程60で得られた調整廃水を嫌気処理する。ここでリン蓄積細菌は、調整廃水に含まれる炭素源(有機物)を取り込み、リンを放出する。このとき、前処理工程60で米ぬか加工廃水(調整廃水)中の有機物が低分子化しているため、嫌気処理での炭素源の取り込みが円滑に行われる。
【0042】
ここで、リン蓄積細菌を含む汚泥を用いて嫌気性処理を行う場合、リン蓄積細菌を含む汚泥を嫌気/好気条件で馴養し、さらに嫌気時に本処理槽8内の温度を30〜35℃の範囲内の温度に保持することで、非リン蓄積細菌の増殖を抑制してリン蓄積細菌を優占化させる。なお、嫌気性処理時における調整廃水のpHは、6.5〜7.5の範囲内であり、嫌気処理工程61aの時間は6〜10時間が好ましい。
【0043】
好気処理工程61bは、処理対象の調整廃水中に空気を供給して好気条件とし、リン蓄積細菌内にオルトリン酸を取り込んで、ポリリン酸として蓄積を行う。リン蓄積細菌を含む汚泥を用いて好気性処理を行う場合には、リン蓄積細菌を含む汚泥を嫌気/好気条件で馴養し、さらに好気時に本処理槽8内の温度を25〜30℃の範囲内の温度に保持することで、非リン蓄積細菌の増殖を抑制してリン蓄積細菌が優位に増殖して優占化する。
【0044】
なお、好気性処理時における調整廃水のpHは、7.5〜8.0の範囲内であり、好気処理工程61bの時間は14〜18時間が好ましい。
【0045】
上記したリン回収工程61は、回分式である。この場合、リン回収工程61で残った微生物処理液を戻して前処理工程60から供給される調整廃水と混合させる処理水混合工程61cを経て嫌気処理工程61aに返送するようにしてもよい。
【0046】
好気処理工程61bの終了後は、余剰汚泥と処理水とを分離する固液分離工程62が行われる。固液分離工程62は、例えば、沈殿、膜分離等の公知の方法が用いられ、凝集剤を投入して汚泥を凝集沈殿させてもよい。沈殿した汚泥には、高いリンが含有してリン酸肥料となる。
【0047】
本実施形態によれば、回分式リン回収工程61において、リン蓄積細菌を活性化させるとともに、調整廃水中に存在するリン蓄積細菌以外の非リン蓄積細菌の増殖を抑制可能な温度になるように調整廃水の温度調整が行なわれるので、非リン蓄積細菌の増殖を抑制することができ、安定的にリン蓄積細菌を優占化することができる。従って、固液分離工程62によって得られる汚泥中のリン酸の含有率を高めることができ、汚泥を肥料効果の高いリン酸菌体肥料とすることができる。よって、付加価値の高いリン酸肥料を生産することができ、これを販売することで、リン酸肥料製造におけるランニングコストを低減することができる。よって、米加工廃水から付加価値の高いリン酸肥料を製造可能なリン酸肥料製造方法及びリン酸肥料製造を実現できる。
【実施例】
【0048】
[実施例1]
実施例1として、米ぬか加工廃水の前処理におけるオルトリン酸濃度とCODとpHの経時変化を調べる試験を行った。
【0049】
図1に示すリン酸肥料製造装置1を用い、下記に示す条件下で前処理工程60およびリン回収工程61のうち前処理工程60を行った。
<前処理工程における条件>
前処理時間:24h
前処理温度:30℃
初期COD濃度:6950mg/L
初期オルトリン酸濃度:189mg/L
初期pH:5.04
米ぬか加工廃水の前処理におけるオルトリン酸濃度とCODとpHの経時変化の測定結果を、
図3、4に示す。
【0050】
図3、4において、横軸は前処理開始後からの経過時間(単位:時間)を示し、
図3の縦軸はオルトリン酸濃度(単位:mg/L)、
図4の縦軸はCOD(単位:mg/L)を示す。
【0051】
オルトリン酸は時間とともに増加し、前処理開始から20時間で4倍程度に達した。COD濃度は時間とともに減少し、処理開始から20時間で30%程度低下させることができた。
【0052】
[実施例2]
実施例2として、米ぬか加工廃水の処理におけるMLSS濃度と好気工程槽内温度との関係を調べる試験を行った。
【0053】
図1に示すリン酸肥料製造装置1を用い、下記に示す条件下で前処理工程60およびリン回収工程61のうち好気処理工程61bを行った。リン回収工程開始時のCOD900〜5720mg/L、オルトリン酸濃度134〜415mg/L、pH6.18〜8.18の米ぬか加工廃水について
図5に示す温度条件にて好気工程を行った。
MLSS濃度と好気工程槽内温度との関係を
図6に示す。この結果、温度が低いほどMLSS濃度が低く保たれていた。これにより、槽内温度でMLSS濃度を調節できることがわかった。
【0054】
[実施例3]
実施例3として、米ぬか加工廃水の処理における汚泥リン含有率とリン回収量/MLSS濃度との関係を調べる試験を行った。
【0055】
図1に示すリン酸肥料製造装置1を用い、下記に示す条件下で前処理工程60およびリン回収工程61を行った。リン回収工程開始時のCOD900〜5720mg/L、オルトリン酸濃度134〜415mg/L、pH6.18〜8.18の米ぬか加工廃水について
図5に示す嫌気時間、好気時間、温度条件にてリン回収工程を行った。
汚泥リン含有率とリン回収量/MLSS濃度との関係を
図7に示す。この結果、リン回収量/MLSS濃度が0.1以上では高い汚泥リン含有率を得られた。これにより、本発明の一実施形態に係る製造方式および製造装置を用いることで、高いリン酸を含むリン酸肥料が得られることがわかった。
【0056】
次に大規模処理に対応可能な連続方式のリン回収技術について説明する。
図8は連続方式リン回収工程の概略構成図、
図9は連続方式の工程図で夫々回分方式の
図1及び
図2に対応する。
そして
図8に示すように、好気処理槽から嫌気処理槽に向けて循環汚泥ライン70が、固液分離工程から嫌気処理工程(槽)に向けて返送汚泥ラインが夫々接続されている。その結果、本実施例では、処理方式を回分方式から連続槽方式に変更出来る。即ち実用レベルに耐えうる処理能力を得るため、回分方式から連続方式に変更した理由は、回分方式では同一槽内において嫌気処理および好気処理を実施したが、連続方式では、各処理を独立させた嫌気槽および好気槽からなる処理装置が構成できる。連続槽方式では微生物を嫌気・好気の環境におくため、好気槽→嫌気槽への循環ラインをつくり、循環量により各処理時間の調整を行う。
又本発明では処理対象を米ぬか加工廃水を含む植物油製造廃水(・溶存態リン酸:150〜800mg/L(内オルトリン酸70〜450mg/L) ・COD:4000〜18000mg/L ・温度(15〜40℃) ・pH(4.0〜7.0)のものを用い、下記の第1〜第3工程となるものである。以下各工程を順に説明する。
【0057】
1 第一工程(嫌気工程:前処理槽)では主要微生物として酵母、麹菌を用いた。
1.1 本工程の目的は(i)溶存態リン酸をオルトリン酸に分解し、第三工程でのリン成分の生物資化を容易にする。(ii)機物を低分子有機酸に分解し、第二工程での有機炭素の生物資化を容易にする。(iii)水酸化ナトリウムを用いたpH4.0以上への調整により、第二工程以降を安定化させることにある。
1.2 実施条件
・操作 : 嫌気条件下で撹拌する。
・時間 : 20時間以上
・温度 : 25〜35℃
・pH : 4.0〜7.0(pH4.0以下になれば水酸化ナトリウム添加により調整する)
1.3 結果
(i)溶存態リン酸の全量がオルトリン酸へ分解され、オルトリン酸濃度が増加した。
(ii)CODが半分に低減し、有機酸濃度が増加した。
(iii)pH4.0〜7.0に調整した。
【0058】
2 第二工程(嫌気工程:嫌気槽66a)主要微生物としてリン蓄積性細菌(PAO)を用いた。
2.1 本工程の目的は(i)リン蓄積性細菌(PAO)が体内のポリリン酸を分解、オルトリン酸を体外へ放出する際のエネルギーを利用して、低分子有機酸を体内へ取り込み、PHA(Poly Hydroxyl Alkanonate)の蓄積を行うことにある。又(ii)高い有機酸濃度で、所定の温度、pHを保つことにより、競合する細菌に対して増殖を抑制し、PAOが優位に低分子有機酸を資化する。
2.2 実施条件
・操作 : 連続式において嫌気条件下で撹拌する。
・時間 : 6〜10時間
・温度 : 30〜35℃
・pH : 6.5〜7.5
2.3 結果
(i)前処理槽より連続式処理槽へ廃水が流入し高いオルトリン酸濃度(150mg/L以上)の環境となる。
(ii)嫌気時間の進行とともにオルトリン酸の濃度上昇(オルトリン酸放出)およびCODが低下(有機酸取り込み)が出来る。
【0059】
3 第三工程(好気工程:好気槽66b)
主要微生物 : リン蓄積性細菌(PAO)
3.1 本工程の目的は(i)リン蓄積性細菌(PAO)が体内のPHAを利用して増殖するとともに、その際のエネルギーを利用して廃水中のオルトリン酸を嫌気時の放出以上に体内へ取り込み、ポリリン酸として蓄積を行う。(ii)高いオルトリン酸濃度、所定の温度、pHを保つことにより、競合する細菌に対して増殖を抑制し、PAOが優位に増殖し、オルトリン酸を取り込む。
3.2 実施条件
・操作 : 連続式において好気条件下で撹拌する。
・時間 : 14〜18時間
・温度 : 25〜30℃
・pH : 7.5〜8.0
・溶存酸素 : 0.5〜2mg/L
・汚泥濃度(MLSS) : 1500〜2000mg/L
3.3 結果
(i)好気終了時にオルトリン酸濃度が50mg/Lに低下した。
(ii)好気終了時に汚泥濃度(MLSS)が2000mg/Lまで上昇した。
(iii)好気終了時に汚泥リン含有率が15%まで上昇した。
したがって少なくともオルトリン酸濃度が50mg/Lに低下したのを判断して好気条件下で撹拌を終了させることが出来る。
【符号の説明】
【0060】
1 リン酸肥料製造装置
3 前処理槽
4、10 センサ
5、9 攪拌機
6 ポンプ
7 廃水供給ライン
8 本処理槽
12 廃水ライン
14 固液分離槽
15、16 曝気装置
17 pH調整手段
17a pH調整剤タンク
17b pH調整ポンプ
18、20 コントローラ
19a、19b、22a、22b 循環ライン
21、26 温度調整手段
23 前処理手段
24 微生物処理手段
25、27 チラー
60 前処理工程
61 リン回収工程
61a 嫌気処理工程
61b 好気処理工程
61c 処理水混合工程
62 固液分離工程
70 循環汚泥ライン
80 返送汚泥ライン