(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シールド構造は、前記第1の導電型のシールド領域と、前記第1の導電型の接続領域とを含み、前記接続領域は、前記シールド領域と前記第1の面との間に配置され、前記シールド領域のドーピング濃度プロファイルは、前記SiC半導体本体において前記トレンチ下部よりも深くに位置する前記垂直方向に沿ったピークを有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
前記トレンチ下部の前記第1のセクションと、前記シールド領域の前記ピークとの間の垂直距離は、200nm〜800nmの範囲である、請求項2に記載の半導体デバイス。
前記トレンチ下部の前記第2のセクションは、前記SiC半導体本体において前記トレンチ下部の前記第1のセクションよりも深くに配置される、請求項1から3の何れか一項に記載の半導体デバイス。
前記ゲート電極の下部の第2のセクションは、前記SiC半導体本体において、前記垂直方向に沿って前記ゲート電極の前記下部の第1のセクションよりも深くに配置される、請求項1から5の何れか一項に記載の半導体デバイス。
前記ソース領域の前記第1の部分の前記下部と、前記ソース領域の前記第2の部分の前記下部との間の垂直距離は、前記トレンチ下部の前記第1のセクションと、前記トレンチ下部の前記第2のセクションとの間の垂直距離に対応する、請求項1に記載の半導体デバイス。
前記トレンチ下部に隣接する前記ゲート誘電体の第1のパートの厚さは、前記第1及び第2の側壁に隣接する前記ゲート誘電体の第2のパートの厚さよりも大きい、請求項1から9の何れか一項に記載の半導体デバイス。
前記第2の導電型の電流拡散ゾーンと、前記第2の導電型のドリフトゾーンとをさらに含み、前記電流拡散ゾーンは、前記本体領域と前記ドリフトゾーンとの間に配置され、且つ前記電流拡散ゾーンは、前記本体領域及び前記シールド構造に隣接し、及び前記電流拡散ゾーンの平均正味ドーピング濃度は、前記ドリフトゾーンの平均正味ドーピング濃度よりも大きい、請求項1から10の何れか一項に記載の半導体デバイス。
電気的に並列に接続された複数のトランジスタセルをさらに含み、前記複数のトランジスタセルのそれぞれの1つは、前記トレンチ、前記ゲート誘電体、前記ゲート電極、及び前記シールド構造を含む、請求項1から12の何れか一項に記載の半導体デバイス。
前記シールド構造を形成することは、1MeV〜6MeVの範囲のイオン注入エネルギーでの少なくとも1回のイオン注入により、前記第1の導電型のドーパントを前記SiC半導体本体内に導入することを含む、請求項14から16の何れか一項に記載の方法。
前記シールド構造を形成することは、前記第1の導電型のシールド領域を形成することと、前記第1の導電型の接続領域を形成することとを含み、前記接続領域は、前記シールド領域と前記第1の面との間に配置され、前記第1の面と直角な垂直方向に沿った前記シールド領域のドーピング濃度プロファイルは、ピークを有するように設定され、及び前記ピークは、前記SiC半導体本体において前記第2のトレンチの前記トレンチ下部よりも深くに設定される、請求項14から17の何れか一項に記載の方法。
前記SiC半導体本体内に第2のトレンチを形成する前にソース領域を形成することと、前記第2のトレンチの第1及び第2の側壁と前記トレンチ下部とにゲート誘電体でライニングを施すことと、前記第2のトレンチ内にゲート電極を形成することとをさらに含む、請求項14から19の何れか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、且つ本開示を実施することができる特定の実施形態の図示として示される添付の図面が参照される。他の実施形態を利用することができ、及び本発明の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的変更形態がなされ得ることが理解される。例えば、ある実施形態に関して図示又は記載される特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、他の実施形態に対して又は他の実施形態と併せて使用することができる。本開示は、そのような変更形態及び変形形態を含むことが意図されている。例は、添付の請求項の範囲を限定するものと解釈されない特定の言語を用いて記載される。図面は、一定の縮尺ではなく、単なる例示目的のものである。明瞭さのために、別段の言明のない限り、異なる図面における同じ要素は、同様の参照符号で示されている。
【0009】
「有する」、「含有する」、「包含する」、「含む」などの用語は、非限定的であり、これらの用語は、記載された構造、要素又は特徴の存在を示すが、追加の要素又は特徴の存在を除外しない。冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、単数だけでなく複数も含むことが意図される。
【0010】
「電気的に接続された」という用語は、電気接続された要素間の永続的な低オーミック接続(例えば、関連する要素間の直接的接触又は金属及び/若しくは高濃度にドープされた半導体を介した低オーミック接続)を表す。「電気結合された」という用語は、信号伝送に適した1つ又は複数の介在要素が、電気結合された要素(例えば、低オーミック接続を第1の状態で、且つ高オーミック電気減結合を第2の状態で一時的に提供する要素)間に存在し得ることを含む。
【0011】
図面は、ドーピングの型「n」又は「p」の隣に「−」又は「+」を示すことにより、相対ドーピング濃度を示す。例えば、「n
−」は、「n」ドーピング領域のドーピング濃度よりも低いドーピング濃度を意味し、「n
+」ドーピング領域は、「n」ドーピング領域よりも高いドーピング濃度を有する。同じ相対ドーピング濃度のドーピング領域が必ずしも同じ絶対ドーピング濃度を有するとは限らない。例えば、2つの異なる「n」ドーピング領域が同じ又は異なる絶対ドーピング濃度を有し得る。
【0012】
本明細書に使用される「水平」という用語は、半導体基板又は本体の第1の面又は主面と実質的に平行な配向を表すことを意図する。これは、例えば、ウエハ又はダイの面であり得る。
【0013】
本明細書に使用される「垂直」という用語は、実質的に第1の面と直角に、すなわち半導体基板又は本体の第1の面の法線方向と平行に配置された配向を表すことを意図する。
【0014】
本明細書では、半導体基板又は半導体本体の第2の面は、下側面又は裏側面によって形成されると見なされ、第1の面は、半導体基板の上面、前面、又は主面によって形成されると見なされる。従って、本明細書に使用される「上」及び「下」という用語は、ある構造的特徴の別の構造的特徴に対する相対的位置を表す。
【0015】
本明細書では、pドープは、第1の導電型と呼ばれ、nドープは、第2の導電型と呼ばれる。代替的に、半導体デバイスは、第1の導電型がnドープとなり、及び第2の導電型がpドープとなり得るように逆のドーピング関係を有して形成され得る。
【0016】
図1は、半導体デバイス1000を示すためのSiC半導体本体100の一部の概略断面図である。
【0017】
トレンチ102は、第1の面104からSiC半導体本体100内に延在する。トレンチは、第1の側壁106と、第1の側壁106に対向する第2の側壁108と、トレンチ下部110とを有する。電極112は、トレンチ102内に配置され、且つトレンチ誘電体114によって半導体本体100から電気的に絶縁される。1つのみの電極112をトレンチ102内に配置することが可能である。電極112は、ゲート電極であり得、及びトレンチ誘電体114は、ゲート誘電体であり得る。
【0018】
第1の導電型の本体領域118が第1の側壁106に隣接する。第1の導電型のシールド構造120が第2の側壁108及びトレンチ下部110の少なくとも一部に隣接する。第1の面104から、第1の面104に対向するSiC半導体本体100の第2の面122へと延在する垂直方向yに沿って、トレンチ下部110の第1のセクション1101及びトレンチ下部110の第2のセクション1102が垂直オフセット(高さ又は距離)hだけ互いにずれている。垂直オフセットhは、例えば10nm〜100nmの範囲であり得る。
【0019】
シールド構造120は、例えば、第1のセクション1101と第1の側壁106との間の遷移に位置するトレンチ角部において、トレンチ誘電体114の電界強度を制限することにより、ブロッキング状況下で半導体デバイス1000の所望の信頼性の達成を可能にすることができる。最大電界強度がトレンチ下部110の下のシールド構造120の部分に位置し得るため、シールド構造120の深さの延長は、トレンチ角部における電界強度の減少を可能にすることができ、それによってデバイスの信頼性が向上する。従って、トレンチ下部110の第1のセクション1101と、トレンチ下部110の第2のセクション1102との間の垂直オフセットhを設けることにより、第1の側壁106のトレンチ角部からシールド構造120内の最大電界強度の位置までの距離を増加させることができ、それにより、向上したデバイスの信頼性を可能にする。
【0020】
第2の導電型のソース領域121は、第1の側壁106に隣接する。
【0021】
1つ又は複数の実施形態では、半導体デバイス1000は、トランジスタセルを含み得、及びIGFET(絶縁ゲート電界効果トランジスタ)、例えば、例として金属ゲートを備えたFET、並びにドープされた半導体材料に基づくゲートを備えたFETに関する通常の意味におけるMOSFET(金属酸化物半導体FET)、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、又はMCD(MOS制御ダイオード)であり得る。
【0022】
1つ又は複数の実施形態では、SiC半導体本体100の材料は、2H−SiC(2HポリタイプのSiC)、6H−SiC、又は15R−SiCである。1つ又は複数のさらなる実施形態では、SiC半導体本体100の半導体材料は、4Hポリタイプの炭化ケイ素(4H−SiC)である。
【0023】
第1の側壁106は、第1の面104に対して垂直であり得、又は第1の面104までの距離が増加するにつれてテーパー状になり得る。1つ又は複数の実施形態では、第1の側壁106の側壁面は、高電荷担体移動度を提供する主結晶面、例えば(11−20)結晶面によって形成される。
【0024】
電極112は、ゲート電極であり得、且つ高濃度にドープされた多結晶シリコン材料及び/若しくは金属含有材料を含み得、又は高濃度にドープされた多結晶シリコン材料及び/若しくは金属含有材料から構成され得る。
【0025】
1つ又は複数の実施形態では、トレンチ下部110の第2のセクション1102は、SiC半導体本体100においてトレンチ下部110の第1のセクション1101よりも深くに配置される。従って、トレンチ下部110の第1のセクション1101と、第1の面104における基準面との間の垂直距離は、トレンチ下部110の第2のセクション1102と基準面との間の垂直距離よりも小さい。
【0026】
1つ又は複数の実施形態では、電極112の下部の第2のセクション1122は、SiC半導体本体100において、垂直方向yに沿って電極112の下部の第1のセクション1121よりも深くに配置される。従って、電極112の下部の第1のセクション1121と、電極112の下部の第2のセクション1122とは、例えば、トレンチ下部110の第1のセクション1101と、トレンチ下部110の第2のセクション1102との間の垂直オフセットhに対応する垂直オフセットだけ互いにずれている。
【0027】
図2に示される概略断面図を参照すると、1つ又は複数の実施形態では、シールド構造120は、第1の導電型のシールド領域1201と、第1の導電型の接続領域1202とを含む。接続領域1202は、シールド領域1201と第1の面104との間に配置される。シールド構造120のドーピング濃度プロファイル(
図2の右側の例示的図示を参照されたい)は、SiC半導体本体100においてトレンチ下部110よりも深くに位置する垂直方向yに沿ったピークPを有する。
【0028】
1つ又は複数の実施形態では、トレンチ下部110の第1のセクション1101と、シールド領域のピークPとの間の垂直距離dv1は、例えば、200nm〜800nm、又は300nm〜500nmの範囲である。
【0029】
図3に示された概略断面図を参照すると、1つ又は複数の実施形態では、ソース領域121の第1の部分1211は、トレンチ102の第1の側壁106と、ソース領域121の第2の部分1212との間に配置され、及び第2の部分1212の下部は、SiC半導体本体100において、垂直方向yに沿って第1の部分1211の下部よりも深くに配置される。ソース領域121の第1の部分1211の下部と、ソース領域121の第2の部分1212の下部との間の垂直距離dv2は、垂直オフセットhに対応し得る。
【0030】
図1〜3に示される実施形態では、シールド構造120は、第1の面104において第2の側壁108に隣接する。
図1〜3に示される実施形態では、シールド構造120は、第1の面104にさらに隣接する。従って、ソース領域121は、第2の側壁108に存在せず、及び電極112における電圧を変更することにより、第1の側壁106においてチャネル伝導度がオン及びオフに切り替えられるのみでよい。
【0031】
図4の概略断面図を参照すると、半導体デバイス1000は、第2の側壁108及び第1の面104に隣接する第2の導電型の領域124をさらに含む。主結晶面に対する異なる配向により、第2の側壁108上に形成されるトレンチ誘電体114の一部の半導体界面は、2つの側壁に沿って形成される反転チャネルの閾値電圧及び電荷担体移動度が異なるように、第1の側壁106上に形成されるトレンチ誘電体114の一部よりも多くの電荷担体の界面状態を含有し得る。閾値電圧の狭い規格値を可能にするために、ソース領域121は、一般的に、主結晶面(例えば、(11−20)結晶面)である第1の側壁106に沿ってのみ形成され、主結晶面に対して傾斜した第2の側壁108に沿った反転チャネルの形成は、一般的に、第2の側壁108に沿ったソース領域の形成を省くことによって抑制される。加えて、第1の側壁106に沿ってのみソース領域121を形成することは、本体領域118に対する接触構造と、FETにおけるドレイン電位に対して又はIGBTにおけるコレクタ電位に対してトレンチ誘電体114をシールドする他の構造とに関するオーバレイ許容範囲を緩和することができる。
【0032】
一方、少なくとも第2の側壁108の一部にも沿った全体にもかかわらず、第2の導電型の領域124を形成することは、他のデバイスパラメータへの悪影響なしにゲート−ソース間静電容量Cgsを増加させることを可能にする。
【0033】
図5の概略断面図を参照すると、トレンチ下部110に隣接するトレンチ誘電体114の第1のパートの第1の厚さt1は、第1の側壁106に隣接するトレンチ誘電体114の第2のパートの第2の厚さt2よりも大きい。第1の厚さt1は、厚さt2よりも少なくとも1.1、1.5、2、若しくは3倍、又はさらに3を超える倍数で大きいことができる。1つ又は複数の実施形態では、第2の厚さt2は、少なくとも40nm、少なくとも60nm、少なくとも80nm、又はさらに80nmよりも大きい。第1の側壁106における厚さと比較して、トレンチ下部110におけるトレンチ誘電体114の厚さを増加させることは、第1の側壁106におけるトレンチ誘電体114に関連したデバイスパラメータ(例えば、閾値電圧)、及びトレンチ下部110におけるトレンチ誘電体114に関連したデバイスパラメータ(例えば、第1の側壁106におけるトレンチ下部110の角部によって生じるデバイスの信頼性に対する影響)の独立調整を可能にする。
【0034】
図6の概略断面図を参照すると、1つ又は複数の実施形態では、トレンチ誘電体114とSiC半導体本体100との間の界面は、トレンチ下部110の第1のセクション1101と、第1の側壁106との間の遷移において丸味を帯びる。1つ又は複数の実施形態では、曲率半径Rは、第1の側壁106に隣接するトレンチ誘電体114の厚さtの少なくとも2倍であり、すなわち、R>2×tの関係が成立する。トレンチ角部を丸くすることは、トレンチ102を形成する際のプロセス技術によって生じ得る欠点の抑制又は減少を可能にすることができる。このような欠点の一例は、例えば、漏れ電流の増加及び/又は絶縁破壊によりデバイスの信頼性を低下させ得るテーパーの精度に関するエッチングプロセスの許容範囲による、角部におけるトレンチ誘電体の厚さの減少となり得る。1つ又は複数の実施形態では、曲率半径は、例えば第1及び第2の側壁106、108の異なるテーパー角により、トレンチの両角部間で異なり得る。
【0035】
図7の概略断面図を参照すると、1つ又は複数の実施形態では、半導体デバイス1000は、第2の導電型の電流拡散ゾーン126と、第2の導電型のドリフトゾーン128とをさらに含む。電流拡散ゾーン126は、本体領域118とドリフトゾーン128との間に配置される。電流拡散ゾーン126は、本体領域118及びシールド構造120に隣接し、及び電流拡散ゾーン126の平均正味ドーピング濃度は、ドリフトゾーン128の平均正味ドーピング濃度よりも大きい。1つ又は複数の実施形態では、ドリフトゾーン128の平均正味ドーピング濃度は、1つ又は複数のフィールド停止ゾーン又は第2の面122における接触に対する接触特性を向上させるための高濃度にドープされた接触ゾーンを除き、10
15cm
−3〜5×10
16cm
−3の範囲内である。1つ又は複数の実施形態では、電流拡散ゾーン126の平均正味ドーピング濃度は、ドリフトゾーン128の平均正味ドーピング濃度よりも少なくとも1桁又は2桁以上大きい。これは、例えば半導体デバイス1000のオン抵抗の低減に関して有益である、ドリフトゾーン128とチャネル領域との間の向上した電気相互接続を可能にすることができる。
【0036】
図8A及び8Bの概略上面図及び断面図を参照すると、半導体デバイス1000は、並列に電気的に接続されたトランジスタセルTCを含む。
図8A、8Bに例示的設計で図示されるが、トランジスタセルのそれぞれの1つは、例えば
図1〜7を参照して上記に示された実施形態の何れかに示されるようなトランジスタセルユニットの設計を有し得る。半導体デバイス1000は、IGFET(絶縁ゲート電界効果トランジスタ)、例えば、例として金属ゲートを備えたFET、及び半導体材料によるゲートを備えたFETに関する通常の意味におけるMOSFET(金属酸化物半導体FET)、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、又はMCD(MOS制御ダイオード)であり得、又はそれを含み得る。
【0037】
第1の面104は、同一平面上にある面セクションを含み得る。第1の面104は、主結晶面と一致し得、又は絶対値が少なくとも2°及び最大で12°(例えば、約4°)であり得る軸外角度αだけ主結晶面に対して傾斜し得る。
【0038】
図示された実施形態では、<0001>結晶軸は、軸外角度α>0だけ法線に対して傾斜しており、及び<11−20>結晶軸は、軸外角度αだけ水平平面に対して傾斜している。<1−100>結晶軸は、断面平面に直交する。
【0039】
1つ又は複数の実施形態では、第1の面104は、鋸歯状であり得、及び互いに対して変位し、且つ軸外角度αだけ水平平面に対して傾斜した平行な第1の面セクションと、第1の面セクションに対して傾斜し、且つ鋸歯状の第1の面104の断面ラインが鋸形ラインに近似するように第1の面セクションを接続する第2の面セクションとを含む。第1の面104は、単位セル面積当たり垂直オフセットだけ互いにずれている2つの面セクションも含み得る。
【0040】
SiC半導体本体100の裏側では、第2の面122が第1の面104と平行に延在し得る。第1の面104と、第2の面122との間のSiC半導体本体100の全厚さは、数十μm〜数百μmの範囲内であり得る。第1の面104に対する法線は垂直方向yを規定し、及び第1の面104と平行な方向は水平方向である。
【0041】
ドリフトゾーン128は、第2の面122に直接隣接する高濃度にドープされた接触構造130と隣接し得る。
【0042】
高濃度にドープされた接触構造130は、SiC基板であり得るか又はSiC基板を含み得、及び第2の面122に直接隣接する第2の負荷電極132とオーミック接触を形成する。接触構造130における平均ドーパント濃度は、第2の負荷電極132とのオーミック接触を確実にするために十分に高く設定される。半導体デバイス1000がIGFETであるか又はIGFETを含む場合、接触構造130は、ドリフトゾーン128と同じ導電型を有する。半導体デバイス1000がIGBTである場合、接触構造130は、ドリフトゾーン128の相補導電型を有するか、又は両方の導電型のゾーンを含む。
【0043】
ドリフトゾーン128は、例えば、接触構造130上にエピタキシーによって成長される層に形成され得る。ドリフトゾーン128における平均正味ドーパント濃度は、例えば10
15cm
−3〜5×10
16cm
−3の範囲内であり得る。さらなるドープされた領域、例えば、フィールド停止ゾーン、ドリフトゾーン128の導電型のバリアゾーン、又はカウンタードープ領域がドリフトゾーン128と接触構造130との間に配置され得る。
【0044】
ドリフトゾーン128が接触構造130に直接隣接し得るか、又はドリフトゾーン128と単極ホモ接合を形成するバッファ層がドリフトゾーン128と接触構造130との間に配置され得、バッファ層の垂直延在部は、例えば、約1μm前後又は数μmであり得、及びバッファ層の平均ドーパント濃度は、例として、3×10
17cm
−3〜10
18cm
−3の範囲内であり得る。バッファ層は、SiC半導体本体100における機械的ストレスを緩和させ、及び/又は電界プロファイルの設定に貢献することができる。
【0045】
トランジスタセルTCは、SiC半導体本体100のメサ部分136が、隣り合うトレンチ構造134を分離するように、第1の面104から半導体本体100内に延在するトレンチ構造134に沿って形成される。
【0046】
第1の水平方向に沿ったトレンチ構造134の長手方向延在部は、第1の水平方向に直交する第2の水平方向に沿った横延在部よりも大きい。トレンチ構造134は、トランジスタセル領域の一方の側から反対側へと延在する長いストライプであり得、トレンチ構造134の長さは、例えば、最大数ミリメートルであり得る。他の実施形態によれば、複数の分離されたトレンチ構造134が、トランジスタセル領域の一方の側から反対側へと延在するラインに沿って形成され得、又はトレンチ構造134は、メサ部分136がグリッドのメッシュに形成されるグリッドを形成し得る。
【0047】
トレンチ構造134は、下部において、例えば
図6を参照して図示及び記載されたように丸味を帯び得る。
【0048】
トレンチ構造134は、等しく離間され得、等しい幅を有し得、及び規則的なパターンを形成し得、トレンチ構造134のピッチ(中心間距離)は、1μm〜10μm(例えば、2μm〜5μm)の範囲内であり得る。トレンチ構造134の垂直延在部は、0.3μm〜5μmの範囲内(例えば、0.5μm〜2μmの範囲内)であり得る。
【0049】
トレンチ構造134は、第1の面104に対して垂直であり得、又は第1の面104までの距離が増加するにつれてテーパー状になり得る。例えば、垂直方向に対するトレンチ構造134のテーパー角は、軸外角度に等しいことができ、又は2つの対向する長手方向側壁106、108の少なくとも第1の側壁106が、高い電荷担体移動度を提供する主結晶面(例えば、(11−20)結晶面)によって形成されるように、±1度以下だけ軸外角度から逸脱することができる。第1の側壁106に対向する第2の側壁108は、軸外角度αの2倍だけ、例えば4度以上だけ(例えば、約8度だけ)主結晶面に対して傾斜し得る。第1及び第2の側壁106、108は、中間メサ部分の長手方向両側にあり、及び2つの異なる隣り合うトレンチ構造134に直接隣接する。
【0050】
トレンチ構造134は、電極112、例えば、高濃度にドープされた多結晶シリコン層及び/又は金属含有層を含み得るか、又はそれから構成され得る導電ゲート電極を含む。電極112は、例えばエッジ終端エリアのある場所で互いに及びゲート端子Gに電気的に接続され得る。
【0051】
トレンチ構造134は、トレンチ誘電体114、例えば、トレンチ構造134の少なくとも一方の側に沿って、電極112をSiC半導体本体100から分離するゲート誘電体をさらに含む。トレンチ誘電体114は、半導体誘電体、例えば、熱成長若しくは堆積された半導体酸化物(例えば、酸化ケイ素)、半導体窒化物(例えば、堆積若しくは熱成長された窒化ケイ素)、半導体酸窒化物(例えば、酸窒化ケイ素)、他の堆積された誘電体材料、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るか、又はそれから構成され得る。トレンチ誘電体114は、例えば1.0V〜8Vの範囲内のトランジスタセルTCの閾値電圧のために形成され得る。
【0052】
トレンチ構造134は、電極112及びトレンチ誘電体114のみを含み得、又は電極112及びトレンチ誘電体114に加えてさらなる導電性及び/又は誘電体構造を含み得る。
【0053】
メサ部分136は、第1の面104に配向したソース領域121を含む。ソース領域121は、第1の面104に直接隣接し得、及びそれぞれのメサ部分136の第1の側壁106に直接隣接し得る。メサ部分136は、ソース領域121をドリフトゾーン128から分離する本体領域118をさらに含む。本体領域118は、ドリフトゾーン128と第1のpn接合pn1を形成し、及びソース領域121と第2のpn接合pn2を形成する。本体領域118は、第1の側壁106に直接隣接する。本体領域118の垂直延在部は、トランジスタセルTCのチャネル長さに対応し、及び例えば0.2μm〜1.5μmの範囲内であり得る。ソース領域121及び本体領域118は、共に前面側で第1の負荷電極138に電気的に接続される。
【0054】
第1の負荷電極138は、IGFETのソース端子S、MCDのアノード端子、又はIGBTのエミッタ端子であり得る第1の負荷端子を形成し得、又は第1の負荷端子に電気的に接続若しくは結合され得る。裏面の第2の負荷電極132は、IGFETのドレイン端子D、MCDのカソード端子、又はIGBTのコレクタ端子であり得る第2の負荷端子を形成し得、又は第2の負荷端子に電気的に接続若しくは結合され得る。
【0055】
シールド構造120は、本体領域118及び第2の側壁108を分離し得る。シールド構造120は、例えば
図1及び2を参照して記載及び図示されるように、1つ、2つ、又はそれよりも多いサブ領域を含み得る。シールド構造120の導電型の高濃度にドープされた接触領域が、シールド構造120と第1の面104における接触構造とのオーミック接触を向上させる又は可能にするために第1の面104に配置され得る。
【0056】
1つ又は複数の実施形態では、トランジスタセルTCは、pドープ本体領域118、nドープソース領域121及びnドープドリフトゾーン128を備えたnチャネルFETセルである。別の実施形態によれば、トランジスタセルTCは、nドープ本体領域118、pドープソース領域121及びpドープドリフトゾーン128を備えたpチャネルFETセルである。
【0057】
トレンチ誘電体114は、本体領域118の一部を電極112と容量結合する。電極112における電位が半導体デバイス1000の閾値電圧を上回るか又は下回る場合、電界は、本体領域118における少数電荷担体がトレンチ誘電体114に沿って反転チャネルを形成することを生じさせ、反転チャネルは、ソース領域121をドリフトゾーン128と接続し、それによって半導体デバイス1000をオンにする。オン状態では、負荷電流は、第1の負荷電極138と第2の負荷電極132との間の第1の側壁106にほぼ沿って、SiC半導体本体100中を流れる。それと同時に、シールド構造120におけるより高いドーパント濃度は、第2の側壁108に沿った反転チャネルの形成を抑制する。
【0058】
図9は、半導体デバイスを製造する方法2000を示す概略フローチャートである。
【0059】
方法2000は、一連の行為又は事象として図示及び以下に説明されるが、このような行為又は事象の図示された順序付けは、限定的な意味で解釈されるものではないことが認識されるであろう。例えば、一部の行為は、異なる順序で、且つ/又は本明細書に図示及び/若しくは記載されたものとは別の他の行為若しくは事象と同時に生じ得る。加えて、全ての図示された行為が、本明細書における開示の実施形態の1つ又は複数の態様の実施に必要とされるわけではない。また、本明細書に描かれた行為の1つ又は複数は、1つ又は複数の別の行為及び/又は段階で実行され得る。
図1A〜8Bを参照して上記で提供された情報が同様に当てはまる。
【0060】
図9を参照すると、プロセス特徴S100は、例えばパターニングされたハードマスクを用いたエッチングプロセスにより、第1の面からSiC半導体本体内に第1のトレンチを形成することを含む。第1のトレンチの深さは、例えば10nm〜100nmの範囲であるように設定され得る。
【0061】
プロセス特徴S110は、第1のトレンチの下部を通して、第1の導電型のドーパントをSiC半導体本体内に導入することにより、SiC半導体本体に第1の導電型のシールド構造を形成することを含む。ドーパントは、例えば1回又は複数回のイオン注入により、SiC半導体本体内に導入され得る。例えば1700℃〜1800℃の範囲の温度での熱処理によるドーパントの活性化が後に続き得る。
【0062】
プロセス特徴S120は、第1の面からSiC半導体本体内に第2のトレンチを形成することを含み、第2のトレンチは、SiC半導体本体内へと第1のトレンチよりも深く延在し、及び第1のトレンチと第2のトレンチとは、横方向に互いに一体化し、それにより、第2のトレンチのトレンチ下部の第2のセクションをSiC半導体本体において第2のトレンチのトレンチ下部の第1のセクションよりも深くに配置する。
【0063】
図10A〜10Iは、半導体デバイス、例えば
図1〜8Bに描かれた実施形態に示された半導体デバイス1000を製造する方法を示す概略断面図を指す。
【0064】
図10Aの概略断面図を参照すると、ハードマスク層140(例えば、酸化物層などの誘電体層)は、例えば堆積プロセスにより、SiC半導体本体100の第1の面104上に形成される。ハードマスク層140の厚さは、後の処理段階で後に続き得る高エネルギーイオン注入プロセスにおいてイオンを阻止するように選択され得る。1つ又は複数の実施形態では、マスク層の厚さは、例えば2μm〜10μmの範囲であり得る。
【0065】
図10Bの概略断面図を参照すると、レジストマスク層は、ハードマスク層140上に形成され、及びリソグラフィパターニングされ、それによってレジストマスク142を形成する。
【0066】
図10Cの概略断面図を参照すると、ハードマスク層140は、レジストマスク142を用いたエッチングプロセスにより、ハードマスク144へとパターニングされる。
【0067】
図10Dの概略断面図を参照すると、第1のトレンチ146は、例えばエッチングプロセスにより、第1の面104からSiC半導体本体100内に形成される。ハードマスク層140のパターニング及び第1のトレンチ146の形成は、例えば共通のエッチングプロセスにおいて実行され得る。第1のトレンチ146の深さd1は、例えば10nm〜100nmの範囲であるように設定され得る。
【0068】
図10Eの概略断面図を参照すると、シールド領域のドーパントは、例えば、ドーパントの種(例えば、p型ドーピングの場合、アルミニウム(Al)又はホウ素(B))に応じて1MeV〜6MeVの範囲のイオン注入エネルギーを設定することによる高エネルギーイオン注入プロセスにより、ハードマスク144の開口部を通して及び第1のトレンチ146の下部を通して、SiC半導体本体100内に導入される。
【0069】
図10Fの概略断面図を参照すると、さらなるドーパントは、マスクイオン注入プロセスによってSiC半導体本体100内に導入され、それにより、例えばソース領域121、本体領域118、及び接続領域1202を形成する。
図10Fに図示されないさらなる領域、例えば
図7に示される電流拡散ゾーン126が形成され得る。
【0070】
図10Gの概略断面図を参照すると、パターニングされたマスク148(例えば、
図10A及び10Bを参照して記載されたようなハードマスク、又はパターニングされたレジストマスク)は、第1の面104上に形成される。その後、第2のトレンチ150は、第1の面104からSiC半導体本体100内へと形成される。第2のトレンチ150は、SiC半導体本体100内へと第1のトレンチ146よりも深く延在する。第1のトレンチ146及び第2のトレンチ150は、横方向に互いに一体化し、それにより、第2のトレンチ150のトレンチ下部110の第2のセクション1102をSiC半導体本体100において第2のトレンチ150のトレンチ下部110の第1のセクション1101よりも深くに配置する。第2のトレンチ150は、例えば
図1〜8Bに示された実施形態を参照して記載されたトレンチ102に対応し得る。垂直方向yに対する第1の側壁106のテーパー角は、軸外角度に等しいことができ、又は第1の側壁106が、高い電荷担体移動度を提供する主結晶面(例えば、(11−20)結晶面)によって形成されるように、±1度以下だけ軸外角度から逸脱することができる。第1の側壁106に対向する第2の側壁108は、軸外角度αの2倍だけ、例えば4度以上だけ(例えば、約8度だけ)主結晶面に対して傾斜し得る。
【0071】
図10Hの概略断面図を参照すると、トレンチ下部と、側壁106、108との間の遷移における角部152は、例えば、水素(H
2)又はアルゴン(Ar)雰囲気などの非酸化及び非窒化雰囲気中の高温アニーリングプロセスによって丸味を帯びる。高温アニーリングプロセスは、1400℃〜1600℃の温度範囲において数分間(例えば、2〜20分の範囲内で)実行され得る。高温アニーリングプロセスは、第1の側壁106をさらに(11−20)結晶面とより近くアライメントさせることができる。
【0072】
図10Iの概略断面図を参照すると、トレンチ誘電体114は、例えば層堆積プロセス及び/又は熱酸化によって形成される。層堆積は、例えば熱酸化と比較して、結晶面のより少ない又はゼロの依存性という利点を提供することができる。トレンチ誘電体114の形成前に形成された任意選択の犠牲誘電体(例えば、犠牲酸化物)は、部分的又は完全に除去され得る。例として、犠牲誘電体の一部は、例えば角部152に残り得る。トレンチ誘電体114は、例えば
図5の実施形態に示されるように、異なる厚さを有するトレンチ誘電体部分を得るために、2回以上の層堆積プロセスによっても形成され得る。一例として、誘電体は、高密度プラズマ(HDP)プロセスによって形成され、その後、第1及び第2の側壁106、108から除去され得、それにより、第1及び第2の側壁106、108と比較してトレンチ下部110においてより大きい厚さを有するトレンチ誘電体114が生じる。電極112は、高濃度にドープされた半導体材料及び/又は金属の層堆積によって形成され得る。
【0073】
半導体デバイスを仕上げるために、さらなる公知のプロセスが続き得る。
【0074】
以下では、本明細書に記載される半導体デバイス及び/又は方法のさらなる実施形態が説明される。
【0075】
少なくとも1つの実施形態によれば、半導体デバイスは、第1の面からSiC半導体本体内に延在するトレンチであって、第1の側壁と、第1の側壁に対向する第2の側壁と、トレンチ下部とを有するトレンチを含む。半導体デバイスは、トレンチ内に配置され、且つゲート誘電体によってSiC半導体本体から電気的に絶縁されるゲート電極をさらに含む。この実施形態では、半導体デバイスは、第1の側壁に隣接する第1の導電型の本体領域と、第2の側壁及びトレンチ下部の少なくとも一部に隣接する第1の導電型のシールド構造とをさらに含む。第1の面から、第1の面に対向するSiC半導体本体の第2の面へと延在する垂直方向に沿って、トレンチ下部の第1のセクション及びトレンチ下部の第2のセクションは、垂直オフセットだけ互いにずれている。
【0076】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、シールド構造は、第1の導電型のシールド領域と、第1の導電型の接続領域とを含み、接続領域は、シールド領域と第1の面との間に配置され、シールド領域のドーピング濃度プロファイルは、SiC半導体本体においてトレンチ下部よりも深くに位置する垂直方向に沿ったピークを有する。
【0077】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、トレンチ下部の第1のセクションと、シールド領域のピークとの間の垂直距離は、200nm〜800nmの範囲である。
【0078】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、トレンチ下部の第2のセクションは、SiC半導体本体においてトレンチ下部の第1のセクションよりも深くに配置される。
【0079】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、垂直オフセットは、10nm〜100nmの範囲である。
【0080】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ゲート電極の下部の第2のセクションは、SiC半導体本体において、垂直方向に沿ってゲート電極の下部の第1のセクションよりも深くに配置される。
【0081】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体デバイスは、本体領域と第1の面との間に第2の導電型のソース領域を含む。ソース領域の第1の部分は、トレンチの第1の側壁と、ソース領域の第2の部分との間に配置され、及び第2の部分の下部は、SiC半導体本体において、垂直方向に沿って第1の部分の下部よりも深くに配置される。
【0082】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ソース領域の第1の部分の下部と、ソース領域の第2の部分の下部との間の垂直距離は、トレンチ下部の第1のセクションと、トレンチ下部の第2のセクションとの間の垂直距離に対応する。
【0083】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、シールド構造は、第1の面において第2の側壁に隣接する。
【0084】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体デバイスは、第2の側壁及び第1の面に隣接する第2の導電型の領域を含む。
【0085】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、トレンチ下部に隣接するゲート誘電体の第1のパートの厚さは、第1及び第2の側壁に隣接するゲート誘電体の第2のパートの厚さよりも大きい。
【0086】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体デバイスは、第2の導電型の電流拡散ゾーンと、第2の導電型のドリフトゾーンとを含む。電流拡散ゾーンは、本体領域とドリフトゾーンとの間に配置される。電流拡散ゾーンは、本体領域及びシールド構造に隣接し得る。電流拡散ゾーンの平均正味ドーピング濃度は、ドリフトゾーンの平均正味ドーピング濃度よりも大きいことができる。
【0087】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、SiC半導体本体は、4H−SiC半導体本体であり、及び第1の側壁の側壁面は、(11−20)である。
【0088】
半導体デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体デバイスは、電気的に並列に接続された複数のトランジスタセルを含む。複数のトランジスタセルのそれぞれ1つは、トレンチ、ゲート誘電体、ゲート電極、及びシールド構造を含む。
【0089】
少なくとも1つの実施形態によれば、半導体デバイスを製造する方法は、第1の面からSiC半導体本体内に第1のトレンチを形成するステップと、第1のトレンチの下部を通して、第1の導電型のドーパントをSiC半導体本体内に導入することにより、SiC半導体本体に第1の導電型のシールド構造を形成するステップと、第1の面からSiC半導体本体内に第2のトレンチを形成するステップとを含む。第2のトレンチは、SiC半導体本体内へと第1のトレンチよりも深く延在し、及び第1のトレンチと第2のトレンチとは、横方向に互いに一体化し、それにより、第2のトレンチのトレンチ下部の第2のセクションをSiC半導体本体において第2のトレンチのトレンチ下部の第1のセクションよりも深くに配置する。
【0090】
半導体デバイスを製造する方法の少なくとも1つの実施形態によれば、第1のトレンチを形成することは、パターニングされたハードマスクによって覆われたSiC半導体本体をエッチングすることを含む。
【0091】
半導体デバイスを製造する方法の少なくとも1つの実施形態によれば、第1のトレンチの深さは、10nm〜100nmの範囲であるように設定される。
【0092】
半導体デバイスを製造する方法の少なくとも1つの実施形態によれば、シールド構造を形成することは、1MeV〜6MeVの範囲のイオン注入エネルギーでの少なくとも1回のイオン注入により、第1の導電型のドーパントをSiC半導体本体内に導入することを含む。
【0093】
半導体デバイスを製造する方法の少なくとも1つの実施形態によれば、シールド構造を形成することは、第1の導電型のシールド領域を形成することと、第1の導電型の接続領域を形成することとを含み、接続領域は、シールド領域と第1の面との間に配置され、第1の面と直角な垂直方向に沿ったシールド領域のドーピング濃度プロファイルは、ピークを有するように設定され、及びピークは、SiC半導体本体において第2のトレンチのトレンチ下部よりも深くに設定される。
【0094】
半導体デバイスを製造する方法の少なくとも1つの実施形態によれば、トレンチ下部の第1のセクションと、シールド領域のピークとの間の垂直距離は、200nm〜800nmの範囲であるように設定される。
【0095】
半導体デバイスを製造する方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、SiC半導体本体内に第2のトレンチを形成する前にソース領域を形成することと、第2のトレンチの第1及び第2の側壁とトレンチ下部とにゲート誘電体でライニングを施すことと、第2のトレンチ内にゲート電極を形成することとを含む。
【0096】
本明細書に記載した方法は、本明細書に記載したような半導体デバイスの製造に使用することができる。すなわち、本方法との関連で開示された全ての特徴は、半導体デバイスに関しても開示することができ、その逆も同様である。
【0097】
本明細書に具体的な実施形態を図示及び記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく、図示及び記載された具体的な実施形態の代わりに様々な代替形態及び/又は均等な実装形態を代用し得ることを当業者は理解するであろう。本出願は、本明細書で説明した具体的な実施形態のあらゆる改変形態又は変形形態を包含することが意図される。従って、本発明は、請求項及びその均等物によってのみ限定されるものとする。