特許第6641116号(P6641116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星エスディアイ株式会社の特許一覧

特許6641116電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池
<>
  • 特許6641116-電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池 図000002
  • 特許6641116-電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池 図000003
  • 特許6641116-電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池 図000004
  • 特許6641116-電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池 図000005
  • 特許6641116-電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641116
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20200127BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20200127BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
   H01M10/04 W
   H01M2/06 A
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-153157(P2015-153157)
(22)【出願日】2015年8月3日
(65)【公開番号】特開2016-139596(P2016-139596A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2018年6月19日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0013814
(32)【優先日】2015年1月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】金 ユナ
(72)【発明者】
【氏名】尹 ▲壮▼浩
(72)【発明者】
【氏名】黄 山
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−118315(JP,A)
【文献】 特開2014−167890(JP,A)
【文献】 特開2008−226625(JP,A)
【文献】 特開2012−174411(JP,A)
【文献】 特開2011−081964(JP,A)
【文献】 特開2012−195132(JP,A)
【文献】 特開2002−157991(JP,A)
【文献】 特開2011−171079(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/095057(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 2/06
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極との間にセパレータを介在して巻き取られた電極アセンブリにおいて、
前記第1電極は、活物質がコーティングされた第1コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第1コーティング部の外側に突出した複数の第1電極タブ(T1〜Tn)とを含み、
前記第1電極を平面形態に広げた状態では、前記電極アセンブリの最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔(An−1)は、隣り合う他の第1電極タブ(T1〜Tn−1)同士の間隔(A1〜An−2)よりも大きく、
前記電極アセンブリの最も内側に配置された第1電極タブ(T1)から外側から2番目の前記第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ(T1〜Tn−1)同士の前記間隔(A1〜An−2)は、内側から外側に向かって漸次増大し、
前記電極アセンブリの最も内側に配置された前記第1電極タブ(T1)から外側から2番目の前記第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ(T1〜Tn−1)同士の前記間隔(A1〜An−2)は、公差を有する等差数列をなし、
広げられた状態における前記電極アセンブリの厚さをdとすると、前記公差は2πdであり、
前記電極アセンブリの最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔(An−1)と、外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)と外側から3番目の第1電極タブ(Tn−2)との間の間隔(An−2)との差は、前記公差よりも大きく形成されていることを特徴とする、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記第2電極は、活物質がコーティングされた第2コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第2コーティング部の外側に突出した複数の第2電極タブ(Y1〜Yn)とを含み、
前記第2電極を平面形態に広げた状態では、前記電極アセンブリの最も外側に配置された第2電極タブ(Yn)と外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)との間の間隔(Bn−1)は、隣り合う他の第2電極タブ(Y1〜Yn−1)同士の間隔(B1〜Bn−2)よりも大きくなっていることを特徴とする、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記電極アセンブリの最も内側に配置された第2電極タブ(Y1)から外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)までにおける隣り合う第2電極タブ(Y1〜Yn−1)同士の間隔(B1〜Bn−2)は、内側から外側に向かって漸次増大することを特徴とする、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
第1電極と第2電極との間にセパレータを介在して巻き取られた電極アセンブリと、
前記電極アセンブリが内蔵されるケースと、
前記ケースに結合されたキャッププレートとを含み、
前記第1電極は、活物質がコーティングされた第1コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第1コーティング部の外側に突出した複数の第1電極タブ(T1〜Tn)とを含み、
前記第1電極を平面形態に広げた状態では、前記電極アセンブリの最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔(An−1)は、隣り合う他の第1電極タブ(T1〜Tn−1)同士の間隔(A1〜An−2)よりも大きく、
前記電極アセンブリの最も内側に配置された第1電極タブ(T1)から外側から2番目の前記第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ(T1〜Tn−1)同士の前記間隔(A1〜An−2)は、内側から外側に向かって漸次増大し、
前記電極アセンブリの最も内側に配置された前記第1電極タブ(T1)から外側から2番目の前記第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ(T1〜Tn−1)同士の前記間隔(A1〜An−2)は、公差を有する等差数列をなし、
広げられた状態における前記電極アセンブリの厚さをdとすると、前記公差は2πdであり、
前記電極アセンブリの最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔(An−1)と、外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)と外側から3番目の第1電極タブ(Tn−2)との間の間隔(An−2)との差は、前記公差よりも大きく形成されていることを特徴とする、二次電池。
【請求項5】
前記第2電極は、活物質がコーティングされた第2コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第2コーティング部の外側に突出した複数の第2電極タブ(Y1〜Yn)とを含み、前記電極アセンブリの最も外側に配置された第2電極タブ(Yn)と外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)との間の間隔(Bn−1)は、隣り合う他の第2電極タブ(Y1〜Yn−1)同士の間隔(B1〜Bn−2)よりも大きくなっていることを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電極アセンブリの最も内側に配置された第2電極タブ(Y1)から外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)までにおける隣り合う第2電極タブ(Y1〜Yn−1)同士の間隔(B1〜Bn−2)は、内側から外側に向かって漸次増大することを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記キャッププレートには、前記第1電極と電気的に接続された第1端子が設けられ、前記第1端子には、柱形状からなり、前記第1端子に挿入された接続端子が設けられ、
前記第1端子は、第1集電部材を介して前記第1電極と電気的に接続され、前記第1集電部材は、前記接続端子に接合された上板と、前記上板から前記電極アセンブリに向けて折り曲げられ、前記第1電極タブに接合された電極付着部とを含むことを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記二次電池は、車両の始動用電池であることを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極アセンブリおよび二次電池に関するものであって、より詳細には、電極タブを有する電極アセンブリおよび二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電可能な電池である。低容量の二次電池は、携帯電話やノートパソコンおよびビデオカメラのように携帯が可能な小型電子機器に用いられ、大容量の電池は、ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として幅広く用いられている。
【0003】
最近、高エネルギー密度の非水電解液を用いた高出力二次電池が開発されており、前記高出力二次電池は、大電力を必要とする機器、例えば、電気自動車などのモータの駆動に使用できるように、複数の二次電池を直列に接続して大容量の二次電池として構成される。
【0004】
また、1つの大容量の二次電池は、通常、直列に接続される複数の二次電池からなり、二次電池は、円筒型と角型などからなってもよい。また、二次電池は、充電と放電を行う電極アセンブリを有するが、電極アセンブリは、正極と、負極と、正極と負極との間に介在したセパレータとを含む。電極アセンブリは、複数の正極板および負極板が積層された構造からなったり、帯形状の正極および負極が巻き取られた構造からなってもよい。
【0005】
正極、負極、およびセパレータを積層して巻き取る時、突出した電極タブを整列させることは極めて重要であり、このためには、巻取り終了地点と巻取り開始地点を正確に把握しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、容易に巻取り可能な電極アセンブリおよびこれを含む二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による電極アセンブリは、第1電極と第2電極との間にセパレータを介在して巻き取られて形成され、前記第1電極は、活物質がコーティングされた第1コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第1コーティング部の外側に突出した複数の第1電極タブとを含み、前記第1電極を平面形態に広げた状態では、最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔は、隣り合う他の第1電極タブ同士の間隔よりも大きくなっている。
【0008】
ここで、前記第1電極を平面形態に広げた状態では、最も内側に配置された第1電極タブ(T1)から外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ同士の間隔は、内側から外側に向かって漸次増大するように形成されてよい。
【0009】
また、第1電極タブ(T1)から外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ同士の間隔は、公差を有する等差数列をなし、前記最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔と、前の間隔との差は、前記公差よりも大きく形成されてよい。
【0010】
前記公差は2πdからなってよいし、ここで、dは広げられた状態における前記電極アセンブリの厚さである。また、前記第1電極を平面形態に広げた状態では、最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔は、隣り合う他の第1電極タブ同士の間隔のうちの最も大きい間隔の1.5倍〜4倍になってよい。
【0011】
前記第2電極は、活物質がコーティングされた第2コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第2コーティング部の外側に突出した複数の第2電極タブとを含み、前記第2電極を平面形態に広げた状態では、最も外側に配置された第2電極タブ(Yn)と外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)との間の間隔は、隣り明日他の第2電極タブ同士の間隔よりも大きくなってよい。
【0012】
また、前記第2電極を平面形態に広げた状態では、最も内側に配置された第2電極タブ(Y1)から外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)までにおける隣り合う第2電極タブ同士の間隔は、内側から外側に向かって漸次増大するように形成されてよい。
【0013】
本発明の他の側面による二次電池は、第1電極と第2電極との間にセパレータを介在して巻き取られた電極アセンブリと、前記電極アセンブリが内蔵されるケースと、前記ケースに結合されたキャッププレートとを含み、前記第1電極は、活物質がコーティングされた第1コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第1コーティング部の外側に突出した複数の第1電極タブとを含み、前記第1電極を平面形態に広げた状態では、最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔は、隣り合う他の第1電極タブ同士の間隔よりも大きくなっている。
【0014】
ここで、前記第1電極を平面形態に広げた状態では、最も内側に配置された第1電極タブ(T1)から外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ同士の間隔は、内側から外側に向かって漸次増大するように形成されてよい。
【0015】
また、第1電極タブ(T1)から外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)までにおける隣り合う第1電極タブ同士の間隔は、公差を有する等差数列をなし、前記最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔と、前の間隔との差は、公差よりも大きく形成されてよい。さらに、広げられた状態における前記電極アセンブリの厚さをdとする時、前記公差は2πdになってよい。
【0016】
また、前記第1電極を平面形態に広げた状態では、最も外側に配置された第1電極タブ(Tn)と外側から2番目の第1電極タブ(Tn−1)との間の間隔は、隣り合う他の第1電極タブ同士の間隔のうちの最も大きい間隔の1.5倍〜4倍になってよい。
【0017】
また、前記第2電極は、活物質がコーティングされた第2コーティング部と、活物質がコーティングされず、前記第2コーティング部の外側に突出した複数の第2電極タブとを含み、前記第2電極を平面形態に広げた状態では、最も外側に配置された第2電極タブ(Yn)と外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)との間の間隔は、隣り合う他の第2電極タブ同士の間隔よりも大きくなってよい。
【0018】
また、前記第2電極を平面形態に広げた状態では、最も内側に配置された第2電極タブ(Y1)から外側から2番目の第2電極タブ(Yn−1)までにおける隣り合う第2電極タブ同士の間隔は、内側から外側に向かって漸次増大するようになってよい。
【0019】
また、前記キャッププレートには、前記第1電極と電気的に接続された第1端子が設けられ、前記第1端子には、柱形状からなり、前記第1端子に挿入された接続端子が設けられ、前記第1端子は、第1集電部材を介して前記第1電極と電気的に接続され、前記第1集電部材は、前記接続端子に接合された上板と、前記上板から前記電極アセンブリに向けて折り曲げられ、前記第1電極タブに接合された電極付着部とを含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電極アセンブリにおいて、最も外側に配置された電極タブを用いて、電極アセンブリの巻取りが終了する地点を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
図2図1におけるII−II線断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池の一部を示す分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る正極を広げた平面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る負極を広げた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、種々の異なる形態で実現可能であり、以下に説明する実施形態に限定されない。そして、本明細書および図面において、同一の符号は同一の構成要素を表す。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池を示す斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【0024】
図1および図2を参照して説明すれば、本第1実施形態に係る二次電池101は、正極(第1電極)11と負極(第2電極)12との間にセパレータ13を介在して巻き取られた電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10が内蔵されるケース27と、ケース27の開口に結合されたキャップアセンブリ30とを含む。
【0025】
本一実施形態に係る二次電池101は、リチウムイオン二次電池であって角型のものを例として説明する。ただし、本発明がこれに制限されるわけではなく、本発明は、リチウムポリマー電池または円筒型電池など、多様な形態の電池に適用可能である。また、本実施形態に係る二次電池101は、高出力の角型電池であって、特に、車両の始動用電池になってよい。車両の始動用電池の場合、瞬間的な高出力が要求されるため、本第1実施形態のように、電極タブを上部に突出させる構造が有利である。しかし、電極タブを上部に突出させる構造の場合には、電極タブを正確に整列させることが非常に難しい。電極タブを正確に整列させるためには、巻取りを開始する地点と終了する地点を正確に確定してはじめて、電極タブがずれることなく正確に積層可能になる。
【0026】
ケース27は、略直方体からなり、一面には開放された開口が形成される。ケース27は、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属からなってもよい。
【0027】
キャップアセンブリ30は、ケース27の開口を覆うキャッププレート31と、キャッププレート31の外側に突出し、正極11と電気的に接続された第1端子21と、キャッププレート31の外側に突出し、負極12と電気的に接続された第2端子22とを含む。
【0028】
キャッププレート31は、一方向に延びた細長い板形状からなり、ケース27の開口に結合される。キャッププレート31には、電解液注入口32に設けられた密封キャップ38と、ベントホール34に設けられ、設定された圧力で開放できるように切欠39aが形成されたベントプレート39とが設けられる。第1端子21および第2端子22は、キャッププレート31の上部に突出するように設けられる。
【0029】
第1端子21は、第1集電部材41を介して正極11と電気的に接続され、第2端子22は、第2集電部材42を介して負極12と電気的に接続される。ただし、本発明がこれに制限されるわけではなく、第1端子21が負極と電気的に接続され、第2端子22が正極と電気的に接続されてもよい。
【0030】
第1端子21は、長方形の板形状からなる。第1端子21は、第1集電部材41に接合された接続端子25を介して正極11と電気的に接続される。接続端子25は、柱形状からなり、接続端子25の上端は、第1端子21に挿入された状態で、溶接で第1端子21に固定される。また、接続端子25の上端は、第1集電部材41に溶接で固定され、第1集電部材41は、接続端子25と正極11とを電気的に接続する。
【0031】
第1端子21とキャッププレート31との間には、密封のためのシーリングガスケット59が端子の貫通するホールに挿設され、キャッププレート31の下には、第1集電部材41を支持する下部絶縁部材43が設けられる。
【0032】
第1端子21の下部には、第1端子21とキャッププレート31とを電気的に接続する接続部材58が設けられる。これによって、キャッププレート31とケース27は、正極に帯電する。
【0033】
第2端子22は、長方形の板形状からなる。第2端子22は、第2集電部材42に接合された接続端子26を介して負極12と電気的に接続される。接続端子26は、キャッププレート31および第2端子22を貫通して、上端が第2端子22に固定される。
【0034】
接続端子26は、柱形状からなり、接続端子26の上端は、第2端子22に挿入された状態で、溶接で第2端子22に固定される。また、接続端子26の上端は、第2集電部材42に溶接で固定され、第2集電部材42は、接続端子26と負極12とを電気的に接続する。
【0035】
第2端子22とキャッププレート31との間には、密封のためのシーリングガスケット55が端子の貫通するホールに挿設され、キャッププレート31の下には、第2端子22および第2集電部材42をキャッププレート31で絶縁する下部絶縁部材45が設けられる。
【0036】
一方、第2端子22の下部には、短絡ホール37に向けて突出した短絡突起が形成される。第2端子22は、短絡ホール37を覆うように一方向に長く延びて形成される。第2端子22とキャッププレート31との間には、第2端子22とキャッププレート31とを電気的に絶縁する上部絶縁部材54が設けられる。
【0037】
キャップアセンブリ30は、正極11と負極12とを短絡させる短絡部材56を含むが、短絡部材56は、キャッププレート31と電気的に接続され、二次電池101の内部圧力が上昇する時、変形して第2端子22に接続される。
【0038】
キャッププレート31には短絡ホール37が形成され、短絡部材56は、短絡ホール37において上部絶縁部材54とキャッププレート31との間に配置される。また、短絡ホール37の上部には、第2端子22が短絡ホール37を覆うように配置される。短絡部材56は、下へ膨らんで弧状に屈曲した湾曲部と、湾曲部の外側に形成され、キャッププレート31に固定された縁部とを含む。
【0039】
二次電池の内部で異常反応によりガスが発生すると、二次電池の内部圧力が上昇する。二次電池の内部圧力が予め設定された圧力より高くなると、湾曲部が上部に膨らむように変形し、この時、短絡突起と短絡部材56とが当接して短絡を誘発する。
【0040】
図3は、本発明の第1実施形態に係る二次電池の一部を示す分解斜視図である。
【0041】
図2および図3を参照して説明すれば、電極アセンブリ10は、帯形状の正極11と、負極12と、正極11と負極12との間に配置されたセパレータ13とを含み、巻き取られた構造からなる。電極アセンブリ10は、正極11と負極12との間にセパレータ13を介在した状態で、巻回軸X1を中心に巻き取られた後、平らに加圧される。電極アセンブリ10は、1つの正極11と、1つの負極12と、2つのセパレータ13とを有する。
【0042】
正極11は、正極集電体と、正極集電体に塗布された正極活物質層とを含むが、正極集電体は、アルミニウムなどの金属薄板からなってもよく、正極活物質層は、リチウム系酸化物からなってもよい。負極12は、負極集電体と、負極集電体に塗布された負極活物質層とを含むが、負極集電体は、銅などの金属薄板からなってもよく、負極活物質層は、炭素系活物質からなってもよい。セパレータ13は、多孔性薄膜からなるが、ポリオレフィン系樹脂からなってもよい。
【0043】
電極アセンブリ10の上端には、キャッププレートに向けて突出した第1無地部11aおよび第2無地部12aが形成される。第1無地部11aおよび第2無地部12aは、電極アセンブリ10の幅方向に離隔配置される。
【0044】
第1集電部材41は、接続端子25に接合された上板41aと、上板41aから電極アセンブリ10に向けて折り曲げられ、第1無地部11aに接合された電極付着部41bとを含む。電極付着部41bは、上板41aの幅方向端部から電極アセンブリ10と平行に折り曲げられる。
【0045】
上板41aは、四角形の板形状からなり、接続端子25の下部に溶接で固定される。上板41aには結合ホール41eが形成され、この結合ホール41eに接続端子25の下部に形成された突起が挿入された状態で、接続端子25と上板41aとが溶接される。
【0046】
上板41aには、周辺より小さい断面積を有するヒューズ41cが形成される。ヒューズ41cにはヒューズホール41dが形成され、ヒューズ41cは、周辺より小さい縦断面積を有する。ヒューズホール41dはヒューズ41cの中央に位置し、ヒューズホール41dの両側端にヒューズ41cが形成されている。
【0047】
第2集電部材42は、接続端子26に接合された上板42aと、上板42aから電極アセンブリ10に向けて折り曲げられ、第2無地部12aに直接接合された電極付着部42bとを含む。電極付着部42bは、上板42aの幅方向端部から電極アセンブリ10と平行に折り曲げられる。
【0048】
上板42aは、四角形の板形状からなり、接続端子26の下部に溶接で固定される。上板42aには結合ホール42eが形成され、この結合ホール42eに接続端子26の下部に形成された突起が挿入された状態で、接続端子26と上板42aとが溶接される。
【0049】
上板42aには、周辺より小さい断面積を有するヒューズ42cが形成される。ヒューズ42cにはヒューズホール42dが形成され、ヒューズ42cは、周辺より小さい縦断面積を有する。ヒューズホール42dはヒューズ42cの中央に位置し、ヒューズホール42dの両側端にヒューズ42cが形成されている。
【0050】
正極11は、正極活物質層が形成された第1コーティング部11bと、正極活物質層が形成されない第1無地部11aとを含むが、第1無地部11aは、積層された第1電極タブからなる。また、負極12は、負極活物質層が形成された第2コーティング部12bと、負極活物質層が形成されない第2無地部12aとを含むが、第2無地部12aは、積層された第2電極タブからなる。
【0051】
図4は、本発明の第1実施形態に係る正極を広げた平面図である。
【0052】
図4を参照して説明すれば、正極11には複数の第1電極タブT1〜Tnが形成され、第1電極タブT1〜Tnは、第1コーティング部11bから上部に突出する。
【0053】
複数の第1電極タブT1〜Tnが正極11の長さ方向に沿って離隔配置されるが、第1電極タブT1〜Tnの間の間隔A1〜An−1は、正極11の内側先端から外側へいくほど次第に増加する。本記載において、第1電極タブT1〜Tnの間隔A1〜An−1とは、正極11を広げた時、正極11の長さ方向に離隔した間隔であって、互いに隣接する第1電極タブT1〜Tnの中心の間の距離を意味する。
【0054】
これによって、内側から1番目の第1電極タブT1と2番目の第1電極タブT2との間の間隔A1は、2番目の第1電極タブT2と3番目の第1電極タブT3との間の間隔A2よりも小さく形成される。
【0055】
第1電極タブT1〜Tn−1は、その間隔が公差を有する等差数列をなすように配置される。ただし、正極11を平面形態に広げた状態では、最も内側に配置された第1電極タブT1から外側から2番目の第1電極タブTn−1までにおける隣り合う第1電極タブ同士の間隔は、等差数列をなすように配置されるが、最も外側に配置された第1電極タブTnと外側から2番目の第1電極タブTn−1との間の間隔は、等差数列をなさない。最も外側に配置された第1電極タブTnと外側から2番目の第1電極タブTn−1との間の間隔An−1と、前の間隔An−2との差は、公差よりも大きく形成される。
【0056】
外側から2番目に配置された第1電極タブTn−1までの範囲において、x番目の第1電極タブとその前の第1電極タブとの間の間隔は2π(r+(x−1)d)で表される。ここで、rは正極11のなす最も内側の円の半径であり、dは電極アセンブリ10の厚さである。
【0057】
ここで、電極アセンブリ10の厚さとは、巻き取られずに広げられた電極アセンブリ10の厚さを意味し、正極11、負極12、および2つのセパレータ13の厚さを合わせた値となる。これによって、前記等差数列の公差は2πdとなる。
【0058】
一方、最も外側に配置された第1電極タブTnと外側から2番目の第1電極タブTn−1との間の間隔An−1は、他の第1電極タブT1〜Tn−1の間の間隔A1〜An−2よりも大きく形成される。最も外側に配置された第1電極タブTnとその前に配置された第1電極タブTn−1との間の間隔は、他の第1電極タブT1〜Tn−1の間隔のうち最も大きい間隔の1.5倍〜4倍になってよい。
【0059】
本実施形態のように、最も外側に配置された第1電極タブTnの間隔がより大きく形成されると、巻取装置で最も外側に位置する第1電極タブTnを認識し、巻取りが終了する位置を正確に指定することができる。つまり、巻取装置は、フォトセンサなどを用いて第1電極タブT1〜Tnの間の間隔を測定することができ、間隔が急激に増加すると判断された場合、感知された第1電極タブTnを最も外側に位置するタブと認識し、これから巻取りが終了する位置を指定することができる。これによって、迅速に1つの電極アセンブリ10の巻取りを終了し、他の電極アセンブリ10の巻取りを正確な位置から開始することができる。
【0060】
図5は、本発明の第1実施形態に係る負極を広げた平面図である。
【0061】
図5を参照して説明すれば、負極12には複数の第2電極タブY1〜Ynが形成され、第2電極タブY1〜Ynは、第2コーティング部12bから上部に突出する。
【0062】
複数の第2電極タブY1〜Ynが負極12の長さ方向に沿って離隔配置されるが、第2電極タブY1〜Ynの間の間隔B1〜Bn−1は、負極12の内側先端から外側へいくほど次第に増加する。本記載において、第2電極タブY1〜Ynの間隔B1〜Bn−1とは、負極12を広げた時、負極12の長さ方向に離隔した間隔であって、互いに隣接する第2電極タブY1〜Ynの中心の間の距離を意味する。
【0063】
これによって、内側から1番目の第2電極タブY1と2番目の第2電極タブY2との間の間隔B1は、2番目の第2電極タブY2と3番目の第2電極タブY3との間の間隔B2よりも小さく形成される。
【0064】
第2電極タブY1〜Yn−1は、その間隔が公差を有する等差数列をなすように配置される。ただし、負極12を平面形態に広げた状態では、最も内側に配置された第2電極タブY1から外側から2番目の第2電極タブYn−1までにおける隣り合う第2電極タブ同士の間隔は、等差数列をなすように配置されるが、最も外側に配置された第2電極タブYnと外側から2番目の第2電極タブYn−1との間の間隔は、等差数列をなさない。最も外側に配置された第2電極タブYnと外側から2番目の第2電極タブYn−1との間の間隔Bn−1と、前の間隔Bn−2との差は、公差よりも大きく形成される。
【0065】
外側から2番目に配置された第2電極タブYn−1までの範囲において、x番目の第2電極タブとその前の第2電極タブとの間の間隔は2π(r+(x−1)d)で表される。ここで、rは負極12のなす最も内側の円の半径であり、dは電極アセンブリ10の厚さである。
【0066】
ここで、電極アセンブリ10の厚さとは、巻き取られずに広げられた電極アセンブリ10の厚さを意味し、正極11、負極12、および2つのセパレータ13の厚さを合わせた値となる。これによって、前記等差数列の公差は2πdとなる。
【0067】
一方、最も外側に配置された第2電極タブYnと外側から2番目の第2電極タブYn−1との間の間隔Bn−1は、他の第2電極タブY1〜Yn−1の間の間隔B1〜Bn−2よりも大きく形成される。最も外側に配置された第2電極タブYnとその前に配置された第2電極タブYn−1との間の間隔は、他の第2電極タブY1〜Yn−1の間隔のうち最も大きい間隔の1.5倍〜4倍になってよい。
【0068】
本実施形態のように、最も外側に配置された第2電極タブYnの間隔がより大きく形成されると、巻取装置で最も外側に位置する第2電極タブYnを認識し、巻取りが終了する位置を正確に検出することができる。つまり、巻取装置は、フォトセンサなどを用いて第2電極タブY1〜Ynの間の間隔を測定することができ、間隔が急激に増加すると判断された場合、感知された第2電極タブYnを最も外側に位置するタブと認識し、これから巻取りが終了する位置を指定することができる。これによって、迅速に1つの電極アセンブリ10の巻取りを終了し、他の電極アセンブリ10の巻取りを正確な位置から開始することができる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施可能である。
【符号の説明】
【0070】
101 : 二次電池
10 : 電極アセンブリ
11 : 正極
11a : 第1無地部
11b : 第1コーティング部
12 : 負極
12a : 第2無地部
12b : 第2コーティング部
13 : セパレータ
21 : 第1端子
22 : 第2端子
25、26 : 接続端子
27 : ケース
30 : キャップアセンブリ
31 : キャッププレート
32 : 電解液注入口
34 : ベントホール
37 : 短絡ホール
38 : 密封キャップ
39 : ベントプレート
41 : 第1集電部材
42 : 第2集電部材
41a、42a : 上板
41b、42b : 電極付着部
41c、42c : ヒューズ
41d、42d : ヒューズホール
41e、42e : 結合ホール
43、45 : 下部絶縁部材
54 : 上部絶縁部材
55、59 : シーリングガスケット
56 : 短絡部材
58 : 接続部材
図1
図2
図3
図4
図5