【実施例】
【0046】
続いて、本実施形態の白華抑制剤及び白華防止方法をより具体的にした実施例について説明する。
【0047】
(実施例1)
セメント組成物材料としては、水28質量部、セメント100質量部、細骨材360質量部、顔料10質量部からなるモルタル用材料を用意した。水としては上水道水、セメントとしては普通ポルトランドセメント、細骨材としては珪砂を用いた。添加材料としては、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤を添加した。添加材料は、セメント組成物中のセメント100質量部に対して、添加材料が2質量部となるように、セメント組成物に混合した。添加方法は、添加材料を溶解した水を加えた未硬化のセメント組成物をモルタルミキサを用いて混練後、型枠と振動機を用いて締固めることで、寸法φ75mm×30mmの実施例1の供試体を得た。締固め率は、白華が発生しやすいように82%とした。
【0048】
(実施例2)
セメント組成物中のセメント100質量部に対する、添加材料である亜硝酸カルシウムの質量比を3質量部及び水の質量比を27質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の供試体を得た。
【0049】
(比較例1)
添加材料を加えず、セメント100質量部に対する、水の質量比を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の供試体を得た。このため、表1中、添加材料種類を無添加とした。
【0050】
(比較例2)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、従来のシリコーン系の練りこみタイプの白華抑制剤に変更し、セメント100質量部に対する、従来の白華抑制剤の質量比を0.3質量部及び水の質量比を29.7質量部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、比較例2の供試体を得た。
【0051】
(比較例3)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、高炉スラグ微粉末に変更し、セメント100質量部に対する、添加材料の質量比を30質量部及び細骨材の質量比を334質量部に変更し、更に、添加材料は水に溶解させずに添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の供試体を得た。
【0052】
(比較例4)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、亜硝酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の供試体を得た。
【0053】
(比較例5)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、亜硝酸カリウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の供試体を得た。
【0054】
(比較例6)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、亜硝酸リチウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の供試体を得た。
【0055】
(比較例7)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、硝酸カルシウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の供試体を得た。
【0056】
(比較例8)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、硝酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の供試体を得た。
【0057】
(比較例9)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、硝酸カリウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例9の供試体を得た。
【0058】
(比較例10)
添加材料を、亜硝酸カルシウムからなる白華抑制剤の代わりに、硝酸リチウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例10の供試体を得た。
【0059】
(
比較例12)
セメント100質量部に対する、添加材料の質量比を0.5質量部及び水の質量比を29.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、
比較例12の供試体を得た。
【0060】
(
比較例13)
セメント100質量部に対する、添加材料の質量比を1質量部及び水の質量比を29質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、
比較例13の供試体を得た。
【0061】
(実施例5)
白華抑制剤として、亜硝酸カルシウム水溶液全量を100質量%として、亜硝酸カルシウムを20質量%含有するように、亜硝酸カルシウムを水に溶解させた、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液を用意した。セメント組成物材料としては、上水道水30質量部、普通ポルトランドセメント100質量部、珪砂360質量部、顔料10質量部からなるモルタル用材料を用意した。モルタル用材料を混練した未硬化のセメント組成物を即時脱型方式で成形し、脱型後、直ち(噴霧開始時間0分)に、成形されたセメント組成物の表面に霧吹きで、白華抑制剤の付着量が0.2kg/m
2になるように白華抑制剤を噴霧することで、実施例5の供試体を得た。
【0062】
(実施例6)
白華抑制剤としての20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量が0.3kg/m
2になるように噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で実施例6の供試体を得た。
【0063】
(実施例7)
白華抑制剤としての20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量が0.5kg/m
2になるように噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で実施例7の供試体を得た。
【0064】
(実施例8)
成形されたセメント組成物を脱型後、30分を経過した時に、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量が0.3kg/m
2になるように、白華抑制剤として20質量%亜硝酸カルシウム水溶液を噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で実施例8の供試体を得た。
【0065】
(実施例9)
成形されたセメント組成物を脱型後、60分を経過した時に、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量が0.3kg/m
2になるように、白華抑制剤として20質量%亜硝酸カルシウム水溶液を噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で実施例9の供試体を得た。
【0066】
(
比較例14)
白華抑制剤としての20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量を0.1kg/m
2となるように噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で
比較例14の供試体を得た。
【0067】
(
比較例15)
白華抑制剤としての20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量を1.0kg/m
2となるように噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で
比較例15の供試体を得た。
【0068】
(比較例11)
実施例5の成形されたセメント組成物であって、亜硝酸カルシウム水溶液が付着されていない(無付着)ものを比較例11の供試体とした。なお、この供試体には、亜硝酸カルシウム水溶液は付着されていないため、表3中、噴霧剤種類を無付着としている。
【0069】
(実施例12)
白華抑制剤としての20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の付着量を0.8kg/m
2となるように噴霧した以外は、実施例5と同様の手法で実施例12の供試体を得た。
【0070】
(
比較例16)
白華抑制剤を、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の代わりに、5質量%亜硝酸カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例6と同様にして、
比較例16の供試体を得た。5質量%亜硝酸カルシウム水溶液は、亜硝酸カルシウム水溶液全量を100質量%として、亜硝酸カルシウムを5質量%含有する。
【0071】
(実施例14)
白華抑制剤を、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の代わりに、10質量%亜硝酸カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例6と同様にして、実施例14の供試体を得た。以下、10質量%亜硝酸カルシウム水溶液は、亜硝酸カルシウム水溶液全量を100質量%として、亜硝酸カルシウムを10質量%含有する。
【0072】
(実施例15)
白華抑制剤を、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の代わりに、10質量%亜硝酸カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例7と同様にして、実施例15の供試体を得た。
【0073】
(実施例16)
白華抑制剤を、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の代わりに、30質量%亜硝酸カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例6と同様にして、実施例16の供試体を得た。以下、30質量%亜硝酸カルシウム水溶液は、亜硝酸カルシウム水溶液全量を100質量%として、亜硝酸カルシウムを30質量%含有する。
【0074】
(
比較例17)
白華抑制剤を、20質量%亜硝酸カルシウム水溶液の代わりに、30質量%亜硝酸カルシウム水溶液に変更した以外は、
比較例15と同様にして、
比較例17の供試体を得た。
【0075】
[白華試験1]
白華の発生し易い条件である温度5℃かつ湿度88%の恒温屋に7日間暴露した上記実施例1〜2の供試体と比較例1〜10の供試体を、目視観察することで、白華抑制効果を評価した。白華抑制効果は、白華の発生が全く認められない、又は、極微量である場合に、優れた効果あり「○」と評価し、上記以外を効果なし「×」と評価した。このように測定された白華抑制効果の評価結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
[白華試験2]
白華の発生し易い条件である温度5℃かつ湿度88%の恒温屋に7日間暴露した実施例1の供試体と比較例1,4〜10の供試体のうち、各供試体のうち大気中に暴露された白華の発生している面と、比較例1(無添加供試体)の供試体のうち、大気中に暴露されておらず、白華の発生していない面と、の色差ΔE*abを計測することで、添加材料種類による白華抑制効果の程度を測定した。なお、大気中に暴露されないと、乾燥や炭酸化が生じないため白華は発生しないことから、比較例1(無添加供試体)の供試体のうち、大気中に暴露されていない面を、白華の発生していない面として計測を行った。
【0078】
L*a*b*色差であるΔE*abは、色彩色差計により、L*,a*,b*を計測し、を数1に示す式により算出することで測定した。なお、ΔL*,Δa*,Δb*は、各供試体のうち大気中に暴露された白華の発生している面と比較例1(無添加供試体)の大気中に暴露されずに白華の発生していない面とのL*,a*,b*の差である。これにより測定された色差ΔE*abを表2に示す。なお、L*,a*,b*は、CIE1976(L*a*b*)表色系と呼ばれ、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
【0079】
【数1】
【0080】
【表2】
【0081】
表1において、比較例1〜10は、抑制効果の評価が「×」であるのに対して、表1の実施例1〜2は、抑制効果の評価が「○」であった。そして、表2に示すように、実施例1の色差ΔE*abは、比較例1〜10と比較して、格段に低いものであった。すなわち、上記白華試験1及び2の結果から、亜硝酸カルシウムは、セメント組成物の白華を強力に抑制するものであり、亜硝酸カルシウムは、セメント組成物用白華抑制剤として有効であることが見出された。
【0082】
なお、比較例3の結果から、高炉スラグ微粉末は、低温条件下で初期材齢に発生する一次白華に対する抑制効果が低いことが認められる。これは、低温条件下で、しかも初期材齢においては、期待される高炉微粉末と水酸化カルシウムとの反応が生じなかったことが推察される。また、比較例2を用いた実験から、従来のシリコーン系の練りこみタイプの白華抑制剤は、低温条件下の一次白華において、白華抑制効果にばらつきが生じやすいことが認められた。
【0083】
[白華試験3]
次に、実施例1
,2及び比較例1
,12,13の供試体を用いて、亜硝酸カルシウムを添加して混練する場合の亜硝酸カルシウムの添加量による白華抑制効果の変化を検証した。白華の発生し易い条件である温度5℃かつ湿度88%の恒温屋に7日間暴露した実施例1
,2、比較例12,13の供試体を目視観察することで、白華抑制効果を評価した。白華抑制効果は、白華の発生が全く認められない、又は、極微量である場合に、優れた効果あり「◎」と評価した。また、無添加との比較で白華が抑制されている場合に効果あり「○」、白華が多く生じる場合に「×」と評価した。評価結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
白華試験3の結果から、亜硝酸カルシウムを添加して混練する場合、亜硝酸カルシウムの添加量として、セメント組成物中のセメント100質量部に対して、亜硝酸カルシウムが0.5質量部以上3.0質量部以下となるように、亜硝酸カルシウムをセメント組成物に添加することにより、モルタルの白華を抑制できることが認められた。なお、亜硝酸カルシウムが1.0質量部を超えて、2.0質量部となるように亜硝酸カルシウムをセメント組成物に添加することにより、モルタルの白華をより効果的に抑制できることが明らかになった。従って、好ましくは、セメント組成物中のセメント100質量部に対して、亜硝酸カルシウムが1.5質量部以上となるように、亜硝酸カルシウムをセメント組成物に添加することで、モルタルの白華をより効果的に抑制できるものと考えられる。
【0086】
また、亜硝酸カルシウムが2.5質量部を超えると、フレッシュ状態のセメント組成物の粘性が増し、コンシステンシーの経時変化が増加し、材料コストも増加するから、セメント組成物中のセメント100質量部に対して、亜硝酸カルシウムが2.5質量部以下となるように、亜硝酸カルシウムをセメント組成物に添加することが好ましい。従って、亜硝酸カルシウムの添加量として、セメント組成物中のセメント100質量部に対して、亜硝酸カルシウムが1.5質量部以上2.5質量部以下となるように、亜硝酸カルシウムをセメント組成物に加えることが好ましい。
【0087】
[白華試験4]
実施例5〜9及び比較例11の供試体を用いて、亜硝酸カルシウム水溶液を成形されたセメント組成物の表面に付着させることによる、白華抑制効果の有無を検証した。白華の発生し易い条件である温度5℃かつ湿度88%の恒温屋に7日間暴露した上記実施例5〜9及び比較例11の供試体の白華の発生を目視観察することで、白華抑制効果を評価した。白華抑制効果は、白華が全く発生していないか、又は、極微量であるものを効果あり「○」、それ以外を効果なし「×」として、評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
このように、実施例5〜9の供試体は白華が発生していないか、極微量であるのに対して、比較例11の供試体には白華が多く発生していた。従って、亜硝酸カルシウム水溶液を成形されたセメント組成物の表面に付着させることは、白華抑制効果に有効であることが認められた。そして、成形後30分後及び60分後に、成形されたセメント組成物の表面に亜硝酸カルシウム水溶液を付着させることによっても、白華抑制効果があった。これにより、成形後、ある程度の時間が経過してから亜硝酸カルシウム水溶液を成形されたセメント組成物に施しても白華抑制効果が得られることが認められた。これは、セメント組成物内のセメントと水の水和反応が進行しすぎない段階で、亜硝酸カルシウム水溶液を施すことで、白華を効果的に抑制することができるものと考えられる。
【0090】
[白華試験5]
白華の発生し易い条件である温度5℃かつ湿度88%の恒温屋に7日間暴露した実施例5〜7
,12,14〜16及び比較例11
,14〜17の供試体を用いて、成形されたセメント組成物の表面に付着される亜硝酸カルシウム水溶液の濃度及び付着量によるセメント組成物の白華抑制効果を検証した。材齢7日目の供試体の白華の発生を目視観察することで、白華抑制効果を評価した。白華抑制効果は、白華が全く発生していないか、又は、極微量である場合を優れた効果あり「◎」と評価した。また、無付着との比較で白華が抑制されている場合に効果あり「○」、白華が多く生じる場合に「×」と評価した。評価結果を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】
白華試験5の結果、成形されたセメント組成物の表面への亜硝酸カルシウム水溶液の付着量を0.1kg/m
2以上1.0kg/m
2以下とすることで亜硝酸カルシウムによる白華抑制効果を得られることが認められる。好ましくは、成形されたセメント組成物の表面への亜硝酸カルシウム水溶液の付着量を0.2kg/m
2以上0.8kg/m
2以下とすることで、極めて高い白華抑制効果を得ることができると認められる。付着量が0.2kg/m
2に満たないと液むらが生じやすくなり、0.8kg/m
2を超えると、水溶液中の水による白華発生の影響が生じるために、亜硝酸カルシウムによる白華抑制効果が低下するものと考えられるからである。
【0093】
また、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの亜硝酸カルシウムの含有量を0.02kg/m
2以上0.30kg/m
2以下とすることで、亜硝酸カルシウムによる白華抑制効果を得られることが認められる。好ましくは、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの亜硝酸カルシウムの含有量が0.03kg/m
2以上0.16kg/m
2以下になるように、亜硝酸カルシウム水溶液を付着させることで、極めて高い白華抑制効果を得ることができることが認められる。
【0094】
また、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの水含有量を0.06kg/m
2以上0.80kg/m
2以下にすることで、亜硝酸カルシウムによる白華抑制効果が十分に認められる。好ましくは、0.16kg/m
2以上0.64kg/m
2以下にすることで、成形されたセメント組成物に円滑に付着させることができると共に、付着剤中の水による白華発生の影響をも低減することが可能となり、白華抑制効果をより一層高くすることができる。
【0095】
これらから、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの亜硝酸カルシウムの含有量が0.02kg/m
2以上、かつ、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの水含有量が0.80kg/m
2以下となるように、付着剤を付着させることが、より好ましいことが認められた。これにより、亜硝酸カルシウムによる白華抑制効果を得つつ、付着剤中の水による白華発生の影響を低減を防げるからである。また、更に好ましくは、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの亜硝酸カルシウムの含有量が0.03kg/m
2以上、かつ、成形されたセメント組成物の表面に付着された付着剤中の単位面積当たりの水含有量が0.64kg/m
2以下となるように、付着剤を付着してもよい。これによれば、亜硝酸カルシウムの高い白華抑制効果を得つつ、付着剤中の水による白華発生の影響を低減を防げるから、白華抑制効果を一層高くすることができる。
【0096】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。また、上記記載から、本発明の実施形態は、以下の通りであることが確認される。
【0097】
(1)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制剤は、亜硝酸カルシウムを含有する。
(2)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制剤は、上記亜硝酸カルシウムを含む亜硝酸カルシウム水溶液であって、上記亜硝酸カルシウム水溶液全量を100質量%として、上記亜硝酸カルシウムを5質量%以上30質量%以下含有する上記亜硝酸カルシウム水溶液である。
(3)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、セメント組成物に亜硝酸カルシウムを添加する工程を備える。
(4)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、上記(3)に記載のセメント組成物用白華抑制方法であって、上記亜硝酸カルシウムを添加する工程は、上記亜硝酸カルシウム含有物を添加した未硬化の上記セメント組成物を混練する工程を備える。
(5)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、上記(4)に記載のセメント組成物用白華抑制方法であって、上記セメント組成物はセメントを含み、上記亜硝酸カルシウム含有物を添加した未硬化の前記セメント組成物を混練する工程は、上記セメント100質量部に対して、上記亜硝酸カルシウムが0.5質量部以上3.0質量部以下になるように、上記セメント組成物に上記亜硝酸カルシウム含有物を添加することを含む。
(6)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、上記(3)に記載のセメント組成物用白華抑制方法であって、上記亜硝酸カルシウムを添加する工程は、上記セメント組成物の表面に亜硝酸カルシウム含有物を施す工程を備える。
(7)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、上記(6)に記載のセメント組成物用白華抑制方法であって、上記亜硝酸カルシウム含有物は、亜硝酸カルシウム水溶液であり、上記亜硝酸カルシウム含有物を施す工程は、上記亜硝酸カルシウム水溶液の付着量が0.1kg/m
2以上1.0g/m
2以下になるように、上記セメント組成物の表面に上記亜硝酸カルシウム水溶液を付着させる工程を備える。
(8)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、上記(6)又は(7)に記載のセメント組成物用白華抑制剤であって、上記亜硝酸カルシウム含有物は、亜硝酸カルシウム水溶液であり、上記亜硝酸カルシウム水溶液は、上記亜硝酸カルシウム水溶液全量を100質量%として、上記亜硝酸カルシウムを5質量%以上30質量%以下で含有する。
(9)本発明の実施形態に係るセメント組成物用白華抑制方法は、上記(3)から(8)のいずれかに記載のセメント組成物用白華抑制方法であって、上記亜硝酸カルシウムを添加する工程は、上記セメント組成物を即時脱型方式によって成形する成形工程を備える。
(10)本発明の実施形態に係るセメント製品は、セメントを含むセメント組成物に亜硝酸カルシウムが添加されたものである。