(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のリードと第2のリードとがギャップ部を介して配置された一対のリードと、前記ギャップ部のうちの前記第1のリード及び前記第2のリードの対向する2つの面に挟まれる部分の平面視における延長方向に沿って、前記第1のリードに連結した1つの吊り部及び前記第2のリードに連結した1つの吊り部と、前記ギャップ部に配置され、前記一対のリードを固定する樹脂部と、前記一対のリードの周囲の一部にのみ配置され、少なくとも前記ギャップ部及び前記吊り部を跨いで配置される壁部とを備えるパッケージと、
前記第1のリードに載置された発光素子とを有し、
前記壁部の高さが前記発光素子の高さと同等かそれよりも低く、
前記吊り部は、平面視において、前記ギャップ部のうちの前記第1のリード及び前記第2のリードの対向する2つの面に挟まれる部分の中心に対して点対称に配置され、かつ前記第1のリードに連結した1つの吊り部は、前記第1のリードと前記第2のリードとが対向する側の、前記第1のリードの一側面から該側面と対向する他側面までの距離の1/2以内の領域に配置されている発光装置。
前記ギャップ部を構成する前記第1のリード及び前記第2のリードの縁辺の端点から、前記縁辺が、前記第1のリード及び前記第2のリードの各吊り部の縁辺に対して、それぞれ直線的に延びている請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
第1のリードと第2のリードとがギャップ部を介して配置された一対のリードが複数配列し、前記ギャップ部のうちの前記第1のリード及び前記第2のリードの対向する2つの面に挟まれる部分の平面視における延長方向に沿って、前記第1のリードに連結した1つの吊り部及び前記第2のリードに連結した1つの吊り部を有し、該吊り部は、平面視において、前記ギャップ部のうちの前記第1のリード及び前記第2のリードの対向する2つの面に挟まれる部分の中心に対して点対称に配置され、かつ前記第1のリードに連結した1つの吊り部は、前記第1のリードと前記第2のリードとが対向する側の、前記第1のリードの一側面から該側面と対向する他側面までの距離の1/2以内の領域に配置されたリードフレームに、前記一対のリードの周囲の一部にのみ配置され、少なくとも前記第1のリードと前記第2のリードのギャップ部及び前記吊り部を跨いで配置される壁部と、を備える樹脂成型体を準備し、
前記第1のリード上に発光素子を載置し、
前記発光素子及び前記壁部の上面を少なくとも被覆するように封止部材を配置し、
前記樹脂成型体、前記封止部材及び前記リードフレームを上面又は下面から切断する工程を含み、
前記壁部の高さは前記発光素子の高さと同等かそれよりも低い、発光装置の製造方法。
前記ギャップ部を構成する前記第1のリード及び前記第2のリードの縁辺の端点から、前記縁辺が、前記第1のリード及び前記第2のリードの各吊り部の前記縁辺に対して、それぞれ直線的に延びている請求項12又は13に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。
各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0009】
本開示の発光装置は、主として、パッケージと、発光素子とを有する。パッケージは、第1のリードと第2のリードとがギャップ部を介して配置された一対のリードと、ギャップ部に配置され、一対のリードを固定する樹脂部と、一対のリードの周囲の一部にのみ配置され、少なくともギャップ部を跨いで配置される壁部を備える。発光素子は、第1のリードに載置されている。そして、壁部の高さは発光素子の高さと同等かそれよりも低い。発光装置は、さらに発光素子を被覆する封止部材を有する。
【0010】
〔一対のリード〕
一対のリードは、電極として機能するユニットを意味し、第1のリードと第2のリードとを有する。後述するように、通常、一対のリードによるユニットが複数連結されてリードフレームを構成している。従って、一対のリードのユニット間、つまり、ユニットの外周等には、いわゆる、枠体、吊り部のような連結等に関与する部位が配置されて、リードフレームを構成する。リードフレームは、さらに放熱、補強等の付加的な機能を与えるための部位を含んでいてもよい。このような付加的な機能を与える部位は、一対のリードフレームと電気的に分離されていてもよいし、一部が連結されていてもよい。そして、1つの発光装置を構成する一対のリードとする場合には、リードフレームがユニットごとに切断されるため、枠体等の一部がユニットとともに存在する。
【0011】
一対のリードの第1のリードと第2のリードは、互いに離間しており、言い換えると第1のリードと第2のリードとは、ギャップ部を介して配置されている。この場合のギャップ部とは、第1のリードと第2のリードが離間するように設けられた部分(第1のリード及び第2のリードの対向する2つの面に挟まれる部分)だけではなく、さらに、その領域から延長しパッケージの外側面に延びる領域もギャップ部とする。後述する壁部は、ギャップ部を跨いで配置されていればよいが、特に、個片化の際に応力がかかりやすい部位及び/又は外部からの応力がかかりやすい部位に配置されていることが好ましく、さらにパッケージの外表面の近傍に位置するギャップ部の端部に配置されていることが好ましい。一対のリードは、その双方の表面において、つまり一対のリードを跨ぐように発光素子を載置する領域を有していてもよいが、一方にのみ発光素子を載置する領域を有していることが好ましい。後者の場合、一対のリードのうち、一方のリードは、後述する発光素子の一対の電極のうちの一方の電極と、他方のリードは、発光素子の他方の電極と、それぞれ電気的に接合されるように配置され、少なくとも正又は負の電極端子として機能する。
ただし、後述するように、発光素子を載置する領域上に配置される発光素子は1つであってもよいし、2つ以上でもよいことから、一対のリードに加えて、さらなるリードが存在してもよい。
【0012】
一対のリードの形状及び大きさは、その上に搭載する発光素子の平面積、数、配列状態等によって適宜設定することができる。
ギャップ部の幅及び長さも、適宜設定することができる。また、ギャップ部の形状は、平面視において、線形性、非線形性、またはその組み合わせであってもよいが、ギャップ部の形状は少なくとも一部が屈曲していることが好ましい。このような形状によって、ギャップ部に配置される樹脂部とリードとの接触面積が増え、発光装置の強度向上に寄与する。
【0013】
リードの上面は、平坦であることが好ましいが、リードを構成するリードフレーム材料自体に若干の凹凸が形成されていてもよい。例えば、リードフレーム材料が、板状及び波状であってもよいし、部分的に厚くなる又は薄くなっていてもよいし、板状又は波状のものを屈曲させたものであってもよい。特に、発光素子が載置されるリードの上面には、発光素子を取り囲む溝が形成されていることが好ましい。このような溝により、発光素子を載置する場合に利用される接合部材の漏れ等を防止することができる。また、リードの端部において、下面側及び/又は上面側からハーフエッチ等を行うことにより、薄膜化してもよい。このような構成により、リードの壁部からの剥離を防止することができる。
特に、吊り部の上に、後述する樹脂部及び/又は壁部が配置される場合には、吊り部の上面又は下面の一部又は全部に、ハーフエッチ等による凹凸又は薄/厚が存在することが好ましい。これにより、樹脂部及び/又は壁部の抜け、剥がれ等を防止することができる。
【0014】
リードは、通常、端子として機能する導電性材料によって形成される。例えば、Fe、Ni、Co、Ti、Sc、Nb、Zn、Zr、W、Mo、Ta、Cu、Al、Au、Pt、Ag、Rh、Ru、Pd、Os、Ir、Hf、V、Mn、Cr、La、Y、Sn等の金属又はこれらの合金が挙げられる。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。主成分としては、Fe、Ni、Cuを用いるのが好ましい。また、微量含有元素としてSi、Pなどの非金属が含まれていてもよい。
【0015】
リードは、上述した導電性材料の表面及び/又は裏面及び/又は側面に、めっき膜が被覆されていてもよい。めっき膜の材料としては、Ag、Al、Au又はこれらの合金等が挙げられる。なかでも、Agによるめっき膜が好ましい。これにより、発光素子からの光を効率よく取り出すことが可能となる。
リードの膜厚は、最も厚い部位において、例えば、100〜1000μm程度が挙げられる。
【0016】
積層構造、例えば、クラッド材の場合、当該分野で公知のものを利用することができ、いわゆる全面においてオーバーレイ型であることが好ましいが、オーバーレイ型、インレイ型、エッジレス型の部分を一部含む構造を有していてもよい。具体的には、第1金属層と、第1金属層と異なる金属からなる第2金属層との積層構造を含むものが挙げられる。第1金属層及び第2金属層は、互いに異なる組成を有していればよく、同じ金属元素をその一部に含む材料によって形成されているものでもよい。互いに異なる金属としては、熱膨張係数、特定のエッチング液に対する溶解性、導電率、熱伝導率、反射率及び/又は硬度が互いに異なるものが挙げられる。なかでも、熱膨張係数及び特定のエッチング液に対する溶解性が互いに異なるものが好ましい。
【0017】
第1金属層及び第2金属層は、上述した金属又は合金等から選択することができる。具体的には、第1金属層は、第2金属層よりも熱膨張係数又は特定のエッチング液に対する溶解性が大きい特性を有するものが好ましく、銅又は銅合金がより好ましく、放熱性に優れる銅がさらに好ましい。特に、不純物が少なく、熱伝導率が高い無酸素銅がさらに好ましい。例えば、電極端子として用いる部分にCuを用いることで、半田付けを容易とすることができ、放熱性に優れた半導体装置を得ることができる。また、後述する樹脂部との接合部分には無酸素銅を用いることで、樹脂部とリードとの密着性を向上させ、これらの剥離を抑制することができる。また、Cuを主成分とする194系合金、EFTEC系合金、KFC系合金とすることでクラッド材の生産性が向上し、加工時の反り、変形などを抑制することができる。
第2金属層は、鉄又は鉄合金であることが好ましく、Inver、SPCC、Kovar、SUS等がより好ましく、汎用性や加工性に優れた又は常温付近での熱膨張率が小さいFe−Ni系合金がさらに好ましい。
【0018】
このように、異なる金属からなる第1金属層及び第2金属層の積層構造のクラッド材を採用することにより、各金属の特性を適宜組み合わせて利用することができる。よって、リードとして、さらにこれを用いた発光装置において、それらの信頼性をより一層確保しながら、高品質を与えることが可能となる。
【0019】
〔発光素子〕
発光素子は、特に限定されるものではなく、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、III−V族等の化合物半導体から構成されるものが挙げられる。例えば、透光性を有するサファイア等の基板上に順次積層された窒化ガリウム系半導体(例えば、In
XAl
YGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等)、II−IV族又はIII−V族半導体からなる第1半導体層、発光層及び第2半導体層の積層体によって形成することができる。これらの半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。ただし、積層体においてはサファイア等の基板が除去されていてもよい。
【0020】
このような積層体は、n側及びp側の一対の電極を有する。一対の電極は、半導体層の異なる面にそれぞれ配置されていてもよいが、半導体層の同一面側に配置されていることが好ましい。これらの一対の電極は、上述した第1半導体層及び第2半導体層と、それぞれ、電流−電圧特性が直線又は略直線となるようなオーミック接続されるものであれば、単層構造でもよいし、積層構造でもよい。このような電極は、当該分野で公知の材料及び構成で、任意の厚みで形成することができる。
【0021】
発光素子の一対の電極は、通常、後述するリードフレームのリードにワイヤー又は接合部材を介して電気的に接続されている。発光素子は、リード上面上に、フリップチップ実装されていてもよいが、フェイスアップ実装されていることが好ましい。
接合部材としては、一般に、発光素子をボンディングする際に用いる材料、例えば、樹脂による接着剤や共晶合金が挙げられる。好ましい共晶合金としては、AuとSnを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金などが挙げられる。これらの中でもAu−Snの共晶合金が好ましい。Au−Snの共晶合金を用いると、発光素子の電極に対する熱圧着による劣化を低減させることができるし、リードフレームに対して強固に接合させることができる。
【0022】
なお、発光素子は、一対のリードの一方の上面上に1つのみ配置されてもよいし、複数配置されていてもよい。また、一対のリードの双方に跨って1つのみ又は複数配置されていてもよい。複数の発光素子が配置される場合には、一方のリードのみならず、他方のリードの上面にも発光素子が配置されていてもよい。
【0023】
〔樹脂部〕
樹脂部は、一対のリードを固定する及び/又は発光装置の強度を確保する部材である。
樹脂部は、リードの上面以外の領域、例えば、一対のリード間にも配置されていることが好ましい。言い換えると、樹脂部は、上述した第1のリードと第2のリードとの間のギャップ部にも配置されている、あるいは、第1のリードと第2のリードとが対面する側面が樹脂部で被覆されるように配置されていることが好ましい。このような配置により、第1のリードと第2のリードとを一体的に固定することができるとともに、両者を絶縁分離することができる。この場合、リードの上面と、ギャップ部に配置される樹脂部の上面とは、同一面を形成することが好ましい。これにより、発光素子を安定して載置することができる。
本願明細書において、同一面を形成するとは、面一であることを意図するが、数nm〜数十nm程度の凹凸差は許容される。
【0024】
樹脂部は、さらに、リードの上面以外の領域、例えば、一対のリードの外縁の外側においても、リードの外縁に隣接して配置されていることが好ましい。つまり、樹脂部は、一対のリードの外側面が樹脂部で被覆されるように配置されていることが好ましい。この場合、リードの上面と、上述した壁状の樹脂部以外のリードの外縁に隣接して配置される樹脂部の上面とは、同一平面を形成することが好ましい。これにより、発光素子を安定して載置することができる。
【0025】
〔壁部〕
壁部は、リードの上面上に配置された部位及び/又はリードの上面よりも上方にその上面が配置された部位を指す。このような壁部の配置により、発光装置の小型化に起因する、発光素子と壁部との距離低減による光吸収を効果的に防止することができるとともに、効果的に発光装置の強度を向上させることができる。
壁部は、リードの上面上においては、リードの周囲の一部にのみ配置されていることが好ましい。ここでのリードの周囲とは、一対のリードの外縁の内側であって、一対のリード外縁に隣接するリード上面上の領域を意味する。この領域には、一対のリードの連結等に関与する部位(吊り部)の上面上の領域が含まれていてもよい。また、壁部がリードの周囲の一部にのみ配置されるとは、壁部がリードの全周囲を取り囲まずに、その周囲において部分的に存在しない部位があることを意味する。言い換えると、壁部が発光素子の全周囲を非連続に取り囲むことを意味する。
【0026】
リードの上面上に配置された壁部は、その上面が、リードの上面に配置される発光素子の上面と同じ高さ又はそれより下に配置されることが好ましい。ここで、同じ高さとは、発光素子の全高さと、発光素子をリード上面に接合する場合に利用される接合部材の厚みとの合計の±10%程度の変動が許容されることを意味する。具体的には、壁部のリード上面上における高さは、100〜200μm程度が挙げられる。
【0027】
壁部は、リード上面上のリードの周囲の一部に加えて又はその一部として、上述した一対のリード間のギャップ部の少なくとも一部を跨いで配置されていることが好ましい。この場合、この壁部は、第1のリードの上面であってその周囲の一部から、ギャップ部の一部を跨いで、第2のリードの上面であってその周囲の一部にわたって配置されていることがより好ましい。このような配置により、特にパッケージの中で強度の弱いギャップ部及びその周辺を効果的に補強することができる。この壁部は、リードの上面から、リードの外縁の外側にわたって配置されていてもよい。
【0028】
一対のリードの形状にもよるが、上述した壁部は、一対のリードの対向する2辺にのみ配置されていることが好ましい。つまり、この壁部は、互いに離間して2つ配置されていることが好ましい。この場合、壁部の1つのみがギャップ部を跨いでいてもよいが、壁部の2つが、上述したギャップ部を跨いでいることがより好ましい。
特に、壁部は、ギャップ部を跨ぎ、かつ吊り部の上に配置されている場合には、ギャップ部の補強に加え、吊り部上に配置する壁部がリードの折れ曲がり及び/又は抜け等を防止する応力を与えることが可能となり、発光装置の補強作用をより向上させることができる。
【0029】
樹脂部及び壁部は、第1のリード又は第2のリードの外側面の一部と同一平面を形成する外側面を有することが好ましい。ここで第1のリード又は第2のリードの外側面の一部とは、第1のリードの一方でもよいし、第2のリードの一方でもよいし、双方でもよいし、上述したように第1のリード及び/又は第2のリードとの連結に関与する部位であってもよい。外側面とは、発光素子を載置するリード上の領域を基準にして遠い側の側面を指す。
樹脂部及び壁部は、一体に成形されていてもよい。
【0030】
樹脂部及び壁部は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂によって形成することができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0031】
樹脂部及び壁部は、光反射性を有するものが好ましい。これにより、発光素子から出射される光を反射させて、光取り出し効率を維持又は向上させることができる。具体的には、樹脂部及び壁部は、発光素子からの光に対する反射率が60%以上であるものが好ましく、より好ましくは70%、80%又は90%以上であるものが好ましい。
【0032】
例えば、樹脂部及び壁部には、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどの光反射材が含有されていることが好ましい。これにより、発光素子からの光を効率よく反射させることができる。光反射材は、樹脂成形法又は樹脂流動性などの成形条件によって、また反射率や機械強度などの特性等によって適宜調整することができる。例えば、酸化チタンを用いる場合は、樹脂部及び壁部の全重量に対して、20〜40重量%、さらに25〜35重量%含有させることが好ましい。
樹脂部及び壁部は、後述する封止部材で用いる材料よりも、機械強度が高いものを選択することが好ましい。これにより、樹脂部及び壁部によって、発光装置の強度をより向上させることができる。
【0033】
〔封止部材〕
封止部材は、少なくとも発光素子と樹脂部及び/又は壁部との上面の一部、好ましくは全部を被覆する部材であり、樹脂部及び壁部とは別に、通常、発光素子、樹脂部及び壁部ならびにリードフレームの一部を被覆するものが好ましい。封止部材が樹脂部及び/又は壁部の上面を被覆することで、樹脂部及び/又は壁部の補強の強度に寄与し、発光装置の強度を全体的に向上することが出来る。封止部材は、発光素子から出射される光の配光性及び指向性を考慮して、その上面が平坦であってもよいし、凹レンズ又は凸レンズ形状等の種々の形状を有していてもよい。
【0034】
封止部材は、例えば、上述した樹脂部及び壁部で例示された樹脂の中から選択して使用することができる。特に、樹脂部及び壁部との密着性を考慮すると、同じ種類の樹脂を含んでいてもよい。
封止部材には、発光素子から出射される光を吸収して異なる波長の光に変換する蛍光体、光散乱材及び/又はその他の添加剤が含有されていてもよい。
【0035】
蛍光体としては、例えば、マンガン賦活フッ化物錯体蛍光体〔A
2MF
6:Mn(AはLi、Na、K、Rb、Cs、NH
4から選ばれる一種以上;MはGe、Si、Sn、Ti、Zrから選ばれる一種以上)である。例えば、K
2SiF
6:Mn(KSF)、KSNAF(K
2Si
1-xNa
xAl
xF
6:Mn)、K
2TiF
6:Mn(KTF)など〕、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、より具体的には、Eu賦活されたα又はβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ土類金属窒化シリケート蛍光体、Eu等のランタノイド系の元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活される、アルカリ土類金属ハロゲンアパタイト、アルカリ土類のハロシリケート、アルカリ土類金属シリケート、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン、アルカリ土類金属アルミン酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケイ素、ゲルマン酸塩等の蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される、希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩、又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される、有機又は有機錯体等の蛍光体が挙げられる。特に、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体)及びルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG系蛍光体)を好適に用いることができる。
【0036】
また、蛍光体は、量子ドット(またはナノクリスタル)と呼ばれる発光物質であってもよい。量子ドットとしては、半導体材料、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdS
xSe
1-x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。このような蛍光体は、例えば、粒径(平均粒径)1〜20nm程度(原子10〜50個)である蛍光体が挙げられる。このような蛍光体を用いることにより、内部散乱を抑制することができ、光の透過率をより一層向上させることができる。内部散乱を抑制することにより、上面に対して垂直な方向への光の配光成分を増加させることができ、同時に、発光装置の側面又は下面に向かう光を抑制することができる。これにより、光取り出し効率をより向上させることができる。このことは、発光装置をディスプレイのバックライトとして用いる場合に、ディスプレイへの入光効率をさらに増加させることができることを意味する。量子ドット蛍光体は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの樹脂で表面修飾または安定化してもよい。
【0037】
光散乱材としては、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、着色剤(カーボンブラックなど)等が挙げられる。その他の添加剤としては、ガラスファイバー、ワラストナイト等の繊維状フィラー、カーボン、タルク、酸化ケイ素等の無機フィラー等が挙げられる。
【0038】
封止部材は、その側面が、第1のリード又は第2のリードの側面の一部と同一面上に配置されていることが好ましい。このような構成により、発光素子の側面から出射される光が直接封止部材を通して外部に取り出すことが可能となる。具体的には、リードの側面が封止部材の側面よりも外側にある時の、リード外側端部の上面による光吸収や、封止部材の側面がリードの側面よりも外側にある時の、封止部材の外側延在部によって光屈折が起こり、発光装置側に光が戻ることを防ぐことが出来る。その結果、発光装置の構成部材による光吸収を最小限に止めることができ、光の取り出し効率を向上させ、発光装置の光出力を増大させることができる。
【0039】
例えば、封止部材は、樹脂部及び壁部を介して、第1のリード又は第2のリードの側面の一部と面一であることが好ましい。この場合、第1のリード又は第2のリードの側面、樹脂部及び壁部及び封止部材の側面の一部が同一面を形成していることがより好ましい。また、別の観点から、封止部材は、その側面が、樹脂部又は壁部、特に壁部の一部又は全部の側面と同一面を形成していることが好ましい。
このような構成により、樹脂部及び壁部と封止部材との接触面積を増大させることができるため、両者の密着性を向上させることができる。
【0040】
(パッケージ)
本開示のパッケージは、第1のリードと第2のリードとがギャップ部を介して配置された一対のリードと、リードを固定する樹脂部と、一対のリードの周囲の一部にのみ配置され、少なくともギャップ部を跨いで配置された壁部とを備え、壁部の高さが100〜200μmである。このような構成により、外部からの物理的な衝撃や、樹脂成形時のリードのたわみを抑制することが出来る。また、リードの周囲に最小限の壁部を配置することで、安価であるとともに、樹脂バリが抑制された信頼性の高いパッケージとすることができる。
【0041】
(その他の部材)
発光装置は、さらに、ツェナーダイオード、ブリッジダイオードなどの保護素子等が、リード上に配置されていてもよい。
【0042】
〔発光装置の製造方法〕
発光装置の製造方法の一実施形態では、
リードフレームを含む樹脂成形体を準備し、
この樹脂成形体に発光素子を載置し、
封止部材を形成し、
リードフレーム、樹脂成形体及び封止部材を切断することにより、封止部材とリードフレームとの外側面を同一面とした発光装置を製造することができる。
【0043】
(樹脂成形体の準備)
まず、リードフレームを形成する。リードフレームは、公知の方法によって又はそれに準じて製造することができる。特に、クラッド材は、特開平5−102386号公報に記載された方法によって形成することができる。クラッド材は、例えば、強磁性体であるフェライト系ステンレス鋼などの鉄系合金で形成された芯材の上に、銅または銅合金を接合したものが好ましい。
【0044】
リードフレームを加工する方法としては、特に限定されるものではなく、プレス、パンチ、ブラスト、エッチング等の通常のリードフレームの加工に利用される方法によって、リード等の所定形状にパターニングすることができ、リード上面の凹凸加工又はリードの膜厚の制御を行うことができる。これらの加工方法では、上述した1ユニットに相当する形状のみを加工してもよいが、複数配列した形状で加工されることが好ましい。通常、ユニット間には、一対のリードをリードフレームに連結するための吊り部等、比較的細い連結部位が配置されている。
【0045】
次いで、リードフレームに樹脂部及び壁部を配置するように樹脂成形体を形成する。
樹脂成形体は、例えば、スクリーン印刷、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等の公知の方法を利用して成形することができる。この際、粘度又は流動性を調整するために、樹脂にシリカ(アエロジル)などを添加してもよい。
このような樹脂成形体は、上述したように、少なくともリードフレームの上面上においては、一対のリードの周辺の一部にのみ配置された光反射性の樹脂部及び壁部が配置された形状に形成することが好ましい。
【0046】
樹脂成形体は、上述した樹脂部及び壁部以外に、一対のリードを構成するユニット内及び/又はこのようなユニットが複数配列される場合にはユニット間において、一対のリードを一体的に固定するように樹脂が配置されている。従って、樹脂部は、その上面及び下面が、リードフレームの上面及び下面と同一面を形成するように配置することが好ましい。このような樹脂成形体の形状によって、リードフレームの上面に発光素子を載置することができ、さらに電気的に接続することができ、リードを端子として利用することができる。また、リードフレームの下面が大面積で露出されるため、発光素子による熱を効果的に逃がすことができる。
【0047】
(発光素子の載置)
発光素子を、樹脂成形体において、例えば、樹脂から露出した一対のリードの一方に載置する。発光素子は、リード上面上に、上述した接合部材を用いて固定することが好ましい。必要により、発光素子の電極を、一対のリードに電気的に接続するために、ワイヤーを用いてもよい。
一対のリードにおいて複数の発光素子を載置する場合、その接続は並列、直列、直並列、並直列及びこれらの組み合わせのいずれでもよい。
なお、発光素子の載置とともに、その後において、リード上面上に、ツェナーダイオード、ブリッジダイオードなどの保護素子等を配置してもよい。
【0048】
(封止部材の形成)
封止部材は、発光素子及び樹脂部及び壁部の上面を被覆するように形成することが好ましい。また、リードフレームの上面であって、発光素子が載置されていない領域をも被覆することが好ましい。封止部材は、例えば、スクリーン印刷、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等の公知の方法を利用して形成することができる。
【0049】
(切断)
樹脂成形体、封止部材及びリードフレームを順に切断する。この場合の切断位置は、ユニット間における一対のリードを連結する吊り部を切断し得る位置とすることが好ましい。これによって、簡便かつ確実、容易に発光装置の集合体を、個々の発光装置に分割することができる。
このような切断によって、封止部材の一部とリードフレームの一部との外側面を同一面とした発光装置を得ることができる。
このような切断は、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、ブレードダイシング、レーザダイシング等が挙げられる。
以下に、本開示の発光装置及びその製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0050】
実施形態1
この実施形態の発光装置10は、
図1A〜1Dに示すように、一対の第1のリード11a、第2のリード11bと、第1のリード11aの上面に載置された発光素子12と、光反射性の樹脂部及び壁部13、13aと、発光素子12及び樹脂部及び壁部13、13aの上面を被覆する封止部材14とを備える。この発光装置10は、平面視、一辺が2.3mmの略正方形である。
【0051】
一対の第1のリード11a及び第2のリード11bは、銅板によって形成されており、最大厚みが、例えば、200μmである。
第1のリード11a及び第2のリード11bは、上面の外縁よりも内側において、発光素子12を載置する部位を取り囲むように、溝部11dが形成されている。この溝部11dの深さは、例えば、50μm、幅は、例えば、100μmである。また、
図1Dに示すように、第1のリード11a及び第2のリード11bの下面は、外縁に沿った周囲において、溝部11dと重ならない領域に薄膜部11eが形成されており、薄膜部11eの厚みは、例えば、100μmである。
第1のリード11a及び第2のリード11bは、それぞれ、リードフレームにおいてこれら第1のリード11a及び第2のリード11bを一体的に連結する吊り部11cを含む。
【0052】
発光素子12は、平面視、一辺が650μm略正方形であり、第1のリード11a上に、Au−Sn半田による接合部材によって、フェイスアップ実装されている。発光素子12の厚みは、例えば、200μmであり、第1のリード11a上面から発光素子12の上面までの高さは、205μmである。
【0053】
樹脂部及び壁部13、13aは、酸化チタンを20重量%含有するエポキシ樹脂によって、光反射性の部材として形成されている。
樹脂部13は、第1のリード11a及び第2のリード11bを一体的に固定する部材であり、第1のリード11aと第2のリード11bとのギャップ部を埋め込み、第1のリード11a及び第2のリード11bの外周を取り囲むように配置されている。つまり、樹脂部13は、第1のリード11aと第2のリード11bとが対面する側面、第1のリード11aと第2のリード11bとの外側面を被覆している。この樹脂部13の上面は、第1のリード11a及び第2のリード11bの上面と略同一平面を構成する。
【0054】
第1のリード11a及び第2のリード11bが並ぶ方向に延長して配置されている壁部13aは、その一部がリード上面上に配置され、第1のリード11a及び第2のリード11bとの高低差を有する。つまり、壁部13aは、第1のリード11a及び第2のリード11b上面上においては、第1のリード11a及び第2のリード11bの外縁に隣接する周囲の一部にのみ配置されている。
【0055】
壁部13aが第1のリード11a及び第2のリード11bの上面上に配置されている幅WMは、例えば、50μmである。また、壁部13a、第1のリード11a及び第2のリード11bをそれぞれ連結するための吊り部の上面にも配置されている。
また、壁部13aは、第1のリード11a及び第2のリード11bのギャップ部の一部を跨ぐように配置されている。
【0056】
壁部13aの上面から第1のリード11a又は第2のリード11bの底面までの厚みTは、例えば、300μmであり、壁部13aの厚み(高さ)は、例えば、200μmである。壁部13aの幅Wは、例えば、200μmである。壁部の形状は開口部に向かって幅が小さくなる形状でもよく、その場合、壁部の幅WはWminが200μm、Wmaxが400μmである。樹脂部及び壁部13、13aは、第1のリード11a及び第2のリード11bの上面及び下面の大部分を露出している。つまり、第1のリード11a及び第2のリード11bの上面上においては、壁部13aが配置した領域以外の領域、下面においては、薄膜部11eの領域が、樹脂部13に被覆されているのみである。
【0057】
発光素子12、上面側に露出する第1のリード11a及び第2のリード11b、壁部13aを含む樹脂部13の上面は、封止部材14によって被覆されている。
封止部材14の側面は、第1のリード11a及び第2のリード11bの側面の一部、特に、それらに連結する吊り部11cの側面と同一面上に配置されている。封止部材14の側面は、樹脂部13又は壁部13aの側面と同一面上に配置されている。特に、吊り部11c上に壁部13aが配置されている場合には、吊り部11c、壁部13a及び封止部材14の側面は、同一面を構成する。
【0058】
封止部材14は、例えば、YAG蛍光体とSiO
2(20重量%)を含有したシリコーン樹脂によって形成されている。
【0059】
このような壁部の配置により、発光装置の小型化に起因する、発光素子と壁部との距離低減による、壁部13aでの光吸収を効果的に防止することができる。
このことを検証するために、発光装置10における樹脂部の壁部を、発光装置10の全周囲に設けた発光装置Aを作製し、この発光装置Aとともに壁部を設けない発光装置において光出力を測定したところ、壁部を設けない発光装置の光出力は、発光装置Aよりも高出力が確認された。
【0060】
また、壁部のこのような配置により、特に強度の弱いギャップ部を効果的に補強することができ、効果的に発光装置の強度を向上させることができる。
さらに、封止部材が上述した形状で配置されることにより、発光素子の側面から出射される光が直接封止部材を通して外部に取り出すことが可能となる。その結果、樹脂部、特に壁部による光吸収を最小限に止めることができ、光の取り出し効率を向上させ、発光装置の光出力を増大させることができる。また、封止部材と樹脂部及び壁部との表面積を増大させることができ、両者の密着性を向上させることができる。
【0061】
〔発光装置の製造方法〕
このような発光装置は、以下の製造方法によって製造することができる。
(樹脂成形体の準備)
まず、リードフレーム11を形成する。銅板をパンチ加工して、
図2に示すように、一対の第1のリード11a及び第2のリード11bが、吊り部11cによって、複数行列方向に連結した形状にパターニングする。続いて、マスク材を利用して、エッチングして、リードフレーム11の上面に溝部11dを形成する。また、この際、
図3に示すように、リードフレーム11の裏面にも、所望のパターンを有するマスク材を配置し、エッチングにより、第1のリード11a及び第2のリード11b、吊り部11cの所定の部位に、薄膜部11eを形成する。
【0062】
次いで、リードフレーム11に、壁部13aと樹脂部13とを配置するように、例えば、トランスファーモールドを利用して、樹脂成形体を形成する。
樹脂成形体は、上述したように、リードフレーム11の上面上においては、一対の第1のリード11a及び第2のリード11bの周辺の一部、つまり、一対の第1のリード11a及び第2のリード11bの両側に、矢印Xの方向(
図2参照)に延長する壁部13aと、一対の第1のリード11a及び第2のリード11bの間のギャップ部、第1のリード11a及び第2のリード11bの外周において、リードフレーム11の上下面と同一面を構成する樹脂部13及び壁部13aとを有する。
【0063】
(発光素子の載置)
続いて、樹脂成形体における、例えば、樹脂部13及び壁部13aから露出した第1のリード11a上であって、溝部11dの内側に、発光素子12を載置する。発光素子12は、半田等の接合部材によってボンディングする際に、接合部材のフローを制御して、セルフアライメント効果によって適所に配置する。
【0064】
(封止部材の形成)
発光素子12を載置した樹脂成形体の上に、例えば、スクリーン印刷法によって、発光素子12、第1のリード11a及び第2のリード11b、吊り部11c、壁部13aを含む樹脂部13及び壁部13aの上面を被覆するように、封止部材14を形成する。
【0065】
(切断)
次いで、樹脂成形体、封止部材14及びリードフレーム11を順に、例えば、ブレードダイシングにより切断する。この場合の切断位置は、一対のリードを連結する吊り部11cが配置された位置とする。
この切断によって、封止部材14の一部とリードフレーム11の一部との外側面を同一面とした発光装置を得ることができる。
【0066】
実施形態2
この実施形態の発光装置20は、
図4に示すように、一対の第1のリード21a、第2のリード21bと、第1のリード21aの上面に載置された発光素子12と、光反射性の樹脂部23及び壁部23aと、発光素子12及び樹脂部23及び壁部23aの上面を被覆する封止部材14とを備える。
この発光装置20では、第1のリード21aと第2のリード21bのギャップ部の周辺に吊り部21cが配置され、平面視において、各リードの吊り部21cがギャップ部の中心に対して対称に配置されている以外、発光装置10と実質的に同様の構成を有する。第1のリード21a及び第2のリード21bの吊り部21cは、第1のリード21a及び第2のリード21bの中線を通る線に対して対称であってもよいし、ギャップ部の中心(ギャップ部の形状に応じて任意に定めることができる点)又は中線に対して点対称又は線対称であってもよい。この場合のギャップ部の周辺とは、例えば、ギャップ部の端点Aがある側の第1のリード21aの側面領域において、ギャップ部の端点Aからの距離が、第1のリード21aのギャップ部を形成する一の側面からその側面と対向する他方の側面までの距離の1/2以内、より好ましくは1/4以内の領域を指す。このような配置にすることで、発光装置の両端にバランスよく補強作用を付与することができる。さらに、吊り部21cがギャップ部の周辺に存在することにより、樹脂部23及び/又は壁部23aが、吊り部21c上にも配置することが容易となる。その結果、発光装置の補強作用をより向上させることができる。
また、ギャップ部の周辺において、ギャップ部の端点から同程度の位置に第1のリード21a及び第2のリード21bの吊り部21cが配置されていてもよい。
【0067】
このような壁部23aは、リードフレームの表裏面と同一面を形成する表面を有する樹脂成形体を形成した後、第1のリード21a及び第2のリード21bのギャップ部を跨ぐ位置において、第1のリード21a及び第2のリード21bの一部上であって、吊り部21c上において、ポッティングにより形成することができる。
【0068】
このような樹脂部及び壁部の配置により、発光装置の小型化に起因する、発光素子と樹脂部及び壁部との距離低減による、壁部23aでの光吸収をより一層防止することができる。また、壁部のこのような配置により、特に強度の弱いギャップ部を効果的に補強することができ、効果的に発光装置の強度を向上させることができる。
【0069】
実施形態3
この実施形態の発光装置30は、
図5に示すように、第1のリード21aの上面に発光素子12が2つ載置されている以外、実施形態1の発光装置10と同様の構成を有する。
この発光装置30においても、実施形態1の発光装置10と同様の効果を得ることができる。