特許第6642973号(P6642973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642973
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/16 20060101AFI20200130BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20200130BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20200130BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   H03K17/16 L
   G09G3/36
   G09G3/20 670E
   G09G3/20 622B
   G09G3/20 622D
   G09G3/20 623B
   G09G3/20 623D
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 612J
   G02F1/133 545
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-65016(P2015-65016)
(22)【出願日】2015年3月26日
(65)【公開番号】特開2016-184897(P2016-184897A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2018年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】山下 崇
【審査官】 及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−093667(JP,A)
【文献】 特開2001−083944(JP,A)
【文献】 特開平09−146069(JP,A)
【文献】 特開2005−024583(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0001978(US,A1)
【文献】 特開平04−097285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00−17/70
G02F 1/133
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる電圧レベルの電圧を出力する第1の電源出力端および第2の電源出力端を有し、第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて前記第1の電源出力端および前記第2の電源出力端の各々から出力される電圧のレベルをそれぞれ変化させる第1の電源部と、
前記第1の電源出力端と第1の電圧出力端子との間に設けられた第1の出力段スイッチ、および前記第2の電源出力端と前記第1の電圧出力端子との間に設けられた第2の出力段スイッチを有する第1の出力部と、
前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方が前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチのオンオフ制御を行う制御部と、
を含み、
前記第1の電源部は、
第1の電圧を生ずる第1の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第1の電源スイッチと、
前記第1の電圧よりも小さい第2の電圧を生ずる第2の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第2の電源スイッチと、
前記第2の電圧よりも小さい第3の電圧を生ずる第3の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第3の電源スイッチと、
前記第3の電圧よりも小さい第4の電圧を生ずる第4の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第4の電源スイッチと、
前記第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて、第1の電源スイッチおよび前記第2の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替えるとともに、前記第3の電源スイッチおよび前記第4の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替える切り替え制御部と、
を含む半導体装置。
【請求項2】
前記切り替え制御部は、第1の電源スイッチのオンオフの切り替えと前記第2の電源スイッチのオンオフの切り替えを異なるタイミングで行い、第3の電源スイッチのオンオフの切り替えと前記第4の電源スイッチのオンオフの切り替えを異なるタイミングで行うタイミング調整回路を含む請求項に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方がオフ状態となる前記所定期間は、前記第1乃至第4の電源スイッチのオンオフの切り替わりの開始から終了までの期間を含む請求項または請求項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の信号は、クロック信号に同期した信号であり、
前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方は、前記クロック信号に同期してオフ状態となり、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方がオフ状態となる前記所定期間は、前記クロック信号の周期に応じた期間である
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1の信号を生成する第1の信号生成部と、
前記第1の出力段スイッチのオンオフを制御する第2の信号および前記第2の出力段スイッチのオンオフを制御する第3の信号を生成する第2の信号生成部と、
を有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の出力部は、前記第1の電源出力端と複数の第1の電圧出力端子の各々との間に設けられた複数の第1の出力段スイッチ、および前記第2の電源出力端と前記複数の第1の電圧出力端子の各々との間に設けられた複数の第2の出力段スイッチを有し、
前記制御部は、前記複数の第1の出力段スイッチの各々および前記複数の第2の出力段スイッチの各々が、前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記複数の第1の出力段スイッチの各々および前記複数の第2の出力段スイッチの各々のオンオフ制御を行う
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
互いに異なる電圧レベルの電圧を出力する第3の電源出力端および第4の電源出力端を有し、前記第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて前記第3の電源出力端および前記第4の電源出力端の各々から出力される電圧のレベルをそれぞれ変化させる第2の電源部と、
前記第3の電源出力端と第2の電圧出力端子との間に設けられた第3の出力段スイッチ、および前記第4の電源出力端と前記第2の電圧出力端子との間に設けられた第4の出力段スイッチを有する第2の出力部と、
を更に含み、
前記制御部は、前記第3の出力段スイッチおよび前記第4の出力段スイッチの双方が前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記第3の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチのオンオフ制御を行う
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2の出力部は、前記第3の電源出力端と複数の第2の電圧出力端子の各々との間に設けられた複数の第3の出力段スイッチ、および前記第4の電源出力端と前記複数の第2の電圧出力端子の各々との間に設けられた複数の第4の出力段スイッチを有し、
前記制御部は、前記複数の第3の出力段スイッチの各々および前記複数の第4の出力段スイッチの各々が、前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記複数の第3の出力段スイッチの各々および前記複数の第4の出力段スイッチの各々のオンオフ制御を行う
請求項に記載の半導体装置。
【請求項9】
互いに異なる電圧レベルの電圧を出力する第1の電源出力端および第2の電源出力端を有し、第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて前記第1の電源出力端および前記第2の電源出力端から出力される電圧のレベルをそれぞれ変化させる電源部と、前記第1の電源出力端と電圧出力端子との間に設けられた第1の出力段スイッチおよび前記第2の電源出力端と前記電圧出力端子との間に設けられた第2の出力段スイッチを有する出力部と、を含む半導体装置の制御方法であって、
前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方が前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチのオンオフ制御を行い、
前記電源部は、
第1の電圧を生ずる第1の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第1の電源スイッチと、
前記第1の電圧よりも小さい第2の電圧を生ずる第2の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第2の電源スイッチと、
前記第2の電圧よりも小さい第3の電圧を生ずる第3の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第3の電源スイッチと、
前記第3の電圧よりも小さい第4の電圧を生ずる第4の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第4の電源スイッチと、
前記第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて、第1の電源スイッチおよび前記第2の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替えるとともに、前記第3の電源スイッチおよび前記第4の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替える切り替え制御部と、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置および半導体装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
格子状に配置された複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有する液晶パネルの駆動方式として、複数のコモン電極に順次走査電圧を加えることによってコモン電極を順次選択し、選択されたコモン電極に接続された画素のうち点灯させたい画素に接続されセグメント電極に信号電圧を加えるマトリクス駆動方式が知られている。また、コモン電極およびセグメント電極に印加する電圧のレベルを複数の段階で変化させる1/Sバイアス駆動方式が知られている。このような駆動方式によって液晶パネルを駆動する液晶駆動回路に関する技術として、例えば、以下のものが知れられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、所定の順序で、第1の電位、第2の電位、または中間電位を取るコモン信号を液晶パネルのコモン電極に供給するコモン信号出力回路と、コモン信号に応じて、第1の電位、第2の電位、または中間電位を取るセグメント信号を液晶パネルのセグメント電極に供給するセグメント信号出力回路と、を有する液晶駆動回路が記載されている。この液晶駆動回路において、セグメント信号出力回路はセグメント信号の電位を切り替える場合に、第1の期間だけセグメント信号のインピーダンスを増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−41029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1/Sバイアス駆動で液晶パネルを駆動する場合、コモン電極に印加されるコモン電圧およびセグメント電極に印加されるセグメント電圧の電圧レベルは、(S+1)段階で変化する。このため、1/Sバイアス駆動で液晶パネルを駆動する液晶駆動回路は、コモン電圧およびセグメント電圧を生成するための電源電圧を出力する電源部において、出力電圧の電圧レベルを適宜変化させる。
【0006】
一方、液晶パネルにおいて、液晶素子に印加される電界の方向に偏りが生じると、電気分解などの作用により液晶画素が劣化することが知られている。このため、液晶駆動回路においては、液晶素子に印加される電界の方向に偏りが生じないように、1フレーム期間の前半期間と後半期間とで、画素の点灯状態を維持しつつコモン電極に印加される電圧とセグメント電極に印加される電圧の大小関係を反転させるフレーム反転が行われている。
【0007】
1/Sバイアス駆動方式で液晶パネルを駆動する液晶駆動回路の電源部は、フレーム反転時に出力電圧の電圧レベルを切り替える。電源部における出力電圧の切り替えは、例えば、互いに異なる電圧レベルを有する電源ラインの各々と、出力端との間に設けられた複数のスイッチを用いて行われるが、該複数のスイッチが同時にオン状態となる期間が生じた場合には、当該電源ライン間に貫通電流が流れる。その結果、コモン電圧およびセグメント電圧の電圧レベルに乱れが生じ、液晶パネルにおいてちらつき等の異常表示が発生するおそれがある。そこで、上記の貫通電流の発生を防止するために、一方の電源ラインに接続されたスイッチをオフ状態にした後に、他方の電源ラインに接続されたスイッチをオン状態にするタイミング調整回路が用いられている。
【0008】
しかしながら、近年における半導体装置に対する低電圧化の要求に伴いタイミング調整回路によって上記の貫通電流の発生を完全に防止することは困難となりつつある。すなわち、半導体装置に供給される電源電圧が低下した場合には、当該半導体装置に形成された回路のスルーレート、配線長および容量負荷などに起因する遅延時間が顕著となり、タイミング調整回路が適切に機能しない、あるいは、タイミング調整回路の後段で発生する遅延時間の影響によって回路が意図したタイミングで動作しない、といった事象が生じている。
【0009】
回路シミュレーションを用いて、低電圧時における遅延時間の影響を考慮した回路設計を行うという対応も考えられるが、低電圧領域(例えば1V以下)における回路シミュレーションの精度は低く、回路設計の検証作業には膨大な工数およびコストを要する。このように、半導体装置の低電圧化に伴って液晶駆動回路において貫通電流の発生を防止することが困難となってきており、貫通電流に起因する液晶パネルにおける異常表示の発生を抑制する新たな技術が必要となっている。
【0010】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、貫通電流に起因する異常表示の発生を抑制することができる半導体装置および半導体装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る半導体装置は、互いに異なる電圧レベルの電圧を出力する第1の電源出力端および第2の電源出力端を有し、第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて前記第1の電源出力端および前記第2の電源出力端の各々から出力される電圧のレベルをそれぞれ変化させる第1の電源部と、前記第1の電源出力端と第1の電圧出力端子との間に設けられた第1の出力段スイッチ、および前記第2の電源出力端と前記第1の電圧出力端子との間に設けられた第2の出力段スイッチを有する第1の出力部と、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方が前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチのオンオフ制御を行う制御部と、を含み、前記第1の電源部は、第1の電圧を生ずる第1の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第1の電源スイッチと、前記第1の電圧よりも小さい第2の電圧を生ずる第2の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第2の電源スイッチと、前記第2の電圧よりも小さい第3の電圧を生ずる第3の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第3の電源スイッチと、前記第3の電圧よりも小さい第4の電圧を生ずる第4の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第4の電源スイッチと、前記第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて、第1の電源スイッチおよび前記第2の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替えるとともに、前記第3の電源スイッチおよび前記第4の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替える切り替え制御部と、を含む
【0012】
本発明に係る半導体装置の制御方法は、互いに異なる電圧レベルの電圧を出力する第1の電源出力端および第2の電源出力端を有し、第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて前記第1の電源出力端および前記第2の電源出力端から出力される電圧のレベルをそれぞれ変化させる電源部と、前記第1の電源出力端と電圧出力端子との間に設けられた第1の出力段スイッチおよび前記第2の電源出力端と前記電圧出力端子との間に設けられた第2の出力段スイッチを有する出力部と、を含む半導体装置の制御方法であって、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチの双方が前記第1の信号の信号レベルの切り替わり時点の前後期間を含む所定期間に亘りオフ状態となるように、前記第1の出力段スイッチおよび前記第2の出力段スイッチのオンオフを制御することを含み、前記電源部は、第1の電圧を生ずる第1の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第1の電源スイッチと、前記第1の電圧よりも小さい第2の電圧を生ずる第2の電源ラインと前記第1の電源出力端との間に設けられた第2の電源スイッチと、前記第2の電圧よりも小さい第3の電圧を生ずる第3の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第3の電源スイッチと、前記第3の電圧よりも小さい第4の電圧を生ずる第4の電源ラインと前記第2の電源出力端との間に設けられた第4の電源スイッチと、前記第1の信号の信号レベルの切り替わりに応じて、第1の電源スイッチおよび前記第2の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替えるとともに、前記第3の電源スイッチおよび前記第4の電源スイッチの一方をオフ状態に切り替え、他方をオン状態に切り替える切り替え制御部と、を含む
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば貫通電流に起因する異常表示の発生を抑制することができる半導体装置および半導体装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る液晶駆動回路を構成する半導体装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る半導体装置によって駆動される液晶パネルの構成を示す図である。
図3A】本発明の実施形態に係るコモン電源部の構成を示す図である。
図3B】本発明の実施形態に係るセグメント電源部の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るコモン電圧出力部の構成を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るセグメント電圧出力部の構成を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る半導体装置の動作を示すタイムチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る半導体装置におけるフレーム反転時およびフレーム切り替え時における動作を示すタイムチャートである。
図8】貫通電流による影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において、同一または対応する構成要素および部分には、同一の参照符号を付与している。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶駆動回路を搭載する半導体装置1の構成を示すブロック図である。図2は、半導体装置1によって駆動される液晶パネル500の構成の一例を示す図である。
【0017】
液晶パネル500は、格子状に配置された複数のセグメント電極501および複数のコモン電極502を有し、セグメント電極501とコモン電極502の各交差部には図示しない液晶素子が設けられている。図2には、一例として、50本のセグメント電極501と3本のコモン電極502を有する液晶パネル500が例示されている。本実施形態に係る半導体装置1は、3本のコモン電極502に対してそれぞれコモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2を供給するとともに、50本のセグメント電極501に対してそれぞれセグメント電圧VSEG0〜VSEG49を供給することにより液晶パネル500の表示制御を行う。半導体装置1は、液晶パネル500における画像表示を、例えば、公知の順次走査方式によって行う。なお、半導体装置1によって駆動され得る液晶パネルの構成は、図2に示されたものに限定されるものではなく、セグメント電極およびコモン電極の数が、図2に示された液晶パネル500とは異なっていてもよい。
【0018】
図1に示すように、半導体装置1は、制御部10、電源部20および出力部30を含んで構成されている。
【0019】
出力部30は、コモン電圧出力部31とセグメント電圧出力部32とを有する。コモン電圧出力部31は、液晶パネル500のコモン電極502の各々に対応する複数のコモン電圧出力端子310を有し、各コモン電圧出力端子310からコモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2を出力する。コモン電圧出力部31は、制御部10から供給されるコモン制御信号SCOM[2:0]に基づいて、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2の電圧レベルを、電源部20から供給されるハイレベル電圧VPCまたはローレベル電圧VNCのいずれかの電圧レベルに設定する。コモン電圧出力部31は、コモン制御信号SCOM[2:0]の入力を受け付ける入力端313、ハイレベル電圧VPCの入力を受け付ける入力端311およびローレベル電圧VNCの入力を受け付ける入力端312を有する。
【0020】
セグメント電圧出力部32は、液晶パネル500のセグメント電極501の各々に対応する複数のセグメント電圧出力端子320を有し、各セグメント電圧出力端子320からセグメント電圧VSEG0〜VSEG49を出力する。セグメント電圧出力部32は、制御部10から供給されるセグメント制御信号SSEG[49:0]に基づいて、セグメント電圧VSEG0〜VSEG49の電圧レベルを、電源部20から供給されるハイレベル電圧VPSまたはローレベル電圧VNSのいずれかの電圧レベルに設定する。セグメント電圧出力部32は、セグメント制御信号SSEG[49:0]の入力を受け付ける入力端323、ハイレベル電圧VPSの入力を受け付ける入力端321およびローレベル電圧VNSの入力を受け付ける入力端322を有する。
【0021】
電源部20は、コモン電源部21およびセグメント電源部22を有する。コモン電源部21は、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2を生成するための電源となるハイレベル電圧VPCおよびローレベル電圧VNCを出力する。コモン電源部21は、制御部10から供給されるコモン反転信号pol_cの信号レベルの切り替わりに応じて、ハイレベル電圧VPCおよびローレベル電圧VNCの電圧レベルをそれぞれ変化させる。本実施形態において、ハイレベル電圧VPCの電圧レベルは2段階で変化し、ローレベル電圧VNCの電圧レベルは2段階で変化する。すなわち、本実施形態において、コモン電源部21は、1/3バイアス駆動に対応しており、電圧レベルが互いに異なる4つの電圧(後述するvpc1、vpc2、vnc1およびvnc2)を出力する。コモン電源部21は、ハイレベル電圧VPCを出力する出力端241、ローレベル電圧VNCを出力する出力端242を有する。また、コモン電源部21は、コモン反転信号pol_cの入力を受け付ける入力端243を有する。
【0022】
セグメント電源部22は、セグメント電圧VSEG0〜VSEG49を生成するための電源となるハイレベル電圧VPSおよびローレベル電圧VNSを出力する。セグメント電源部22は、制御部10から供給されるセグメント反転信号pol_sの信号レベルの切り替わりに応じて、ハイレベル電圧VPSおよびローレベル電圧VNSの電圧レベルをそれぞれ変化させる。本実施形態において、ハイレベル電圧VPSの電圧レベルは2段階で変化し、ローレベル電圧VNSの電圧レベルは2段階で変化する。すなわち、本実施形態において、セグメント電源部22は、1/3バイアス駆動に対応しており、電圧レベルが互いに異なる4つの電圧(後述するvps1、vps2、vns1およびvns2)を出力する。セグメント電源部22は、ハイレベル電圧VPSを出力する出力端251、ローレベル電圧VNSを出力する出力端252を有する。また、セグメント電源部22は、セグメント反転信号pol_sの入力を受け付ける入力端253を有する。
【0023】
制御部10は、第1の信号生成部11および第2の信号生成部12を有する。第1の信号生成部11は、フレーム切り替えおよびフレーム反転を行うタイミングで信号レベルが変化するコモン反転信号pol_cおよびセグメント反転信号pol_sを生成する。フレーム切り替えは、クロック信号に同期した所定のフレーム期間毎に行われ、フレーム反転はフレームの切り替わり後、1フレーム期間の半分の期間が経過した後に行われる。なお、フレーム反転とは、液晶パネル500の液晶素子に印加される電界の方向に偏りが生じないように、1フレーム期間の前半期間と後半期間とで、液晶パネル500のコモン電極502に印加されるコモン電圧とセグメント電極501に印加されるセグメント電圧の大小関係を反転させる処理をいう。制御部10は、自身が生成するクロック信号に同期して、コモン反転信号pol_cを出力端111から出力するとともにセグメント反転信号pol_sを出力端112から出力する。
【0024】
第2の信号生成部12は、セグメント制御信号SSEG[49:0]を生成し、これを出力端121から出力するとともに、コモン制御信号SCOM[2:0]を生成し、これを出力端122から出力する。
【0025】
コモン制御信号SCOM[2:0]は、液晶パネル500のコモン電極502を順次選択するべく、コモン電圧VCOM0〜VCOM2の各々の電圧レベルを独立に制御する信号である。コモン電圧出力部31は、コモン制御信号SCOM[2:0]に応じて、コモン電圧VCOM0〜VCOM2の各々の電圧レベルを、個別に、ハイレベル電圧VPCおよびローレベル電圧VNCのいずれかに設定する。
【0026】
セグメント制御信号SSEG[49:0]は、表示画像に基づいてセグメント電圧VSEG0〜VSEG49の各々の電圧レベルを独立に制御することにより、液晶パネル500における各画素の点灯および消灯を制御する信号である。セグメント電圧出力部32は、セグメント制御信号SSEG[49:0]に応じて、セグメント電圧VSEG0〜VSEG49の各々の電圧レベルを、個別に、ハイレベル電圧VPSおよびローレベルVNSのいずれかに設定する。
【0027】
図3Aは、コモン電源部21の詳細な構成を示す図である。図3Bは、セグメント電源部22の詳細な構成を示す図である。コモン電源部21は、コモン反転信号pol_cの入力を受け付ける入力端243に入力端が接続されたインバータ201および202を有する。
【0028】
インバータ201および202の出力端は、タイミング調整回路203に接続されている。タイミング調整回路203は、NORゲート204、NANDゲート205、インバータ206および207を含んで構成されている。NORゲート204の一方の入力端には、インバータ201の出力端が接続され、NORゲート204の他方の入力端には、インバータ207の出力端が接続されている。NORゲート204の出力端はインバータ206の入力端に接続されている。NANDゲート205の一方の入力端には、インバータ202の出力端が接続され、NANDゲート205の他方の入力端には、インバータ206の出力端が接続されている。NANDゲート205の出力端はインバータ207の入力端に接続されている。
【0029】
タイミング調整回路203は、コモン反転信号pol_cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移する場合には、インバータ207の出力信号S2cをハイレベルからローレベルに遷移させた後に、インバータ206の出力信号S1cをハイレベルからローレベルに遷移させる。また、タイミング調整回路203は、コモン反転信号pol_cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移する場合には、インバータ206の出力信号Sc1をローレベルからハイレベルに遷移させた後に、インバータ207の出力信号S2cをローレベルからハイレベルに遷移させる。なお、タイミング調整回路203は、2つの出力端から出力される出力信号S1cおよびS2cを、コモン反転信号pol_cの信号レベルに応じた上記の順序で出力するように構成されていればよく、上記の回路構成に限定されるものではない。
【0030】
タイミング調整回路203の出力端であるインバータ206および207の出力端は、それぞれレベルシフタ208および209の入力端に接続されている。レベルシフタ208および209は、インバータ206および207から出力される信号のレベルを上昇させる機能を有する。
【0031】
レベルシフタ208によって昇圧された信号は、P−MOSトランジスタ211および213のゲートに供給される。レベルシフタ209によって昇圧された信号は、インバータ210によって信号レベルが反転された後、P−MOSトランジスタ212および214のゲートに供給される。
【0032】
P−MOSトランジスタ211は、ソースが電圧vpc1を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがコモン電源部21の出力端241に接続されている。P−MOSトランジスタ212は、ソースが電圧vpc2を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがコモン電源部21の出力端241に接続されている。
【0033】
P−MOSトランジスタ213は、ソースが電圧vnc1を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがコモン電源部21の出力端242に接続されている。P−MOSトランジスタ214は、ソースが電圧vnc2を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがコモン電源部21の出力端242に接続されている。上記各電源ラインに生ずる電圧の大小関係は、vpc1>vpc2>vnc1>vnc2である。
【0034】
コモン電源部21において、P−MOSトランジスタ211および212は、相補的にオンオフする。P−MOSトランジスタ211がオン状態となった場合には、電圧vpc1がハイレベル電圧VPCとして出力端241から出力され、P−MOSトランジスタ212がオン状態となった場合には、電圧vpc2がハイレベル電圧VPCとして出力端241から出力される。
【0035】
一方、コモン電源部21において、P−MOSトランジスタ213および214は、相補的にオンオフする。P−MOSトランジスタ213がオン状態となった場合には、電圧vnc1がローレベル電圧VNCとして出力端242から出力され、P−MOSトランジスタ214がオン状態となった場合には、電圧vnc2がローレベル電圧VNCとして出力端242から出力される。
【0036】
コモン電源部21は、コモン反転信号pol_cの信号レベルに応じてハイレベル電圧VPCとして出力する電圧を電圧vpc1およびvpc2のうちから選択し、ローレベル電圧VNCとして出力する電圧を電圧vnc1およびvnc2のうちから選択する。なお、本実施形態において、ハイレベル電圧VPCとして選択される電圧がvpc1である場合、ローレベル電圧VNCとして選択される電圧はvnc1であり、ハイレベル電圧VPCとして選択される電圧がvpc2である場合、ローレベル電圧VNCとして選択される電圧はvnc2である。
【0037】
本実施形態において、コモン反転信号pol_cは、1フレーム期間の前半期間においてハイレベルを呈し、これによってP−MOSトランジスタ211および213がオン状態となり、P−MOSトランジスタ212および214がオフ状態となる。これにより、1フレーム期間の前半期間において、電圧vpc1がハイレベル電圧VPCとして出力され、電圧vnc1がローレベル電圧VNCとして出力される。また、本実施形態において、コモン反転信号pol_cは、1フレーム期間の後半期間においてローレベルを呈し、これによってP−MOSトランジスタ212および214がオン状態となり、P−MOSトランジスタ211および213がオフ状態となる。これにより、1フレーム期間の後半期間において、電圧vpc2がハイレベル電圧VPCとして出力され、電圧vnc2がローレベル電圧VNCとして出力される。このように、コモン電源部21は、制御部10から出力されるコモン反転信号pol_cに応じて、ハイレベル電圧VPCおよびローレベル電圧VNCの電圧レベルを変化させる。
【0038】
タイミング調整回路203によるタイミング調整機能により、P−MOSトランジスタ212および214が、オフ状態からオン状態に移行する場合には、P−MOSトランジスタ211および213がオン状態からオフ状態に移行した後にP−MOSトランジスタ212および214がオフ状態からオン状態に移行する。また、P−MOSトランジスタ211および213がオフ状態からオン状態に移行する場合には、P−MOSトランジスタ212および214がオン状態からオフ状態に移行した後にP−MOSトランジスタ211および213がオフ状態からオン状態に移行する。
【0039】
このように、オン状態となっているトランジスタをオフ状態とした後に、オフ状態となっているトランジスタをオン状態とすることにより、P−MOSトランジスタ211および212が同時にオン状態となることによる貫通電流の発生が抑制されるとともに、P−MOSトランジスタ213および214が同時にオン状態となることによる貫通電流の発生が抑制される。
【0040】
このように、コモン電源部21は、電源間に生じる貫通電流の発生を抑制するタイミング調整回路203を有するものの、近年における半導体装置に対する低電圧化の要求に伴いタイミング調整回路203によるタイミング調整機能によって貫通電流の発生を完全に防止することが困難となりつつある。すなわち、半導体装置1に供給される電源電圧が低電圧(例えば1V以下)となった場合、半導体装置1に形成された回路のスルーレート、配線長および容量負荷などに起因する遅延時間が顕著となり、タイミング調整回路203が適切に機能しない、あるいは、タイミング調整回路203の後段のレベルシフタ208、209およびインバータ210で発生する遅延時間の影響によって回路が意図したタイミングで動作しない、といった事象が生じ得る。その結果、上記の貫通電流が発生するおそれがある。
【0041】
セグメント電源部22は、コモン電源部21と同様の構成を有する。セグメント電源部22は、セグメント反転信号pol_sの入力を受け付ける入力端253に入力端が接続されたインバータ221および222を有する。
【0042】
インバータ221および222の出力端は、タイミング調整回路223に接続されている。タイミング調整回路223は、NORゲート224、NANDゲート225、インバータ226および227を含んで構成されている。NORゲート224の一方の入力端には、インバータ221の出力端が接続され、NORゲート224の他方の入力端には、インバータ227の出力端が接続されている。NORゲート224の出力端はインバータ226の入力端に接続されている。NANDゲート225の一方の入力端には、インバータ222の出力端が接続され、NANDゲート225の他方の入力端には、インバータ226の出力端が接続されている。NANDゲート225の出力端はインバータ227の入力端に接続されている。
【0043】
タイミング調整回路223は、セグメント反転信号pol_sの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移する場合には、インバータ227の出力信号S2sをハイレベルからローレベルに遷移させた後に、インバータ226の出力信号S1sをハイレベルからローレベルに遷移させる。また、タイミング調整回路223は、セグメント反転信号pol_sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移した場合には、インバータ226の出力信号S1sをローレベルからハイレベルに遷移させた後に、インバータ227の出力信号S2sをローレベルからハイレベルに遷移させる。
【0044】
タイミング調整回路223の出力端であるインバータ226および227の出力端は、それぞれレベルシフタ228および229の入力端に接続されている。レベルシフタ228および229は、インバータ226および227から出力される信号のレベルを上昇させる機能を有する。
【0045】
レベルシフタ228によって昇圧された信号は、P−MOSトランジスタ231および233のゲートに供給される。レベルシフタ229によって昇圧された信号は、インバータ230によって信号レベルが反転された後、P−MOSトランジスタ232および234のゲートに供給される。
【0046】
P−MOSトランジスタ231は、ソースが電圧vps1を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがセグメント電源部22の出力端251に接続されている。P−MOSトランジスタ232は、ソースが電圧vps2を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがセグメント電源部22の出力端251に接続されている。
【0047】
P−MOSトランジスタ233は、ソースが電圧vns1を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがセグメント電源部22の出力端252に接続されている。P−MOSトランジスタ234は、ソースが電圧vns2を生ずる電源ラインに接続され、ドレインがセグメント電源部22の出力端252に接続されている。上記各電源ラインに生ずる電圧の大小関係は、vps1>vps2>vns1>vns2である。なお、コモン電源部21における出力電圧との関係については、例えば、vps1=vpc1、vps2=vpc2、vns1=vnc1、vns2=vnc2であってもよい。
【0048】
セグメント電源部22において、P−MOSトランジスタ231および232は、相補的にオンオフする。P−MOSトランジスタ231がオン状態となった場合には、電圧vps1がハイレベル電圧VPSとして出力端251から出力され、P−MOSトランジスタ232がオン状態となった場合には、電圧vps2がハイレベル電圧VPSとして出力端251から出力される。
【0049】
一方、セグメント電源部22において、P−MOSトランジスタ233および234は、相補的にオンオフする。P−MOSトランジスタ233がオン状態となった場合には、電圧vns1がローレベル電圧VNSとして出力端252から出力され、P−MOSトランジスタ234がオン状態となった場合には、電圧vns2がローレベル電圧VNSとして出力端252から出力される。
【0050】
セグメント電源部22は、セグメント反転信号pol_sの信号レベルに応じてハイレベル電圧VPSとして出力する電圧を電圧vps1およびvps2のうちから選択し、ローレベル電圧VNSとして出力する電圧を電圧vns1およびvns2のうちから選択する。なお、本実施形態において、ハイレベル電圧VPSとして選択される電圧がvps1である場合、ローレベル電圧VNSとして選択される電圧はvns1であり、ハイレベル電圧VPCとして選択される電圧がvps2である場合、ローレベル電圧VNCとして選択される電圧はvns2である。
【0051】
本実施形態において、セグメント反転信号pol_sは、1フレーム期間の前半期間においてローレベルを呈し、これによってP−MOSトランジスタ232および234がオン状態となり、P−MOSトランジスタ231および233がオフ状態となる。これにより、1フレーム期間の前半期間において電圧vps2がハイレベル電圧VPSとして出力され、電圧vns2がローレベル電圧VNSとして出力される。また、本実施形態において、セグメント反転信号pol_sは、1フレーム期間の後半期間においてハイレベルを呈し、これによってP−MOSトランジスタ231および233がオン状態となり、P−MOSトランジスタ232および234がオフ状態となる。これにより、1フレーム期間の後半期間において電圧vps1がハイレベル電圧VPSとして出力され、電圧vns1がローレベル電圧VNSとして出力される。このように、セグメント電源部22は、制御部10から出力されるセグメント反転信号pol_sに応じて、ハイレベル電圧VPSおよびローレベル電圧VNSの電圧レベルを変化させる。
【0052】
タイミング調整回路223によるタイミング調整機能により、P−MOSトランジスタ232および234がオフ状態からオン状態に移行する場合には、P−MOSトランジスタ231および233がオン状態からオフ状態に移行した後にP−MOSトランジスタ232および234がオフ状態からオン状態に移行する。また、P−MOSトランジスタ231および233がオフ状態からオン状態に移行する場合には、P−MOSトランジスタ232および234がオン状態からオフ状態に移行した後にP−MOSトランジスタ231および233がオフ状態からオン状態に移行する。
【0053】
このように、オン状態となっているトランジスタをオフ状態とした後に、オフ状態となっているトランジスタをオン状態とすることにより、P−MOSトランジスタ231および232が同時にオン状態となることによる貫通電流の発生が抑制されるとともに、P−MOSトランジスタ233および234が同時にオン状態となることによる貫通電流の発生が抑制される。
【0054】
このように、セグメント電源部22は、コモン電源部21と同様、電源間に生じる貫通電流の発生を抑制するタイミング調整回路223を有するものの、近年における半導体装置に対する低電圧化の要求に伴いタイミング調整回路223によるタイミング調整によって上記の貫通電流の発生を防止することが困難となりつつある。すなわち、半導体装置1に供給される電源電圧が低電圧(例えば1V以下)となった場合、半導体装置1に形成された回路のスルーレート、配線長および容量負荷などに起因する遅延時間が顕著となり、タイミング調整回路223が適切に機能しない、あるいは、タイミング調整回路223の後段のレベルシフタ228、229およびインバータ230で発生する遅延時間の影響によって回路が意図したタイミングで動作しない、といった事象が生じ得る。その結果、上記の貫通電流が発生するおそれがある。
【0055】
図4は、コモン電圧出力部31の詳細な構成を示す図である。コモン電圧出力部31は、コモン電圧VCOM0を出力するコモン電圧出力端子310に接続されたP−MOSトランジスタ300PCおよびN−MOSトランジスタ300NC、コモン電圧VCOM1を出力するコモン電圧出力端子310に接続されたP−MOSトランジスタ301PCおよびN−MOSトランジスタ301NC、コモン電圧VCOM2を出力するコモン電圧出力端子310に接続されたP−MOSトランジスタ302PCおよびN−MOSトランジスタ302NCを有する。
【0056】
P−MOSトランジスタ300PC、301PCおよび302PCは、それぞれ、ソースがコモン電源部21から出力されるハイレベル電圧VPCが入力される入力端311に接続され、ドレインが対応するコモン電圧出力端子310に接続されている。N−MOSトランジスタ300NC、301NCおよび302NCは、それぞれ、ソースがコモン電源部21から出力されるローレベル電圧VNCが入力される入力端312に接続され、ドレインが対応するコモン電圧出力端子310に接続されている。
【0057】
コモン制御信号SCOM[2:0]の入力を受け付ける入力端313は、各トランジスタのゲートG0_1C、G0_2C、G1_1C、G1_2C、G2_1CおよびG2_2Cにより構成されている。また、コモン制御信号SCOM[2:0]は、上記各ゲートに供給されるコモン制御信号SCOM[0]_1、SCOM[0]_2、SCOM[1]_1、SCOM[1]_2、SCOM[2]_1およびSCOM[2]_2を含んでいる。
【0058】
コモン制御信号SCOM[0]_1、SCOM[0]_2は、P−MOSトランジスタ300PCおよびN−MOSトランジスタ300NCのオンオフを独立に制御することによりコモン電圧VCOM0の電圧レベルを制御する信号である。制御信号SCOM[0]_1およびSCOM[0]_2に応じて例えば、P−MOSトランジスタ300PCがオン状態となり、N−MOSトランジスタ300NCがオフ状態となることで、コモン電圧VCOM0の電圧レベルは、ハイレベル電圧VPCとなる。一方、制御信号SCOM[0]_1およびSCOM[0]_2に応じてN−MOSトランジスタ300NCがオン状態となり、P−MOSトランジスタ300PCがオフ状態となることで、コモン電圧VCOM0の電圧レベルは、ローレベル電圧VNCとなる。
【0059】
同様に、コモン制御信号SCOM[1]_1、SCOM[1]_2は、P−MOSトランジスタ301PCおよびN−MOSトランジスタ301NCのオンオフを独立に制御することによりコモン電圧VCOM1の電圧レベルを制御する信号である。コモン制御信号SCOM[2]_1、SCOM[2]_2は、P−MOSトランジスタ302PCおよびN−MOSトランジスタ302NCのオンオフを独立に制御することによりコモン電圧VCOM2の電圧レベルを制御する信号である。
【0060】
なお、本実施形態では、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2の電圧レベルを選択するスイッチとしてP−MOSトランジスタおよびN−MOSトランジスタを用いているが、かかるスイッチをP−MOSトランジスタのみ、またはN−MOSトランジスタのみで構成することも可能である。また、バイポーラトランジスタを用いることも可能である。
【0061】
図5は、セグメント電圧出力部32の詳細な構成を示す図である。セグメント電圧出力部32は、コモン電圧出力部31と同様の構成を有する。セグメント電圧出力部32は、セグメント電圧VSEG0を出力するセグメント電圧出力端子320に接続されたP−MOSトランジスタ300PSおよびN−MOSトランジスタ300NS、セグメント電圧VSEG1を出力するセグメント電圧出力端子320に接続されたP−MOSトランジスタ301PSおよびN−MOSトランジスタ301NS、・・・セグメント電圧VSEG49を出力するセグメント電圧出力端子320に接続されたP−MOSトランジスタ349PSおよびN−MOSトランジスタ349NSを有する。なお、図5において、図示が省略されているが、セグメント出力部32は、液晶パネル500に設けられた50本のセグメント電極501の各々に対応する50個のセグメント電圧出力端子320と、これら50個のセグメント電圧出力端子320の各々に接続されたP−MOSトランジスタおよびN−MOSトランジスタと、を有する。
【0062】
P−MOSトランジスタ300PS、301PS、・・・および349PSは、それぞれ、ソースがセグメント電源部22から出力されるハイレベル電圧VPSが入力される入力端321に接続され、ドレインが対応するセグメント電圧出力端子320に接続されている。N−MOSトランジスタ300NS、301NS、・・・および349NSは、それぞれ、ソースがセグメント電源部22から出力されるローレベル電圧VNSが入力される入力端322に接続され、ドレインが対応するセグメント電圧出力端子320に接続されている。
【0063】
セグメント制御信号SSEG[49:0]の入力を受け付ける入力端323は、各トランジスタのゲートG0_1S、G0_2S、G1_1S、G1_2S、・・・G49_1SおよびG49_2Cにより構成されている。また、セグメント制御信号SSEG[49:0]は、上記各ゲートに供給されるセグメント制御信号SSEG[0]_1、SSEG[0]_2、SSEG[1]_1、SSEG[1]_2、・・・SSEG[49]_1およびSSEG[49]_2を含んでいる。
【0064】
セグメント制御信号SSEG[0]_1、SSEG[0]_2は、P−MOSトランジスタ300PSおよびN−MOSトランジスタ300NSのオンオフを独立に制御することによりセグメント電圧VSEG0の電圧レベルを制御する信号である。制御信号SSEG[0]_1およびSSEG[0]_2に応じて例えば、P−MOSトランジスタ300PSがオン状態となり、N−MOSトランジスタ300NSがオフ状態となることで、セグメント電圧VSEG0の電圧レベルは、ハイレベル電圧VPSとなる。一方、制御信号SSEG[0]_1およびSSEG[0]_2に応じてN−MOSトランジスタ300NSがオン状態となり、P−MOSトランジスタ300PSがオフ状態となることで、セグメント電圧VSEG0の電圧レベルは、ローレベル電圧VNSとなる。
【0065】
同様に、制御信号SSEG[1]_1、SSEG[1]_2は、P−MOSトランジスタ301PSおよびN−MOSトランジスタ301NSのオンオフを独立に制御することによりセグメント電圧VSEG1の電圧レベルを制御する信号である。制御信号SSEG[49]_1、SSEG[49]_2は、P−MOSトランジスタ349PSおよびN−MOSトランジスタ349NSのオンオフを独立に制御することによりセグメント電圧VSEG49の電圧レベルを制御する信号である。
【0066】
なお、本実施形態では、セグメント電圧VSEG0、VSEG1、・・・およびVCOM2の電圧レベルを選択するスイッチとしてP−MOSトランジスタおよびN−MOSトランジスタを用いているが、かかるスイッチをP−MOSトランジスタのみ、またはN−MOSトランジスタのみで構成することも可能である。また、バイポーラトランジスタを用いることも可能である。
【0067】
以下に、本実施形態に係る半導体装置1の動作について説明する。図6は、半導体装置1の動作の一例を示すタイムチャートである。半導体装置1は、制御部10の内部において生成されるクロック信号clkに同期して動作する。また、半導体装置1は、1フレーム期間Tの前半期間と後半期間とで、液晶パネル500のコモン電極502に印加されるコモン電圧とセグメント電極に印加されるセグメント電圧の大小関係を反転させるフレーム反転を行う。
【0068】
制御部10は、クロック信号clkを用いて1フレーム期間Tをカウントし、1フレーム期間Tの半分に相当する期間毎に信号レベルが変化するフレーム反転信号polを生成する。制御部10は、フレーム反転信号polの信号レベルの変化に応じて信号レベルが変化するコモン反転信号pol_cおよびセグメント反転信号pol_sを生成し、それぞれ、コモン電源部21およびセグメント電源部22に供給する。
【0069】
1フレーム期間Tの前半期間において、コモン反転信号pol_cはハイレベルを呈する。これにより、コモン電源部21のP−MOSトランジスタ211および213がオン状態となり、P−MOSトランジスタ212および214がオフ状態となる。従って、コモン電源部21は、1フレーム期間Tの前半期間において電圧vpc1をハイレベル電圧VPCとして出力し、電圧vnc1をローレベル電圧VNCとして出力する。コモン電圧出力部31は、制御部10から供給されるコモン制御信号SCOM[2:0]に応じて、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2の電圧レベルをハイレベル電圧VPC(vpc1)またはローベル電圧VNC(vnc1)に設定して出力する。
【0070】
本実施形態において、1フレーム期間Tの前半期間は3分割される。3分割された最初の期間においてコモン電圧VCOM0の電圧レベルがハイレベル電圧(vpc1)に設定され、次の期間においてコモン電圧VCOM1の電圧レベルがハイレベル電圧(vpc1)に設定され、3分割された最後の期間においてコモン電圧VCOM2の電圧レベルがハイレベル電圧(vpc1)に設定される。1フレーム期間Tの前半期間においては、ハイレベル電圧(vpc1)が印加されるコモン電極502に接続された画素が、点灯対象として選択される。
【0071】
一方、1フレーム期間Tの前半期間において、セグメント反転信号pol_sはローレベルを呈する。これにより、セグメント電源部22のP−MOSトランジスタ232および234がオン状態となり、P−MOSトランジスタ231および233がオフ状態となる。従って、セグメント電源部22は、1フレーム期間Tの前半期間において電圧vps2をハイレベル電圧VPSとして出力し、電圧vns2をローレベル電圧VNSとして出力する。セグメント電圧出力部32は、制御部10から供給されるセグメント制御信号SSEG[49:0]に応じて、セグメント電圧VSEG0、VSEG1、・・・およびVSEG49の電圧レベルをハイレベル電圧VPS(vps2)またはローベル電圧VNS(vns2)に設定して出力する。
【0072】
1フレーム期間Tの前半期間においては、ローベル電圧VNS(vns2)が印加されたセグメント電極501とハイレベル電圧(vpc1)が印加されたコモン電極502との交差部に配置された画素が点灯し、ハイレベル電圧VPS(vps2)が印加されたセグメント電極501とローレベル電圧VNC(vnc1)が印加されたコモン電極502との交差部に配置された画素が消灯する。すなわち、セグメント電極501とコモン電極502の電位差が最大となる部位に配置された画素が点灯し、それ以外の画素は消灯する。
【0073】
一方、1フレーム期間Tの後半期間において、コモン反転信号pol_cはローレベルを呈する。これにより、コモン電源部21のP−MOSトランジスタ212および214がオン状態となり、P−MOSトランジスタ211および213がオフ状態となる。従って、コモン電源部21は、1フレーム期間Tの後半期間において電圧vpc2をハイレベル電圧VPCとして出力し、電圧vnc2をローレベル電圧VNCとして出力する。コモン電圧出力部31は、制御部10から供給されるコモン制御信号SCOM[2:0]に応じて、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2の電圧レベルをハイレベル電圧VPC(vpc2)またはローベル電圧VNC(vnc2)に設定して出力する。
【0074】
本実施形態において、1フレーム期間Tの後半期間は3分割される。3分割された最初の期間においてコモン電圧VCOM0の電圧レベルがローレベル電圧(vnc2)に設定され、次の期間においてコモン電圧VCOM1の電圧レベルがローレベル電圧(vnc2)に設定され、3分割された最後の期間においてコモン電圧VCOM2の電圧レベルがローレベル電圧(vnc2)に設定される。1フレーム期間Tの後半期間においては、ローレベル電圧(vnc2)が印加されるコモン電極502に接続された画素が、点灯対象として選択される。
【0075】
一方、1フレーム期間Tの後半期間において、セグメント反転信号pol_sはハイレベルを呈する。これにより、セグメント電源部22のP−MOSトランジスタ231および233がオン状態となり、P−MOSトランジスタ232および234がオフ状態となる。従って、セグメント電源部22は、1フレーム期間Tの後半期間において電圧vps1をハイレベル電圧VPSとして出力し、電圧vns1をローレベル電圧VNSとして出力する。セグメント電圧出力部32は、制御部10から供給されるセグメント制御信号SSEG[49:0]に応じて、セグメント電圧VSEG0、VSEG1、・・・およびVSEG49の電圧レベルをハイレベル電圧VPS(vps1)またはローベル電圧VNS(vns1)に設定して出力する。
【0076】
1フレーム期間Tの後半期間においては、ハイベル電圧VPS(vps1)が印加されたセグメント電極501とローレベル電圧(vnc2)が印加されたコモン電極502との交差部に配置された画素が点灯し、ローレベル電圧VNS(vns1)が印加されたセグメント電極501とハイレベル電圧VPC(vpc2)が印加されたコモン電極502との交差部に配置された画素が消灯する。すなわち、セグメント電極501とコモン電極502の電位差が最大となる部位に配置された画素が点灯し、それ以外の画素は消灯する。このように、1フレーム期間Tの前半期間と後半期間とで、ハイレベル電圧VPC、VPSおよびローレベル電圧VNC、VNSの電圧レベルが、それぞれ変化するとともにコモン電極に印加される電圧とセグメント電極に印加される電圧の大小関係が反転される。
【0077】
以下において、フレーム反転時およびフレーム切り替え時における動作の詳細について説明する。
【0078】
1フレーム期間Tの前半期間が終了すると、コモン反転信号pol_cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するとともに、セグメント反転信号pol_sの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移する。
【0079】
コモン反転信号pol_cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移することにより、コモン電源部21のタイミング調整回路203の出力信号S1cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移する。そして、タイミング調整回路203によるタイミング調整機能により、出力信号S1cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移した後に、出力信号S2cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移する。
【0080】
タイミング調整回路203の出力信号S1cは、レベルシフタ208に入力される。レベルシフタ208は、タイミング調整回路203の出力信号S1cの信号レベルを増大させ、出力信号S3cとして出力する。レベルシフタ208の出力信号S3cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングは、タイミング調整回路203の出力信号S1cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングに対して遅延している。
【0081】
タイミング調整回路203の出力信号S2cは、レベルシフタ209に入力され、信号レベルが増大された後、インバータ210に入力される。インバータ210は、レベルシフタ209の出力信号を反転させた出力信号S4cを出力する。インバータ210の出力信号S4cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングは、タイミング調整回路203の出力信号S2cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングに対して遅延している。
【0082】
図6に示す例では、コモン反転信号pol_cのハイレベルからローレベルへの遷移に伴って、レベルシフタ208の出力信号S3cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングは、インバータ210の出力信号S4cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングよりも先となっており、タイミング調整回路203によって調整されたタイミングが維持されている。従って、コモン電源部21において、P−MOSトランジスタ211および213がオン状態からオフ状態に移行した後に、P−MOSトランジスタ212および214がオフ状態からオン状態に移行する。コモン電源部21において、各トランジスタが上記の順序でオンオフすることにより、P−MOSトランジスタ211および212が同時にオン状態となることによる貫通電流の発生が防止され、P−MOSトランジスタ213および214が同時にオン状態となることによる貫通電流の発生が防止される。
【0083】
一方、セグメント反転信号pol_sの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移することにより、セグメント電源部22のタイミング調整回路223の出力信号S2sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移する。そして、タイミング調整回路223によるタイミング調整機能により、出力信号S2sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移した後に、出力信号S1sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移する。
【0084】
タイミング調整回路223の出力信号S1sは、レベルシフタ228に入力される。レベルシフタ228は、タイミング調整回路223の出力信号S1sの信号レベルを増大させ、出力信号S3sとして出力する。レベルシフタ228の出力信号S3cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングは、タイミング調整回路223の出力信号S1sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングに対して遅延している。
【0085】
タイミング調整回路223の出力信号S2sは、レベルシフタ229に入力され、信号レベルが増大された後、インバータ230に入力される。インバータ230は、レベルシフタ229の出力信号を反転させた出力信号S4sを出力する。インバータ230の出力信号S4sの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングは、タイミング調整回路223の出力信号S2sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングに対して遅延している。
【0086】
図6に示す例では、セグメント反転信号pol_sのローレベルからハイレベルへの遷移に伴って、レベルシフタ228の出力信号S3cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングは、インバータ230の出力信号S4sの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングよりも先となっている。すなわち、出力信号S3sおよびS4sは、タイミング調整回路223によって設定された順序とは逆の順序で信号レベルが遷移している。これにより、セグメント電源部22において、P−MOSトランジスタ231および233がオフ状態からオン状態に移行した後に、P−MOSトランジスタ232および234がオン状態からオフ状態に移行する。セグメント電源部22において、各トランジスタが上記の順序でオンオフすることにより、P−MOSトランジスタ231および232が同時にオン状態となる期間が生じ、貫通電流が発生する。さらに、P−MOSトランジスタ233および234が同時にオン状態となる期間が生じ、貫通電流が発生する。
【0087】
一方、1フレーム期間Tが終了すると、コモン反転信号pol_cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するとともに、セグメント反転信号pol_sの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移する。
【0088】
図6に示す例では、コモン反転信号pol_cのローレベルからハイレベルへの遷移に伴って、レベルシフタ208の出力信号S3cの信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移するタイミングは、インバータ210の出力信号S4cの信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するタイミングよりも先となっている。すなわち、出力信号S3cおよびS4cは、タイミング調整回路203によって設定された順序とは逆の順序で信号レベルが遷移している。これにより、コモン電源部21において、P−MOSトランジスタ211および213がオフ状態からオン状態に移行した後に、P−MOSトランジスタ212および214がオン状態からオフ状態に移行する。コモン電源部21において、各トランジスタが上記の順序でオンオフすることにより、P−MOSトランジスタ211および212が同時にオン状態となる期間が生じ、貫通電流が発生する。さらに、P−MOSトランジスタ213および214が同時にオン状態となる期間が生じ、貫通電流が発生する。
【0089】
上記の貫通電流を誘発する各トランジスタのオンオフのタイミングのずれは、半導体装置1に供給される電源電圧が低電圧(例えば1V以下)となった場合に顕著となる。低電圧化が要求される現状においては、上記の貫通電流の発生を完全に防止することは困難である。
【0090】
図8は、上記の貫通電流による影響を示す図である。図8に示すように、1フレーム期間Tの前半期間が終了し、フレーム反転が行われるタイミングでセグメント電源部22において上記の貫通電流が発生すると、セグメント電圧VSEG0〜VSEG49の電圧レベルに乱れが生じ、これによって液晶パネル500において、ちらつきなどの異常表示が発生するおそれがある。また、1フレーム期間Tが終了し、フレーム切り替えが行われるタイミングでコモン電源部21において上記の貫通電流が発生すると、コモン電圧VCOM0〜VCOM2の電圧レベルに乱れが生じ、これによって液晶パネル500において、ちらつきなどの異常表示が発生するおそれがある。
【0091】
そこで、本実施形態に係る半導体装置1は、貫通電流が発生し得るフレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングにおいて、コモン電圧出力部31の各コモン電圧出力端子310をフローティング(ハイインピーダンス)にするとともに、セグメント電圧出力部32の各セグメント電圧出力端子320をフローティング(ハイインピーダンス)にする。
【0092】
すなわち、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングにおいて、コモン電圧出力部31の各コモン電圧出力端子310は、入力端311および312の双方に対して非接続とされ、フローティング(ハイインピーダンス)状態となり、これにより、ハイレベル電圧VPCおよびローレベル電圧VNCの出力が停止される。同様に、フレーム反転のタイミングおよびフレーム切り替えのタイミングにおいて、セグメント電圧出力部32の各セグメント電圧出力端子320は、入力端321および322の双方に対して非接続とされ、フローティング(ハイインピーダンス)状態となり、これにより、ハイレベル電圧VPSおよびローレベル電圧VNSの出力が停止される。
【0093】
図7は、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングにおけるコモン制御信号SCOM[2:0](SCOM[0]_1、SCOM[0]_1、SCOM[1]_1、SCOM[1]_1、SCOM[2]_1、SCOM[2]_1)の状態を示すタイムチャートであり、図6に示すタイムチャートに対応している。
【0094】
制御部10は、コモン反転信号pol_cの信号レベルが遷移する前後1/2クロック期間(合計1クロック期間)に亘り、コモン電圧出力部31のP−MOSトランジスタ300PC、301PCおよび302PCのゲートに供給されるコモン制御信号SCOM[0]_1、SCOM[1]_1およびSCOM[2]_1の信号レベルをハイレベルとし、コモン電圧出力部31のN−MOSトランジスタ300NC、301NCおよび302NCのゲートに供給されるコモン制御信号SCOM[0]_2、SCOM[1]_2およびSCOM[2]_2の信号レベルをローレベルとする。これにより、P−MOSトランジスタ300PC、301PCおよび302PC並びにN−MOSトランジスタ300NC、301NCおよび302NCは、一斉にオフ状態となる。これにより、コモン電圧出力部31の各コモン電圧出力端子310は、入力端311および312の双方から切り離され、フローティング(ハイインピーダンス)状態となる。すなわち、コモン反転信号pol_cの信号レベルが遷移する前後1/2クロック期間(合計1クロック期間)に亘り、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2の出力が停止される。なお、液晶パネルの各画素は、直前に印加された電圧のレベルを一定期間保持するので、コモン電圧出力端子310を一時的にフローティング(ハイインピーダンス)状態にしても、画質には殆ど影響しない。
【0095】
このように、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングにおいて、コモン電圧出力部31の各コモン電圧出力端子310を、入力端311および312の双方から切り離すことにより、コモン電源部21において発生する貫通電流の影響が、コモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2に及ぶことを防止することができる。すなわち、本実施形態に係る半導体装置1によれば、貫通電流の発生自体を防止するためのタイミング調整に必要な膨大な作業工数およびコストを伴うことなく液晶パネル500における異常表示の発生を抑制することが可能となる。
【0096】
また、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングと、コモン電圧出力端子310をフローティング(ハイインピーダンス)状態とするタイミングを共通のクロック信号clkに同期させることにより、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングに合わせてコモン電圧出力端子310をフローティング(ハイインピーダンス)状態とすることが容易となる。
【0097】
なお、本実施形態では、コモン反転信号pol_cの信号レベルが遷移する前後1/2クロック期間(合計1クロック期間)に亘り、コモン電圧出力端子310をフローティング(ハイインピーダンス)状態としているが、この態様に限定されるものではない。コモン電圧出力端子310をフローティング(ハイインピーダンス)状態とする期間が、コモン電源部21における各トランジスタのオンオフの切り替わりの開始から終了までの期間を含むように設定されていればよい。本実施形態のように、コモン反転信号pol_cの信号レベルが遷移する前後期間に亘りコモン電圧出力端子310をフローティング(ハイインピーダンス)状態とすることにより、貫通電流の影響がコモン電圧VCOM0、VCOM1およびVCOM2に及ぶことを確実に防止することができる。
【0098】
同様に、制御部10は、セグメント反転信号pol_sの信号レベルが遷移する前後1/2クロック期間(合計1クロック期間)に亘り、セグメント電圧出力部32のP−MOSトランジスタ300PS、301PS、・・・および349PSのゲートに供給されるセグメント制御信号SSEG[0]_1、SSEG[1]_1、・・・およびSSEG[49]_1の信号レベルをハイレベルとし、セグメント電圧出力部32のN−MOSトランジスタ300NS、301NS、・・・および349NSのゲートに供給されるセグメント制御信号SSEG[0]_2、SSEG[1]_2、・・・およびSSEG[49]_2の信号レベルをローレベルとする(図示せず)。これにより、P−MOSトランジスタ300PS、301PS、・・・および349PS並びにN−MOSトランジスタ300NS、301NS、・・・および349NSは、一斉にオフ状態となる。これにより、セグメント電圧出力部32の各セグメント電圧出力端子320は、入力端321および322の双方から切り離され、フローティング(ハイインピーダンス)状態となる。すなわち、セグメント反転信号pol_sの信号レベルが遷移する前後1/2クロック期間(合計1クロック期間)に亘り、セグメント電圧VSEG0、VSEG1、・・・およびVSEG49の出力が停止される。なお、液晶パネルの各画素は、直前に印加された電圧のレベルを一定期間保持するので、セグメント電圧出力端子320を一時的にフローティング(ハイインピーダンス)状態にしても、画質には殆ど影響しない。
【0099】
このように、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングにおいて、セグメント電圧出力部32の各セグメント電圧出力端子320を、入力端321および322の双方から切り離すことにより、セグメント電源部22において発生する貫通電流の影響が、セグメント電圧VSEG0、VSEG1、・・・およびVSEG49に及ぶことを防止することができる。液晶パネル500における異常表示の発生を抑制することが可能となる。すなわち、本実施形態に係る半導体装置1によれば、貫通電流の発生自体を防止するためのタイミング調整に必要な膨大な作業工数およびコストを伴うことなく液晶パネル500における異常表示の発生を抑制することが可能となる。
【0100】
また、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングと、セグメント電圧出力端子320をフローティング(ハイインピーダンス)状態とするタイミングを共通のクロック信号clkに同期させることにより、フレーム反転およびフレーム切り替えのタイミングに合わせてセグメント電圧出力端子320をフローティング(ハイインピーダンス)状態とすることが容易となる。
【0101】
なお、本実施形態では、セグメント反転信号pol_sの信号レベルが遷移する前後1/2クロック期間(合計1クロック期間)に亘り、セグメント電圧出力端子320をフローティング(ハイインピーダンス)状態としているが、この態様に限定されるものではない。セグメント電圧出力端子320をフローティング(ハイインピーダンス)状態とする期間が、セグメント電源部22における各トランジスタのオンオフの切り替わりの開始から終了までの期間を含むように設定されていればよい。本実施形態のように、セグメント反転信号pol_sの信号レベルが遷移する前後期間に亘りセグメント電圧出力端子320をフローティング(ハイインピーダンス)状態とすることにより、貫通電流の影響がセグメント電圧VSEG0、VSEG1、・・・およびVSEG49に及ぶことを確実に防止することができる。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る半導体装置1によれば、貫通電流の発生自体を完全に防止することは困難であるが、貫通電流に起因する異常表示の発生を抑制することが可能となる。
【0103】
なお、本実施形態では、半導体装置1がコモン電源部21およびコモン電圧出力部31を含むユニットと、セグメント電源部22およびセグメント出力部32を含むユニットの双方を含む構成を例示したが、いずれか一方のユニットを含む構成としてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、コモン電圧出力部31およびセグメント出力部32が複数の電圧出力端子を有する構成を例示したが、コモン電圧出力部31およびセグメント出力部32は、少なくとも1つの電圧出力端子を有していればよい。
【0105】
なお、コモン電源部21は、本発明における第1の電源部の一例である。コモン電圧出力部31は、本発明における第1の出力部の一例である。制御部10は、本発明における制御部の一例である。コモン反転信号pol_cおよびセグメント反転信号pol_sは、本発明における第1の信号の一例である。コモン電源部21の出力端241は、本発明における第1の電源出力端の一例である。コモン電源部21の出力端242は、本発明における第2の電源出力端の一例である。コモン電圧出力端子310は、本発明における第1の電圧出力端子の一例である。コモン制御信号SCOM[0]_1、SCOM[1]_1およびSCOM[2]_1は、本発明における第2の信号の一例である。コモン制御信号SCOM[0]_2、SCOM[1]_2およびSCOM[2]_2は、本発明における第3の信号の一例である。P−MOSトランジスタ300PC、301PCおよび302PCは、本発明における第1の出力段スイッチの一例である。N−MOSトランジスタ300NC、301NCおよび302NCは、本発明における第2の出力段スイッチの一例である。
【0106】
P−MOSトランジスタ211は、本発明における第1の電源スイッチの一例である。P−MOSトランジスタ212は、本発明における第2の電源スイッチの一例である。P−MOSトランジスタ213は、本発明における第3の電源スイッチの一例である。P−MOSトランジスタ214は、本発明における第4の電源スイッチの一例である。タイミング調整回路203、インバータ201、202、210およびレベルシフタ208、209は、本発明における切り替え制御部の一例である。タイミング調整回路203は、本発明におけるタイミング調整回路の一例である。第1の信号生成部11は、本発明における第1の信号生成部の一例である。第2の信号生成部12は、本発明における第2の信号生成部の一例である。
【0107】
セグメント電源部22は、本発明における第2の電源部の一例である。セグメント電圧出力部32は、本発明における第2の出力部の一例である。セグメント電源部22の出力端251は、本発明における第3の電源出力端の一例である。セグメント電源部22の出力端252は、本発明における第4の電源出力端の一例である。セグメント電圧出力端子220は、本発明における第2の電圧出力端子の一例である。セグメント制御信号SSEG[0]_1、SSEG[1]_1、・・・およびSSEG[49]_1は、本発明における第4の信号の一例である。セグメント制御信号SSEG[0]_2、SSEG[1]_2、・・・およびSSEG[49]_2は、本発明における第5の信号の一例である。P−MOSトランジスタ300PS、301PS、・・・および349PSは、本発明における第3の出力段スイッチの一例である。N−MOSトランジスタ300NS、301NS、・・・および349NCは、本発明における第4の出力段スイッチの一例である。
【符号の説明】
【0108】
1 半導体装置
10 制御部
11 第1の信号生成部
12 第2の信号生成部
21 コモン電源部
22 セグメント電源部
31 コモン電圧出力部
32 セグメント電圧出力部
203、233 タイミング調整回路
211〜214 P−MOSトランジスタ
241、242、251、252 出力端
310 コモン電圧出力端子
320 セグメント電圧出力端子
300PC、301PC、302PC P−MOSトランジスタ
300NC、301NC、302NC N−MOSトランジスタ
300PS、301PS、349PS P−MOSトランジスタ
300NS、301NS、349NC N−MOSトランジスタ
pol_c コモン反転信号
pol_sセグメント反転信号
COM[0]_1、SCOM[0]_2、SCOM[1]_1、SCOM[1]_2、SCOM[2]_1、SCOM[2]_2 コモン制御信号
SEG[0]_1、SSEG[0]_2、SSEG[1]_1、SSEG[1]_2、SSEG[49]_1、SSEG[49]_2 セグメント制御信号
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8