【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、この問題は、請求項1に記載デバイスによって解決される。1つの実施形態において、デバイスは、フォトリソグラフィマスクまたはウェハの少なくとも1つの欠陥を分析するためのプローブ構成を含む走査型プローブ顕微鏡を含み、このデバイスは、(a)少なくとも1つの欠陥を分析するように具現された少なくとも1つの第1のプローブと、(b)少なくとも1つのマークを生成するための手段であり、少なくとも1つのマークによってフォトリソグラフィマスクまたはウェハの少なくとも1つの欠陥の位置が示される、生成するための手段とを含み、(c)マークは、走査型粒子ビーム顕微鏡によって検出され得るように具現される。
【0009】
第1のステップにおいて、本発明による走査型プローブ顕微鏡は、1つまたは複数のプローブを使用して、フォトリソグラフィマスクまたはウェハの欠陥を分析する。次いで、走査型プローブ顕微鏡は、分析された欠陥の近傍に1つまたは複数のマークを生成する。生成されたマークは、走査型粒子ビーム顕微鏡の粒子ビームによって容易に検出され得る性質を有する。これは、少なくとも1つのマークへの重要な要求のうちの1つであり、例えば欠陥と異なり、少なくとも1つのマークは、サンプルの欠陥の位置を高い正確さで決定することができるために走査型粒子ビーム顕微鏡の画像において明確に見えなければならない。その結果として、本発明による走査型プローブ顕微鏡は、走査型粒子ビーム顕微鏡では材料コントラストを生成せず、トポグラフィコントラストがないかまたは弱いトポグラフィコントラストしかない欠陥を走査型粒子ビーム顕微鏡が見いだすのをより容易にする。
【0010】
1つの態様によれば、少なくとも1つの第1のプローブは、走査型粒子ビーム顕微鏡によって検出することができないまたは信頼性高く検出することができない欠陥を分析するように具現される。少なくとも1つのマークが、走査型粒子ビーム顕微鏡の画像において材料コントラストを生成するように具現され得る。
そのような欠陥の一例は、フォトリソグラフィマスクの位相欠陥である。例として、位相欠陥は、フォトマスクの基板の大面積凹凸によって引き起こされる。短波長フォトリトグラフィ装置のために設計されたフォトマスクまたは単純なマスクの場合には、所定の輪郭からの1桁ナノメートル範囲の逸脱は、位相欠陥を生成するのにもはや十分である。材料コントラストがないことおよびトポグラフィコントラストがほとんど存在しないことのために、位相欠陥は走査型粒子ビーム顕微鏡を使用してほとんど検出することができない。対照的に、走査型プローブ顕微鏡は、サブナノメートル範囲の凹凸を検出することができる。フォトリソグラフィマスクの位相欠陥の位置は、1つまたは複数のマークの助けを借りて走査型粒子ビーム顕微鏡に示すことができる。走査型粒子ビーム顕微鏡は、欠陥を補正するときマークを使用することができる。導入部に記載したような、サンプルとの2つの異なる相互作用に基づいて記録された測定データの重ね書き問題は、おおむね回避することができる。
【0011】
走査型プローブ顕微鏡は、少なくとも1つのマークと、少なくとも1つの欠陥の少なくとも一部との両方が走査型プローブ顕微鏡の単一走査領域に配置されるように少なくとも1つのマークをサンプルに付けるように具現された制御ユニットをさらに含むことができる。
この条件により、欠陥と1つまたは複数のマークとの間の距離が高い正確さで突き止められ得ることが保証される。
【0012】
走査型プローブ顕微鏡のプローブの走査領域は、0.1μm〜400μm、好ましくは0.5μm〜10μm、および最も好ましくは1μm〜5μmの辺長をもつ正方形または四辺形を含むことができる。
走査型プローブ顕微鏡の走査型領域またはその視野は、走査型プローブ顕微鏡と、フォトリソグラフィマスクもしくはウェハまたはマスクもしくはウェハが配置されるサンプルステージとが、互いに対して移動されることなく、プローブの測定チップがプローブのアクチュエータ、好ましくはピエゾアクチュエータを作動させることによって通ることができる区域である。
上述で既に述べたように、欠陥の占有場所の座標は、少なくとも1つのマークと欠陥の少なくとも一部とが1つの走査型領域内に配置されるように欠陥と関連してサンプルの表面に少なくとも1つのマークが取り付けられるおかげで少なくとも1つのマークの座標を基準にして高い精度で分かる。
【0013】
以下で、「フォトリソグラフィマスク」、「フォトマスク」、および「マスク」という表現は、同義的に使用される。フォトリソグラフィマスクは、反射型フォトマスクまたは透過型フォトマスクを含むことができる。ウェハという用語は、加工されていない半導体スライスを含み、完成した半導体構成要素まで及ぶ。
さらなる態様では、少なくとも1つの欠陥を分析することは、走査型プローブ顕微鏡の制御ユニットによって少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび少なくとも1つのマークの位置データを決定することを含む。
制御ユニットは、少なくとも1つのマークの位置データを少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータに関連づけるようにさらに具現され得る。
【0014】
既に示したように、走査型プローブ顕微鏡のプローブは、サンプルの表面、故に、マスクまたはウェハの表面を、サブナノメートル範囲の分解能で走査することができる。その結果として、サンプルの欠陥の正確な3次元画像を決定することが可能である。
欠陥のトポグラフィデータは、欠陥の占有面積の複数の点、すなわち、少なくとも1つのマークの座標の位置または座標に関するxy座標を含む。さらに、欠陥のトポグラフィデータは、欠陥の高さまたはくぼみ、すなわち、マスクまたはウェハの欠陥のない表面に対するz座標を含む。
【0015】
ウェハのマスクは、少なくとも1つの基準マークを有することができる。少なくとも1つの基準マークは、走査型プローブ顕微鏡の座標系におけるマーク済み欠陥に関連づけられる。この関連性は、走査型粒子ビーム顕微鏡の座標系に移送される。それゆえに、この関連性を使用して、画像を走査型プローブ顕微鏡の座標系から走査型粒子ビーム顕微鏡の座標系に移送することが可能である。
制御ユニットは、少なくとも1つのマークの位置データおよび/または少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータを不揮発性メモリに記憶するようにさらに具現することができる。
したがって、走査型プローブ顕微鏡によって決定された測定データは、欠陥を補正するためのデバイス、すなわち、例えば、走査型粒子ビーム顕微鏡に容易に供給することができる。走査型粒子ビーム顕微鏡を使用して欠陥を見いだすことが、それによってより容易になる。これは、特に、上述で既に説明したように、走査型粒子ビーム顕微鏡の粒子ビームを使用して画像化され得ないか、または大きな困難を伴ってしか画像化され得ないフォトリソグラフィマスクの位相欠陥に適用される。
【0016】
制御ユニットは、少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータから少なくとも1つの欠陥を補正するための修復テンプレートを決定するようにさらに具現することができる。
修復テンプレートは、マスクまたはウェハの欠陥を補正または補償するために、粒子ビームの強度の空間的および時間的分布と、エッチングガスまたは堆積ガスのガス流量の時間曲線とを規定する。
1つの態様では、少なくとも1つの生成されたマークは、マスクまたはウェハに存在する少なくとも1つの基準マークと規定の関係を有する。
故に、欠陥の位置は、マスクまたはウェハの座標系において欠陥と少なくとも1つのマークとの関係を介して分かる。例として、これにより、欠陥(例えば、フォトリソグラフィマスクの位相欠陥)が、粒子ビームによって生成された画像では見えない場合でさえ、欠陥を補正するために欠陥の位置を局限することが可能になる。
制御ユニットは、少なくとも1つの欠陥の両側に少なくとも2つのマークを付けるように構成することができる。さらに、制御ユニットは、少なくとも1つの欠陥を含む長方形の角に配置された4つのマークを生成するように具現され得る。
単一の欠陥に対して2つ以上のマークを付けるのは、第1に、マークを生成するための支出を増加させ、第2に、欠陥が補正された後マークを除去するための支出を増加させる。見返りとして、2つ以上マークに基づいて、欠陥の修復中の欠陥のより正確な位置確認が可能である。
【0017】
少なくとも1つのマークを生成するための手段は、フォトリソグラフィマスクまたはウェハに少なくとも1つのくぼみを生成するように具現された少なくとも1つの第1のプローブを含むことができる。
最も簡単な実施形態では、走査型プローブ顕微鏡のプローブ構成は、第1の動作モードで1つまたは複数の欠陥を分析するのに使用される単一のプローブを含む。第2の動作モードにおいて、単一のプローブは、発見された欠陥のために1つまたは複数のマークを生成するのに使用される。例として、これは、マスクまたはウェハに1つまたは複数のくぼみを生成することによって実行することができる。
【0018】
1つの態様では、少なくとも1つの第1のプローブは、少なくとも1つの欠陥を分析するように具現された少なくとも2つのプローブを含む。
例えば、異なる機構を介してサンプルと相互作用するか、または測定チップの異なる曲率半径を有することができる2つ以上の分析プローブを含むプローブ構成を使用して、マスクもしくはウェハの包括的な画像、または表面に存在する1つもしくは複数の欠陥の包括的な画像を決定することが可能である。2つ以上の分析プローブの最適化は、例えばこれらのプローブのための幾何形状および材料選定を介して実行することができる。第2に、これらのプローブのホルダが、この機能を満たすために最適化され得る。
その上、異なる欠陥タイプを含む、かつ/または特定の位置を有する異なる欠陥が、マスクまたはウェハに存在することがある。少なくとも2つのプローブのうちの1つは、追加として、マスクまたはウェハに1つまたは複数のマークを生成するために使用することができる。
【0019】
少なくとも1つのマークを生成するための手段は、フォトリソグラフィマスクまたはウェハに少なくとも1つのくぼみを生成するように具現された少なくとも1つの第2のプローブを含むことができる。少なくとも1つのくぼみをフォトリソグラフィマスクの吸収体構造の要素に生成することができる。
マスクまたはウェハの表面に構造を生成するための技法は、「力支援ナノリソグラフィ」という用語に関連する一節の前述の概要項目の導入部で説明されている。
【0020】
少なくとも2つのプローブを含むプローブ構成は、これらが異なる機能または目的を実行するように最適化され得るので有利である。少なくとも1つの第2のプローブは、所定の方法でマスクまたはウェハを修正し、それによって、マスクまたはウェハにマークを生成するように狙い通りに設計することができる。例として、そのようなプローブのチップの設計のためのパラメータは、サンプルに材料を堆積させることによってまたはサンプルの表面に構造を生成することによってマークがサンプルに生成されるかどうかに依存する。第2のプローブのホルダ(専門家分野では普通であるように、以下、カンチレバーとも呼ぶ)および第2のプローブの測定チップは、チップが所定の機能を満たすために理想的な方法で使用され得るように具現される。追加として、本発明による走査型プローブ顕微鏡の制御ユニットは、実行されるべき機能に第2のプローブの動作モードを適合させやすくする。さらに、プローブ構成は、1つを超えるマークを生成するために複数の第2のプローブを含むことができる。例として、プローブ構成は、サンプルにくぼみを生成することによって第1のマークを生成する1番目の第2のプローブと、サンプルの表面上に材料を堆積させることによって第2のマークを生成するためにサンプルに材料を堆積させるためのさらなる第2のプローブとを含むことができる。それゆえに、個々のプローブが特定の用途のために最適化されている、本発明による走査型プローブ顕微鏡のためのプローブ構成を製造することが可能である。
【0021】
プローブ構成の1つのプローブのみがどの時点においても動作し、一方、他の1つまたは複数のプローブは静止位置にあることが好ましく、このプローブのチップまたはこれらのプローブのチップは、ウェハまたはマスクの表面からある距離に保持され、その距離は、マスクもしくはウェハまたはマスクもしくはウェハの欠陥と、このプローブまたはこれらのプローブとの相互作用を実質的に防止するように十分に大きいことが望ましい。その結果として、上述で規定されたプローブ構成のうちの1つを従来の走査型プローブ顕微鏡に設置するための装置に関する支出は低い。しかしながら、プローブの各々のものを、1つの移動要素または複数の移動要素を介して、それぞれの静止位置から規定の作動位置に素早くおよび再現性よく持って行くことができることが重要である。
少なくとも1つのマークを生成するための手段は、少なくとも1つの第2のプローブの測定チップに電圧を印加することによって、フォトリソグラフィマスクまたはウェハに少なくとも1つのマークとして材料を堆積させるように具現された少なくとも1つの第2のプローブを含むことができる。少なくとも1つのマークの材料は、フォトリソグラフィマスクの吸収体構造の要素に堆積させることができる。
【0022】
材料は、サンプルと第2のプローブの測定チップとの間で、測定チップとサンプル表面との間の水メニスカス内で、DC電圧の印加によってまたは電圧パルスの結果として、マスクまたはウェハの表面に堆積され得る。第2節で述べた"Nanoscale material patterning and engineering by atomic force microscopy nanolithography" by X.N. Xie, H.J. Chung, C.H. Sow and A.T.S. Weeという概要項目は、サンプルの表面にマークを付けるために使用することができるこの技法を「バイアス支援ナノリソグラフィ」として説明している。
第2のプローブのチップは、表面の測定には使用されず、それゆえに、厳密に言えば、測定チップを構成していない。以下、マスクもしくはウェハの表面上に材料を堆積させるかまたはマスクもしくはウェハの表面を修正するために使用される第2のプローブのチップは、やはり、測定チップと呼ぶ。
【0023】
少なくとも1つのマークを生成するための手段は、ディップペンナノリソグラフィプロセスにおけるインクの直接書き込みによって少なくとも1つのマークを生成するように具現された少なくとも1つの第2のプローブを含むことができる。少なくとも1つのマークは、フォトリソグラフィマスクの基板および/または吸収体構造の要素に材料を堆積させることによって生成することができる。
DPN(ディップペンナノリソグラフィ)プロセスによって直接書き込むことにより1つまたは複数のマークを生成することは、マークが、マスクまたはウェハを実質的に損傷することなく生成され得、少ない支出でマスクまたはウェハから再び除去され得るという点で有利である。構造を、故にマークをマスクまたはウェハの表面に堆積させるための技法は、「ディップペンナノリソグラフィ」という用語に関連する一節の前述の概要項目で論じられている。
【0024】
制御ユニットは、少なくとも1つのマークを付けるための位置を決定するためにフォトリソグラフィマスクの設計データを使用するように具現され得る。
これにより、マークが、例えば、フォトマスクの吸収体構造の要素の縁部に付けられないことを保証することが可能になる。その場合、マークは、走査型粒子ビーム顕微鏡の粒子ビームによって辛うじて検出することができるにすぎない。その上、マークを付けることおよびマスク表面からマークを除去することは、マスクの設計データを含むことによって簡単化することができる。例として、これは、フォトマスクの場合、印刷可能な欠陥に関して透明マスクの基板または反射マスクの多層反射構造ほど重大でない吸収体構造の要素上にマークが好ましくは生成されるおかげでもたらされる。
少なくとも1つのマークは、吸収体構造の少なくとも1つの要素の少なくとも1つのエッジ粗さを含むことができる。
【0025】
吸収体構造の少なくとも1つの要素の明白なエッジ粗さの場合には、エッジ粗さは、付近にあるフォトマスクの欠陥のための唯一のマークとして使用することができる。しかしながら、走査型プローブ顕微鏡の第2のプローブのうちの1つの助けを借りてマスクで生成される少なくとも1つのさらなるマークに加えて、エッジ粗さが追加のマークとして使用されることが好ましい。さらに、明白なエッジ粗さをフォトマスクの欠陥と考え、したがって、それを除去することが必要であることがある。
少なくとも1つの第1のプローブおよび少なくとも1つの第2のプローブは、1000μm〜50μm、好ましくは500μm〜100μm、および最も好ましくは250μm〜200μmの間隔を有することができる。プローブ構成の少なくとも1つの第1のプローブおよび少なくとも1つの第2のプローブは、微小電気機械システム(MEMS)として具現することができ、少なくとも1つの第1のプローブと少なくとも1つの第2のプローブとの間隔の正確さは、1μm未満、好ましくは200nm未満、および最も好ましくは50nm未満である。
【0026】
走査型プローブ顕微鏡は、少なくとも1つのマークの位置データおよび/または少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび/または少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを走査型粒子ビーム顕微鏡に移送するためのインタフェースを含むことができる。
マークの位置データ、および追加としてマスクまたはウェハの1つまたは複数の欠陥の少なくともトポグラフィデータを補修ツール、例えば、走査型粒子ビーム顕微鏡などに移送すると、補修ツールによる1つまたは複数の欠陥の除去または補償が大幅に簡単化される。
【0027】
走査型プローブ顕微鏡は走査型力顕微鏡を含むことができる。
測定システムは、上述の態様のうちの1つによる走査型プローブ顕微鏡と、走査型粒子ビーム顕微鏡とを含むことができ、走査型粒子ビーム顕微鏡は、少なくとも1つのマークの位置データおよび/または少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび/または少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを受け取るためのインタフェースを含む。
少なくとも1つのマークは、走査型粒子ビーム顕微鏡によって高い空間分解能で決定され得るように具現される。走査型粒子ビーム顕微鏡に供給される1つまたは複数の欠陥のトポグラフィデータまたはさらに1つまたは複数の欠陥の修復テンプレートのおかげで、走査型粒子ビーム顕微鏡は、高い正確さで1つまたは複数の欠陥を局限し、その結果として、これらを高い精度で除去することができる。マスクまたはウェハとの様々な相互作用機構によって突き止められた測定データの重ね書き問題は、導入部で説明したように、ほとんど無しで済まされる。その結果として、本発明による走査型プローブ顕微鏡と走査型粒子ビーム顕微鏡の両方の適用可能性が最適化される。
【0028】
走査型粒子ビーム顕微鏡は、フォトリソグラフィマスクまたはウェハにわたって少なくとも1つのマークおよび少なくとも1つの欠陥を検出するために少なくとも1つの粒子ビームを走査するように具現された制御ユニットを含むことができる。
走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、粒子ビームの走査データ、少なくとも1つのマークの位置データ、および少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータから少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを決定するように具現され得る。
走査型粒子ビーム顕微鏡は、(a)少なくとも1つのエッチングガスを貯蔵するように具現された少なくとも1つの第1の貯蔵容器、および/または(b)少なくとも1つの堆積ガスを貯蔵するように具現された少なくとも1つの第2の貯蔵容器、および/または(c)少なくとも1つの第1の貯蔵容器のための少なくとも1つの第1のバルブと、少なくとも1つの第2の貯蔵容器のための少なくとも1つの第2のバルブとを含む少なくとも1つの供給システムであり、欠陥および少なくとも1つのマークの位置に少なくとも1つのエッチングガスおよび/または少なくとも1つの堆積ガスを供給するように具現される、少なくとも1つの供給システムとをさらに含むことができる。
【0029】
これらの追加の構成要素の結果として、走査型粒子ビーム顕微鏡は、欠陥の分析に加えて、欠陥の補正に使用することもできる。
走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、修復テンプレートに基づいて、少なくとも1つの欠陥を補正するために、少なくとも1つの粒子ビームおよび少なくとも1つのエッチングガスのガス流量または少なくとも1つの堆積ガスのガス流量を制御するようにさらに具現され得る。
走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、少なくとも1つの欠陥を補正するために、少なくとも1つのエッチングガスのガス流量または少なくとも1つの堆積ガスのガス流量を制御するようにさらに具現され得る。少なくとも1つの欠陥は、真空環境で補正することができる。
【0030】
走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、少なくとも1つのマークを除去するために、少なくとも1つの粒子ビームおよび少なくとも1つのエッチングガスのガス流量または少なくとも1つの堆積ガスのガス流量を制御するように具現され得る。走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、少なくとも1つのマークを除去するために、少なくとも1つの粒子ビームおよび少なくとも1つのエッチングガスのガス流量または少なくとも1つの堆積ガスのガス流量を制御するようにさらに具現され得る。
1つまたは複数の欠陥を精密に補正することに加えて、規定された走査型粒子ビーム顕微鏡は、追加として、ほとんど残留物のない方法でマスクまたはウェハからマークを除去することができる。マークが、堆積された材料の形態で実現された場合、マークはエッチングプロセスによって除去することができる。もしもマークがくぼみの形態で生成されている場合、くぼみはマークの上に材料を堆積させることによって除去することができる。
その上、走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、少なくとも1つのマークをマークの位置データから自動的に識別するように具現され得る。
【0031】
走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、少なくとも1つのマークの位置データを少なくとも1つの粒子ビームの走査データに自動的に重ね合わせるようにさらに具現され得る。
その上、測定システムは、化学洗浄プロセスによって少なくとも1つのマークを除去するように具現された洗浄デバイスを含むことができる。
マスクまたはウェハの生成プロセス中の必要な洗浄ステップの範囲内でマークを除去することにより、マークの除去のための追加のプロセスステップが回避される。
【0032】
少なくとも1つのエッチングガスは、キセノンジフルオリド(XeF
2)、酸素(O
2)、オゾン(O
3)、水蒸気(H
2O)、過酸化水素(H
2O
2)、一酸化二窒素(N
2O)、酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO
2)、硝酸(HNO
3)、塩素(Cl
2)、塩化水素(HCl)、フッ化水素酸(HF)、ヨウ素(I
2)、ヨウ化水素(HI)、臭素(Br
2)、臭化水素(HBr)、塩化ニトロシル(NOCl)、三塩化リン(PCl
3)、五塩化リン(PCl
5)、三フッ化リン(PF
3)、および三フッ化窒素(NF
3)を含むことができる。
少なくとも1つの堆積ガスは、クロムヘキサカルボニル(Cr(CO)
6)、モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)
6)、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)
6)、ジコバルトオクタカルボニル(Co
2(CO)
8)、トリルテニウムドデカカルボニル(Ru
3(CO)
12)、または鉄ペンタカルボニル(Fe(CO)
5)などの金属カルボニル、シクロペンタジエニル(Cp)、トリメチル白金(CpPtMe
3)、メチルシクロペンタジエニル(MeCp)トリメチル白金(MeCpPtMe
3)、テトラメチルスズ(SnMe
4)、トリメチルガリウム(GaMe
3)、またはフェロセンシクロペンタジエニル(Cp
2Fe)などの金属アルキル、六塩化タングステン(WCl
6)、四塩化チタン(TiCl
4)、三塩化硼素(BCl
3)、または四塩化ケイ素(SiCl
4)などの金属ハロゲン化物、テトラエチルオルトシリケート(Si(OC
2H
5)
4)またはチタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH
3)
2)
4)などの金属アルコキシドを含むことができる。さらに、少なくとも1つの堆積ガスは、有機炭素化合物を含むことができる。有機炭素化合物は、エチレン(C
2H
4)、スチレン(C
8H
8)、ピレン(C
16H
10)、ヘキサデカン(C
16H
34)、流動パラフィン(C
12H
26からC
18H
38)、メタン酸(CH
2O
2)、酢酸(C
2H
4O
2)、アクリル酸(C
3H
4O
2)、プロピオン酸(C
3H
6O
2)、および/またはメタクリル酸メチル(MMA)(C
5H
8O
2)を含むことができる。
【0033】
走査型粒子ビーム顕微鏡の少なくとも1つのインタフェースは、走査型プローブ顕微鏡への問い合わせをワイヤレス送信するための、および少なくとも1つのマークの位置データおよび/または少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび/または少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを受信するための送信器/受信器組合せを含むことができる。
【0034】
走査型粒子ビーム顕微鏡の制御ユニットは、マスクまたはウェハに存在する少なくとも基準マークに対して規定した基準で少なくとも1つのマークの位置を決定するようにさらに具現され得る。
走査型粒子ビーム顕微鏡は、走査型電子顕微鏡を含むことができる。
【0035】
フォトリソグラフィマスクまたはウェハの少なくとも1つの欠陥を分析する方法は、(a)走査型プローブ顕微鏡を使用して少なくとも1つの欠陥を分析するステップと、(b)走査型プローブ顕微鏡を使用して、フォトリソグラフィマスクまたはウェハに少なくとも1つのマークを生成するステップであり、少なくとも1つのマークが、走査型粒子ビーム顕微鏡によって検出され得るように具現される、生成するステップと、(c)走査型粒子ビーム顕微鏡の少なくとも1つの粒子ビームを使用して少なくとも1つのマークを検出するステップとを含む。
【0036】
フォトマスクまたはウェハの欠陥を、走査型粒子ビーム顕微鏡の代わりに走査型プローブ顕微鏡を用いて分析するプロセスを開始することには、少なくとも2つの利点があり、第1に、走査型プローブ顕微鏡は、走査型粒子ビーム顕微鏡には見えない欠陥を試験することができる。これにより、欠陥分析の信頼性が向上する。第2に、マークは、走査型粒子ビーム顕微鏡の選択肢と比較したとき、走査型プローブ顕微鏡の助けを借りてより簡単な方法で生成することができる。走査型プローブ顕微鏡は、1つまたは複数のマークを生成するための多数の選択肢をもたらすので、マークは、マークの環境から理想的に見分けられるように設計され得る。その上、マークは、欠陥修復プロセスの完了後マスクまたはウェハから容易に除去され得るように生成することができる。最後に、走査型プローブ顕微鏡を介して1つまたは複数のマークを付けることは、修復デバイス、すなわち、走査型粒子ビーム顕微鏡の貴重な時間を解放する。
少なくとも1つの欠陥は、走査型粒子ビーム顕微鏡によって検出することができないまたは信頼性高く検出することができない欠陥を含むことができる。
そのような欠陥の重要な種類はフォトリソグラフィマスクの位相欠陥であり、それは既に上述で論じた。
1つの態様では、少なくとも1つのマークは、欠陥の少なくとも一部および少なくとも1つのマークが走査型プローブ顕微鏡の単一走査領域に配置されるように少なくとも1つの欠陥の近くに生成される。
少なくとも1つの欠陥を分析するステップは、少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび少なくとも1つのマークの位置データを決定するステップを含むことができる。
【0037】
別の態様は、少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータから決定するステップをさらに含む。
さらなる態様は、少なくとも1つのマークの位置データおよび/または少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび/または少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを走査型プローブ顕微鏡の不揮発性メモリに記憶するステップをさらに含む。
さらに、この方法は、少なくとも1つのマークの位置データおよび/または少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータおよび/または修復テンプレートを走査型プローブ顕微鏡から走査型粒子ビーム顕微鏡に移送するステップを含むことができる。
この方法は、少なくとも1つの欠陥および少なくとも1つのマークを走査型粒子ビーム顕微鏡の少なくとも1つの粒子ビームによって走査するステップを含むことができる。
【0038】
1つの態様は、少なくとも1つの欠陥の修復テンプレートを決定するために、粒子ビーム走査のデータを、少なくとも1つのマークの位置データおよび少なくとも1つの欠陥のトポグラフィデータに重ね合わせるステップを含む。
少なくとも1つのマークの位置データを検出するステップは、マークのコンピュータ支援識別によって実行することができる。
少なくとも1つのマークを生成するステップは、少なくとも1つのマークを付ける位置を決定するためにフォトリソグラフィマスクの設計データを使用するステップを含むことができる。
【0039】
1つの態様は、修復テンプレート、少なくとも1つの粒子ビーム、および少なくとも1つのエッチングガスまたは少なくとも1つの堆積ガスによって少なくとも1つの欠陥を補正するステップをさらに含む。別の態様は、修復テンプレートおよび少なくとも1つのエッチングガスまたは少なくとも1つの堆積ガスによって少なくとも1つの欠陥を補正するステップをさらに含む。
さらなる態様は、少なくとも1つの粒子ビームおよび少なくとも1つのエッチングガスまたは少なくとも1つの堆積ガスを使用して、フォトリソグラフィマスクまたはウェハから少なくとも1つのマークを除去するステップをさらに含む。別の態様は、少なくとも1つのエッチングガスまたは少なくとも1つの堆積ガスを使用して、フォトリソグラフィマスクまたはウェハから少なくとも1つのマークを除去するステップをさらに含む。
その上、この方法は、化学洗浄ステップを使用して、フォトリソグラフィマスクまたはウェハから少なくとも1つのマークを除去するステップを含むことができる。化学洗浄ステップは、ウェット化学洗浄ステップとすることができる。
【0040】
この方法は、マスクまたはウェハに存在する少なくとも1つの基準マークと規定された関係で少なくとも1つのマークを生成するステップをさらに含むことができる。その上、この方法は、マスクまたはウェハが配置されるサンプルステージの少なくとも1つの基準マークと関連して少なくとも1つのマークの位置データを決定するステップを含むことができる。
少なくとも1つのマークを生成するステップは、フォトリソグラフィマスクの吸収体構造の要素に少なくとも1つのくぼみを生成するステップを含むことができる。さらに、少なくとも1つのマークを生成するステップは、基板および/またはフォトリソグラフィマスクの吸収体構造の要素に材料を堆積させるステップを含むことができる。
以下の詳細な説明は、図面を参照して本発明の現在好ましい例示的な実施形態を説明する。