(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リミッターは、前記調整信号の前記現在信号値が前記第1の制限値よりも小さく又はそれに等しい場合、前記調整信号の前記現在信号値を前記第1の信号値として出力するが、前記調整信号が前記第1の制限値よりも大きい場合、前記第1の制限値を前記第1の信号値として出力する請求項2に記載のクロックデータリカバリ装置。
前記調整信号が更新される場合、前記マルチプレクサ回路システムは、前記第3のクロック信号に基づいて前記回転信号における前記一つを選別して、次第に前記位相制御信号を更新する請求項1〜3の何れか1項に記載のクロックデータリカバリ装置。
前記リミッターは、前記調整信号の前記現在信号値が前記第1の制限値よりも小さく又はそれに等しい場合、前記調整信号の前記現在信号値を前記第1の信号値として出力するが、前記調整信号が前記第1の制限値よりも大きい場合、前記第1の制限値を前記第1の信号値として出力する請求項7に記載の位相制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動作速度の要求がますます高くなるにつれて、CDR回路における内部回路を達成させることが困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、本願の一態様は、第1のクロック信号と第2のクロック信号に基づいて入力データを分析して、誤差信号を発生させるためのデータ分析回路システムと、前記誤差信号に基づいて調整信号を更新するためのループフィルタ回路システムと、前記調整信号が更新される場合に前記調整信号及び複数の制限値に基づいて複数の回転信号を調整することに用いられ、前記回転信号がそれぞれ複数の異なる位相区間に対応する位相回転器回路システムと、複数の第3のクロック信号に基づいて前記回転信号の1つを位相制御信号として出力するためのマルチプレクサ回路システムと、前記位相制御信号及び複数の第4のクロック信号に基づいて前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号を調整することに用いられ、前記第3のクロック信号の位相が互いに異なり、且つ前記第4のクロック信号の位相が互いに異なる位相補間回路システムと、を備えるクロックデータリカバリ装置を提供することにある。
【0006】
ある実施例において、前記位相回転器回路システムは、前記調整信号及び前記制限値に基づいて前記回転信号を調整するための複数の計数回路を備え、且つ前記計数回路は、前記制限値における第1の制限値と前記調整信号の前回信号値及び現在信号値に基づいて前記回転信号における第1の回転信号を調整するための第1の計数回路を含む。
ある実施例において、第1の計数回路は、前記第1の制限値と前記調整信号の前記現在信号値とを比較して前記第1の制限値又は前記調整信号の前記現在信号値を第1の信号値として出力するためのリミッターと、調整信号の前記前回信号値が前記第1の制限値よりも大きい場合に前記調整信号の前記前回信号値から前記第1の制限値を減算してフィードバック信号値を発生させるための減算器と、前記フィードバック信号値と前記第1の信号値を加算してトリガ信号として出力するための加算器と、トリガ信号に基づいて計数操作を1回又は複数回行って、第1の回転信号を発生させるため計数器と、を含む。
【0007】
ある実施例において、前記リミッターは、前記調整信号の前記現在信号値が前記第1の制限値よりも小さく又はそれに等しい場合、前記調整信号の前記現在信号値を前記第1の信号値として出力するが、前記調整信号が前記第1の制限値よりも大きい場合、前記第1の制限値を前記第1の信号値として出力する。
【0008】
ある実施例において、前記第3のクロック信号の周波数は、前記第4のクロック信号の周波数よりも低い。
【0009】
ある実施例において、前記調整信号が更新される場合、前記マルチプレクサ回路システムは、前記第3のクロック信号に基づいて前記回転信号における前記一つを選別して、次第に前記位相制御信号を更新する。
【0010】
本願のある実施態様は、位相制御方法は、第1のクロック信号と第2のクロック信号に基づいて入力データを分析して、誤差信号を発生させる工程と、前記誤差信号に基づいて調整信号を更新する工程と、前記調整信号が更新される場合、複数の計数回路が前記調整信号及び複数の制限値に基づいて複数の回転信号を調整し、前記回転信号がそれぞれ複数の異なる位相区間に対応する工程と、複数の第3のクロック信号に基づいて前記回転信号の1つを位相制御信号として出力する工程と、前記位相制御信号及び複数の第4のクロック信号に基づいて前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号を補間し、前記第3のクロック信号の位相が互いに異なり、且つ前記第4のクロック信号の位相が互いに異なる工程と、を備える位相制御方法を提供することに用いられる。
【0011】
ある実施例において、前記回転信号を調整する工程は、前記計数回路における第1の計数回路が前記制限値における第1の制限値と前記調整信号の前回信号値及び現在信号値に基づいて前記回転信号における第1の回転信号を調整する工程を含む。
【0012】
ある実施例において、前記第1の回転信号を調整する工程は、前記第1の計数回路のリミッターにより前記第1の制限値と前記調整信号の前記現在信号値とを比較して、前記第1の制限値又は前記調整信号の前記現在信号値を第1の信号値として出力する工程と、調整信号の前記前回信号値が前記第1の制限値よりも大きい場合、前記第1の計数回路の減算器により前記調整信号の前記前回信号値から前記第1の制限値を減算してフィードバック信号値を発生させる工程と、前記第1の計数回路の加算器により前記フィードバック信号値と前記第1の信号値を加算してトリガ信号として出力する工程と、前記第1の計数回路の計数器が前記トリガ信号に基づいて計数操作を1回又は複数回行って、前記第1の回転信号を発生させる工程と、を含む。
【0013】
ある実施例において、前記リミッターは、前記調整信号の前記現在信号値が前記第1の制限値よりも小さく又はそれに等しい場合、前記調整信号の前記現在信号値を前記第1の信号値として出力するが、前記調整信号が前記第1の制限値よりも大きい場合、前記第1の制限値を前記第1の信号値として出力する。
【発明の効果】
【0014】
以上をまとめると、本願により提供されたクロックデータリカバリ装置とその位相制御方法は、低い周波数で動作する位相回転器を使用して、位相補間回路を制御して高速のクロック信号を発生させることができる。このように、実作上の回路に対する要求を低減することができる。同時に、位相補間回路システムは、クロック信号がスパイクの影響を受けないように、所望の位相区間に徐々に調整されてよい。また、本願により提供された位相制御方法は、関連回路の設置を調整することで、より広い位相制御範囲を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用されるすべての用語は、それらの通常の意味を有する。上記語彙は、一般的に使用される辞書に定義されており、本明細書で論じられる語彙の使用の例は、本明細書の記載に含まれ、本願の範囲及び意味を限定するものではない。このように、本願は、本明細書に示される様々な実施形態に限定されない。
【0017】
本明細書において、第1、第2及び第3等の用語の使用は、様々な素子、部材、領域、層及び/又はブロックを説明するために使用される。しかしながら、これらの素子、部材、領域、層及び/又はブロックは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、単一の素子、部材、領域、層、及び/又はブロックを識別するためにのみ使用される。従って、本願の範囲から逸脱することなく、以下の第1の素子、部材、領域、層及び/又はブロックは、第2の素子、部材、領域、層及び/又はブロックと呼ばれてよい。本明細書で使用される「及び/又は」は、1つ又は複数の関連するアイテムの任意の1つ及びすべての組み合わせを含む。
【0018】
また、本明細書に使用される「結合」又は「接続」とは、2つ又は複数の素子が互いに直接的に実体的に又は電気的に接触し、又は互いに間接的に実体又は電気的に接触してもよく、2つ又は複数の素子が互いに操作し又は動作してもよい。
【0019】
本明細書で使用する「回路システム(circuitry)」という用語は、1つ又は複数の回路(circuit)からなる単一のシステムを指す。「回路」という用語は、一般的に、信号を処理するために、1つ以上のトランジスタ及び/又は1つ或いは複数の能動及び受動素子によって接続された物体を指す。
【0020】
図1を参照されたい。
図1は、本願のある実施例によるクロックデータリカバリ装置100を示す模式図である。ある実施例において、クロックデータリカバリ装置は、高速周辺機器相互接続規格(PCI−E)等のプロトコルを使用するトランシーバに適用されることができるが、本願はこれに限定されない。
【0021】
ある実施例において、クロックデータリカバリ装置100は、データ分析回路システム110と、ループフィルタ回路システム120と、位相回転器回路システム130と、マルチプレクサ回路システム140と、位相補間回路システム150と、を含む。データ分析回路システム110は、クロック信号CLK−I及びクロック信号CLK−Qに基づいて入力データDINを分析して、誤差信号VEを発生させることに用いられる。
【0022】
ある実施例において、データ分析回路システム110は、データサンプリング回路111と、エッジサンプリング回路112と、位相検出回路113と、を含む。データサンプリング回路111は、クロック信号CLK−Iに基づいて入力データDINのデータ値に対してサンプリングを行って、データ信号SDを発生させることに用いられる。エッジサンプリング回路112は、クロック信号CLK−Qに基づいて入力データDINの立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジに対してサンプリングを行って、エッジ信号SEを発生させることに用いられる。ある実施例において、上記のクロック信号CLK−Iとクロック信号CLK−Qとの両者の間の位相差は、約90度に設置される。
【0023】
位相検出回路113は、データサンプリング回路111とエッジサンプリング回路112に結合されて、データ信号SDとエッジ信号SEをそれぞれ受信する。ある実施例において、位相検出回路113は、データ信号SDとエッジ信号SEとの間の位相差を比較して、誤差信号VEを発生させることに用いられる。位相検出回路113は、様々なアーキテクチャの位相検出器であってよい。例えば、異なる実施例において、位相検出回路113は、ホッジ(Hogge)位相検出器、バンバン(Bang−Bang)位相検出器、アレクサンダー(Alexander)位相検出器等であってよいが、本願はこれらに限定されない。
【0024】
ループフィルタ回路システム120は、データ分析回路システム110に結合されて、誤差信号VEを受信する。ある実施例において、ループフィルタ回路システム120は、誤差信号VEに基づいて調整信号VAを更新して位相回転器回路システム130に出力することに用いられる。
【0025】
ある実施例において、ループフィルタ回路システム120は、比例チャンネル(未図示)と、積分チャンネル(未図示)と、累算器(未図示)と、を含む。比例チャンネルは、誤差信号VEに基づいてクロック信号CLK−Iとクロック信号CLK−Qとの両者の間の位相誤差を決めることに用いられる。積分チャンネルは、誤差信号VEに基づいてクロック信号CLK−Iとクロック信号CLK−Qとの両者の間の周波数誤差を決めることに用いられる。累算器は、比例チャンネル及び積分チャンネルに結合されて、前記の位相誤差及び周波数誤差に基づいて調整信号VAを更新する。ある実施例において、比例チャンネルは、増幅器回路及び/又は乗算器回路等の素子によって達成されてよい。ある実施例において、積分チャンネルは、乗算器回路及び/又は少なくとも2次積分器等の素子によって達成されてよい。上記ループフィルタ回路システム120に関する実施形態は、例示に用いられ、各種のループフィルタ回路システム120の何れも本願の範囲に含まれる。
【0026】
位相回転器回路システム130は、ループフィルタ回路システム120に結合されて、調整信号VAを受信する。ある実施例において、位相回転器回路システム130は、調整信号VAが更新される場合に調整信号VA及び複数の制限値T1〜T4に基づいて複数の回転信号SR1〜SR4を調整することに用いられる。ある実施例において、複数の回転信号SR1〜SR4は、それぞれ複数の位相区間(下記
図3に示す)に対応する。
【0027】
ある実施例において、調整信号VAの数値は、クロック信号CLK−IとCLK−Qとの位相がいくつかの位相区間を調整すべきかを指示する。ある実施例において、調整信号VAの数値が−4〜+4の間に設定されるが、本願はこれに限定されない。例えば、調整信号VAの数値が+1である場合、クロック信号CLK−IとCLK−Qとの位相が1つの位相区間を増加すべきであることを表す。逆に、調整信号VAの数値が−1である場合、クロック信号CLK−IとCLK−Qとの位相が1つの位相区間を減少すべきであることを表す。位相回転器回路システム130は、調整信号VA及び複数の制限値T1〜T4に基づいて複数の回転信号SR1〜SR4を調整して、クロック信号CLK−IとCLK−Qの対応すべき位相区間に調整してよい。
【0028】
ある実施例において、位相回転器回路システム130は、複数の計数回路131〜134を含む。複数の計数回路131〜134のそれぞれは、複数の制限値T1〜T4における対応するものと調整信号VAに基づいて複数の回転信号SR1〜SR4における対応するものを出力することができる。例として、計数回路131は、制限値T1と調整信号VAに基づいて回転信号SR1を出力する。計数回路132は、制限値T2と調整信号VAに基づいて回転信号SR2を出力する。このように類推すると、複数の計数回路131〜134と、複数の制限値T1〜T4と、複数の回転信号SR1〜SR4との間の対応関係が理解される。複数の計数回路131〜134の動作形態については、下記内容で
図2〜
図3を参照して説明する。
【0029】
マルチプレクサ回路システム140は、位相回転器回路システム130に結合されて、複数の回転信号SR1〜SR4を受信する。ある実施例において、マルチプレクサ回路システム140は、複数のクロック信号CLK1〜CLK4(下記
図3に示す)に基づいて複数の回転信号SR1〜SR4における1つを位相制御信号SPCとして出力する。複数のクロック信号CLK1〜CLK4は、周波数が同じであるが、その位相が互いに異なる。例えば、下記
図3に示すように、複数のクロック信号CLK1〜CLK4の位相は、順に約90度の差がある。
【0030】
位相補間回路システム150は、マルチプレクサ回路システム140に結合されて、位相制御信号SPCを受信する。ある実施例において、位相補間回路システム150は、位相制御信号SPC及び複数のクロック信号CKに基づいてクロック信号CLK−IとCLK−Qとの位相を調整する。複数のクロック信号CKの位相が互いに異なり、且つ複数のクロック信号CLK1〜CLK4の周波数が複数のクロック信号CKの周波数よりも低い。又は、ある実施例において、マルチプレクサ回路システム140は、2つのマルチプレクサ回路(未図示)を含んでよい。その一方のマルチプレクサ回路は、クロック信号CLK−Iを調整するための位相制御信号SPCを出力するが、位相補間回路システム150は、この位相制御信号SPCと複数のクロック信号CKに基づいてクロック信号CLK−Iの位相を調整することができる。他方のマルチプレクサ回路は、クロック信号CLK−Qを調整するための別の位相制御信号SPCを出力するが、位相補間回路システム150は、この他方の位相制御信号SPCと複数のクロック信号CKに基づいてクロック信号CLK−Qの位相を調整することができる。
【0031】
ある実施例において、位相補間回路システム150は、複数の入力ペア(未図示)と電流源回路(未図示)を含む。複数の入力ペアは、電流源回路に結合されて、複数のクロック信号CKに基づいて選択的にオンになる。電流源電流は、複数のスイッチを含み、前記スイッチが位相制御信号SPCに基づいて選択的にオンになって前記入力ペアに関連する電流比例を決めることに用いられる。このように、複数の入力ペアは、この電流比例に基づいて複数のクロック信号CKから所望のクロック信号CLK−IとCLK−Qを補間する。上記位相補間回路システム150に関する設置形態は、例示だけであり、位相補間回路システム150の各種の設置形態の何れも本願の範囲に含まれる。
【0032】
図2を参照されたい。
図2は、本願のある実施例による
図1における計数回路131を示す模式図である。理解しやすくするために、
図2における
図1と類似的な素子は同じ符号と指定される。
【0033】
図2に示すように、ある実施例において、計数回路131は、制限値T1とフィードバック信号値F1に基づいて回転信号SR1を調整することに用いられる。ある実施例において、フィードバック信号値F1は、調整信号VAの前回信号値と制限値T1の間の差である。
【0034】
詳しく言えば、ある実施例において、計数回路131は、リミッター201、減算器202、加算器203及び計数器204を含む。リミッター201は、制限値T1と調整信号VAとを比較して、信号値SV1として出力することに用いられる。調整信号VAの現在信号値が制限値T1よりも小さく又はそれに等しい場合、リミッター201は、調整信号VAの現在信号値を信号値SV1として出力する。逆に、調整信号VAが制限値T1よりも大きい場合、リミッター201は、制限値T1を信号値SV1として出力する。減算器202は、調整信号VAの前回信号値が制限値T1よりも大きい場合に調整信号VAの前回信号値から制限値T1を減算して、フィードバック信号値F1を発生させることに用いられる。加算器203は、リミッター201と減算器202に結合されて、フィードバック信号値F1及び信号値SV1を受信する。加算器203は、フィードバック信号値F1及び信号値SV1を加算してトリガ信号TR1を発生させることに用いられる。計数器204は、加算器203に結合されてトリガ信号TR1を受信する。計数器204は、トリガ信号TR1に基づいて計数操作を1回又は複数回行って、回転信号SR1を発生させることができる。例として、初期時に、回転信号SR1の信号値(例えば0000)は、「位相区間0」に対応する。トリガ信号TR1が+1である場合、計数器204は、「位相区間1」に対応するように、計数操作を1回行って回転信号SR1の信号値を1(即ち0000を0001に増加する)に増加する。このように、次回のトリガ信号TR1が+3である場合、計数器204は、「位相区間4」に対応するように、計数操作を3回行って回転信号SR1の信号値を3(即ち0001を0100に増加する)に増加する。ある実施例において、リミッター201は、コンパレータを含んでよい。ある実施例において、減算器202及び/又は加算器203は、一つ又は複数のデジタル回路によって達成される演算回路を含んでよい。ある実施例において、計数器204は、アップ/ダウン計数器回路によって達成されてよい。ある実施例において、リミッター201、減算器202と加算器203は、クロック信号CLK1に基づいて動作してよい。ある実例において、計数回路131は、調整信号VAの前回信号値又は減算器202の演算結果を記憶するためのレジスタ(未図示)を更に含む。
【0035】
他の計数回路132〜134の設置形態は、
図2の計数回路131と同じである。例えば、計数回路132を例として、上記の回路設置形態を採用して制限値T1を制限値T2に置換して回転信号SR2を発生させることに用いられる。このように類推すると、すべての計数回路131〜134の実施形態が分かるので、ここで繰り返して説明しない。上記計数回路131に関する回路設置形態は、例示だけであり、他の各種の同じ機能を実行可能な設置形態も本願の範囲に含まれる。
【0036】
図3を参照されたい。
図3は、本願のある実施例による
図1における複数の信号を示す波形模式図である。ある実施例において、複数の計数回路131〜134は、クロック信号CLK1に基づいて動作する。つまり、クロック信号CLK1の各サイクル(例えばサイクルP1〜P4)内で、調整信号VAが更新されると、複数の計数回路131〜134は対応的に複数の回転信号SR1〜SR4を対応的な位相区間に調整する。
【0037】
ある実施例において、複数の計数回路133〜134は、予定時間TDを遅延させてから回転信号SR3〜SR4を出力するように設置される。予定時間TDを設置することで、マルチプレクサ回路システム140の何れも回転信号SR1〜SR4における選択されたデータ中間値を位相制御信号SPCとして出力することを確保することができる。上記の予定時間TDの時間の長さは0〜任意値であってよく、実際の要求に応じて対応して調整してよい。ある実施例において、複数の制限値T1〜T4がそれぞれ1、2、3、4に設置されるが、本願はこれらに限定されない。
【0038】
図3に示すように、サイクルP1内で、調整信号VAの信号値は+0である。調整信号VAの現在信号値+0が何れも複数の制限値T1〜T4よりも小さいので、複数の計数回路131〜134におけるリミッター(例えばリミッター201)の何れも調整信号VAの現在信号値+0を信号値(例えば信号値SV1)として出力する。調整信号VAに前回信号値がないので、複数の計数回路131〜134における減算器(即ち減算器202)は、フィードバック信号値F1を発生させない。このように、複数の計数回路131〜134の加算器(即ち加算器203)の何れも信号値0のトリガ信号TR1を出力する。これにより、複数の計数回路131〜134における計数器(即ち計数器204)の何れも計数操作を行わず、「位相区間0」に対応する信号値を有する複数の回転信号SR1〜SR4を発生させる。これにより、サイクルP1が終了すると、マルチプレクサ回路システム140は、複数のクロック信号CLK1〜CLK4に基づいて、「位相区間0」に対応する信号値を有する位相制御信号SPCを出力する。
【0039】
サイクルP2内で、調整信号VAの現在信号値は、+1に更新される。調整信号VAの現在信号値+1の何れもが複数の制限値T1〜T4よりも小さく又はそれに等しいので、複数の計数回路131〜134におけるリミッター(例えばリミッター201)の何れも調整信号VAの現在信号値+1を信号値(即ち信号値SV1)として出力する。また、調整信号VAの前回信号値+0が制限値T1〜T4よりも大きくないので、複数の計数回路131〜134における減算器(即ち減算器202)はフィードバック信号値F1を発生させない。このように、複数の計数回路131〜134の加算器(即ち加算器203)の何れも信号値1のトリガ信号TR1を出力する。これにより、複数の計数回路131〜134における計数器(即ち計数器204)の何れも計数操作を1回行って、複数の回転信号SR1〜SR4を「位相区間0」に対応する信号値から「位相区間1」に対応する信号値に更新する。
【0040】
これにより、サイクルP2内で、複数のクロック信号CLK1〜CLK4のデータ値が順に「1100」である場合、マルチプレクサ回路システム140は、回転信号SR1を位相制御信号SPCとして出力する。複数のクロック信号CLK1〜CLK4のデータ値が順に「0110」である場合、マルチプレクサ回路システム140は、回転信号SR2を位相制御信号SPCとして出力する。複数のクロック信号CLK1〜CLK4のデータ値が順に「0011」である場合、マルチプレクサ回路システム140は、回転信号SR3を位相制御信号SPCとして出力する。このように、サイクルP2が終了すると、マルチプレクサ回路システム140は、「位相区間1」に対応する信号値を有する位相制御信号SPCを出力することができる。
【0041】
サイクルP3内で、調整信号VAの現在信号値は、+3に更新される。調整信号VAの現在信号値+3の何れも複数の制限値T3〜T4よりも小さく又はそれに等しいので、複数の計数回路133〜134におけるリミッター(例えばリミッター201)の何れも調整信号VAの現在信号値+3を信号値(例えば信号値SV1)として出力する。調整信号VAの前回信号値+1が制限値T3〜T4よりも大きくないので、複数の計数回路133〜134における減算器(例えば減算器202)はフィードバック信号値F1を発生させない。このように、複数の計数回路133〜134の加算器(例えば加算器203)の何れも信号値+3のトリガ信号TR1を出力する。これにより、複数の計数回路133〜134における計数器(即ち計数器204)の何れも計数操作を3回行って、複数の回転信号SR3〜SR4を「位相区間1」に対応する信号値から「位相区間4」に対応する信号値に更新する。
【0042】
また、調整信号VAの現在信号値+3が制限値T1よりも大きい場合、計数回路131におけるリミッター201は、制限値T1を信号値SV1として出力する。調整信号VAの前回信号値+1が制限値T1よりも大きくないので、計数回路131における減算器202はフィードバック信号値F1を発生させない。このように、計数回路131における加算器203を信号値+1(即ち制限値T1)のトリガ信号TR1として出力する。これにより、計数回路131における計数器204は、計数操作を1回行って、回転信号SR1を「位相区間1」に対応する信号値から「位相区間2」に対応する信号値に更新する。
【0043】
同じように、調整信号VAの現在信号値+3が制限値T2よりも大きい場合、計数回路132におけるリミッター(例えばリミッター201)は、制限値T2を信号値(例えば信号値SV1)として出力する。調整信号VAの前回信号値+1が制限値T2よりも大きくないので、計数回路132における減算器(即ち減算器202)はフィードバック信号値F1を発生させない。このように、計数回路132の加算器(即ち加算器203)を信号値+2(即ち制限値T2)のトリガ信号TR1として出力する。これにより、計数回路132における計数器(即ち計数器204)は、計数操作を2回行って、回転信号SR2を「位相区間1」に対応する信号値から「位相区間3」に対応する信号値に更新する。
【0044】
これにより、サイクルP3内で、複数のクロック信号CLK1〜CLK4のデータ値が順に「1001」である場合、マルチプレクサ回路システム140は、回転信号SR4を位相制御信号SPCとして出力する。複数のクロック信号CLK1〜CLK4のデータ値が順に「1100」である場合、マルチプレクサ回路システム140は、回転信号SR1を位相制御信号SPCとして出力する。このように類推すると、サイクルP3が終了すると、マルチプレクサ回路システム140は、「位相区間4」に対応する信号値を有する位相制御信号SPCを出力することができる。
【0045】
サイクルP4内で、調整信号VAの現在信号値は、+2に更新される。調整信号VAの現在信号値+2の何れも複数の制限値T3〜T4よりも小さいので、複数の計数回路133〜134におけるリミッター(例えばリミッター201)の何れも調整信号VAの現在信号値+2を信号値(例えば信号値SV1)として出力する。調整信号VAの前回信号値+3が制限値T3〜T4よりも大きくないので、複数の計数回路133〜134における減算器(即ち減算器202)はフィードバック信号値F1を発生させない。このように、複数の計数回路133〜134の加算器(即ち加算器203)の何れも信号値+2のトリガ信号TR1を出力する。これにより、複数の計数回路133〜134における計数器(即ち計数器204)の何れも計数操作を2回行って、複数の回転信号SR3〜SR4を、「位相区間4」に対応する信号値から対応する「位相区間6」の信号値に更新する。
【0046】
また、調整信号VAの前回信号値+3が制限値T1よりも大きいので、計数回路131における減算器202は、数値が+2であるフィードバック信号値F1を発生させる。調整信号VAの現在信号値+2が制限値T1よりも大きいので、計数回路131におけるリミッター201は、制限値T1を信号値SV1として出力する。これにより、計数回路131における加算器203は、信号値+3のトリガ信号TR1を出力する。このように、計数回路131における計数器204は、計数操作を3回行って、回転信号SR1を「位相区間2」に対応する信号値から「位相区間5」に対応する信号値に更新する。
【0047】
同じように、調整信号VAの前回信号値+3が制限値T2よりも大きいので、計数回路132における減算器は、数値が+1であるフィードバック信号値を発生させる。調整信号VAの現在信号値+2が制限値T2よりも小さく又はそれに等しいので、計数回路132におけるリミッターは、調整信号VAの現在信号値+2を信号値(例えばSV1)として出力する。これにより、計数回路132における加算器(例えば加算器203)は、信号値+3のトリガ信号TR1を出力する。このように、計数回路132における計数器(例えば計数器204)は、計数操作を3回行って、回転信号SR2を「位相区間3」に対応する信号値から「位相区間6」に対応する信号値に更新する。
【0048】
これにより、サイクルP4内で、マルチプレクサ回路システム140は、位相制御信号SPCを順に「位相区間4」に対応する信号値から「位相区間6」に対応する信号値に調整することができる。
【0049】
いくつかの関連技術では、位相を調整する必要があると検出されるたびに、位相制御信号の信号値の対応する位相区間を、必要な位相区間に直接切り替えることがある。これらの技術では、位相制御信号の信号値の対応する位相区間は、一度に多くの位相区間を切り替えることがある。このように、位相補間器は、動作中にスパイク(spike)を生成し、全体のシステム性能を低下させる可能性がある。また、動作速度が速くなるにつれて、位相回転器は、より速い周波数で動作する必要があり、位相回転器の実装をより困難にする可能性がある。
【0050】
上記の技術と比べると、位相回転器回路システム130及びマルチプレクサ回路システム140により、
図3に示すように、1回ごとの調整信号VAが更新される期間(即ちサイクルP1〜P4)内、位相制御信号SPCの信号値の対応する位相区間は、次第に必要な位相区間に切り替えられてよい。このように、クロック信号CLK−IとCLK−Qにおけるスパイクの発生を避けることができる。ある実施例において、
図1におけるクロック信号CLK1〜CLK4の周波数は、2ギガヘルツ(GHz)であり、且つクロック信号CKの周波数は、8GHzである。前記のように、位相回転器回路システム130は、クロック信号CLK1に基づいて動作してよい。つまり、位相回転器回路システム130は、位相補間回路システム150を制御して速度が速いクロック信号を発生させるように、動作速度が低いデジタル回路によって達成されてよい。このように、位相回転器回路システム130の実施難度を低下させることができる。
【0051】
理解すべきなのは、上記クロック信号CLK1〜CLK4に関する設置形態、周波数及び数の何れも例示に用いられ、本願はこれに限定されないことである。種々の用途及び設計上の考慮によれば、クロック信号CLK1〜CLK4の設置形態、周波数及び数はそれに応じて調整することができる。上記実施例によれば、例えば、計数回路131〜134の数を増やしたり、位相区間の更新区間を変更したり、又はクロック信号CLK1〜CLK4の数を増やしたりする等、関連する回路設置を調整することで、クロックデータリカバリ装置100は、より広い範囲の位相制御を提供することができる。
【0052】
図4は、本願のある実施例による位相制御方法400を示すフロー図である。理解しやすくするために、位相制御方法400は、前記各図面を参照して説明する。
【0053】
ステップS410において、データ分析回路システム110は、クロック信号CLK−I及びクロック信号CLK−Qに基づいて入力データDINを分析して、誤差信号VEを発生させる。例えば、前記
図1に示すように、データサンプリング回路111、エッジサンプリング回路112及び位相検出回路113の協調動作により、データ信号SDとエッジ信号SEとの間の位相差に基づいて誤差信号VEを発生させる。
【0054】
ステップS420において、ループフィルタ回路システム120は、誤差信号VEに基づいて調整信号VAを更新して位相回転器回路システム130に出力する。ステップS430において、位相回転器回路システム130は、調整信号VAが更新される場合に調整信号VA及び複数の制限値T1〜T4に基づいて複数の回転信号SR1〜SR4を調整する。
【0055】
例えば、前記
図2〜
図3に示すように、複数のサイクルP1〜P4内で、更新された調整信号VAに対応し、複数の計数回路131〜134は、複数の位相区間に対応する複数の回転信号SR1〜SR4を発生させる。
【0056】
ステップS440において、マルチプレクサ回路システム140は、複数のクロック信号CLK1〜CLK4に基づいて複数の回転信号SR1〜SR4における1つを位相制御信号SPCとして出力する。例えば、前記
図3に示すように、サイクルP2内で、マルチプレクサ回路システム140は、複数のクロック信号CLK1〜CLK4に基づいて順に回転信号SR1、回転信号SR2及び回転信号SR3を位相制御信号SPCとして出力することができる。
【0057】
ステップS450において、位相補間回路システム150は、位相制御信号SPC及び複数のクロック信号CKに基づいてクロック信号CLK−IとCLK−Qとの位相を調整する。
【0058】
上記位相制御方法400の複数の工程は、例示だけであり、この例示の順序で実施されることに限定されない。本願の実施形態の動作範囲から逸脱しない限り、位相制御方法400による様々な動作は、適切に追加、置換、省略、又は異なる順序で実行されてもよい。
【0059】
以上をまとめると、本願に提供されたクロックデータリカバリ装置とその位相制御方法は、低い周波数で動作する位相回転器を使用して、位相補間回路を制御して高速のクロック信号を発生させることができる。このように、実作上の回路に対する要求を低減することができる。同時に、位相補間回路システムは、クロック信号がスパイクの影響を受けないように、所望の位相区間に徐々に調整されてよい。また、本願に提供された位相制御方法は、関連回路の設置を調整することで、より広い位相制御範囲を提供することができる。
【0060】
本願の実施形態を前述の通りに開示したが、これは、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えてもよく、従って、本願の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。