(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングは、電子ディスプレイをさらに備え、前記コントローラは、1つまたは複数の漏れの存在を検出したことに応答して前記流体流路内の前記流量のグラフィック表現をディスプレイに表示するようにさらに構成され、
前記流体流路内の前記流量の前記グラフィック表現は、ゲージを備える請求項1に記載の装置。
前記コントローラは、前記第1の期間と異なる第2の期間にわたって第2の複数のモーター速度を測定し、前記第2の複数のモーター速度を平均するようにさらに構成され、前記平均は前記流量を示している請求項1に記載の装置。
前記コントローラは、前記第1および第2の複数のモーター速度の前記平均を利用して、前記流体流路内の1つまたは複数の漏れの存在、前記流体流路内の1つまたは複数の閉塞の存在、前記流体流路内の低い陰圧、および前記流体流路内の高い陰圧のうちの少なくとも1つを決定するようにさらに構成される請求項3に記載の装置。
リモートコンピューティングデバイスとの通信を、前記装置が前記リモートコンピューティングデバイスのカバーエリア内にあるときに行い、前記リモートコンピューティングデバイスが前記装置が前記カバーエリア内にあるかどうかを決定することを可能にするように構成されている送信機をさらに備え、
前記送信機は、前記リモートコンピューティングデバイスと繰り返し通信して、前記装置が前記カバーエリアから外れたときの一度目と前記装置がカバーエリアに戻ったときの二度目とを前記リモートコンピューティングデバイスに決定させ、それによって、前記一度目と前記二度目との比較結果に少なくとも基づき前記装置が前記カバーエリアの外に置かれている持続時間を前記リモートコンピューティングデバイスに決定させるように構成される請求項1に記載の装置。
前記送信機は、実質的に一定の信号強度を使用して信号を送信し、前記リモートコンピューティングデバイスが前記送信機から受信した信号の信号強度に少なくとも基づき前記カバーエリアに関する前記装置の配置を前記リモートコンピューティングデバイスが決定することを可能にするように構成される請求項5に記載の装置。
前記送信機は、前記装置が前記カバーエリアの外に位置するときに前記リモートコンピューティングデバイスが前記カバーエリア内の前記装置の存在を検出することを可能にしない信号を送信するように構成される請求項5または6に記載の装置。
前記第1の期間と異なる第2の期間にわたって第2の複数のモーター速度を測定するステップと、前記第2の複数のモーター速度を平均するステップとをさらに含み、前記平均は前記流量を示している請求項8または9に記載の方法。
前記第1および第2の複数のモーター速度の前記平均を利用して、前記流体流路内の1つまたは複数の漏れの存在、前記流体流路内の1つまたは複数の閉塞の存在、前記流体流路内の低い陰圧、および前記流体流路内の高い陰圧のうちの少なくとも1つを決定するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
概要
本明細書で開示されている実施形態は、減圧で創傷を治療するシステムおよび方法に関係する。本明細書で使用されているように、-XmmHgなどの減圧または陰圧レベルは、通常の環境大気圧に関する圧力レベルを表し、760mmHg(または1atm、29.93in Hg、101.325kPa、14.696psiなど)に対応し得る。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりXmmHg低い絶対圧力、言い換えると、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。それに加えて、XmmHgより「少ない」または「小さい」陰圧は、大気圧に近い圧力に対応する(たとえば、-40mmHgは-60mmHgより少ない)。-XmmHgより「多い」または「大きい」陰圧は、大気圧から遠い圧力に対応する(たとえば、-80mmHgは-60mmHgより多い)。いくつかの実施形態において、局所環境大気圧は、基準点として使用され、そのような局所大気圧は、必ずしも、たとえば、760mmHgでなくてもよい。
【0023】
本発明の実施形態は、局所陰圧(TNP)または減圧療法システムにおける使用に一般的に適用可能である。簡単に言うと、陰圧創傷療法は、組織浮腫を低減し、血流および肉芽組織の形成を促し、および/または余分な浸出液を取り除くことによって「治癒しにくい」創傷の多くの形態の閉鎖および治癒を補助し、細菌量(したがって感染症のリスク)を減らすことができる。それに加えて、この療法は、創傷の障害を少なくしてより速やかな治癒をもたらすことを可能にする。TNP療法システムは、流体を取り除くことによって手術で縫合された創傷の治癒をも助けることができる。いくつかの実施形態において、TNP療法は、閉鎖部の併置位置にある組織を安定化するのを助ける。TNP療法のさらに有益な使用はグラフトおよびフラップに見ることができ、そこでは、余分な流体を取り除くことが重要であり、組織の生存を確実にするためにグラフトから組織への近接近が必要である。
【0024】
陰圧システム
図1は、創傷被覆120によって封止される創腔110内に留置された創傷充填材130を備える陰圧または減圧創傷治療(またはTNP)システム100の一実施形態を示している。創傷充填材130は、創傷被覆120と組み合わせて、創傷被覆材と称され得る。単一または多重内腔管または導管140は、減圧を供給するように構成されているポンプアセンブリ150により創傷被覆120に接続される。創傷被覆120は、創腔110と流体的に連通することができる。本明細書で開示されているシステム実施形態において、
図1に示されている実施形態と同様に、ポンプアセンブリは、キャニスターレスポンプアセンブリであってよい(つまり、浸出液が創傷被覆材内に回収されるか、または別の場所に回収のため管140を介して移送される)。しかし、本明細書で開示されているポンプアセンブリ実施形態はどれも、キャニスターを備えるか、または支持するように構成され得る。それに加えて、本明細書で開示されているシステム実施形態では、ポンプアセンブリ実施形態はどれも、被覆材によって、または被覆材に隣接して装着されるか、または支持され得る。創傷充填材130は、親水性または疎水性発泡体、ガーゼ、膨張袋、などの好適なタイプのものであってよい。創傷充填材130は、実質的に空洞を充填するように創腔110に形状適合可能であるものとしてよい。創傷被覆120は、創腔110の上に実質的に流体不浸透性のシールを設けることができる。創傷被覆120は、頂部側と底部側とを有するものとしてよく、底部側は創腔110と接着剤で(または他の好適な手段で)シールを形成する。導管140もしくは内腔または本明細書で開示されている他の導管もしくは内腔は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、または他の好適な材料から形成され得る。
【0025】
創傷被覆120のいくつかの実施形態は、導管140の端部を受け入れるように構成されたポート(図示せず)を有することができる。他の実施形態では、導管140は、他の何らかの方法で、創傷被覆120を通過し、および/または下を通り、減圧を創腔110に供給して、創腔内の減圧の所望のレベルを維持することができる。導管140は、ポンプアセンブリ150と創傷被覆120との間に少なくとも実質的に封止された流体流路を形成するように構成された好適な物品であってよく、これによりポンプアセンブリ150によってもたらされる減圧を創腔110に供給することができる。
【0026】
創傷被覆120および創傷充填材130は、単一の物品または一体化された単一ユニットとして提供され得る。いくつかの実施形態において、創傷充填材は提供されず、創傷被覆だけが、創傷被覆材としてみなされ得る。次いで、創傷被覆材は、導管140を介して、ポンプアセンブリ150などの、陰圧源に接続され得る。ポンプアセンブリ150は、小型化された携帯型のものであってよいが、より大きい従来型のポンプもそのように使用され得る。
【0027】
創傷被覆120は、治療されるべき創傷部位の上に配置され得る。創傷被覆120は、創傷部位の上に実質的に封止された空洞またはエンクロージャを形成することができる。いくつかの実施形態において、創傷被覆120は、高い透湿度を有するフィルムを有し余剰流体の蒸発を可能にするように構成されるものとしてよく、その中に超吸収材料が含まれており、それにより創傷浸出液を安全に吸収することができる。本明細書全体を通して創傷が言及されていることは理解されるであろう。この意味で、創傷という用語は、広い意味で解釈されるべきであり、皮膚が破れているか、切れているか、もしくは穴が空いているか、または外傷が患者の皮膚に打撲傷、または他の表面もしくは他の状態もしくは欠陥を引き起こすか、そうでなければ減圧治療から恩恵を受ける、開放創および閉鎖創を包含することが理解されるべきである。したがって、創傷は、流体が産生される場合も産生されない場合もある組織の損傷領域として広い意味で定義される。このような創傷の例として、限定はしないが、急性創傷、慢性創傷、外科的切開および他の切開、亜急性および裂開創傷、外傷、皮弁および植皮、裂傷、表皮剥離、打撲傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡、瘻孔、外科創傷、外傷性および静脈性潰瘍、または同様のものが挙げられる。本明細書で説明されているTNPシステムのコンポーネントは、少量の創傷浸出液を滲み出す切開創傷に特に適しているものとしてよい。
【0028】
システムのいくつかの実施形態は、浸出液キャニスターを使用せずに動作するように設計される。いくつかの実施形態は、浸出液キャニスターを支持するように構成され得る。いくつかの実施形態において、配管140がポンプアセンブリ150から素早く容易に取り外せるようにポンプアセンブリ150および配管140を構成することで、必要ならば、被覆材およびポンプの交換のプロセスを円滑にするか、または改善することができる。本明細書で開示されているポンプ実施形態は、配管とポンプとの間に好適な接続を有するように構成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ150は、約-80mmHg、または約-20mmHgと-200mmHgとの間の陰圧を送達するように構成され得る。これらの圧力は、通常の環境大気圧に関するものであり、したがって、-200mmHgは、実際面では、約560mmHgとなる。圧力範囲は、約-40mmHgから-150mmHgまでの範囲とすることができる。代替的に、最大-75mmHgまで、最大-80mmHgまで、または-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、-75mmHgより低い圧力範囲が使用され得る。代替的に、約-100mmHgを超える、さらには150mmHgを超える圧力範囲が、ポンプアセンブリ150によって供給され得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ150は、連続的または間欠的陰圧療法を行うように構成される。連続的療法は、-25mmHgより高い、-25mmHg、-40mmHg、-50mmHg、-60mmHg、-70mmHg、-80mmHg、-90mmHg、-100mmHg、-120mmHg、-140mmHg、-160mmHg、-180mmHg、-200mmHg、または-200mmHgより低い圧力で送達され得る。間欠的療法は、低陰圧設定点と高陰圧設定点との間で送達され得る。低設定点は、0mmHgより高い、0mmHg、-25mmHg、-40mmHg、-50mmHg、-60mmHg、-70mmHg、-80mmHg、-90mmHg、-100mmHg、-120mmHg、-140mmHg、-160mmHg、-180mmHg、または-180mmHgより低い圧力に設定され得る。高設定点は、-25mmHgより高い、-40mmHg、-50mmHg、-60mmHg、-70mmHg、-80mmHg、-90mmHg、-100mmHg、-120mmHg、-140mmHg、-160mmHg、-180mmHg、-200mmHg、または-200mmHgより低い圧力に設定され得る。間欠的療法では、低設定点の陰圧は、1回目の持続時間の間に送達され、1回目の持続時間の終了後に、高設定点の陰圧は、2回目の持続時間の間に送達され得る。2回目の持続時間の終了後、低設定点の陰圧が送達され得る。1回目および2回目の持続時間は、同じ値であるか、または異なる値であってもよい。第1および第2の持続時間は、2分未満、2分、3分、4分、6分、8分、10分、または10分超の範囲から選択され得る。いくつかの実施形態において、低設定点から高設定点へ、またその逆の切り替えは、ステップ波の波形、方形波の波形、正弦波の波形、および同様の波形に従って実行され得る。
【0031】
動作時に、創傷充填材130は、創腔110内に挿入され、創傷被覆120は、創腔110を封止するように留置される。ポンプアセンブリ150は、創傷充填材130を介して創腔110に伝達される、創傷被覆120への陰圧の供給源となる。流体(たとえば、創傷浸出液)は、導管140を通して引き出され、キャニスター内に貯蔵され得る。いくつかの実施形態において、流体は、創傷充填材130または1つまたは複数の吸収層(図示せず)によって吸収される。
【0032】
本出願のポンプアセンブリおよび他の実施形態とともに利用され得る創傷被覆材は、Smith & Nephewから入手可能なRenasys-F、Renasys-G、Renasys AB、およびPico Dressingsを含む。本出願のポンプアセンブリおよび他の実施形態とともに使用され得る陰圧創傷療法システムのそのような創傷被覆材および他のコンポーネントのさらなる説明については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許公開第2011/0213287号、米国特許公開第2011/0282309号、米国特許公開第2012/0116334号、米国特許公開第2012/0136325号、および米国特許公開第2013/0110058号を参照されたい。他の実施態様では、他の好適な創傷被覆材が利用され得る。
【0033】
ポンプアセンブリおよびキャニスター
図2Aは、いくつかの実施形態によるポンプアセンブリ230およびキャニスター220の正面
図200Aを示す。図示されているように、ポンプアセンブリ230とキャニスターとは接続されて、それにより、デバイスを形成する。ポンプアセンブリ230は、アラームを指示するように構成された視覚的インジケータ202およびTNPシステムのステータスを指示するように構成された視覚的インジケータ204などの、1つまたは複数のインジケータを備える。インジケータ202および204は、システムの様々な動作および/または故障状態を、患者もしくは医療従事者などの、使用者に警告するように構成されるものとしてよく、これは通常または適切な動作状態、ポンプ故障、ポンプに供給される電力、または停電を使用者に警告すること、創傷被覆または流路内の漏出、吸引閉塞、または他の類似のもしくは適当な状態もしくはこれらの組合せの検出を含む。ポンプアセンブリ230は、追加のインジケータを備えることができる。ポンプアセンブリは、単一のインジケータまたは複数のインジケータを使用することができる。視覚的、聴覚的、触覚的なインジケータなどの好適なインジケータが使用され得る。インジケータ202は、キャニスターフル、電力低下、導管140の切断、創傷シール120内でシールが破れていることなどのアラーム状態を信号で伝達するように構成され得る。インジケータ202は、赤色の点滅光を表示して使用者の注意を引くように構成され得る。インジケータ204は、療法送達がokである、漏出が検出されたなどのTNPシステムのステータスを信号で伝達するように構成され得る。インジケータ204は、緑色、黄色などの1つまたは複数の異なる色の光を表示するように構成され得る。たとえば、緑色の光は、TNPシステムが適切に動作しているときに発光し、黄色の光は、警告を指示するために発光するものとしてよい。
【0034】
ポンプアセンブリ230は、ポンプアセンブリのケース内に形成される陥凹部208に装着されるディスプレイまたは画面206を備える。ディスプレイ206は、タッチスクリーンディスプレイであってよい。ディスプレイ206は、教育ビデオなどの、オーディオビジュアル(AV)コンテンツの再生をサポートすることができる。以下で説明されているように、ディスプレイ206は、TNPシステムの動作を構成し、制御し、監視するための多数の画面またはグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を描画するように構成され得る。ポンプアセンブリ230は、ポンプアセンブリのケース内に形成された把持部分210を備える。把持部分210は、キャニスター220の取り外し時などにおいて、ポンプアセンブリ230を使用者が保持するのを補助するように構成され得る。キャニスター220は、キャニスター220が流体を充填されたときなどにおいて、別のキャニスターと交換され得る。
【0035】
ポンプアセンブリ230は、TNPシステムの動作を使用者が操作し監視することを可能にするように構成された1つまたは複数のキーもしくはボタン212を備える。例示されているように、3つのボタン212a、212b、および212cが備えられている。ボタン212aは、ポンプアセンブリ230のオン/オフを行う電源ボタンとして構成され得る。ボタン212bは、陰圧療法の送達のための実行/一時停止ボタンとして構成され得る。たとえば、ボタン212bを押すと、療法が開始し、その後ボタン212bを押すと、療法は一時停止するか、または終了し得る。ボタン212cは、ディスプレイ206および/またはボタン212をロックするように構成され得る。たとえば、ボタン212cは、使用者がうっかり療法の送達を変えてしまわないようにするため、押され得る。ボタン212cを押下することで、これらのコントロールのロックを解除することができる。他の実施形態では、追加のボタンが使用され得るか、または図示されているボタン212a、212b、または212cの1つまたは複数が省かれ得る。ポンプアセンブリ230を操作するために、複数回のキー押下および/またはキー押下のシーケンスが使用され得る。
【0036】
ポンプアセンブリ230は、被覆内に形成された1つまたは複数のラッチ陥凹部222を備える。例示されている実施形態では、2つのラッチ陥凹部222は、ポンプアセンブリ230の側部に形成され得る。ラッチ陥凹部222は、1つまたは複数のキャニスターラッチ221を使用してキャニスター220の着脱を可能にするように構成され得る。ポンプアセンブリ230は、創腔110から取り出された空気を逃がすための空気出口224を備える。ポンプアセンブリ内に入った空気は、抗菌フィルターなどの、1つまたは複数の好適なフィルターを通過するものとしてよい。これは、ポンプアセンブリの再利用性を維持することができる。ポンプアセンブリ230は、キャリーストラップをポンプアセンブリ230に接続するため、またはクレードルを取り付けるための1つまたは複数のストラップ装着具226を備える。例示されている実施形態では、2つのストラップ装着具226は、ポンプアセンブリ230の側部に形成され得る。いくつかの実施形態において、これらの特徴のうちの様々なものが省かれ、および/または様々な追加の特徴がポンプアセンブリ230に加えられる。
【0037】
キャニスター220は、創腔110から取り出された流体(たとえば、浸出液)を保持するように構成される。キャニスター220は、キャニスターをポンプアセンブリ230に取り付けるための1つまたは複数のラッチ221を備える。例示されている実施形態において、キャニスター220は、キャニスターの側部に2つのラッチ221を備える。キャニスター220の外装は、キャニスターが実質的に不透明であるように曇りプラスチックから形成することができ、キャニスターの内容物が平面図から実質的に隠されている。キャニスター220は、キャニスターのケース内に形成された把持部分214を備える。把持部分214は、キャニスターを装置230から取り外すときなどにおいて、ポンプアセンブリ220を使用者が保持するのを可能にするように構成され得る。キャニスター220は、実質的に透明な窓216を備え、これは量を示す目盛りも備えることができる。たとえば、図示されている300mLキャニスター220は50mL、100mL、150mL、200mL、250mL、および300mLの目盛りを備える。キャニスターの他の実施形態は、異なる量の流体を保持することができ、また異なる目盛り縮尺を備えることができる。たとえば、キャニスターは、800mLのキャニスターであってよい。キャニスター220は、導管140に接続するための配管流路218を備える。いくつかの実施形態において、把持部分214などの、これらの特徴のうちの様々なものが省かれ、および/または様々な追加の特徴がキャニスター220に加えられる。開示されているキャニスターはどれも、ソリディファイア(solidifier)を備えてもよいし、省いてもよい。
【0038】
図2Bは、いくつかの実施形態によるポンプアセンブリ230およびキャニスター220の後面
図200Bを示す。ポンプアセンブリ230は、音を発生するためのスピーカーポート232を備える。ポンプアセンブリ230は、抗菌フィルターなどの、1つまたは複数のフィルターにアクセスして、交換するためのフィルターアクセスドア234を備える。ポンプアセンブリ230は、ポンプアセンブリのケース内に形成された把持部分236を備える。把持部分236は、キャニスター220の取り外し時などにおいて、ポンプアセンブリ230を使用者が保持するのを可能にするように構成され得る。ポンプアセンブリ230は、ポンプアセンブリ230を表面上に留置するようにネジ被覆および/または足またはプロテクタとして構成された1つまたは複数の被覆238を備える。被覆230は、ゴム、シリコーン、または他の好適な材料から形成され得る。ポンプアセンブリ230は、ポンプアセンブリの内蔵電池を充電および再充電するための電源ジャック239を備える。電源ジャック239は、直流(DC)ジャックとすることができる。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、電源ジャックが必要ないように、電池などの使い捨て型電源を備えることができる。
【0039】
キャニスター220は、キャニスターを表面上に留置するための1つまたは複数の足部244を備える。足部244は、ゴム、シリコーン、または他の好適な材料から形成されるものとしてよく、また表面上に留置されたときにキャニスター220が安定を維持するように好適な角度を付けることができる。キャニスター220は、1つまたは複数の管がデバイスの前部から出ることができるように構成されたチューブマウントリリーフ(tube mount relief)246を備える。キャニスター220は、表面上に留置されたときにキャニスターを支持するためのスタンドまたはキックスタンド248を備える。以下で説明されているように、キックスタンド248は、開放位置と閉鎖位置との間で枢動し得る。閉鎖位置では、キックスタンド248は、キャニスター220にラッチされ得る。いくつかの実施形態において、キックスタンド248は、プラスチックなどの不透明材料から作られ得る。他の実施形態では、キックスタンド248は、透明材料から作られ得る。キックスタンド248は、キックスタンド内に形成された把持部分242を備える。把持部分242は、使用者がキックスタンド248を閉鎖位置に留置することを可能にするように構成され得る。キックスタンド248は、使用者がキックスタンドを開放位置に留置することを可能にするための穴249を備える。穴249は、使用者が指を使ってキックスタンドを拡張することを可能にするサイズであるものとしてよい。
【0040】
図2Cは、いくつかの実施形態によるキャニスター220から分離されたポンプアセンブリ230の
図200Cを示す。ポンプアセンブリ230は、真空ポンプが陰圧をキャニスター220に伝える際に使用される真空アタッチメント、コネクタ、または入口252を備える。ポンプアセンブリは、入口252を介して創傷から、ガスなどの流体を吸引する。ポンプアセンブリ230は、1つまたは複数のUSBポートへのアクセスを可能にするように構成されているUSBアクセスドア256を備える。いくつかの実施形態において、USBアクセスドアは、省かれ、USBポートが、ドア234を通じてアクセスされる。ポンプアセンブリ230は、SD、コンパクトディスク(CD)、DVD、FireWire、Thunderbolt、PCI Express、および同様のものなどの、追加のシリアル、パラレル、および/またはハイブリッドデータ転送インターフェースへのアクセスを可能にするように構成された追加のアクセスドアを備えることができる。他の実施形態では、これらの追加のポートのうちの1つまたは複数は、ドア234を通じてアクセスされる。
【0041】
ポンプアセンブリの追加の説明は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第14/210,062号に開示されている。
【0042】
電子機器およびソフトウェア
図3は、いくつかの実施形態による、ポンプアセンブリ230などの、ポンプアセンブリの電気部品概略
図300である。電気部品は、ユーザ入力を受け入れ、出力を使用者に送り、ポンプアセンブリおよびTNPシステムを操作し、ネットワーク接続を提供するなどを行うように動作し得る。電気部品は、1つまたは複数のプリント基板(PCB)上に実装され得る。図示されているように、ポンプアセンブリは、複数のプロセッサを備え得る。複数のプロセッサを利用して様々なタスクを異なるプロセッサに割り振るか、または割り当てると都合がよい場合がある。第1のプロセッサは、ユーザ活動に関与し、第2のプロセッサは、ポンプを制御することに関与し得る。このようにして、より高いレベルの反応性(より高いリスクレベルに対応する)を必要とし得る、ポンプを制御する活動は、専用プロセッサにオフロードされ、それによって、ユーザとのインタラクティブなやり取りがあることで完了に時間がかかる可能性のある、ユーザインターフェースタスクによって中断されなくなる。
【0043】
ポンプアセンブリは、ユーザ入力を受け入れ、出力をユーザに提供するための、ディスプレイ206、ボタン212などの、1つまたは複数のコンポーネントを操作するように構成されているユーザインターフェースプロセッサまたはコントローラ310を備えることができる。ポンプアセンブリへの入力およびポンプアセンブリからの出力は、入出力(I/O)モジュール320によって制御され得る。たとえば、I/Oモジュールは、シリアルポート、パラレルポート、ハイブリッドポート、および同様のポートなどの、1つまたは複数のポートからデータを受信することができる。プロセッサ310は、1つまたは複数のUSBポート、SDポート、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、FireWireポート、Thunderboltポート、PCI Expressポート、および同様のものなどの、1つまたは複数の拡張モジュール360との間で、データの受信およびデータの送信も行う。プロセッサ310は、他のコントローラまたはプロセッサとともに、プロセッサ310の内部および/または外部にあるものとしてよい、1つまたは複数のメモリモジュール350にデータを記憶する。RAM、ROM、磁気メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)、および同様のものなどの、揮発性および/または不揮発性メモリを含む、好適などのようなタイプのメモリをも使用することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、プロセッサ310は、低電力プロセッサなどの、汎用コントローラとすることができる。他の実施形態では、プロセッサ310は、特定用途向けプロセッサであってもよい。プロセッサ310は、ポンプアセンブリの電子アーキテクチャにおける「中央」プロセッサとして構成され、プロセッサ310は、ポンプ制御プロセッサ370、通信プロセッサ330、および1つまたは複数の追加のプロセッサ380(たとえば、ディスプレイ206を制御するためのプロセッサ、ボタン212を制御するためのプロセッサなど)などの、他のプロセッサの活動を協調させることができる。プロセッサ310は、Linux(登録商標)、Windows CE、VxWorksなどの、好適なオペレーティングシステムを実行することができる。
【0045】
ポンプ制御プロセッサ370は、陰圧ポンプ390の動作を制御するように構成され得る。ポンプ390は、隔膜ポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、回転ベーンポンプ、スクロールポンプ、ネジポンプ、液封式ポンプ、圧電変換器によって作動される隔膜ポンプ、ボイスコイルポンプ、および同様のものなどの、好適なポンプであってよい。ポンプ制御プロセッサ370は、1つまたは複数の圧力センサーから受信されたデータを使用して流体流路内の圧力を測定し、流体流の速度を算出し、ポンプを制御することができる。ポンプ制御プロセッサ370は、所望のレベルの陰圧が創腔110内で得られるようにポンプモーターを制御することができる。所望のレベルの陰圧は、ユーザによって設定されるか、または選択された圧力であってよい。様々な実施形態において、ポンプ制御プロセッサ370は、パルス幅変調(PWM)を使用してポンプ(たとえば、ポンプモーター)を制御する。ポンプを駆動するための制御信号は、0〜100%デューティサイクルのPWM信号とすることができる。ポンプ制御プロセッサ370は、流量算出を実行し、流路内の様々な状態を検出することができる。ポンプ制御プロセッサ370は、情報をプロセッサ310に伝達することができる。ポンプ制御プロセッサ370は、内部メモリを備え、および/またはメモリ350を利用することができる。ポンプ制御プロセッサ370は、低電力プロセッサであってよい。
【0046】
通信プロセッサ330は、有線および/またはワイヤレス接続を行うように構成され得る。通信プロセッサ330は、データの送受信に1つまたは複数のアンテナ340を利用することができる。通信プロセッサ330は、全地球測位システム(GPS)技術、セルラー接続(たとえば、2G、3G、LTE、4G)、WiFi接続、インターネット接続、および同様の接続タイプのうちの1つまたは複数を提供することができる。接続は、ポンプアセンブリの配置追跡、資産追跡、順守監視、リモート選択、ログ、アラーム、および他の動作データのアップロード、ならびに療法設定の調整、ソフトウェアおよび/またはファームウェアのアップグレード、および同様のものなどの様々な活動に使用され得る。通信プロセッサ330は、GPS/セルラーのデュアル機能を提供することができる。セルラー機能は、たとえば、3G機能であってよい。そのような場合、GPSモジュールが、大気状態、ビルもしくは地形の干渉、衛星ジオメトリなどを含む、様々な要因により衛星接続を確立できない場合、デバイス配置は、セル識別、三角測量、フォワードリンクタイミング、および同様のものを使用することなどによって、3Gネットワーク接続を使用して決定され得る。ポンプアセンブリは、SIMカードを備えることができ、SIMベースの位置情報が取得できる。
【0047】
通信プロセッサ330は、情報をプロセッサ310に伝達することができる。通信プロセッサ330は、内部メモリを備え、および/またはメモリ350を利用することができる。通信プロセッサ330は、低電力プロセッサであってよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、測位データ、療法パラメータ、ログ、デバイスデータ、などのうちの1つまたは複数などの様々なデータを追跡し、記憶しておくことができる。ポンプアセンブリは、療法および他の動作データを追跡し、ログに記録することができる。データは、たとえば、メモリ350に記憶され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、デバイスは、通信プロセッサ330によって提供される接続を使用することで、ポンプアセンブリによって記憶され、維持され、および/または追跡されるデータをアップロードすることができる。たとえば、リモートコンピュータまたはサーバにアップロードできる情報は、療法持続時間など、療法送達情報を含む、活動ログ(複数可)、アラームタイプおよび発生時刻を含む、アラームログ(複数可)、内部エラー情報、伝送エラー、および同様のものを含む、エラーログ、毎時間、毎日、および同様の間隔で計算され得る、療法持続時間情報、最初に特定の1つまたは複数の療法計画を適用することからの療法持続時間を含む、総療法時間、寿命療法情報、シリアル番号、ソフトウェアバージョン、電池レベルなどの、デバイス情報、デバイス配置情報、患者情報などである。デバイスは、療法選択およびパラメータ、ファームウェアおよびソフトウェアパッチおよびアップグレード、ならびに同様のものなどの、様々な動作データをダウンロードすることもできる。ポンプアセンブリは、1つまたは複数のブラウザプログラム、メールプログラム、アプリケーションソフトウェア(たとえば、アプリ)などを使用してインターネット閲覧機能を提供することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、通信プロセッサ330は、アンテナ340を使用して、ポンプアセンブリのハウジングの配置などのポンプアセンブリの配置をポンプアセンブリの近くにある(たとえば、10、20、または50メートル、および同様の距離の範囲内にある)デバイスに伝達することができる。通信プロセッサ330は、実装に応じて他のデバイスとの一方向または双方向通信を実行することができる。通信プロセッサ330によって送信される通信内容は、ポンプアセンブリの近くにもある1つまたは複数の他のポンプアセンブリに関するポンプアセンブリを一意的に識別するための識別情報を含むことができる。たとえば、識別情報は、シリアル番号またはシリアル番号から導かれた値を含むことができる。通信プロセッサ330によって送信される通信の信号強度は、デバイスとポンプアセンブリとの間の距離などの、ポンプアセンブリまでの距離を別のデバイスが決定することを可能にするように制御され(たとえば、一定のまたは実質的に一定のレベルに維持され)得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、通信プロセッサ330は、通信プロセッサ330がそれ自体ポンプアセンブリから他のデバイスまでの距離を決定できるようにポンプアセンブリの近くにある他のデバイスと通信することができる。通信プロセッサ330は、そのような実施形態において、ポンプアセンブリから他のデバイスまでの距離または時間の経過とともに生じる距離の変化の指示を追跡し、記憶しておくことができ、通信プロセッサ330は、後で、この情報を他のデバイスに提供することができる。たとえば、通信プロセッサ330は、ポンプアセンブリがデバイスのカバーエリアから外れていた持続時間を決定し、その後、カバーエリアに戻った後にこの時間をデバイスに報告することができる。
【0052】
図4は、いくつかの実施形態によるファームウェアおよび/またはソフトウェアの線
図400である。ポンプアセンブリ420は、ユーザインターフェースプロセッサ310によって実行され得る、ユーザインターフェースプロセッサファームウェアおよび/またはソフトウェア422と、ポンプ制御プロセッサ370によって実行され得る、ポンプ制御プロセッサファームウェアおよび/またはソフトウェア424と、通信プロセッサ330によって実行され得る、通信プロセッサファームウェアおよび/またはソフトウェア426と、1つまたは複数の追加のプロセッサ380によって実行され得る、追加のプロセッサ(複数可)ファームウェアおよび/またはソフトウェア428とを備える。ポンプアセンブリ420は、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、スマートフォン、および同様のものであってよい、コンピュータ410に接続され得る。コンピュータ410をポンプアセンブリ420に接続するために有線またはワイヤレス接続が利用され得る。たとえば、USB接続を使用することができる。コンピュータ410とポンプアセンブリ420との間の接続は、ポンプアセンブリの配置追跡、資産追跡、順守監視、選択、ログ、アラーム、および他の動作データのアップロード、ならびに療法設定の調整、ソフトウェアおよび/またはファームウェアのアップグレード、ならびに同様のものなどの様々な活動に使用され得る。ポンプアセンブリ420およびコンピュータ410は、クラウド430を介してリモートコンピュータまたはサーバ440と通信することができる。リモートコンピュータ440は、データ記憶装置モジュール442とリモートコンピュータにアクセスするためのウェブインターフェース444とを備えることができる。
【0053】
コンピュータ410とポンプアセンブリ420との間の接続は、ポンプアセンブリ420の初期化およびプログラミング、ファームウェアおよび/またはソフトウェアアップグレード、メンテナンスおよびトラブルシューティング、療法パラメータの選択および調整、ならびに同様のものうちの1つまたは複数を実行するために利用され得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ410は、ポンプアセンブリ420と通信するためのアプリケーションプログラムを実行することができる。
【0054】
ポンプアセンブリ420は、クラウド430を介して様々なデータをリモートコンピュータ(または複数のリモートコンピュータ)440にアップロードすることができる。上で説明されているように、アップロードデータは、活動ログ(複数可)、アラームログ(複数可)、療法持続時間情報、総療法時間、寿命療法情報、デバイス情報、デバイス配置情報、患者情報などを含み得る。それに加えて、ポンプアセンブリ420は、クラウド430からコマンドを受信し、クラウド430から受信されたコマンドを処理することができる。
【0055】
ポンプアセンブリの操作
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ230は、画面206上に表示されているタッチスクリーンインターフェースを使用して操作することができる。様々なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)画面に、とりわけ、システムの設定および動作に関する情報が提示される。タッチスクリーンインターフェースは、指(またはスタイラスもしくは別の好適なデバイス)で作動もしくは操作され得る。タッチスクリーンをタップすることで選択を行うことができる。スクロールさせるには、ユーザは画面にタッチし、タッチしたままドラッグすると、選択を見ることができる。スクロールするための複数の指によるスワイプ、ズームするための複数の指によるピンチ、および同様の操作などの、タッチスクリーンインターフェースを操作する追加の、または代替的な手段も実装され得る。
【0056】
図5A〜
図5Iは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインターフェース画面を示している。GUI画面は、タッチスクリーンインターフェースとして構成され得る、画面206上に表示され得る。画面に表示される情報は、使用者から受信された入力に基づき生成され得る。GUI画面は、デバイスを初期化するステップ、療法設定を選択し、調整するステップ、デバイス動作を監視するステップ、データをネットワーク(たとえば、クラウド)にアップロードするステップ、および同様のステップのために利用され得る。例示されているGUI画面は、プロセッサ310上で実行しているオペレーティングシステムによって直接的に、および/またはオペレーティングシステムの上で動作しているグラフィカルユーザインターフェース層もしくはコンポーネントによって生成され得る。たとえば、画面は、Digiaから入手可能なQtフレームワークを使用して開発され得る。
【0057】
図5Aは、いくつかの実施形態による療法設定画面500Aを示している。療法設定画面500Aは、ポンプアセンブリが初期化された後に表示され得る(たとえば、画面500Aは、ホーム画面として機能し得る)。療法設定画面500Aは、デバイスの動作パラメータを指示するアイコンを含むステータスバー502を備えている。アニメーション表示されるアイコン503は、療法送達インジケータである。療法が送達されていないときに、アイコン503は静止状態であり、灰色などの色を付けて表示され得る。療法が送達されているときには、アイコンは、オレンジ色などの異なる色に変わるものとしてよく、また回転する、脈動する、色で塗りつぶされる(
図5C参照)など、アニメーション表示される。他のステータスバーアイコンは、音量インジケータおよび電池インジケータを含む、またワイヤレス接続などの追加アイコンを含むことができる。療法設定画面500Aは、日時および情報を含む。療法設定画面500Aは、デバイス設定にアクセスするためのメニュー項目512、ログにアクセスするためのメニュー項目514、ヘルプにアクセスするためのメニュー項目516、および他の画面から療法設定画面(またはホーム画面)に戻るためのメニュー項目518(たとえば、
図5Cおよび
図5Eを参照)を備えるメニュー510を具備する。ポンプアセンブリは、ユーザから入力を受信しないなどの非活動期間の後、療法設定画面500A(またはホーム画面)が表示されるように構成され得る。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0058】
療法設定画面500Aは、陰圧アップコントロール522および陰圧ダウンコントロール524を備える。アップコントロール522およびダウンコントロール524は、±5mmHgなどの、好適なステップサイズで陰圧設定点を調整するように構成され得る。ラベル526で示されているように、現在の療法選択は、-80mmHg(または大気圧よりも80mmHg低い)である。療法設定画面500Aは、連続的/間欠的療法選択530を含む。連続的療法選択画面は、コントロール532を介してアクセスされ、間欠的療法選択画面は、コントロール534を介してアクセスされ得る。例示されているように、現在の療法設定は、-80mmHgの陰圧を連続的に送達するものである。メッセージ528によって示されているように、療法送達は、ポンプアセンブリ230上のボタン212bなどの、ボタンを押すことによって開始され得る。療法設定画面500Aは、1つのポンプアセンブリ230で、2箇所、3箇所などの創傷などの、複数の創傷を治療するためのY字型コネクタ選択535を備える。コントロール536は、単一の創傷の治療を選択し、コントロール538は、ポンプアセンブリによる複数の創傷の治療を選択する。ラベル「Y型コネクタ オフ」によって指示されるように、現在の選択は、単一の創傷を治療することである。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0059】
図5Bは、いくつかの実施形態による間欠的療法を送達するための療法設定画面500Bを示している。画面500Bは、コントロール534を介してアクセスされ得る。療法設定画面500Bは、間欠的療法設定540および545を含む。コントロール542、544、546、および548によってそれぞれ示されているように、現在の療法選択は、5分間、-80mmHgの減圧を印加し、その後、2分間、大気圧を印加している(または、真空ポンプをオフにしている)。そのような治療サイクルは、使用者によって、またはポンプアセンブリ230によって停止されるまで繰り返され得る。陰圧レベルおよび持続時間は、コントロール542、544、546、および548のうちの1つまたは複数を選択し、所望の値が選択されるまでアップコントロール522およびダウンコントロール524を操作することによって調整され得る。いくつかの実装において、創傷の治療のために3つ以上の陰圧値および対応する持続時間が選択され得る。たとえば、使用者は、3つ以上の陰圧値および対応する持続時間を選択することができる。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0060】
図5Cは、いくつかの実施形態による治療送達画面500Cを示している。画面500Cは、画面500Aまたは500B上の所望の療法設定を選択し、ボタン212bを押すなどして療法を開始することによってアクセスされ得る。図示されているように、ラベル552(「療法送達中」)は、減圧(ラベル560)の-120mmHgの連続的療法が創傷に送達されていることを指示する。アニメーションアイコン503は、アニメーションを循環させることによって、治療が送達されていることを指示する。
図5Cおよび
図5Dに示されているように、アイコン503は複数の花弁を有するエネルギーバーストであり、アニメーションは、花弁が順次オレンジ色で塗りつぶされてゆく様子を示す。他の好適なアニメーションまたはアニメーションの組合せも使用され得る。メッセージ529は、療法設定が、ポンプアセンブリ230上の、ボタン212bなどの、ボタンを押すことによって停止または一時停止され得ることを指示している。メニュー項目518は、療法設定画面(またはホーム画面)500Aに戻るように構成され得る。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0061】
図5Dは、いくつかの実施形態による治療送達画面500Dを示している。画面500Dは、使用者が画面500B上の所望の療法設定を選択し、ボタン212bを押すなどして療法を開始した後に表示され得る。図示されているように、間欠的療法は創傷に送達されている。ラベル551およびタイマー554は、それぞれ、-120mmHgの陰圧が、5分間にわたって創傷に送達されていることを指示する。タイマー554は、残り時間を、たとえば、数として(たとえば、「5分」)、相対量として(たとえば、円の塗りつぶしを調整することによって)、およびこの2つの組合せとして示すように構成され得る。ラベル555および556は、それぞれ、第1の量の陰圧(たとえば、-120mmHg)を送達するため期間(たとえば、5分間)の終了後に0mmHg(または大気圧)が2分の持続時間にわたって創傷に送達されるようにスケジュールされることを指示する。メッセージ553(「漏れチェック」)は、ポンプアセンブリ230が、漏れチェックを実行していることを指示する。以下でさらに説明されているように、ポンプアセンブリ230は、陰圧療法の送達を開始したときに漏れチェックを実行して、流体流路が十分に漏れのない状態にある(たとえば、適切に封止されている)かどうかを決定することができる。著しい漏れが存在していないと決定された後、メッセージ553は、メッセージ「封止達成」を表示することなどによって、この事実を使用者に指示することができる。メニュー項目518は、療法設定画面(またはホーム画面)に戻るように構成され得る。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0062】
図5Eは、いくつかの実施形態による設定画面500Eを示している。設定画面500Eは、メニュー項目512を選択することによって(たとえば、画面500Aまたは500Bから)アクセスできる。図示されているように、設定画面500Eは、アラーム音量設定、圧縮設定562、ユーザモード設定(たとえば、臨床医または患者)、言語設定、時間帯設定、流量計564、初期設定復元(たとえば、工場設定)、およびデバイス情報を含む、ポンプアセンブリ230の様々な動作パラメータを調整するためのメニュー560を備える。使用者モードを臨床医モードに設定しようとすると、使用者にパスワードを入力するか、または他の好適なセキュリティチェックの条件を満たすことを促すものとしてよい。ポンプアセンブリを臨床医モードで動作させることで、すべての特徴および設定への無制限のアクセスを提供することができるが、ポンプアセンブリを患者モードで動作させることで、療法設定、圧縮設定、および同様の設定などの、1つまたは複数の特徴および設定へのアクセスを防ぐことによって療法設定をうっかり変更することを防止することができる。代替的な、または追加のメニュー項目が表示され得る。例示されているメニュー560は、すべてのメニュー項目を示すメニューの拡張バージョンである。使用時に、メニュー560は、画面上に部分的にしか収まらないことがあり、メニュー項目は、スクロールバー561を介して、または他の好適な代替的な、もしくは追加のコントロールを介してアクセスすることができる。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0063】
図5Fは、いくつかの実施形態による圧縮設定画面500Fを示している。画面500Fは、メニュー項目562を選択することによってアクセスされ得る。画面500Fは、3つの圧縮設定選択、低572、中574、および高576を備える。以下で説明されているように、これらの選択は、創傷のところで所望の、または設定された真空レベルに達するのに要する時間を制御する。たとえば、高圧縮576を選択すると、結果として、創傷包帯のドローダウン(draw down)が最も高速になる。メニュー項目519は、設定画面500Eに戻るように構成され得る。いくつかの実施形態において、圧縮設定画面500Fは、臨床医モードがすでに選択されている場合にのみアクセスされ得る。臨床医は、創傷の種類、患者の年齢、健康状態などの1つまたは複数の生理学的パラメータに基づき適切な圧縮設定を選択し得る。非常に低い、非常に高い、および同様の設定などの、追加の圧縮設定も用意され得る。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0064】
図5Gは、いくつかの実施形態による流量計画面500Gを示している。画面500Gは、
図5Eのメニュー項目564を選択することによってアクセスされ得る。画面500Gは、療法ユニットアセンブリ、創傷被覆材、および療法ユニットアセンブリを創傷被覆材に接続する配管を含むことができる、流体流路内の空気(またはガス)の決定されたまたは算出された流量を視覚的に示すことができる。画面500Gは、決定された流量を視覚的に示し、また流体流路内の1つまたは複数の漏れの検出に使用され得るゲージ580を示している。水平または垂直バー、デジタルゲージ、ラベル、および同様のものなどの、流量を示すための他のコントロールが代替的に、またはそれに加えて使用できる。
【0065】
図示されているように、ゲージ580は、漏れのないこと、または漏れが非常に少ないことを指示するマーキング581(ダイアルの始めに位置する)、漏れが中程度であることを指示するマーキング582(ダイアルの中間に位置する)、および漏れが多いことを指示するマーキング583(ダイアルの終わりに位置する)を有するダイアル584を備える。ゲージ580は、ダイアル584上の決定された漏出速度を指示する針585も備える。ダイアル584は、漏出速度を視覚的に指示する様々な色で塗られるように構成され得る。たとえば、緑色は、低レベルの漏れを指示し、黄色は、より高いレベル(または著しい)漏れを指示し、赤色は、高レベルの漏れを指示することができる。針585の位置がマーキング582(ダイアルの中間)と583(ダイアルの終端または最大設定)との間にあることからわかるように、かなりひどい漏れが検出されている。ゲージ580は、使用者が漏れを特定するのを支援することができる。水平または垂直バー、デジタルゲージ、ラベル、および同様のものなどの、漏出速度を示すための他のコントロールが代替的に、またはそれに加えて使用できる。
【0066】
図5Hは、いくつかの実施形態による流量計画面500Hを示している。画面500Gとは対照的に、画面500Hは、より低い検出された漏れを示している。これは、針585がマーキング581により近い位置にあることによって示される(たとえば、針585はマーキング582の左にある)。いくつかの実施形態において、特定の閾値を超える漏れが検出されると、アラームがトリガーされ得る。すなわち、創傷のところで真空レベルが低い場合(たとえば、漏れが大きいため)、流量計画面500Gは、流体流路内の漏れ(または複数の漏れ)を特定するのを補助するため表示され得る。流量計画面500Gまたは500Hは、アニメーション表示されているアイコン503によって示されるように、療法がポンプアセンブリによって送達されている間に表示され得る。
【0067】
図5Iは、いくつかの実施形態によるアラームおよびトラブルシューティング画面500Iを示している。画面500Iは、ヘルプにアクセスするためのメニュー項目516を選択し(
図5E参照)、ヘルプ画面(図示せず)からアラームメニュー項目を選択することによってアクセスすることができる。例示されているように、画面500Iは、過真空、高真空、閉塞、キャニスター流量、高流量/漏れ、および低または不足真空(以下で説明されているように)、さらには技術的な故障(たとえば、回復不可能なエラー)、電池(たとえば、電池電力低下、重大な電池電力低下、電池故障)、および非活動状態(たとえば、ポンプアセンブリの電源がオンになっていて、15分などの特定の期間を超える時間にわたって使用者がインタラクティブに操作することなくそのままにされている)を含む、様々なアラームおよびトラブルシューティングカテゴリに対するメニュー項目を含むメニュー588を備える。代替的な、または追加のメニュー項目が表示され得る。特定のメニュー項目にアクセスすると、対応するアラームを解決するのを補助するステップバイステップの指示を表示する画面が起動し得る。これらの指示は、テキスト、オーディオ、ビデオなどの組合せを含み得る。例示されているメニュー588は、すべてのメニュー項目を示すメニューの拡張バージョンである。使用時に、メニュー588は、画面上に部分的にしか収まらないことがあり、メニュー項目は、スクロールバー587を介して、または他の好適な代替的な、もしくは追加のコントロールを介してアクセスすることができる。追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものが使用され得る。
【0068】
図6A〜
図6Gは、いくつかの実施形態によるアラーム画面を示している。例示されている画面は、使用者に警告を発するためにポンプアセンブリによって検出された1つの条件または条件の集まりに応答して表示され得る。たとえば、アラームが発生した場合、療法ユニットは、可聴アラームを鳴らす、アラーム画面を表する、黄色などの特定の色でインジケータ204を点灯する、のうちの1つまたは複数を実行することができる。療法ユニットは、過真空または高真空アラームの発生の際に療法の送達を停止するか、またはサスペンドするように構成され得る。他のアラームの発生が検出された場合、療法ユニットは、療法の送達を継続することができる。
【0069】
図6Aは、いくつかの実施形態による閉塞アラーム画面600Aを示している。インジケータ601は、アラーム条件を指示する。ラベル602は、アラームの説明(たとえば、「警告 閉塞」)である。アイコン603は、画面500Aなどのホーム画面に戻されるように構成される。ラベル604および605は、それぞれ、現在の療法設定に関する情報を提供する。図示されているように、-25mmHgの減圧での連続的療法が創傷に施されている。ラベル606は、アラームを是正するための提案された処置を提示する(たとえば、「配管またはキャニスターが閉塞している可能性があります」)。アイコン607は、使用者がアラームおよびトラブルシューティングに関するより詳しい情報を望んでいる場合にアラームおよびトラブルシューティング画面500Iを起動するように構成される。アイコン608は、アラームを永久的にまたは一時的に無音にするように構成される。重大でないアラームなどの、いくつかのアラームでは、アイコン608を選択することによって可聴音を一時的に無音にすることができる。可聴アラームが一時的に無音にされ、新しいアラームが発生した場合、新しいアラームに対する可聴アラームが鳴り、新しいアラームが表示され得る。複数のアラームメッセージが存在しているときには、療法アセンブリは、アラーム画面を交互に切り替えることができる。
【0070】
閉塞アラーム画面600Aは、キャニスター(またはキャニスターレスシステム内のポンプ)を創傷被覆材と接続する導管などの、流路内の閉塞の検出を指示することができる。アラームは、閉塞を解消することによって解決できる。ポンプアセンブリは、閉塞が検出された後に所望の療法を創傷に対して施す試みを続けるものとしてよい。
【0071】
図6Bは、いくつかの実施形態による過真空アラーム画面600Bを示している。図示されているように、アラームの説明は、「過真空」であり、アラームを是正する提案されている処置は、「電源をオン、オフして解決してください」である。このアラーム画面は、療法ユニットが流体流路内で過剰に高い真空(たとえば、-235mmHgまたは他の適切な値を超える)を検出したことを指示するものとしてよく、これは潜在的にデバイスの不具合によるものである。ポンプアセンブリは、過真空状態が是正されるまで療法の送達を停止するか、またはサスペンドするように構成され得る。可聴アラームが発生するものとしてよく、これは一時停止され得ない(したがって、アイコン608は、画面600Bに表示されない)。提案されているように、アラームは、ポンプアセンブリをオフ、オンすることによって解決され得る。
【0072】
図6Cは、いくつかの実施形態による高真空アラーム画面600Cを示している。図示されているように、アラームの説明は、「高真空」であり、アラームを是正する提案されている処置は、「電源をオン、オフして解決してください」である。このアラーム画面は、療法ユニットが高真空状態(たとえば、療法設定点よりも-15mmHg高い値を超える、または他の適切な値を超える)を検出したことを指示するものとしてよく、これは潜在的に閉塞またはデバイスの不具合によるものである。ポンプアセンブリは、高真空状態が是正されるまで療法の送達を停止するか、またはサスペンドするように構成され得る。可聴アラームが発生するものとしてよく、これは一時停止され得ない(したがって、アイコン608は、画面600Cに表示されない)。提案されているように、アラームは、ポンプアセンブリをオフ、オンすることによって解決され得る。
【0073】
図6Dは、いくつかの実施形態によるキャニスターフルアラーム画面600Dを示している。図示されているように、アラームの説明は、「キャニスターフル状態」であるが、それは、キャニスターがフル状態であるか、または内部キャニスターフィルターが流体で覆われていることが検出されているからである。アラームは、キャニスターを交換することによって解決できる。ポンプアセンブリは、所望の療法を創傷に対して施す試みを続けるものとしてよい。アラームは、無音にされ得る。被覆材が創傷から取り除かれた流体を吸収するように構成されているキャニスターレスシステムなど、いくつかのシステムにおいて、被覆材フル状態または被覆材フィルター閉塞状態が検出され、キャニスターフル状態に類似する方式で指示され得る。
【0074】
図6Eは、いくつかの実施形態による低真空アラーム画面600Eを示している。図示されているように、アラームの説明は、「低真空」であるが、それは、創傷のところの検出された圧力が、-15mmHgまたは別の好適な値などの、閾値量だけ所望の陰圧よりも低いからである。それに加えて、または代替的に、低真空状態は、30秒または他の好適な値などの、閾値持続時間よりも長い間持続する漏れが流体流路内にある場合に検出され得る。アラームは、漏れがないか流体流路内の接続部をチェックするか、または漏れがないか被覆材をチェックすることによって解決され得る。ポンプアセンブリは、所望の療法を創傷に対して施す試みを続けるものとしてよい。いくつかの実施形態において、ゲージ580は、
図6Fに関連して以下で説明されているように、画面600E上に表示され得る。アラームは、無音にされ得る。
【0075】
図6Fは、いくつかの実施形態による漏れアラーム画面600Fを示している。図示されているように、アラームの説明は、「漏れ」であるが、それは、著しい漏れ(たとえば、特定の閾値漏出速度を超える漏れ)が、2分または他の好適な値よりも長い時間などの、閾値持続時間の間検出されているからである。図示されているように、漏れアラーム画面600Fは、流体流路内で検出された漏出速度を示すゲージ580を含む。針585の位置によって例示されているように、高流漏出が検出されており、これが漏れアラームをトリガーしている。アラームは、漏れがないか流体流路内の接続部をチェックするか、または漏れがないか被覆材をチェックすることによって解決され得る。ゲージ580は、検出された漏出速度を例示しており、漏れを識別し、解決するのを補助し得る。ポンプアセンブリは、所望の療法を創傷に対して施す試みを続けるものとしてよい。アラームは、無音にされ得る。
【0076】
図6Gは、いくつかの実施形態によるアラーム解決画面600Gを示している。画面600Gは、療法ユニットによって検出されたアラームの解決後に表示され得る。画面600Gは、一定期間表示され、その後療法送達画面と置き換わるものとしてよい。アラームは、無音にされ得る。
【0077】
図6A〜
図6Gに示されている画面はどれも、追加の、または代替的なコントロール、インジケータ、メッセージ、アイコン、および同様のものを含み得る。いくつかの実施形態において、追加の、または代替的な画面は、1つまたは複数のアラームがあることを使用者に警告するために使用され得る。
【0078】
キャニスタースティフナー
いくつかの実施形態において、キャニスター220などの、キャニスターは、十分に高い真空圧力の印加の下で変形し得るプラスチックまたは別の種類の材料から作られる。そのような変形は、キャニスターの容量を減らし、破損および不具合のリスクをもたらし得るので望ましくないと思われる。プラスチック材料は、安価である、軽量である、製造しやすい、および同様のことなどの、多数の利点を備えるが、十分な真空圧力がポンプアセンブリ230によって創傷に印加されるときに材料の変形に対処することは有益である。
【0079】
図7Aは、いくつかの実施形態による補強要素またはスティフナー710を備える800mLキャニスター700Aを例示している。スティフナー710は、キャニスターを補強し、十分に高い真空圧力が創傷に印加されるときにキャニスター700Aがつぶれるのを防ぐのに役立つ。図示されているように、スティフナー710は、キャニスター700Aの前壁(たとえば、容積の漸次的変化のある壁)に取り付けられる(たとえば、封止される、接着剤で接着される、成形される、など)。スティフナーは、
図7Aに例示されているものと異なる前壁上の配置に取り付けられるか、または前壁とは別の壁上の任意の好適な配置に取り付けられ得る。
図7Bは、スティフナー710を利用する800mLキャニスター700Bの別の図である。
【0080】
スティフナー710は、
図7Cに例示されている。スティフナー710は、キャニスターの壁に取り付けられるように構成されているベース要素712と、陰圧が創傷に加えられていないときにベース要素712から対向する壁の方へ突き出るか、または延在する部材もしくはコンポーネント714を有する。コンポーネント714は、陰圧がキャニスターに加えられていないときにコンポーネントの少なくとも一部がキャニスターの対向する壁と接触するように十分な長さを有するものとしてよい。代替的に、コンポーネント714は、十分な陰圧がキャニスターに印加されると対向する壁と接触し得る。図示されているように、コンポーネント714は、ベース要素712からほぼ垂直の角度で延在する。代替的に、コンポーネント714は、好適な角度で延在することができる。スティフナー710は、小さく、軽量なものとすることができる。図示されているように、スティフナー710は、コンポーネント714内に型抜きされた異なる(または同じ)直径の1つまたは複数の円形の穴716を有するものとしてよい。1つまたは複数の穴は、スティフナー710を軽量にすることができる。代替的に、またはそれに加えて、スティフナー710は、矩形、三角形、楕円形、または他の規則正しいもしくは不規則な形状などの、好適な形状の1つまたは複数の穴を有し得る。複数の穴が型抜きされる場合、穴は、類似の形状および寸法または異なる形状および/または寸法を有し得る。1つまたは複数の空隙は、ベース要素712および/またはコンポーネント714内で型抜きされ得る。
図7Cは、矩形のベース要素712および六角形のコンポーネント714が矩形であることを例示しているが、ベース要素712および/またはコンポーネント714は、他の好適な形状を有し得る。
【0081】
スティフナーの寸法および厚ささらにはその幾何学的形状は、キャニスターの幾何学的形状および容量ならびにキャニスターが曝される陰圧レベルに基づき選択され得る。たとえば、
図7Aおよび
図7Bに例示されているような800mLキャニスターについては、ベース要素712の長さおよび高さは、それぞれ約1.71インチおよび1.37インチとすることができる。コンポーネント714の長さ(その最長の寸法に沿った)は、約1.57インチであり、コンポーネント714の高さ(その最も背の高い寸法に沿った)は、約1.94インチであるものとしてよい。他の実施形態では、他の好適な幾何学的形状および寸法が使用され得る。
【0082】
真空圧力が印加されるときにキャニスターのつぶれまたは変形を防ぐか、もしくは最小限度に抑えるために、スティフナー710などのスティフナーを使用することは有利である。いくつかの実施形態において、複数のスティフナー710が利用され得る。他の実施形態では、スティフナー710(または複数のスティフナー)が、後壁、側壁、などの好適な配置に取り付けられ得る。代替的実施形態では、スティフナー710は、使用されなくてもよい。その代わりに、たとえば、1つまたは複数のリブがキャニスターの壁に付けられるものとしてよく、キャニスターの壁は、つぶれを防ぐか、もしくはつぶれに抵抗するように厚くされ得るか、または壁は、より堅い材料などから作られるものとしてよい。
【0083】
陰圧創傷療法の送達
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、選択されたまたはプログラムされたプロトコルに従って陰圧療法を創傷に送達するように真空ポンプを制御する。ポンプ制御は、ポンプ制御プロセッサ370単独で、またはプロセッサ310と組み合わせて実行され得る。たとえば、上で説明されているように、使用者は、所望の圧力(または陰圧設定点)での連続運転を選択することができる。ポンプアセンブリは、真空ポンプを作動させて、創傷のところの(たとえば、被覆材の下の)圧力を設定点に到達するように低減するか、またはドローダウンさせることができる。以下で説明されているように、ドローダウンは、設定点に達するまで、圧縮と呼ばれる単位時間当たりの陰圧の最大変化によって制限される創傷のところの陰圧を増加させることによって実行され得る。創傷ドローダウン(wound drawdown)は、療法が開始された直後の、創傷がまだ設定点に達していない、期間として定義できる。以下で説明されているように、この期間の終わりに、設定点に達したときに、流体流路内の流量は、漏れ(または高流量)閾値よりも低く、低真空閾値よりも高い値であるべきであり、そうでなければ、適切なアラームが作動される。
【0084】
図8は、いくつかの実施形態による陰圧創傷療法を行うためのプロセス800を示している。プロセス800は、ポンプ制御プロセッサ370単独で、またはプロセッサ310と組み合わせて実行され得る。プロセス800は、たとえば、100ミリ秒間隔(または1秒間に10回)でまたは他の好適な頻度で、定期的に実行され得る。代替的に、またはそれに加えて、プロセス800は、連続的に実行され得る。
【0085】
プロセス800は、ブロック802から開始するものとしてよく、プロセスは、療法が開始されるときに、または療法が送達されている間に設定点が変更されるときに、そのブロックに遷移することができる。ブロック802において、プロセス800は、以下で説明されているように決定され得る、創傷圧力を設定点と比較する。創傷圧力が設定点よりも低い場合、プロセス800は、ブロック804に遷移することができる。逆に、創傷圧力が設定点以上である場合、プロセス800は、ブロック806に遷移することができる。
【0086】
ブロック804(圧力ランプアップ(ramp up))において、プロセス800は以下で説明されているように圧縮設定に依存する量だけポンプランプ(pump ramp)設定点をインクリメントすることができる。次いで、真空ポンプは、ポンプランプ設定点の現在値に到達するように創傷圧力のドローダウンを試みる。たとえば、電圧または電流信号などの、好適なポンプ駆動信号が生成され、ポンプモーターに供給され、それにより、ポンプモーターの速度を上げて創傷ドローダウンを達成することができる。効率を達成するために、ポンプモーターは、PWMまたは他の好適な方法を使用して駆動され得る。プロセス800は、使用者によって選択された設定点に到達するまでポンプランプ設定点をインクリメントし続けるものとしてよい。プロセス800は、創傷圧力が設定点にほぼ到達しているか、または到達してしまったときにブロック808に遷移することができる。たとえば、プロセス800は、創傷圧力が、設定点の2mmHgの範囲内、または他の好適な値の範囲内など、設定点のランプアップ閾値圧力の範囲内にあるときにブロック808に遷移することができる。
【0087】
ブロック806(圧力ランプダウン(ramp down))において、プロセス800は、ポンプランプ設定点を使用者によって選択された設定点に設定することができる。プロセッサ800は、流体流路内に1つまたは複数の漏れがあるなどのせいで創傷圧力が低下し、設定点に到達するか、またはほとんど到達するようにポンプの動作を停止させることができる。この時点で、プロセス800は、ブロック808に遷移することができる。たとえば、プロセス800は、創傷圧力が、設定点の5mmHgの範囲内、または他の好適な値の範囲内など、設定点のランプダウン閾値圧力の範囲内にあるときにブロック808に遷移することができる。いくつかの場合において、ランプダウン閾値圧力は、ランプアップ閾値圧力と同じであってもよい。
【0088】
ブロック808(定常状態)において、ポンプランプ設定点は、使用者によって選択された設定点に設定され得る。プロセス800は、創傷のところで所望の陰圧を維持するように真空ポンプを制御することができる。高真空、低真空、漏れ、および同様のものなどの、1つまたは複数の状態が、以下で説明されているようにブロック808で検出され得る。より負またはより正となるようにユーザが設定点を変更した場合、または療法の送達が一時停止された場合、プロセス800は、ブロック802に遷移することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、ポンプアセンブリは、圧縮を利用することによって創傷のドローダウンを行うように真空ポンプを制御する(たとえば、ブロック804に関連して上で説明されているように)。圧縮を使用することは、創傷圧力の急激な変化を回避するために有益であり、患者の不快感を最小限度に抑え、ポンプを動作させる結果生じる騒音を低減し、陰圧の効率的な送達を維持し、電力(たとえば、電池電力)の効率的な使用を維持し、および同様のことを行うことができる。圧縮は、プロセッサ800によって実行されるものとしてよく、さらに、このプロセス800は、ポンプ制御プロセッサ370単独で、またはプロセッサ310と組み合わせて実装され得る。圧縮は、単位時間当たりの陰圧の最大の所望の増大に対応することができる。圧縮は、
図5Fに関連して上で説明されているように陰圧設定点および選択された圧縮設定(たとえば、低、中、または高)に基づき決定され得る。
【0090】
圧縮は、創傷が陰圧の著しい増大に曝されることが予期されるときに利用され得る。これは、(1)療法は、萎んでいる創傷で開始され、陰圧は、ゼロまたは実質的にゼロから創傷のところの圧力設定点に到達するまで増大し、(2)療法は、簡潔モードで、低い陰圧設定点から高い陰圧設定点まで遷移するときにアクティブであり、陰圧は、創傷のところでより高い圧力設定点に到達するまで増大し、(3)療法は、アクティブであり、設定点は、より負の圧力値に変化して、それにより陰圧が創傷のところでより高い圧力設定点に到達するまで増大する。圧縮が利用され得る追加の状況は、たとえば、封止が達成された後に漏れが導入されるときを含み、これは、創傷のところの陰圧が急速に低下すること、および真空ポンプが圧力を維持しようとして陰圧の送達を増大させるか、またはランプアップすることを引き起こし得る。漏れが是正された後、ポンプは、創傷のところでの設定点圧力を急速に回復しようと試みる。
【0091】
圧縮は、圧縮によって許容される陰圧設定点を時間の関数として表す二次陰圧設定点ターゲットを維持することによって達成され得る。二次設定点は、ポンプランプ設定点に対応するものとしてよい。二次設定点は、選択された圧縮設定に基づきインクリメントされ得る。二次設定点は、プロセス800が実行されるごとに、1秒間に10回または他の好適な頻度などの好適な量ずつインクリメントされ得る。たとえば、低い圧縮設定が選択されている場合、二次設定点は、-0.6mmHgずつインクリメントされるものとしてよく、その結果、陰圧ランプアップは毎秒約-8mmHg以下となり得る(プロセス800を実行した結果など、ポンプ速度は毎秒10回インクリメントされると仮定している)。中圧縮設定が、選択されている場合、二次設定点は、-2mmHgずつインクリメントされるものとしてよく、その結果、陰圧ランプアップは毎秒約-20mmHg以下となり得る。高圧縮設定が、選択されている場合、二次設定点は、-4mmHgずつインクリメントされるものとしてよく、その結果、陰圧ランプアップは毎秒約-40mmHg以下となり得る。これらの値は、例示的なものであり、他の好適な値も使用できる。
【0092】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、陰圧創傷療法の送達に関連してポンプを制御するために、流体流路内の圧力および流量などの、様々なパラメータを監視する。パラメータ監視およびポンプ制御は、ポンプ制御プロセッサ370単独で、またはプロセッサ310と組み合わせて実行され得る。流量を監視することは、とりわけ、創傷に対して療法が適切に送達されることを確実にし、漏れ、閉塞、高い圧力、および低い真空、キャニスターフル状態、および同様のことを検出するために使用され得る。
【0093】
ポンプアセンブリは、流体流路内の流量を間接的に測定するように構成され得る。たとえば、ポンプアセンブリは、タコメータを使用することによって真空ポンプモーターの速度(たとえば、頻度として)を測定することができる。代替的に、またはそれに加えて、ポンプアセンブリは、ポンプに供給される電圧または電流を監視すること、ポンプ速度を感知すること(たとえば、ホールセンサーを使用することによって)、ポンプモーターによって生成される逆起電力を測定すること、および同様のことなどの好適なアプローチを使用してポンプの活動またはデューティサイクルのレベルを測定することができる。タコメータ読み取り値は、1つまたは複数の誤った読み取り値の効果を軽減するために平均化され得る。最近2.5秒または他の好適な期間などにわたる一番最近のタコメータの多数の読み取り値を平均化して、短いタコメータ平均値を得ることができる。最近30秒または他の好適な期間などにわたるあまり最近でないタコメータの多数の読み取り値を平均化して、長いタコメータ平均値を得ることができる。短いおよび長いタコメータ平均値が、ポンプ制御に利用され得る。それに加えて、または代替的に、ポンプアセンブリは、流量計を使用することなどによって、流量を直接的に測定することができる。
【0094】
流量は、標準温度および標準圧力(たとえば、1atm)に合わせて正規化された単位時間当たりの創傷上を移動する空気またはガスの体積として推定され得る。流量は、以下の式により、250ミリ秒ごとまたは他の好適な時間値の間隔などで、定期的に計算され得る。
【0095】
Flow Rate=Slope*Tachometer+Intercept
【0096】
Tachometerは、短いタコメータ平均値(たとえば、Hz単位)であり、SlopeおよびInterceptは、圧力設定点に基づいている定数である。SlopeおよびInterceptに対する値は、与えられた真空ポンプタイプに対する可能な圧力設定点(たとえば、-25mmHg、-40mmHg、-50mmHg、-60mmHg、-70mmHg、-80mmHg、-90mmHg、-100mmHg、-120mmHg、-140mmHg、-160mmHg、-180mmHg、-200mmHg)について決定され得る。ポンプ速度の関数として流量は、単一の直線として最良適合でない場合があるが、それは、真空ポンプが、より低い流量でより効率的であるように設計され得るからである。このため、勾配および切片の値は、様々な設定点および様々なポンプについて事前計算され得る。流量は、標準毎分リットル(SLPM)または他の好適な測定単位で測定され得る。以下で説明されているように、決定された流量は、閉塞閾値、漏出閾値、および最大流量閾値などの様々な流量閾値と比較され、それにより、閉塞、漏出、超過真空などの、特定の状態の存在を判定することができる。
【0097】
それに加えて、ポンプアセンブリは、1つまたは複数のセンサーを使用して流路内の圧力を決定し、監視することができる。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリ230の入口252(またはキャニスター接続部)内にまたはその近くに圧力センサーを備える。この圧力センサーは、キャニスター内の(またはキャニスターレスシステム内の被覆材の中またはその近くの)圧力を測定することができる。1つまたは複数の圧力センサーの配置構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許出願第14/210,062号に開示されている。ポンプアセンブリは、1ミリ秒ごとまたは他の好適な持続時間などの間隔で、キャニスター内の圧力を連続的に測定することができる。好適な数の最新の圧力センサー読み取り値は、1つまたは複数の誤った読み取り値の効果を軽減するために平均化され得る。
【0098】
創傷圧力は、測定されたキャニスター圧力およびポンプ速度を使用して推定することができる。流路内に1つまたは複数の漏れがあるため、創傷圧力は、キャニスター圧力と同じでない場合がある。たとえば、創傷圧力は、キャニスター圧力よりも低いか、またはより正であるものとしてよい。いくつかの実施形態において、創傷圧力は、以下の式を使用して推定される。
【0099】
Wound Pressure=Canister Pressure-(Slope*Tachometer+Intercept)
【0100】
Canister Pressureは、平均された測定済みキャニスター圧力である。上で説明されているように、Tachometerは、短いタコメータ平均値であり、SlopeおよびInterceptは、圧力設定点に基づいている定数である。SlopeおよびInterceptに対する値は、必ずしも、流量を決定するために上で使用されているのと同じ値でなくてよい。それに加えて、または代替的に、創傷圧力は、創傷の中、もしくは創傷の近く、または被覆材の下に留置されている圧力センサーによって直接測定され得る。
【0101】
決定された流量、キャニスター圧力、および創傷圧力値に基づき、ポンプアセンブリは、様々な動作状態を監視し、検出することができる。これらの状態のうちの1つまたは複数は、プロセスがブロック808にある間にプロセス800によって検出され得る。流体流路内の閉塞は、長いタコメータ平均値によって反映されるような流量を、2分または他の好適な持続時間などの、期間にわたって、または期間中に特定の閉塞閾値と比較することによって決定することができる。閉塞閾値は、特定の圧力設定点に基づき選択または決定され得る。すなわち、閉塞を検出するために、ポンプアセンブリは、特定な圧力設定点に対応する複数の閉塞閾値を利用することができる。上で説明されているように、流量は、ポンプ速度を検出し、監視することによって間接的に決定され得る。長いタコメータ平均値と閉塞閾値との比較を行うことができる。代替的に、またはそれに加えて、短いタコメータ平均値または流量の他の好適な尺度が、閉塞閾値と比較され得る。
【0102】
一定期間の持続時間において閾値の条件が満たされている場合、ポンプアセンブリは、流体流路内に閉塞があると決定し、指示(たとえば、アラーム画面)を出す。たとえば、閉塞の存在を決定するために、ポンプアセンブリは、長いタコメータ平均値が2分の期間中に、または他の好適な期間の間に、閉塞閾値の条件を満たすか、または超えるかどうかを決定することができる。長いタコメータ平均値は、タコメータの周期的サンプリングによる周期的時間間隔で更新され得るので、ポンプアセンブリは、長いタコメータ平均値をそれが更新されるともに2分の期間にわたって閉塞閾値と比較し得る。閉塞は、2分の間隔において決定された各長いタコメータ平均値が、閉塞閾値の条件を満たすか、または超える場合に検出され得る。代替的に、またはそれに加えて、10のうちの9、または他の好適な数などの、サンプリングされた長いタコメータ平均値の大半が閉塞閾値の条件を満たすか、または超える場合に検出され得る。検出された閉塞は、長いタコメータ平均値が5秒または他の好適な持続時間などの、一定期間の間、閉塞閾値を下回ったときにクリアされ得る。閉塞検出は、プロセス800がブロック806にある間、サスペンドされ得る。
【0103】
間欠的療法がゼロに設定されている圧力設定点のうちの1つで施され、創傷のところの陰圧が漏れのせいで減少する(またはより正になる)と予期されるときなど、ポンプがオフのときに、創傷のところの圧力レベルが予期したとおり減少または減衰しているかどうかを決定することによって閉塞が検出され得る。たとえば、創傷のところの圧力の降下は、30秒または他の好適な持続時間などの、一定期間にわたって計算され得る。閉塞は、その期間の終わりの創傷圧力が、圧力減衰閾値の条件を満たす(たとえば、超える)ように減少していなかった場合に存在し得る。
【0104】
ポンプアセンブリは、キャニスター圧力が、30秒または他の好適な持続時間などの、一定期間中に低真空圧力閾値の条件を満たしている(たとえば、下回るか、またはより正である)かどうかを決定することによって低真空状態を検出し、その指示を送ることができる。低真空閾値は、圧力設定点に基づき選択または決定され得る。低真空検出は、プロセス800がブロック806にある間、サスペンドされ得る。検出された低真空は、キャニスター圧力が5秒または他の好適な値などの、一定期間の間、低真空圧力閾値を超えたときにクリアされ得る。代替的に、またはそれに加えて、ポンプアセンブリは、測定された創傷圧力を低真空圧力閾値と比較することができる。
【0105】
ポンプアセンブリは、キャニスター圧力が、30秒または他の好適な持続時間などの、一定期間中に特定の高真空圧力閾値の条件を満たしている(たとえば、超えている)かどうかを決定することによって高真空状態を検出し、その指示を送ることができる。高真空圧力閾値は、圧力設定点に基づき選択または決定され得る。高真空検出は、プロセス800がブロック806にある間、サスペンドされ得る。検出された高真空は、ポンプアセンブリの電源をオフ、オンすることによって、またはキャニスター圧力が5秒または他の好適な持続時間などの、一定期間の間、高真空圧力閾値を下回ったと決定することなど、他の好適な手段によってクリアされ得る。代替的に、またはそれに加えて、ポンプアセンブリは、測定された創傷圧力を高真空圧力閾値と比較することができる。
【0106】
ポンプアセンブリは、キャニスター圧力が、2秒または他の持続時間などの一定期間中に、-250mmHgまたは他の好適な値などの過真空閾値の条件を満たしている(たとえば、超えている)かどうかを決定することによって過真空(または過剰真空)状態を検出し、その指示を送ることができる。検出された過真空は、ポンプアセンブリの電源をオフ、オンすることによって、またはキャニスター圧力が5秒または他の好適な持続時間などの、一定期間の間、過真空圧力閾値を下回ったと決定することなど、他の好適な手段によってクリアされ得る。代替的に、またはそれに加えて、ポンプアセンブリは、創傷圧力を過真空閾値と比較することができる。
【0107】
ポンプアセンブリは、短いタコメータ平均値が、2分または他の好適な持続時間などの、一定期間中に漏れ閾値の条件を満たしているかどうかを決定することによって漏れ状態を検出し、その指示を送ることができる。漏れ閾値は、圧力設定点に基づき選択または決定され得る。たとえば、ポンプアセンブリは、真空ポンプが1つまたは複数の漏れの存在下で所望の設定点に到達し、および/または維持することを試みているときに2分の期間にわたって漏れ閾値を超えるかどうかを決定し得る。代替的に、またはそれに加えて、ポンプアセンブリは、長いタコメータ平均値を漏れ閾値と比較することができる。漏れ検出は、プロセス800がブロック806にある間、サスペンドされ得る。検出された漏れは、短いタコメータ平均値が5秒または他の好適な持続時間などの、一定期間の間、漏れ閾値を下回ったときにクリアされ得る。代替的に、またはそれに加えて、長いタコメータ平均値または流量の他の好適な尺度が、漏れ閾値と比較され得る。
【0108】
ポンプアセンブリは、キャニスターフル状態を検出し、その指示を送ることができる。この決定は、プロセス800がブロック808にあるときに行われ得る。最初に、ポンプアセンブリは、短いタコメータ平均値が、漏れ閾値よりも低く、キャニスター圧力が低真空圧力閾値を超える(またはより負である)かどうかを決定することができる。短いタコメータ平均値が漏れ閾値よりも低いことによって示されているように流体流路内に1つまたは複数の漏れがあり、その一方でキャニスター圧力が低真空圧力閾値よりも高いことによって示されているように低真空状態が検出されていない(たとえば、キャニスター圧力は正常である)。すなわち、流体流路内に著しい漏れが存在することが検出されているのに(たとえば、ポンプ速度がかなり遅いことによって示されるように)、キャニスター圧力が正常なレベルにあるという決定は、キャニスターがフル状態であるという指示となる(たとえば、キャニスターのフィルターが詰まっている可能性がある)。
【0109】
短いタコメータ平均値が漏れ閾値よりも低く、キャニスター圧力が低真空圧力閾値を超えると決定された後、キャニスターが満杯かどうかの決定は、流体流路内の圧力パルスまたは信号の特性を測定することに少なくとも一部は基づき実行される。動作中に、ポンプは流体流路を通して伝搬される圧力パルスまたは信号を発生する。圧力センサーによって検出され得る、圧力信号は、いくつかの実施形態による
図9の圧力曲線902によって例示されている。領域904に例示されているように、流体流路内の圧力は、システムの正常動作中に特定の圧力設定点908の周りで変化するか、または振動する。領域906は、ポンプの遠位に閉塞が存在するときの流路内の圧力パルスを例示している。たとえば、キャニスター(または被覆材)はフル状態であり、および/またはキャニスター(または被覆材)のフィルターは塞がっているか、または閉塞している。
【0110】
領域906に例示されているように、遠位閉塞の存在により、キャニスター(または被覆材)の上流における容積の減少が見られ、圧力パルスの振幅は変化する(たとえば、増加する)。圧力信号の周波数も変化する(たとえば、遅くなるか、または減少する)。圧力信号の1つまたは複数のパラメータの観察された変化は、キャニスター(または被覆材)のフル状態と流体流路内の他の種類の閉塞とを区別するなど、存在している遠位閉塞の種類を識別するために使用され得る。圧力信号の振幅の変化は、ピーク-トラフ変化を測定することなど、様々な技術を使用して測定され得る。いくつかの実施形態において、圧力パルス信号の変化は、ポンプ速度を変化させるステップ、ポンプのリズムを変化させるステップ、PWMパラメータを調整するステップ、および同様のステップなどによって拡大されるか、または増強され得る。ポンプ動作のそのような調整は、要求はされないが、短い持続時間にわたって実行されるものとしてよく、変化は、システムの動作が影響を比較的受けにくいように小さいものとしてよい。被覆材が創傷から取り除かれた流体を吸収するように構成されているキャニスターレスシステムなど、いくつかのシステムにおいて、被覆材フル状態または被覆材フィルター(疎水性であってもよい)閉塞状態の検出は、キャニスターフル状態の検出と同等のものとしてよい。
【0111】
キャニスターフル状態は、複数の圧力センサー読み取り値を収集することによって検出されるものとしてよく、各々持続時間(たとえば、2秒またはサンプル期間の間で変化し得る他の好適な持続時間)にわたって実行され、収集される。30または他の好適な数のうちの25のサンプル期間など、複数の読み取り値のうちの多数の読み取り値がチェックされ、キャニスターがフル状態であることを各々が示しているか決定する。これは、特定のサンプル期間の持続時間にわたって取り込まれた最大圧力値および最小圧力値を決定することによって実行され得る。これらの値は、電圧値、電流値、または圧力に対応する他の好適な値とすることができる。特定のサンプル期間に対する最大値と最小値との間の差は、ピーク-トラフ圧力に対応する(圧力パルス振幅の変化を示す)。特定サンプル期間に対するピーク-トラフ圧力が、閾値圧力値を超えていると決定された場合、特定のサンプル期間は、キャニスターがフル状態であることを指示する。
【0112】
閾値は、陰圧設定点およびポンプの活動の現在レベルに基づき選択または決定された値などの好適な圧力閾値であってよく、これは上で説明されているように、短いタコメータ平均値(または長いタコメータ平均値もしくは流量の他の好適な尺度)を使用して決定され得る。たとえば、Table 1(表1)に記載されている閾値は、ピーク-トラフ圧力と比較するために使用され得る。これらの値は、特定のポンプモーターおよび特定の圧力センサーに対応する。
【0114】
キャニスターフル状態の決定は、スライディングウィンドウベースで実行され得る。たとえば、30のうちの25のサンプル期間のスライディングウィンドウが分析され、25のサンプル期間が、キャニスターがフル状態であることを示すと決定された場合に、ポンプは、キャニスター(または被覆材)がフル状態であると結論する。サンプル期間が2秒であると仮定すると、30のうちの25のサンプル期間のスライディングウィンドウを使用すると、その結果、効果的に、圧力パルス振幅の変化が60秒について閾値を超えるかどうかを決定する。短いタコメータ平均値が漏れ閾値よりも大きくなるか、またはキャニスター圧力が低真空圧力閾値よりも小さくなった場合、キャニスターフル状態検出は、サスペンドされるか、または打ち切られ得る。たとえば、30のうちの25のサンプル期間のスライディングウィンドウが使用され、各サンプル期間が2秒の持続時間を有する場合、キャニスターフル状態検出に対する60秒タイマーは、短いタコメータ平均値が漏れ閾値よりも大きくなるか、またはキャニスター圧力が低真空圧力閾値よりも小さくなったと決定されたときにリセットされ得る。これは、不要な、望ましくないアラームの発生を防ぐことができる。
【0115】
代替的に、またはそれに加えて、キャニスターフル状態は、単一のサンプル期間がキャニスターがフル状態であることを示している場合に検出され得る。しかしながら、複数のサンプル期間を使用してキャニスターフル状態検出を実行することで、流体流路内の1つもしくは複数の過渡的な状態または1つもしくは複数の誤りのある圧力読み取り値の効果を緩和することができる。代替的に、またはそれに加えて、キャニスターフル状態検出は、検出された圧力信号の周波数を測定し、測定された周波数を1つまたは複数の好適な閾値と比較することによって実行され得る。
【0116】
ポンプアセンブリは、漏れチェックテストを実行することができ、その結果、漏れまたは低真空を検出し得る。療法が開始された後の45秒または他の好適な持続時間などの療法の開始に続く期間中の任意の時点において、短いタコメータ平均速度が漏れ閾値を下回り、プロセス800がブロック808に遷移した(定常状態)場合に、漏れチェックテストに通っており、好適な封止が達成されたとみなされる。すなわち、創傷のところの圧力が、その期間内に所望の設定点に到達しており、流量(短いタコメータ平均値または他の好適な計量によって指示されているような)が漏れ閾値の条件を満たさないか、またはそれを超えない場合、流体流路は適切に封止され、著しい漏れが存在していない(たとえば、被覆材は適切に留置され、ポンプアセンブリ、キャニスター、および被覆材の間の適切な接続がなされている)と決定される。しかしながら、短いタコメータ平均値が、その期間の終わりに漏れ閾値よりも高いままである場合に、漏れが存在している可能性が高く、ポンプアセンブリは、漏れの存在を示している。
【0117】
その期間の終わりに、プロセス800がブロック804(または806)に留まり、ブロック808に遷移していなかった場合、ポンプアセンブリは、キャニスター圧力が低真空圧力閾値の条件を満たすか、またはそれよりも高く、短いタコメータ平均値が漏れ閾値よりも低いかどうかを決定する。これらの条件が両方とも満たされた場合、流体流路は適切に封止されており、著しい漏れが存在していないと決定される。すなわち、プロセス800がまだブロック808に遷移していなかったとしても、これは設定点に到達したか、または実質的に到達していることを示しており、ポンプは、流量が漏れ閾値よりも低いままであり、また真空レベルが低真空閾値よりも高いままであることによって明らかなように、創傷のところで陰圧設定点を確立することに向けて適切な作動する。しかしながら、流量が漏れ閾値の条件を満たしているか、または超えている場合に、漏れが存在している可能性が高く、ポンプアセンブリは、漏れの存在を示している。低真空閾値の条件が満たされている場合、ポンプアセンブリは、低真空状態であることを示す。代替的に、またはそれに加えて、長いタコメータ平均値または流量の他の好適な尺度が、閉塞閾値と比較され得る。
【0118】
漏れチェックテストに通った後、療法が一時停止されるまで好適な封止が達成されているとみなされるものとしてよい。療法が再開された後、漏れチェックテストが実行され得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、複数の創傷の治療にY字型接続特徴部(
図5A参照)を選択するか、またはアクティブにすることで、閉塞、漏れ、キャニスターフル状態、および同様の状態などの、1つまたは複数の状態の検出を変えるか、または修正することができる。Y字型接続特徴部をアクティブにすることで、上で説明されている様々な閾値のうちの1つまたは複数を調整することができる。たとえば、Y字型接続特徴部をアクティブにすることで、上で説明されているように閉塞検出に使用される、閉塞閾値を高くすることによって閉塞検出の感度を下げることができる。閉塞閾値は、2倍にするなど、好適な量だけ大きくすることができる。
【0120】
追加の、または代替的な実施形態において、複数の圧力センサーが流体流路内に留置されるものとしてよく、それにより、上で説明されている状態のうちの1つまたは複数を検出することを円滑にできる。たとえば、圧力センサーがポンプ入口に留置されることに加えて、またはその代わりに、圧力センサーが創傷内に、または被覆材の下に留置されてよく、それにより、創傷圧力を直接決定することができる。キャニスターおよび創傷などの、流体流路内の異なる配置で圧力を測定することで、閉塞、漏れ、キャニスターフル状態、および同様の状態の検出を円滑にすることができる。複数の内腔が、圧力センサー、キャニスター、ポンプアセンブリ、被覆材、および同様のものなどの、流体流路要素を接続するために利用され得る。キャニスターフル状態は、キャニスター内に、容量センサーなどのセンサーを留置することによって検出され得る。いくつかの実施形態において、過真空の発生を防ぐために、ポンプによって供給される最大圧力は、機械的に、または電気的に制限され得る。たとえば、ポンプに供給される電圧または電流などの、ポンプ駆動信号は、1.6リットル/分または他の好適な値などの、最大流量閾値を超えないように制限され得る。流量検出およびポンプ制御の追加の詳細は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許公開第2013/0150813号で記載されている。
【0121】
いくつかの実施形態において、流体流を直接測定するために、1つまたは複数の流量センサーおよび/または流量計が使用され得る。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、上で説明されている技術のうちの1つまたは複数を並行して利用し、ポンプを制御し、様々な状態を検出することができる。ポンプアセンブリは、異なる技術によって決定されたいくつかのパラメータを使用することに関して適切なアービトレーションを行うように構成され得る。たとえば、ポンプアセンブリは、タコメータによって測定されるようなポンプ速度に基づくなどして間接的に、また流量計を使用することなどによって直接的に決定される流量の間のアービトレーションを行うことができる。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、流量を間接的に決定し、間接的に決定された流量が、不正確であるか、信頼できないと認められたときなどに、必要になったときに流量の直接的決定を行うことができる。
【0122】
配置監視
ポンプアセンブリなどの、TNPまたは減圧療法システムの提供者または製造業者は、ポンプアセンブリの所有または使用について代金を請求したい場合がある。しかしながら、ポンプアセンブリの所有または使用に対する課金のプロセスは、提供者はポンプアセンブリの管理および販売をコントロールできないので、提供者にとって管理することが困難な場合がある。提供者は、ポンプアセンブリの所有または使用を正確に追跡するために、病院職員などの、他の当事者に依存し得る。他の当事者は、残念なことに、ときには、ポンプアセンブリの所有または使用を正確に追跡しない場合があり、したがって、提供者は、ポンプアセンブリの使用に対して課金し、その後請求するときに他の当事者からの誤ったまたは不完全な情報に頼る可能性がある。この状況は、ポンプアセンブリの使用に対する請求額が多すぎたり、少なすぎたりするリスクをもたらし得る。したがって、開示されているシステムおよび方法は、ポンプアセンブリの提供者が、ポンプアセンブリの所有または使用について課金するためにポンプアセンブリを正確に監視し、追跡するのを支援することができる。
【0123】
図10は、いくつかの実施形態によるポンプアセンブリの配置を監視するためのシステム1000を例示している。システム1000は、複数のポンプアセンブリ230と、配置監視ハブ1010とを備える。複数のポンプアセンブリ230は、各々、
図2A〜
図2Cに関して説明されているポンプアセンブリ230のインスタンスとすることができる。配置監視ハブ1010は、複数のポンプアセンブリ230と通信して、複数のポンプアセンブリ230の配置を個別に監視することができる。複数のポンプアセンブリ230の決定された配置に基づき、配置監視ハブ1010は、複数のポンプアセンブリ230が配置監視ハブ1010の近くの範囲内、またはカバーエリア内にあり、それによって、複数のポンプアセンブリ230の使用に対する請求などに関連して、複数のポンプアセンブリ230に関係する在庫管理を制御し得るかどうかを自動的に決定することができる。配置監視ハブ1010は、セルラー接続(たとえば、2G、3G、LTE、4G、GPRS)、WiFi(商標)接続、WLAN接続、インターネット接続、Bluetooth(登録商標)接続、ZigBee接続、および同様の接続のうちの1つまたは複数の接続タイプを利用することができる。
【0124】
複数のポンプアセンブリ230の個別のポンプアセンブリは、配置監視ハブ1010と繰り返し通信して、複数のポンプアセンブリ230が配置監視ハブ1010の近くに存在している可能性があるかどうかを配置監視ハブ1010に繰り返し指示することができる。ポンプセンブリAは、たとえば、Bluetooth(商標)プロトコル通信を使用して信号を定期的に、ランダムに、スケジュールに従って(たとえば、1、5、または20秒おきに)、および同様の方式で配置監視ハブ1010に送信し、ポンプアセンブリAが配置監視ハブ1010の近くにある可能性のあることを指示することができる。一実装では、ポンプアセンブリAは、ポンプアセンブリAの最小請求期間に少なくとも基づく頻度で信号を送信し、ポンプアセンブリAが最小請求期間ごとに少なくとも1回信号を送信するようにできる。たとえば、ポンプアセンブリAに対する最小請求期間が60分である場合、ポンプアセンブリAは、30分の周期で信号を送信することができる。配置監視ハブ1010は、次いで、ポンプアセンブリAから受信された信号を使用して、ポンプアセンブリAが配置監視ハブ1010の近くに存在していると決定することができる。配置監視ハブ1010は、また、受信された信号を使用して、配置監視ハブ1010に関するポンプアセンブリAの時間の経過による位置の変化を決定することができる。
【0125】
配置監視ハブ1010は、時間の経過に合わせて複数のポンプアセンブリ230のうちの個別のポンプアセンブリの配置を決定することができる。一例において、配置監視ハブ1010は、配置監視ハブ1010が個別のポンプアセンブリからの通信を最近(たとえば、閾値期間内に)受信したかどうかに少なくとも基づき、ポンプアセンブリAなどの、個別のポンプアセンブリの配置を決定することができる。通信が最近受信されていないときに、配置監視ハブ1010は、個別のポンプアセンブリが配置監視ハブ1010の近くの範囲内にないと結論するか、または確定することができる。そのような場合に、配置監視ハブ1010は、個別のポンプアセンブリの電池電力低下状態が個別のポンプアセンブリのシャットダウンを引き起こし通信を中断させ得る場合など、他の理由からさらなる通信が受信され得ないかどうかを指示する追加の通信または情報を個別のポンプアセンブリから受信し得る。追加の通信または情報は、配置監視ハブ1010によって使用され、個別のポンプアセンブリを修理または交換するためにエンジニアを派遣するようにも指示することができる。別の例では、配置監視ハブ1010は、配置監視ハブ1010で個別のポンプアセンブリから受信した通信の信号強度に少なくとも基づき、ポンプアセンブリBなどの、個別のポンプアセンブリの配置を決定することができる。受信された通信の信号強度が低下すると、配置監視ハブ1010は、個別のポンプアセンブリが配置監視ハブ1010から遠くにあると決定することができる。いくつかの実施形態において、配置監視ハブ1010は、複数のポンプアセンブリ230から通信を受信するために使用可能な2つ以上のアンテナを備えることができ、個別のアンテナにおける信号強度を使用して複数のポンプアセンブリ230の配置をより正確に決定する(たとえば、三角測量する)ことが可能である。
【0126】
配置監視ハブ1010は、配置監視ハブ1010に対するカバーエリアに基づき複数のポンプアセンブリ230に対する在庫管理機能を実行するか、または円滑にすることができる。カバーエリアは、配置監視ハブ1010によって監視されている地理的領域であってよく、これは複数のポンプアセンブリ230の状態に関する決定を下すために使用され得る。たとえば、配置監視ハブ1010のカバーエリアは、病院の収納クローゼットなどの、医療デバイス保管設備の境界に対応するものとしてよい。配置監視ハブ1010が、個別のポンプアセンブリがカバーエリア内に配置されていると決定したときに、個別のポンプアセンブリは、在庫保管領域内に保管されており患者による使用のためには現在出されていないことが結論され得る。その一方で、配置監視ハブ1010が、個別のポンプアセンブリがカバーエリアの外にあると決定したときに、個別のポンプアセンブリは、患者による使用のために現在外にあり、個別のポンプアセンブリの提供者が個別のポンプアセンブリの使用に対する請求を開始することができると結論することができる。
【0127】
配置監視ハブ1010は、異なるカバーエリアにまたがって在庫レベルの管理をさらに円滑にすることができる。たとえば、特定のカバーエリア内のポンプアセンブリの大半または全部が、使用のために取り出されている可能性がある場合、配置監視1010は、追加のポンプアセンブリを特定のカバーエリアに送るよう自動的に指示することができる。代替的に、特定のカバーエリア内の多数のポンプアセンブリが、長期間未使用状態のままであり得る場合に、配置監視ハブ1010は、特定のカバーエリア内のポンプアセンブリのうちのいくつかを別のカバーエリアに再配分するよう自動的に指示することができる。
【0128】
図10に例示されているように、カバーエリアは、配置監視ハブ1010から特定の距離の範囲内にある配置によって定められる領域など、配置監視ハブ1010の周りの一領域であってよい。たとえば、カバーエリアは、配置監視ハブ1010が中心に位置する円形または球体であってよい。他の実施形態では、カバーエリアは、配置監視ハブ1010の周りに配置されている非円形もしくは非対称領域または配置監視ハブ1010によって監視されているが配置監視ハブ1010の周りまたは近くに配置されていない何らかの領域であってよい。カバーエリアは、たとえば、約100m
2、500m
2、または1000m
2、および同様の面積を有する、フロアスペース領域などの、2または3次元領域によって一部は画成され得る。これは、ジオフェンシング機能を実現することができる。
【0129】
カバーエリアのサイズまたは位置は、いくつかの実装において配置監視ハブ1010によって制御または設定され得る。たとえば、配置監視ハブ1010の管理者は、カバーエリアの所望のサイズを入力することができ、配置監視ハブ1010は、所望のサイズを有するカバーエリアを提供することができる。それに加えて、カバーエリアの境界は、配置監視ハブ1010が複数のポンプアセンブリ230と正常に通信することができる範囲に依存し得る。たとえば、配置監視ハブ1010が個別のポンプアセンブリと通信することができる範囲は、配置監視ハブ1010に対するカバーエリアを画成し得る。そのような場合に、範囲は、たとえば、(1)配置監視ハブ1010がエラーなしで複数のポンプアセンブリ230から通信を受信することができる範囲、または(2)配置監視ハブ1010が信号強度閾値を超える信号強度を有する通信を受信することができる範囲とすることができる。
【0130】
一実装において、配置監視ハブ1010は、時間の経過とともにカバーエリアに関する複数のポンプアセンブリ230の配置を監視し、それによって、複数のポンプアセンブリ230に対する請求を行うかどうかを指示するために使用され得る。配置監視ハブ1010は、ポンプアセンブリC、E、およびFなどの、使えるようになっているポンプアセンブリを保管するために使用される病院の保管領域(たとえば、収納クローゼットまたは部屋)内に留置され得る。カバーエリアは、次いで、複数のポンプアセンブリ230が病院の保管領域内に、または外にあるかどうかを配置監視ハブ1010が決定するように病院の保管領域を範囲とすることができる。ポンプアセンブリA、B、またはDなどの、ポンプアセンブリが病院の保管領域から取り出されたときに、配置監視ハブ1010は、ポンプアセンブリが療法を患者に送達するために使用されていると推論し、配置監視ハブ1010は、取り出されたポンプアセンブリに対する請求を開始することができる。
図10に例示されているように、この指示は、インターネットなどの、好適なネットワーク上でリモートコンピュータ1020に提供され得る。リモートコンピュータ1020は、請求システムであってよい。取り出されたポンプアセンブリが、病院の保管領域に戻された後、配置監視ハブ1010は、ポンプアセンブリがもはや使用されなくなっており、陰圧療法の提供に対する請求を停止するよう指示することができると結論し得る。この指示は、リモートコンピュータ1020にも送られるものとしてよい。その結果、配置監視ハブ1010は、個別のポンプアセンブリが病院の保管領域から取り出され、戻された可能性があるときの比較に少なくとも従って個別のポンプアセンブリに対する請求をいつ開始し、いつ停止するかの正確な指示を出すことができる。これらの指示は、iCloud技術を使用することなど、好適な通信インターフェースを使用して与えることができる。これは、使用の正確な追跡を円滑にし、陰圧創傷療法の送達に対する正確な請求を可能にすることができ、次いで、保険会社からの正確な払い戻しを円滑にすることができる。
【0131】
いくつかの実施形態において、システム1000は、1つまたは複数のチェックを行って個別のポンプアセンブリに対する請求を行うかどうかを決定するためにさらに使用され得る。たとえば、個別のポンプアセンブリが比較的短時間(たとえば、10分未満)のうちにカバーエリアから取り出され、カバーエリアに戻される場合、個別のポンプアセンブリに対する取り出しおよび戻しのタイミングは、個別のポンプアセンブリの取り出しに対して請求する指示を与えないと決定するために使用され得る。別の例では、配置監視ハブ1010は、個別のポンプアセンブリに対する決定された配置が誤りであり得るかどうかの指示(たとえば、個別のポンプアセンブリから通信されたメッセージが、配置監視ハブ1010によって決定された個別のポンプアセンブリの配置と異なる個別のポンプアセンブリに対する配置を指定することができる)を記憶することができ、したがって、個別のポンプアセンブリについて請求しないことを指示し得る。さらに別の例では、個別のポンプアセンブリが、個別のポンプアセンブリがカバーエリア外にあり得るタイミングまたは期間をそれ自体追跡することができ、個別のポンプアセンブリによって追跡されるタイミングまたは期間は、一貫性に関して配置監視ハブ1010によって指示されるタイミングまたは期間と比較され得る。さらに、個別のポンプアセンブリによって追跡される他のタイミングまたは期間(たとえば、総療法送達時間、デバイスオン時間、アクティビティログ内のアクティビティタイミング、および同様のもの)は、配置監視ハブ1010によって指示されるタイミングまたは期間と比較され、個別のポンプアセンブリについて請求するかどうか、またいつ請求するかを決定することができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、配置監視ハブ1010は、個別のポンプアセンブリがネットワークを介してリモートコンピュータ1020と直接通信するように構成され得るので省くことができる。たとえば、個別のポンプアセンブリは、通信プロセッサ330を使用してリモートコンピュータ1020に配置を直接送ることができる。リモートコンピュータ1020は、次いで、個別のポンプアセンブリが送られた配置に少なくとも基づきカバーエリア内にあり得るかどうかを決定することができる。
【0133】
本明細書で使用されているように、指示または指示することは、その通常の意味を有することに加えて、それぞれ、情報を指摘するために、メッセージまたは通信チャネル(たとえば、有線、ワイヤレス、電磁気、または磁気媒体、および同様のもの)を介してメッセージを送信することを指す。メッセージは、メッセージの受信者がメッセージの中で指摘される情報を決定するのに十分なデータを含み得る。いくつかの実装において、メッセージまたはメッセージで指摘される情報は、受信者または受信者に関連付けられているデバイスがメッセージで指摘されている情報に従ってアクションを実行することを引き起こし得る。
【0134】
他の変更形態
本明細書で提示されている閾値、制限、持続時間などの値は、絶対的であることを意図されておらず、したがって、近似的であってよい。それに加えて、本明細書で提示されている閾値、制限、持続時間などは、自動的に、またはユーザによって、のいずれかで、固定されるか、または可変であるものとしてよい。さらに、本明細書で使用されているように、基準値に関して、超える、より大きい、より小さいなどの相対的な用語は、基準値に等しいことも包含することを意図されている。たとえば、正である基準値を超えることは、基準値以上であることを包含し得る。それに加えて、本明細書で使用されているように、基準値に関して、超える、より大きい、より小さいなどの相対的な用語は、基準値に関して、より下、より小さい、より大きいなどの、開示されている関係の逆も包含することを意図されている。
【0135】
特定の態様、実施形態、または例に関して説明されている特徴部、材料、特性、グループは、不適合でない限り、本明細書で説明されている他の態様、実施形態、または例に適用可能であるものと理解されるべきである。本明細書(付属の請求項、要約、および図面を含む)で開示されている特徴部のすべて、および/またはこうして開示されている方法もしくはプロセスのステップのすべては、そのような特徴部および/またはステップの少なくともいくつかが相互排他的である組合せを除く、任意の組合せに組み合わせることができる。保護は、前記の実施形態の詳細に制限されない。保護は、本明細書(付属の請求項、要約、および図面)で開示されている特徴のうち新規性のある特徴、もしくは新規性のある組合せに、またはこうして開示されている方法もしくはプロセスのステップのうちの新規性のあるもの、または新規性のある組合せに拡大適用される。
【0136】
いくつかの実施形態が説明されているが、これらの実施形態は、ほんの一例であり、保護の範囲を制限することは意図されていない。実際、本明細書で説明されている新規性のある方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化することができる。さらに、本明細書で説明されている方法およびシステムの形態の様々な省略、置換、および変更も行うことができる。当業者であれば、いくつかの実施形態において、例示され、および/または開示されているプロセスで実行される実際のステップは、図に示されているものと異なり得ることを理解するであろう。実施形態に応じて、上で説明されているステップのいくつかを取り除くことができ、また他のステップを追加することもできる。たとえば、開示されているプロセスにおいて実行される実際のステップおよび/またはステップの順序は、図に示されているのと異なることがある。実施形態に応じて、上で説明されているステップのいくつかを取り除くことができ、また他のステップを追加することもできる。たとえば、図に示されている様々なコンポーネントは、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、および/または専用ハードウェア上のソフトウェアおよび/またはファームウェアとして実装され得る。プロセッサ、ASIC、FPGA、および同様のものなどの、ハードウェアコンポーネントは、論理回路を含み得る。さらに、上で開示されている特定の実施形態の特徴部および属性を異なる仕方で組み合わせて追加の実施形態を形成することができるが、すべて本開示の範囲内に収まる。
【0137】
図示され、本明細書で説明されているユーザインターフェース画面は、追加の、および/または代替的なコンポーネントを備えることができる。これらのコンポーネントは、メニュー、リスト、ボタン、テキストボックス、ラベル、ラジオボタン、スクロールバー、スライダー、チェックボックス、コンボボックス、ステータスバー、ダイアログボックス、ウィンドウ、および同様のものを含み得る。ユーザインターフェース画面は、追加の、および/または代替的な情報を含み得る。コンポーネントは、好適な順序で配置構成され、グループ化され、表示され得る。
【0138】
本開示は特定の実施形態、例、および応用を含んでいるが、当業者であれば、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的実施形態および/または用途、ならびにその明らかな修正形態および等価物にも、本明細書で述べられている特徴および利点のすべてをもたらさない実施形態を含めて、拡大適用されることを理解するであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書の好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図されておらず、また本明細書に提示されているような、または将来提示されるような請求項によって定義され得る。