【実施例1】
【0013】
図1は、本発明にかかる無線受信装置の受信回路10の構成を示すブロック図である。受信回路10は、LNA(Low Noise Amplifier)11、局部発振器12、ミキサ13、可変利得回路14、バンドパスフィルタ15、復調回路16、RSSI(Received Signal Strength Indication)回路17、検波回路18、スイッチ19(以下、SW19と称する)、ADC(Analog to Digital Converter)20及び論理回路21を含む。論理回路21は、SW切替制御回路22、記憶領域23及び自動利得制御回路24を含む。
【0014】
LNA11は、アンテナ(図示せず)を介して受信した高周波信号RFを増幅し、増幅信号ASとしてミキサ13に供給する。
【0015】
局部発振器12は、局部発信信号FLを生成し、ミキサ13に供給する。
【0016】
ミキサ13は、増幅信号ASに局部発信信号FLを混合することにより、高周波信号RFよりも周波数が低い中間周波信号ISを生成し、可変利得回路14に供給する。
【0017】
可変利得回路14は、中間周波信号ISの入力を受け、利得制御信号GCSに応じた利得で、中間周波信号IS(入力信号)の振幅を変化させる。可変利得回路14は、可変ステップアッテネータにより構成され、利得制御信号GCSに示される利得制御値GCVに応じて利得を変化させつつ中間周波信号ISを減衰する。可変利得回路14は、振幅を変化させた中間周波信号ISを振幅変換中間周波信号AISとしてバンドパスフィルタ15に供給する。
【0018】
バンドパスフィルタ15は、振幅変換中間周波信号AISに対して、所定の周波数帯域の成分のみを通過させる周波数選択処理を施すことにより、不要な帯域成分を除去したフィルタ通過信号PSを生成する。バンドパスフィルタ15は、生成したフィルタ通過信号PSを復調回路16、RSSI回路17及び検波回路18に供給する。
【0019】
復調回路16は、フィルタ通過信号PSに対して復調処理を施すことにより、変調された情報データを復元し、データ出力DOを得る。
【0020】
RSSI回路17は、フィルタ通過信号PSに基づいて受信信号強度(受信電界強度)を検出し、アナログ値としてのRSSI値RVを得る。このRSSI値RVは、ADC20によるデジタル変換を経て記憶領域23に格納され、無線受信装置内のチューナー(図示せず)におけるチューニングの際の電波状況の判定に用いられる。
【0021】
検波回路18は、フィルタ通過信号PSに対して包絡線検波を行い、高周波成分を除去して、アナログ値としての信号振幅値SVを得る。この信号振幅値SVは、ADC20によるデジタル変換を経て自動利得制御回路24に供給され、可変利得回路14の利得の制御に用いられる。
【0022】
図2は、RSSI回路17の出力であるRSSI値RVと受信信号強度との関係(
図2(a))、検波回路18の出力である信号振幅値SVと受信信号強度との関係(
図2(b))を示す図である。横軸は受信信号強度を常用対数で表している。
【0023】
RSSI回路17は、受信しようとする電波の存在を確認するために受信信号強度を検出する。従って、RSSI回路17は、比較的小さい受信信号強度を検出可能に構成されている。例えば、RSSI回路17は、
図2(a)に示すように、基準信号強度である40dBμVよりも低い0dBμV〜40dBμVの範囲で、受信信号強度に対して出力(RSSI値RV)が比例する(すなわち、傾きが直線となる)ように検出動作を行う。受信信号強度が基準信号強度(40dBμV)を超えると、RSSI回路17の出力であるRSSI値RVは飽和する。
【0024】
すなわち、RSSI回路17は、信号強度が基準信号強度未満である場合に(すなわち、基準信号よりも低い信号強度の範囲で)フィルタ通過信号PSの信号強度を検出する第1の信号強度検出回路である。RSSI回路17は、第1検出値であるRSSI値RVをSW19に供給する。
【0025】
一方、可変利得回路14における利得の制御は、受信信号強度が大きい状況下において、可変利得回路14の出力が飽和することによる受信特性の劣化を抑えるために行われる。従って、検波回路18は、比較的大きい受信信号強度を検出可能に構成されている。例えば、検波回路18は、
図2(b)に示すように、受信信号強度が基準信号強度40dBμVとなる手前付近から信号振幅値SVが増加を始めるよう、検波動作を行う。なお、受信信号強度が65dBμV以上になると、増幅中間周波信号AISの信号レベルが一定となるように可変利得回路14の利得が制御されるため、検波回路18の出力である信号振幅値SVは一定となる。
【0026】
すなわち、検波回路18は、信号強度が基準信号強度以上である場合に(すなわち、基準信号強度及び基準信号強度よりも高い信号強度の範囲で)フィルタ通過信号PSの信号強度を検出する第2の信号強度検出回路である。検波回路18は、第2検出値である信号振幅値SVをSW19に供給する。
【0027】
SW19は、RSSI回路17及び検波回路18とADC20との間の接続を切り替える切替スイッチである。SW19は、SW切替制御信号SCSに応じて接続を切り替え、RSSI値RV又は信号振幅値SVをADC20に供給する。
【0028】
図3は、SW19の構成を示す回路図である。SW19は、第1トランスファーゲート31と、第2トランスファーゲート32と、インバータ33と、を含む。
【0029】
第1トランスファーゲート31は、NMOSトランジスタN1及びPMOSトランジスタP1から構成されている。NMOSトランジスタN1のドレイン端子及びPMOSトランジスタP1のソース端子は接続端T1を介して互いに接続されている。接続端T1は検波回路18に接続され、信号振幅値SVの入力を受ける。NMOSトランジスタN1のソース端子及びPMOSトランジスタP1のドレイン端子は接続端T2を介して互いに接続されている。接続端T2はADC20に接続されている。NMOSトランジスタN1のゲート端子はSW切替制御回路22に接続され、SW切替制御信号SCSの供給を受ける。PMOSトランジスタP1のゲート端子は、インバータ33を介してSW切替制御回路22に接続されている。
【0030】
第2トランスファーゲート32は、NMOSトランジスタN2及びPMOSトランジスタP2から構成されている。NMOSトランジスタN2のドレイン端子及びPMOSトランジスタP2のソース端子は接続端T3を介して互いに接続されている。接続端T3はRSSI回路17に接続され、RSSI値RVの入力を受ける。NMOSトランジスタN2のソース端子及びPMOSトランジスタP2のドレイン端子は接続端T4を介して互いに接続されている。接続端T4はADC20に接続されている。NMOSトランジスタN2のゲート端子はインバータ33を介してSW切替制御回路22に接続されている。PMOSトランジスタP2のゲート端子はSW切替制御回路22に接続され、SW切替制御信号SCSの供給を受ける。
【0031】
SW切替制御信号CSCは、所定の周期CPで信号レベルが「ハイ」及び「ロー」の2値に遷移する信号である。SW切替制御信号SCSの信号レベルがハイである期間(ハイレベル期間HCP)において、第1トランスファーゲート31のNMOSトランジスタN1及びPMOSトランジスタP1がオンとなり、検波回路18から供給された信号振幅値SVがADC20に供給される。一方、SW切替制御信号SCSの信号レベルがローである期間(ローレベル期間LCP)において、第2トランスファーゲート32のNMOSトランジスタN2及びPMOSトランジスタP2がオンとなり、RSSI回路17から供給されたRSSI値RVがADC20に供給される。
【0032】
再び
図1を参照すると、ADC20は、SW19から供給されたRSSI値RV又は信号振幅値SVをデジタル値DVに変換し、論理回路21のSW切替制御回路22に供給する。以下の説明では、RSSI値RVをデジタル値DVに変換したものをデジタルRSSI値DRV、信号振幅値SVをデジタル値DVに変換したものをデジタル振幅値DSVと称する。
【0033】
SW切替制御回路22は、SW切替制御信号SCSをSW19に供給する。また、SW切替制御回路22は、ADC20から供給されたデジタルRSSI値DRVを、記憶領域23に格納する。また、SW切替制御回路22は、ADC20から供給されたデジタル振幅値DSVを自動利得制御回路24に供給する。
【0034】
自動利得制御回路24は、デジタル振幅値DSVに基づいて利得制御値GCVを計算し、計算結果に基づいて、可変利得回路14の利得を制御する利得制御信号GCSを生成し、可変利得回路14に供給する。
【0035】
自動利得制御回路24は、例えばバンドパスフィルタ15に入力される信号の振幅上限閾値TH1(例えば、65dBμV)及び振幅下限閾値TH2(例えば、40dBμV)を保持し、デジタル振幅値DSVとの比較を行う。デジタル振幅値DSVが振幅上限閾値TH1を上回っている場合、自動利得制御回路24は、可変利得回路14の利得を下げるべく利得制御値GCVを算出し、これに対応する信号レベルを有する利得制御信号GCSを生成する。デジタル振幅値DSVが振幅下限閾値TH2を下回っている場合、自動利得制御回路24は、可変利得回路14の利得を上げるべく利得制御値GCVを算出し、これに対応する信号レベルを有する利得制御信号GCSを生成する。
【0036】
次に、受信回路10の各部の動作について、
図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0037】
SW切替制御信号SCSの信号レベルがローであるローレベル期間LCPにおいて、SW19は、RSSI回路17の出力であるRSSI値RVをDSV20に供給する。この間、自動利得制御回路24は、一定の信号レベルを有する利得制御信号GCSを可変利得回路14に供給する。
【0038】
ADC20は、RSSI回路17からSW19を介して供給されたRSSI値RVをデジタル値DV(すなわち、デジタルRSSI値DRV)に変換して、論理回路21のSW切替制御回路22に供給する。SW切替制御回路22は、デジタルRSSI値DRVを記憶領域23に格納する。
【0039】
一方、SW切替制御信号SCSの信号レベルがハイであるハイレベル期間HCPにおいて、SW19は、検波回路18の出力である信号振幅値SVをADC20に供給する。ADC20は、信号振幅値SVをデジタル値DV(デジタル振幅値DSV)に変換する。論理回路21のSW切替制御回路22は、デジタル振幅値DSVを自動利得制御回路24に供給する。自動利得制御回路24は、デジタル振幅値DSVに基づいて利得制御値GCVを計算し、利得制御値GCVを反映した信号レベルを有する利得制御信号GCSを可変利得回路14に供給する。
【0040】
SW切替制御回路22は、SW切替制御信号SCSの信号レベルを周期CPで周期的にハイレベル、ローレベルに切り替える。ADC20は、ハイレベル期間HCP、ローレベル期間LCPの夫々で一回ずつ変換動作を行う。論理回路21は、デジタルRSSI値DRVの記憶領域23への格納を1回のローレベル期間LCPにつき1回行い、デジタル振幅値DSVに基づく利得制御値GCVの計算を1回のハイレベル期間HCPにつき1回行う。SW19、ADC20及び論理回路21の各部は、かかる一連の動作を繰り返し行う。
【0041】
このように、本発明の受信回路10では、SW19が周期的にスイッチングを行い、RSSI値RV又は信号振幅値SVのいずれか一方をADC20に供給する。そして、ADC20は、SW19を介して供給されたRSSI値RV又は信号振幅値SVをデジタル値DVに変換する。従って、受信回路内にRSSI回路及び検波回路の夫々に対応したADCを別個に設ける必要がないため、回路規模を抑えつつRSSI回路及び検波回路の出力のデジタル値を得ることができる。
【0042】
なお、受信回路10を有する無線受信装置が、例えば移動体で使用されるラジオやテレビジョンチューナーである場合、フェージングにより受信信号強度が変動する。この変動の周期は、フェージング周波数の逆数となる。移動体の移動速度をv(m/s)、受信電波の波長をλ(m)とすると、フェージング周波数fd(Hz)は以下の式(1)で表される。
【0043】
fd=v/λ (1)
受信周波数をテレビジョン放送の最大周波数チャンネルである430(MHz)とすると、受信電波の波長は、0.698(m)(=光速3×10
8(m/s)÷430×10
6)となる。従って、例えば移動体の移動速度を80(km/h)とすると、フェージング周波数fdは、32(Hz)(=80(km/h)×1000÷3600÷0.698(m))となる。よって、フェージング周期は1/fd=31(msec)となる。
【0044】
従って、可変利得回路14における利得調整の周期は数msec程度であれば良く、SW切替制御信号SCSの周期も、例えば数msec程度の期間を有していればよい。
【0045】
また、無線受信装置が例えばバーストデータ通信システムに使用される受信装置である場合、キャリアの存在を確認するためにバーストの初めに受信されるプリアンブル期間にRSSI値を得られれば良い。従って、SW切替制御信号SCSは、プリアンブル期間に相当する期間だけローレベルに維持されれば良い。
【実施例2】
【0046】
本実施例の無線受信装置及び受信方法について、
図5及び
図6を参照して説明する。なお、実施例1と同様又は等価な構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0047】
図5は、本実施例の無線受信装置における受信回路10の構成を示すブロック図である。本実施例において、論理回路21は、実施例1と同様の構成(SW切替制御回路22、記憶領域23及び自動利得制御回路24)の他に、平均値算出回路41を含む。
【0048】
ADC20は、SW19からデジタルRSSI値DRVを供給された場合、実施例1と同様、これをSW切替制御部22に供給する。一方、SW19からデジタル振幅値DSVを供給された場合、これを平均値算出回路41に供給する。
【0049】
平均値算出回路41は、ADC20からデジタル振幅値DSVを所定回数取得すると、平均値を算出する。そして、平均値算出回路41は、算出した平均値を平均振幅値SAVとしてSW切替制御部22に供給する。
【0050】
SW切替制御回路22は、ADC20から供給された平均振幅値SAVを自動利得制御回路24に供給する。
【0051】
自動利得制御回路24は、平均振幅値SAVに基づいて利得制御値GCVを計算し、計算結果に基づいて、可変利得回路14の利得を制御する利得制御信号GCSを生成し、可変利得回路14に供給する。
【0052】
次に、本実施例における受信回路10の各部の動作について、
図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0053】
SW切替制御信号SCSは、実施例1よりも長いハイレベル期間HCPにおいて、信号レベルがハイレベルとなる。このハイレベル期間HCPの間、検波回路18はn回(nは2以上の整数)の包絡線検波を行い、n個の信号振幅値SVを取得する。SW19は、ハイレベル期間HCPの間、n個の信号振幅値SVをADC20に供給する。
【0054】
ADC20は、SW19から供給された信号振幅値SVをデジタル振幅値DSVに順次変換し、平均値算出回路41に供給する。すなわち、ADC20は、ハイレベル期間HCPの間、n回の変換動作を行う。
【0055】
平均値算出部41は、ハイレベル期間HCPの間にADC20から供給されたn個のデジタル振幅値DSVの平均値を算出する。平均値算出部41は、この平均値を平均振幅値SAVとしてSW切替制御回路22に供給する。
【0056】
SW切替制御回路22は、平均振幅値SAVを自動利得制御回路24に供給する。自動利得制御回路24は、平均振幅値SAVに基づいて利得制御値GCVを計算し、計算した結果を反映した信号レベルを有する利得制御信号GCSを可変利得回路14に供給する。
【0057】
以上のように、本実施例の受信回路10では、1回のハイレベル期間HCP毎にn個の信号振幅値SVがSW19を介してADC20に供給され、ADC20はn回の変換動作を行う。そして、平均値算出回路41はn個のデジタル振幅値DSVの平均振幅値SAVを算出し、自動利得制御回路24は平均振幅値SAVに基づいて可変利得回路14の利得制御を行う。
【0058】
本実施例の受信回路10によれば、可変利得回路14の利得制御を安定して行うことができる。例えば、受信した高周波信号RFの信号レベルがフェージング等により短い時間に大きく変化するような状況下では、信号振幅値SVを取得する毎に利得制御を行うと、利得制御信号GCSが短時間に繰り返し変化することで、利得変化時の切り替え動作に伴う雑音が増加し、SN比の低下等により受信特性が劣化する可能性がある。しかし、本実施例の受信回路10は、長い周期でSW19の切り替えを行い、複数回に亘って取得したデジタル振幅値DSVの平均値を算出して利得制御を行うため、かかる状況下においても、安定した可変利得回路14の利得制御を行うことができるのである。また、フェージング周期に比べて十分に長い期間をハイレベル期間HCPとして設定することにより、より安定した利得制御を行うことが可能となる。
【実施例3】
【0059】
本実施例の無線受信装置及び受信方法について、
図7を参照して説明する。なお、実施例1と同様又は等価な構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0060】
図7は、本実施例の無線受信装置における受信回路10の構成を示すブロック図である。本実施例において、論理回路21は、実施例1と同様の構成(SW切替制御回路22、記憶領域23及び自動利得制御回路24)の他に、基準信号強度格納部42を含む。
【0061】
基準信号強度格納部26は、SW19における切り替え動作の基準となる基準信号強度RTH(例えば、40dBμV)を格納する。
【0062】
SW切替制御部22は、ADC20から供給されたデジタル値DV(デジタルRSSI値DRV又はデジタル振幅値DSV)と基準信号強度RTHとを比較し、比較結果に応じてSW19の切替制御を行う。
【0063】
具体的には、SW19がRSSI回路17の出力であるRSSI値RVをADC20に供給している状態において、デジタルRSSI値DRVが基準信号強度RTHよりも小さい場合、SW切替制御部22は、SW19にそのままの状態を維持させるSW切替制御信号SCSを生成し、SW19に供給する。デジタルRSSI値DRVが基準信号強度RTH以上となった場合、SW切替制御部22は、検波回路18からの信号振幅値SVをADC20に供給するべくSW19の接続を切り替えるSW切替制御信号SCSを生成し、SW19に供給する。
【0064】
一方、SW19が検波回路18の出力である信号振幅値SVをADC20に供給している状態において、デジタル振幅値DSVが基準信号強度RTH以上である場合、SW19にそのままの状態を維持させるSW切替制御信号SCSを生成し、SW19に供給する。デジタル振幅値DSVが基準信号強度RTH未満となった場合、SW切替制御部22は、RSSI回路17からのRSSI値RVをADC20に供給するべくSW19の接続を切り替えるSW切替制御信号SCSを生成し、SW19に供給する。
【0065】
このように、本実施例の受信回路10は、実施例1のように予め定めた周期で周期的にSW19の接続切り替えを行うのではなく、基準信号強度RTHとデジタルRSSI値RV又はデジタル振幅値DSVとの大小関係に応じてSW19の接続切り替えを行う。このため、受信信号強度が基準信号強度RTH未満である場合には、検波回路18の動作とは無関係に、複数回のRSSI値RVの取得及びデジタル値DVへの変換を行うことができる。同様に、受信信号強度が基準信号強度RTH以上である場合には、RSSI回路17の動作とは無関係に、複数回の信号振幅値SVの取得及びデジタル値DVへの変換を行うことができる。従って、SW19の切り替えを、電波状況に応じて柔軟に行うことができる。
【0066】
以上のように、本発明の無線受信装置は、第1の信号強度検出回路(RSSI回路17)及び第2の信号強度検出回路(検波回路18)のうちの一方とアナログデジタル変換器(ADC20)とを切り替え可能に接続し、第1検出値(RSSI値RV)又は第2検出値(信号振幅値SV)をアナログデジタル変換器(ADC20)に供給する切替スイッチ(SW19)を有し、アナログデジタル変換器(ADC20)は第1検出値(RSSI値RV)又は第2検出値(信号振幅値SV)をデジタル値(DV)に変換する。従って、第1の信号強度検出回路(RSSI回路17)又は第2の信号強度検出回路(検波回路18)の夫々に対応したアナログデジタル変換器(ADC20)を別個に設ける必要がないため、回路規模を抑えつつ第1検出値(RSSI値RV)及び第2検出値(信号振幅値SV)をデジタル値(DV)に変換することができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、SW19が、
図3に示すように夫々NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタからなる第1及び第2トランスファーゲートから構成される場合について説明した。しかし、SW19の構成はこれに限られず、SW切替制御信号SCSに応じてRSSI回路17からの出力又は検波回路18からの出力を切り替えてSW19に供給可能な構成を有するものであれば良い。
【0068】
また、上記実施例では、基準信号強度を40dBμVとし、RSSI回路17が、0〜40dBμVの範囲で受信信号強度に比例するRSSI値RVを取得する例について説明した。しかし、RSSI回路17の動作範囲はこれに限られない。少なくとも、FM多重放送のデータを受信するチューナーの受信感度のレベルである20〜30dBμVの近辺の受信信号強度において動作するものであればよい。
【0069】
また、上記実施例2では、受信回路10がn個のデジタル振幅値DSVの平均値を算出する平均値算出回路41を有し、自動利得制御回路24は平均振幅値SAVに基づいて可変利得回路14の利得制御を行う例について説明した。しかし、複数のデジタルRSSI値DRVの平均値を算出する平均値算出回路を設け、算出した平均値を記憶領域23に格納する構成としても良い。