特許第6646507号(P6646507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646507
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】麺皮類の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20200203BHJP
【FI】
   A23L7/109 D
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-73108(P2016-73108)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-12156(P2017-12156A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年8月23日
(31)【優先権主張番号】特願2015-132466(P2015-132466)
(32)【優先日】2015年7月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】津田 恭征
(72)【発明者】
【氏名】宮田 敦行
(72)【発明者】
【氏名】豊田 肇
【審査官】 小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−279307(JP,A)
【文献】 特開2004−105150(JP,A)
【文献】 特開2016−127813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/109− 7/113
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/AGRICOLA/BIOTECHNO/CABA/SCISEARCH/TOXCENTER/REGISTRY/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
α化加工物に老化処理を施して、含有されている澱粉を老化させる老化工程と、該老化処理が施されたα化加工物を用いる麺皮化工程とを有し、
前記α化加工物がα化加工生地であり、
前記α化加工生地の原料に、プロテアーゼ、アミラーゼ及び乳化剤の少なくとも1つを配合し、且つ前記乳化剤を配合する場合は、該乳化剤として、カゼイン又はその塩を、前記α化加工生地の原料中の穀粉100質量部に対して0.1〜20質量部配合する、麺皮類の製造方法。
【請求項2】
前記老化処理は、前記α化加工物を冷蔵する処理であるか、又は、前記α化加工物を冷凍した後に解凍する処理である請求項1に記載の麺皮類の製造方法。
【請求項3】
前記α化加工生地の原料に、該原料中の穀粉100質量部に対して、0.001〜10質量部のプロテアーゼ、0.001〜10質量部のアミラーゼ、及び0.1〜20質量部の乳化剤の少なくとも一つを配合する、請求項1又は2に記載の麺皮類の製造方法。
【請求項4】
前記α化加工生地は、1)α化されていない澱粉を含む生地原料に加水し混合して中間生地を得、該中間生地を加熱して得られたものであるか、又は2)予めα化された澱粉を含む生地原料に加水し混合して得られたものである請求項の何れか1項に記載の麺皮類の製造方法。
【請求項5】
前記麺皮化工程において、前記老化処理が施されたα化加工物に加えてさらに穀粉を用い、該老化処理が施されたα化加工物中の全原料粉が、該α化加工物に加えた前記穀粉100質量部に対して1〜50質量部である請求項1〜の何れか1項に記載の麺皮類の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の食材を包んで食するための包み皮として利用可能な麺皮類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
春巻き、餃子、シューマイ、小籠包等のいわゆる麺皮食品は、食材を包む麺皮の食感の良さなどもあって広く普及し身近なものとなっている。中でも、油で加熱調理する春巻きは、その麺皮特有のパリパリとした食感が多くの人に好まれており、スーパーの総菜売場などにおいて定番商品となっている。しかし、春巻きは、麺皮に包まれている食材の水分が油ちょう後に麺皮に徐々に移行するため、時間の経過と共に麺皮がべたついてゴム様のヒキが強くなり、パリパリ感を喪失するという課題があった。
【0003】
斯かる課題の解決を図った技術として、例えば特許文献1には、春巻皮に用いる澱粉として、酸処理、熱処理、酵素処理により低粘度化された澱粉であるデキストリン、又は酸化処理された澱粉、架橋澱粉若しくはハイアミロースコーン澱粉を用いることが記載されている。特許文献1記載の春巻皮によれば、油ちょう後パリパリした食感を長時間維持することができるとされている。また特許文献2には、春巻皮の原料として、小麦粉又は澱粉と乳化剤とからなる混合物を密封容器中で撹拌しながら間接加熱処理して得られる熱処理混合物を用いることで、油ちょう後の春巻きの経時的な食感の低下を抑制し得ることが記載されている。
【0004】
特許文献3には、小麦粉を主成分とする生地を加熱調理して得られる小麦粉製品に関し、加熱調理後あるいは電子レンジによる再加熱調理後に該製品中の澱粉の構造変化に起因して食感が硬い歯切れの悪いものとなる点に鑑み、斯かる課題を解決し得る技術として、小麦粉を主成分とする生地に湿熱処理澱粉を含有させることが開示されている。特許文献3によれば、湿熱処理澱粉は、未処理の澱粉に比べて糊化温度が高く、また加熱調理時に粒構造が崩壊しないという特徴を有しており、特許文献3記載の小麦粉製品は、湿熱処理澱粉の斯かる特徴を利用した餃子、春巻き等の食品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−121016号公報
【特許文献2】特開2007−151508号公報
【特許文献3】特開平10−94373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、ヒキが無く歯切れの良い食感の麺皮食品に対する要望に十分に応えられていないのが実情であり、特に、油ちょう等の加熱調理後において、時間経過と共に食感が低下する、電子レンジ等で再加熱した際に食感が低下するという問題がある。加熱調理後の食感について経時耐性を有し、加熱調理後に数時間放置しても、加熱調理直後と同等のパリパリとしてクリスピーでヒキがなく歯切れの良い食感を保持し、食感が良好な麺皮食品を提供し得る麺皮類は未だ提供されていない。
【0007】
本発明の課題は、加熱調理後の食感について経時耐性を有し、加熱調理直後は勿論のこと、加熱調理後から数時間経過後であっても食感が良好な麺皮類を製造し得る、麺皮類の製造方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
澱粉は周知の通り、非加熱の未α化澱粉の状態においては、アミロースとアミロペクチンとが水素結合によって規則的に集合したミセル構造を有し、高度に結晶化した粒状をなしているが、この粒状の未α化澱粉に水分を加えて加熱すると、その粒は水和して次第に膨潤し、さらに加熱を続けると結晶構造が崩れて糊状に変化する。この現象が糊化(α化)である。また、この水和した糊化澱粉を冷却すると、時間経過に伴い離水して澱粉分子が再び集合して部分的に再結晶化して凝集する。この現象が老化であり、再加熱しても完全にはもとの糊化の状態には戻らない。一般に、澱粉の糊化は、食品用途において消化され易くしたり、独特の形態やテクスチャーを造り出すために幅広く利用されているのに対し、澱粉の老化は、特に澱粉を含む食品の硬化、保水力の低下、食感の低下等を招くため、澱粉を含む食品にとって好ましくない現象と考えられており、澱粉の老化を防止する技術が種々提案されているのが実情である。
【0009】
本発明者らは、麺皮類について、加熱調理後の経時耐性を含めた食感の改良を図るべく種々検討した結果、従来食品用途では好ましくないとされていた澱粉の老化を積極的に利用することが、斯かる特性の改良に有効であるとの知見を得た。即ち、α化加工生地を冷蔵又は冷凍してそれに含まれるα化した澱粉を意図的に老化させ、斯かる老化処理が施された生地を用いて常法に従って麺皮類を製造することによって、加熱調理直後は勿論のこと、加熱調理後から数時間経過後であっても、ヒキが無く歯切れの良い食感の麺皮類が得られることを知見した。
【0010】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、α化加工物に老化処理を施して、含有されている澱粉を老化させる老化工程と、該老化処理が施されたα化加工物を用いる麺皮化工程とを有する、麺皮類の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の麺皮類の製造方法によれば、食感が良好な麺皮類が提供される。また、本発明の麺皮類の製造方法によれば、老化処理が施されたα化加工物を麺皮にする工程において作業性が良好であり、高品質の麺皮類を効率良く製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の麺皮類の製造方法においては、α化澱粉(糊化澱粉)を含むα化加工物を用いる。本発明の主たる特徴の1つは、α化加工物に老化処理を施して、該α化加工物に含まれるα化した澱粉を老化させることにある。α化加工物は、α化加工生地又はα化加工した麺であることが好ましい。α化加工物として、α化加工生地及びα化加工した麺のどちらを用いるかは任意に選択できる。α化加工生地は、後述する方法によって作製することができ、通常、水分を含むペースト状生地である。α化加工した麺としては、一般的な製麺法で作製した生麺を加熱工程によりα化した麺を用いることもできるが、α化加工した麺を用いる大きな利点の1つは、市販のα化処理された麺をそのまま老化処理の対象物として使用できる点にある。
【0013】
本発明で用いるα化加工生地は、下記1)又は2)の方法によって作製することができる。
1)α化されていない澱粉を含む生地原料に加水し混合して中間生地を得、該中間生地を加熱する方法。
2)予めα化された澱粉を含む生地原料に加水し混合する方法。
【0014】
前記1)の方法において、「α化されていない澱粉を含む生地原料」としては、通常少なくとも、未α化穀粉が用いられる。未α化穀粉は、水分を加えて加熱する等のいわゆるα化処理が施されていない穀粉であり、α化されていない澱粉組成を有する。必要に応じ、未α化穀粉に加えてさらに、α化処理が施されていない未α化澱粉を用いても良い。前記1)の作製方法においては、未α化穀粉や未α化澱粉を含む生地原料から常法に従って、未α化生地である中間生地を作製し、該中間生地を加熱することで、これに含まれる未α化穀粉あるいは未α化澱粉由来の澱粉のα化を促進し、α化澱粉を含むα化加工生地を得る。
【0015】
前記の未α化穀粉及び未α化澱粉としては、それぞれ、麺類や麺皮類の製造に通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。未α化穀粉としては例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉、熱処理粉等の小麦粉の他、ライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、そば粉、米粉、豆粉、はとむぎ粉、ひえ粉、あわ粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。未α化澱粉としては例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等;あるいはこれらの澱粉にエーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等を施した加工澱粉が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
前記1)の方法で用いる生地原料は、未α化穀粉及び未α化澱粉以外の他の原料を含んでいても良い。具体的には例えば、小麦グルテン、大豆蛋白質、大豆多糖類、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、卵蛋白酵素分解物、脱脂粉乳等の蛋白質素材;動植物油脂、粉末油脂等の油脂類;かんすい、焼成カルシウム、食物繊維、膨張剤、増粘剤、乳化剤、食塩、糖類、糖アルコール、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン、難消化性デキストリン、難消化性でん粉、アルコール、保存剤、pH調整剤、酵素剤等が挙げられ、これら1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
前記1)の方法で用いる生地原料には、プロテアーゼ、アミラーゼ及び乳化剤の少なくとも1つを配合することが、老化処理後、特に麺皮の製造時(麺皮化工程)の作業性の向上の観点から好ましい。
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素である。プロテアーゼとしては、食品に使用可能な各種公知のプロテアーゼを特に制限なく用いることができる。プロテアーゼは、糸状菌由来のプロテイナーゼを用いることが更に好ましい。α化加工生地の原料である未α化穀粉や未α化澱粉を含む生地原料にプロテアーゼを配合して、プロテアーゼの作用によりグルテンネットワークを適度に切断し、老化処理前に生地の粘度を低下させておくことにより、混合時の分散性がよくなり、その結果、麺皮化工程の作業性が向上する。
α化加工生地の原料に対するプロテアーゼの配合量は、該原料中の穀粉100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部であることがより好ましい。
プロテアーゼやアミラーゼは、α化加工生地の原料である未α化穀粉に5分〜2時間作用させることが好ましく、10分〜2時間作用させることがより好ましい。また、プロテアーゼやアミラーゼは、α化加工生地を得るための中間生地の加熱工程において失活させることが好ましい。
【0018】
アミラーゼは、グリコシド結合の加水分解を触媒する酵素である。アミラーゼとしては、食品に使用可能な各種公知のアミラーゼを特に制限なく用いることができる。アミラーゼとしては、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ等があるが、これらの中でもα-アミラーゼを用いることが好ましい。α化加工生地の原料である未α化穀粉や未α化澱粉を含む生地原料にアミラーゼを配合し、未α化穀粉や未α化澱粉に由来する澱粉中のアミロースやアミロペクチンを適度に切断し、老化処理前に生地の粘度を低下させておくことにより、混合時の分散性がよくなり、その結果、麺皮化工程の作業性が向上する。
α化加工生地の原料に対するアミラーゼの配合量は、該原料中の穀粉100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部であることがより好ましい。
【0019】
乳化剤としては、食品に使用可能な各種公知のもの等を特に制限なく用いることができるが、乳化機能を有するタンパク質を用いることが好ましい。乳化機能を有するタンパク質としては、乳由来ものや卵由来のものなどがあるが、乳清由来のタンパク質が好ましく、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)が更に好ましい。α化加工生地の原料である未α化穀粉や未α化澱粉を含む生地原料に乳化剤を配合し、離水を抑制させることにより、α化加工生地の安定性し、これにより麺皮化工程時の作業性が向上する。
α化加工生地の原料に対する乳化剤の配合量は、該原料中の穀粉100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部であり、更に好ましくは0.5〜10質量部である。
【0020】
前記1)の方法において、未α化穀粉や未α化澱粉を含む生地原料への加水量は、特に制限されず麺皮類の種類等に応じて適宜調整すれば良いが、生地原料中の全原料粉100質量部に対して、好ましくは10〜3000質量部、さらに好ましくは30〜1000質量部である。本明細書において「原料粉」は、生地の作製に用いられる生地原料のうち、常温常圧下で粉状の穀粉類であり、具体的には、小麦粉等の穀粉及び澱粉であり、油脂、食塩等の副原料は含まれない。
また、前記1)の方法において、中間生地の加熱条件は、それに含まれる未α化穀粉や未α化澱粉のα化(糊化)が十分になされるように設定する必要がある。斯かる観点から、中間生地の温度(品温)が好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上の状態が10分間以上維持されるような条件で、中間生地を加熱することが好ましい。
【0021】
前記2)の方法において、「予めα化された澱粉を含む生地原料」としては、通常少なくとも、未α化穀粉にα化処理を施して得られるα化穀粉(α化された澱粉組成を有する穀粉)が用いられ、必要に応じ、未α化澱粉にα化処理を施して得られるα化澱粉が用いられる。α化穀粉やα化澱粉としては市販のものを用いることができる。
【0022】
本発明の麺皮類の製造方法においては、α化加工物、好ましくは、前記1)若しくは2)の方法によって作製されたα化加工生地、又は一般的な製麺法で作製した生麺を加熱工程によりα化した麺若しくは市販のα化加工した麺に対し、老化処理を施して、これら処理対象物に含まれるα化澱粉を老化させる。老化処理は、処理対象物であるα化加工物を常温で所定時間放置することによって行うこともできるが、α化澱粉をより確実に老化させる観点から、i)処理対象物を冷蔵する処理、又はii)処理対象物を冷凍した後に解凍する処理が好ましい。
【0023】
前記i)の老化処理(冷蔵処理)は、例えば、冷蔵庫の庫内に処理対象物を所定時間放置することによって行うことができる。冷蔵条件は、α化した澱粉の老化が十分に進行し得る条件が好ましく、具体的には、処理対象物の品温が好ましくは1〜10℃、さらに好ましくは1〜4℃の状態が6時間以上維持される条件が好ましい。
【0024】
前記ii)の老化処理(冷凍解凍処理)における冷凍は、例えば、冷凍庫の庫内に処理対象物を所定時間放置することによって行うことができる。前記ii)の老化処理における冷凍には、短時間で品温を低下させ凍結する急速冷凍と、比較的高い温度でゆっくり凍結する緩慢冷凍とがあり、本発明では何れの冷凍法も利用可能であるが、α化澱粉のさらなる老化促進の観点から、緩慢冷凍が好ましく、より具体的には、処理対象物の品温が好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下の状態が6時間以上維持されるような緩慢冷凍が好ましい。
【0025】
前記ii)の老化処理(冷凍解凍処理)において、処理対象物を冷凍して得られた冷凍物(冷凍α化加工生地、冷凍α化加工した麺等の冷凍α化加工物)の解凍は、該冷凍物を常温放置する自然解凍でも良いが、老化促進の観点から冷蔵解凍が好ましい。冷蔵解凍は例えば、雰囲気温度が好ましくは1〜10℃、さらに好ましくは1〜4℃の環境下に、冷凍物を放置することによって行うことができる。
【0026】
本発明の麺皮類の製造方法においては、α化加工生地、α化加工した麺等のα化加工物に対して、老化処理を複数回行うこともでき、そうすることによって、澱粉の老化が一層促進され、それに起因する効果(食感の向上等)がより高いレベルで奏されるようになる。老化処理を複数回行う態様としては、例えば、前記i)及びii)の何れか一方のみを複数回行う態様、並びに、前記i)及びii)の両方を組み合わせる態様が挙げられる。また、後者の態様の具体例として、ii−1)α化加工物を冷蔵処理した後、さらに冷凍処理する態様、及びii−2)α化加工物を冷凍処理した後、さらに冷蔵処理する態様が挙げられる。
【0027】
本発明の麺皮類の製造方法においては、前記老化工程後に、その老化処理が施されたα化加工物を麺皮にする(麺皮化工程)。麺皮化工程において、老化処理が施された麺を用いる場合は、生地の作製をスムーズに行う観点から、該麺を構成する麺線を粉砕して得られる粉砕物を用いることが好ましい。麺の粉砕は、ミキサー等の公知の粉砕手段を用いて常法に従って行うことができる。
【0028】
前記麺皮化工程は、老化処理が施されたα化加工物のみを用いて行っても良く、さらに穀粉を加えて行っても良い。麺皮化工程で加える穀粉としては、前記の未α化穀粉として使用可能なものを適宜用いることができる。このように、老化処理が施されたα化加工物に加えてさらに穀粉を用いる場合、該老化処理が施されたα化加工物中の全原料粉の含有量が、該α化加工物に加える該穀粉100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは10〜20質量部となるように、該老化処理が施されたα化加工物の使用量を調整することが好ましい。老化処理が施されたα化加工物の使用量が少なすぎると、澱粉の老化に起因する所望の効果が奏され難く、逆に該使用量が多すぎると、麺皮類の保形性が低下するおそれがある。
【0029】
前記麺皮化工程は、常法に従って行うことができる。例えば、麺皮類として春巻皮を製造する場合、老化処理が施されたα化加工物に、必要に応じ穀粉及び/又は水を加えて混捏して流動状生地を作製し、その流動状生地を、例えば、回転する加熱ドラム上に膜状に落下させて焼成する等、常法に従って焼成することで、目的とする麺皮類が得られる。
【0030】
本発明が適用可能な麺皮類の種類は特に限定されず、例えば、春巻き、餃子、シューマイ、ワンタン、小籠包等の麺皮食品における麺皮(種々の食材を包んで食するための包み皮)が挙げられる。
【実施例】
【0031】
本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
【0032】
〔実施例1〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、水1000質量部を加えて撹拌して中間生地を得、該中間生地を、品温90℃の状態が30分間維持されるように加熱攪拌機を用いて加熱して、ペースト状のα化加工生地を得た(α化工程)。
次いで、得られたα化加工生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理し、該生地に含まれるα化澱粉の老化処理を行ってペースト状の老化処理済み生地を得た(老化工程)。
次いで、α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、老化処理済み生地110質量部(老化処理された澱粉を含む固形分としては10質量部)、食塩1質量部、水10質量部を加えて混捏して流動状生地を得た。そして、得られた流動状生地を、ドラム型焼成機を用いてそのドラム面上で焼成し、厚さ0.5〜0.55mmの春巻皮を製造した(麺皮化工程)。
【0033】
〔実施例2〕
実施例1においてα化工程における加水量及び麺皮化工程における老化処理済み生地の使用量等をそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして春巻皮を製造した。具体的な製造手順は以下の通り。
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、水500質量部を加えて撹拌して中間生地を得、該中間生地を、品温90℃の状態が30分間維持されるように加熱攪拌機を用いて加熱して、ペースト状のα化加工生地を得た(α化工程)。
次いで、得られたα化加工生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理し、該生地に含まれるα化澱粉の老化処理を行ってペースト状の老化処理済み生地を得た(老化工程)。
次いで、α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、老化処理済み生地30質量部(老化処理された澱粉を含む固形分としては5質量部)、食塩1質量部、水85質量部を加えて混捏して流動状生地を得た。そして、得られた流動状生地を、ドラム型焼成機を用いてそのドラム面上で焼成し、厚さ0.5〜0.55mmの春巻皮を製造した(麺皮化工程)。
【0034】
〔実施例3〕
実施例1において前記老化処理を冷蔵処理から冷凍処理に変更した以外は、実施例1と同様にして春巻皮を製造した。即ち実施例3では、α化加工生地を庫内温度−20℃に設定された冷凍庫内に10時間放置することによって緩慢冷凍処理し、該生地に含まれるα化澱粉の老化処理を行った。斯かる冷凍処理後、その冷凍物を雰囲気温度20℃の環境下に2時間放置することによって冷蔵解凍し、次工程に供した。
【0035】
〔実施例4〕
実施例1において老化処理を複数回行った以外は、実施例1と同様にして春巻皮を製造した。即ち実施例4では、α化加工生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理した後(1回目の老化処理)、その冷蔵処理された生地を庫内温度−20℃に設定された冷凍庫内に10時間放置することによって緩慢冷凍処理し(2回目の老化処理)、その後、その冷凍物を雰囲気温度4℃の環境下に6時間放置することによって冷蔵解凍した。
【0036】
〔比較例1〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、水120質量部、食塩1質量部を加えて混捏して流動状生地を得、該流動状生地を、ドラム型焼成機を用いてそのドラム面上で焼成し、厚さ0.5〜0.55mmの春巻皮を製造した。
【0037】
尚、前記各実施例及び比較例の何れにおいても、麺皮化工程における流動状生地の焼成時において、該生地に脆さ又はベタつきが多少はあったものの、作業性に特に問題は無かった。
【0038】
〔評価試験1〕
各実施例及び比較例で得られた春巻皮を用いて春巻きを製造した。具体的には、春巻皮を190mm×190mmにカットし、カットした春巻皮の上に予め調理しておいた具材を載せ、巻き上げて揚げ用春巻きを得、その揚げ用春巻きを−40℃で完全に冷凍した後、−20℃で14日間冷凍保存した。その後、その冷凍春巻きを170〜180℃のサラダ油で油ちょうして、油ちょう後速やかに食感官能試験に供した。食感官能試験は、10名のパネラーに、春巻きを食した際のパリパリ感及びヒキをそれぞれ下記評価基準に基づき評価してもらうことによって実施した。その評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表1に示す。
【0039】
<パリパリ感の評価基準>
5点:油ちょう直後と同等のパリパリ感があり、非常に良好。
4点:パリパリ感がかなりあり、良好。
3点:パリパリ感が多少ある。
2点:ややパリパリ感が無く、やや不良。
1点:パリパリ感が無く、不良。
<ヒキの評価基準>
5点:油ちょう直後と同等でヒキが無く、非常に良好。
4点:ヒキが少なく、良好。
3点:ヒキが多少ある。
2点:ヒキがやや強く、やや不良。
1点:ヒキが強く、不良。
【0040】
【表1】
【0041】
〔実施例5〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、水350質量部を加えて撹拌して中間生地(α化未加工生地)を得、該中間生地を、品温90℃の状態が30分間維持されるように加熱攪拌機を用いて加熱して、ペースト状のα化加工生地を得た(α化工程)。
次いで、得られたα化加工生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理し、該生地に含まれるα化澱粉の老化処理を行ってペースト状の老化処理済み生地を得た(老化工程)。
次いで、α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、老化処理済み生地45質量部(老化処理された澱粉を含む固形分としては10質量部)、食塩1質量部を加えて混捏して麺生地を得た。そして、得られた麺生地を常法に従って圧延し、厚さ0.8mmの餃子の皮を製造した(麺皮化工程)。
【0042】
〔実施例6〕
実施例5においてα化工程における加水量及び麺皮化工程における老化処理済み生地の使用量等をそれぞれ変更した以外は、実施例5と同様にして餃子の皮を製造した。具体的な製造手順は以下の通り。
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、水200質量部を加えて撹拌して中間生地を得、該中間生地を、品温90℃の状態が30分間維持されるように加熱攪拌機を用いて加熱して、ペースト状のα化加工生地を得た(α化工程)。
次いで、得られたα化澱粉含有生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理し、該生地に含まれるα化澱粉の老化処理を行ってペースト状の老化処理済み生地を得た(老化工程)。
次いで、α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、老化処理済み生地15質量部(老化処理された澱粉を含む固形分としては5質量部)、食塩1質量部を加えて混捏して麺生地を得た。そして、得られた麺生地を常法に従って圧延し、厚さ0.8mmの餃子の皮を製造した(麺皮化工程)。
【0043】
〔実施例7〕
実施例5において前記老化処理を冷蔵処理から冷凍処理に変更した以外は、実施例5と同様にして餃子の皮を製造した。即ち実施例7では、α化加工生地を庫内温度−20℃に設定された冷凍庫内に10時間放置することによって緩慢冷凍処理し、該生地に含まれるα化澱粉の老化処理を行った。斯かる冷凍処理後、その冷凍物を雰囲気温度20℃の環境下に2時間放置することによって冷蔵解凍し、次工程に供した。
【0044】
〔実施例8〕
実施例5において老化処理を複数回行った以外は、実施例5と同様にして餃子の皮を製造した。即ち実施例8では、α化加工生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理した後(1回目の老化処理)、その冷蔵処理された生地を庫内温度−20℃に設定された冷凍庫内に10時間放置することによって緩慢冷凍処理し(2回目の老化処理)、その後、その冷凍物を雰囲気温度4℃の環境下に6時間放置することによって冷蔵解凍した。
【0045】
〔比較例2〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、水35質量部、食塩1質量部を加えて混捏して麺生地を得、該麺生地を常法に従って圧延し、厚さ0.8mmの餃子の皮を製造した。
【0046】
〔評価試験2〕
各実施例及び比較例で得られた餃子の皮を用いて焼き餃子を製造した。具体的には、餃子の皮を直径90mmの平面視円形状にカットし、カットした餃子の皮の上に予め調理しておいた具材を載せ、包み上げて餃子を得、その餃子をフライパンで7分間焼き調理して、焼き調理後速やかに食感官能試験に供した。食感官能試験は、10名のパネラーに、焼き餃子を食した際のヒキを前記評価基準に基づき評価してもらうことによって実施した。その評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表1に示す通り、α化加工生地に老化処理を施した各実施例は、老化処理を施していない比較例1に比して、春巻きの食感に優れていた。この春巻きの結果は、表2に示す通り焼き餃子にも当てはまる。尚、各実施例について、調理直後の春巻き又は焼き餃子を室温下で3時間放置後に食してその食感を官能評価したところ、調理直後とほとんど変わらず良好であった。
以上のことから、麺皮類について加熱調理後の経時耐性を含めた食感の向上を図るためには、α化加工生地に老化処理を施すことが有効であることがわかる。
また、実施例において老化処理の態様の違いに着目すると、評価が高い順に、冷蔵後に冷凍(実施例4及び8)、冷凍(実施例3及び7)、冷蔵(実施例1、2、5及び6)の順となることから、老化処理として冷凍を選択すること、老化処理を複数回施すことが、麺皮類の食感向上に特に有効であることがわかる。
【0049】
〔実施例9〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「ちくご麦畑」)100質量部に対し、プロテアーゼ(天野エンザイム社製、商品名「プロテアーゼM「アマノ」SD」)0.5質量部、アミラーゼ(天野エンザイム社製、糸状菌由来、商品名「ビオザイムA」)0.5質量部、乳化剤(太陽化学社製、商品名「カゼイン サンラクトS−3」10質量部、及び水100質量部を加えて撹拌して中間生地(α化未加工生地)を得、該中間生地を、10分間静置し、更に品温90℃の状態が30分間維持されるように加熱攪拌機を用いて加熱して、ペースト状のα化加工生地を得た(α化工程)。
次いで、得られたα化加工生地を庫内温度4℃に設定された冷蔵庫内に10時間放置することによって冷蔵処理した後(1回目の老化処理)、その冷蔵処理された生地を庫内温度−20℃に設定された冷凍庫内に10時間放置することによって緩慢冷凍処理し(2回目の老化処理)、その後、その冷凍物を雰囲気温度4℃の環境下に6時間放置することによって冷蔵解凍した。
次いで、α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」)100質量部に対し、老化処理済み生地20質量部(老化処理された澱粉を含む固形分としては10質量部)、食塩1質量部、水110質量部を加えて混捏して流動状生地を得た。そして、得られた流動状生地を、ドラム型焼成機を用いてそのドラム面上で焼成し、厚さ0.5〜0.55mmの春巻皮を製造した(麺皮化工程)。
【0050】
〔実施例10〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「ちくご麦畑」)100質量部に対し、プロテアーゼ(天野エンザイム社製、商品名「プロテアーゼM「アマノ」SD」)0.5質量部及び水100質量部を加えて撹拌して中間生地(α化未加工生地)を製造した以外は、実施例9と同様にして春巻皮を製造した。
〔実施例11〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「ちくご麦畑」)100質量部に対し、アミラーゼ(天野エンザイム社製、糸状菌由来、商品名「ビオザイムA」)0.5質量部及び水100質量部を加えて撹拌して中間生地(α化未加工生地)を製造した以外は、実施例9と同様にして春巻皮を製造した。
〔実施例12〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「ちくご麦畑」)100質量部に対し、乳化剤(太陽化学社製、商品名「カゼイン サンラクトS−3」10質量部及び水100質量部を加えて撹拌して中間生地(α化未加工生地)を製造した以外は、実施例9と同様にして春巻皮を製造した。
【0051】
〔比較例3〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「ちくご麦畑」)100質量部に対し、水100質量部を加えて撹拌して中間生地(α化未加工生地)を製造したこと及び得られたα化加工生地に老化処理を施さないで用いたこと以外は、実施例9と同様にして春巻皮を製造した。
【0052】
〔参考例1(実施例)〕
α化されていない市販の小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「ちくご麦畑」)100質量部に対し、プロテアーゼ、アミラーゼ及び乳化剤を添加しないこと以外は、実施例9と同様にして春巻皮を製造した。
【0053】
〔評価試験3〕
実施例9〜12、比較例3及び参考例1で得られた春巻皮を用いて春巻きを製造した。具体的には、春巻皮を190mm×190mmにカットし、カットした春巻皮の上に予め調理しておいた具材を載せ、巻き上げて揚げ用春巻きを得、その揚げ用春巻きを−40℃で完全に冷凍した後、−20℃で14日間冷凍保存した。その後、その冷凍春巻きを170〜180℃のサラダ油で油ちょうして、油ちょう後速やかに食感官能試験に供した。食感官能試験は、10名のパネラーに、春巻きを食した際のパリパリ感及びヒキをそれぞれ下記評価基準に基づき評価してもらうことによって実施した。その評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表3に示す。また、春巻皮の製造時における中間生地添加後の作業性(生地の安定性、取扱い性等)について、下記の評価基準に基づいて評価した。
【0054】
<パリパリ感の評価基準>
5点:油ちょう直後と同等のパリパリ感があり、非常に良好。
4点:パリパリ感がかなりあり、良好。
3点:パリパリ感が多少ある。
2点:ややパリパリ感が無く、やや不良。
1点:パリパリ感が無く、不良。
<ヒキの評価基準>
5点:油ちょう直後と同等でヒキが無く、非常に良好。
4点:ヒキが少なく、良好。
3点:ヒキが多少ある。
2点:ヒキがやや強く、やや不良。
1点:ヒキが強く、不良。
<作業性の評価基準>
5点:参考例1よりも作業性が良好である。
4点:参考例1よりもやや作業性が良好である。
3点:参考例1と同等の作業性である。
2点:参考例1よりもやや作業性に劣る
1点:参考例1よりも作業性に劣る。
【0055】
【表3】
【0056】
表3に示す通り、α化加工生地に老化処理を施した生地を用いた各実施例及び参考例1(実施例1)は、生地に老化処理を施していない比較例3に比して、春巻きの食感に優れていた。尚、各実施例について、調理直後の春巻き又は焼き餃子を室温下で3時間放置後に食してその食感を官能評価したところ、調理直後とほとんど変わらず良好であった。また、α化加工生地の原料に、プロテアーゼ、アミラーゼ及び乳化剤の少なくとも1つを配合することで、春巻皮の製造(麺皮化工程)時の作業性が向上した。
以上のことから、麺皮類について加熱調理後の経時耐性を含めた食感の向上を図るためには、α化加工生地に老化処理を施すことが有効であることがわかる。さらに、麺皮化工程時の作業性向上のために、α化加工生地にプロテアーゼ、アミラーゼ及び乳化剤の少なくとも1つを配合することが有効であることがわかる。