(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両を予め設定された複数の走行モードで走行させ、これら複数の走行モードにわたってエンジンから排出される排ガスを前記排ガス分析用機器に採取して分析する排ガス分析システムにおいて、
前記所定期間が、前記各走行モードが開始してから終了するまでの期間それぞれに設定されており、
前記判断部が、前記各走行モードが終了した時点で前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断する請求項1記載の排ガス分析システム。
前記排ガス分析用機器が、排ガスを採取するためのバッグ又は排ガスに含まれる粒子状物質を捕捉するためのフィルタである請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の排ガス分析システム。
排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計とを具備する排ガス分析システムに用いられるプログラムであって、
コンピュータに、前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計の分析結果に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断させる排ガス分析システム用プログラムであり、
前記連続分析計が、前記排ガスに含まれる所定成分の濃度を測定するものであり、
前記コンピュータに、
前記排ガス分析用機器への採取時における所定期間に前記連続分析計により測定された濃度を取得する分析結果取得部と、
取得された濃度に基づいて、前記所定期間における前記所定成分の平均濃度、前記所定期間に前記連続分析計に流入した前記所定成分の積算値、又は前記所定期間における燃料消費量の少なくとも1つを排ガス関連値として算出する演算部と、
前記演算部により算出された前記排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断する判断部としての機能を発揮させ、
前記所定期間が、前記排ガス分析用機器への採取を開始してから終了するまでの期間よりも短く、
前記判断部が、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が得られる前に、この測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断するように構成されている排ガス分析システム用プログラム。
排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計とを具備する排ガス分析システムに用いられるプログラムであって、
コンピュータに、前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計の分析結果に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断させる排ガス分析システム用プログラムであり、
前記連続分析計が、前記排ガスに含まれる所定成分の濃度を測定するものであり、
前記コンピュータに、
前記排ガス分析用機器への採取時における所定期間に前記連続分析計により測定された濃度を取得する分析結果取得部と、
取得された濃度に基づいて、前記所定期間における前記所定成分の平均濃度又は前記所定期間に前記連続分析計に流入した前記所定成分の積算値の少なくとも1つを排ガス関連値として算出する演算部と、
前記演算部により算出された前記排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断する判断部としての機能を発揮させる排ガス分析システム用プログラム。
排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計とを具備する排ガス分析システムを用いた排ガス分析方法であって、
前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計の分析結果に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断する排ガス分析方法であり、
前記連続分析計が、前記排ガスに含まれる所定成分の濃度を測定するものであり、
前記排ガス分析用機器への採取時における所定期間に前記連続分析計により測定された濃度を取得する分析結果取得ステップと、
取得された濃度に基づいて、前記所定期間における前記所定成分の平均濃度、前記所定期間に前記連続分析計に流入した前記所定成分の積算値、又は前記所定期間における燃料消費量の少なくとも1つを排ガス関連値として算出する演算ステップと、
前記演算ステップにより算出された前記排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断する判断ステップとを備え、
前記所定期間が、前記排ガス分析用機器への採取を開始してから終了するまでの期間よりも短く、
前記判断ステップにおいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が得られる前に、この測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断する排ガス分析方法。
排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計とを具備する排ガス分析システムを用いた排ガス分析方法であって、
前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計の分析結果に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断する排ガス分析方法であり、
前記連続分析計が、前記排ガスに含まれる所定成分の濃度を測定するものであり、
前記排ガス分析用機器への採取時における所定期間に前記連続分析計により測定された濃度を取得する分析結果取得ステップと、
取得された濃度に基づいて、前記所定期間における前記所定成分の平均濃度又は前記所定期間に前記連続分析計に流入した前記所定成分の積算値の少なくとも1つを排ガス関連値として算出する演算ステップと、
前記演算ステップにより算出された前記排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断する判断ステップとを備える排ガス分析方法。
【背景技術】
【0002】
従来、排ガス分析システムとしては、特許文献1に示すように、内燃機関から排出される排ガスを全量サンプリングするとともに、全量サンプリングした排ガスを希釈ガスで希釈して希釈排ガスを生成し、該希釈排ガスの流量が一定になるように構成した定容量サンプリング装置を用いたものがある。
【0003】
具体的にこのシステムでは、希釈排ガスを希釈排ガスバッグに採取するとともに、希釈ガスを希釈ガスバッグに採取して、希釈排ガスバッグ内の希釈排ガスの成分濃度から希釈用ガスバッグ内の希釈用ガスの成分濃度を差し引くことで、排ガスの成分濃度を算出している。
【0004】
このようにバッグに希釈排ガスや希釈ガスを採取して測定するいわゆるバッグ測定は、成分濃度を正確に測定することができる一方、希釈排ガスや希釈ガスを測定するために分析計を校正するなど、測定前に多くの工程が必要であり、測定結果を得るまでに長時間かかる。
このことから、得られた測定結果が想定される範囲から大きく外れており、測定をやり直そうとする場合には、それまでのバッグ測定に要した時間を無駄にすることになる。
なお、かかる問題は、バッグ測定に限られず、排ガスをフィルタに導いて排ガスに含まれるPM等を測定する場合にも生じ得る。
【0005】
また、測定結果を得るまでに長時間を要する一因として、希釈排ガスバッグのバッグ測定に用いる測定レンジを決めるべく、バッグ測定の前に希釈排ガスバッグ内の希釈排ガスを仮測定する工程がある。
この工程を省くべく、ユーザが希釈排ガスの成分濃度を想定して予め分析計の測定レンジを設定しておくことが考えられるが、この場合、希釈排ガスの成分濃度が想定と異なると測定精度を担保できない恐れがある。
【0006】
このような中で、本願発明者は、例えばリアルタイムで燃料消費量を算出するためなど、上述したバッグ測定とは別に、希釈排ガスを連続的に分析するために用いられる連続分析計に着目し、この連続分析計の分析結果を用いてバッグ測定に係る問題を解決することを鋭意検討した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した本願発明者の鋭意検討によりなされたものであり、連続分析計の分析結果を用いて、バッグやフィルタに導かれた排ガスの測定に費やした時間が無駄になることを防いだり、バッグ測定前の工程を不要にしたりして、排ガス分析の効率を向上させることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る排ガス分析システムは、排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計と、前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計により得られる排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否か、又は、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断する情報処理装置とを具備することを特徴とする。
なお、ここでいう排ガスには、エンジンから排出される生排ガスや生排ガスを希釈した希釈排ガスが含まれる。
【0010】
このような排ガス分析システムであれば、情報処理装置が、バッグやフィルタ等の排ガス分析用機器に導かれた排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを連続分析計の分析結果に基づいて判断することで、測定結果が想定範囲から外れている場合には、その測定やその前に必要な種々の工程を行なうことなく、分析をやり直すことができる。これにより、分析をやり直そうとした場合に、排ガス分析用機器に導かれた排ガスの測定結果を得るまでに要する時間が無駄になってしまうことを防ぐことができ、分析効率の向上を図ることができる。
また、情報処理装置が、バッグ測定に用いる測定レンジを連続分析計の分析結果に基づいて判断することで、従来であれば測定レンジを決めるために行なわれていたバッグ測定前の仮測定を不要にすることができる。これにより、バッグ測定に用いる測定レンジを適切に設定しながらも、バッグ測定前に必要な工程を減らすことができ、排ガス分析の分析精度を担保しつつ分析効率の向上を図ることができる。
【0011】
排ガス分析用機器に導かれた排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断するための具体的な実施態様としては、前記連続分析計が、前記排ガスに含まれる所定成分の濃度を測定するものであり、前記情報処理装置が、前記排ガス分析用機器への採取時における所定期間に前記連続分析計により測定された濃度を取得する分析結果取得部と、取得された濃度に基づいて、前記所定期間における前記所定成分の平均濃度、前記所定期間に前記連続分析計に流入した前記所定成分の積算値、又は前記所定期間における燃料消費量の少なくとも1つを前記排ガス関連値として算出する演算部と、前記演算部により算出された前記排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断する判断部とを備えている構成が挙げられる。
【0012】
一方、バッグ測定に用いる測定レンジを判断するための具体的な実施態様としては、前記連続分析計が、前記排ガスに含まれる所定成分の濃度を測定するものであり、前記情報処理装置が、前記排ガス分析用機器への採取時における所定期間に前記連続分析計により測定された濃度を取得する分析結果取得部と、取得された濃度に基づいて、前記所定期間における前記所定成分の平均濃度又は前記所定期間に前記連続分析計に流入した前記所定成分の積算値の少なくとも1つを排ガス関連値として算出する演算部と、前記演算部により算出された値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断する判断部とを備えている構成が挙げられる。
【0013】
前記所定期間が、前記排ガス分析用機器への採取を開始してから終了するまでの期間よりも短く、前記判断部が、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が得られる前に、この測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断することが好ましい。
このような構成であれば、排ガス分析用機器への採取が完了する前に、排ガス分析用機器に導かれた排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか判断されるので、排ガス分析用機器への採取の完了を待つことなく必要に応じて分析を中断することで、無駄になる時間をより減らすことができる。
【0014】
車両を予め設定された複数の走行モードで走行させ、これら複数の走行モードにわたってエンジンから排出される排ガスを前記排ガス分析用機器に採取して分析する排ガス分析システムにおいて、前記所定期間が、前記各走行モードが開始してから終了するまでの期間それぞれに設定されており、前記判断部が、前記各走行モードが終了した時点で前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否かを判断することが好ましい。
このような構成であれば、各走行モードが終了した時点それぞれで排ガス分析用機器に導かれた排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか判断されるので、分析を中断すべきかどうかをより早い段階で判断することができる。
【0015】
前記排ガス分析用機器としては、排ガスを採取するためのバッグ又は排ガスに含まれる粒子状物質を捕捉するためのフィルタが挙げられる。
【0016】
また、本発明に係る排ガス分析システム用プログラムは、排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計とを具備する排ガス分析システムに用いられるプログラムであって、コンピュータに、前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計により得られる排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否か、又は、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断させることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る排ガス分析方法は、排ガスが流れる排ガス流通ラインと、前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して排ガス分析用機器に導く排ガス採取ラインと、前記排ガス採取ラインとは別に前記排ガス流通ラインから前記排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ラインと、前記連続分析用ラインに設けられた連続分析計とを具備する排ガス分析システムを用いた排ガス分析方法であって、前記排ガス分析用機器への採取時における前記連続分析計により得られる排ガス関連値に基づいて、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定結果が予め設定された範囲に収まるか否か、又は、前記排ガス分析用機器に導かれた前記排ガスの測定に用いる測定レンジを判断することを特徴とする。
【0018】
このような排ガス分析システム用プログラムや排ガス分析方法によれば、上述した排ガス分析システムと同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
このように構成した本発明によれば、連続分析計の分析結果を用いて、バッグやフィルタに導かれた排ガスの測定に費やした時間が無駄になることを防いだり、バッグ測定前の工程を不要にしたりして、排ガス分析の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下に本発明に係る排ガス分析システムの第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態に係る排ガス分析システム100は、希釈サンプリング方式のものであり、車両200から採取したエンジン排ガス(以下、「排ガス」という。)を大気から精製される希釈用空気で数倍に希釈して、濃度測定を行うものである。以下、本実施形態では、排ガス全量をサンプリングして、希釈用空気で希釈して一定の既知流量にする定容量希釈サンプリング方式のものについて説明する。
【0023】
具体的にこのものは、
図1に示すように、大気中の空気を排ガスを希釈するための希釈ガスとして取り込む希釈空気取込部1と、排ガス全量および希釈用空気を装置に導入して、それらを合わせた総流量が常に一定となるように制御して、希釈された排ガス(以下、「希釈排ガス」という。)の一部を一定流量で採取バッグに採取する定容量サンプリング装置2と、前記定容量サンプリング装置2の採取バッグにより採取された希釈排ガス中の所定成分の濃度を分析するガス分析装置3と、このガス分析装置3とは別に希釈排ガス中の前記所定成分を連続的に連続分析計4とを備えている。
【0024】
定容量サンプリング装置2は、シャシダイナモ300に乗載された車両200の排気管200Hに接続されるとともに、希釈空気取込部1の希釈用空気供給管3Hが導入接続された排ガス導入ライン21と、排ガス導入ライン21の下流に設けられ、排ガスおよび希釈用空気を攪拌混合させるサイクロン22と、当該サイクロン22により攪拌混合された希釈排ガスを一定流量で流す定流量機構231を有する希釈排ガス流通ライン23と、この希釈排ガス流通ライン23から希釈排ガスを採取するための希釈排ガス採取ライン24と、希釈用空気供給管3Hから希釈用空気を採取するための希釈用空気採取ライン25と、希釈排ガス流通ライン23から希釈排ガスを採取して連続分析するための連続分析用ライン26とを備えている。
【0025】
定流量機構231は、希釈排ガス流通ライン23上に設けられたベンチュリ管231aと当該ベンチュリ管231aの下流に設けられたターボブロア231bとから構成される。
【0026】
希釈排ガス採取ライン24は、一端が希釈排ガス流通ライン23内に設けられた希釈排ガス採取管241と、この希釈排ガス採取管241上に設けられた希釈排ガス採取ポンプ242と、この希釈排ガス採取ポンプ242により採取された希釈排ガスを収納する排ガス分析用機器たる希釈排ガスバッグ243とを備えている。希釈排ガス採取ライン24の一端には、採取流量を制御する流量制御部(例えばベンチュリ)が設けられている。なお、希釈排ガス採取管241は、定流量機構231よりも上流側に設けられている。
【0027】
また、希釈用空気採取ライン25は、一端が希釈用空気供給管3H内に設けられた希釈用空気採取管251と、この希釈用空気採取管251上に設けられた希釈用空気採取ポンプ252と、この希釈用空気採取ポンプ252により採取された希釈用空気を収納する排ガス分析用機器たる希釈用空気バッグ253とを備えている。希釈用空気採取ライン25の一端には、採取流量を制御する流量制御部(例えばベンチュリ)が設けられている。
【0028】
そして、希釈排ガス採取ライン24の希釈排ガスバッグ243および希釈用空気採取ライン25の希釈用空気バッグ253を用いてガス分析装置3によりいわゆるバッグ測定が行われる。
【0029】
ガス分析装置3は、例えば希釈排ガスバッグ243内の希釈排ガスや希釈用空気バッグ253内の希釈空気に含まれるCO、CO
2、NO、THC等の所定成分の濃度(以下、成分濃度ともいう)を測定するものであり、これらの成分を検出する1つ又は複数の分析計と、演算装置とを有している。
分析計は、例えば、CO、CO
2、NO等の濃度を測定する非分散型赤外線吸収方式(NDIR)を用いた赤外線ガス分析計、THCの濃度を測定する加熱型水素炎イオン化検出法(HFID)を用いたTHC計、CH
4の濃度を測定するガスクロマトグラフ/水素イオン化検出器(GC−FID)を用いたCH
4計などである。
演算装置は、物理的には、CPU、メモリ、A/Dコンバータ、通信インタフェースなどを備えたものであり、前記分析計からの出力値を取得して、希釈排ガスに含まれる成分濃度から希釈用空気に含まれる成分濃度を差し引くことによって、バックグラウンド補正して、排ガスに含まれる成分濃度を算出する演算部としての機能を発揮する。
【0030】
連続分析用ライン26は、一端が希釈排ガス流通ライン23内に設けられた希釈排ガス採取管261と、この希釈排ガス採取管261上に設けられた開閉弁262とを備えている。この連続分析用ライン26には連続分析計4が設けられており、連続分析用ライン26上の図示しないポンプにより希釈排ガスを連続分析計4に導いて、希釈排ガスを連続的に分析できるようにしている。連続分析用ライン26の一端は、希釈排ガス採取ライン24の一端よりも上流側であっても下流側であっても良いが、ここでは下流側に設けてある。
【0031】
連続分析計4は、少なくとも上述したガス分析装置3により測定される成分濃度を測定するものであり、ガス分析装置3によるバッグ測定よりも短時間で測定結果を得ることができるものでる。すなわち、本実施形態の連続分析計4は、希釈排ガスに含まれるCO、CO
2、NO、THC等の成分濃度を測定するものであり、具体的には、例えば、CO、CO
2、NO等の濃度を測定する非分散型赤外線吸収方式(NDIR)を用いた赤外線ガス分析計、THCの濃度を測定する加熱型水素炎イオン化検出法(HFID)を用いたTHC計、CH
4の濃度を測定するガスクロマトグラフ/水素イオン化検出器(GC−FID)を用いたCH
4計などである。
本実施形態の連続分析計4は、少なくとも予め設定された所定期間において、当該連続分析計4に導入される希釈排ガスの成分濃度を連続的に分析するとともに、その成分濃度の瞬時値を示す成分濃度信号を分析結果として、逐次出力するように構成されている。
なお、本実施形態では、同じ分析計を接続されるラインを希釈排ガス採取ライン24、希釈用空気採取ライン25、又は連続分析用ライン26に切り替えることで、この共通の分析計を連続分析計4とガス分析装置3の分析計とに兼用している。もちろん、連続分析計4とガス分析装置3の分析計とは、別々の分析計であっても良い。
【0032】
しかして、本実施形態の排ガス分析システム100は、希釈排ガスバッグ243内の希釈排ガスを測定するバッグ測定の結果(以下、バッグ測定結果ともいう)が予め設定された範囲に収まるか否かを、当該希釈排ガスバッグ243への採取時における連続分析計4の分析結果に基づいて判断する情報処理装置5をさらに具備してなる。
なお、ここでいう、予め設定された範囲とは、バッグ測定が正常に行なわれた場合にその結果が収まるであろうとユーザが想定した範囲(以下、想定範囲ともいう)である。
【0033】
具体的にこの情報処理装置5は、物理的には、CPU、メモリ、A/Dコンバータ、通信インタフェースなどを備えたものであり、機能的には、
図2に示すように、分析結果取得部51、演算部52、表示部53、記憶部54、判断部55、及び報知部56を備えたものである。
これら各部は、前記メモリに記憶されたプログラムにしたがってCPUやその周辺機器が協働することによって実現される。以下、各部について説明する。
【0034】
本実施形態では、例えばFTP−75試験方法のように、コールドスタートフェーズ、トランジェントフェーズ、ホットスタートフェーズなど、複数のフェーズごとにそれぞれ異なる希釈排ガスバッグ243及び希釈用空気バッグ253に希釈排ガス及び希釈用空気を採取して分析する場合について説明する。
なお、各フェーズにおいて車両を走行させる時間、すなわち各フェーズにおいて各バッグ243、253に希釈排ガスや希釈用空気を採取する時間は予め設定されている。
【0035】
分析結果取得部51は、連続分析計4から逐次出力される成分濃度信号を例えば有線又は無線で取得して、その成分濃度信号の示す成分濃度を演算部52に逐次送信する。
【0036】
演算部52は、分析結果取得部51から送信された成分濃度に基づいて排ガス関連値を算出するものであり、ここでは希釈排ガスバッグ243への採取時における所定期間に連続分析計4に流入した所定成分の積算値を前記排ガス関連値として算出する。なお、前記積算値は、前記濃度と排ガス流量(ここでは希釈排ガスの流量)とに基づいて算出される。
前記所定期間は、各フェーズが開始してから終了するまでの期間、すなわち各フェーズにおいて希釈排ガス及び希釈用空気を希釈排ガスバッグ243及び希釈用空気バッグ253に採取し始めてから完了するまでの期間に設定されている。
より具体的に説明すると、1つのフェーズ(例えばコールドスタートフェーズ)を開始してから終了するまでの間に連続分析計4により得られる成分濃度が、
図3に示すように変動している場合、前記演算部52は、この間における成分濃度の瞬時値に排ガス流量を掛け合わせたものを積算することで前記積算値を算出する。なお、所定期間における成分濃度の平均値にトータル排ガス流量を掛け合わせて前記積算値を算出しても良い。
【0037】
表示部53は、前記演算部52の算出結果を例えばディスプレイ等に表示出力するものであり、ここでは各フェーズが終了したあとに演算部52が算出した積算値を表示する。
【0038】
記憶部54は、前記メモリの所定領域に設定されており、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するための基準値を記憶している。
【0039】
前記基準値は、前記想定範囲に基づいてユーザが予め設定した範囲であり、ここでは各フェーズそれぞれに対応した基準値を前記記憶部54に記憶させている。
具体的にこれらの基準値は、前記演算部52により算出された積算値が当該基準値以下であればバッグ測定結果が想定範囲に収まり、前記積算値が当該基準値より大きいとバッグ測定結果が想定範囲に収まらないように設定されている。なお、積算値が基準値より大きくなる原因としては、例えば車両200の排気管200Hに接地された触媒の不良や劣化等が考えられる。
【0040】
判断部55は、前記演算部52により算出された積算値と、前記記憶部54に記憶されている基準値とを取得するとともにこれらを比較して、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断する。
すなわち、本実施形態の判断部55は、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを、前記積算値と前記基準値との大小関係によって判断するように構成されている。つまり、判断部55は、前記積算値が前記基準値以下である場合には、バッグ測定結果が想定範囲に収まると判断し、前記積算値が前記基準値より大きい場合には、バッグ測定結果が想定範囲に収まらないと判断する。
【0041】
報知部56は、前記判断部55によってバッグ測定結果が想定範囲に収まらないと判断された場合、すなわち、前記積算値が前記基準値より大きい場合に、そのことをユーザに報知すべくアラームを出力する。具体的にアラームを出力する方法としては、ディスプレイ等に警告を表示する方法や、音又は光などでユーザに報知する方法などが挙げられる。
【0042】
続いて、本実施形態の排ガス分析システム100の動作について
図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0043】
まず、排ガス分析が開始されると、車両の状態を安定させるための準備が行なわれたあと、本実施形態ではコールドスタートフェーズである第1フェーズを開始する。
第1フェーズが開始されると、希釈排ガスバッグ243及び希釈用空気バッグ253に希釈排ガス及び希釈用空気を採取する(以下、バッグ採取ともいう)とともに(S1)、開閉弁262を開けて連続分析を開始する(S2)。
【0044】
そして、所定期間の経過後、すなわち第1フェーズにおけるバッグ採取が完了したあと、演算部52がその所定期間における所定成分の積算値を算出する(S3)。
【0045】
次いで、判断部55が算出された積算値と、第1フェーズに対応する基準値とを比較して、前記積算値が前記基準値以下であるかを判断する(S4)。
【0046】
積算値が基準値以下である場合、情報処理装置5は、その次のフェーズ(ここでは、トランジェントフェーズ)におけるバッグ採取が行なわれているか、すなわち第1フェーズとは別の希釈排ガスバッグ243や別の希釈用空気バッグ253に希釈排ガスや希釈用空気が採取されているかを判断する(S5)。バッグ採取が継続している場合は再びS3に戻り、バッグ採取が終了している場合は連続分析を終了する(S6)。
【0047】
一方、S4において、積算値が基準値より大きい場合、報知部56がそのことを報知する(S7)。
【0048】
ここで、本実施形態の情報処理装置55は、ユーザが入力手段を用いて分析を中断することを示す中断信号を入力できるように構成されており、
図2に示される中断・継続判断部57が、この中断信号の有無に基づいて分析を中断するか継続するかを判断する(S8)。
【0049】
中断・継続判断部57が中断信号を受け付けた場合、その時点で行なわれているバッグ採取などを中断して排ガス分析を中断する(S9)。
【0050】
一方、中断・継続判断部57が中断信号を受け付けていない場合、希釈排ガスバッグ243及び希釈用空気バッグ253それぞれのバッグ測定を開始して(S10)、そのバッグ測定が終わるとこのフェーズを終了する。
そして、次のフェーズがある場合にはS1に戻る。
【0051】
このように構成された本実施形態に係る排ガス分析システム100によれば、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを連続分析計4の分析結果に基づいて判断するので、バック測定結果が想定範囲から外れると判断された場合には、そのバッグ測定やその前に必要な種々の工程を行なうことなく、分析をやり直すことができる。これにより、無駄なバッグ測定などを行なうことを避けることができ、バッグ測定結果を得るまでに要する時間が無駄になってしまうことを防いで、分析効率の向上を図ることができる。
【0052】
また、表示部53が、演算部52による算出結果をディスプレイ等に表示出力するので、ユーザは、判断部55の判断結果によらず、表示部53が表示した値に基づいてバッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断することができる。
【0053】
さらに、所定期間を各フェーズが開始してから終了するまでの間に設定しているので、特にバッグ測定結果が想定範囲から外れやすい最初のフェーズ(コールドスタートフェーズ)に関して想定範囲に収まるか否かを判断することができ、想定範囲に収まらないと判断された場合には、その後のフェーズに無駄な時間を費やしてしまうことを防ぐことができる。
【0054】
<第1実施形態の変形例>
なお、本発明は前記第1実施形態に限られるものではない。
【0055】
例えば、前記実施形態では、複数のフェーズごとにそれぞれ異なるバッグに希釈排ガスや希釈用空気を採取して分析する場合について説明したが、排ガス分析システムとしては、TRIASに定められた10・15モード排出ガス試験のように、車両を予め定められた複数の走行モードで走行させ、これら複数の走行モードにわたってエンジンから排出される排ガスを希釈用空気で希釈してバッグ採取するシステムであっても良い。
【0056】
この場合、所定期間は、前記実施形態のように、バッグ採取が開始されてから完了するまでの期間に設定しても良いが、この期間よりも短い期間に設定して、バッグ採取が完了する前に、判断部によってバッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するようにしても良い。
【0057】
より詳細には、例えば
図5に示すように、所定期間を、各走行モードが開始してから終了するまでの期間に設定しても良い。なお、走行モードが開始してから終了するまでの期間は、走行モードごとに互いに異なる長さに設定されていても良いし、互いに同じ長さに設定されていても良い。
【0058】
このような構成であれば、各走行モードが終了した時点それぞれで、各走行モードに対して得られる連続分析計の分析結果に基づいて、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断することができ、バッグ測定を継続すべきか中断すべきかをより早い段階で判断することができる。
より具体的に説明すると、
図6に示すように、従来は希釈排ガス及び希釈用空気を希釈排ガスバッグ及び希釈用空気バッグに採取したあと、ゼロ点補正、スパン校正、各バッグの測定、ゼロチェック、スパンチェックを行ない、これらの工程が全て終わったあとにバッグ測定の結果を得るようにしていた。このことから、バッグ測定の結果が想定範囲に収まっておらず、測定をやり直そうとする場合には、上述した種々の工程に要した時間を無駄にすることになる。
これに対して、本願の上述した構成であれば、
図6に示すように、バッグ採取が完了する前に連続分析計の分析結果に基づいて、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するので、排ガス分析用機器への採取の完了待つことなく、且つ、上述した各工程を行なうことなく、必要に応じて分析を中断することで、無駄になる時間を従来よりも格段に減らすことができる。
【0059】
また、前記実施形態の演算部は、排ガス関連値として所定期間における所定成分の積算値を算出していたが、演算部は、排ガス関連値として所定期間における所定成分の平均濃度、カーボンバランス法により求められる所定期間の燃料消費量を算出するものであっても良い。
これらの場合、記憶部には、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するための基準値を、演算部により算出されるパラメータに応じて記憶させておけば良い。
【0060】
さらに、例えば
図5に示すように、バッグ採取が開始されてから終了するまでの期間よりも所定期間が短い場合、演算部は、各所定期間において算出される例えば積算値を、順次足し合わせても良い。つまり、積算部は、所定期間が経過するごとに、バッグ採取を開始してから当該所定期間が経過するまでの積算値を算出するようにしても良い。
【0061】
そのうえ、前記実施形態の記憶部は、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するための基準値を記憶していたが、基準値の代わりに上限値及び下限値からなる基準範囲を記憶していても良い。
この場合、判断部は、演算部により算出された積算値が基準範囲に収まるか否かによって、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するように構成されていれば良い。
【0062】
加えて、前記実施形態では、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するようにしていたが、バッグ測定結果が例えば規制値として定められている範囲に収まるか否かを判断するようにしても良い。
【0063】
さらに加えて、前記実施形態では、排ガス分析用機器が希釈排ガスバッグ及び希釈用空気バッグであったが、排ガス分析用機器は、希釈排ガス採取ラインに設けれて排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕捉するためのフィルタであっても良い。
この場合、連続分析計としては、フィルタを用いたPM測定よりも短時間で測定結果を得ることのできるものであり、例えばディフュージョンチャージャー(DC)やCPCなどの粒子状物質を連続測定できるものが挙げられる。
かかる構成においては、フィルタによるPMの捕捉が完了する前に、PMの測定結果が予め設定された範囲に収まるかを判断できるので、フィルタへの捕捉の完了を待つことなく必要に応じて分析を中断することで、無駄になる時間をより減らすことができる。
【0064】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る排ガス分析システムについて説明する。
【0065】
第2実施形態では、情報処理装置の機能及び動作が第1実施形態と異なるので、以下に説明する。
【0066】
本実施形態の情報処理装置は、
図7に示すように、分析結果取得部51、演算部52、判断部55、及びレンジ設定部58を備えたものである。
以下、各部について説明する。
【0067】
分析結果取得部51は、前記第1実施形態と同様に、連続分析計4から逐次出力される成分濃度信号を例えば有線又は無線で取得して、その成分濃度信号の示す成分濃度を演算部52に逐次送信する。
【0068】
演算部52は、分析結果取得部51から送信された成分濃度に基づいて、上述の所定期間における所定成分の平均濃度を算出する。
本実施形態の所定期間は、希釈排ガス及び希釈用空気を希釈排ガスバッグ243及び希釈用空気バッグ253に採取し始めてから完了するまでの間である。
【0069】
判断部55は、演算部52により算出された平均濃度に基づいて、バッグ測定に用いる測定レンジを判断するものであり、例えば予め設けられている複数段階の測定レンジの中から最適なものを選択するように構成されている。
【0070】
レンジ設定部58は、判断部55により判断された測定レンジを示すレンジ信号をガス分析装置3に出力する。
【0071】
このように構成された排ガス分析システム100であれば、演算部52により算出された平均濃度に基づいて判断部55がバッグ測定に用いる測定レンジを判断し、その測定レンジをレンジ設定部58がガス分析装置3に設定するので、
図8に示すように、従来であれば測定レンジを決めるために行なわれていたバッグ測定前の仮測定を不要にすることができる。これにより、バッグ測定に用いる測定レンジを適切に設定しながらも、バッグ測定前に必要な工程を減らすことができ、排ガス分析の分析精度を担保しつつ分析時間の短縮化及び分析効率の向上を図ることができる。
【0072】
また、判断部55により判断された1つのバッグ測定に用いる測定レンジと別のバッグ測定に用いる測定レンジとが同じ場合、これらのバッグ測定に用いられるガス分析装置3の設定等は互いに共通化させることができる。このことから、例えば前記1つのバッグ測定においてガス分析装置3の校正とバッグ測定を行なったあとは、前記別のバッグ測定におけるガス分析装置3の校正は省くことができ、分析効率をより向上させることができる。
【0073】
<第2実施形態の変形例>
なお、本発明は前記第2実施形態に限られるものではない。
【0074】
例えば、前記実施形態の演算部は、所定期間における所定成分の平均濃度を算出するものであったが、所定期間における所定成分の積算値を算出するものであっても良い。
【0075】
また、情報処理装置は、前記第1実施形態と同様に、演算部により算出された算出結果をディスプレイ等に表示出力する表示部を備えていても良い。
これならば、ユーザは、判断部の判断結果によらず、表示部が表示した値に基づいてバッグ測定に用いる測定レンジを判断することができる。
【0076】
<その他の変形例>
本発明は、前記各実施形態に限られるものではない。
【0077】
例えば、情報処理装置は、前記第1実施形態における機能と第2実施形態における機能とを兼ね備えたものであっても良い。すなわち、情報処理装置は、連続分析計の分析結果に基づいて、バッグ測定に用いる測定レンジを判断するとともに、バッグ測定結果が想定範囲に収まるか否かを判断するように構成されていても良い。
【0078】
前記実施形態では、大気中の空気を希釈ガスとして取り込むようにしていたが、希釈ガスとなる希釈用空気を精製する希釈用空気精製装置を用いても構わない。
【0079】
また、前記各実施形態の排ガス分析システムは、定容量サンプリング装置を用いているが、排ガスの一部を採取して一定比率で希釈するバックミニダイリュータ装置を用いても良い。
【0080】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。