(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647775
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 2/30 20060101AFI20200203BHJP
H01M 2/22 20060101ALI20200203BHJP
H01M 2/06 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
H01M2/30 D
H01M2/22 D
H01M2/06 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-149555(P2014-149555)
(22)【出願日】2014年7月23日
(65)【公開番号】特開2015-162460(P2015-162460A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年7月4日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0023695
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】姜 信根
【審査官】
井原 純
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0294001(US,A1)
【文献】
国際公開第2015/059826(WO,A1)
【文献】
特開2010−277785(JP,A)
【文献】
特開2009−054531(JP,A)
【文献】
特開2013−093287(JP,A)
【文献】
特開2009−080975(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0154802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20−34
H01M 2/06
F16B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1極板、第2極板およびセパレータを含む電極組立体と、
前記電極組立体と電解液とを収容するケースと、
キャッププレートと、端子プレートと、前記キャッププレートと前記端子プレートとの間に介在する絶縁プレートと、電極端子と、を含んでなり、前記ケースの上段開口部に取り付けられてケースを密封するキャップ組立体と、を備え、
前記キャッププレート、前記端子プレートおよび前記絶縁プレートは、互いに対応する位置に設けられた端子通孔を備え、
前記端子プレートは、前記端子通孔の内部に少なくとも一つの段差を有し、
前記端子通孔は、前記端子プレートの上面に形成された第1内径を有する第1端子通孔と、前記端子プレートの下面に形成された第2内径を有する第2端子通孔とを含み、前記段差の大きさは、前記第1内径と前記第2内径との差であり、
前記電極端子は、第1厚さを有する第1挿入部と、前記第1厚さより小さい第2厚さを有し、前記第1挿入部から延在する第2挿入部と、前記第2厚さより大きい第3厚さを有し、前記第2挿入部から延在する第3挿入部とを有し、
前記第1挿入部は、前記キャッププレートおよび前記絶縁プレートの端子通孔に挿入され、
前記第2挿入部および前記第3挿入部は、前記端子プレートの端子通孔に挿入されて前記端子プレートと電気的に接続され、
前記第3挿入部は、前記電極端子の端面を有し、前記少なくとも一つの段差の表面と接触しており、
前記第3厚さは、前記第2内径に比べて小さいか、または同じであることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記第1挿入部は、前記第2挿入部側に位置する角部が第1曲率半径を有することを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記角部の前記第1曲率半径は0.1mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第2端子通孔の前記第2内径は、前記第1端子通孔の前記第1内径に比べて大きいことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電極端子の接触抵抗を減少させ、製造不良を減らすことができる二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(Rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは違って、充電および放電が可能な電池であって、一つの電池セルがパック形態に包装された低容量電池の場合、携帯電話およびカムコーダーのような携帯が可能な小型電子機器に使われ、電池パックが数十個連結された電池パック単位の大容量電池の場合、ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として幅広く使用されている。
【0003】
このような二次電池は様々な形状に製造されているが、代表的な形状としては、円筒形および角形が挙げられる。このような二次電池は、正極板と負極板との間に絶縁体であるセパレータを介在させて形成された電極組立体と電解液とをケースの内部に収容し、電極端子が形成されたキャップ組立体をケースに取り付けて構成する。
【0004】
キャップ組立体は、端子通孔を備えたキャッププレートおよび端子プレート、ならびに外周部をガスケットで囲んだ状態でキャッププレートおよび端子プレートの端子通孔に取り付けられる電極端子などを備えた構造からなる。
【0005】
特に円筒形電池で、電極端子は、スピニング(spinning)装置によってその上部に回転および圧力を加えられ、端子通孔に嵌合されて端子プレートに取り付けられる。しかし、電極端子は、回転および加圧によってテーパ付き全区間が形成され、電極端子と端子プレートとの間の接触面積が減少することになるので、電極端子と端子プレートとの間の接触抵抗が増加し、製品の慢性的な不良が発生するという問題点があった。
【0006】
また、電極端子と端子プレートとの間の接触面積が減少することによって、電極端子と端子プレートとの間の固定力が弱くなり、端子プレートが回転するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電極端子の接触抵抗を減少させ、製造不良を減らすことができる二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による二次電池は、第1極板、第2極板およびセパレータを含む電極組立体と、前記電極組立体と電解液を収容するケースと、キャッププレート、絶縁プレート、端子プレートおよび電極端子を含んでなり、前記ケースの上段開口部に取り付けられてケースを密封するキャップ組立体と、を備え、前記電極端子は、前記端子プレートと結合する領域に第1厚さを有する第1挿入部と、前記第1厚さより小さい第2厚さを有する第2挿入部を有することができる。
【0009】
ここで、前記電極端子は、前記第2挿入部の下段が変形して、前記端子プレートと結合する。
【0010】
そして、第1挿入部は前記第2挿入部と連結する領域に第1曲率半径を有するようにラウンド処理して形成されることができる。
【0011】
また、前記第1挿入部の前記第1曲率半径は0.1mm以上であり得る。
【0012】
また、前記第2挿入部は前記端子プレートと結合する際、下段が変形して前記第2厚さより大きく形成されることができる。
【0013】
また、前記第2挿入部は前記端子プレートと結合する際、下段が第2曲率半径を有するようにラウンド処理された状態で結合する。
【0014】
また、前記第2挿入部の前記第2曲率半径は0.1mm以上であり得る。
【0015】
また、前記第1挿入部は第1長さを有し、前記第2挿入部は第2長さを有する状態で変形して前記端子プレートに結合し、前記第2長さは前記第1長さに比べて短いこともある。
【0016】
また、前記第2長さは0.05mm以上であり得る。
【0017】
また、前記第2挿入部は、前記第1挿入部の底面積の20%以上の大きさの底面積を有することができる。
【0018】
また、前記第2長さは前記第1長さの1/2以下であり得る。
【0019】
また、前記端子プレートは、前記電極端子が挿入されるように上面と下面との間を貫通する端子通孔を備え、前記端子通孔は、前記端子プレートの上面に形成された第1内径を有する第1端子通孔と、前記端子プレートの下面に形成された第2内径を有する第2端子通孔とを含むことができる。
【0020】
また、前記第2端子通孔の前記第2内径は、前記第1端子通孔の前記第1内径に比べて大きいことがあり得る。
【0021】
また、前記電極端子の前記第2挿入部は、前記端子プレートの前記第2端子通孔に結合することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明による二次電池は、電極端子の下部に第1挿入部と前記第1挿入部より厚さが小さい第2挿入部を形成して、スピニング工程を通して端子プレートと結合させることによって、第2挿入部が端子プレートを損傷させることを防止し、かつ所望する程度の接触抵抗を有するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による二次電池の分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による二次電池の電極端子の断面図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による二次電池の端子プレートの斜視図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による二次電池の端子プレートの下面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による二次電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の望ましい実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による二次電池の分解斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態による二次電池の電極端子の断面図である。
図3aは、本発明の一実施形態による二次電池の端子プレートの斜視図である。
図3bは、本発明の一実施形態による二次電池の端子プレートの下面図である。
図3cは、
図3aのA−A’線断面図である。
図4は、本発明の一実施形態による二次電池の断面図である。
図5は、
図4のB部分拡大図である。
【0026】
まず、
図1から
図5を参照すると、本発明の一実施形態による二次電池100は、電極組立体110、ケース120、キャップ組立体130および絶縁ケース180を備える。
【0027】
電極組立体110は、正極板111、負極板112、および正極板111と負極板112との間に介在するセパレータ113からなる。また、電極組立体110において、正極板111、負極板112およびセパレータ113は、ほぼゼリーロール(jelly roll)形態で巻き取られる。
【0028】
より具体的に説明すると、電極組立体110は、正極活物質がコーティングされた正極板111、陰極活物質がコーティングされた負極板112、および正極板111と負極板112との間に位置して短絡を防止し、リチウムイオンの移動だけを可能にするセパレータ113からなる。ここで、正極板111の材質としてはアルミニウム(Al)箔、負極板112の材質としては銅(Cu)箔、セパレータ113の材質としてはポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)が挙げられるが、本発明はこのような材質に限定されるものではない。また、正極板111には上方向へ一定の長さだけ突出した第1電極タップ114が接続され、負極板112には上方向へ一定の長さだけ突出した第2電極タップ115が接続されることもできる。第1電極タップ114の材質としてはアルミニウム(Al)材質、第2電極タップ115の材質としてはニッケル(Ni)材質が挙げられるが、本発明はこのような材質に限定されるものではない。また、当業者の選択により、第1電極タップ114および第2電極タップ115の極性は、相互間に変更されることも可能である。
【0029】
ケース120は、上部が開放された上段開口部120aを有し、ほぼ直六面体形状を有する。即ち、ケース120は、互いに一定の距離だけ離隔して相対的に広い面積を有する一対の長辺部121と、一対の長辺部121に対して相対的に狭い面積を有する一対の短辺部122と、長辺部121および短辺部122の下部にこれらと垂直に形成された底部123を有する。
【0030】
ケース120は、ディップドローイング方式で製造されて、長辺部121、短辺部122および底部123が一体に形成される。ここで、ケース120の材質としてはは、鋼、アルミニウムまたはその等価物のうち選択されたいずれか一つが用いられるが、本発明はケース120の材質を限定するものではない。
【0031】
ケース120には、電極組立体110と一緒に電解液(図示せず)が収容される。このような電解液は、充放電時に二次電池100内部の正極板111および負極板112において電気化学的反応によって生成されるリチウムイオンの移動媒体の役割を果たし、これはリチウム塩と高純度有機溶媒類の混合物である非水系有機電解液であり得る。さらに、上記の電解液は、高分子電解質を利用したポリマーであることもある。
【0032】
キャップ組立体130は、キャッププレート140、絶縁プレート150、端子プレート160および電極端子170を含む。キャップ組立体130は、別途の絶縁ケース180と結合してケース120の上段開口部120aに取り付けられ、ケース120を密封することができる。
【0033】
キャッププレート140は、ケース120の上段開口部120aに相応する大きさおよび形状の金属板であり得る。キャッププレート140の下面には、絶縁ケース180を貫通した電極組立体110の第1電極タップ114を溶接することができる。即ち、キャッププレート140は、電極組立体110の第1電極タップ114と同一の極性を有する。
【0034】
キャッププレート140の中央には、上面と下面との間を貫通する端子通孔141が形成され、端子通孔141には電極端子170が挿入されて取り付けられる。端子通孔141の内側面には、電極端子170とキャッププレート140との間の絶縁のために、チューブ状のガスケット143が装着される。ガスケット143は、端子通孔141と電極端子170との間に密着し、電極端子170とキャッププレート140とを電気的に分離する。即ち、キャッププレート140の端子通孔141は、ガスケット143の外径と対応する大きさであり得る。
【0035】
キャッププレート140の一端には、電解液注入口142をさらに設けることができ、ケース120の上段開口部120aが組み立てられた後、ケース120の内部空間に電解液を注入することができる。また、電解液注入口142は、ケース120に電解液が注入された後、キャップ144により密閉される。
【0036】
絶縁プレート150は絶縁物質で形成され、キャッププレート140と端子プレート160との間に介在してキャッププレート140と端子プレート160とを電気的に分離する。絶縁プレート150は、キャッププレート140の端子通孔141と対応する位置に、電極端子170を挿入するための端子通孔151を備えている。絶縁プレート150の端子通孔151には、電極端子170が挿入されて取り付けられる。絶縁プレート150の端子通孔151と電極端子170との間にも、ガスケット143を介在させることができる。また、絶縁プレート150の端子通孔151は、ガスケット143の外径と対応する大きさであり得る。即ち、絶縁プレート150の端子通孔151は、キャッププレート140の端子通孔141と対応する大きさであり得る。
【0037】
端子プレート160は、上面160aが絶縁プレート150の下面に密着した金属板であり得る。端子プレート160は、下面160bが絶縁ケース180の上面と対向する。即ち、端子プレート160は、絶縁プレート150と絶縁ケース180との間に介在する。端子プレート160の上面160aの大きさは、絶縁プレート150の下面の大きさに比べてより小さいことが望ましい。端子プレート160は、絶縁プレート150によりキャッププレート140と電気的に分離される。端子プレート160は、下面160bが絶縁ケース180を貫通した電極組立体110の第2電極タップ115と溶接されて、第2電極タップ115と同一の極性を有することができる。
【0038】
端子プレート160は、上面160aと下面160bとの間を貫通する端子通孔161が形成され、端子通孔161に電極端子170が挿入されて、電極端子170と電気的に接続される。端子プレート160の端子通孔161は、キャッププレート140の端子通孔141が形成された位置と対応する位置に設けられている。
【0039】
端子通孔161は、端子プレート160の上面160aから下面160bに向かう方向に形成された第1端子通孔161aと、端子プレート160の下面160bから上面160aに向かう方向に形成された第2端子通孔161bからなる。第1端子通孔161aは第1内径aを有し、第2端子通孔161bは第2内径bを有する。このとき、第1内径aは第2内径bに比べてより小さい。即ち、端子プレート160において、上面160aの第1端子通孔161aの形状と下面160bの第2端子通孔161bの形状とは互いに異なる。
【0040】
第1端子通孔161aの中心軸と第2端子通孔161bの中心軸とは、同一線上に位置する。したがって、端子通孔161は、第1端子通孔161aと第2端子通孔161bの内径の大きさの差のため、少なくとも一つの段差を有する。
【0041】
電極端子170の下部領域は、端子プレート160の第1端子通孔161aを貫通し、第2端子通孔161bの下面を通して端子プレート160と密着して接触することができる。これによって、端子プレート160は電極端子170と電気的に接続される。
【0042】
第1端子通孔161aは、電極端子170の外周面との接触のために、電極端子170の柱形状と同一な円形ホールであり得る。これに比べて、第2端子通孔161bは、その形状を第1端子通孔161aと同一の円形とすることもでき、四角形のような多角形の形状とすることもできる。
【0043】
電極端子170は、キャッププレート140、絶縁プレート150および端子プレート160の端子通孔141、151、161を貫通するように挿入される。電極端子170は円柱形状の金属ピンであり得る。
【0044】
電極端子170は、キャッププレート140の上面において水平方向に一定の長さだけ延在した頭部171および延長部172と、円柱形状であってキャッププレート140、絶縁プレート150および端子プレート160の端子通孔141、151、161に挿入される第1挿入部173および第2挿入部174と、を備えることができる。電極端子170の頭部171および延長部172は、ガスケット143によって、キャッププレート140の上面と電気的に分離される。また、電極端子170の第1挿入部173と絶縁プレート150との間にはガスケット143が介在する。電極端子170は、端子プレート160の端子通孔161に挿入されて端子プレートと接触し、端子プレート160と電気的に接続された第2電極タップ115と同一の極性を有することができる。
【0045】
頭部171は、水平方向に延在するように形成される。また、頭部171は二次電池100の外部に露出する領域であり、最終構造において、第2電極タップ115と同一の極性を有する電極として動作することになる。
【0046】
延長部172は、頭部171とほぼ並んで形成され、頭部171に比べて短い長さを有するように形成されることができる。延長部172は、ガスケット143との接触面積を増加させ、二次電池100の内部への湿気の侵入および二次電池100の内部からの電解液の漏液を、より効率的に防止することができる。
【0047】
第1挿入部173はほぼ円柱形状に形成され、延長部172から垂直方向に下方向に向かって突出するように形成される。第1挿入部173は、第1長さh1と第1厚さl1とを有するように形成され、キャッププレート140の端子通孔141および絶縁プレート150の端子通孔151を貫通するように形成される。また、第1挿入部173は、その側面がガスケット143に囲まれているので、キャッププレート140および第1電極タップ114とは絶縁された状態を維持できる。
【0048】
第1挿入部173の下段は、第1曲率半径r1を有するようにラウンド処理して形成される。ここで、第1曲率半径r1は少なくとも0.01mm以上であり得る。第1曲率半径r1が0.01mmである場合、スピニング(spinning)による第1挿入部173の挿入の際、端子プレート160にクラックが発生することを効果的に防止できる。ただし、第1曲率半径r1が大きいほどクラック防止に有利であるので、特に上限は設定しない。
【0049】
第2挿入部174はほぼ円柱形状に形成され、第1挿入部173の下段から延在するように設けられる。第2挿入部174は、第1挿入部173と同じ中心軸を有するように形成され、スピニングによる挿入が可能であるようにされる。第2挿入部174は、第2長さh2と第2厚さl2とを有するように備えられる。
【0050】
ここで、第2挿入部174は、第2長さh2が、第1挿入部173に連結された開始点を基準に0.1mm以上であるように形成される。第2挿入部174の第2長さh2が0.1mm以上である場合、電極端子170を結合するためのスピニング工程で、第2挿入部174が回転によって外側に広がることになり、これによって端子プレート160の第2内径bに接触する形状が変化することができる。また、変形された第2挿入部174と端子プレート160の第2端子通孔161bとの間の接触面積のため、両者間の接触抵抗の減少が可能である。ただし、第2挿入部174の第2長さh2が大きいほど接触抵抗を減少させることができるので、特に上限は設定しない。
【0051】
第2挿入部174の第2厚さl2は、第1挿入部173の第1厚さl1に比べて小さい値を有する。第2厚さl2は0.05mm以上に形成されることができる。また、第1挿入部173の厚さが多様に設定される場合、第2挿入部174は第1挿入部173の底面積の20%以上の底面積を有するように設定することができる。典型的な場合、第2厚さl2が0.05mm以上であれば、上記のスピニング工程時に十分に広がり、端子プレート160の第2内径bに接触することができる。また、第2挿入部174の底面積が第1挿入部173の底面積の20%以上であるようにすれば、スピニング工程時にも十分に広がることが可能である。
【0052】
また、第2挿入部174の第2長さh2は、第1挿入部173の第1長さh1の1/2以下に形成することができる。また、第2挿入部174の第2長さh2が第1挿入部173の第1長さh1の1/2以下である場合、第2挿入部174の端子プレート160に対する十分に低い接触抵抗を確保できる。
【0053】
また、第2挿入部174の下段は、第2曲率半径r2を有するようにラウンド処理して形成することができる。第2挿入部174の下段は、スピニング工程において端子プレート160の損傷を防止することができる。また、このため、第2曲率半径r2を0.01mm以上に形成することができる。第2曲率半径r2が0.01mm以上であれば、端子プレート160の損傷を防止できるので、特に上限は設定しない。
【0054】
また、
図4および
図5を参照すれば、第2挿入部174の下部はスピニング工程によって変形し、端子プレート160の下面と結合する。第2挿入部174がスピニング工程によって広がることになれば、端子プレート160の下面に沿って結合し、特に端子プレート160の第2端子通孔161bに沿って広がって結合する。したがって、第2挿入部174の下部は、端子プレート160と電気的に接続されることができる。ここで、第2挿入部174が変形して広がった
第3厚さl3は、第2端子通孔161bの内径に比べて小さいか同じであるように形成される。したがって、第2挿入部174の下部は、第2端子通孔161bと安定な結合を維持することができる。
【0055】
絶縁ケース180は絶縁物質からなり、キャップ組立体130と電極組立体110との間に介在して、キャップ組立体130と電極組立体110とを電気的に絶縁させる。また、絶縁ケース180は、キャップ組立体130の第1電極タップ114および第2電極タップ115を上方向に突出させるためのタップホールを備える。即ち、絶縁ケース180は、電極組立体110の第1電極タップ114および第2電極タップ115が引き出された電極組立体110の上段部とキャップ組立体130とを電気的に分離する。
【0056】
以上の説明は、本発明による二次電池を実施するための一つの実施形態に過ぎないものであって、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲において請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲にまで本発明の技術的精神が及ぶとみなされる。
【符号の説明】
【0057】
100 二次電池
110 電極組立体
111 正極板
112 負極板
113 セパレータ
114 第1電極タップ
115 第2電極タップ
120 ケース
121 長辺部
122 短辺部
123 底部
130 キャップ組立体
140 キャッププレート
141、151、161 端子通孔
142 電解液注入口
143 ガスケット
144 キャップ
150 絶縁プレート
160 端子プレート
170 電極端子
171 頭部
172 延長部
173 第1挿入部
174 第2挿入部
180 絶縁ケース
120a 上段開口部
160a 上面
160b 下面
161a 第1端子通孔
161b 第2端子通孔