(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る縮合環化合物及び有機発光素子を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、下記の化学式1で表される縮合環化合物が提供される。
【化6】
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【0012】
化学式1で、
X
1は、NまたはC(R
1)であり、X
2は、NまたはC(R
2)であり、X
3は、NまたはC(R
3)であり、X
4は、NまたはC(R
4)であり、X
5は、NまたはC(R
5)であり、X
6は、NまたはC(R
6)であり、X
7は、NまたはC(R
7)であり、X
8は、NまたはC(R
8)であり、X
11は、NまたはC(R
11)であり、X
12は、NまたはC(R
12)であり、X
13は、NまたはC(R
13)であり、X
14は、NまたはC(R
14)であり、X
15は、NまたはC(R
15)であり、X
16は、NまたはC(R
16)であり、X
17は、NまたはC(R
17)であり、X
18は、NまたはC(R
18)でもある。
【0013】
例えば、化学式1のX
1〜X
8、及びX
18は、いずれもNではない。
他の例として、化学式1のX
1〜X
8、及びX
11〜X
18のうち1個は、Nであり、残りは、Nではない。
さらに他の例として、X
1は、Nであり、X
2〜X
8、及びX
11〜X
18は、Nではないが、それに限定されるものではない。
さらに他の例として、X
7は、Nであり、X
1〜X
6、X
8、及びX
11〜X
18は、Nではないが、それに限定されるものではない。
【0014】
R
1〜R
8、及びR
11〜R
18は、互いに独立して、水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基(CN)、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、置換もしくは非置換のC
1−C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2−C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2−C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1−C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3−C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1−C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3−C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6−C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6−C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6−C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1−C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(ただし、前記置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基において、置換もしくは非置換のカルバゾリル基は除く)及び−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)のうちから選択されてもよい。
【0015】
例えば、R
1〜R
8、及びR
11〜R
18は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
20アルキル基及びC
1−C
20アルコキシ基、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基のうち少なくとも一つで置換された、C
1−C
20アルキル基及びC
1−C
20アルコキシ基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ−フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオラントレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、イミダゾピリジミジニル基及びイミダゾピリジニル基、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
20アルキル基、C
2−C
20アルケニル基、C
2−C
20アルキニル基、C
1−C
20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キナゾリニル基及び−Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)のうち少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ−フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオラントレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、イミダゾピリジミジニル基及びイミダゾピリジニル基、並びに
−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、のうちから選択され、
Q
1〜Q
3、及びQ
31〜Q
33は、互いに独立して、水素、C
1−C
20アルキル基、C
1−C
20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基及びキナゾリニル基のうちから選択されてもよい。
【0016】
他の例として、R
1〜R
6、及びR
11〜R
16は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基及びC
1−C
10アルコキシ基、
フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)のうち少なくとも一つで置換された、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基、並びに
−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、のうちから選択され、
R
7、R
8、R
17及びR
18は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基及びC
1−C
10アルコキシ基、
フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)のうち少なくとも一つで置換された、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基、並びに
−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、のうちから選択され、
Q
1〜Q
3、及びQ
31〜Q
33は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基のうちから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0017】
また、一実施形態によれば、R
1〜R
8、及びR
11〜R
18は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基及びトリアジニル基、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、及びリン酸基またはその塩のうち少なくとも一つで置換された、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基及びトリアジニル基、並びに
−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、のうちから選択され、
Q
1〜Q
3は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択されてもよい。
【0018】
また、他の実施形態によれば、R
1〜R
8、及びR
11〜R
18は、互いに独立して、
水素、重水素、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、及び−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)のうちから選択され、
前記Q
1〜Q
3は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択されてもよい。
【0019】
化学式1のX
7、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも一つは、C(CN)である。
例えば、化学式1のX
7、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも2個は、C(CN)である。
例えば、X
1は、C(R
1)であり、X
2は、C(R
2)であり、X
3は、C(R
3)であり、X
4は、C(R
4)であり、X
5は、C(R
5)であり、X
6は、C(R
6)であり、X
7は、C(R
7)であり、X
8は、C(R
8)であり、X
11は、C(R
11)であり、X
12は、C(R
12)であり、X
13は、C(R
13)であり、X
14は、C(R
14)であり、X
15は、C(R
15)であり、X
16は、C(R
16)であり、X
17は、C(R
17)であり、X
18は、C(R
18)であり、X
7、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも一つは、C(CN)でもあるが、それに限定されるものではない。
【0020】
他の例として、X
1は、Nであり、X
2は、C(R
2)であり、X
3は、C(R
3)であり、X
4は、C(R
4)であり、X
5は、C(R
5)であり、X
6は、C(R
6)であり、X
7は、C(R
7)であり、X
8は、C(R
8)であり、X
11は、C(R
11)であり、X
12は、C(R
12)であり、X
13は、C(R
13)であり、X
14は、C(R
14)であり、X
15は、C(R
15)であり、X
16は、C(R
16)であり、X
17は、C(R
17)であり、X
18は、C(R
18)でもあり、X
7、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも一つは、C(CN)でもあるが、それに限定されるものではない。
【0021】
さらに他の例として、X
1は、C(R
1)であり、X
2は、C(R
2)であり、X
3は、C(R
3)であり、X
4は、C(R
4)であり、X
5は、C(R
5)であり、X
6は、C(R
6)であり、X
7は、Nであり、X
8は、C(R
8)であり、X
11は、C(R
11)であり、X
12は、C(R
12)であり、X
13は、C(R
13)であり、X
14は、C(R
14)であり、X
15は、C(R
15)であり、X
16は、C(R
16)であり、X
17は、C(R
17)であり、X
18は、C(R
18)であり、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも一つは、C(CN)でもあるが、それに限定されるものではない。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、R
1〜R
6、及びR
11〜R
16は、シアノ基ではない。
化学式1で、Ar
1は、下記の化学式2A〜2Cの内の一つで表される。
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【化8】
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【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0023】
化学式2A〜2Cで、
X
21は、NまたはC(R
21)であり、X
22は、NまたはC(R
22)であり、X
23は、NまたはC(R
23)であり、X
24は、NまたはC(R
24)であり、X
25は、O、S、P(=O)(R
25)、SeまたはSi(R
25)(R
26)であり、
R
21〜R
26は、互いに独立して、水素、重水素、C
1−C
4アルキル基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)のうちから選択され、
a21及びa22は、互いに独立して、0〜3の整数のうちから選択されてもよい。
a21は、R
21の個数を示すものであり、a21が2以上である場合、2以上のR
21は、互いに同一であっても異なってもよい。a22は、R
22の個数を示すものであり、a22が2以上である場合、2以上のR
22は、互いに同一であっても異なってもよい。
一実施形態によれば、a1及びa2は、互いに独立して、0、1または2でもある。
他の実施形態によれば、化学式1で、Ar
1は、化学式2B及び2Cのうち一つで表されてもよい。
【0024】
例えば、化学式1で、Ar
1は、下記の化学式(2A−1)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表されてもよい。
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0025】
化学式(2A−1)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)で、
X
25は、O、S、P(=O)(R
25)、SeまたはSi(R
25)(R
26)であり、
R
21〜R
24は、互いに独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)のうちから選択され、
R
25及びR
26は、互いに独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基のうちから選択され、
Q
11〜Q
13は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択され、
a21及びa22は、互いに独立して、0または1であり、
*及び*’は、それぞれ隣接する原子との結合サイトである。
【0026】
一実施形態によれば、化学式1で、Ar
1が、化学式2A−1で表される場合、化学式1で、a1+a2は、0ではない。
他の実施形態によれば、化学式1で、Ar
1は、化学式(2A−2)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表され得る。
【0027】
さらに他の実施形態によれば、
i)前記化学式1で、X
7、X
8、X
17及びX
18のうち一つは、C(CN)であり、残りは、C(CN)ではなく、Ar
1は、化学式(2A−2)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表されるか、
ii)化学式1で、X
7、X
8、X
17及びX
18のうち一つは、C(CN)であり、残りは、C(CN)ではなく、a1+a2は、0ではないか、あるいは、
iii)化学式1で、X
7、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも2個は、C(CN)でもあるが、それらに限定されるものではない。
【0028】
一方、化学式1で、L
1及びL
2は、互いに独立して、
フェニレン基、ピリジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基及びジベンゾチオフェニレン基、並びに
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)のうち少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ピリジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基及びジベンゾチオフェニレン基、のうちから選択されてもよい。
【0029】
例えば、化学式1で、L
1及びL
2は、互いに独立して、
フェニレン基、ピリジニレン基、ピリミジニレン基及びトリアジニレン基、並びに、
重水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)のうち少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ピリジニレン基、ピリミジニレン基及びトリアジニレン基、のうちから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0030】
化学式1で、a1及びa2は、互いに独立して、0〜5の整数のうちから選択されてもよい。
a1は、L
1の個数を示すものであり、a1が0である場合、「*−(L
1)a1−*’」は、単一結合になる。
a1が2以上である場合、2以上のL
1は、互いに同一であっても異なってもよい。
a2は、L
2の個数を示すものであり、a2が0である場合、「*−(L
2)a2−*’」は、単一結合になる。
a2が2以上である場合、2以上のL
2は、互いに同一であっても異なってもよい。
【0031】
一実施形態によれば、a1及びa2は、互いに独立して、0、1または2でもある。
他の実施形態によれば、a1及びa2は、互いに独立して、0または1でもある。
例えば、化学式1で、L
1及びL
2は、互いに独立して、
フェニレン基、及び
重水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)のうち少なくとも一つで置換されたフェニレン基のうちから選択され、
Q
21〜Q
23は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択され、
a1及びa2は、互いに独立して、0または1でもあるが、それらに限定されるものではない。
【0032】
一実施形態によれば、化学式1で、a1及びa2は、0であり、化学式1で、Ar
1は、化学式(2A−2)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表されてもよい。
他の実施形態として、化学式1で、a1及びa2は、0であり、Ar
1は、化学式(2A−1)、(2A−2)、(2A−10)、(2B−1)、(2B−8)及び(2C−3)の内の一つで表されてもよい。
【0033】
さらに他の実施形態として、化学式1で、a1+a2が1以上であり、化学式1で、「*−(L
1)a1−Ar
1−(L
2)a2−*’」は、下記の化学式(3−1)〜(3−57)の内の一つで表されてもよいが、それらに限定されるのではない。
【化37】
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【化38】
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【化39】
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【化40】
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【化41】
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【化42】
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【化43】
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【化44】
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【化45】
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【化46】
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【化47】
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【化48】
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【化49】
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【化50】
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【化51】
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【化52】
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【化53】
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【化54】
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【化55】
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【化56】
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【化57】
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【化58】
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【化59】
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【化60】
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【化61】
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【化62】
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【化63】
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【化64】
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【化65】
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【化66】
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【化67】
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【化68】
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【化69】
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【化70】
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【化71】
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【化72】
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【化73】
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【化74】
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【化75】
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【化76】
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【化77】
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【化78】
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【化79】
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【化80】
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【化81】
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【化82】
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【化83】
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【化84】
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【化85】
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【化86】
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【化87】
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【化88】
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【化89】
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【化90】
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【化91】
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【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【化93】
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【0034】
化学式(3−1)〜(3−57)で、
R
21〜R
24、Z
1及びZ
2は、互いに独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)のうちから選択され、
Q
11〜Q
13は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択され、
b1及びb2は互いに独立して、0、1または2であり、
*及び*’は、それぞれ隣接する窒素原子との結合サイトである。
【0035】
一実施形態によれば、化学式1で表される縮合環化合物は、下記の化学式1A〜1Eの内の一つで表されてもよいが、それらに限定されるのではない。
【化94】
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【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0036】
化学式1A〜1Eで、
X
1〜X
8、X
11〜X
18、Ar
1、L
1、L
2、a1、a2、「*−(L
1)a1−Ar
1−(L
2)a2−*’」に係わる説明は、本明細書に記載された対応するところを参照するものとする。
例えば、化学式1A〜1Eで、
X
1は、NまたはC(R
1)であり、X
2は、NまたはC(R
2)であり、X
3は、NまたはC(R
3)であり、X
4は、NまたはC(R
4)であり、X
5は、NまたはC(R
5)であり、X
6は、NまたはC(R
6)であり、X
7は、NまたはC(R
7)であり、X
8は、NまたはC(R
8)であり、X
11は、NまたはC(R
11)であり、X
12は、NまたはC(R
12)であり、X
13は、NまたはC(R
13)であり、X
14は、NまたはC(R
14)であり、X
15は、NまたはC(R
15)であり、X
16は、NまたはC(R
16)であり、X
18は、NまたはC(R
18)であり、R
1〜R
8、R
11〜R
16及びR
18は、シアノ基ではない。
【0037】
一実施形態によれば、縮合環化合物は、
i)化学式1Aで表されるが、化学式1Aで、Ar
1は、化学式(2A−2)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表されるか、
ii)化学式1Aで表されるが、化学式1Aで、a1+a2は、0ではないか、あるいは
iii)化学式1B〜1Eの内の一つで表されてもよい。
他の実施形態によれば、化学式1で表される縮合環化合物は、下記の化学式{1(1)}〜{1(3)}の内のいずれか一つで表されてもよい。
【化99】
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【化100】
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【化101】
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【0038】
化学式{1(1)}〜{1(3)}で、
Ar
1、L
1、L
2、a1、a2及び「*−(L
1)a1−Ar
1−(L
2)a2−*’」に係わる説明は、本明細書に記載された対応するところと同一であり、
R
7、R
8、R
17及びR
18は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基及びトリアジニル基、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、及びリン酸基またはその塩のうち少なくとも一つで置換された、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基及びトリアジニル基、並びに
−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、のうちから選択され、
Q
1〜Q
3は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択され、
化学式{1(1)}及び{1(2)}で、R
7、R
8、R
17及びR
18のうち少なくとも一つは、シアノ基(CN)であり、
化学式{1(3)}で、R
8、R
17及びR
18のうち少なくとも一つは、シアノ基(CN)である。
【0039】
一実施形態によれば、化学式1(1)〜1(3)で、
i)Ar
1は、化学式(2A−1)で表され、R
7、R
8、R
17及びR
18のうち少なくとも2個は、シアノ基(CN)であるか、
ii)Ar
1は、化学式(2A−1)で表され、a1+a2は、0ではないか、あるいは
iii)Ar
1は、化学式(2A−2)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0040】
他の実施形態によれば、化学式1で表される縮合環化合物は、下記の化学式{1A(1)}〜{1E(1)}、{1A(2)}〜{1E(2)}、及び{1A(3)}〜{1D(3)}の内の一つで表されてもよい。
【化102】
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【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0041】
化学式{1A(1)}〜{1E(1)}、{1A(2)}〜{1E(2)}、及び{1A(3)}〜{1D(3)}で、
R
1〜R
8、R
11〜R
16、R
18、Ar
1、L
1、L
2、a1、a2及び「*−(L
1)a1−Ar
1−(L
2)a2−*’」に係わる説明は、本明細書に記載した対応するところと同一である。
例えば、化学式{1A(1)}〜{1E(1)}、{1A(2)}〜{1E(2)}、及び{1A(3)}〜{1D(3)}で、R
1〜R
8、R
11〜R
16及びR
18は、シアノ基ではない。
【0042】
他の例として、化学式{1A(1)}〜{1E(1)}、{1A(2)}〜{1E(2)}、及び{1A(3)}〜{1D(3)}で、
R
1〜R
8、R
11〜R
16及びR
18は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び−Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)のうちから選択され、
Ar
1は、化学式(2A−1)、(2A−2)、(2A−10)、(2B−1)、(2B−8)または(2C−3)で表され、
L
1及びL
2は、互いに独立して、
フェニレン基、ピリジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基及びジベンゾチオフェニレン基、及び
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基及び−Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)のうち少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ピリジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基及びジベンゾチオフェニレン基、のうちから選択され、
a1及びa2は、互いに独立して、0または1であり、
Q
1〜Q
3、Q
11〜Q
13、及びQ
21〜Q
23は、互いに独立して、水素、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基及びフェニル基のうちから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0043】
一実施形態によれば、縮合環化合物は、
i)化学式{1A(1)}で表されるが、化学式{1A(1)}で、Ar
1は、化学式(2A−2)〜(2A−10)、化学式(2B−1)〜(2B−8)、及び化学式(2C−1)〜(2C−9)の内の一つで表されるか、
ii)化学式{1A(1)}で表されるが、化学式{1A(1)}で、a1+a2は、0ではないか、あるいは
iii)化学式{1B(1)}〜{1E(1)}、{1A(2)}〜{1E(2)}及び{1A(3)}〜{1D(3)}の内の一つで表されてもよい。
【0044】
他の実施形態によれば、化学式1で、Ar
1が、化学式(2A−1)で表され、a1+a2が0である場合、化学式1で、X
7、X
8、X
17及びX
18のうち少なくとも2個は、C(CN)でもある。
【0045】
一実施形態によれば、化学式1で表される縮合環化合物は、下記の化合物1〜56の内の一つでもあるが、それらに限定されるのではない。
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【化127】
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【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【化129】
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【0046】
本発明に係る縮合環化合物において、R
7、R
8、R
17及びR
18のうち少なくとも一つは、必ずC(CN)であり、本発明に係る縮合環化合物は、「Ar
1」で表される連結基を必ず含むが、Ar
1は、前述のような化学式2A〜2Cの内の一つで表されるが、本発明の縮合環化合物において、下記の化合物は除く。
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0047】
それにより、本発明に係る縮合環化合物は、優秀な耐熱性を有し、高い三重項エネルギーレベルを有することができる。
さらに、本発明に係る縮合環化合物において、R
1〜R
8、及びR
11〜R
18のリストにおいて、「置換もしくは非置換のカルバゾリル基」は除かれ、Ar
1、L
1及びL
2のリストに、「置換もしくは非置換のカバゾリレン基」は含まれておらず、Ar
1、L
1及びL
2の置換基リストにも「置換もしくは非置換のカルバゾリル基」は含まれていない。
【0048】
すなわち、本発明に係る縮合環化合物は、カルバゾール系環として、下記のカルバゾール系環1及びカルバゾール系環2のみを有する(下記の化学式1’参照)。
従って、本発明に係る縮合環化合物は、電子素子、例えば、有機発光素子用材料(例えば、発光層においてホスト材料)として、適する三重項(T
1)エネルギーレベルを有することができる。
【化131】
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【0049】
また、本発明に係る縮合環化合物のS
1(単一項)エネルギーとT
1(三重項)エネルギーとの差が相対的に小さい。
それにより、本発明に係る縮合環化合物は、熱活性化遅延蛍光エミッタ(TADF emitter:theramlly activated delayed fluorescence emitter)として使用される。
【0050】
例えば、化合物1〜30及び下記の化合物Aに係わるHOMO(highest occupied molecular orbital)、LUMO(lowest unoccupied molecular orbital)、T
1及びS
1のエネルギーレベルに対して、ガウシアンを利用してシミュレーション評価した結果は、下記の表1の通りである。
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【化132】
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【0051】
本発明に係る縮合環化合物の合成方法は、後述する合成例を参照し、当業者が容易に認識することができるであろう。
従って、本発明に係る縮合環化合物は、有機発光素子の有機層、例えば、有機層において、発光層のホストまたはエミッタ(例えば、TADFエミッタ)として使用するのに適しており、本発明の一実施形態によれば、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在して発光層を含んだ有機層とを有し、有機層は、本発明に係る縮合環化合物を、少なくとも1種以上含んだ有機発光素子が提供される。
【0052】
有機発光素子は、前述のような本発明に係る縮合環化合物を含んだ有機層を具備することにより、低駆動電圧、高効率、高輝度、高量子発光効率及び長寿命を有することができる。
本発明に係る縮合環化合物は、有機発光素子の1対の電極間に使用される。
例えば、縮合環化合物は、発光層、第1電極と発光層との間の正孔輸送領域(例えば、正孔注入層、正孔輸送層及び電子阻止層のうち少なくとも1層を含む)、及び発光層と第2電極との間の電子輸送領域(例えば、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち少なくとも1層を含む)のうち少なくとも一つに含まれる。
【0053】
例えば、本発明に係る縮合環化合物は、発光層に含まれている。
このとき、発光層に含まれた縮合環化合物は、ホストの役割を行い、発光層は、ドーパント(蛍光ドーパントまたはリン光ドーパント)をさらに含んでもよい。
発光層は、緑色光または青色光を放出する緑色発光層または青色発光層でもある。
一実施形態によれば、本発明に係る縮合環化合物は、発光層に含まれており、発光層は、リン光ドーパントをさらに含み、発光層は、青色光を放出する。
【0054】
または、本発明に係る縮合環化合物は、発光層に含まれ、縮合環化合物は、熱活性化遅延蛍光エミッタ(TADF emitter)でもある。
このとき、発光層は、本発明に係る縮合環化合物のみを含むか、あるいは本発明に係る縮合環化合物以外に、ホスト及び/またはドーパントをさらに含んでもよい。
【0055】
本明細書において、「(有機層が)縮合環化合物を1種以上含む」というのは、「(有機層が)本発明に係る縮合環化合物の範疇に属する1種の縮合環化合物、または本発明に係る縮合環化合物の範疇に属する互いに異なる2種以上の縮合環化合物を含む」と解釈される。
例えば、有機層は、縮合環化合物として、上記化合物1のみを含んでもよい。
このとき、化合物1は、有機発光素子の発光層に存在することができる。
または、有機層は、縮合環化合物として、上記化合物1と化合物2とを含んでもよい。
このとき、化合物1と化合物2は、同一層に存在(例えば、化合物1と化合物2は、いずれも発光層に存在することができる)するか、あるいは互いに異なる層に存在することができる。
【0056】
第1電極は、正孔注入電極であるアノードであり、第2電極は、電子注入電極であるカソードであるか、あるいは第1電極は、電子注入電極であるカソードであり、第2電極は、正孔注入電極であるアノードである。
例えば、第1電極は、アノードであり、第2電極は、カソードであり、有機層は、
i)第1電極と発光層との間に介在し、正孔注入層、正孔輸送層、及び電子阻止層の内の少なくとも1層を含んだ正孔輸送領域、及び
ii)発光層と第2電極との間に介在し、正孔阻止層、電子輸送層、及び電子注入層の内の少なくとも1層を含んだ電子輸送領域を含んでもよい。
【0057】
本明細書において「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に介在する単一及び/または複数の層を示す用語である。
「有機層」は、有機化合物だけではなく、金属を含んだ有機金属錯体なども含んでもよい。
【0058】
図1は、本発明の一実施形態による有機発光素子10の概略的な断面図である。
以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態による有機発光素子の構造及び製造方法について説明すれば、次の通りである。
有機発光素子10は、第1電極11、有機層15、及び第2電極19が順次に積層された構造を有する。
【0059】
第1電極11の下部、または第2電極19の上部には基板が追加して配置されてもよい。
基板としては、一般的な有機発光素子で使用される基板を使用することができるが、機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性にすぐれるガラス基板または透明プラスチック基板を使用することができる。
【0060】
第1電極11は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成される。
第1電極11は、アノードでもある。
第1電極用物質は、正孔注入が容易であるように、高い仕事関数を有する物質のうちから選択される。
第1電極11は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極でもある。
第1電極用物質としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO
2)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用することができる。または、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)のような金属を利用することができる。
第1電極11は、単一層、または2以上の層を含んだ多層構造を有することができる。
例えば、第1電極11は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができるが、それに限定されるものではない。
【0061】
第1電極11の上部には、有機層15が配置される。
有機層15は、正孔輸送領域(hole transport region)、発光層(emission layer)及び電子輸送領域(electron transportregion)を含み得る。
正孔輸送領域は、第1電極11と発光層との間に配置されてもよい。
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、及びバッファ層の内の少なくとも1層を含んでもよい。
正孔輸送領域は、正孔注入層のみを含むか、正孔輸送層のみを含んでもよい。または、正孔輸送領域は、第1電極11から順次に積層された、正孔注入層/正孔輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の構造を有することができる。
【0062】
正孔輸送領域が正孔注入層を含む場合、正孔注入層(HIL)は、第1電極11上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成される。
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、例えば、蒸着温度100〜500℃程度、真空度10
−8〜10
−3torr程度、蒸着速度0.01〜100Å/sec程度の範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
【0063】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、コーティング条件は、正孔注入層材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、2,000rpm〜5,000rpm程度のコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、80℃〜200℃程度の温度範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
【0064】
正孔輸送層及び電子阻止層の形成条件は、正孔注入層の形成条件を参照する。
正孔輸送領域は、例えば、4,4’,4”−トリス[フェニル(m−トリル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、TDATA(4,4’4”−Tris(N,N−diphenylamino)triphenylamine)、2−TNATA(4,4’,4”−tris(2−naphthylphenylamino)triphenylamine)、NPB(N,N’−Bis−(1−naphthalenyl)−N,N’−bis−phenyl−(1,1’−biphenyl)−4,4’−diamine)、β−NPB、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)、spiro−TPD、spiro−NPB、methylated−NPB、TAPC(4,4’−Cyclohexylidenebis[N,N−bis(4−methylphenyl)benzenamine])、HMTPD(N,N,N’,N’−tetra−(3−Methylphenyl)−3,3’−diMethylbenzidine)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、及び下記の化学式201で表される化合物、及び下記の化学式202で表される化合物の内の少なくとも一つを含む。
【化133】
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【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【化136】
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【0065】
化学式201で、Ar
101及びAr
102は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基及びペンタセニレン基、並びに
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
60アルキル基、C
2−C
60アルケニル基、C
2−C
60アルキニル基、C
1−C
60アルコキシ基、C
3−C
10シクロアルキル基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
1−C
10ヘテロシクロアルキル基、C
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6−C
60アリール基、C
6−C
60アリールオキシ基、C
6−C
60アリールチオ基、C
1−C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうち少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基及びペンタセニレン基、のうちから選択されてもよい。
【0066】
化学式201で、xa及びxbは、互いに独立して、0〜5の整数、あるいは0、1または2でもある。
例えば、xaは、1であり、xbは、0でもあるが、それらに限定されるものではない。
【0067】
化学式201及び202で、R
101〜R
108、R
111〜R
119、及びR
121〜R
124は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など)、及びC
1−C
10アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基など)、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、及びリン酸基またはその塩のうち一つ以上で置換された、C
1−C
10アルキル基及びC
1−C
10アルコキシ基、
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基及びピレニル基、並びに
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
10アルキル基及びC
1−C
10アルコキシ基のうち一つ以上で置換された、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基及びピレニル基、のうちから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0068】
化学式201で、R
109は、
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びピリジニル基、並びに
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
20アルキル基、C
1−C
20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びピリジニル基の内の一つ以上で置換された、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びピリジニル基、のうちから選択されてもよい。
【0069】
一実施形態によれば、化学式201で表される化合物は、下記の化学式201Aで表されてもよいが、それに限定されるのではない。
【化137】
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化学式201Aで、R
101、R
111、R
112及びR
109に係わる詳細な説明は、前述の対応するところを参照するものとする。
【0070】
例えば、化学式201で表される化合物、及び化学式202で表される化合物は、下記の化合物HT1〜HT20を含むが、それらに限定されるのではない。
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【化141】
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【0071】
正孔輸送領域の厚みは、100Å〜10,000Å程度、例えば、100Å〜1,000Å程度である。
正孔輸送領域が、正孔注入層及び正孔輸送層をいずれも含むものであるならば、正孔注入層の厚みは、100Å〜10,000Å程度、例えば、100Å〜1,000Å程度であり、正孔輸送層の厚みは、50Å〜2,000Å程度、例えば、100Å〜1,500Å程度でもある。
正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0072】
正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質をさらに含んでもよい。
電荷生成物質は、正孔輸送領域内に、均一にまたは不均一に分散している。
電荷生成物質は、例えば、p−ドーパントでもある。
p−ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物の内の一つでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0073】
例えば、p−ドーパントの非制限的な例としては、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6−テトラフルオロ−テトラシアノ−1,4−ベンゾキノジメタン(F4−TCNQ)のようなキノン誘導体、タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物、並びに下記の化合物HT−D1、HP−1のようなシアノ基含有化合物などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【化142】
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【化143】
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【化144】
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【0074】
正孔輸送領域は、バッファ層をさらに含んでもよい。
バッファ層は、発光層から放出される光の波長による光学的共振距離を補償し、効率を上昇させる役割を行う。
【0075】
正孔輸送領域の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して、発光層(EML)を形成することができる。
真空蒸着法及びスピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同一の条件範囲から選択されてもよい。
正孔輸送領域は、電子阻止層をさらに含んでもよい。
電子阻止層は、公知の物質、例えば、下記に示す化合物mCPを含むが、それに限定されるものではない。
【化145】
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【0076】
有機発光素子がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、赤色発光層、緑色発光層、及び青色発光層にパターニングされる。
または、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び/または青色発光層が積層された構造を有することにより、白色光を放出することができるなど多様な変形例が可能である。
発光層は、本発明に係る縮合環化合物を含み得る。
発光層は、ドーパントをさらに含んでもよい。ドーパントは、リン光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0077】
または、発光層は、本発明に係る縮合環化合物のみを含み、縮合環化合物は、熱活性化遅延蛍光エミッタでもある。
または、発光層は、本発明に係る縮合環化合物のみを含み、縮合環化合物は、熱活性化遅延蛍光エミッタであり、発光層は、ホストをさらに含んでもよい。
例えば、発光層においてホストは、本発明に係る縮合環化合物を含んでもよい。
発光層においてドーパントは、蛍光放出メカニズムによって光を放出する蛍光ドーパントであるか、あるいはリン光放出メカニズムによって光を放出するリン光ドーパントを含んでもよい。
【0078】
一実施形態によれば、発光層においてドーパントは、リン光ドーパントでもあり、リン光ドーパントは、下記の化学式81で表される有機金属化合物を含む。
【化146】
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【0079】
化学式81で、
Mは、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)のうちから選択され、
Y
1〜Y
4は、互いに独立して、炭素(C)または窒素(N)であり、
Y
1とY
2は、単一結合または二重結合を介して連結されており、Y
3とY
4は、単一結合または二重結合を介して連結されており、
CY
1及びCY
2は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ−フルオレン、インデン、ピロール、チオフェン、フラン(furan)、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソキサゾール(isooxazole)、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、キノキサリン、キナゾリン、カルバゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン(benzofuran)、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、ジベンゾフラン(dibenzofuran)またはジベンゾチオフェンであり、CY
1とCY
2は、選択的に(optionally)、単一結合または有機連結基(organic linking group)を介して互いに結合され、
R
81及びR
82は、互いに独立して、
水素、重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、−SF
5、置換もしくは非置換のC
1−C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2−C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2−C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1−C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3−C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1−C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3−C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6−C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6−C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6−C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1−C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、−N(Q
1)(Q
2)、−Si(Q
3)(Q
4)(Q
5)及び−B(Q
6)(Q
7)のうちから選択され、
a81及びa82は、互いに独立して、1〜5の整数のうちから選択され、
n81は、0〜4の整数のうちから選択され、
n82は1、2または3であり、
L
81は、一価有機リガンド、2価有機リガンドまたは3価有機リガンドである。
R
81及びR
82に係わる説明は、本明細書においてR
11に係わる説明を参照するものとする。
【0080】
リン光ドーパントは、下記の化合物PD1〜PD78及び化合物FIr6の内の少なくとも一つを含むが、それらに限定されるのではない。
【化147】
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【化148】
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【化149】
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【化150】
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【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【化157】
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【化158】
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【化159】
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【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【化161】
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【0081】
または、リン光ドーパントは、下記の化合物PtOEPを含む。
【化162】
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【0082】
発光層がホスト及びドーパントを含む場合、ドーパントの含量は、一般的に、ホスト100重量部ほどを基準にして、0.01〜20重量部程度の範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
発光層の厚みは、100Å〜1,000Å程度、例えば、200Å〜600Å程度でもある。発光層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。
【0083】
次に、発光層の上部に、電子輸送領域が配置される。
電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、及び電子注入層の内の少なくとも1層を含んでもよい。
例えば、電子輸送領域は、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、または電子輸送層/電子注入層の構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
電子輸送層は、単一層構造、または2以上の互いに異なる物質を含んだ多層構造を有することができる。
電子輸送領域の正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層の形成条件は、正孔注入層の形成条件を参照するものとする。
【0084】
電子輸送領域が正孔阻止層を含む場合、正孔阻止層は、例えば、下記に示す化合物BCP、化合物Bphenの内の少なくとも一つを含むが、それらに限定されるものではない。
【化163】
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【化164】
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【0085】
正孔阻止層の厚みは、20Å〜1,000Å程度、例えば、30Å〜300Å程度でもある。
正孔阻止層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔阻止特性を得ることができる。
【0086】
電子輸送層は、BCP、Bphen及び下記に示す化合物Alq3、化合物Balq、化合物TAZ及び化合物NTAZの内の少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0087】
または、電子輸送層は、下記に示す化合物ET1、ET2及び化合物ET3の内の少なくとも一つを含むが、それらに限定されるものではない。
【化166】
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【0088】
電子輸送層の厚みは、100Å〜1,000Å程度、例えば、150Å〜500Å程度でもある。
電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0089】
電子輸送層は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。
Li錯体は、例えば、下記に示す化合物ET−D1(リチウムキノレート(Liq))またはET−D2を含んでもよい。
【化167】
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【0090】
また、電子輸送領域は、第2電極19から電子の注入を容易にする電子注入層(EIL)を含んでもよい。
電子注入層は、LiF、NaCl、CsF、Li
2O及びBaOのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。
電子注入層の厚みは、1Å〜100Å程度、例えば、3Å〜90Å程度でもある。
電子注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0091】
有機層15の上部には、第2電極19が具備される。
第2電極19は、カソードでもある。第2電極19用物質としては、相対的に低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びそれらの組み合わせを使用することができる。
具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを、第2電極19形成用物質として使用することができる。
または、前面発光素子を得るために、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)を利用して、透過型第2電極19を形成することができるなど、多様な変形が可能である。
以上、有機発光素子について、
図1を参照して説明したが、それらに限定されるものではない。
【0092】
本明細書において、C
1−C
60アルキル基は、C
1−C
60線形または分枝型の脂肪族炭化水素一価(monovalent)基を意味し、具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチル基、ペンチル基、iso−アミル基、ヘキシル基などが含まれる。
本明細書において、C
1−C
60アルキレン基は、C
1−C
60アルキル基と同一構造を有する二価(divalent)基を意味する。
本明細書において、C
1−C
60アルコキシ基は、−OA
101(ここで、A
101は、C
1−C
60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0093】
本明細書において、C
2−C
60アルケニル基は、C
2−C
60アルキル基の中間または末端に、一つ以上の炭素二重結合を含んだ構造を有し、その具体的な例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。
本明細書において、C
2−C
60アルケニレン基は、C
2−C
60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、C
2−C
60アルキニル基は、C
2−C
60アルキル基の中間または末端に、一つ以上の炭素三重結合を含んだ構造を有し、その具体的な例としては、エチニル基(ethynyl)、プロピニル基(propynyl)などが含まれる。
本明細書において、C
2−C
60アルキニレン基は、C
2−C
60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0094】
本明細書において、C
3−C
10シクロアルキル基は、C
3−C
10一価飽和炭化水素単環基を意味し、その具体例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを含む。
本明細書において、C
3−C
10シクロアルキレン基は、C
3−C
10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、C
1−C
10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、P及びSのうちから選択された少なくとも一つのヘテロ原子を環形成原子として含んだC
1−C
10一価単環基を意味し、その具体例としては、テトラヒドロフラニル基(tetrahydrofuranyl)、テトラヒドロチオフェニル基などがある。
本明細書において、C
1−C
10ヘテロシクロアルキレン基は、C
1−C
10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0095】
本明細書において、C
3−C
10シクロアルケニル基は、C
3−C
10一価単環基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性(aromacity)を有さない基を意味し、その具体例としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などを含む。
本明細書において、C
3−C
10シクロアルケニレン基は、C
3−C
10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、C
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含んだC
1−C
10一価単環基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。
C
2−C
10ヘテロシクロアルケニル基の具体例としては、2,3−ヒドロフラニル基、2,3−ヒドロチオフェニル基などを含む。
本明細書において、C
1−C
10ヘテロシクロアルケニレン基は、C
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0096】
本明細書において、C
6−C
60アリール基は、C
6−C
60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C
6−C
60アリーレン基は、C
6−C
60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。
C
6−C
60アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含む。
C
6−C
60アリール基及びC
6−C
60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに融合されてもよい。
【0097】
本明細書において、C
1−C
60ヘテロアリール基は、N、O、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C
1−C
60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C
1−C
60ヘテロアリーレン基は、N、O、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C
1−C
60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。
C
1−C
60ヘテロアリール基の具体例としては、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを含む。
C
1−C
60ヘテロアリール基及びC
1−C
60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合されてもよい。
【0098】
本明細書において、C
6−C
60アリールオキシ基は、−OA
102(ここで、A
102は、C
6−C
60アリール基である)を示し、C
6−C
60アリールチオ基(arylthio)は、−SA
103(ここで、A
103は、C
6−C
60アリール基である)を示す。
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基(non−aromatic condensedpolycyclicgroup)は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み(例えば、C
8−C
60)、分子全体が非芳香族性(non−aromacity)を有する一価基を意味する。
非芳香族縮合多環基の具体例としては、フルオレニル基などを含む。
本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0099】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(non−aromatic condensed hetero polycyclicgroup)は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として、炭素(例えば、C
1−C
60)以外にN、O、P及びSのうちから選択されたヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性(non−aromacity)を有する一価基を意味する。
一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、カルバゾリル基などを含む。
本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0100】
本明細書において、置換されたC
3−C
10シクロアルキレン基、置換されたC
1−C
10ヘテロシクロアルキレン基、置換されたC
3−C
10シクロアルケニレン基、置換されたC
1−C
10ヘテロシクロアルケニレン基、置換されたC
6−C
60アリーレン基、置換されたC
1−C
60ヘテロアリーレン基、置換された二価非芳香族縮合多環基、置換された二価非芳香族ヘテロ縮合多環基、置換されたC
1−C
60アルキル基、置換されたC
2−C
60アルケニル基、置換されたC
2−C
60アルキニル基、置換されたC
3−C
10シクロアルキル基、置換されたC
1−C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3−C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6−C
60アリール基、置換されたC
6−C
60アリールオキシ基、置換されたC
6−C
60アリールチオ基、置換されたC
1−C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の内の少なくとも1つの置換基は、
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C
1−C
60アルキル基、C
2−C
60アルケニル基、C
2−C
60アルキニル基、C
1−C
60アルコキシ基、C
3−C
10シクロアルキル基、C
1−C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6−C
60アリール基、C
6−C
60アリールオキシ基、C
6−C
60アリールチオ基、C
1−C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(ただし、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基において、カルバゾリル基は除く)及び−Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)のうちから選択され、
Q
1〜Q
3、Q
11〜Q
13、Q
21〜Q
23、及びQ
31〜Q
33は、互いに独立して、水素、C
1−C
60アルキル基、C
1−C
60アルコキシ基、C
3−C
10シクロアルキル基、C
1−C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
1−C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6−C
60アリール基、C
1−C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(ただし、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基において、カルバゾリル基は除く)のうちから選択される。
本明細書において、「ビフェニル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。
【0101】
以下、本発明に係る縮合環化合物の合成例及び評価結果、及び有機発光素子の実施例を挙げ、本発明の一実施形態による縮合環化合物及び有機発光素子についてさらに具体的に説明する。
しかしながら、本発明は、下記の合成例及び実施例に限定されるものではない。
下記の合成例において、「『A』の代わりに『B』を使用」という表現において、「B」の使用量と「A」の使用量は、モル当量基準で同一である。
【0102】
《縮合環化合物の合成例》
〔合成例1:化合物28の合成〕
3−シアノカルバゾール(3−cyanocarbazole)10g(52mmol)、2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン(2,8−diomodibenzo[b,d]furan)14.2g、CuI 8.8g、K
2CO
3 15.9g及び1,10−フェナントロリン2.5gを、250mL 2口丸底フラスコに入れた後、DMF 150mLを追加した。
その後、150℃で28時間撹拌した後、反応物を冷却させ、MeOHを追加して固体を析出して濾過した。
そこから得た結果物をクロロホルム1Lと混合して加熱して溶解させた後、セライトパッド(celite pad)で濾過して得た濾液を減圧濃縮した。
そこから得た結果物をMC/Aceton条件で再結晶させ、化合物28(12.3g、43%の収率)を得た。
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:548.16,found[M+H
+]:549.16
【0103】
〔合成例2:化合物4の合成〕
2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、2,6−ジクロロピリジン(2,6−dichloropyridine)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物4(10.3g、61.6%の収率)を得た。
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:459.15,found[M+H
+]:460.15
【0104】
〔合成例3:化合物3の合成〕
3−シアノカルバゾールの代わりに、3,6−ジシアノカルバゾール(3,6−dicyanocarbazol)を使用し、2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、9−(3−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール(9−(3−bromophenyl)−9H−carbazole)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物3(10.9g、65.3%の収率)を得た。
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:458.15,found[M+H
+]:459.16
【0105】
〔合成例4:化合物6の合成〕
2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、3,3’−ジブロモ−1,1’−ビフェニル(3,3’−dibromo−1,1’−biphenyl)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物6(13.2、53.6%の収率)を得た。
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:534.18,found[M+H
+]:535.18
【0106】
〔合成例5:化合物29の合成〕
3−シアノカルバゾールの代わりに、3,6−ジシアノカルバゾールを使用し、2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、9−(8−ブロモジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)−9H−カルバゾール(9−(8−bromodibenzo[b,d]furan−2−yl)−9H−carbazole)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物29(11.7、64.4%の収率)を得た。
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:548.16,found[M+H
+]:549.16
【0107】
〔合成例6:化合物1の合成〕
3−シアノカルバゾールの代わりに、3,6−ジシアノカルバゾールを使用し、2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、9−(3’−ブロモ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール(9−(3’−bromo−[1,1’−biphenyl]−3−yl)−9H−carbazole)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物1(12.5、60.8%の収率)を得た。
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:534.18,found[M+H
+]:535.17
【0108】
〔合成例7:化合物5の合成〕
3−シアノカルバゾールの代わりに、3,6−ジシアノカルバゾールを使用し、2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、9−(6−クロロピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール(9−(6−chloropyridin−2−yl)−9H−carbazol)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物5(9.8g、58.6%の収率)を得た。
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:459.15,found[M+H
+]:460.16
【0109】
〔合成例8:化合物2の合成〕
2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フランの代わりに、1,3−ジクロロベンゼン(1,3−dichloroa benzene)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物2(10.5g、57.8%の収率)を得た。
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:458.15,found[M+H
+]:459.16
【0110】
〔合成例9:化合物24の合成〕
2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン(2,8−diomodibenzo[b,d]furan)の代わりに、2,8−ジブロモジベンゾ[b,d]チオフェン(2,8−diomodibenzo[b,d]thiophene)を使用したという点を除いては、合成例1と同一の方法を利用して、化合物24(10.3g、73.4%の収率)を得た。
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
Calc.:564.14,found[M+H
+]:565.14
【0111】
《評価》
〔評価例1:HOMO、LUMO及び三重項(T
1)のエネルギーレベル評価〕
下記に示す表2の方法によって、化合物4、28、6、5、3、及び2のHOMO、LUMO及びT
1のエネルギーレベルを評価し、その結果を下記に示す表3に示した。
【0112】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
表3から、化合物4、28、6、5、3、及び2は、有機発光素子用材料として使用するのに適する電気的特性を有するということを確認することができる。
【0114】
〔評価例2:熱的特性評価〕
化合物4、28、6、5、3、2、及びAに対して、TGA(thermo gravimetric analysis)及びDSC(differential scanning calorimetry)を利用して、熱分析(N
2雰囲気、温度区間:常温〜800℃(10℃/min)−TGA、常温から400℃まで−DSC、pan type:一回使用(disposable)Al pan内のPt pan(TGA)、一回使用Al pan(DSC))を行い、その結果を下記に示す表4にまとめた。
表4によれば、化合物4、28、6、5、3、及び2は、化合物Aに比べ、優秀な熱安定性を有するということを確認することができる。
【0115】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0116】
〔評価例3:薄膜耐熱性特性の評価〕
ガラス基板上に、化合物mCP、化合物A、及び化合物4を、それぞれ真空蒸着し、500Å厚のmCP−薄膜、化合物A−薄膜、及び化合物4−薄膜を形成した。
化合物mCP−薄膜、化合物A−薄膜、及び化合物4−薄膜がそれぞれ形成されたガラス基板を、大気雰囲気(50%の相対湿度)下の80℃のホットプレート上に装着した後、10分ごとに20℃ずつ昇温させつつ、薄膜表面の状態を観察した結果を
図2に示す。
【0117】
図2によれば、ホットプレートの温度が120℃になる時点で、mCP−薄膜表面には、暗点が発生するということを確認することができ、化合物A−薄膜表面には、結晶化が進むということを確認することができるが、化合物4−薄膜は、140℃になる時点でも、暗点及び結晶化なしに安定しているということを確認することができる。
これにより、化合物4−薄膜は、優秀な薄膜耐熱性を有するということを確認することができる。
【0118】
《有機発光素子の実施例及び評価》
〔実施例1〕
1,500Å厚のITO電極(第1電極、アノード)が形成されたガラス基板を、蒸溜水超音波で洗浄した。
蒸溜水洗浄が終われば、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄を行って乾燥させた後、プラズマ洗浄機に移送させた後、酸素プラズマを利用して、ガラス基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機にガラス基板を移送した。
【0119】
ガラス基板のITO電極上に、化合物HT3と化合物HP−1とを共蒸着し、100Å厚の正孔注入層を形成した後、正孔注入層上に、化合物HT3を蒸着し、1,300Å厚の正孔輸送層を形成し、正孔輸送層上にmCPを蒸着し、150Å厚の電子阻止層を形成し、正孔輸送領域を形成した。
正孔輸送領域上に、化合物4(ホスト)及び化合物FIr6(ドーパント、10wt%)を共蒸着し、300Å厚の発光層を形成した。
発光層上に、化合物BCPを真空蒸着し、100Å厚の正孔阻止層を形成し、正孔阻止層上に、化合物ET3とLiq(リチウムキノレート)とを共に真空蒸着し、250Å厚の電子輸送層を形成した後、電子輸送層上にLiqを蒸着し、5Å厚の電子注入層を形成し、電子注入層上に、1,000Å厚のAl第2電極(カソード)を形成することにより、有機発光素子を製作した。
【0120】
〔実施例2〜4、並びに比較例1〜5〕
発光層の形成時、ホストとして、化合物4の代わりに、下記に示す表5に記載した化合物を使用したという点を除いては、実施例1と同一の方法を利用して、有機発光素子を製作した。
【0121】
〔評価例4:有機発光素子の特性評価〕
実施例1〜3、及び比較例1〜5で製造されたそれぞれの有機発光素子に対して、駆動電圧、電流密度、効率、電力効率、量子効率及び寿命を、電流−電圧計(Keithley 2400)及び輝度計(Minolta Cs−1000A)を利用して測定し、その結果を下記に示す表5にまとめた。
また、実施例1〜3と、及び比較例1,2の輝度−効率グラフ、電圧−電流密度グラフ及び時間−輝度グラフは、それぞれ
図3、
図4、及び
図5に示した。
表5において、T
95(500cd/m
2において)は、初期輝度100%を基準に、95%の輝度になるのにかかる時間を評価した寿命データである。
【0122】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0123】
表5、及び
図3〜5から、実施例1〜3の有機発光素子は、比較例1〜5の有機発光素子に比べ、低駆動電圧、高電流密度、高効率、高電力、高輝度、高量子発光効率及び長寿命を有するということを確認することができる。
また、特定理論によって限定されものではないが、化合物C、Dをそれぞれ採用した比較例3、4は、化合物C、Dの低いT
1エネルギーレベルにより、発光層において、ドーパントへの円滑なエネルギー転移が行われず、実施例1〜3の有機発光素子に比べ、低い量子効率を有するということを確認することができる。
【0124】
尚、本発明は、上述の実施形態、実施例に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。