(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649843
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】光回路
(51)【国際特許分類】
G02B 6/122 20060101AFI20200210BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
G02B6/122
G02B6/122 311
G02B6/30
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-97427(P2016-97427)
(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公開番号】特開2017-203966(P2017-203966A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2018年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】591230295
【氏名又は名称】NTTエレクトロニクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 智浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 照明
(72)【発明者】
【氏名】石井 元速
(72)【発明者】
【氏名】今野 悟
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】長島 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】美野 真司
(72)【発明者】
【氏名】浅川 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩
(72)【発明者】
【氏名】亀井 新
(72)【発明者】
【氏名】相馬 俊一
(72)【発明者】
【氏名】都築 健
(72)【発明者】
【氏名】碓氷 光男
(72)【発明者】
【氏名】才田 隆志
【審査官】
奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−024439(JP,A)
【文献】
特開2001−324647(JP,A)
【文献】
特開平05−113517(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0156369(US,A1)
【文献】
特開平04−163405(JP,A)
【文献】
特開平07−128545(JP,A)
【文献】
特開2002−228863(JP,A)
【文献】
実開平04−091311(JP,U)
【文献】
特開2005−148538(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0177995(US,A1)
【文献】
山田 浩治 K. Yamada、他,チップ上光インターコネクションへむけたシリコン細線光導波路技術 Silicon photonic wire waveguides for,2006年(平成18年)秋季 第67回応用物理学会学術講演会講演予稿集 第0分冊 Extended Abstracts,(社)応用物理学会,2006年 8月29日,p.107,31p-ZT-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12−6/14,6/30
JSTPlus(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiコアおよびSiO2クラッドからなる光導波路を有するSiフォトニクス光波回路であって、前記光導波路は、出射端面において前記出射端面に垂直な方向に対して斜め傾け角度を有している、Siフォトニクス光波回路と、
前記光導波路と同じ斜め傾け角度で光ファイバアレイを固定する光ファイバブロックと、
を備え、
前記光導波路の前記出射端面における中心は、前記Siフォトニクス光波回路の前記出射端面を含む側面の中心よりも前記光導波路が傾いている方向にシフトしている光モジュールであって、
前記光ファイバアレイは、前記Siフォトニクス光波回路を搭載している前記光モジュールと、同一ボード上で前記出射端面を含む側面と対向して配置された別のモジュールとの間で、当該別のモジュールと重ならないよう曲げられていることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路の出射端面は、前記Siフォトニクス光波回路の実装面に対して垂直であることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路は、複数の光導波路が平行に配置された光導波路アレイであることを特徴とする請求項1または2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路は、前記Siコアの幅が前記出射端面に向けて細くなるテーパ部からなるスポットサイズ拡大部を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記斜め傾け角度は、5度以上50度以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路は、前記Siコアの幅が前記出射端面に向けて細くなるテーパ部の先端に幅が一定な導波路を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバとの接続を有するSiフォトニクス光波回路を含む光回路に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、Siフォトニクス素子を用いた光モジュール、例えば、光変調器、光受信機、両者を組み合わせたコヒーレント光サブアッセンブリ(COSA)等の開発が盛んに行われている。Siフォトニクス素子は、半導体として広く使用され、シリコン酸化膜やポリマーに比べ屈折率が非常に大きいシリコンをコア材料に用いた微小な光導波路を作製した光波回路からなる。このSiコアからなる光導波路は、従来PLCより比屈折率が10倍以上高く、モードフィールド径(Mode field diameter:MFD)は1/10以下でミクロンオーダの閉じ込めが強く、最小曲げ半径が小さい(〜5μm)。そのためSiフォトニクス素子自体が、従来光デバイスに比べ超小型の特徴があり、従来以上に、小型高密度な光トランシーバ等の光モジュールの実現が期待されている。
【0003】
そのSiフォトニクス素子、小型光部品は、LDモジュール等、他の光ファイバピグテールモジュールと組み合わせ用いられることが多く、個々のモジュールのみならず、各モジュールを、光ファイバ等で接続し組み合わせて実装するサブボード、あるいはそれらを収容するケース、例えばCFP2等のサイズに制約のあるケースの、全体の小型化が求められている。
【0004】
Siフォトニクス素子の光導波路のSiコアは、SiO
2膜により形成されたコアより細く、サブミクロンオーダー角である。このような細い光導波路は、通常の光ファイバとそのまま接続すると光結合損失が大きいので、光導波路端から出射される光のモードフィールド径を拡大する必要がある。
【0005】
即ち、Siフォト回路内は曲率半径5μm程度で集積されて機能の高密度化が進み、光ファイバや電気回路の多アレイ化が進んでいる一方で、光ファイバの曲率は例えば15mm程度であり、Siフォトニクス光波回路を小型すると共に、外部光ファイバの取り回し部も含むモジュール群も同様に小型にする必要がある。
【0006】
図11に、従来のSiフォトニクス素子の典型例を示す。同一のボード1101に2つのパッケージモジュール1102、1105が実装されている。ここではSiフォトニクス光波回路1103は20mm角であり、30mm角のパッケージモジュール1102に実装されている。そしてSiフォトニクス光波回路1103から図右側で、固定した光ファイバ2心フェレール(8×10mm)1104で固定された光ファイバアレイ1106と接続している。Siフォトニクス光波回路1103の2心の光導波路を光ファイバアレイ1106と接続する手段としては、レンズを介してYAG溶接で光ファイバフェルールを固定する方法や、メタルコートした光ファイバを半田固定する方法等がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Jaime Cardenas, “High Coupling Efficiency Etched Facet Tapers in Silicon Waveguides,” IEEE Photon. Lett., Vol.26, p.2380, 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここでSiフォトニクス光波回路1103の光導波路は右側辺に垂直であり、光ファイバアレイ1106も右側辺に対して垂直に接続されているため、光ファイバアレイ1106が右側光モジュール1105と接触する。また、通常、放熱等でパッケージモジュール1102、1105の基板面に対して垂直方向には光ファイバを通すための空間はなく、パッケージモジュールと光ファイバとは重ねられない。そのため、光ファイバを図のようにパッケージモジュール1105の周囲を通すためには、光ファイバの曲率15mmも考慮して、パッケージモジュール1102、1105は一定距離離してレイアウトする必要がある。レイアウトの一例では、パッケージモジュール1102、1105間は27mm以上の間隔を空ける必要があった。
【0009】
このように、従来、Siフォトニクス光波回路を含むモジュールに光ファイバを接続する場合、モジュール間の間隙がモジュールサイズと同程度に大きく、これらモジュールを小型にレイアウトできないという課題があった。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光ファイバアレイとの接続を有する、高密度に実装可能な光回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は、光回路であって、SiコアおよびSiO
2クラッドからなる光導波路を有するSiフォトニクス光波回路であって、前記光導波路は、出射端面において前記出射端面に垂直な方向に対して斜め傾け角度を有し、前記光導波路の前記出射端面における中心は、前記Siフォトニクス光波回路の前記出射端面を含む側面の中心よりも前記光導波路が傾いている方向にシフトしている、Siフォトニクス光波回路と、前記光導波路と同じ斜め傾け角度で光ファイバアレイを固定する光ファイバブロックと、を備えたことを特徴する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光回路において、前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路の出射端面は、前記Siフォトニクス光波回路の実装面に対して垂直であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光回路において、前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路は、複数の光導波路が平行に配置された光導波路アレイであることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の光回路において、前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路は、前記Siコアの幅が前記出射端面に向けて細くなるテーパ部からなるスポットサイズ拡大部を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光回路において、前記斜め傾け角度は、5度以上50度以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の光回路において、前記Siフォトニクス光波回路の前記光導波路は、前記Siコアの幅が前記出射端面に向けて細くなるテーパ部の先端に幅が一定な導波路を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、光ファイバアレイとの接続を有する光回路を高密度に実装することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態1に係る光回路の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態2に係る光回路の構成を示す図である。
【
図3】
図2の構成を2つ同一シャーシ301上に実装した構成を示す図である。
【
図4】(a)は、Siフォトニクス光波回路の光導波路と光ファイバブロックの接続部を示す図であり、(b)は、光ファイバの最小曲げ半径を15mmとした場合の斜め傾け角度θに対するモジュール間隔を示す図である。
【
図5】(a)は、Siフォトニクス光波回路の光導波路と光ファイバブロックの接続部を示す図であり、(b)は、光ファイバの最小曲げ半径を5mmとした場合の斜め傾け角度θに対するモジュール間隔を示す図である。
【
図6】(a)は、Siフォトニクス光波回路の光導波路アレイの拡大図を示す図であり、(b)はSiフォトニクス光波回路の光導波路アレイの断面図を示す図である。
【
図7】(a)、(b)はスポットサイズ変換部の構成を示す図である。
【
図8】(a)、(b)はテーパ先端に幅が一定な構造を有するスポットサイズ変換部の構成を示す図である。
【
図9】MFD:1.0μmのSi光導波路と、MFD:5.0μmのSiフォトニクス光波回路の光導波路との反射損失の光導波路角度依存性を示す図である。
【
図10】Siフォトニクス光波回路の光導波路のスポットサイズ拡大による結合損失低減効果を示す図である。
【
図11】従来のSiフォトニクス素子の典型例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1に、本発明の実施形態1に係る光回路の構成を示す。本実施形態では、
図11の構成と同様に、ボード101に2つの30mm角のパッケージモジュール102、105が実装され、パッケージモジュール102に実装された20mm角のSiフォトニクス光波回路103の光導波路と光ファイバブロック(15×10mm)104に固定された光ファイバアレイ106とが接続されている。また、Siフォトニクス光波回路103の光導波路の出射端面は、ボード101とパッケージモジュール102が接する面であるパッケージモジュール102の実装面、又は、パッケージモジュール102とSiフォトニクス光波回路103とが接するSiフォトニクス光波回路103の実装面に対して垂直である。ここで中心導波路、又は両端の光導波路間の中心の端面上の位置は、従来例との比較のため、
図11の構成と同様にパッケージモジュール102の出射端面にあたる右側辺の中心(上下から15mmの点)とした。
【0021】
一方、本実施形態では、Siフォトニクス光波回路103の光導波路を右側端面に垂直な方向から、適当な角度、例えば20度傾けている。そして、光ファイバブロック104も、各光ファイバをSiフォトニクス光波回路103と接続する端面に垂直な方向から20度傾けて固定している。
【0022】
後述のように、ここでSiフォトニクス光波回路103の光導波路は端面でMFDを拡大し、光ファイバと同じフィールド径にしている。そのため、Siフォトニクス光波回路103の光導波路と光ファイバは、接続端面に垂直な方向から同一傾け角度を有し、同一直線上での接続が可能である。このようなSiフォトニクス光波回路103、光ファイバブロック104を用いることにより、パッケージモジュール102、105間のパッケージ間のギャップは16mmと、
図11に示す従来例の27mmに比べ大幅に低減でき、パッケージモジュール長30mmの約半分に低減することができる。
【0023】
(実施形態2)
図2に、本発明の実施形態2に係る光回路の構成を示す。本実施形態では、実施形態1と同様に、シャーシ201に2つの30mm角のパッケージモジュール202、205が実装され、パッケージモジュール202に実装された20mm角のSiフォトニクス光波回路203の光導波路と光ファイバブロック(15×10mm)204に固定された光ファイバアレイ206とが接続されている。
【0024】
実施形態2では、Siフォトニクス光波回路の光導波路位置をパッケージモジュール中央付近から光導波路を傾けた側(図上側)にシフトさせることによって、実施形態1の構成よりもさらにパッケージ間のギャップを狭くしている。
図2に示すように、Siフォトニクス光波回路203の中心導波路を、パッケージモジュール202の出射端面にあたる右側辺の中心から図上側に5mmシフトさせ、光ファイバブロック204も同様に図上側に5mmシフトさせた。これにより、パッケージモジュール202、205間は16mmから11mmに短縮できる。
【0025】
図3に、
図2の構成を2つ同一シャーシ301上に実装した構成を示す。このように、本発明の光回路を用いることにより、より高密度な実装が可能になる。
【0026】
ここで
図4(a)に、Siフォトニクス光波回路の光導波路と光ファイバブロックの接続部を示し、
図4(b)に、斜め傾け角度θに対するモジュール間隔を示す。
図4(b)の結果は、光導波路および光ファイバの斜め傾け角度をθ、光導波路出射位置の点線からの距離をXとし、光ファイバの最小曲げ半径を15mmとして計算によって求めた。光ファイバが最小曲げ半径をもつ
のは、モジュール間ギャップを最小化するため、少なくとも、光ファイバブロックからのびて最初の2箇所の曲げである、パッケージモジュール間の曲げにおいてである。
図1に示す構成はX=0mm、θ=20度に対応し、
図2に示す構成はX=5mm、θ=20度に対応する。
【0027】
ここで実際のボードや100Gb/s伝送用の光トランシーバ規格の一つである第2世代のCFP2(幅41.5mm×長さ106mm×高さ12.4mm)といったシャーシにモジュールを納めるには、1mmでもボードサイズを低減するよう要請されることもある。
図4(b)に示す通り、パッケージモジュールの中心位置(X=0mm)からシフトし、光導波路出射位置のシフト方向と同一方向に光導波路を傾けた場合に光モジュール間隔を低減することが可能である。さらに、5度以上に光導波路を傾けることが小型化のためにはより好適である。
【0028】
一方、50度以上、光導波路が傾いていると、接着層厚の変動等により光軸ズレにつながるリスクがある。
【0029】
そのため、光導波路角度については、5度から50度傾けることにより、光モジュール間のモジュール間隔を狭めることができ、高密度ボードを作製するのにより有利である。
【0030】
図5(a)に、Siフォトニクス光波回路の光導波路と光ファイバブロックの接続部を示し、
図5(b)に、光ファイバの最小曲げ半径を5mmとした場合の斜め傾け角度θに対するモジュール間隔を示す。この場合も、光ファイバが最小曲げ半径をもつは、モジュール間ギャップを最小化するため、少なくとも、光ファイバブロックからのびて最初の2箇所の曲げである、パッケージモジュール間の曲げにおいてであり、最小曲げ半径が15mmの場合と同様の効果が得られる。
【0031】
<スポットサイズ変換部>
図6(a)に、Siフォトニクス光波回路の光導波路アレイの拡大図を示す。また、
図6(b)にSiフォトニクス光波回路の光導波路アレイの断面図を示す。Si基板401上にSiコア402、SiO
2クラッド403からなる光導波路が形成されており、各光導波路幅は、500
nm、テーパ部長は100μm、テーパ部の先端の幅は約160
nmである(非特許文献1参照)。このスポットサイズ変換部により、出射端面付近でMFDは、5.0μmに広がる。
【0032】
尚、このスポットサイズ変換部は、
図7(a)のように先端にガラス(ここでは6μm厚ガラス)があってもよいし、研磨、あるいはダイシング等の手段で加工して
図7(b)のような形状でもよい。
【0033】
但し、
図7(b)のような構造の場合、加工位置のばらつきにより、端面位置にばらつきが生じると、それに伴ってテーパ先端幅にもばらつきが生じて、出射MFDがばらつくリスクがある。そこで、
図8(a)に示すようにテーパ先端に幅が一定な構造を設ける。このような構造では、幅が一定な構造部分において研磨等の加工をすれば、右側からの削り深さにばらつきがあっても、加工後の出射端面における光導波路の幅は一定になる。この構造では、加工位置にばらつきがあってもMFDが設計値からずれない、スポットサイズ拡大が可能である。
【0034】
従来のこのような形状のスポットサイズ拡大部は、空間のレンズ結合に限ったものは提案されているが、光導波路毎に調心等が必要になるため、光導波路アレイに対してこのような構造を適用するのは容易ではなく、製造コストも高くなる(非特許文献1参照)。
【0035】
それに対して実施形態1に記載した、UV接着固定を用いた方法は、石英系光導波路でも数十心までの商品を製造した実績があり、低コストで高信頼である。
【0036】
<Siフォトニクス光波回路−光ファイバ、斜め導波路、反射防止効果>
このスポットサイズ拡大の効果は、反射損失を高くして有害な反射戻り光を抑える効果もある。
図9に、スポットサイズがほとんど拡大されていないMFD:1.0μmのSi光導波路と、MFD:5.0μmのSiフォトニクス光波回路の光導波路との反射損失の光導波路角度依存性を示す。
図9に示す結果は、単純に、入射、反射ビームの、Siフォトニクス光波回路の光導波路と接着剤との手前界面の反射(ガウス結合)で計算し、それに垂直のフレネル反射をdB加算した。
【0037】
計算条件は、波長1.55μm、Siフォトニクス光波回路の光導波路の出射部での等価屈折率1.455とした。これは反射の計算で、斜め傾き角度が5度で反射損が30dB以上になると仮定して決めた値である。また、UV接着剤の屈折率は1.45、Siフォト出射のMFDは5.0μm(スポットサイズ2.5μm)とした。
【0038】
このようにMFDを拡大すると反射損が増大する。通常30dB以上が望ましいため、導波路角度は5度以上が必要である。
【0039】
このような端面の反射防止には、反射防止膜(AR膜)も用いられるが、屈折率と膜厚を厳密に制御した多層膜形成であり、コストと時間を要する。加えて、波長依存性もあるため、使用波長帯に合わせた薄膜を形成する必要がある。これに対し、本発明の斜め導波路の方法は、レンズレスで、かつアレイ一括接続が可能でありながら、低コストで波長依存性のない優れた反射防止効果を奏する。
【0040】
<Siフォトニクス光波回路−光ファイバ、SSC拡大、損失低減効果>
図10に、Siフォトニクス光波回路の光導波路のスポットサイズ拡大による結合損失低減効果を示す。計算条件は、波長1.55μm、Siフォトニクス光波回路の光導波路スポットサイズ2.5μm、光ファイバスポットサイズ4.0μm(DSFファイバ典型値)、Siフォトニクス光波回路−光ファイバ間の間隔は10μmとした。このようにスポットサイズを拡大することにより、結合損失を大幅に低減することができる。
【符号の説明】
【0041】
101 ボード
102、105 パッケージモジュール
103 Siフォトニクス光波回路
104 光ファイバブロック
106 光ファイバアレイ
201、301−1、302−2 シャーシ
202、205、302−1、302−2、305−1、305−2 パッケージモジュール
203、303−1、303−2 Siフォトニクス光波回路
204、304−1、304−2 光ファイバブロック
206、306−1、306−2 光ファイバアレイ
401 Si基板
402 Siコア
403 SiO
2クラッド
1101 ボード
1102、1105 パッケージモジュール
1103 Siフォトニクス光波回路
1104 光ファイバブロック
1106 光ファイバアレイ