特許第6651699号(P6651699)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6651699
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】側面発光型発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20200210BHJP
【FI】
   H01L33/62
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-39535(P2015-39535)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-162867(P2016-162867A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】林 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】武市 篤
【審査官】 百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−032738(JP,A)
【文献】 特開2006−019313(JP,A)
【文献】 特開2007−266222(JP,A)
【文献】 特開2014−203889(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0217046(US,A1)
【文献】 特開2007−306002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H01L 23/28−23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極を同じ面側に設けた発光素子と、
前記発光素子を収納するための凹部を正面に有し、短手方向に設けられた上面と下面と、長手方向に設けられた一対の側面とを有する樹脂製のハウジングと、
前記凹部内に表出された一方の端部において前記発光素子の電極と電気的かつ物理的に接続され、他方の端部を前記ハウジングの下面から外部に表出させた金属の一対のリード電極と
を備える発光装置の製造方法であって、
前記一対のリード電極となる部分及び一対のハンガーリードとなる部分を有するリードフレームを準備する工程と、
前記リードフレームに、該リード電極となる部分を埋設し、ハンガーリードとなる部分と接触した状態で前記ハウジングを成型する工程と、
前記リードフレームと前記ハウジングの下面側の前記リード電極となる部分とを分離する工程と、
前記リードフレームに前記一対のハンガーリードでもって前記ハウジングの側面を保持した状態で、前記凹部内のリード電極に発光素子をフリップチップ実装する工程と
を、この順に含んでなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置の製造方法であって、
前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持した状態において、前記ハンガーリードは前記ハウジングの側面に形成された一対の保持部に嵌合していることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記リード電極に発光素子をフリップチップ実装する工程が、
半田を用いて前記発光素子を前記リード電極にフリップチップ実装してなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記半田が、ペースト状の半田を実装面に供給されてなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一に記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記リードフレームは、前記リード電極と、前記ハンガーリードとが、略同一平面上に設けられてなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する状態が、
前記ハウジングの外面を構成する面の内、長手方向において対向する側面において、一方の側面を保持する第一の位置と、該位置と対応する他方の側面上の位置からオフセットされた第二の位置とを、前記ハンガーリードで保持してなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一に記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する状態が、
前記ハウジングの外面を構成する面の内、長手方向において対向する側面において、前記ハンガーリードの先端を傾斜させて各側面の表面から嵌合された状態にて保持してなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一に記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する工程が、
前記ハウジングの上面と下面とを、前記ハンガーリードで保持してなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の側面発光型発光装置の製造方法であって、
前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する工程が、
前記ハンガーリードの先端を屈曲させて、前記ハウジングに沿わせた状態にて保持してなることを特徴とする側面発光型発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード電極に発光素子等の半導体素子を実装した側面発光型の発光装置の製造方法に関し、例えば液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる薄型の発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)等の発光素子を用いた側面発光型の発光装置として、発光素子や保護素子等の電子部品と、発光素子等と電気的に接続される正負一対のリード電極と、それらを保持する樹脂製のパッケージ(ハウジング)とを有するものが知られている。
【0003】
このような側面発光型発光装置は、近年の光出力の向上の要求に伴い、より光取り出し効率を高めることが求められている。このとき、発光素子をワイヤで実装する構成よりも、ワイヤを使用しないことで光取り出しを高めたフリップチップ実装を採用することが考えられる。例えば特許文献1においては、同一面側に正電極と負電極とを有する発光素子をフリップチップ実装する構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−34292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような側面発光型発光装置を製造するには、図15に示すように金属のリードフレーム1524に、樹脂ハウジング1510を形成する。成形された樹脂ハウジング1510は、リード電極1520と一体に形成されている。そして、この状態で発光素子を樹脂ハウジング1510内に実装するために、半田を加熱して共晶やリフローなどによって発光素子をリード電極1520に固定している。
【0006】
しかしながら、このように発光素子の実装時には半田などを加熱する必要があるところ、この際の熱によって樹脂ハウジングが変形されてしまうという問題があった。例えば、共晶に用いるAu−Snは溶融温度が約280℃であるため、樹脂ハウジングを構成する樹脂が変形する。この際、仮に樹脂ハウジングを単体で加熱すると、樹脂が上下左右に膨張する。しかしながら、リードフレームのリード電極で樹脂ハウジングを固定した状態で加熱すると、樹脂ハウジングがリード電極で固定される結果、横長の樹脂ハウジングが谷状に撓み、変形してしまう。特に樹脂ハウジングは、リード電極を挟んで発光面側よりも発光面側と反対側の面側の樹脂量が多いため、発光装置の背面方向への膨張が大きくなり、樹脂ハウジング全体が凹状に歪んだ状態となることが判明した。このような樹脂ハウジングの変形が生じると、製品の歩留まりが低下することとなって望ましくない。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、加熱時のリードフレームの変形を抑制して発光素子の実装性を向上させた側面発光型発光装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
以上の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、一対の電極を同じ面側に設けた発光素子と、前記発光素子を収納するための凹部を正面に有し、短手方向に設けられた上面と下面と、長手方向に設けられた一対の側面とを有する樹脂製のハウジングと、前記凹部内に表出された一方の端部において前記発光素子の電極と電気的かつ物理的に接続され、他方の端部を前記ハウジングの下面から外部に表出させた金属の一対のリード電極とを備える発光装置の製造方法であって、前記一対のリード電極となる部分及び一対のハンガーリードとなる部分を有するリードフレームを準備する工程と、前記リードフレームに、該リード電極となる部分を埋設し、ハンガーリードとなる部分と接触した状態で前記ハウジングを成型する工程と、前記リードフレームと前記ハウジングの下面側の前記リード電極となる部分とを分離する工程と、前記リードフレームに前記一対のハンガーリードでもって前記ハウジングの側面を保持した状態で、前記凹部内のリード電極に発光素子をフリップチップ実装する工程とを、この順に含むことができる。これにより、リード電極を切り離すことで、リード電極からリードフレームにかかる熱膨張を低減できるため、ハウジングとリード電極の変形を抑制することができ、発光素子を歩留まりよく実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る側面発光型発光装置を示す概略斜視図である。
図2図2A図1に示す側面発光型発光装置の側面をハンガーリードで保持した状態を示す概略正面図、図2B図2Aの概略断面図である。
図3】立体配線を用いた発光素子の概略平面図である。
図4図3のIV−IV線における概略垂直断面図である。
図5】発光素子の電極とリード電極との間の隙間を示す概略水平断面図である。
図6図6A〜Dはハウジング付きリードフレームの製造工程を示す概略断面図である。
図7】ハウジング付きリードフレームの概略斜視図である。
図8】ハンガーリード付きリードフレームの切断位置を示す概略斜視図である。
図9】ハウジング付きリードフレームに発光素子を実装した状態を示す概略平面図である。
図10】実施形態2に係る側面発光型発光装置の側面をハンガーリードで保持した状態を示す概略正面図である。
図11図11Aは実施形態3に係る側面発光型発光装置の側面をハンガーリードで保持した状態を示す概略正面図、図11B図11Aの概略断面図である。
図12図12Aは実施形態4に係る側面発光型発光装置の側面をハンガーリードで保持した状態を示す概略正面図、図12B図12Aの概略断面図である。
図13図13Aは実施形態5に係る側面発光型発光装置の側面をハンガーリードで保持した状態を示す概略正面図、図13B図13Aの概略断面図である。
図14図14は実施形態6に係る側面発光型発光装置の側面をハンガーリードで保持した状態を示す概略正面図である。
図15】従来の側面発光型発光装置の製造時における樹脂ハウジングがハンガーリードでリードフレームに保持された状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための側面発光型発光装置の製造方法を例示するものであって、本発明は側面発光型発光装置の製造方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一つの部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一つの部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0011】
本発明の第1の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、上述の通り、一対の電極を同じ面側に設けた発光素子と、前記発光素子を収納するための凹部を正面に有し、上面と下面と一対の側面とを有する樹脂製のハウジングと、前記凹部内に表出された一方の端部において前記発光素子の電極と電気的かつ物理的に接続され、他方の端部を前記ハウジングの外部に表出させた金属の一対のリード電極とを備える発光装置の製造方法であって、前記一対のリード電極となる部分及び一対のハンガーリードとなる部分を有するリードフレームを準備する工程と、前記リードフレームに、該リード電極となる部分を埋設し、ハンガーリードとなる部分と接触した状態で前記ハウジングを成型する工程と、前記リードフレームと前記リード電極となる部分とを分離する工程と、前記リードフレームに前記一対のハンガーリードでもって前記ハウジングを保持した状態で、前記凹部内のリード電極に発光素子をフリップチップ実装する工程とを、この順に含むことができる。これにより、リード電極を切り離すことで、リード電極からリードフレームにかかる熱膨張を低減できるため、ハウジングとリード電極の変形を抑制することができ、発光素子を歩留まりよく実装することができる。
【0012】
また、第2の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持した状態において、前記ハンガーリードを前記ハウジングの側面に形成された一対の保持部に嵌合させることができる。
【0013】
さらに、第3の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記リード電極に発光素子をフリップチップ実装する工程を、半田を用いて前記発光素子を前記リード電極にフリップチップ実装させる工程とできる。
【0014】
さらにまた、第4の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記半田として、ペースト状の半田を実装面に供給させることができる。
【0015】
さらにまた、第5の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記リードフレームは、前記リード電極と、前記ハンガーリードとが、略同一平面上に設けられている。
【0016】
さらにまた、第6の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する状態が、前記ハウジングの外面を構成する面の内、長手方向において対向する側面において、一方の側面を保持する第一の位置と、該位置と対応する他方の側面上の位置からオフセットされた第二の位置とを、前記ハンガーリードで保持することができる。これにより、ハウジングの両側を、側面発光型発光装置の製造時にハウジングを保持するハンガーリードの保持位置として利用でき、実装性を向上できる。また、ハンガーリードでハウジングの側面を突っ張ることにより、ハウジングに発光素子を共晶で実装する際等に、樹脂製のハウジングが側面方向に膨張することを抑制できる。加えて、ハンガーリードの固定位置をオフセットさせることで、ハンガーリードをオフセットさせて保持することにより、熱でハウジングが変形、拡張しようとする事態を、保持位置をオフセットさせたことで応力を分散させて抑制できる。
【0017】
さらにまた、第7の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する状態が、前記ハウジングの外面を構成する面の内、長手方向において対向する側面において、前記ハンガーリードの先端を傾斜させて各側面の表面から嵌合された状態にて保持することができる。これにより、ハウジングの両側を、側面発光型発光装置の製造時にハウジングを保持するハンガーリードの保持位置として利用でき、実装性を向上できる。
【0018】
さらにまた、第8の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する工程が、前記ハウジングの上面と下面とを、前記ハンガーリードで保持することができる。
【0019】
さらにまた、第9の側面に係る側面発光型発光装置の製造方法によれば、前記ハンガーリードでもって前記ハウジングを保持する工程が、前記ハンガーリードの先端を屈曲させて、前記ハウジングに沿わせた状態にて保持することができる。これにより、ハウジングの両側を、側面発光型発光装置の製造時にハウジングを保持するハンガーリードの保持位置として利用でき、実装性を向上できる。また、ハンガーリードをハウジングの側面において奥行き方向に延長させたことで、ハンガーリードの先端を折曲させて側面表面に沿わせるようにして保持でき、押圧部分の面積を広くして圧力を低減させることにより、変形を抑制できる。
(実施形態1)
【0020】
本発明の実施形態1に係る側面発光型発光装置100の概略斜視図を図1に、またこの側面発光型発光装置100の製造時において、側面18をハンガーリード26で保持した状態の概略正面図を図2Aに、概略断面図を図2Bに、それぞれ示す。これらの図に示す側面発光型発光装置100は、扁平な略直方体状のハウジング10と、ハウジング10の下面16から側面18に沿って曲げられるリード電極20とを備えている。ハウジング10の正面は発光面19になっており、長手方向と短手方向を有する。また発光面19に開口されて背面17方向に延長された凹部12が形成されている。凹部12の開口部分は発光窓を構成する。また凹部12には透光性樹脂40が充填されており、図2Bの断面図に示すように、凹部12の中に実装された半導体発光素子30を封止している。
【0021】
半導体発光素子30は、一対の電極を同じ面側に設けており、いわゆるフリップチップ型又はフェイスダウン型の発光素子30としている。また発光素子30の各電極は、一対のリード電極20のそれぞれと接続されている。リード電極20は、一方の端縁である先端部22を凹部12内に表出させて、発光素子30の電極と電気的かつ物理的に接続される。また他方の端縁は、ハウジング10の外部に表出させて、外部接続用の端子としている。
(ハウジング10)
【0022】
ハウジング10は、半導体発光素子30とリード電極20の先端部22を保持する支持体であり、パッケージ等とも呼ばれる。このハウジング10は、樹脂材料を含んで構成される。なお、本件明細書において、「扁平形状」のハウジングとは、ハウジングの幅及び奥行きに比べて、高さが寸法的に小さい形状を指す。
【0023】
ハウジング10の成形材料には、例えば、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、6Tナイロン、9Tナイロンなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、ポリフタルアミド樹脂のような高融点結晶を含有する半結晶性ポリマー樹脂は、表面エネルギーが大きく、ハウジング10の凹部12に充填する封止樹脂との密着性が良好であるので、好適である。これにより、封止樹脂を充填し硬化する工程において、樹脂の冷却過程の間にハウジング10と封止樹脂との界面が剥離し難くなる。また、ハウジング10が半導体発光素子30からの光を効率よく反射できるように、成形部材中に酸化チタンなどの白色顔料などを混合してもよい。
【0024】
ハウジング10の凹部12は、その底面に実装した半導体発光素子30の光が、ハウジング10の発光面19側に出やすい形状にするのが好ましく、例えば、発光面に向かって徐々に広がるテーパ形状などが好適である。
(発光素子30)
【0025】
発光素子30は、例えば、まずサファイア基板等の成長基板5上にn型層を積層後、n型層の一部をエッチングして露出させ、p層とn層の露出部それぞれにITO等の電極層を積層することで形成される。これに加えて、バリア層、金属層2、絶縁膜6、最後に実装用のパッド電極を積層してもよい。
【0026】
発光素子30は、ハウジング10に収納され、ハウジング10の凹部12の底面に表出されたリード電極20に実装される。半導体発光素子30としては、様々な発光波長の発光ダイオードを利用することができる。特に、白色の発光を得るには、青色を発光する窒化物半導体発光素子と、青色光を吸収して黄色光や緑色光や赤色光を発する蛍光体と組み合わせる方法が好ましい。
(立体配線構造)
【0027】
発光装置の一実施形態においては、発光素子に、n電極とp電極とが層間絶縁膜を介してオーバーラップするように配置された立体配線構造を採用することで、本来であればn側電極3aのようにn電極が小さいところ、図3のn側パッド電極3Aのように広い面積に拡大できるので、電極面積を広く取ることができ、はんだでの実装性を向上させることができる。さらに誘電体膜4を層間絶縁膜として利用した立体配線構造とすることで、光取出しの高い発光素子とできる。
【0028】
側面発光型発光装置100は、小型の液晶のバックライト等の用途に好適に利用される。このような小型の側面発光型発光装置100では、ハウジング10やハウジングの凹部12も小型化されており、小さい凹部12内に発光素子30を共晶や半田で実装するために、実装用パッドを大きくした立体配線の発光素子30が好ましい。立体配線を採用した半導体発光素子30の例を、図3図4に示す。これらの図において、図3は発光素子30の概略平面図、図4図3のIV−IV線における概略垂直断面図を、それぞれ示している。
【0029】
立体配線においては、p側電極3b、n側電極3aを一旦電極絶縁膜6で被覆した後、この電極被覆膜に開口された貫通孔を通じて、p側パッド電極3B、n側パッド電極3Aを設ける。このようにすることで、パッド電極を広くしても、その下面が電極絶縁膜6で絶縁されているため短絡することがなく、結果的に電極面積を広く確保でき、共晶などによって固定、導通に十分な面積を容易に確保できる利点が得られる。例えば、図4の断面図に示す例では、n側電極3aを、電極絶縁膜6を介して広いn側パッド電極に拡大させることができ、共晶のための面積を広く確保でき安定した実装が実現される。共晶以外の実装、例えばAuスタッドバンプを用いた超音波接合を行う場合は、バンプ数を増やすことができるため、放熱性および接合性が改善する。この結果、高電流を通電することが可能となる。
(半田供給方法)
【0030】
発光素子30を実装する際の半田の供給方法は、半田の粒子をフラックス等に混合させたペースト状の半田をリード電極上に供給する他、スパッタ等の成膜方法で半田をリード電極上(実装面)または発光素子のパッド電極に付着させる方法も利用できる。具体的には、例えば発光素子30のパッド電極にAu−Sn等の半田をスパッタ等で所定の厚さ(例えば10μm)設けておき、一方、リード電極20の表面にフラックスを設けておき、この上に発光素子30を配置し、加熱して半田を溶融させることで実装することができる。この方法は、ペースト状の半田を用いる場合に比べ半田の流動を抑制できるので、実装精度を向上できる利点が得られる。さらに本発明は発光素子30を加熱する方法は、例えばリフローやレーザ照射等、既知の方法を適宜利用できる。
【0031】
また、図5に示すように、発光素子30とリード電極20との接合部分において、発光素子30の一方の電極の少なくとも一部と、リード電極20の表面との間に、空隙GPを形成することもできる。特に半田を立体配線の発光素子30のパッド電極上に一定の厚みで設ける場合、設ける半田層の厚みによっては、n型半導体層の段差部分が大きいため、パッド電極が共晶接合に用いるAu−Sn等の実装面まで届かず、発光素子30のn型半導体層が露出されている部分がリード電極20と接合されず、空隙GPが形成される。この隙間によって、ハウジング10の応力を軽減できる利点が得られる。すなわち、正極、負極のリード電極20間においては、ハウジング10を構成する樹脂が膨張することで、上方向への応力が発生すると共に、正負のリード電極20間が横方向に広がる方向にも応力が印加される。このような応力が印加される部分の中間に隙間を設けたことで、この隙間でもって応力が緩和されて、ハウジング10の変形が抑制される効果が得られる。
(第一固定部14)
【0032】
ハウジング10の一対の側面18には、それぞれ第一固定部14が形成される。第一固定部14は、側面発光型発光装置100の製造時において後述するリードフレーム24のハンガーリード26の先端を挿入して、ハウジング10をリードフレーム24に保持する目的で利用される、ハウジング10の表面に開口された凹状の窪みである。特に側面発光型発光装置100は、後述する通り製造時において、先にリードフレーム24からリード電極20を切断した上で、半導体発光素子30をハウジング10の凹部12内に共晶やリフロー等の方法で実装するため、実装時の熱によってリード電極20やリードフレーム24からの応力によって樹脂製のハウジング10が変形する事態を回避できる。その一方で、リード電極20を切断したことによって発光素子30の実装の時点ではリードフレーム24にリード電極20によってハウジング10を固定できなくなる問題を、一対のハンガーリード26でもってハウジング10の左右の側面18から保持することで回避している。この結果、製造時に発光素子を歩留まりよく実装でき、高品質な側面発光型発光装置が提供される。
【0033】
このように、側面発光型発光装置の製造時において、ハウジング10が加熱される際にはハウジング10の長手方向の側面18をリードフレーム24と接触させて保持しつつ、短手方向の端面(下面16側)ではリードフレーム24と物理的に分離することで、ハウジング10がリードフレーム24からの応力を受けて変形される事態を回避できる。特に、矩形状のハウジングの長手方向は、強度的にも剛性が高いことを利用し、変形を抑制しつつもこの部分での保持のみを残して、安定的なハウジングの保持が図られる。
(リード電極20)
【0034】
リード電極20の材料は、導電性であれば特に限定されないが、例えば鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅及び銅、金、銀をメッキしたアルミニウム、鉄、銅等が好適である。
(ハンガーリード26)
【0035】
ハンガーリード26は、リードフレームと連続するよう形成され、製造工程を通してハウジング10をリードフレームに保持する部材である。
【0036】
さらに、ハンガーリード26でハウジング10の側面18を突っ張ることにより、ハウジング10に発光素子30を共晶で実装する際等に、樹脂製のハウジング10が側面18方向に膨張することを抑制できる。
(透光性樹脂40)
【0037】
この側面発光型発光装置100では、ハウジング10の凹部12に透光性樹脂40を充填してあると、ハウジング10の凹部12内に固定した半導体発光素子30やリードフレーム22等を外部環境から保護することができるので好ましい。また、側面発光型発光装置100によって、半導体発光素子30の発光色とは異なる色を発光させたい場合には、透光性樹脂40に蛍光体を混ぜることにより、効率よく発光波長を変換することができる。
【0038】
透光性樹脂40に適した材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂、および、それらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等の耐候性に優れた透光性樹脂40が挙げられる。また、透光性樹脂40に代えて、ガラス、シリカゲルなどの耐光性に優れた無機物を用いることもできる。
【0039】
また、白色の側面発光型発光装置100を得るために、青色発光ダイオードと蛍光体とを組み合わせることもできる。その場合、透光性樹脂40に蛍光体の混合を分散させることができる。
【0040】
蛍光体としては、青色光を吸収して黄色光を発する希土類系蛍光体(例えばYAG系蛍光体)、緑色光を発するLAG蛍光体、β-SiAlON系蛍光体、赤色光を発するCASN,SCASN,KSF蛍光体等を好適に用いることができる。
(側面発光型発光装置100の製造方法)
【0041】
以下に、本発明の一実施形態に係る側面発光型発光装置100の製造方法を、図6図9を参照しながら説明する。まず、リードフレーム24を準備する。リードフレーム24は、例えば、金属平板にAgメッキを施し、その金属平板に打ち抜き加工を施すことで、作製することができる。リードフレーム24は、一対のリード電極20(20a及び20b)を有しており、それらの先端部22(22a、22b)は、隙間をあけて対向している。また、一対のハンガーリードを有している。通常は、1枚の金属平板に、多数のリード電極20とハンガーリードを形成する。
【0042】
次に、図6Aに示すように、リードフレーム24を上下に分割されたハウジング成型用の上下のモールド金型46、48の間に配置して、挟み込む。このとき、一対のリード電極20の先端部22(22a、22b)とハンガーリードの一部であって、第一保持部と嵌合する部分を、ハウジング10の形状を有するモールド金型46、48の空洞62の中に配置する。
【0043】
その後、図6Bのように、下側モールド金型48の材料注入ゲート64より、モールド金型46、48の空洞62内へ成形材料68を注入する。上側モールド金型46には、ハウジング10の凹部12に対応する突出部66が形成されており、この突出部66がリード電極20の先端部22の上面に接触した状態で成形材料を注入すれば、その先端部22の上面には成形材料が付着せず、得られたハウジング10の凹部12の底面に先端部22を露出させることができる。
【0044】
この例では、ハウジング10の凹部12の底面には、リード電極20の先端部22が完全に露出しているが、必ずしも完全に露出している必要はない。つまり、凹部12の底面において、リード電極20の一部がハウジング10の材料に埋設されていてもよい。
【0045】
次に、図6Cのように、モールド金型46、48内の成形材料68を硬化させる。その後、図6Dに図示するように、まず下側モールド金型48を外し、次いで上側モールド金型46を外す。上側モールド金型46を外す際には、上側モールド金型46にスライド可能に挿通してある押出しピン60をP方向に押し出せば、ハウジング10を取り出しやすい。
【0046】
図6に示す一連の工程により、図7に示すようなハウジング10付きリードフレーム24が得られる。成型されたハウジング10の側面18には、リードフレーム24の開口部25に形成されたハンガーリード26の一部が食い込んで、第一固定部14が形成される。この第一固定部14により、側面発光型発光装置100の製造工程全体にわたって、ハウジング10がリードフレーム24に支持される。
【0047】
なお、1枚のリードフレーム24には多数のハウジング10を形成できる。図7の例では、縦3個×横2個の計6個のハウジング10を形成している。多数のハウジング10を製造する場合には、リードフレーム24に多数のリード電極20および開口部25を形成し、それに対応する多数のハウジング用空洞62を有するモールド金型46、48を使用して、それらの空洞62に成形材料を注入することにより、全てのハウジング10を形成することができる。
【0048】
次に、リードフレーム24からリード電極20を切断する。これにより、リード電極20を介してリードフレーム24からハウジング10に押圧力が印加される状態が回避される。具体的には、発光装置の外部接続端子として用いられる部分を形成するように切断することが、工程削減の点から好ましい。たとえば、ハウジングの下面から突出したリード電極の図8の概略斜視図において破線で示す位置を切断する。一方で、リードフレーム24の側面においては、ハンガーリード26が両側からハウジング10に突出された状態となっており、この間でハウジング10が保持される。
【0049】
そして、ハウジング10の凹部12に発光素子30を実装する。図9にハウジング10の凹部12の内部に発光素子30を実装した概略平面図を示す。この図に示すように、ハウジング10は、ハウジング10の下面16から凹部12に貫通する一対のリード電極20(20a及び20b)を有する。そして、凹部12の底面には、リード電極20の一対の先端部22(22a、22b)が、互いに対向した状態で露出する。上述したように、ハウジング10は、長手方向の側面18において一対のハンガーリード26によってリードフレーム24に支持されている。
【0050】
このハウジング10に半導体発光素子30を実装する。ここでは、ハウジング10の凹部12内で、一対のリード電極20a、20bの先端部22a、22bに、半導体発光素子30をフリップチップ実装する。フリップチップ実装とは、発光素子の一面側に設けられた正負の電極を正負のリード電極と対向させて接合する実装方式である。発光素子30のパッド電極を、実装面に設けたAu−Sn等のはんだを用いた共晶接合により、実装、固定する。予めリード電極20をリードフレーム24から分離しておくことで、この実装の際に加えられる熱によってリードフレーム24に生じる熱膨張の影響がハウジング10に伝わりづらくなるため、ハウジング10の変形を抑制することができる。この結果、発光素子の実装性を高めることができる。
【0051】
その後、発光素子30等を外部環境から保護するため、ハウジング10の凹部12を透光性樹脂40で封止する。発光素子30を覆うようにハウジング10の凹部12内に、透光性樹脂40の材料を充填し、硬化させることにより半導体発光素子30等を被覆する。
(リードフォーミング)
【0052】
この後、リード電極20を折曲する。ここではハウジング10の下面から突出されたリード電極20を、ハウジングの下面16に沿って、ハウジングの背面17側に向かって折曲げ、さらにハウジングの側面18方向に突出した突出部をハウジング10の下面16から側面18にかけて沿うように折曲げ、図1の概略斜視図に示すようにハウジング10の表面に密着させる。このようにして、外部接続端子が形成される。なお、このリード電極20の折曲げ加工は、発光面19に向けて折曲げてもよい。
【0053】
リード電極20の折曲げ加工が終わったら、最後に、ハウジング10をリードフレーム24から分離する。ここでは、ハウジング10をリードフレームから治具等を用いて突き落すことで、ハウジング10の側面18の第一固定部14からハンガーリード26を外し、側面発光型発光装置100を得る。
(実施形態2)
【0054】
上述の実施形態において、第一固定部14は、図2Bの概略断面図においては、ハウジング10の左右の側面18において対応する位置、すなわち略同一平面上に設けられている。ただ、この構成に限らず、保持位置を異ならせることもできる。例えば実施形態2として図10に示す側面発光型発光装置200のように、ハウジング210の互いに対向する側面218において、第一固定部214を高さ方向にオフセットさせて形成することができる。より詳細には、第一固定部214の一方は、ハウジング210の一方の側面を保持する第一の位置に設けられ、ハウジング210の他方の面においては、第一の位置と対応する他方の側面上の位置からオフセットされた第二の位置に設けられる。第一固定部214をこのような構成とすることで、リード電極220が予め切断されたことに加え、ハンガーリード226でハウジング210を狭持する位置がオフセットされることとなり、加熱によってハウジング210が変形、拡張しようとする応力を分散させて抑制できる効果が期待できる。また、この例では、ハウジング210を正面から見た場合の高さ方向に、ハンガーリード226の保持位置すなわち第一固定部214を上下にオフセットさせているが、この例に限らず、奥行き方向(平面図における前後方向)に第一固定部をオフセットさせてもよい。
(実施形態3)
【0055】
さらに本発明者の行った試験によれば、ハンガーリードでハウジング側面を保持することによる実装性の向上は、ハンガーリードがハウジング側面に挿入される体積又は接触面積が大きい程、高くなることが判明した。これは、リード電極を切断して、この部分でのハウジングの保持力が失われる分、ハンガーリードでハウジングを保持していることから、ハウジングとハンガーリードとの接触部分を大きくすることで、保持力を高め、変形を抑制できるためと考えられる。このような例を、実施形態3に係る側面発光型発光装置300として、図11A図11Bに示す。この例でも、リード電極320の先端部322に、発光素子330をフリップチップ実装しており、さらに凹部312に透光性樹脂340を充填している。また第一固定部314は、ハウジング側面318の表面に対して、図2B等に示すような、ほぼ直交した状態から傾斜して開口させるように形成する。ここでは、図において下向き、すなわちハウジング310の背面317に向かう方向に傾斜させている。また、これに応じてハンガーリード326の形状も、ハウジング側面318に対して鉛直方向から傾斜させた姿勢に変形させる。このように形成することで、ハンガーリード326の先端がハウジング側面318から斜めに傾斜して嵌合された状態で、ハウジング310を突っ張る状態となって、ハウジング310が加熱されても樹脂が側面318方向に膨張することを抑制して、変形を抑制できる。
(実施形態4)
【0056】
加えて、ハンガーリードを厚く又は太くすることでも、同様にハウジング側面の押圧力を高めて、ハウジング樹脂の変形を抑制できる。このような例を実施形態4に係る側面発光型発光装置400、として図12A図12Bに示す。この例でも、リード電極420の先端部422に、発光素子430をフリップチップ実装しており、さらに凹部412に透光性樹脂440を充填している。また、図12Bに示すように、ハウジング410に形成された第一固定部414は、水平断面視における厚さを、リード電極420の厚さよりも厚く形成している。またこれに応じて、ハンガーリード426の水平断面視における厚さを厚くする。このようにすることで、押圧部分の面積を広くしてハウジング側面418を保持でき、ハウジング410の変形を抑制できる。
(実施形態5)
【0057】
あるいは、さらに広い面積でハウジング側面をハンガーリードで把持できるよう、ハンガーリードの先端を折曲させることもできる。このような例を実施形態5に係る側面発光型発光装置500として図13A図13Bに示す。これらの図に示す例でも、リード電極520の先端部522に、発光素子530をフリップチップ実装しており、さらに凹部512には透光性樹脂540を充填している。またハウジング510を保持するハンガーリード526は、その先端をL字状に折曲させて、折曲された折曲部でもってハウジング510の両側側面518を把持する。また第一固定部514は、これに応じて発光素子30の出射方向に沿って幅広となるよう、図12Bよりもさらに奥行きを厚くするよう延長して形成されている。この構成によれば、同一のハンガーリードを使用しつつも、先端部分でハウジングを把持する面積を広く取ることができ、押圧部分の面積を広くして把持することで、ハウジングを構成する樹脂の変形を抑制できる。
(実施形態6)
(第二固定部615)
【0058】
以上の例では、いずれもハウジングの一対の側面をハンガーリードで把持する構成を説明した。ただ本発明は、ハウジングの側面に限らず上下面でこれを把持することも可能である。このような構成を実施例6に係る側面発光型発光装置600として、図14に示す。本実施形態でも、実施形態1と同様に、リード電極620の先端部に、発光素子をフリップチップ実装しており、さらに凹部612に透光性樹脂640を充填している。またハウジング610は、その外面を構成する面の内、長手方向と交差する方向において対向する側面すなわち上下面616に、それぞれ第二固定部615を形成している。このような構成により、ハウジング610の上下面616に形成した第二固定部615を、側面発光型発光装置の製造時にハウジング610を上下から保持する第二ハンガーリード626の保持位置として利用でき、実装性を向上できる。また、第二ハンガーリード626でハウジング610の上下面616を突っ張ることにより、ハウジング610に発光素子30を共晶時で実装する際等に、樹脂製のハウジング610が上下面616方向に膨張することを、直接的に抑制できる。特にハウジング610の左右の面に加えて、上下面616においてもハンガーリード626でもってリードフレームに固定でき、安定して保持できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明に係る側面発光型発光装置の製造方法は、液晶ディスプレイのバックライト等のように、極めて薄型の発光部品を必要とする装置を使用する装置に利用可能である。また、LEDディスプレイとして大型テレビ、ビルボード、広告、交通情報、立体表示器、照明器具等に利用できる。特に装置の小型化、低コスト化、自動化及び設計自由度を高めるのに適している。また本発明は半導体発光素子に代えて、受光素子を実装した受光装置とすることもでき、光学センサなどに好適に利用できる。このように本明細書において発光装置とは、受光装置を含む意味で使用する。
【符号の説明】
【0060】
100、200、300、400、500、600…側面発光型発光装置
2…金属層
3A…n側パッド電極;3B…p側パッド電極
3a…n側電極;3b…p側電極
4…誘電体膜
5…成長基板
6…電極絶縁膜
10、210、310、410、510、610…ハウジング
12、312、412、512、612…凹部
14、214、314、414、514…第一固定部
16…下面;616…上下面
17、317…背面
18、218、318、418、518…側面
19…発光面
20、20a、20b、220、320、420、520、620…リード電極
22、22a、22b、322、422、522…リード電極の先端部
24…リードフレーム
25…リードフレームの開口部
26、226、326、426、526…ハンガーリード;626…第二ハンガーリード
30、330、430、530…発光素子
40、340、440、540、640…透光性樹脂
46…ハウジング成型用の上側モールド金型
48…ハウジング成型用の下側モールド金型
60…押出しピン
62…モールド金型の空洞
64…材料注入ゲート
66…突出部
68…成形材料
615…第二固定部
1510…樹脂ハウジング
1520…リード電極
1524…リードフレーム
GP…空隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15