特許第6656168号(P6656168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656168
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】アミラーゼ変異体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/56 20060101AFI20200220BHJP
   C12N 9/28 20060101ALI20200220BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20200220BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20200220BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20200220BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20200220BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20200220BHJP
   A23K 20/189 20160101ALI20200220BHJP
   D06L 1/14 20060101ALI20200220BHJP
   D06L 1/00 20170101ALI20200220BHJP
【FI】
   C12N15/56ZNA
   C12N9/28
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   A23L33/17
   A23K20/189
   D06L1/14
   D06L1/00
【請求項の数】7
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-564238(P2016-564238)
(86)(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公表番号】特表2017-519489(P2017-519489A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】EP2015058126
(87)【国際公開番号】WO2015162038
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年4月12日
(31)【優先権主張番号】14166092.8
(32)【優先日】2014年4月25日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イェネヴァイン,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ニーダーマイヤー,シュテファン
【審査官】 福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0212768(US,A1)
【文献】 特表2004−505606(JP,A)
【文献】 特表2008−546396(JP,A)
【文献】 米国特許第07713723(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00−15/90
CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ以下の群から独立に選択される2箇所以上の置換により配列番号1とは異なるアミラーゼであって:
(i) 配列番号1に従うナンバリングでの位置:
3、475、314、
(ii) 4、476、315、
群(i)の各置換は、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより独立に選択され、かつ
群(ii)の各置換は、F、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより独立に選択される、上記アミラーゼ。
【請求項2】
請求項1に記載のアミラーゼをコードする配列を含む核酸。
【請求項3】
請求項1に記載のアミラーゼをコードする配列を含む発現カセットであって、該配列がプロモーターに機能的に連結されている、上記発現カセット。
【請求項4】
請求項2に記載の核酸および/または請求項3に記載の発現カセットを含む組み換え宿主細胞。
【請求項5】
請求項1に記載の1種以上のアミラーゼを含む酵素組成物であって、前記2箇所以上の置換が群(ii)から選択され、
脱アミド化されたアミラーゼの合計と脱アミド化されていないアミラーゼの合計とのモル比が、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物は請求項1に記載されていないいかなるアミラーゼも含まず、
該比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される、上記酵素組成物。
【請求項6】
洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物である、請求項5に記載の酵素組成物。
【請求項7】
デンプンを含有する物質を処理するための、好ましくはデンプンを含有するシミについて布地を洗浄するための方法であって、組成物中に含まれるアミラーゼがグリコシド結合を切断するのを可能にするために、該物質、好ましくはシミの付いた織布または不織布を、請求項5または6に記載の酵素組成物に曝露するステップを含む、上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミラーゼ、特にα-アミラーゼ、およびそのようなアミラーゼを含む組成物の分野に関する。そのようなアミラーゼを製造するための手段および方法、ならびに、例えば、デンプンを含有するシミの洗浄、布地の糊抜き、デンプンの液化および糖化、パン製造(baking)および醸造(brewing)のための、アミラーゼおよびアミラーゼ含有組成物の使用もまた記載される。本発明はまた、発酵中、アミラーゼまたはアミラーゼ含有製剤の製剤化および保存中のアミラーゼ純度を高めるための手段も開示する。
【背景技術】
【0002】
デンプンは、α-1-4結合したグルコースからなるアミロースと、α-1-4結合したグルコースおよびα-1-6結合したグルコースを含むアミロペクチンとの混合物である。アミラーゼは、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンおよび関連する多糖中のグリコシド結合の切断を触媒する。具体的には、α-アミラーゼは、ランダムな(1-4)-α-D-グリコシド結合の加水分解の切断を触媒する。α-アミラーゼは、グリコシルヒドロキシラーゼのCAZY分類のファミリー13に属する。
【0003】
アミラーゼ、特にα-アミラーゼは、デンプンを含有するシミの洗浄(特に洗濯および食器洗浄での)、布地の糊抜き、デンプンの変性、液化および糖化(特にパルプおよび製紙工業での、シロップ製造のための、ならびに飼料工業での)、パン製造および醸造をはじめとする、様々な目的のために用いられてきた。
【0004】
酵素の工業的応用に関しては、製品バッチの均質性が重要である。特に、酵素および酵素組成物をヒトまたは動物と直接的に接触させる用途(例えば、洗浄組成物および食品または飼料製造での用途)のためには、厳格な品質管理基準が用いられてきた。そのような品質管理の1つの目的は、有害物質が誤って組成物中に含まれないことを確認することである。理想的には、酵素組成物は、例えば、酵素の基質特異性に影響するかまたは沈殿を生じさせ得る、それぞれの酵素の分解型を含むべきではない。別の目的は、品質管理で分析される酵素調製物が、販売対象のロット全体を代表することを確認することである。さらに、酵素組成物の酵素が、品質管理のためのサンプル採取時と消費者への販売および/または最終的な使用時との間の時間に変化するかどうか、およびどのように変化するかを確定しなければならない。
【0005】
現在、市販のアミラーゼの均質性は、大規模製造に対しては不十分であることが見出されている。特に、1種類の酵素のみを含む市販組成物として販売されているもの(例えば、ターマミル(Termamyl(登録商標))またはステインザイム(Stainzyme(登録商標)))、すなわち、SDS-PAGEにより確認した場合に1種類のアミラーゼのみを含む市販組成物として販売されているものが、一般的に、等電点電気泳動またはイオン交換クロマトグラフィーにより分離できる数種類のポリペプチド分子種を含むことが、予想外に見出されている(本明細書中では、「親アミラーゼ」および「ゴースト」とも称される)。
【0006】
タンパク質配列決定が面倒でコストのかかるものであることを考えると、酵素をはじめとするポリペプチドの正確なアミノ酸配列は、一般的には、製造対象のポリペプチドをコードする核酸配列のみに基づいて予測される。しかしながら、純粋であると主張される酵素組成物、すなわち、1種類のポリペプチド分子種のみを含む組成物が、実際には数種類のポリペプチド分子種を含むという上記の知見は、販売される組成物が、未知の一次、二次および三次構造のポリペプチドを相当な量で含む、という結論を必然的にもたらす。つまり、組成物のすべての個々のアミラーゼ分子種の完全なタンパク質配列決定を行なわない限りは(これは一般的には行なわれないが)、現状では、アミラーゼ製造業者またはその消費者による適切なFTO(freedom-to-operate)分析を行なうための十分な情報を提供することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一般的目的は、上記の問題を軽減、低減または除去することである。特に、1種以上のアミラーゼを含む組成物(本明細書中では「アミラーゼ組成物」とも称される)、特に1種以上のα-アミラーゼを含む組成物の均質性を改善するための手段および方法を提供することが、本発明の目的であった。さらに、改善されたポリペプチド均質性を有する組成物を提供することが、本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、対応する野生型アミラーゼ、または、より一般的には、本明細書中に記載される2箇所以上の置換を含まない対応するアミラーゼを用いて調製される組成物と比較して、増大した均質性を有するアミラーゼ組成物の製造を促進するアミラーゼ変異体が提供される。
【0009】
特に、本発明において、配列番号1に対して少なくとも65%の配列同一性を有し、かつ以下の群から独立に選択される2箇所以上の置換により配列番号1とは異なるアミラーゼ変異体が好ましく:
(i) 配列番号1に従うナンバリングでの位置:
3、475、314、
6、95、195、
423、
150、226、255、418、
22、106、285、484、
(ii) 4、476、315、
7、96、196、
424、
151、227、256、419、
23、107、286、485、
このとき、群(i)の置換は、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、かつ
群(ii)の置換は、F、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより選択される。
【0010】
本発明は、本明細書中に規定されるそれぞれの親アミラーゼを含む対応するアミラーゼ組成物と比較して、本明細書中に規定されるゴーストポリペプチドを形成する性質が減少したアミラーゼ組成物も提供する。
【0011】
また、本発明は、本明細書中に規定されるそれぞれの親アミラーゼを含む対応するアミラーゼ組成物と比較して、イソアスパラギン酸(isoaspartic acid)(本明細書中以下では、「isoAsp」または「J」)および/またはイソグルタミン酸(isoglutamic acid)を形成する性質が減少したアミラーゼ組成物も提供する。
【0012】
本発明において提供されるアミラーゼ組成物は、好ましくは、洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物およびパルプ処理組成物から選択される。
【0013】
また、本発明は、それぞれの親アミラーゼを含む対応するアミラーゼ組成物と比較して、増大した均質性を有するアミラーゼ組成物を調製するための方法も提供する。
【0014】
さらに、本発明は、アミラーゼ組成物の品質を分析するための、好ましくはアミラーゼ組成物ロット均質性の決定のための方法を提供する。
【0015】
本発明のさらなる態様は、詳細な説明の節、実施例、図面、配列および特許請求の範囲に記載される。
【0016】
配列の簡単な説明
配列番号1:バチルス・エスピーA7-7(DSM 12368)のα-アミラーゼの成熟セクション
配列番号2:S707(成熟セクション)Uniprot ID P19571
配列番号3:LAMY(成熟セクション)Uniprot ID O82839
配列番号4:米国特許第8017351号の配列番号3
配列番号5:米国特許第7713723号の配列番号8
配列番号6:米国特許第7629158号の配列番号1
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】α-アミラーゼのSDS-PAGE(A)および等電点電気泳動(B)を示す図である。総タンパク質ロード量は、SDS-PAGEでは約40μgの各α-アミラーゼであり、等電点電気泳動ゲルでは約65μgの各α-アミラーゼであった。
図2】カチオン交換クロマトグラフィー(Protein-Pak Hi Res CM、Waters社)による、精製α-アミラーゼのクロマトグラフィー分離を示す図である。A:配列番号1;B、C:上述の市販アミラーゼ。詳細な説明の「方法」節に記載されるα-アミラーゼストック溶液を、バッファーAを用いて1:5希釈した。注入体積は50μL(約25〜100μgの総タンパク質注入に相当する)であった。開始バッファー(A):MES 25mM pH5.4、溶出バッファー(B):MES 25mM pH5.4+0.5M NaCl。溶出は、22分間で5〜32%Bの線形勾配を用いて、1mL/分の流速にて行なった。
図3】カチオン交換クロマトグラフィー(Protein Pak SP 8HR、Waters社)による、α-アミラーゼ配列番号1の調製的分離を示す図である。5種類の画分F1〜F5を、橙色で示される通りに回収した。総量3mgのタンパク質をカラムにロードした。開始バッファー(A):25mM MES pH5.4、溶出バッファー:25mM MES pH5.4+0.5M NaCl。溶出は、40分間で0〜40%Bの線形勾配を用いて行なった。
図4図3に示されるイオン交換クロマトグラフィーでの調製的分離から得られる配列番号1画分の等電点電気泳動を示す図である。すべてのサンプルを同じタンパク質濃度に調整した(Bradford)。35μgの総タンパク質を含有する25μLをレーンAにロードし、12.5μgの総タンパク質を含有する25μLを他のすべてのレーンにロードした。F1〜F5=図3からの画分1〜5、A=未処理の配列番号1、M=マーカー。配列番号1の理論的pIは、6.61であると算出された。
図5】詳細な説明の「方法」節に記載されるEPSアッセイにより測定した、イオン交換クロマトグラフィーでの調製的分離から得られる配列番号1画分のα-アミラーゼ比活性を示す図である。測定された活性をそれぞれのサンプルの濃度(280nmでの吸光度から推定される)で除算して、比活性を得た。サンプル活性を、画分5の活性に対して標準化した。5回の複製実験を行なった。エラーバーは標準偏差を示す。
図6】カチオン交換体(Protein-Pak Hi Res CM、Waters社)で観察した場合の、強制的分解により引き起こされるα-アミラーゼ配列番号1の保持時間シフトを示す図である。図2からの画分5を、25mMリン酸バッファーpH8.0中で37℃にてインキュベートした。種々の時点でクロマトグラフィーを行なった。20μLのインキュベート済みサンプルを、80μLのバッファーAを用いて希釈した。注入体積は50μLであった。溶出は、22分間で5〜32%Bの線形勾配を用いて、1mL/分の流速にて行なった。
図7】強制的分解により引き起こされた配列番号1の等電点電気泳動での荷電シフトを示す図である。すべてのサンプルを、同じタンパク質濃度に調整した(Bradford)。50μgの総タンパク質を含有する15μLをレーンAにロードし、25μgの総タンパク質を含有する15μLを他のすべてのレーンにロードした。A=未処理の配列番号1、M=マーカー。
図8】強制的分解により引き起こされたターマミル(Termamyl(登録商標))の等電点電気泳動での荷電シフトを示す図である。すべてのサンプルを、同じタンパク質濃度に調整した(Bradford)。50μgの総タンパク質を含有する15μLをレーンにロードした。M=マーカー。
図9】トリプシン消化後のα-アミラーゼ配列番号1のトータルイオンクロマトグラム(total ion count chromatogram)を示す図である。未処理の画分5(赤色)および20mMリン酸バッファー中、pH8/37℃にて145時間のインキュベーション後の画分5(青色)を示す。ストレス付加サンプルでのN末端ペプチド(m=3220.29Da)の完全な非存在および分解サンプルでのm+1 N末端ペプチド(m=3221.28Da)の増大を除けば、両方のサンプルのクロマトグラムは、同一に見える。
図10】本発明に従って置換できる配列番号1内の位置の図示である。
図11】配列番号1〜4のアライメントを示す図である。
図11a】配列番号1〜6のアライメントを示す図である。
図12-1】各Xが、互いに独立に、対応する上記の群(i)または(ii)にそれぞれ従って選択される、好ましいアミラーゼ配列のアライメントを示す図である。つまり、Xが配列番号1に記載されるNを置き換える場合、XはA、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、Xが群(ii)に対応する配列番号1の位置にてアミノ酸を置き換える場合、XはF、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより選択される。
図12-2】図12−1の続き。
図13-1】各Xが、互いに独立に、対応する上記の群(i)または(ii)にそれぞれ従って選択される、好ましいアミラーゼ配列のアライメントを示す図である。つまり、Xが配列番号1に記載されるNを置き換える場合、XはA、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、Xが群(ii)に対応する配列番号1の位置にてアミノ酸を置き換える場合、XはF、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより選択される。
図13-2】図13−1の続き。
図14-1】各Xが、互いに独立に、対応する上記の群(i)または(ii)にそれぞれ従って選択される、好ましいアミラーゼ配列のアライメントを示す図である。つまり、Xが配列番号1に記載されるNを置き換える場合、XはA、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、Xが群(ii)に対応する配列番号1の位置にてアミノ酸を置き換える場合、XはF、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより選択される。
図14-2】図14−1の続き。
図15-1】各Xが、互いに独立に、対応する上記の群(i)または(ii)にそれぞれ従って選択される、好ましいアミラーゼ配列のアライメントを示す図である。つまり、Xが配列番号1に記載されるNを置き換える場合、XはA、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、Xが群(ii)に対応する配列番号1の位置にてアミノ酸を置き換える場合、XはF、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより選択される。
図15-2】図15−1の続き。
図15-3】図15−1の続き。
図15-4】図15−1の続き。
【発明を実施するための形態】
【0018】
アミラーゼの自発的脱アミド化が、アミラーゼ組成物の不均質性に対する主要な寄与因子のうちの1つであり、かつ発酵中ならびにアミラーゼの発酵後精製処理および製剤化中に既に起こっていることが、現在見出されている。
【0019】
脱アミド化はこれまで、60℃超の温度でのアミラーゼの安定性に影響する因子であるとしか考えられておらず;脱アミド化はこれまで、アミラーゼ組成物ロット均質性に寄与するとは考えられておらず、脱アミド化が通常の発酵および発酵後処理条件で顕著に生じ得るとは想像されていなかったので、この知見は驚くべきことであった。例えば、Tomazicら(J Biol. Chem 1988, 3093-3096)は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)およびバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のアミラーゼ安定性を60℃および95℃で比較した後に、脱アミド化がアミラーゼの不可逆的熱不活性化に寄与することは大いにあり得ることであると結論している。同様に、Declerckら(J Mol. Biol. 2000, 1041-1057)は、単一アミノ酸置換によるバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)アミラーゼの熱安定性、すなわち、80℃、pH5.6、0.1mM CaCl2中でのその半減期の増加について議論している。著者らは、野生型と比較してアミラーゼの熱安定性を増大させる(3以上のRS)3箇所の置換であって、該置換は、配列番号1のナンバリングでの135位、195位および214位でのものであり、195位ではアスパラギンがフェニルアラニンにより置換されることにより熱安定性が増大される、3箇所の置換を見出した。ここでもまた、著者らは、アミラーゼロット均質性も、60℃未満の温度での脱アミド化の発生も議論していない。バチルス・エスピーKR-8104のα-アミラーゼの熱安定性がRahimzadehら(Int J Biol Macromol 2012, 1175-1182)により議論されており;著者らは、65℃および70℃での前記アミラーゼおよびその変異体の安定性を分析している。著者らは、アミラーゼロット均質性も、60℃未満の温度での脱アミド化の発生も調査または議論していない。つまり、上記の文献は、どのようにしてアミラーゼロット均質性を改善するかについて当業者に示唆を与えていない。それらはまた、脱アミノ化がロット不均質性に寄与し得ること、または脱アミノ化が60℃未満の温度でも顕著に生じるであろうことについてのヒントも全く与えていない。むしろ、文献は、脱アミド化が60℃超の温度でのみ関連する問題であると当業者に信じさせる。典型的な発酵ならびに発酵後精製および製剤化処理は37℃の温度で行なわれ、かつそれより高い温度は、ランダムな変性およびつまりは熱不活性化を最小限にするために当業者により避けられるので、当業者は、発酵、アミラーゼの精製および/または製剤化の途中に、脱アミド化が、ランダムな変性プロセスよりも大きな影響を有する翻訳後アミラーゼ修飾の要因であり得ることを恐れる理由を有しなかった。つまり、当業者は、上記の文献により、本発明から効果的に遠ざけられる。脱アミド化は、アミラーゼ活性の全般的な喪失とは必ずしも相関しないことに留意することが重要である。
【0020】
また、特許文献は、アミラーゼのロット均質性を改善するためのいかなる示唆も欠いているように見受けられる。その代わり、特許文献は、国際公開第2006037483号および同第2013063460号により例示される通り、所望の形質、主に洗浄能力および凝集体形成の抑制を改善するための、特定のアミラーゼに対する個別の置換、挿入および欠失を記載する。これらの文献は、特に60℃未満の温度での、脱アミド化プロセスについて議論しておらず、かつ、発酵中、アミラーゼの精製および製剤化中の脱アミド化からの保護を達成するために、それらに開示される個々の突然変異がどのように組み合わせられるべきであるか、または組み合わせることができるかさえも推定することを可能にしない。特に、当業者は、アミラーゼの一次構造中の1箇所での突然変異が、一次構造中の他の位置での突然変異に対する自由度を予期せずに減少させ得ることを考慮に入れるはずである。つまり、当業者は通常、組み合わせ突然変異の結果が所望の効果を有し、かつ望ましくない影響、特に酵素活性の喪失または減少を生じさせないか否かを、in vitroでチェックしなければならないので、個々の突然変異を場当たり的に組み合わせることを一般的には躊躇する。
【0021】
本発明では、したがって、対応する親アミラーゼを用いて調製された組成物と比較して増大したアミラーゼ均質性を有するアミラーゼ組成物の製造を促進するアミラーゼ変異体が提供される。
【0022】
本発明の目的に関して、アミラーゼは、デンプンから糖への加水分解を触媒する酵素であると見なされ、かつ、α-アミラーゼは、ランダムな(1-4)-α-D-グリコシド結合の加水分解が可能な酵素であると見なされる。特に記載しない限り、「アミラーゼ」および「α-アミラーゼ」との用語は、本明細書中で相互に交換可能に用いられる。そのような触媒反応が可能でないポリペプチドは、本発明において、アミラーゼおよび/またはα-アミラーゼであるとは見なされない。特に、上記のそれぞれの触媒反応を行なうことが可能でないアミラーゼおよびα-アミラーゼの分解生成物は、それぞれアミラーゼまたはα-アミラーゼであるとは見なされない。
【0023】
本発明の文脈内では、組成物の「ゴースト」または「ゴーストポリペプチド」は、組成物に元々添加されている対応する「親」アミラーゼまたはα-アミラーゼの脱アミド化により生じるポリペプチドである。特に、isoAspを取り込んでいるポリペプチドは、本発明の文脈内ではゴーストであると見なされる。「ゴースト」としてのポリペプチドの指定は、そのアミラーゼまたはα-アミラーゼ触媒活性とは無関係であることに留意すべきである。
【0024】
本発明において、アミラーゼ組成物の均質性(アミラーゼロット均質性とも称される)は、ゴーストとそれらのそれぞれの親アミラーゼとのモル比として測定される。
【0025】
本発明の目的のためのアミノ酸配列のアミノ酸配列同一性、アライメントまたはナンバリングを参照する場合、Needleman-Wunschのアライメントおよびスコア付けアルゴリズムを意味する。アライメントおよびスコア付けは、BLOSUM50マトリックス、ギャップオープンペナルティ=12、およびギャップ伸長ペナルティ=2を用いて行なわれる。アミノ酸配列同一性のパーセンテージは、好ましくは、アライメントにより得られるアミノ酸対の合計により除算された、ペアワイズアライメント後の同一アミノ酸数として算出され;アミノ酸配列類似性は、好ましくは、アライメントにより得られるアミノ酸対の合計数により除算された、0を超えるBLOSUM50マトリックススコアを有するアライメント後のアミノ酸対の数として算出される。好ましくは、アライメントおよびスコア(同一性および類似性)は、Campanella et al., BMC Bioinformatics 2003, doi:10.1186/1471-2105-4-29により記載されるMatGAT v2.0プログラムを用いて算出される。図11図11a図12〜15では、様々な成熟型アミラーゼ配列のアライメントが示される。最上段の配列は常に配列番号1であり、位置のナンバリングは配列番号1でのアミノ酸位置に従う。各アライメント中で、配列番号1に従い対応するアミノ酸とは異なる、配列番号1以外の配列のアミノ酸のみが明示的に示され;アミノ酸が配列番号1での対応する位置のアミノ酸と同一である場合、点「.」がそのようなアミノ酸同一性を示す。配列番号1に対する欠失は、各欠失アミノ酸に対して「-」により示され;配列番号1に対する挿入は、配列番号1の配列中の「-」として示される。つまり、例えば、ある図面によれば配列番号1が「YGI---PTH」の文字を含む場合、この箇所での配列番号1に従うアミラーゼの実際のアミノ酸配列は「YGIPTH」であり、これは、横棒「---」が、この図面中の少なくとも1種の他の配列が、配列番号1と比較した場合にこの箇所で3個のアミノ酸の挿入を有することを示すからである。また、この箇所で配列番号5の配列に対して、ある図面中に文字「..TKGDSQ」が与えられる場合、この箇所での配列番号5の実際のアミラーゼ配列は「YGTKGDSQ」であり、これは、点「..」が配列番号1の対応するアミノ酸である「YG」により置き換えられ、かつ配列番号5に対するこの例でのすべての残りのアミノ酸が図面中に明示的にスペルアウトされ;つまり、これらは、図面中では配列番号1に対して与えられる配列とは異なるからである。配列番号1〜4に記載されるアミノ酸配列はまた、先行技術文献の図11にも与えられ、これらの配列に関連する本発明を説明する目的のために、当該図11および先行技術文献中の対応する記載は、本明細書中に組み入れられる。
【0026】
本発明のアミラーゼは、一般的に、以下の2種類または3種類のタンパク質ドメインもコードする核酸によりコードされる:アミラーゼの排出を担うシグナルドメイン、アミラーゼの一時的不活性化のためのプロドメイン、およびアミラーゼそのもの。(シグナルドメインおよび)プロドメインの切断後、結果として生じる成熟型アミラーゼ(「アミラーゼそのもの」)が得られる。本発明の目的に関して、アミラーゼまたはα-アミラーゼとの用語は、ポリペプチドの成熟型を意味する。プロドメインおよび/またはシグナル-プロドメインを含むアミノ酸配列が本発明に係る配列により与えられる通りに成熟型アミラーゼとアライメントされる場合はいつでも、プロドメインおよびシグナル-プロドメインのアミノ酸は、例えば、国際公開第2006037484号の配列プロトコール節に例示される通り、降順の負の整数によりナンバリングされる。
【0027】
本発明の枠内では、アミノ酸およびヌクレオチドは、一般的に、その3文字または1文字コードにより参照される。
【0028】
特に、本発明において、配列番号1に対して少なくとも65%の配列同一性を有し、かつ以下の群から独立に選択される2箇所以上の置換により配列番号1とは異なるアミラーゼ変異体が好ましい:
(i) 配列番号1に従うナンバリングでの位置:
3、475、314、
6、95、195、
423、
150、226、255、418、
22、106、285、484、
(ii) 4、476、315、
7、96、196、
424、
151、227、256、419、
23、107、286、485、
このとき、群(i)の各置換は、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより独立に選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、かつ
群(ii)の各置換は、F、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより独立に選択される。
【0029】
上記に示される通り、現在、アミラーゼの脱アミド化は、自発的に、および発酵プロセス、精製プロセスおよび製剤化プロセス中にも相当な程度で起こり、これらのプロセスでは、45℃超の温度へのアミラーゼ含有組成物の加熱が回避され、かつ一般的には加熱が30分を超えて行なわれず、好ましくは15分間未満、さらにより好ましくは8分間未満、さらにより好ましくは4分間未満しか行なわれず、最も好ましくはまったく行なわれない。つまり、本発明は、40℃の温度へのアミラーゼ含有組成物の4分間の加熱中、好ましくは8分間の加熱中、より好ましくは最大15分間の加熱中、さらにより好ましくは最大30分間の加熱中の、「ゴースト」(脱アミド化生成物)の形成を減少させる手段、特にアミラーゼを提供する。熱処理中の組成物のpHは、5未満にはならず、好ましくは最大で9、より好ましくは最大で8.5、さらにより好ましくは最大で8、さらにより好ましくは最大で7.5、さらにより好ましくは最大で7、さらにより好ましくは最大で6.5、さらにより好ましくは最大で6である。
【0030】
本発明において、配列番号1に対して少なくとも65%の配列同一性を有するアミラーゼは、配列番号1の3位にて特に脱アミド化しやすいこともまた見出されている。配列番号1の精製アミラーゼは、そのゴーストへと効率よく変換され、すなわち、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間以内の保存で3位が50%超、脱アミド化されたゴーストへと変換される。脱アミド化ゴーストは、脱アミド化された位置で、isoAspまたはアスパラギン酸を含む。アミラーゼへのisoAspの取り込みは特に望ましくなく、それは、このβ-アミノ酸がアミラーゼの三次構造を強力に変形させるからである。野生型βシートドメインでは、isoAspは、脱アミノ化部位でβシート形成を支持するために必要とされる直接的な水素結合を妨げ、それにより脱アミド化されたポリペプチドの表面特性を変化させ、ゴーストの凝集化および/またはゴースト-アミラーゼ凝集体の形成を促進し、かつ未脱アミノ化「親」アミラーゼ中でもまたコンホメーション変化を促す。さらに、isoAspの存在は、一般的に、神経変性疾患および白内障形成でのタンパク質凝集体の形成に関与する。つまり、ポリペプチドへのisoAspの取り込みは、特に、ヒトまたは動物がポリペプチドと直接的に接触する用途のためには、特に洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物、パルプ処理組成物およびそれらの対応する使用では望ましくない。本発明は、有利なことに、アミラーゼ中でのisoAspおよびイソグルタミン酸の形成率を下げるかまたはこれを回避させ、それにより上記の懸念を軽減または回避することを可能にする。
【0031】
群(i)の置換は、配列番号1において、潜在的な脱アミド化部位を除去するために設計されている。群(i)の中では、潜在的置換部位の1行目の置換が、2行目以降に指定された位置のみを含む置換よりも好ましく、2行目の置換は3行目以降に指定された位置のみを含む置換よりも好ましく、以下同様である。つまり、3位、475位、314位のいずれかでの置換が、本発明に従って群(i)の2行目以降に挙げられた位置のみが置換されているアミラーゼよりも好ましい。
【0032】
3位、475位、314位の置換の群の中では、3位での本発明に係る置換が最も好ましい。つまり、本発明に係るアミラーゼ変異体は、好ましくは、配列番号1と比較して、上記で規定した通りの3位の置換ならびに上記の群(i)および/または(ii)に規定された別の位置での少なくとも1箇所のさらなる置換を含む。
【0033】
本発明のアミラーゼは、好ましくは、N末端にXXXNGTXMQモチーフを含む。このモチーフは、配列番号1の3位で開始されるオリゴペプチドに一致する。つまり、該モチーフの4番目のアミノ酸である「N」は、配列番号1の6番目のアミノ酸に対応する。好ましくは、最初のXは、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかにより、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかにより置き換えられる。つまり、好ましいモチーフは以下の通りであり:AGTNGTMMQ、DGTNGTMMQ、EGTNGTMMQ、FGTNGTMMQ、GGTNGTMMQ、HGTNGTMMQ、IGTNGTMMQ、KGTNGTMMQ、LGTNGTMMQ、PGTNGTMMQ、RGTNGTMMQ、SGTNGTMMQ、TGTNGTMMQ、VGTNGTMMQ、WGTNGTMMQ、YGTNGTMMQ、以下のものが特に好ましい:AGTNGTMMQ、GGTNGTMMQ、KGTNGTMMQ、RGTNGTMMQ、SGTNGTMMQ、TGTNGTMMQ。本明細書中に後述する理由のために、以下のモチーフがより好ましく: AGTNGTLMQ、DGTNGTLMQ、EGTNGTLMQ、FGTNGTLMQ、GGTNGTLMQ、HGTNGTLMQ、IGTNGTLMQ、KGTNGTLMQ、LGTNGTLMQ、PGTNGTLMQ、RGTNGTLMQ、SGTNGTLMQ、TGTNGTLMQ、VGTNGTLMQ、WGTNGTLMQ、YGTNGTLMQ、以下のものがさらにより好ましい:AGTNGTLMQ、GGTNGTLMQ、KGTNGTLMQ、RGTNGTLMQ、SGTNGTLMQ、TGTNGTLMQ。これらのモチーフのすべてにおいて、トリペプチド「TNG」は、「VNG」および「LNG」のうちのいずれかと交換できる。
【0034】
上記で規定される通りの群(ii)の置換は、群(ii)に挙げられる位置のすぐ前のいずれかのAsnの脱アミド化を減少させるために特別に設計されている。当業者は、本発明に従って、群(ii)に示される位置で配列番号1中で遭遇する小型アミノ酸を、群(ii)に関して上記で記載されたアミノ酸と交換することにより、先行するAsnの脱アミド化が立体的に妨害されることを理解する。つまり、群(i)の定義に当てはまるであろう特定のAsnを維持することが望ましい場合に、群(ii)に関して上記で引用したアミノ酸のうちの1つにより、隣接するC末端アミノ酸の置換を行なうべきである。
【0035】
当業者は、本発明に従って、群(i)におけるAsnの置換により脱アミド化を回避できることを理解する。つまり、互いにすぐ隣り合う2個のアミノ酸を置換すること、例えば、群(i)に関する規則に従う置き換えによりアミノ酸3位を置換し、かつそれに加えて群(ii)に関する規則に従う置き換えによりアミノ酸4位を置換することは、一般的には推奨されない。
【0036】
3位に加えて、配列番号1の別の脱アミド化ホットスポットは、配列番号1の475位に位置する。このAsnはα-アミラーゼの間で、特に配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミラーゼの間で広く保存されているので、この位置でのAsnを置換できることは特に驚くべきことであった。例えば、市販のアミラーゼであるターマミル(Termamyl(c))またはUniprot ID P06278に従うバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)α-アミラーゼ(「BLA」)でさえも、配列番号1のナンバリングでの475位のAsn(成熟型ターマミル(Termamyl(c))/BLAアミラーゼの473位)は保存されている。しかしながら、例えば、配列番号1の3位および475位での、4位および475位での、3位および476位でのまたは4位および476位での置換によって、3位および475位での脱アミド化を防止することにより、アミラーゼロット均質性の低下の2つの最も重要な原因を取り除くことができる。好ましくは、上記の群(i)の規則に従って、3位および475位が置換される。配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する本発明に係る成熟型アミラーゼもまた好ましく、このとき、(a) 配列番号1の475位のアミノ酸は群(i)の規則に従って、すなわち、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択されるアミノ酸により置換され、このとき、好ましくは(a)に従う置換が、群(i)の規則に従う唯一の置換であり、または(b) 配列番号1の476位のアミノ酸は群(ii)の規則に従って、すなわち、F、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより選択されるアミノ酸により置換され、このとき、好ましくは(b)に従う置換が、群(ii)の規則に従う唯一の置換である。つまり、本発明は、配列番号1に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する成熟型アミラーゼを含む組成物を提供することを可能にし、このとき、該成熟型アミラーゼ、すなわち、配列番号1に従う475位での脱アミド化を含まないアミラーゼと配列番号1に従う475位での脱アミド化を含むアミラーゼの合計とのモル比が、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物は配列番号1に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する成熟型アミラーゼのいかなるゴーストも含まず、
このとき、比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される。
【0037】
より低い程度では、群(i)に従う314位での置換および/または群(ii)に従う315位での置換により、配列番号1の314位での脱アミド化を防止することが好ましい。ここでもまた、314位でのAsnは、α-アミラーゼの間で、特に配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミラーゼの間で一般的に保存されており、したがって、この位置が顕著に脱アミド化する傾向にあり得ること、またはアミラーゼ活性を広く干渉せずに置換できることは、驚くべきであった。しかしながら、配列番号1の3位および315位での、好ましくはまた配列番号1の475位でも、脱アミド化を防止することにより、脱アミド化に対する2箇所の主要な寄与部位が取り除かれる。つまり、それぞれ群(i)および/または(ii)の規則に従って、配列番号1のナンバリングで、3位と314位、3位と315位、4位と314位、または4位と315位のアミノ酸を置換することが好ましい。
【0038】
配列番号1に従う3位、475位および314位での上記の脱アミノ化ホットスポットのすべてを除去する置換が特に好ましい。つまり、それぞれ群(i)および/または(ii)の規則に従って、3位と314位と475位、4位と314位と475位、3位と315位と475位、4位と315位と475位、3位と314位と476位、4位と314位と476位、3位と315位と476位、または4位と315位と476位のアミノ酸を置換することが好ましい。3位と314位と475位での三重置換が特に好ましい。
【0039】
さらなる有益な突然変異が独国特許出願公開第102012209289A1号に記載され;この文献はその全体が本明細書中に組み入れられる。本発明において、上記の置換のうちのいずれかに加えて、以下の置換のうちの1つ以上によって対応する親アミラーゼとは異なるアミラーゼ変異体を提供することが、特に好ましい:
配列番号1に従う5位のアミノ酸のAによる置換、および/または
配列番号1に従う167位のアミノ酸のRによる置換、および/または
配列番号1に従う170位のアミノ酸のPによる置換、および/または
配列番号1に従う177位のアミノ酸のLによる置換、および/または
配列番号1に従う202位のアミノ酸のLによる置換、および/または
配列番号1に従う204位のアミノ酸のVによる置換、および/または
配列番号1に従う271位のアミノ酸のDによる置換、および/または
配列番号1に従う330位のアミノ酸のDによる置換、および/または
配列番号1に従う377位のアミノ酸のRによる置換、および/または
配列番号1に従う385位のアミノ酸のSによる置換、および/または
配列番号1に従う445位のアミノ酸のQによる置換。
【0040】
好ましくは、独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号の段落[0028]に記載されるパターン(1)〜(39)のいずれかに従うさらなる置換が行なわれ、さらにより好ましくは、さらなる置換は、独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号のパターン(10)、(28)、(31)、(35)、(38)または(39)に一致し、さらにより好ましくは、さらなる置換は、独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号のパターン(31)に一致する。
【0041】
さらなる有益な突然変異は、以下の通りである:
配列番号1に従う183位および184位での欠失、ならびに
配列番号1に従う118位のアミノ酸のKによる置換、および/または
配列番号1に従う195位のアミノ酸のFによる置換、および/または
配列番号1に従う320位のアミノ酸のKによる置換、および/または
配列番号1に従う458位のアミノ酸のKによる置換。
【0042】
好ましくは、さらなる突然変異は、配列番号1に従う183位および184位での欠失、ならびに配列番号1に従う118位のアミノ酸のKによる置換、および配列番号1に従う195位のアミノ酸のFによる置換、および配列番号1に従う320位のアミノ酸のKによる置換、および配列番号1に従う458位のアミノ酸のKによる置換を含む。
【0043】
脱アミド化の最中には、AsnがAspおよび/またはisoAspにより置き換えられ、このとき、AspとisoAspとの比率は、一般的に、おおよそで少なくとも1:2または1:3でさえある。つまり、脱アミド化ホットスポットを、本発明に従って本明細書中に示される通りに取り除かない限りは、最終的なアミラーゼ含有組成物は、望ましくないβ-アミノ酸、特にisoAspを相当量で含有するであろう。本発明に従う上記の教示によれば、ここで、対応する野生型アミラーゼを含む組成物に対して、改善された均質性を有し、特に、β-アミノ酸の、特にisoAspの含有量が低下した1種以上のアミラーゼを含有する組成物を提供することが可能である。
【0044】
本発明に従って置換されたアミラーゼは、好ましくは配列番号1に対して少なくとも67%の配列同一性、好ましくは配列番号1に対して少なくとも68%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも74%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも87%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも92%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも94%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも99%の配列同一性を有するアミラーゼである。
【0045】
好ましくは、本発明に従って置換されたアミラーゼは、実施例における好ましいいずれかのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは少なくとも87%の配列同一性、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも92%の配列同一性、より好ましくは少なくとも94%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性、より好ましくは少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミラーゼである。そのような配列に関して、本発明において有益な置換は保存されることが理解される。
【0046】
本発明はまた、先行する請求項のうちのいずれかに係るアミラーゼをコードする配列を含む核酸も提供し、配列がプロモーターに機能的に連結されている、本発明に係るアミラーゼをコードする配列を含む発現カセットをさらに提供する。
【0047】
本発明はまた、本発明に係る、本明細書中に記載される通りの核酸および/または発現カセットを含む組み換え宿主細胞も提供する。
【0048】
本発明はまた、1種以上のアミラーゼを含む酵素組成物も提供し、このとき、本発明に従って置換されたアミラーゼの合計と本発明に従わないアミラーゼの合計とのモル比は、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物は本発明に従わないいかなるアミラーゼも含まず、
このとき、比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される。
【0049】
つまり、本発明はまた、1種以上のアミラーゼを含む酵素組成物も提供し、このとき、脱アミノ化アミラーゼの合計と脱アミド化されていないアミラーゼの合計とのモル比は、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物はいかなる脱アミド化アミラーゼも含まず、
このとき、比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される。
【0050】
これに対応して、本発明は、1種以上のアミラーゼを含む酵素組成物を提供し、このとき、L-isoAspおよびD-isoAspのうちのいずれかを含むアミラーゼとL-isoAspおよびD-isoAspのうちのいずれも含まないアミラーゼとのモル比は、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物はL-isoAspおよびD-isoAspのうちのいずれかを含むいかなるアミラーゼも含まず、
このとき、比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される。
【0051】
上記の通りの該酵素組成物は、好ましくは、洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物である。
【0052】
本発明はまた、アミラーゼロット均質性を改善する方法も提供し、該方法は、以下のステップを含む:
(a) 配列番号1に対して少なくとも65%の配列同一性を有する親アミラーゼアミノ酸配列を提供するステップ、および
(b) 親アミラーゼアミノ酸配列のうちの少なくとも2箇所の位置を置換するステップであって、位置および置換は以下の群から独立に選択され:
(i) 配列番号1に従うナンバリングでの位置:
3、475、314、
6、95、195、
423、
150、226、255、418、
22、106、285、484、
(ii) 4、476、315、
7、96、196、
424、
151、227、256、419、
23、107、286、485、
このとき、群(i)の各置換は、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより独立に選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、かつ
群(ii)の各置換は、F、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより独立に選択される、上記ステップ、
(c) ステップ(b)で取得されるアミノ酸配列を有するアミラーゼを発現する宿主微生物を提供するステップ、
(d) ステップ(c)に記載される宿主微生物を用いて、アミラーゼを発現させるために発酵させるステップ、および
(e) ステップ(d)で取得されるアミラーゼを精製するステップ、および任意により
(f) ステップ(e)で取得されるアミラーゼを、洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物へと製剤化するステップ。
【0053】
ステップ(a)における親アミラーゼアミノ酸配列は、上記に示される通り、配列番号1に従うナンバリングに影響することなく、追加のシグナルドメイン、プロドメインまたはシグナル-プロドメインを含むことができる。また、追加のドメインのうちのいずれの存在も、本発明の教示に影響を及ぼすことがなく、これは、追加のドメインが、発酵中および/または精製中および/または最終的なアミラーゼ組成物の製剤化中のいずれかには除去され、これにより、追加のドメインが精製および製剤化後に取得されるアミラーゼ組成物中で「ゴースト」を生じさせないからである。
【0054】
ステップ(a)における親アミラーゼアミノ酸配列は、独国特許出願公開第102012209289A1号に記載される通りのさらなる有益な突然変異を含むことができ;この文献はその全体が本明細書中に組み入れられる。本発明において、上記に示される置換のうちのいずれかに加えて、以下の置換のうちの1つ以上によって対応する親アミラーゼとは異なるアミラーゼ変異体を提供することが、特に好ましい:
配列番号1に従う5位のアミノ酸のAによる置換、および/または
配列番号1に従う167位のアミノ酸のRによる置換、および/または
配列番号1に従う170位のアミノ酸のPによる置換、および/または
配列番号1に従う177位のアミノ酸のLによる置換、および/または
配列番号1に従う202位のアミノ酸のLによる置換、および/または
配列番号1に従う204位のアミノ酸のVによる置換、および/または
配列番号1に従う271位のアミノ酸のDによる置換、および/または
配列番号1に従う330位のアミノ酸のDによる置換、および/または
配列番号1に従う377位のアミノ酸のRによる置換、および/または
配列番号1に従う385位のアミノ酸のSによる置換、および/または
配列番号1に従う445位のアミノ酸のQによる置換。
【0055】
好ましくは、さらなる置換は、独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号の段落[0028]に記載されるパターン(1)〜(39)のいずれかに一致し、さらにより好ましくは、さらなる置換は、独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号のパターン(10)、(28)、(31)、(35)、(38)または(39)に一致し、さらにより好ましくは、さらなる置換は、独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号のパターン(31)に一致する。
【0056】
ステップ(a)における親アミラーゼアミノ酸配列は、以下のさらなる有益な突然変異を含むことができる:
配列番号1に従う183位および184位での欠失、ならびに
配列番号1に従う118位のアミノ酸のKによる置換、および/または
配列番号1に従う195位のアミノ酸のFによる置換、および/または
配列番号1に従う320位のアミノ酸のKによる置換、および/または
配列番号1に従う458位のアミノ酸のKによる置換。
【0057】
好ましくは、さらなる突然変異は、配列番号1に従う183位および184位での欠失、ならびに配列番号1に従う118位のアミノ酸のKによる置換、および配列番号1に従う195位のアミノ酸のFによる置換、および配列番号1に従う320位のアミノ酸のKによる置換、および配列番号1に従う458位のアミノ酸のKによる置換を含む。
【0058】
本発明はまた、対応する親アミラーゼを含む対応する組成物と比較して、洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物中のβ-アミノ酸、特にisoAspの含有量を減少させる方法も提供する。該方法のステップは、上記の通りのステップ(a)〜(f)であり、このとき、上記の通り、ステップ(f)は任意である。
【0059】
本発明において、ポリペプチド中に1個以上のβ-アミノ酸を含むポリペプチド(好ましくはアミラーゼポリペプチドであるが、任意により他のポリペプチドでもある)の一定含有量を有する洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物もまた提供され、該組成物は、好ましくは組成物の総ポリペプチドのうちの最大で20mol%、好ましくは組成物の総ポリペプチドのうちの最大で10mol%、より好ましくは組成物の総ポリペプチドのうちの最大で5mol%、より好ましくは組成物の総ポリペプチドのうちの最大で2mol%の、1個以上のisoAsp部分を含むポリペプチドの含有量を有し、好ましくはβ-アミノ酸を含まず、好ましくはisoAsp部分を含まない。前の文章の意味での「ポリペプチド」は、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも65%の配列同一性を有するポリペプチドであり、β-アミノ酸の、好ましくはisoAspの含有量は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される。本発明に係るアミラーゼ組成物をそれぞれの洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物へと製剤化することにより、組成物が容易に調製されることを、当業者は理解する。つまり、本発明は、上記の組成物を提供し、それにより上記の本発明の利点を実現させる。当業者は、これらの組成物中では、本発明のアミラーゼの他には、β-アミノ酸の、特にisoAspの他の供給源は回避するべきであることを理解する。
【0060】
特に好ましい洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物およびパルプ処理組成物が独国特許出願公開第10 2012 209 289 A1号および国際公開第2013063460号に記載され、これらの文献はその全体が本明細書中に組み入れられる。本発明に係る洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物およびパルプ処理組成物が、各文献の発明に係るアミラーゼが本発明のアミラーゼによって置き換えられている点で、前の文章に引用された文献に記載されたそれぞれの組成物とは異なることを、当業者は理解する。
【0061】
本発明は、例えば以下の実施形態を包含する:
[実施形態1]配列番号1に対して少なくとも65%の配列同一性を有し、かつ以下の群から独立に選択される2箇所以上の置換により配列番号1とは異なるアミラーゼであって:
(i) 配列番号1に従うナンバリングでの位置:
3、475、314、
6、95、195、
423、
150、226、255、418、
22、106、285、484、
(ii) 4、476、315、
7、96、196、
424、
151、227、256、419、
23、107、286、485、
群(i)の各置換は、A、D、E、F、G、H、I、K、L、P、R、S、T、V、W、Yのうちのいずれかより独立に選択され、好ましくはA、G、K、R、S、Tのうちのいずれかより選択され、かつ
群(ii)の各置換は、F、Y、L、I、W、R、E、Mのうちのいずれかより独立に選択される、上記アミラーゼ。
[実施形態2]配列番号1に対して少なくとも67%の配列同一性、好ましくは配列番号1に対して少なくとも68%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも87%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも92%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも94%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも99%の配列同一性を有する、実施形態1に記載のアミラーゼ。
[実施形態3]実施例に記載のいずれかのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは少なくとも87%の配列同一性、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも92%の配列同一性、より好ましくは少なくとも94%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性、より好ましくは少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する、実施形態1または2に記載のアミラーゼ。
[実施形態4]実施形態1〜3のいずれかに記載のアミラーゼをコードする配列を含む核酸。
[実施形態5]実施形態1〜3のいずれかに記載のアミラーゼをコードする配列を含む発現カセットであって、該配列がプロモーターに機能的に連結されている、上記発現カセット。
[実施形態6]実施形態4に記載の核酸および/または実施形態5に記載の発現カセットを含む組み換え宿主細胞。
[実施形態7]1種以上のアミラーゼを含む酵素組成物であって、実施形態1〜3のいずれかに記載のアミラーゼの合計と実施形態1〜3のいずれかに記載されていないアミラーゼの合計とのモル比が、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物は実施形態1〜3のいずれかに記載されていないいかなるアミラーゼも含まず、
該比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される、上記酵素組成物。
[実施形態8]1種以上のアミラーゼを含む酵素組成物であって、L-isoAspおよびD-isoAspのうちのいずれかを含むアミラーゼとL-isoAspおよびD-isoAspのうちのいずれも含まないアミラーゼとのモル比が、
・最大で1:1であり、
・好ましくは<1:2であり、
・より好ましくは<1:5であり、
・最も好ましくは組成物はL-isoAspおよびD-isoAspのうちのいずれかを含むいかなるアミラーゼも含まず、
該比率は、pH8および37℃にて水性20mMリン酸バッファー中での24時間の保存後に測定される、上記酵素組成物。
[実施形態9]洗浄組成物、食品組成物、飼料組成物、布地糊抜き組成物またはパルプ処理組成物である、実施形態7または8に記載の酵素組成物。
[実施形態10]デンプンを含有する物質を処理するための、好ましくはデンプンを含有するシミについて布地を洗浄するための方法であって、組成物中に含まれるアミラーゼがグリコシド結合を切断するのを可能にするために、該物質、好ましくはシミの付いた織布または不織布を、実施形態7〜9のいずれかに記載の酵素組成物に曝露するステップを含む、上記方法。
本発明に係るさらなる方法、実施形態および実施例が、以下の節に説明される。
【0062】
方法
アミラーゼ精製および分析的イオン交換クロマトグラフィー
以下の節に記載される精製のために、GE Akta systemを用いた。精製およびバッファー(puffer)の調整は、室温で行なった。特に記載しない限り、すべての化学薬品は分析グレードのものである。
【0063】
発酵液または製剤化済み製品からのアミラーゼの精製のために、最初のアニオン交換クロマトグラフィー(Q-Sepharose)を、1mM CaCl2を含有するTRISバッファーをローディングバッファーとして用いて行なった。必要な場合、ローディングバッファーをリザーバーバッファーとして用いる透析により、サンプルを脱塩した。アニオン交換クロマトグラフィーの溶出は、500mM NaClまでの線形塩勾配により行なった。ローディングバッファーを用いた結合を可能にするために、精製のためのpHは、個々のアミラーゼに依存した。望ましくない脱アミド化を回避するために、pH8を超えるpHは避けた。このステップ中ならびに他のステップから生じる画分を、Roche Costum Biotech社のEPS系アミラーゼアッセイを製造業者のプロトコールに従って用いることにより、α-アミラーゼ活性についてモニタリングした。
【0064】
第2の精製ステップとして、疎水性相互作用クロマトグラフィーを行なった(ブチルセファロース)。このために、α-アミラーゼ含有画分には、ローディングのために、硫酸アンモニウムを最終濃度35%まで添加した。タンパク質溶出は、50mM MOPS(pH7.2)および1mM CaCl2を含有する溶出バッファーにより行なった。α-アミラーゼ含有画分は、SDS-PAGE分析により判定した場合に、90%+の成熟型α-アミラーゼタンパク質のα-アミラーゼ含有量を含んだ。α-アミラーゼを含有するサンプルをプールし、50mM MES(pH5.4)および1mM CaCl2をリザーバーバッファーとして用いて透析した。
【0065】
さらなる分析および荷電変異体の分離のために、分析的イオン交換クロマトグラフィーを行なった。このために、Mono Sカチオン交換体を、ローディングバッファーとしての50mM MES(pH5.4)および1mM CaCl2と共に用いた。溶出は、50mM MES(pH5.4)、500mM NaClおよび1mM CaCl2を含有する溶出バッファーにより行なった。勾配は、個々の荷電変異体の明瞭な分離が可能になるように調整した。それにより、個々のピークが精製α-アミラーゼの荷電変異体に対応して現われた。
【0066】
強制的脱アミド化条件
強制的分解研究のために、α-アミラーゼを、脱アミド化しやすい特定の条件でインキュベートした。強制的脱アミド化を誘導するために、α-アミラーゼを、昇温(37℃)にて、若干アルカリ性のpH(8.0)およびリン酸ベースのバッファー系中でインキュベートした。それらの条件は、脱アミド化プロセスを誘導することが実験的に確認された。強制的分解研究のために用いたバッファーのpH値は室温(23.5℃)で調整したが、37℃でもチェックした。サンプルを、所定の時間、振盪しないで、15mLチューブ中で1〜5mL体積のアリコートにてインキュベートした。
【0067】
MS分析のためのα-アミラーゼの消化
α-アミラーゼサンプルを、12.5%TCA(v/v)の最終濃度まで50%TCAと混合することにより沈殿させた。サンプル体積は、少なくとも100μgのタンパク質ペレットを得るために、実際のα-アミラーゼ濃度に応じて選択した(タンパク質濃度は、280nmでの吸光度により測定される)。サンプルを、4℃にて14000rpmで5分間遠心分離した。上清を廃棄し、タンパク質ペレットを、1mLのエタノール/ジエチルエーテル1:1(v/v)溶液を用いて2回洗浄した。
【0068】
消化に関して、すべてのプロテアーゼをシーケンスグレード品質でRoche社から購入した。
【0069】
エンドプロテアーゼであるトリプシンを用いる消化のために、25μgのトリプシン(シーケンスグレード)を2mLのリン酸バッファー20mM、pH8.0に溶解させ、穏やかに混合した。150μLのトリプシン溶液を、α-アミラーゼペレットに加えた(150μgタンパク質当たり1.875μgトリプシンに相当する)。消化は、振盪しないで、37℃で4時間行なった。
【0070】
エンドプロテアーゼであるLys-Cを用いる消化のために、5μgのLys-C(シーケンスグレード)を1.5mLのリン酸バッファー20mM、pH8.0に溶解させ、穏やかに混合した。150μLのLys-C溶液を、α-アミラーゼペレットに加えた(150μgタンパク質当たり0.5μg Lys-Cに相当する)。消化は、振盪しないで、37℃で4時間行なった。
【0071】
エンドプロテアーゼであるAsp-Nを用いる消化のために、2μgのAsp-N(シーケンスグレード)を1.5mLのリン酸バッファー20mM、pH8.0に溶解させ、穏やかに混合した。150μLのAsp-N溶液を、α-アミラーゼペレットに加えた(150μgタンパク質当たり0.2μg Asp-Nに相当する)。消化は、振盪しないで、37℃で4時間行なった。
【0072】
サンプルを、LC-MS分析を行なうまで、4℃にて最大で2日間、保存した。
【0073】
SDS-PAGE
α-アミラーゼサンプルを、12.5%TCA(v/v)の最終濃度まで50%TCAと混合することにより沈殿させた。サンプル体積は、実際のα-アミラーゼ濃度に応じて選択したが、少なくとも50μgの総タンパク質を伴った(タンパク質濃度は、280nmでの吸光度により測定される)。サンプルを、4℃にて14000rpmで5分間遠心分離した。上清を廃棄し、タンパク質ペレットを、1mLのエタノール/ジエチルエーテル1:1(v/v)溶液を用いて2回洗浄した。乾燥後、タンパク質ペレットを少なくとも50μLのSDSサンプルバッファー(4%SDS、2%DTT、80mM Tris、0.1%ブロモフェノールブルー(bromphenol blue)、pH6.8)に溶解させ、95℃にて15分間加熱した。
【0074】
SDS-PAGEは、Pharmacia Biotech EPS 3501 XL電源ユニットと接続したNovex XCell SureLock(登録商標)ミニセル電気泳動チャンバーで、Novex NuPAGE(登録商標)4〜12%Bis-Trisゲル上にて行なった。MES SDS NuPAGE(登録商標)泳動バッファーを用いた。SDS-PAGEのための設定は、150V、90mA、15W、40分、温度調節なしであった。15μLタンパク質サンプルを45μL SDSサンプルバッファー(4%SDS、2%DTT、80mM Tris、0.1%ブロモフェノールブルー、pH6.8)と混合し、95℃にて15分間加熱した。タンパク質濃度およびレーン当たりのタンパク質ロード量は、20〜40μgタンパク質の範囲であった。タンパク質分子量は、5μLのBioRad Precision Plus ProteinTMマーカーを参照として用いることにより推定した。
【0075】
等電点電気泳動は、Pharmacia Biotech EPS 3500 XL電気泳動電源ユニットと接続したPharmacia Biotech Multiphor II水平電気泳動チャンバーで行なった。電気泳動チャンバーの温度は、Huber Ministate 230冷却循環装置によって調節した。SERVA垂直フォーカスゲル(SERVA vertical focus gel)pH3〜10(カタログ番号:43327.01)のアノード側に、1cm2 Pharmacia Biotechサンプルアプリケーションピースを用いて、サンプルをアプライした。15μL SERVA IEF-マーカー液ミックスpH3〜10(カタログ番号:39212)(1:5に水で希釈)を、すべてのゲルに対してpIマーカーとして用いた。この電気泳動(focusing)プロセスのための電源設定は、以下の通りである:
【0076】
ステップ 設定電圧[V] 設定電流[mA] 設定電力[W] 時間[分] 温度[℃]
電気泳動前 1000 50 10 20 調節なし
(サンプルなし)
サンプル導入 500 30 10 30 10
電気泳動 1500 18 20 90 10
バンド鮮明化 2000 15 25 30 10
【実施例】
【0077】
上記の通りに、通常の保存条件でのそれらの脱アミド化傾向が低いかまたはなくなっていることにより、本発明に従えば、以下の成熟型α-アミラーゼが好ましい:図12〜16に従う配列SEQ-A.1〜SEQ-A.16、配列SEQ-B.1〜SEQ-B.16、配列SEQ-C.1〜SEQ-C.16および配列SEQ-D.1〜SEQ-D.33のうちのいずれかを含むかまたはいずれかからなるアミラーゼであって、各Xは同じ配列中のいずれの他のXとも独立に、上記の図面の説明中で説明される通りに定義される。配列番号6に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性の、配列番号1に従って475位および314位にて群(i)に従う置換を含むアミラーゼもまた好ましい。
【0078】
上記の通り、この「実施例」節の配列のうちのいずれかに加えて、1種以上のさらなるドメイン、例えば、プロペプチドおよび/またはシグナルペプチドを含むアミラーゼが、本発明において好ましい。
【0079】
本発明に係る組成物およびアミラーゼの調製ならびに使用に関する例:
洗剤組成物 [重量%]
FAEOS 5%
C12/14 7 EO 12%
APG 2%
脂肪酸C12-18 5%
グリセリン 5%
Tinopal(登録商標)CBS-X 0.1%
クエン酸塩 1%
ポリアクリレート 2%
プロテアーゼ +
アミラーゼ +
水 100%まで
【0080】
以下の処方を有する家庭用洗濯洗剤組成物:
重量%
直鎖アルキルベンゼンスルホネート 23.00
カチオン性界面活性剤 0.80
(C12-14アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド)
トリポリリン酸ナトリウム 14.50
炭酸ナトリウム 17.50
ケイ酸ナトリウム 7.00
硫酸ナトリウム 28.52
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.37
蛍光剤(Fluorescers) 0.19
酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ) 0.94
青色色素、香料 0.44
水分等 6.92
【0081】
【表1】
【0082】
本発明の一実施形態では、好ましくは本実施例節の上記に示される配列を有する、本発明に係るアミラーゼ(A)は、少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤(B)および少なくとも1種のビルダー(builder)(C)をさらに含む洗濯用組成物の成分である。
【0083】
好適なアニオン性界面活性剤(B)の例は、C8-C12-アルキル硫酸の、C12-C18-脂肪アルコールエーテル硫酸の、C12-C18-脂肪アルコールポリエーテル硫酸の、エトキシル化C4-C12-アルキルフェノールの硫酸半エステル(エトキシル化:3〜50molのエチレンオキシド/mol)の、C12-C18-アルキルスルホン酸の、C12-C18スルホ脂肪酸(sulfo fatty acid)アルキルエステルの、例えば、C12-C18スルホ脂肪酸メチルエステルの、C10-C18-アルキルアリールスルホン酸の、好ましくはn-C10-C18-アルキルベンゼンスルホン酸の、C10-C18アルキルアルコキシカルボン酸の、および例えばC8-C24-カルボン酸などの石鹸の、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。上記の化合物のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
【0084】
本発明の一実施形態では、アニオン性界面活性剤(B)は、n-C10-C18-アルキルベンゼンスルホン酸および脂肪アルコールポリエーテル硫酸塩から選択され、本発明の文脈では、特に、エトキシル化C12-C18-アルカノール(エトキシル化:1〜50molのエチレンオキシド/mol)の硫酸半エステル、好ましくは、n-C12-C18-アルカノールの硫酸半エステルである。
【0085】
ビルダー(C)の例は、錯化剤(本明細書中、以下では錯化剤(C)とも称される)、イオン交換化合物、および沈殿剤(C)である。ビルダー(C)の例は、シトレート、ホスフェート、シリケート、カーボネート、ホスホネート、アミノカルボキシレートおよびポリカルボキシレートである。
【0086】
錯化剤(C)(「金属イオン封鎖剤」(sequestrant))の例は、限定するものではないが、シトレート、ホスフェート、ホスホネート、シリケート、ならびにエチレンジアミンテトラアセテート、ジエチレンペンタミンペンタアセテート(diethylene pentamine pentaacetate)、メチルグリシンジアセテート、およびグルタミンジアセテートから選択されるエチレンアミン誘導体などの錯化剤から選択される。錯化剤(C)は、以下にさらに詳細に説明されるであろう。
【0087】
沈殿剤(C)の例は、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。
【0088】
本発明の一実施形態では、本発明に係る使用は、少なくとも1種のさらなる酵素(D)と併せたアミラーゼ(A)の使用を含む。有用な酵素は、例えば、1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼおよびペルオキシダーゼ、ならびに上記のうちの上記のタイプの少なくとも2種の組み合わせである。
【0089】
本発明に係る組成物は、1種以上のブリーチ剤(E)(漂白剤)を含むことができる。
【0090】
好ましい漂白剤(E)は、無水の、または例えば、一水和物として、もしくは四水和物もしくはいわゆる二水和物としての過ホウ酸ナトリウム、無水の、または例えば、一水和物としての過炭酸ナトリウム、および過硫酸ナトリウムから選択され、このとき、それぞれの場合での「過硫酸」との用語は、過酸H2SO5の塩およびペルオキソ二硫酸の塩を含む。
【0091】
本発明に係る製剤は、1種以上の漂白触媒(bleach catalyst)を含むことができる。漂白触媒は、オキサジリジニウム(oxaziridinium)系漂白触媒、漂白増強性(bleach-boosting)遷移金属塩、または例えば、マンガン-、鉄-、コバルト-、ルテニウム-もしくはモリブデン-サレン錯体などの遷移金属錯体またはカルボニル錯体から選択することができる。含窒素三脚型配位子とのマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、バナジウムおよび銅錯体ならびにまたコバルト-、鉄-、銅-およびルテニウム-アミン錯体もまた、漂白触媒として用いることができる。
【0092】
本発明に係る製剤は、1種以上の漂白賦活剤(bleach activator)、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン、テトラアセチルメチレンジアミン、テトラアセチルグリコールウリル(tetraacetylglycoluril)、テトラアセチルヘキシレンジアミン、アシル化フェノールスルホネート(例えば、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネートなど)、N-メチルモルホリニウム-アセトニトリル塩(「MMA塩」)、トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩、N-アシルイミド(N-acylimide)(例えば、N-ノナノイルスクシンイミドなど)、1,5-ジアセチル-2,2-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(「DADHT」)または第4級ニトリル(nitrile quat)(トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩)を含むことができる。
【0093】
本発明に係る製剤は、1種以上の腐食阻害剤を含むことができる。この場合には、これは、金属の腐食を阻害する化合物を含めることとして理解されるべきである。好適な腐食阻害剤の例は、トリアゾール、特に、ベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾールであり、またフェノール誘導体、例えば、ヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシノールまたはピロガロールなどである。
【0094】
本発明に係る製剤は、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の追加の界面活性剤を含むことができる。
【0095】
非イオン性界面活性剤
界面活性剤の例は、特に、非イオン性界面活性剤である。好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化アルコールおよびアルコキシル化脂肪アルコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのジブロックコポリマーおよびマルチブロックコポリマーならびにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとのソルビタンの反応生成物、さらに、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)およびいわゆるアミンオキシドである。
【0096】
さらなる好適な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから構成されるジブロックコポリマーおよびマルチブロックコポリマーから選択される。さらなる好適な非イオン性界面活性剤は、エトキシル化またはプロポキシル化ソルビタンエステルから選択される。ラウリルジメチルアミンオキシド(「ラウラミンオキシド」)またはアルキルフェノールエトキシレートまたはアルキルポリグリコシドまたはポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)などのアミンオキシドが同様に好適である。好適なさらなる非イオン性界面活性剤の概要は、欧州特許出願公開第0 851 023号および独国特許出願公開第198 19 187号に見出すことができる。
【0097】
2種以上の異なる非イオン性界面活性剤の混合物もまた、存在し得る。両性界面活性剤の例は、C12-C18-アルキルベタインおよびスルホベタインである。さらなる任意的成分は、限定するものではないが、粘性調節剤、カチオン性界面活性剤、発泡増強剤または発泡低下剤、香料、色素、光学的光沢剤、転染阻害剤および保存料であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図11a
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
図14-1】
図14-2】
図15-1】
図15-2】
図15-3】
図15-4】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]