(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の部分と前記第2の部分の間に形成された前記スロットは、前記ウォーターフォール装置によってリンスされる基板の直径よりも長い長さを有する、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
前記スロットは、前記ウォーターフォール装置によってリンスされる基板の直径よりも、ほぼ10から100mm長い長さを有する、請求項2に記載のウォーターフォール装置。
前記第1のプレナムは、第1の面、前記第1の面の反対側の第2の面、及び前記第1の面と前記第2の面の間に延在する第3の面を含み、前記第1の面は前記第2の面よりも短く、前記第3の面は、前記第1の部分の前記第1の連結面に対してある角度で、前記第1の面と前記第2の面の間に延在する、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
前記制限された流体経路は、前記スロットの長さと等しい長さを有するか、前記第1のプレナム及び前記第2のプレナムは前記スロットの長さと等しい長さを有するかのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
前記第2の部分の前記第2の連結面は、前記第1の部分の前記第1の連結面の幅よりも大きい幅を有し、それによって、前記第1の連結面と前記第2の連結面の間に形成されたスロットを通って移動する流体が、前記第2の連結面よりも先に前記第1の連結面との接触を断つ、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
前記第2の部分は、前記スロットの端部に配置された流動偏向器であって、前記スロットを通って流れるリンス流体を前記第2の部分の前記第2の連結面に対してある角度で再配向する流動偏向器を含む、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
前記装着機構は、前記前側ウォーターフォール装置と前記後側ウォーターフォール装置の水平位置、横位置、及び回転位置の調整を可能にする、請求項12に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記のように、ある実施例では、洗浄プロセスの後、基板をリンスするのに使われたリンス槽の流体からの粒子が、基板に再付着して基板を汚染し得る。例えば、洗浄の後に基板のリンスに使われたリンス槽の流体が、先行する洗浄ステップ中に使われた化学的性質とは異なるpHを有している場合、粒子が基板に再付着し得る。さらに、汚染物質がリンス用タンク内に蓄積し得、基板が乾燥中に取り外される際に再付着し得る。こうした粒子の再付着は、リンス流体に化学物質を添加することによって低減し得るが、最終リンス用タンクに化学的性質を加えることは、乾燥後の基板に化学的性質が残存してしまう結果になり得る。
【0012】
本書で提供されるある実施形態では、例えばマランゴニ乾燥中に基板の改良された最終リンス処理を提供するために、高度に均一なリンス流体カーテンが用いられる。例えば、溶媒流(例えば、窒素キャリアガス内のイソプロピルアルコール(IPA))によって覆われた、高度に均一なリンス流体カーテンを生成して、化学機械平坦化(CMP)及び/または別の洗浄プロセスの後に基板をリンス及び乾燥するため、最終リンス用タンクの上方に、「ウォーターフォール」プレートが設けられ得る。「ウォーターフォール」と記載されているが、(例えば、脱イオン水、表面張力を低減するリンス用因子を有する脱イオン水、O
3、CO
2、N
2を注入した脱イオン水といった、ガス注入イオン水などの)任意の適切なリンス流体が使われ得ることは、理解されよう。ある実施形態では、ウォーターフォールは、流体を(例えば二つのプレート間に形成された)細い平面のスロットを通して流すことによって、形成される。
【0013】
ある実施形態では、粒子の再付着は、酸または塩基、HCl酸、HF酸、有機アルカリ、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化アンモニウム、別のpH調整剤などといった、化学物質を伴うリンス流体タンク内に基板を含浸し、次いで基板を、頂面がN
2/IPA混合ガスといった溶媒流で覆われたウォーターフォールを通ってタンクから引き上げることによって、回避され得る。この結果生じるリンス流体カーテンが、基板から効果的に化学物質をリンスし、ウォーターフォール上のN
2/IPAガスが、粒子の再付着を低減及び/または最小化するマランゴニ乾燥を提供する。
【0014】
図1Aは、本発明の1つ以上の実施形態によって本書で提供される、ウォーターフォール装置100aの例示の実施形態の斜視図である。
図1Aに示すように、ウォーターフォール装置100aは、第2の(上側の)部分104に連結された第1の(下側の)部分102を含み得る。第1の部分102と第2の部分104を連結するために、ネジ、ボルト、接着剤などといった、任意の適切な連結機構が用いられ得る。ある実施形態では、第1の(下側の)部分102は、本体106、及び本体106に連結された底部プレート108を含む(例えば、単一ピースの下側部分102またはマルチピースの下側部分102が用いられ得る)。第2の(上側の)部分104は、以下でさらに記載される入口110を含む。
【0015】
第1の部分102及び/または第2の部分104は、アルミニウム、ステンレス鋼、石英、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、これらの組合せなどの、任意の適切な材料から製造されていてよい。他の材料を用いてもよい。
【0016】
図1Bは、
図1Aのウォーターフォール装置100aと同様の、代替的なウォーターフォール装置100bを示す。
図1Bのウォーターフォール装置100b内では、示されるとおり、ウォーターフォール装置100bの反対端付近に入口110が位置している。
【0017】
図1Cは、
図1Aの線1C−1Cから見た、ウォーターフォール装置100aの断面図を示す。
図1Dは、
図1Bの線1D−1Dから見た、ウォーターフォール装置100b及び入口110の断面図を示す。
図1Eは
図1Cの断面の拡大図を示し、
図1Fはウォーターフォール装置100aの出口部分の拡大図を示す。
図1Gは、
図1Fと同様であるが、ウォーターフォール装置100aの出口における偏向器(以下でさらに詳細に記載する)の使用を示す。
図1Hは、第2の(上側の)部分104が取り除かれた、ウォーターフォール装置100aの第1の(下側の)部分102の上面図である。
【0018】
図1C及び
図1Eを参照すると、ウォーターフォール装置100aの第1の部分102は、制限された流体経路116によって第2のプレナム114から分離された、第1のプレナムを含む。第1の部分102と第2の部分104とが、第1の部分102の第1の連結面118と第2の部分104の第2の連結面120を介して連結しているとき、両者の間にスロット122が形成される。スロット122は、第2のプレナム114から、ウォーターフォール装置100a(またはウォーターフォール装置100b)の出口124まで延在する。
図1Dに示すように、第1の部分102は、第1の連結面118と第1のプレナム112の間に、第1の部分102を通る流体経路を作り出す、入口開口126を含む。入口110は、第1の部分102の入口開口126と整列し、第2の(上側の)部分104を通って第1のプレナム112に至る流体経路を作り出す。以下でさらに記載されるように、第2の部分104の入口110に導入された流体は、第1の部分102の第1のプレナム112を満たし、制限された流体経路116を通って第2のプレナム114まで移動し、第1の部分102と第2の部分104の間のスロット122から出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。
【0019】
示される実施形態では、第1のプレナム112の体積は、第2のプレナム114の体積よりも大きい。ある実施形態では、第2のプレナム114の体積は、第1のプレナム112の体積と同じであるか、またはそれより大きくてよい。
【0020】
本書で提供されるある実施形態では、第1のプレナム112、第2のプレナム114、及び制限された流体経路116(及び/またはスロット122)は、同様の長さを有し、(
図1Hに示すように)第1の部分102の長さのほぼ全体に延在する。例えば、第1のプレナム112、第2のプレナム114、制限された流体経路116、及び/またはスロット122は、ウォーターフォール装置100aまたは100bとほぼ同じ全長から、
図1Hに示されるように、入口部位128及び第1の部分102の反対側の側壁130を形成するのに用いられた材料の厚さをマイナスしたものであってよい。第1のプレナム112、第2のプレナム114、制限された流体経路116、及び/またはスロット122には、他の長さ及び/または異なる長さが使われてもよい。
【0021】
図1Eを参照すると、ある実施形態では、第1のプレナム112のルーフ(上側面)132は、第1の部分102の第1の結合面118に対して角度づけられていてよい。こうした配設は、リンス流体及び/または第1のプレナム1120内の空気トラッピング及び/または気泡の形成を低減し得る。例えばある実施形態では、ルーフ132は、第1の連結面118に対してほぼ1〜10°の角度を有していてよい(例えば
図1Eでは水平以下となる)。他の実施形態では、ルーフ132は、第1の連結面118に対してほぼ3〜6°の角度を有していてよい。さらに他の実施形態では、ルーフ132は、第1の連結面118に対して約3°よりも大きい角度を有していてよい。より大きいか、またはより小さいルーフ角を用いてもよい。
【0022】
300mmの基板の場合、第1のプレナム112の例示の体積は、ほぼ120〜480cm
3の範囲である。300mmの基板の場合、第2のプレナム114の例示の体積は、ほぼ3〜12cm
3の範囲である。他のプレナムの体積を用いてもよい。ある実施形態では、第1のプレナム112は、第2のプレナム114の体積の約40倍の体積を有し得る。他のプレナムの体積及び/またはプレナムの体積比を用いてもよい。
【0023】
制限された流体経路116は、第1のプレナム112から第2のプレナム114に移動するリンス流体内の、圧力上昇を作り出す。リンス流体が制限された流体経路116から出て第2のプレナム114内で膨張するとき、リンス流体の圧力は低下する。この結果、セカンドプレナム114内のリンス流体圧力は高度に均一となり得、したがってスロット122内のリンス流体圧力も高度に均一となり得る。
【0024】
制限された流体経路116は、ある実施形態では約2mmよりも小さい幅を有し得、またある実施形態では約0.5mmと約0.8mmの間の幅を有し得る。制限された流体経路の幅は、より大きい幅またはより小さい幅が用いられても良い。
【0025】
スロット122は、主として第1の部分102内に形成されているものとして示されている。例えば、第1の部分102の第1の連結面118の一部が機械加工除去されてスロット122を形成してよい。他の実施形態では、スロット122は、第2の部分の第2の連結表面120内に、同様にして形成されてよい。さらなる他の実施形態では、スロット122は、第1の連結面118及び第2の連結面120の両方から材料を除去することによって形成されてよい。
【0026】
図1Fに示すように、スロット122は、ある実施形態では約0.5mmよりも小さい高さhを有し得、ある実施形態では約0.2mm以下の高さを有し得る。より大きいか、またはより小さいスロット高を用いてもよい。スロット幅(例えばスロット出口124から第2のプレナム114までの距離)は、ある実施形態では例えば約20mm以上であってよく、ある実施形態では約30mm以上であってよい。他のスロット幅を用いてもよい。
【0027】
図1E〜
図1Fを参照すると、ある実施形態では、第1の(下側の)部分102は、第2の(上側の)部分104よりも小さい幅を有する。例えば、スロット122の頂部は出口124において、スロット122の底部よりもさらに(例えば
図1Fの距離dで)延在している。距離dは、ある実施形態では約5mm以下であり得、またある実施形態ではほぼ2mm〜3mmであり得る。他の距離も使用され得る。1つ以上の実施形態では、スロット122の出口124における第1の部分102及び第2の部分104の各端部は、示されるように鋭利な先端となっている。例えば、下側部分外面134及び/または上側部分外面136は、スロット122に対して角度が付き、鋭利に終端する先端を形成していてよい。例示の角度はスロット122に対してほぼ30〜60°の範囲であるが、他の角度を用いてもよい。鋭利な先端を使用することで、先端/流体間のインターフェースにおいてリンス流体の粘着性が低下することが分かっており、ある実施形態では、出口124において、リンス流体の流量、圧力及び/または噴出パターンの均一性が向上し得る。
【0028】
図1Gを参照すると、流動偏向器138は、ある実施形態では第2の部分104に連結され得、及び/または第2の部分104の一部として形成され得、スロット122の出口124から出るリンス流体流140を再配向し得る。例えば、流動偏向器138は、リンス流体流140を(例えば下方に)所望の角度で再配向するため、第2の部分104に取り付けられていてよい。リンス流体流140は、スロット122の経路の下方に、ある実施形態ではほぼ40°〜60°の角度で再配向されてよく、ある実施形態ではほぼ45°〜50°の角度で再配向されてよいが、他の角度もまた用いられてよい。以下で
図4〜
図5を参照してさらに記載されるように、このようにしてリンス流体流を再配向することによって、リンス流体が基板の表面に当たる角度の調整が容易になり得る。
【0029】
図2は、本書で提供される本発明の1つ以上の実施形態による、基板200をリンスするために配置されたウォーターフォール装置100a及び100bの上面図である。
図2に示すように、基板200がウォーターフォール装置100aとウォーターフォール装置100bとの間を、これらを通り越して移動するのに際して、ウォーターフォール装置100aは基板200の第1の面(例えば前面即ち装置側)上にリンス流体を噴出するように配置されており、ウォーターフォール装置100bは基板200の第2の面(例えば背面)上にリンス流体を噴出するように配置されている。ウォーターフォール装置100a及び/または100bは、フレームまたは同様の構造202(破線で示す)を使用して配置され得る。ウォーターフォール装置100a及び100bを支持する例示のフレーム/構造は、以下で
図4を参照して記載されており、基板200と各ウォーターフォール装置との間の間隙、各ウォーターフォール装置の高さ、及び/または各ウォーターフォール装置の回転角度のうちの1つ以上を調節するために使用され得る。
【0030】
図2の実施形態では、各ウォーターフォール装置100a、100bのスロット122は、各ウォーターフォール装置100a、100bによってリンスされる基板200の直径よりも長い。これによって、各ウォーターフロー装置100a、100bからのウォーターフォール出力の外側端部が、外側端部における毛管現象によってウォーターフォールの中心に向かって屈曲していることの代償となり得る(例えば、ウォーターフォールの外側端部のリンス流体は、表面張力によって、リンス流体の大部分またはウォーターフォールの中心領域に向かって吸引される)。例えば、
図3は、基板200に向けてウォーターフォール300を出力するウォーターフォール装置100bの上面図である。
図3に示すように、スロット122がウォーターフォール300を出力する際、ウォーターフォール300の外側端部は、屈曲角302によって示されるように、ウォーターフォール300の中心に向かって屈曲している。ウォーターフォール300の端部における屈曲の量は、リンス流体の表面張力及び/または速度、スロット122の高さ、スロット122の長さ、リンス流体の流量、スロット122から基板までの水平距離、流体密度などといった、数々の要素に依存する。基板200がウォーターフォール装置100bに近ければ近いほど、基板200のカバー領域に対して屈曲角が与える影響がより少ないこともまた、留意される。
【0031】
上記の屈曲角の代償として、ウォーターフォール装置100a及び/または100bのスロット122の長さは、ある実施形態ではほぼ10〜100mm、またある実施形態ではほぼ30mm〜70mm、ウォーターフォール装置100a及び/または100bでリンスされる基板200の直径よりも長くてよい。(ある実施形態では、第1のプレナム112、第2のプレナム114及び/または制限された流体経路116は、同一または同様の長さを有し得る。)例えば、300mm基板に関して、ウォーターフォール装置100a及び/または100bのスロット122は、ある実施形態ではほぼ310〜400mmの長さであり、ある実施形態ではほぼ330〜370mmの長さであってよい。より大きいか、またはより小さいスロット長を用いてもよい。ある実施形態では、屈曲角を小さくするために、リンス流体の表面張力、リンス流体の速度/流量、スロットの高さ、などが調整され得る。例えば、より低い表面張力のリンス流体、及び/またはより高い流量が使用され得、スロットの高さは低減され得、より高密度のリンス流体が用いられ得る、などである。
【0032】
図4は、本発明の実施形態による、基板をリンス及び/または乾燥する例示のシステム400の側面概略図である。
図4を参照すると、ウォーターフォール装置100a及び100bは、装着フレーム402に連結されて示されている。装着フレーム402によって、ウォーターフォール装置100aと100bの高さ、両者の間の距離、及び/または両者の回転を調整することが可能になる。ウォーターフォール装置100a及び100bの高さ、及び/または両者の間の間隔を調整するため、例えば、可調クランプ、滑り軸受、調整ネジ、またはボルトなどといった、第1のスライド機構404a及び404bが用いられ得る。同様に、各ウォーターフォール装置110a及び100bの回転を調整するため、穴あきガイドといったピボット機構406が用いられ得る。装着フレーム402は、アルミニウム、ステンレス鋼、PEEK、これらの組合せ、などといった任意の適切な材料から形成されていてよい。
【0033】
図4の実施形態では、ウォーターフォール装置100a及び100bによって供給されたリンス流体を、所望の角度で基板200に対して向けるために、各ウォーターフォール装置100a及び100bは流動偏向器138を用いている。基板のリンス中、リンス流体は、(基板200の主要面に対して、または
図4の垂直方向に対して)ある実施形態では約40°と約60°の間の角度で、ある実施形態では約45°と約50°の間の角度で基板に当たり得る。流動偏向器138が用いられる場合、各ウォーターフォール装置100a及び100bは、
図4に示すようにほぼ水平に(例えば、基板200にほぼ垂直に)配向されていてよい。
図5は、ウォーターフォール装置100bが流動偏向器138を用いず、スロット122から出るリンス流体が所定の角度で基板200に当たるようにウォーターフォール装置100bが回転されている、例示的実施形態を示す。
【0034】
図4を参照すると、ある実施形態では、基板200のマランゴニ乾燥に影響を与えるため、システム400は、溶媒蒸気をリンス流体/基板間のインターフェースに送達する溶媒蒸気送達システム408a及び408bを含み得る。システム400によるマランゴニ乾燥の間、リンス流体との混和性がある(IPAといった)溶媒蒸気が、基板がウォーターフォール装置100a及び100bによって提供されるウォーターフォールを通って上昇する際に形成される、各流体メニスカスに導入される。溶媒の蒸気は、リンス流体の表面に沿って吸収され、吸収された蒸気の濃度は、各メニスカスの先端で、より高くなっている。吸収された蒸気の濃度がより高いことによって、各メニスカスの先端における表面張力が槽のリンス流体の大部分の表面張力よりも低くなり、リンス流体の、各乾燥メニスカスから槽のリンス流体の大部分の方に向けた流動が起こる。こうした流動は「マランゴニ」流として知られ、基板上にストリーク、スポット、またはリンス流体の残留物を残さずに基板の乾燥を達成するために、用いられ得る。基板乾燥が実施されるか否かに関わらず、基板をリンスするためにウォーターフォール装置100a及び/または100bが、用いられ得ることは、理解されるであろう。
【0035】
ある実施形態では、システム400は、リンス流体412を含むタンクまたは液槽410から取り出された基板をマランゴニ乾燥するために用いられ得る。1つ以上の実施形態では、基板のリンス中の粒子の再付着は、基板200をタンク410内のリンス流体412内に浸漬することによって、及び、酸または塩基、有機アルカリ、TMAH、水酸化アンモニウム、他のpH調整剤などといった化学物質を、タンク410内のリンス流体に添加することによって、回避され得る。基板200は、ここで、上記のようにリンス及び/またはマランゴニ乾燥をするための、ウォーターフォール装置100a及び100bからのウォーターフォールを通ってタンク410から持ち上げられてよい。この結果、各ウォーターフォール100a、100bから生じるリンス流体カーテンが、基板200から効果的に化学物質をリンスし、各ウォーターフォール上のN
2/IPAガスが、粒子の再付着が低減及び/または最小化したマランゴニ乾燥を提供し得る。
【0036】
図6は、本発明の実施形態によって提供される、基板をリンス及び/または乾燥する例示の方法600のフローチャートである。
図6を参照すると、ブロック601で、ウォーターフォール装置100a及び/または100bによって作り出されたリンス流体が、所望の角度で基板に当たるようにして、ウォーターフォール装置100a及び/または100bが配置される。例えば、リンス流体出力をスロット122によって所望の角度で基板200に対して向けるため、各ウォーターフォール装置100a及び100bが角度を付けて配置され得、及び/または、流動偏向器138が用いられ得る。
【0037】
ブロック602で、各ウォーターフォール装置100a及び100bの入口110に、リンス流体が供給される。リンス流体は、入口110を通って第1のプレナム112へ移動し、制限された流体経路116を通って第2のプレナム114へ移動し、第2のプレナム114からスロット122を通って移動して、基板200に当たるリンス流体のウォーターフォールを形成する。各ウォーターフォール装置100a及び100bの入口110に提供される流量の例は、約4〜約8リットル/分の範囲であり、ある実施形態では、約5〜約6リットル/分である。他の流量を用いてもよい。流量は、スロット高、スロット幅、リンス流体の表面張力、ウォーターフォール装置と基板の間の距離、リンス流体が基板に当たる角度、といった要因に依存し得る。
【0038】
ある実施形態では、ブロック603で、基板のマランゴニ乾燥に影響を与えるため、IPAといった溶媒蒸気がウォーターフォール/基板間の各インターフェースに向けられ得る。
【0039】
ブロック604では、基板200をリンス及び/または乾燥するため、ウォーターフォール装置100a及び/または100bを通り越して(例えばこれらの間を)基板200が移動する。
【0040】
各ウォーターフォール装置100a及び100bは、基板の直径全体に広がり得る、高度に均一なリンス流体カーテンを提供し得る。各ウォーターフォール装置100a及び100bは、一方でコスト、スペース、及び圧力低下を低減及び/最小化しながら、幅広い流速にわたって均一なスロット流出速度を提供し得る。加えて、流動偏向器の使用、及び/またはウォーターフォール装置の角度付けを通じて、流動が基板に当たる角度への調整が行われ得る。ウォーターフォール装置の流動出口と基板表面との間の水平方向の間隙の調整は、例えば装着フレーム402を使用して行われ得る。
【0041】
システム400及び/またはウォーターフォール装置100a及び/または100bは、均一なリンス流体カーテン(ウォーターフォール)を生成し得、このリンス流体カーテンを通って基板が移動され、基板の両面が効果的にリンスされ得る。リンス流体カーテン上に窒素/IPAといった溶媒ガス流を添加することによって、マランゴニプロセスを通じた基板の効果的な乾燥が可能になる。ウォーターフォール装置100a/100bの長さにわたる(例えばスロット122を介した)均一なリンス流体流を通じて、基板の頑健なリンス及び乾燥が提供され得る。
【0042】
リンス流体がウォーターフォール装置100aまたは100bから流出する角度は、リンス流体カーテンが基板200に接触するときのリンス流体カーテンのメニスカスの形状に影響を与え得る。ある実施形態では、ウォーターフォール装置100aまたは100bから純粋に水平に出て、基板200にほぼ垂直に当たる流動は、大きく且つ不安定なメニスカスを発生させ得る。基板表面に対してほぼ40°と60°の間の角度は、基板上により安定したメニスカスを生成し得、及び/またはマランゴニ乾燥の適用により資するものであり得る。
【0043】
リンス流体がウォーターフォール装置100aまたは100bから出る角度は、いくつかの方法で制御され得る。例えば、流動偏向器138が、ウォーターフォール装置100a及び100bに取り付けられてよい。流動偏向器138には、様々な角度が機械加工されていてよい。ある実施形態では、流動偏向器138は、ウォーターフォール装置100aまたは100bの出口124に、直接機械加工されていてよい。
【0044】
図4に示すように、ウォーターフォール装置100a及び100bは、ウォーターフォール装置100a/100bと基板200との間の距離の調整を可能にする装着フレーム402に取り付けられてよい。ある実施形態では、ウォーターフォール装置100aとウォーターフォール装置100bの間の(水平方向の)間隙は、ほぼ10〜30mmであってよい。他の間隙を用いてもよい。
【0045】
ある実施形態では、基板をリンスしているウォーターフォールによって形成された任意のメニスカスに対する溶媒の衝突の位置及び/または角度を改良及び/または最適化するため、装着フレーム402によって、ウォーターフォール装置100aまたは100bに対する溶媒蒸気(例えばN
2/IPA)の送達機構408a〜bの位置調整が可能になってよい。例示の溶媒蒸気の衝突角度は、(垂直に配向された基板に関して、水平からの角度が)ほぼ40°〜80°の範囲であってよく、ある実施形態ではほぼ55°〜65°であってよい。また、溶媒上記の衝突速度は、ほぼ3〜12リットル/分であってよく、ある実施形態ではほぼ4.5〜6リットル/分であってよい。他の溶媒蒸気衝突角度及び/または速度を用いてもよい。
【0046】
上記のように、ウォーターフォール装置100a及び100bは、基板の表面全体にわたって高度に均一なリンス流体流を提供し得る(例えばある実施形態では、流量の変動は約1%未満である)。リンス流体流がより均一であれば、基板全体にわたるリンス処理及び乾燥処理がより頑健になる。加えて、ウォーターフォール装置100a及び/または100b内部の空気/気泡の形成が低減し得る。
【0047】
第1のプレナム112及び第2のプレナム114は、概して、三角形、円形、または他の任意の適切な形状であってよい。ある実施形態では、制限された流体経路116は、スロット112に長さにわたって延在する単一の開口ではなく、一連の開口(複数)を含んでいてよい。ある実施形態では、スロット122は、連続した開口(単数)ではなく、ウォーターフォール装置の長さにわたって一連の開口(複数)を提供する、鋸歯状または類似の形状のスペーサを使用することによって形成されていてよい。例えばある実施形態では、(単一の開口ではなく)スロット122全体に渡る一連の開口(複数)を生成するため、第1の連結面118と第2の連結面120の間に、鋸歯状の形状のスペーサが用いられてよい。
【0048】
ウォーターフォール装置100a及び/または100bは、2つのプレナムを使用するものとして記載されてきたが、さらなるプレナム(例えば、制限された流体経路によって連結された3つ、4つ、またはそれを超えるプレナム)もまた用いられ得ることは、理解されるであろう。
【0049】
ある実施形態では、ウォーターフォール装置100a及び/または100bへの入口は、第2の部分104または第1の部分102の、他の箇所に配置されていてよい(例えば、第1のプレナム112に直接注いでいてよい)。ある実施形態では、リンス流体を基板に提供するように構成されたウォーターフォール装置は、(1)第1の部分であって、(a)第1のプレナム、第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び第1のプレナムと第2のプレナムの間の制限された流体経路、(b)第1の連結面、並びに(c)第1のプレナムへの流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、(2)第2の連結面を有する第2の部分とを含み得る。第1の部分の第1の連結面と第2の部分の第2の連結面は、ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ第2のプレナムに接続するスロットを形成する。第1の部分の入口開口内に導入された流体は、第1の部分の第1のプレナムを満たし、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動し、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。ある実施形態では、基板はウォーターフォール装置のスロットの前に配置され得、リンス流体は第1の部分の入口開口内に導入されて第1の部分の第1のプレナムを満たし得、それによってリンス流体は、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動して、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。リンス流体のウォーターフォールは、基板をリンスするために、基板に向けられてよい。
【0050】
したがって、本発明は、その例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれることもあると、理解すべきである。