特許第6656255号(P6656255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656255
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】基板をリンスするシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20200220BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   H01L21/304 643C
   H01L21/304 651G
   H01L21/304 651H
   B05C5/00 102
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-533257(P2017-533257)
(86)(22)【出願日】2015年12月14日
(65)【公表番号】特表2018-506844(P2018-506844A)
(43)【公表日】2018年3月8日
(86)【国際出願番号】US2015065648
(87)【国際公開番号】WO2016100242
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年11月15日
(31)【優先権主張番号】62/094,938
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/626,903
(32)【優先日】2015年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フランケル, ジョナサン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ブライアン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】フランシスケッティ, ヴィンセント エス.
(72)【発明者】
【氏名】マキュー, ポール
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン, カイル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ミハイリチェンコ, エカテリーナ
【審査官】 加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−051760(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0028578(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B05C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にリンス流体を提供するように構成されたウォーターフォール装置であって、
第1の幅の第1の部分であって、
第1のプレナム、前記第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び前記第1のプレナムと前記第2のプレナムの間の制限された流体経路、
第1の連結面、並びに
前記第1の連結面と前記第1のプレナムの間に流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、
前記第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分であって、
第2の連結面、及び
前記第1の部分の前記入口開口と整列され、前記第2の部分を通って前記第1のプレナムに至る流体経路を作り出す入口を有する第2の部分とを含み、
前記第1の部分の前記第1の連結面と前記第2の部分の前記第2の連結面は、前記ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ前記第2のプレナムに接続するスロットを形成し、
前記第2の部分の前記入口内に導入された流体は、前記第1の部分の前記第1のプレナムを満たし、前記制限された流体経路を通って前記第2のプレナムまで移動し、前記第1の部分と前記第2の部分の間の前記スロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する、ウォーターフォール装置。
【請求項2】
前記第1の部分と前記第2の部分の間に形成された前記スロットは、前記ウォーターフォール装置によってリンスされる基板の直径よりも長い長さを有する、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
【請求項3】
前記スロットは、前記ウォーターフォール装置によってリンスされる基板の直径よりも、ほぼ10から100mm長い長さを有する、請求項2に記載のウォーターフォール装置。
【請求項4】
前記スロットはほぼ310から400mmの長さである、請求項2に記載のウォーターフォール装置。
【請求項5】
前記スロットは約0.5mmよりも小さい高さを有する、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
【請求項6】
前記第1のプレナムは、第1の面、前記第1の面の反対側の第2の面、及び前記第1の面と前記第2の面の間に延在する第3の面を含み、前記第1の面は前記第2の面よりも短く、前記第3の面は、前記第1の部分の前記第1の連結面に対してある角度で、前記第1の面と前記第2の面の間に延在する、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
【請求項7】
前記第3の面の前記角度は、前記第1の連結面に対して約1°と約10°の間である、請求項6に記載のウォーターフォール装置。
【請求項8】
前記制限された流体経路は、前記スロットの長さと等しい長さを有するか、前記第1のプレナム及び前記第2のプレナムは前記スロットの長さと等しい長さを有するかのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
【請求項9】
前記第2の部分の前記第2の連結面は、前記第1の部分の前記第1の連結面の幅よりも大きい幅を有し、それによって、前記第1の連結面と前記第2の連結面の間に形成されたスロットを通って移動する流体が、前記第2の連結面よりも先に前記第1の連結面との接触を断つ、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記スロットの端部に配置された流動偏向器であって、前記スロットを通って流れるリンス流体を前記第2の部分の前記第2の連結面に対してある角度で再配向する流動偏向器を含む、請求項1に記載のウォーターフォール装置。
【請求項11】
前記角度は、前記第2の連結面に対して約40°と約60°の間である、請求項10に記載のウォーターフォール装置。
【請求項12】
基板をリンスするように構成されたシステムであって、
前側ウォーターフォール装置と、
後側ウォーターフォール装置と、
前記前側ウォーターフォール装置及び前記後側ウォーターフォール装置を、所定の距離で離れて調整可能に配置し、それによって、リンス作業中、前記前側ウォーターフォール装置と前記後側ウォーターフォール装置の間を基板が通ることを可能にする装着機構とを含み、
前記前側ウォーターフォール装置及び前記後側ウォーターフォール装置のそれぞれは、
第1の幅の第1の部分であって、
第1のプレナム、前記第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び前記第1のプレナムと前記第2のプレナムの間の制限された流体経路、
第1の連結面、並びに
前記第1の連結面と前記第1のプレナムの間に流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、
前記第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分であって、
第2の連結面、及び
前記第1の部分の前記入口開口と整列され、前記第2の部分を通って前記第1のプレナムに至る流体経路を作り出す入口を有する第2の部分とを含み、
前記第1の部分の前記第1の連結面と前記第2の部分の前記第2の連結面は、当該第1の部分及び当該第2の部分を含む前記前側又は後側ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ前記第2のプレナムに接続するスロットを形成し、
前記第2の部分の前記入口内に導入された流体は、前記第1の部分の前記第1のプレナムを満たし、前記制限された流体経路を通って前記第2のプレナムまで移動し、前記第1の部分と前記第2の部分の間の前記スロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する、システム。
【請求項13】
前記装着機構は、前記前側ウォーターフォール装置と前記後側ウォーターフォール装置の水平位置、横位置、及び回転位置の調整を可能にする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記前側ウォーターフォール装置と前記後側ウォーターフォール装置の間の所定の距離は、約25mm未満である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
基板をリンスする方法であって、
基板にリンス流体を提供するように構成されたウォーターフォール装置であって、
第1の幅の第1の部分であって、
第1のプレナム、前記第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び前記第1のプレナムと前記第2のプレナムの間の制限された流体経路、
第1の連結面、並びに
前記第1の連結面と前記第1のプレナムの間に流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、
前記第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分であって、
第2の連結面、及び
前記第1の部分の前記入口開口と整列され、前記第2の部分を通って前記第1のプレナムに至る流体経路を作り出す入口を有する第2の部分とを含み、
前記第1の部分の前記第1の連結面と前記第2の部分の前記第2の連結面は、前記ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ前記第2のプレナムに接続するスロットを形成し、
前記第2の部分の前記入口内に導入された流体は、前記第1の部分の前記第1のプレナムを満たし、前記制限された流体経路を通って前記第2のプレナムまで移動し、前記第1の部分と前記第2の部分の間の前記スロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する、ウォーターフォール装置を提供することと、
基板を前記ウォーターフォール装置の前記スロットの前に配置することと、
リンス流体が前記制限された流体経路を通って前記第2のプレナムまで移動し、前記第1の部分と前記第2の部分の間の前記スロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成するように、前記リンス流体を前記第2の部分の前記入口内に導いて前記第1の部分の前記第1のプレナムを満たさせることと、
前記基板をリンスするため、前記リンス流体のウォーターフォールを前記基板に向けることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2015年2月19日に出願され、「SUBSTRATE RINSING SYSTEMS AND METHODS」と題する、米国特許出願第14/626,903号(代理人整理番号22585/USA)に対して優先権を主張し、2014年12月19日に出願され、「SUBSTRATE RINSING SYSTEMS AND METHODS」と題する、米国仮特許出願第62/094,938号(代理人整理番号22585/USA/L)に対して優先権を主張する。これらのそれぞれは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本願に援用される。
【0002】
本願は半導体装置の製造に関し、具体的には半導体をリンスするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体装置の形状寸法が縮小し続けるのにつれて、ウルトラクリーン処理の重要性が増大している。流体タンク(または槽)内の水洗浄に続く、(例えば別個のタンク内における、または洗浄タンクの流体を交換することによる)リンス槽内の水洗浄によって、所望の洗浄レベルが達成され得る。基板をリンス槽から取り出した後、乾燥装置を使用しなければ、槽内の流体が基板表面から蒸発し、基板表面上にストリークやスポットが生じるか、及び/または槽残留物が残る原因となる。こうしたストリーク、スポット、及び残留物は、その後に装置の欠陥を引き起こし得る。その結果、基板を水槽から取り出す際の基板の乾燥方法の改良に、多くの注意が向けられてきた。
【0004】
マランゴニ乾燥として知られる方法は、槽の流体が基板に事実上残らないように、槽の流体の基板からの流出を誘発するように傾斜した表面張力を作り出し、それによってストリーク、スポット、及び残留痕を回避し得る。具体的には、マランゴニ乾燥の実施中、基板が槽から引き上げられる際、または槽の流体が基板を通り過ぎて流れる際に形成される流体のメニスカスに、槽の流体と混和性がある溶媒(例えばIPA蒸気)が導入される。溶媒の蒸気は流体の表面に沿って吸収され、吸収された蒸気の濃度は、メニスカスの先端で、より高くなっている。吸収された蒸気の濃度がより高いことによって、メニスカスの先端における表面張力が槽の流体の大部分の表面張力よりも低くなり、槽の流体の、乾燥メニスカスから槽の流体の大部分の方に向けた流動が起こる。こうした流動は「マランゴニ」流として知られ、基板の乾燥の際に基板上のストリーク、スポット、または槽の残留物の減少を達成するために用いられ得る。
【0005】
基板の均一なマランゴニ乾燥を達成することは困難であり得、ある場合には、槽の流体からの粒子が基板に再付着し、基板を汚染し得る。このため、基板のリンス中及び/または乾燥中の粒子の再付着を低減させる方法及び装置が、望まれている。
【発明の概要】
【0006】
ある実施形態では、基板にリンス流体を提供するように構成されたウォーターフォール装置であって、(1)第1の幅の第1の部分であって、(a)第1のプレナム、第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び第1のプレナムと第2のプレナムの間の制限された流体経路、(b)第1の連結面、並びに(c)第1の連結面と第1のプレナムの間に流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、(2)第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分であって、(a)第2の連結面、及び(b)第1の部分の入口開口と整列され、第2の部分を通って第1のプレナムに至る流体経路を作り出す入口を有する第2の部分とを含む、ウォーターフォール装置が提供される。第1の部分の第1の連結面と第2の部分の第2の連結面は、ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ第2のプレナムに接続する、スロットを形成する。第2の部分の入口内に導入された流体は、第1の部分の第1のプレナムを満たし、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動し、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。
【0007】
ある実施形態では、基板をリンスするように構成されたシステムであって、前側ウォーターフォール装置と、後側ウォーターフォール装置と、前側ウォーターフォール装置と後側ウォーターフォール装置を所定の距離で離れて調節可能に配置し、それによってリンス作業中、前側ウォーターフォール装置と後側ウォーターフォール装置の間を基板が通ることを可能にする、装着機構とを含む、システムが提供される。前側ウォーターフォール装置及び後側ウォーターフォール装置のそれぞれは、(1)第1の幅の第1の部分であって、(a)第1のプレナム、第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び第1のプレナムと第2のプレナムの間の制限された流体経路、(b)第1の連結面、並びに(c)第1の連結面と第1のプレナムの間に流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、(2)第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分であって、(a)第2の連結面、及び(b)第1の部分の入口開口と整列され、第2の部分を通って第1のプレナムに至る流体経路を作り出す入口を有する第2の部分とを含む。第1の部分の第1の連結面と第2の部分の第2の連結面は、ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ第2のプレナムに接続する、スロットを形成する。第2の部分の入口内に導入された流体は、第1の部分の第1のプレナムを満たし、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動し、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。
【0008】
ある実施形態では、基板をリンスする方法であって、(1)基板にリンス流体を提供するように構成されたウォーターフォール装置であって、(a)第1の幅の第1の部分であって、(i)第1のプレナム、第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び第1のプレナムと第2のプレナムの間の制限された流体経路、(ii)第1の連結面、並びに(iii)第1の連結面と第1のプレナムの間に流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、(b)第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分であって、(i)第2の連結面、及び(ii)第1の部分の入口開口と整列され、第2の部分を通って第1のプレナムに至る流体経路を作り出す入口を有する第2の部分とを含み、第1の部分の第1の連結面と第2の部分の第2の連結面は、ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ第2のプレナムに接続するスロットを形成し、第2の部分の入口内に導入された流体は、第1の部分の第1のプレナムを満たし、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動し、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する、ウォーターフォール装置を提供することと、(2)基板をウォーターフォール装置のスロットの前に配置することと、(3)リンス流体が制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動し、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成するように、リンス流体を第2の部分の入口内に導いて第1の部分の第1のプレナムを満たさせることと、(4)基板をリンスするため、リンス流体のウォーターフォールを基板に向けることを含む方法が提供される。数多くの他の態様が提供される。
【0009】
本発明の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からより詳細に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の1つ以上の実施形態によって本書で提供される、ウォーターフォール装置の例示の実施形態の斜視図である。
図1B】本発明の1つ以上の実施形態によって本書で提供される、図1Aのウォーターフォール装置と同様の代替的なウォーターフォール装置の斜視図である。
図1C図1Aの線1C−1Cから見た、図1Aのウォーターフォール装置の断面図である。
図1D図1Bの線1D−1Dから見た、図1Bのウォーターフォール装置及び入口の断面図である。
図1E図1Cの断面の拡大図である。
図1F図1Aのウォーターフォール装置の出口部分の拡大図である。
図1G図1Fと同様であるが、本発明の1つ以上の実施形態による図1Aのウォーターフォール装置の出口における偏向器の使用を示す。
図1H】本発明の1つ以上の実施形態による、第2の部分が取り除かれた、図1Aのウォーターフォール装置の第1の部分の上面図である。
図2】本書で提供される本発明の1つ以上の実施形態による、基板をリンスするために配置された図1Aのウォーターフォール装置及び図1Bのウォーターフォール装置の上面図である。
図3】本書で提供される本発明の1つ以上の実施形態による、基板に向けてウォーターフォールを出力する、図1Bのウォーターフォール装置の上面図である。
図4】本書で提供される本発明の実施形態による、基板をリンス及び/または乾燥する例示のシステムの側面概略図である。
図5】本書で提供される本発明の実施形態による、図1Bのウォーターフォール装置が、偏光器を用いていないが回転されており、それによってウォーターフォール装置から出ていくリンス流体が所定の角度で基板にぶつかる、例示の実施形態を示す。
図6】本発明の実施形態による、基板をリンス及び/または乾燥する例示の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記のように、ある実施例では、洗浄プロセスの後、基板をリンスするのに使われたリンス槽の流体からの粒子が、基板に再付着して基板を汚染し得る。例えば、洗浄の後に基板のリンスに使われたリンス槽の流体が、先行する洗浄ステップ中に使われた化学的性質とは異なるpHを有している場合、粒子が基板に再付着し得る。さらに、汚染物質がリンス用タンク内に蓄積し得、基板が乾燥中に取り外される際に再付着し得る。こうした粒子の再付着は、リンス流体に化学物質を添加することによって低減し得るが、最終リンス用タンクに化学的性質を加えることは、乾燥後の基板に化学的性質が残存してしまう結果になり得る。
【0012】
本書で提供されるある実施形態では、例えばマランゴニ乾燥中に基板の改良された最終リンス処理を提供するために、高度に均一なリンス流体カーテンが用いられる。例えば、溶媒流(例えば、窒素キャリアガス内のイソプロピルアルコール(IPA))によって覆われた、高度に均一なリンス流体カーテンを生成して、化学機械平坦化(CMP)及び/または別の洗浄プロセスの後に基板をリンス及び乾燥するため、最終リンス用タンクの上方に、「ウォーターフォール」プレートが設けられ得る。「ウォーターフォール」と記載されているが、(例えば、脱イオン水、表面張力を低減するリンス用因子を有する脱イオン水、O、CO、Nを注入した脱イオン水といった、ガス注入イオン水などの)任意の適切なリンス流体が使われ得ることは、理解されよう。ある実施形態では、ウォーターフォールは、流体を(例えば二つのプレート間に形成された)細い平面のスロットを通して流すことによって、形成される。
【0013】
ある実施形態では、粒子の再付着は、酸または塩基、HCl酸、HF酸、有機アルカリ、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化アンモニウム、別のpH調整剤などといった、化学物質を伴うリンス流体タンク内に基板を含浸し、次いで基板を、頂面がN/IPA混合ガスといった溶媒流で覆われたウォーターフォールを通ってタンクから引き上げることによって、回避され得る。この結果生じるリンス流体カーテンが、基板から効果的に化学物質をリンスし、ウォーターフォール上のN/IPAガスが、粒子の再付着を低減及び/または最小化するマランゴニ乾燥を提供する。
【0014】
図1Aは、本発明の1つ以上の実施形態によって本書で提供される、ウォーターフォール装置100aの例示の実施形態の斜視図である。図1Aに示すように、ウォーターフォール装置100aは、第2の(上側の)部分104に連結された第1の(下側の)部分102を含み得る。第1の部分102と第2の部分104を連結するために、ネジ、ボルト、接着剤などといった、任意の適切な連結機構が用いられ得る。ある実施形態では、第1の(下側の)部分102は、本体106、及び本体106に連結された底部プレート108を含む(例えば、単一ピースの下側部分102またはマルチピースの下側部分102が用いられ得る)。第2の(上側の)部分104は、以下でさらに記載される入口110を含む。
【0015】
第1の部分102及び/または第2の部分104は、アルミニウム、ステンレス鋼、石英、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、これらの組合せなどの、任意の適切な材料から製造されていてよい。他の材料を用いてもよい。
【0016】
図1Bは、図1Aのウォーターフォール装置100aと同様の、代替的なウォーターフォール装置100bを示す。図1Bのウォーターフォール装置100b内では、示されるとおり、ウォーターフォール装置100bの反対端付近に入口110が位置している。
【0017】
図1Cは、図1Aの線1C−1Cから見た、ウォーターフォール装置100aの断面図を示す。図1Dは、図1Bの線1D−1Dから見た、ウォーターフォール装置100b及び入口110の断面図を示す。図1E図1Cの断面の拡大図を示し、図1Fはウォーターフォール装置100aの出口部分の拡大図を示す。図1Gは、図1Fと同様であるが、ウォーターフォール装置100aの出口における偏向器(以下でさらに詳細に記載する)の使用を示す。図1Hは、第2の(上側の)部分104が取り除かれた、ウォーターフォール装置100aの第1の(下側の)部分102の上面図である。
【0018】
図1C及び図1Eを参照すると、ウォーターフォール装置100aの第1の部分102は、制限された流体経路116によって第2のプレナム114から分離された、第1のプレナムを含む。第1の部分102と第2の部分104とが、第1の部分102の第1の連結面118と第2の部分104の第2の連結面120を介して連結しているとき、両者の間にスロット122が形成される。スロット122は、第2のプレナム114から、ウォーターフォール装置100a(またはウォーターフォール装置100b)の出口124まで延在する。図1Dに示すように、第1の部分102は、第1の連結面118と第1のプレナム112の間に、第1の部分102を通る流体経路を作り出す、入口開口126を含む。入口110は、第1の部分102の入口開口126と整列し、第2の(上側の)部分104を通って第1のプレナム112に至る流体経路を作り出す。以下でさらに記載されるように、第2の部分104の入口110に導入された流体は、第1の部分102の第1のプレナム112を満たし、制限された流体経路116を通って第2のプレナム114まで移動し、第1の部分102と第2の部分104の間のスロット122から出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。
【0019】
示される実施形態では、第1のプレナム112の体積は、第2のプレナム114の体積よりも大きい。ある実施形態では、第2のプレナム114の体積は、第1のプレナム112の体積と同じであるか、またはそれより大きくてよい。
【0020】
本書で提供されるある実施形態では、第1のプレナム112、第2のプレナム114、及び制限された流体経路116(及び/またはスロット122)は、同様の長さを有し、(図1Hに示すように)第1の部分102の長さのほぼ全体に延在する。例えば、第1のプレナム112、第2のプレナム114、制限された流体経路116、及び/またはスロット122は、ウォーターフォール装置100aまたは100bとほぼ同じ全長から、図1Hに示されるように、入口部位128及び第1の部分102の反対側の側壁130を形成するのに用いられた材料の厚さをマイナスしたものであってよい。第1のプレナム112、第2のプレナム114、制限された流体経路116、及び/またはスロット122には、他の長さ及び/または異なる長さが使われてもよい。
【0021】
図1Eを参照すると、ある実施形態では、第1のプレナム112のルーフ(上側面)132は、第1の部分102の第1の結合面118に対して角度づけられていてよい。こうした配設は、リンス流体及び/または第1のプレナム1120内の空気トラッピング及び/または気泡の形成を低減し得る。例えばある実施形態では、ルーフ132は、第1の連結面118に対してほぼ1〜10°の角度を有していてよい(例えば図1Eでは水平以下となる)。他の実施形態では、ルーフ132は、第1の連結面118に対してほぼ3〜6°の角度を有していてよい。さらに他の実施形態では、ルーフ132は、第1の連結面118に対して約3°よりも大きい角度を有していてよい。より大きいか、またはより小さいルーフ角を用いてもよい。
【0022】
300mmの基板の場合、第1のプレナム112の例示の体積は、ほぼ120〜480cmの範囲である。300mmの基板の場合、第2のプレナム114の例示の体積は、ほぼ3〜12cmの範囲である。他のプレナムの体積を用いてもよい。ある実施形態では、第1のプレナム112は、第2のプレナム114の体積の約40倍の体積を有し得る。他のプレナムの体積及び/またはプレナムの体積比を用いてもよい。
【0023】
制限された流体経路116は、第1のプレナム112から第2のプレナム114に移動するリンス流体内の、圧力上昇を作り出す。リンス流体が制限された流体経路116から出て第2のプレナム114内で膨張するとき、リンス流体の圧力は低下する。この結果、セカンドプレナム114内のリンス流体圧力は高度に均一となり得、したがってスロット122内のリンス流体圧力も高度に均一となり得る。
【0024】
制限された流体経路116は、ある実施形態では約2mmよりも小さい幅を有し得、またある実施形態では約0.5mmと約0.8mmの間の幅を有し得る。制限された流体経路の幅は、より大きい幅またはより小さい幅が用いられても良い。
【0025】
スロット122は、主として第1の部分102内に形成されているものとして示されている。例えば、第1の部分102の第1の連結面118の一部が機械加工除去されてスロット122を形成してよい。他の実施形態では、スロット122は、第2の部分の第2の連結表面120内に、同様にして形成されてよい。さらなる他の実施形態では、スロット122は、第1の連結面118及び第2の連結面120の両方から材料を除去することによって形成されてよい。
【0026】
図1Fに示すように、スロット122は、ある実施形態では約0.5mmよりも小さい高さhを有し得、ある実施形態では約0.2mm以下の高さを有し得る。より大きいか、またはより小さいスロット高を用いてもよい。スロット幅(例えばスロット出口124から第2のプレナム114までの距離)は、ある実施形態では例えば約20mm以上であってよく、ある実施形態では約30mm以上であってよい。他のスロット幅を用いてもよい。
【0027】
図1E図1Fを参照すると、ある実施形態では、第1の(下側の)部分102は、第2の(上側の)部分104よりも小さい幅を有する。例えば、スロット122の頂部は出口124において、スロット122の底部よりもさらに(例えば図1Fの距離dで)延在している。距離dは、ある実施形態では約5mm以下であり得、またある実施形態ではほぼ2mm〜3mmであり得る。他の距離も使用され得る。1つ以上の実施形態では、スロット122の出口124における第1の部分102及び第2の部分104の各端部は、示されるように鋭利な先端となっている。例えば、下側部分外面134及び/または上側部分外面136は、スロット122に対して角度が付き、鋭利に終端する先端を形成していてよい。例示の角度はスロット122に対してほぼ30〜60°の範囲であるが、他の角度を用いてもよい。鋭利な先端を使用することで、先端/流体間のインターフェースにおいてリンス流体の粘着性が低下することが分かっており、ある実施形態では、出口124において、リンス流体の流量、圧力及び/または噴出パターンの均一性が向上し得る。
【0028】
図1Gを参照すると、流動偏向器138は、ある実施形態では第2の部分104に連結され得、及び/または第2の部分104の一部として形成され得、スロット122の出口124から出るリンス流体流140を再配向し得る。例えば、流動偏向器138は、リンス流体流140を(例えば下方に)所望の角度で再配向するため、第2の部分104に取り付けられていてよい。リンス流体流140は、スロット122の経路の下方に、ある実施形態ではほぼ40°〜60°の角度で再配向されてよく、ある実施形態ではほぼ45°〜50°の角度で再配向されてよいが、他の角度もまた用いられてよい。以下で図4図5を参照してさらに記載されるように、このようにしてリンス流体流を再配向することによって、リンス流体が基板の表面に当たる角度の調整が容易になり得る。
【0029】
図2は、本書で提供される本発明の1つ以上の実施形態による、基板200をリンスするために配置されたウォーターフォール装置100a及び100bの上面図である。図2に示すように、基板200がウォーターフォール装置100aとウォーターフォール装置100bとの間を、これらを通り越して移動するのに際して、ウォーターフォール装置100aは基板200の第1の面(例えば前面即ち装置側)上にリンス流体を噴出するように配置されており、ウォーターフォール装置100bは基板200の第2の面(例えば背面)上にリンス流体を噴出するように配置されている。ウォーターフォール装置100a及び/または100bは、フレームまたは同様の構造202(破線で示す)を使用して配置され得る。ウォーターフォール装置100a及び100bを支持する例示のフレーム/構造は、以下で図4を参照して記載されており、基板200と各ウォーターフォール装置との間の間隙、各ウォーターフォール装置の高さ、及び/または各ウォーターフォール装置の回転角度のうちの1つ以上を調節するために使用され得る。
【0030】
図2の実施形態では、各ウォーターフォール装置100a、100bのスロット122は、各ウォーターフォール装置100a、100bによってリンスされる基板200の直径よりも長い。これによって、各ウォーターフロー装置100a、100bからのウォーターフォール出力の外側端部が、外側端部における毛管現象によってウォーターフォールの中心に向かって屈曲していることの代償となり得る(例えば、ウォーターフォールの外側端部のリンス流体は、表面張力によって、リンス流体の大部分またはウォーターフォールの中心領域に向かって吸引される)。例えば、図3は、基板200に向けてウォーターフォール300を出力するウォーターフォール装置100bの上面図である。図3に示すように、スロット122がウォーターフォール300を出力する際、ウォーターフォール300の外側端部は、屈曲角302によって示されるように、ウォーターフォール300の中心に向かって屈曲している。ウォーターフォール300の端部における屈曲の量は、リンス流体の表面張力及び/または速度、スロット122の高さ、スロット122の長さ、リンス流体の流量、スロット122から基板までの水平距離、流体密度などといった、数々の要素に依存する。基板200がウォーターフォール装置100bに近ければ近いほど、基板200のカバー領域に対して屈曲角が与える影響がより少ないこともまた、留意される。
【0031】
上記の屈曲角の代償として、ウォーターフォール装置100a及び/または100bのスロット122の長さは、ある実施形態ではほぼ10〜100mm、またある実施形態ではほぼ30mm〜70mm、ウォーターフォール装置100a及び/または100bでリンスされる基板200の直径よりも長くてよい。(ある実施形態では、第1のプレナム112、第2のプレナム114及び/または制限された流体経路116は、同一または同様の長さを有し得る。)例えば、300mm基板に関して、ウォーターフォール装置100a及び/または100bのスロット122は、ある実施形態ではほぼ310〜400mmの長さであり、ある実施形態ではほぼ330〜370mmの長さであってよい。より大きいか、またはより小さいスロット長を用いてもよい。ある実施形態では、屈曲角を小さくするために、リンス流体の表面張力、リンス流体の速度/流量、スロットの高さ、などが調整され得る。例えば、より低い表面張力のリンス流体、及び/またはより高い流量が使用され得、スロットの高さは低減され得、より高密度のリンス流体が用いられ得る、などである。
【0032】
図4は、本発明の実施形態による、基板をリンス及び/または乾燥する例示のシステム400の側面概略図である。図4を参照すると、ウォーターフォール装置100a及び100bは、装着フレーム402に連結されて示されている。装着フレーム402によって、ウォーターフォール装置100aと100bの高さ、両者の間の距離、及び/または両者の回転を調整することが可能になる。ウォーターフォール装置100a及び100bの高さ、及び/または両者の間の間隔を調整するため、例えば、可調クランプ、滑り軸受、調整ネジ、またはボルトなどといった、第1のスライド機構404a及び404bが用いられ得る。同様に、各ウォーターフォール装置110a及び100bの回転を調整するため、穴あきガイドといったピボット機構406が用いられ得る。装着フレーム402は、アルミニウム、ステンレス鋼、PEEK、これらの組合せ、などといった任意の適切な材料から形成されていてよい。
【0033】
図4の実施形態では、ウォーターフォール装置100a及び100bによって供給されたリンス流体を、所望の角度で基板200に対して向けるために、各ウォーターフォール装置100a及び100bは流動偏向器138を用いている。基板のリンス中、リンス流体は、(基板200の主要面に対して、または図4の垂直方向に対して)ある実施形態では約40°と約60°の間の角度で、ある実施形態では約45°と約50°の間の角度で基板に当たり得る。流動偏向器138が用いられる場合、各ウォーターフォール装置100a及び100bは、図4に示すようにほぼ水平に(例えば、基板200にほぼ垂直に)配向されていてよい。図5は、ウォーターフォール装置100bが流動偏向器138を用いず、スロット122から出るリンス流体が所定の角度で基板200に当たるようにウォーターフォール装置100bが回転されている、例示的実施形態を示す。
【0034】
図4を参照すると、ある実施形態では、基板200のマランゴニ乾燥に影響を与えるため、システム400は、溶媒蒸気をリンス流体/基板間のインターフェースに送達する溶媒蒸気送達システム408a及び408bを含み得る。システム400によるマランゴニ乾燥の間、リンス流体との混和性がある(IPAといった)溶媒蒸気が、基板がウォーターフォール装置100a及び100bによって提供されるウォーターフォールを通って上昇する際に形成される、各流体メニスカスに導入される。溶媒の蒸気は、リンス流体の表面に沿って吸収され、吸収された蒸気の濃度は、各メニスカスの先端で、より高くなっている。吸収された蒸気の濃度がより高いことによって、各メニスカスの先端における表面張力が槽のリンス流体の大部分の表面張力よりも低くなり、リンス流体の、各乾燥メニスカスから槽のリンス流体の大部分の方に向けた流動が起こる。こうした流動は「マランゴニ」流として知られ、基板上にストリーク、スポット、またはリンス流体の残留物を残さずに基板の乾燥を達成するために、用いられ得る。基板乾燥が実施されるか否かに関わらず、基板をリンスするためにウォーターフォール装置100a及び/または100bが、用いられ得ることは、理解されるであろう。
【0035】
ある実施形態では、システム400は、リンス流体412を含むタンクまたは液槽410から取り出された基板をマランゴニ乾燥するために用いられ得る。1つ以上の実施形態では、基板のリンス中の粒子の再付着は、基板200をタンク410内のリンス流体412内に浸漬することによって、及び、酸または塩基、有機アルカリ、TMAH、水酸化アンモニウム、他のpH調整剤などといった化学物質を、タンク410内のリンス流体に添加することによって、回避され得る。基板200は、ここで、上記のようにリンス及び/またはマランゴニ乾燥をするための、ウォーターフォール装置100a及び100bからのウォーターフォールを通ってタンク410から持ち上げられてよい。この結果、各ウォーターフォール100a、100bから生じるリンス流体カーテンが、基板200から効果的に化学物質をリンスし、各ウォーターフォール上のN/IPAガスが、粒子の再付着が低減及び/または最小化したマランゴニ乾燥を提供し得る。
【0036】
図6は、本発明の実施形態によって提供される、基板をリンス及び/または乾燥する例示の方法600のフローチャートである。図6を参照すると、ブロック601で、ウォーターフォール装置100a及び/または100bによって作り出されたリンス流体が、所望の角度で基板に当たるようにして、ウォーターフォール装置100a及び/または100bが配置される。例えば、リンス流体出力をスロット122によって所望の角度で基板200に対して向けるため、各ウォーターフォール装置100a及び100bが角度を付けて配置され得、及び/または、流動偏向器138が用いられ得る。
【0037】
ブロック602で、各ウォーターフォール装置100a及び100bの入口110に、リンス流体が供給される。リンス流体は、入口110を通って第1のプレナム112へ移動し、制限された流体経路116を通って第2のプレナム114へ移動し、第2のプレナム114からスロット122を通って移動して、基板200に当たるリンス流体のウォーターフォールを形成する。各ウォーターフォール装置100a及び100bの入口110に提供される流量の例は、約4〜約8リットル/分の範囲であり、ある実施形態では、約5〜約6リットル/分である。他の流量を用いてもよい。流量は、スロット高、スロット幅、リンス流体の表面張力、ウォーターフォール装置と基板の間の距離、リンス流体が基板に当たる角度、といった要因に依存し得る。
【0038】
ある実施形態では、ブロック603で、基板のマランゴニ乾燥に影響を与えるため、IPAといった溶媒蒸気がウォーターフォール/基板間の各インターフェースに向けられ得る。
【0039】
ブロック604では、基板200をリンス及び/または乾燥するため、ウォーターフォール装置100a及び/または100bを通り越して(例えばこれらの間を)基板200が移動する。
【0040】
各ウォーターフォール装置100a及び100bは、基板の直径全体に広がり得る、高度に均一なリンス流体カーテンを提供し得る。各ウォーターフォール装置100a及び100bは、一方でコスト、スペース、及び圧力低下を低減及び/最小化しながら、幅広い流速にわたって均一なスロット流出速度を提供し得る。加えて、流動偏向器の使用、及び/またはウォーターフォール装置の角度付けを通じて、流動が基板に当たる角度への調整が行われ得る。ウォーターフォール装置の流動出口と基板表面との間の水平方向の間隙の調整は、例えば装着フレーム402を使用して行われ得る。
【0041】
システム400及び/またはウォーターフォール装置100a及び/または100bは、均一なリンス流体カーテン(ウォーターフォール)を生成し得、このリンス流体カーテンを通って基板が移動され、基板の両面が効果的にリンスされ得る。リンス流体カーテン上に窒素/IPAといった溶媒ガス流を添加することによって、マランゴニプロセスを通じた基板の効果的な乾燥が可能になる。ウォーターフォール装置100a/100bの長さにわたる(例えばスロット122を介した)均一なリンス流体流を通じて、基板の頑健なリンス及び乾燥が提供され得る。
【0042】
リンス流体がウォーターフォール装置100aまたは100bから流出する角度は、リンス流体カーテンが基板200に接触するときのリンス流体カーテンのメニスカスの形状に影響を与え得る。ある実施形態では、ウォーターフォール装置100aまたは100bから純粋に水平に出て、基板200にほぼ垂直に当たる流動は、大きく且つ不安定なメニスカスを発生させ得る。基板表面に対してほぼ40°と60°の間の角度は、基板上により安定したメニスカスを生成し得、及び/またはマランゴニ乾燥の適用により資するものであり得る。
【0043】
リンス流体がウォーターフォール装置100aまたは100bから出る角度は、いくつかの方法で制御され得る。例えば、流動偏向器138が、ウォーターフォール装置100a及び100bに取り付けられてよい。流動偏向器138には、様々な角度が機械加工されていてよい。ある実施形態では、流動偏向器138は、ウォーターフォール装置100aまたは100bの出口124に、直接機械加工されていてよい。
【0044】
図4に示すように、ウォーターフォール装置100a及び100bは、ウォーターフォール装置100a/100bと基板200との間の距離の調整を可能にする装着フレーム402に取り付けられてよい。ある実施形態では、ウォーターフォール装置100aとウォーターフォール装置100bの間の(水平方向の)間隙は、ほぼ10〜30mmであってよい。他の間隙を用いてもよい。
【0045】
ある実施形態では、基板をリンスしているウォーターフォールによって形成された任意のメニスカスに対する溶媒の衝突の位置及び/または角度を改良及び/または最適化するため、装着フレーム402によって、ウォーターフォール装置100aまたは100bに対する溶媒蒸気(例えばN/IPA)の送達機構408a〜bの位置調整が可能になってよい。例示の溶媒蒸気の衝突角度は、(垂直に配向された基板に関して、水平からの角度が)ほぼ40°〜80°の範囲であってよく、ある実施形態ではほぼ55°〜65°であってよい。また、溶媒上記の衝突速度は、ほぼ3〜12リットル/分であってよく、ある実施形態ではほぼ4.5〜6リットル/分であってよい。他の溶媒蒸気衝突角度及び/または速度を用いてもよい。
【0046】
上記のように、ウォーターフォール装置100a及び100bは、基板の表面全体にわたって高度に均一なリンス流体流を提供し得る(例えばある実施形態では、流量の変動は約1%未満である)。リンス流体流がより均一であれば、基板全体にわたるリンス処理及び乾燥処理がより頑健になる。加えて、ウォーターフォール装置100a及び/または100b内部の空気/気泡の形成が低減し得る。
【0047】
第1のプレナム112及び第2のプレナム114は、概して、三角形、円形、または他の任意の適切な形状であってよい。ある実施形態では、制限された流体経路116は、スロット112に長さにわたって延在する単一の開口ではなく、一連の開口(複数)を含んでいてよい。ある実施形態では、スロット122は、連続した開口(単数)ではなく、ウォーターフォール装置の長さにわたって一連の開口(複数)を提供する、鋸歯状または類似の形状のスペーサを使用することによって形成されていてよい。例えばある実施形態では、(単一の開口ではなく)スロット122全体に渡る一連の開口(複数)を生成するため、第1の連結面118と第2の連結面120の間に、鋸歯状の形状のスペーサが用いられてよい。
【0048】
ウォーターフォール装置100a及び/または100bは、2つのプレナムを使用するものとして記載されてきたが、さらなるプレナム(例えば、制限された流体経路によって連結された3つ、4つ、またはそれを超えるプレナム)もまた用いられ得ることは、理解されるであろう。
【0049】
ある実施形態では、ウォーターフォール装置100a及び/または100bへの入口は、第2の部分104または第1の部分102の、他の箇所に配置されていてよい(例えば、第1のプレナム112に直接注いでいてよい)。ある実施形態では、リンス流体を基板に提供するように構成されたウォーターフォール装置は、(1)第1の部分であって、(a)第1のプレナム、第1のプレナムから分離している第2のプレナム、及び第1のプレナムと第2のプレナムの間の制限された流体経路、(b)第1の連結面、並びに(c)第1のプレナムへの流体経路を作り出す入口開口を有する第1の部分と、(2)第2の連結面を有する第2の部分とを含み得る。第1の部分の第1の連結面と第2の部分の第2の連結面は、ウォーターフォール装置の長さの少なくとも一部に沿って延在し且つ第2のプレナムに接続するスロットを形成する。第1の部分の入口開口内に導入された流体は、第1の部分の第1のプレナムを満たし、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動し、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。ある実施形態では、基板はウォーターフォール装置のスロットの前に配置され得、リンス流体は第1の部分の入口開口内に導入されて第1の部分の第1のプレナムを満たし得、それによってリンス流体は、制限された流体経路を通って第2のプレナムまで移動して、第1の部分と第2の部分の間のスロットから出てリンス流体のウォーターフォールを形成する。リンス流体のウォーターフォールは、基板をリンスするために、基板に向けられてよい。
【0050】
したがって、本発明は、その例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれることもあると、理解すべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3
図4
図5
図6