(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
「周囲温度」又は「室温」という用語は、約20℃〜約30℃の温度を指す。通常、室温は、約20℃〜約25℃の範囲である。本明細書で言及されているすべての粘度測定は、別段指示がない限り25℃にて測定した。以下の略語は、本明細書において以下の意味を有する:「Me」は、メチルを意味し、「Et」は、エチルを意味し、「Pr」はプロピルを意味し、「Bu」はブチルを意味し、「g」はグラムを意味し、「ppm」は100万分の1部を意味し、「h」は時間を意味し、「GC/MS」はガスクロマトグラフィー及び質量分析を意味し、「NMR」は核磁気共鳴を意味する。
【0017】
「ヒドロカルビル」は、置換又は非置換であってよい一価炭化水素基を意味する。ヒドロカルビル基の具体的な例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
【0018】
「アルキル」は、非環状、分岐又は非分岐の飽和一価炭化水素基を意味する。アルキルは、Me、Et、Pr(例えばイソ−Pr及び/又はn−Pr)、Bu(例えばイソ−Bu、n−Bu、tert−Bu及び/又はsec−Bu)、ペンチル(例えばイソ−ペンチル、ネオ−ペンチル及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシル並びに分岐した飽和一価炭化水素基の6〜12個の炭素原子により例示されるが、それらに限定されない。アルキル基は、1〜30、あるいは1〜24、あるいは1〜20、あるいは1〜12、あるいは1〜10、あるいは1〜6個の炭素原子を有し得る。
【0019】
「アルケニル」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の一価炭化水素基を意味する。アルケニルは、ビニル、アリル、メタリル、プロペニル及びヘキセニルにより例示されるが、それらに限定されない。アルケニル基は、2〜30、あるいは2〜24、あるいは2〜20、あるいは2〜12、あるいは2〜10、あるいは2〜6個の炭素原子を有し得る。
【0020】
「アルキニル」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の一価炭化水素基を意味する。アルキニルは、エチニル、プロピニル及びブチニルにより例示されるが、それらに限定されない。アルキニル基は、2〜30、あるいは2〜24、あるいは2〜20、あるいは2〜12、あるいは2〜10、あるいは2〜6個の炭素原子を有し得る。
【0021】
「アリール」は、環状、完全に不飽和の炭化水素基を意味する。アリールは、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル及びナフチルにより例示されるが、それらに限定されない。単環式アリール基は、5〜9、あるいは6〜7、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜17、あるいは10〜14、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。
【0022】
「アラルキル」は、ペンダント及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基は、トリル、キシリル、メシチル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。
【0023】
「アルケニレン」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の二価炭化水素基を意味する。「アルキレン」は、非環状、分岐又は非分岐の飽和二価炭化水素基を意味する。「アルキニレン」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する非環状、分岐又は非分岐の二価炭化水素基を意味する。「アリーレン」は、環状の完全不飽和二価炭化水素基を意味する。
【0024】
「炭素環」及び「炭素環式」は、それぞれ、炭化水素環を意味する。炭素環は、単環式環であってよく、あるいは縮合、架橋又はスピロ多環式環であってよい。単環式炭素環は、3〜9、あるいは4〜7、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式炭素環は、7〜17、あるいは7〜14、あるいは9〜10個の炭素原子を有し得る。炭素環は、飽和又は部分的に不飽和であってよい。
【0025】
「シクロアルキル」は、飽和炭素環を意味する。単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルにより例示される。「シクロアルキレン」は、二価飽和炭素環を意味する。
【0026】
別の基、例えばヒドロカルビル基に関連して使用されている「置換されている」という用語は、別段指示がない限り、1個以上の水素原子が、ヒドロカルビル基において別の置換基で置き換えられていることを意味する。そのような置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子、例えば塩素、フッ素、臭素及びヨウ素、ハロゲン原子含有基、例えばクロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル及びノナフルオロヘキシル、酸素原子、酸素原子含有基、例えば(メタ)アクリル及びカルボキシル、窒素原子、窒素原子含有基、例えばアミン、アミノ官能基、アミド官能基及びシアノ官能基、硫黄原子、並びに硫黄原子を含有する基、例えばメルカプト基が挙げられる。
【0027】
M、D、T及びQ単位は、一般的に、R
uSiO(
4−u)/2として表されている(式中、uは、M、D、T及びQに対してそれぞれ3、2、1及び0であり、Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基である)。M、D、T、Qは、分子構造の残部に連結するケイ素原子に共有結合した、1個の(モノ)、2個の(ジ)、3個の(トリ)又は4個の(クアッド)酸素原子を指定する。
【0028】
トリシロキサン
少なくとも1個のカルビノール官能基を有するトリシロキサンが準備される。「カルビノール」という用語は、炭素原子に結合しているヒドロキシル基(C−OH)を指し、ケイ素原子に結合しているヒドロキシル基(Si−OH)とは区別される。カルビノール官能基は、一般的に、非加水分解性部分によりシロキサン骨格に連結している。トリシロキサンは、カルビノール官能トリシロキサン、ヒドロキシ官能トリシロキサン、いくつかの例において、ポリオール官能トリシロキサンとも呼ばれる。
【0029】
シリコーン業界で理解されているように、トリシロキサンは、一般的に、両側にMユニット、すなわち、末端Mユニットが配置されているDユニットを含む。更に、トリシロキサンは、一般的に、T及びQ単位をいずれも含まない。
【0030】
様々な実施形態において、トリシロキサンは、1〜6個、あるいは2〜5個、あるいは3〜4個のカルビノール官能基を有する。トリシロキサンのカルビノール官能基(複数可)は、遊離したままであってよく、及び/又は、続いて反応に利用してよい。例えば、遊離カルビノール官能基は親水性であるため、水性用途に有用なことがあり、一方シロキサン骨格は、疎水性に有用なことがある。あるいは、カルビノール官能基は、続いて、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル、フェノールなどが挙げられる様々な材料中で/材料と反応させてよい。当業界で理解されるように、カルビノール官能基は、一般的にヒドロキシル基に関連するものと同一の、変換又は反応させる可能性があるものを施すことができる。
【0031】
トリシロキサンは、(A)初期トリシロキサン及び(B)有機化合物の反応生成物を含む。「初期」という用語は、成分(A)が、成分(A)及び(B)の反応を経由して形成された本発明のトリシロキサンと異なることを意味する。「有機」という用語は、炭素を含む、あるいは炭素及び水素を含む成分(B)を意味する。多くの実施形態において、成分(B)は、ケイ素を含まない。
【0032】
様々な実施形態において、反応生成物は、本質的に、成分(A)及び(B)からなる。本明細書で使用されているように、「本質的に、〜からなること(consisting essentially of)」という語句は、一般的に、詳細な実施形態に対して具体的に列挙されている構成要素/成分を包含する。更に、「本質的に、〜からなること」という語句は、一般的に、その詳細な実施形態の基本的及び/又は新規な特性に著しく影響を及ぼさない追加の又は任意選択の構成要素/成分の存在を包含し、可能にする。ある実施形態において、「本質的に、〜からなること」は、反応生成物の合計重量に基づく追加の、又は任意選択の成分が≦10、≦5又は≦1重量パーセント(重量%)存在することを可能にする。他の実施形態において、反応生成物は、成分(A)及び(B)からなる。
【0033】
本明細書で使用されているように、「(A)」及び「(B)」の指定は、特定の順序を必要とする、又は、ある成分の、他の成分と比較した特別な重要性を指示するとは解釈されない。具体的には、様々な実施形態の説明には、羅列が使用され得る。明示的に別段の定めをした場合を除き、羅列の使用は、任意の特定の順序又は成分の数に関して本発明を限定すると解釈されるべきではない。羅列の使用は、羅列されている成分又はステップと組み合わせられる、又はそれにまとめられる任意の追加の成分又はステップを、本発明の範囲から排除すると解釈されるべきでもない。
【0034】
成分(A)
成分(A)は、ペンダントケイ素結合官能基を有する。ペンダントケイ素結合官能基は、一般的に、水素原子、エポキシ含有基、エチレン性不飽和基及びアミン基から選択される。「ペンダント」ケイ素結合官能基は、トリシロキサンのDユニットに連結する。
【0035】
ある実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、水素原子である。他の実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、エポキシ含有基である。エポキシ含有基は、エポキシ基、又は、非加水分解性部分によりシリコーン骨格に連結するエポキシ基であってよい。他の実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、エチレン性不飽和基である。成分(A)に対する適切なエチレン性不飽和基は、アルケニル基、例えばビニル、アリル、メタリル、プロペニル、ヘキセニルなどが挙げられる。ある実施形態において、成分(A)は、ペンダントケイ素結合アルケニル基、例えばアリル基を有する。更に他の実施形態において、ペンダントケイ素結合官能基は、アミン基である。
【0036】
典型的には、成分(A)は、水素原子、エポキシ含有基、エチレン性不飽和基及びアミン基から選択される末端ケイ素結合官能基を含まない。これらが存在する場合、そのような「末端」ケイ素結合官能基は、トリシロキサンのM単位のうちの少なくとも1つに連結するであろう。
【0037】
典型的には、成分(A)は、ポリオキシアルキレン基を含まない。これらが存在する場合、ポリオキシアルキレン基は、例えば、エチレンオキシド(ethylene oxide、EO)、プロピレンオキシド(propylene oxide、PO)、ブチレンオキシド(butylene oxide、BO)、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタンス、及び/又は環状エポキシド、例えばシクロヘキセンオキシド又はエキソ−2,3−エポキシノルボランの重合により付与され得る。当業界で一般的なポリオキシアルキレン部分は、オキシエチレン単位(C
2H
4O)、オキシプロピレン単位(C
3H
6O)、オキシブチレン単位(C
4H
8O)、又はそれらの混合物が挙げられる。ある実施形態において、トリシロキサンは、ポリエーテルフリー、例えばPEGフリー、PEOフリー、POEフリー、PPGフリー、PPOXフリー、POPフリー、PTMGフリー、PTMEGフリー又はPTHFフリーと呼ばれることがある。そのような頭字語は、当業界で理解される。多くの実施形態において、トリシロキサンは、ポリオキシアルキレン基を含まない。
【0038】
様々な実施形態において、成分(A)は、以下の一般式(A1):
(R
13SiO
1/2)(R
1R
2SiO
2/2)(R
13SiO
1/2) (A1)
のものである。
【0039】
上式(A1)において、各R
1は、独立して選択されるヒドロカルビル基である。ある実施形態において、各R
1は、独立して選択されるC
1〜C
6アルキル基である。特定の実施形態において、各R
1は、メチル基である。R
2は、ペンダントケイ素結合官能基である。
【0040】
ある実施形態において、R
2は、水素原子であり、その成分(A)は、水素トリシロキサンと呼ばれ得る。他の実施形態において、R
2は、エポキシ含有基であり、その成分(A)は、エポキシ官能トリシロキサンと呼ばれ得る。他の実施形態において、R
2は、エチレン性不飽和基であり、その成分(A)は、アルケニル官能トリシロキサンと呼ばれ得る。更に他の実施形態において、R
2は、アミン基であり、その成分(A)は、アミン官能トリシロキサンと呼ばれ得る。
【0041】
成分(B)
成分(B)は、少なくとも1個のヒドロキシル(−OH)官能基を有する。ヒドロキシル官能基は、成分(A)に関して一般的に不活性である。「一般的に不活性」は、ヒドロキシル官能基(複数可)の反応が意図されていないことを意味する。具体的には、ヒドロキシル官能基は、例えばSi−H基と反応性であるが、反応は、トリシロキサンの形成中に最小化される、又は一般的に避けられ、その結果、すべてのヒドロキシル基の大多数が遊離したままである。成分(B)のヒドロキシル官能基(複数可)は、当業界で理解されている方法により、例えば、反応条件の管理、添加の順序、一時的なブロッキング/キャッピングなどにより、トリシロキサンの形成中の副反応から保護され得る。トリシロキサンのカルビノール官能基(複数可)は、典型的には、トリシロキサンのDユニットに連結し、一般的には、少なくとも成分(B)のヒドロキシル官能基(複数可)、任意選択で、開いたエポキシ環(エポキシ環は、成分(A)及び(B)の反応前に提示される)により付与される。ヒドロキシル官能基(複数可)は、末端及び/又はペンダント(トリシロキサンのDユニットから吊り下がった基/部分に対する)であってよい。
【0042】
成分(B)は、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基と反応性の官能基も有する。具体的には、トリシロキサンは、以下の条件に従う。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基が水素原子である場合、成分(B)の官能基は、エチレン性不飽和基である。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がエポキシ含有基である場合、成分(B)の官能基は、アミン基である。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がエチレン性不飽和基である場合、成分(B)の官能基は、水素原子である。成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がアミン基である場合、成分(B)の官能基は、エポキシ含有基である。成分(B)の官能基は、末端、内部又はペンダントであってよい。様々な実施形態において、成分(B)の官能基は、末端である。
【0043】
成分(B)に対する適切なエチレン性不飽和基は、アルケニル基、例えばビニル、アリル、メタリル、プロペニル、ヘキセニルなどが挙げられる。様々な実施形態において、成分(B)は、アルケニル基、例えばアリル基を有する。成分(B)として適切なアリル化合物の具体的な例としては、アリルグリセロール、アリルジグリセロール、アリルグリシジルエーテル(AGE)、アリルソルビトールなどが挙げられる。アリルグリセロールは、アリルオキシエタノールとも呼ばれ得る。アリルグリセロールは、アリルモノグリセロール又はアリルオキシ1,2−プロパンジオールとも呼ばれ得る。成分(B)として有用な他の化合物は、エポキシド、例えばグリシドール及び4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシドが挙げられる。少なくとも1個のエポキシ及び/又は少なくとも1個のエチレン性不飽和基、並びに、一般的には1〜6個のヒドロキシル基(複数可)を有する他の化合物も想定される。
【0044】
他の実施形態において、成分(B)は、アミン化合物、例えば第二級アミンであってよく、少なくとも1個のヒドロキシル官能基も用いられる。成分(B)として適切な他のアミン化合物は、アルカノールで修飾したアミン、例えば一般的に:HNRR’(式中、R及びR’は、アルキル及び/又はアルカノール官能基である)が挙げられる。R又はR’の1つは、典型的には、第2級ヒドロキシル官能基を含有して、ヒドロキシル官能基(複数可)を示す。成分(B)として適切なアルカノールアミンの具体的な例としては、ジイソプロパノールアミン(diisopropanol amine、DIPA)、ジエタノールアミン(diethanol amine、DEA)などが挙げられる。少なくとも1個のアミン基、及び一般的には1〜6個のヒドロキシル基(複数可)を有する他の化合物も想定される。
【0045】
様々な実施形態において、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基は、水素原子であり、成分(B)は、以下の成分(B1):
【0048】
他の実施形態において、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基は、エポキシ含有基であり、成分(B)は、以下の成分(B2)〜(B4):
【0051】
更に他の実施形態において、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基は、水素原子であり、成分(B)は、以下の成分(B5)〜(B9):
【0056】
更なる実施形態では、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基は、エポキシ含有基であり、成分(B)は、以下の成分(B10):
【0059】
ある実施形態において、成分(B)は、成分:(B1)、(B2)、(B3)、(B4)、(B5)、(B6)、(B7)、(B8)、(B9)又は(B10)である。成分(A)及び(B)の組み合わせを利用してよい。
【0060】
他の実施形態において、成分(A)及び(B)の官能基が入れ替わる場合、例えば、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がアミン基であり、成分(B)の官能基がエポキシ含有基である場合、成分(B)がエポキシ化合物であり、少なくとも1個のヒドロキシル官能基も用いられる。これらの実施形態において、成分(B)は、エポキシ官能ポリオールであってよい。そのようなエポキシポリオールは、(B2)〜(B4)又は(B10)と同様の成分から選択され得るが、アミン基が、一般的に、エポキシ含有基、例えばエポキシ基(示されていない)で置き換えられる。上で明白に例証されていないが、成分(B)として適切な他の化合物も利用され得ることは、理解されるべきである。
【0061】
更に他の実施形態において、成分(B)は、水素原子を有し、少なくとも1個のヒドロキシル官能基も用いられる。これらの実施形態において、水素原子は、ケイ素結合水素原子(Si−H)であり、これは、一般的に、成分(A)がエチレン性不飽和基を含む例で必要とされる。成分(B)のそのようなSi−H官能基は、最初の、初期有機化合物とシラン、ポリシロキサンなどの反応により付与され得る。そのような反応は、シリコーン業界における当業者により理解される。
【0062】
トリシロキサン
様々な実施形態において、トリシロキサンは、以下の一般式(I):
(R
13SiO
1/2)(R
1R
3SiO
2/2)(R
13SiO
1/2)(I)
のものである。
【0063】
上式(I)において、各R
1は、式(A1)で上に記載されている。R
3は、典型的には、1〜6個のヒドロキシル基を有する有機基である。様々な実施形態において、R
3は、以下の基(i)〜(iv):
【0069】
他の実施形態において、R
3は、以下の基(v)〜(x):
【0074】
ある実施形態において、R
3は、上記一般式(I)において、基:(i)、(ii)、(iii)又は(iv)である。他の実施形態において、R
3は、上記一般式(I)において、基:(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)、又は(x)である。
【0075】
他の実施形態において、成分(A)及び(B)の官能基が入れ替わる場合、例えば、成分(A)のペンダントケイ素結合官能基がアミン基であり、成分(B)の官能基がエポキシ含有基である場合、R
3は、基ii)からiv)又はvii)と同様の基から選択され得るが、アミン及びエポキシ含有基により付与される部分が、一般的に入れ替わる/元に戻る(示されていない)。当業者は、そのような入れ替わった構造、関連した構造、及び他の実施形態のトリシロキサンに適している他の構造を認識するであろう。
【0076】
方法
トリシロキサンを形成する方法も提供される。この方法は、1)成分(A)を準備するステップ、及び2)成分(B)を準備するステップを含む。この方法は、3)成分(A)及び(B)を反応させて、トリシロキサンを形成するステップを更に含む。成分(A)及び(B)は、上に記載されている。成分(A)及び(B)のそれぞれを、得ることができる、又は形成することができる。例えば、成分(A)及び(B)の一方又は両方は、化学物質の供給業者、例えばMidland、MIのDow Corningから商業的に得られる。そうでなければ、成分(A)及び(B)の一方又は両方は、それぞれの出発原料から形成できる。
【0077】
この方法の第1の一般的な実施形態において、ステップ1)は、1a)水素トリシロキサンとエチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、エポキシ含有基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(A)、具体的にはエポキシ官能トリシロキサンである。更に、ステップ3)は、3a)成分(B)及びステップ1a)で形成された反応中間体を反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(B)は、アミン化合物である。任意選択で、この方法は、ステップ1a)後に、未反応のエポキシ化合物を除去するステップ1b)(複数可)を、及び/又はステップ3a)後に、未反応成分(B)を除去するステップ3b)を更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して、例えばストリッピング、蒸発、真空吸引などを経由して遂行され得る。他の反応物、分散媒及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。この方法の第1の一般的な実施形態の例は、
図1で例証されている。
【0078】
この方法の第2の一般的な実施形態において、ステップ2)は、2a)少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有するアミン化合物と、エチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を反応させて、エチレン性不飽和基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(B)である。更に、ステップ3)は、3a)成分(A)及びステップ2a)で形成された反応中間体を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(A)は、水素トリシロキサン(又はシリコーンハイドライド)である。任意選択で、この方法は、2b)ステップ2a)後に、未反応の化合物を除去するステップ(複数可)、及び/又は、3b)ステップ3a)後に、未反応成分(A)を除去するステップ(複数可)を更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して再度遂行されてもよい。他の反応物、分散媒、及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。この方法の第2の一般的な実施形態の例は、
図2で例証されている。
【0079】
この方法の第3の一般的な実施形態(示されていない)において、ステップ1)は、1a)水素トリシロキサンとエチレン性不飽和基を有するアミン化合物を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、アミン基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(A)、具体的にアミン官能トリシロキサンである。更に、ステップ3)は、3a)成分(B)、及びステップ1a)で形成された反応中間体を反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(B)は、エポキシ化合物、例えばグリシドールである。任意選択で、この方法は、1b)ステップ1a)後に、未反応のアミン化合物を除去するステップ(複数可)、及び/又は、3b)ステップ3a)後に、未反応成分(B)を除去するステップ(複数可)を更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して遂行され得る。他の反応物、分散媒及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。この方法の関連した実施形態において、アミン官能トリシロキサン(A)は、当業界で理解されている別の手段で作ることができる。例えば、クロロプロピル官能トリシロキサンは、アンモニアと反応させて、成分(A)を形成することができる。当業者は、トリシロキサンを形成するための成分(A)として適切なアミン官能トリシロキサンを得る他の手段を容易に認識できる。
【0080】
この方法の第4の一般的な実施形態(示されていない)において、ステップ2)は、2a)少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有するエポキシ化合物と、エチレン性不飽和基を有するアミン化合物を反応させ、エチレン性不飽和基を有する反応中間体を形成するステップと更に定義される。反応中間体は、成分(B)である。更に、ステップ3)は、3a)成分(A)及びステップ2a)で形成された反応中間体を、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて、トリシロキサンを形成するステップと更に定義される。成分(A)は、水素トリシロキサン(又はシリコーンハイドライド)である。任意選択で、この方法は、2b)ステップ2a)後に、未反応の化合物を除去するステップ(複数可)、及び/又は、3b)ステップ3a)後に、未反応成分(A)を除去するステップ(複数可)を更に含む。そのような除去は、当業界で理解されている方法を経由して、再度遂行され得る。他の反応物、分散媒及び/又は反応中間体は、同様に要望通りに除去できる。
【0081】
成分(A)及び(B)は、様々な量で反応させて、トリシロキサンを形成できる。それぞれの官能基の数に基づき、成分は、1:1の理論混合比(A:B)で利用され得る。高い比も低い比も利用してよい。例えば、過剰な成分(A)又は(B)は、トリシロキサン、又はトリシロキサンを含む組成物のある最終使用/用途に望ましいことがある。反応条件は、特に限定されない。ある実施形態において、反応は、室温から還流温度で1〜24、あるいは1〜10時間行われる。
【0082】
成分(C)
例えばSi−Hとエチレン性不飽和基の間のヒドロシリル化(又は添加)反応は、典型的には、(C)ヒドロシリル化触媒の存在下で起こる。ヒドロシリル化触媒は、当技術分野の従来のものであってよい。例えば、ヒドロシリル化触媒は、白金族金属を含有する触媒であってよい。「白金族」は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金、並びにそれらの錯体を意味する。本明細書において有用なヒドロシリル化触媒の非限定的な例は、米国特許第3,159,601号、第3,220,972号、第3,296,291号、第3,419,593号、第3,516,946号、第3,715,334号、第3,814,730号、第3,923,705号、第3,928,629号、第3,989,668号、第5,036,117号、第5,175,325号及び第6,605,734号に記載されており、そのそれぞれは、開示されているヒドロシリル化触媒に関して参照することにより、本明細書に組み込む。
【0083】
ヒドロシリル化触媒は、白金金属、担体、例えばシリカゲル若しくは粉末木炭に蒸着した白金金属、又は白金族金属の化合物若しくは錯体である。典型的なヒドロシリル化触媒は、六水和物形態若しくは無水形態でクロロ白金酸、及び/又は、クロロ白金酸と脂肪族不飽和有機ケイ素化合物、例えばジビニルテトラメチルジシロキサン、若しくは米国特許第6,605,734号に記載されているアルケン−白金−シリル錯体を反応させることを含む方法により得られる白金を含有する触媒が挙げられる。例は:(COD)Pt(SiMeCl
2)
2である(式中、「COD」は、1,5−シクロオクタジエンである)。これらのアルケン−白金−シリル錯体は、例えば0.015モルの(COD)PtCl
2と0.045モルのCOD及び0.0612モルのHMeSiCl2を混合することにより調製され得る。
【0084】
適切な白金触媒の一タイプは、Karstedtの米国特許第3,715,334号及び第3,814,730号に記載されているKarstedt触媒である。Karstedt触媒は、典型的には溶媒、例えばトルエン中に約1重量%の白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体である。別の適切な白金触媒のタイプは、末端脂肪族不飽和を含有するクロロ白金酸及び有機ケイ素化合物の反応生成物である(米国特許第3,419,593号に記載されている)。
【0085】
使用されるヒドロシリル化触媒の量は、特に限定されず、典型的には、特定の触媒に依存する。ヒドロシリル化触媒は、典型的には、成分(A)又は(B)100万部を基準として、固体(すべての非溶媒原料)の合計重量パーセントに対して、少なくとも2ppm、より典型的には4〜200ppmの白金を得るのに十分な量で利用される。様々な実施形態において、ヒドロシリル化触媒は、同基準に基づいて1〜150重量ppmの白金を得るのに十分な量で存在する。ヒドロシリル化触媒は、単一化学種、又は2つ以上の異なる化学種の混合物として添加され得る。
【0086】
成分(D)
トリシロキサン及び/又はそれらの成分は、典型的には、(D)分散媒として形成される、及び/又は得られる。適切な分散媒(又は担体、希釈剤、溶媒又はビヒクル)は、直鎖状及び環状両方のケイ素、有機油、有機溶媒並びにそれらの混合物を含む。溶媒の具体的な例は、米国特許第6,200,581号で見出すことができ、これは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。様々な実施形態において、分散媒は、揮発性シロキサン、有機溶媒又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0087】
ある実施形態において、分散媒は、25℃にて、1〜1,000mm
2/秒の範囲の粘度を有する低粘度シリコーン、揮発性メチルシロキサン、揮発性エチルシロキサン、又は揮発性メチルエチルシロキサンである。適切なケイ素/シロキサンは、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル−3−{(トリメチルシリポキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル−3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン及びペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン及びポリジフェニルシロキサンが挙げられる。
【0088】
適切な有機溶媒は、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレンなど)、脂肪族又は脂環式炭化水素(例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなど)、アルコール(例えばメタノール、イソプロパノールなど)、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル及び芳香族ハロゲン化物が挙げられる。適切な炭化水素は、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C
11−C
13)、Isopar H(C
11−C
12)及び水添ポリデセンが挙げられる。適切なハロゲン化炭化水素は、ジクロロメタン、クロロホルム及び四塩化炭素が挙げられる。適切なエーテル及びエステルは、ネオペンタン酸イソデシル、ヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチルヘキシル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル、ネオペンタン酸トリデシル、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether acetate、PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether、PGME)、ネオペンタン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル/ジカプリン酸プロピレングリコール及びパルミチン酸オクチルが挙げられる。独立した化合物として、又は分散媒への原料として適切な追加の有機分散媒は、脂肪、油、脂肪酸及び脂肪族アルコールが挙げられる。適切な担体/溶媒の追加の例は、米国特許出願公開第2010/0330011号に「分散媒」として記載されており、これは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。
【0089】
望ましくない副反応/反応生成物を防止するために、分散媒は、トリシロキサンを形成するために利用される反応物/反応中間体に対して、不活性であるべきである。例えば、分散媒は、エポキシ、Si−H、エチレン性不飽和、及び/又はアミン官能基を有するべきではない。使用される分散媒の量は、特に限定されない。分散媒の組み合わせを利用してもよい。
【0090】
組成物
トリシロキサンを含む組成物も提供される。上で紹介されているように、トリシロキサンは、いくつかの用途に有用であり、そのような用途は、特に限定されない。適切な用途は、自動食器洗い用(automatic dishwashing、ADW)配合物、家庭用クリーナー、自動車ケア用洗剤、液体及び粉末洗濯洗剤、並びに染着除去製品における使用を含む。トリシロキサンを利用する更なる適切な用途は、顔料処理及び水性配合物に対するテクスチャ変更を含む。トリシロキサンの他の用途は、ウレタンレザー仕上げ用の添加剤、及びポリエステル繊維溶融紡糸方法用の反応性内部潤滑剤としての使用を含む。トリシロキサンは、シリコーン又は他の配合物において粒子を分散させるための界面活性剤及び加工助剤として(又はその代わりに)も利用され得る。
【0091】
ある実施形態において、トリシロキサンは、洗剤添加剤として使用される。多くの実施形態において、トリシロキサンは、欧州議会及び洗剤審議会の法令(EC)No.648/2004による要件を満たし、これは、EC No.907/2006及び551/2009を含めた、それに後続するあらゆる修正事項/添付書類と共に、参照により本明細書に組み込む。トリシロキサンは、概して、EC No.648/2004に従って定義される「界面活性剤」ではない。様々な実施形態において、組成物は、クリーニング組成物、コーティング組成物、農薬組成物又はインク組成物である。
【0092】
ある実施形態において、組成物は、クリーニング組成物である。更なる実施形態では、組成物は、洗剤組成物(単に洗剤と呼ばれることもある)である。洗剤組成物は、例えば、食器洗い用洗剤組成物(例えば自動食器洗い用洗剤組成物)、洗濯洗剤組成物又は硬質表面用洗剤組成物であってよい。トリシロキサンは、そのようなクリーニング組成物にとりわけ有用である。トリシロキサンが利用され得る更なる用途は:化粧品、個人用ケア及び個人用クレンジング製品(例えばボディウォッシュ、シャンプー及びコンディショナー)、食器手洗い用、自動食器洗い用及び食器洗い用添加剤を含む食器洗い用製品、洗濯洗剤(例えば手洗い用/自動洗濯機用洗剤)、織物柔軟剤、カーペットクリーナー及び洗濯助剤(例えばしみ及び染色除去剤)を含む洗濯ケア製品、多目的クリーナー、オーブン、窓/ガラス、金属、台所、床、浴室面のクリーナー、デスケーラー、排水管洗浄剤、精練剤、家庭用殺菌剤/消毒剤、並びに家庭用ケアワイプ及びフロアクリーニングシステムを含む表面ケア製品と、トイレ用ケアのためのシスタン内デバイス、リムブロック及び液体、並びに液体、フォーム、ゲル及びタブレットを含むトイレ用ケア製品が挙げられる。
【0093】
様々な実施形態において、クリーニング組成物は、水溶液、ゲル又は粉末であってよい。クリーニング組成物は、洗いプロセスの前に、それ自体を洗濯物に直接小分けしてよく、又はスプレー、ロールオン及び/又は接着パッチを経由して(やはり洗濯物に直接)小分けしてよい。そのようなクリーニング組成物は、自動又は手洗いプロセスの洗い及び/又はすすぎ段階内にも送達してもよい。
【0094】
トリシロキサンは、組成物中に様々な量で利用され得る。具体的な最終使用/用途のための適切な量は、慣例的実験により容易に決定できる。トリシロキサンの組み合わせを利用してもよい。
【0095】
組成物が洗剤組成物である、ある実施形態において、トリシロキサンは、洗剤組成物の100重量部を基準として、約0.001〜約20、あるいは約0.001〜約15、あるいは約0.001〜約10、あるいは約0.01〜約5、あるいは約0.01〜約1重量部の量で存在する。そのような範囲は、一般的に、「最終」又は「消費者向け」洗剤組成物に関連する。上記量は、それ自体を大幅に増加又は減少させて、濃度及び/又は形態における変化の原因とすることができる。例えば、洗剤組成物が濃縮物、ゲル又は粉末の形態である実施形態において、上記量は、約10%、25%、50%、100%、200%、300%、400%、500%以上に増加させてよい。洗剤組成物が希釈される場合、上記量は、類似した手段で減少させてよい。これらの量は、他のタイプの組成物でも利用され得る。
【0096】
様々な実施形態において、組成物は、少なくとも1つの分散剤を更に含む。クリーニング組成物に関連する様々なタイプの従来の分散剤を利用してよい。特定の実施形態において、分散剤は、プロピレングリコールを含む。分散剤は、ある実施形態のトリシロキサンの適合性の向上させること、及び/又は組成物におけるその量を増加させることに有用である。
【0097】
組成物が洗剤組成物である、ある実施形態において、分散剤は、洗剤組成物の100重量部を基準として、約0.01〜約50、あるいは約0.1〜約40、あるいは約0.1〜約30、あるいは約0.1〜約25、あるいは約1〜約20、あるいは約2〜約15、あるいは約2〜約10、あるいは約2〜約5重量部(複数可)の量で存在する。そのような範囲は、一般的に、「最終」又は「消費者向け」の洗剤組成物に関連する。上記量は、それ自体を大幅に増加又は減少させて、濃度及び/又は形態における変化の原因とすることができる。例えば、洗剤組成物が濃縮物、ゲル又は粉末の形態である実施形態において、上記量は、約10%、25%、50%、100%、200%、300%、400%、500%以上に増加させてよい。洗剤組成物が希釈される場合、上記量は、類似した手段で減少させてよい。これらの量は、他のタイプの組成物でも利用され得る。
【0098】
組成物、例えば洗剤組成物は、当業界で理解されている任意の数の従来の化合物、又は添加剤を更に含み得、そのような成分は、様々な量で利用され得る。例えば、組成物は、様々な量の水を含む水性洗剤組成物であってよい。更に、クリーニング組成物は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン(両性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤又はそれらの組み合わせを含む、少なくとも1つの界面活性剤を含み得る。クリーニング/洗剤組成物に適している更なる成分は、研磨剤、酸、アルカリ/塩基、抗微生物剤、再付着防止剤、スケール防止剤、ブリーチ、ビルダー、キレート剤、着色剤、錯化剤、腐食防止剤、電解質、酵素、増量剤、抽出物、柔軟剤、フィラー、蛍光性白色化剤、香料/芳香剤、発泡防止剤、製剤補助剤、ヒドロトロープ、乳白剤、防腐剤、加工助剤、塩、石鹸、汚れ放出ポリマー、溶媒、溶解性改良剤、泡調整剤、油、酸化剤又はそれらの組み合わせが挙げられる。他の洗剤組成物及びそれらの成分は、米国特許出願第62/328,072号(代理人整理番号:DC16004)への言及で、より適正に認識され、これは、この目的のために参照することにより本明細書に組み込む。
【0099】
様々なトリシロキサン及び関連した形成方法を例証する以下の実施例は、本発明を例証し、限定しないように意図されている。
【0100】
実施例1:ヘプタメチルトリシロキサン及び2−アリルオキシエタノールのヒドロシリル化
13.29gのヘプタメチルトリシロキサン(98%、TCI America)及び20gのトルエン(≧99.5%、Fisher Scientific)を、窒素パージ下で反応フラスコに添加し、電磁撹拌機で混合した。混合物を、窒素パージ下で保持し、40℃に加熱した。シリンジに、7.87gの2−アリルオキシエタノール(98%、Aldrich)を充填し、シリンジポンプに入れた。一旦40℃にて、2−アリルオキシエタノールを、〜250μL/分で反応に計量供給した。〜5%の2−アリルオキシエタノールを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中の108.8μLの1%白金錯体を添加した。反応を最初に発熱させ、残りの2−アリルオキシエタノールを添加する際に、59.5℃の最高温度に到達させた。合計6.82gの2−アリルオキシエタノールを添加した。反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0101】
生じた試料を、活性炭で処理し、濾過した。未反応のヘプタメチルトリシロキサン(ビスH)及びトルエンを、ロータリーエバポレーター(Rotovap)を使用して3時間ストリッピングした(75℃、<10mbar)。次いで、試料を室温にて0.15torrで24時間保った。1H、29Si及び13Cで、標的のヒドロシリル化反応生成物を確認し、ごく微量の異性体が留まった。具体的には、ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−2−アリルオキシエタノール、99.46重量%、及び2−アリルオキシエタノール異性体、0.54重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、1個のヒドロキシル官能(−OH)基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0103】
実施例2:ヘプタメチルトリシロキサン及びトリメチロールプロパンアリルエーテルのヒドロシリル化
10.75gのヘプタメチルトリシロキサン(98%、TCI America)及び20gのトルエン(≧99.5%、Fisher Scientific)を、窒素パージ下で反応フラスコに添加し、電磁撹拌機で混合した。混合物を、窒素パージ下で保持し、40℃に加熱した。シリンジに、11.37gのトリメチロールプロパンアリルエーテル(98%、Aldrich)を充填し、シリンジポンプに入れた。一旦40℃にて、トリメチロールプロパンアリルエーテルを、〜250μL/分で反応に計量供給した。〜5%のトリメチロールプロパンアリルエーテルを添加した後で、87.9μLのヘキサメチルジシロキサン中の1%白金錯体を添加した。反応を最初に発熱させ、残りのトリメチロールプロパンアリルエーテルを添加した際に58.9℃の最高温度に到達させた。合計9.44gのトリメチロールプロパンアリルエーテルを添加した。反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0104】
生じた試料を、活性炭で処理し、濾過した。未反応のビスH及びトルエンは、ロータリーエバポレーターを使用して1時間ストリッピングした(60℃、<10mbar)。次いで、試料を室温にて0.2torrで24時間保った。1H、29Si及び13Cで、標的のヒドロシリル化反応生成物、並びに〜4.37重量%の異性体、及び0.1重量%未満の溶媒が留まったことを確認した。具体的には、ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−トリメチロールプロパンアリルエーテル、95.58重量%、トリメチロールプロパンアリルエーテル異性体、4.37重量%、及びトルエン、0.05重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、2個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0106】
実施例3:トリシロキサンモノグリセロールの調製
125.58gの1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン(ビスH)、22.5gのアリルグリセロール及び168gのイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol、IPA)を、窒素パージ下で反応フラスコに添加し、かき混ぜ機で混合した。混合物を、窒素パージ下で保持し、70℃に加熱した。0.3gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を添加した。反応を最初に発熱させた。25.2gのアリルグリセロール、16.8gのIPA、及び0.3gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を、第2のステップとして添加した。25.2gのアリルグリセロール、12.6gのIPA、及び0.3gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を、第3のステップとして添加した。16.8gのアリルグリセロール、12.6gのIPA、及び0.209gのヘキサメチルジシロキサン/IPA中の1.1%白金錯体を、第4のステップとして添加した。合計89.7gのアリルグリセロールを合計125.58gのビスHに対して添加した。反応を70℃にて6時間保ち、次いで冷却した。
【0107】
試料を活性炭で処理し、濾過した。未反応のビスH及びIPAは、真空ポンプを使用して2時間ストリッピングした(80℃、<10mmHg)。1H、29Si及び13Cで、標的のヒドロシリル化反応生成物を確認し、ごく微量の異性体が留まった。具体的には、ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−アリルグリセロール、96.50重量%、及びアリルグリセロール異性体、3.50重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、すぐ下で例証されているように、2個のヒドロキシル官能基を有する。
【0109】
実施例4:ビスH及びアリルグリセロールのヒドロシリル化
12.096gのビスH及び20.00gのIPAを、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、40℃に加熱した。シリンジに、7.904gのアリルグリセロールを充填し、次いでシリンジポンプに入れた。一旦40℃にて、アリルグリセロールを、669μL/分で反応に計量供給した。〜5%のアリルグリセロールを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(98.98μL)を添加して、18ppm Pt触媒を得た。反応を発熱させ、アリルグリセロールをすべて添加した後で60℃に冷却した。次いで、反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0110】
未反応のビスH及びIPAは、Rotovapを使用して3時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、95.36重量%、及び異性体、4.64重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、2個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0112】
実施例5:ヘプタメチルトリシロキサン及びアリルグリシジルエーテルのヒドロシリル化
71.22gのビスH及び43.78gのアリルグリシジルエーテル(allyl glycidyl ether、AGE)を、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、60℃に加熱した。一旦60℃にて、この溶液(24.42μL)にIPA中のKarstedt触媒の1%溶液を添加して、8ppm Ptを得た。反応を発熱させ、75℃に冷却した。反応を、75℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0113】
未反応のビスH、過剰なAGE及びAGE異性体は、単に減圧蒸留のみを使用して3時間ストリッピングした(90℃、5mmHg)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−AGE、100.00重量%。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0115】
実施例6:ビスH−AGE及びジエタノールアミンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された83.430gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、26.056gのジエタノールアミン(DEA)及び30.000gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、これらの条件で完了まで保った。
【0116】
IPAは、単に減圧蒸留のみを3時間使用して除去した(45℃、〜5mmHg)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。減圧蒸留後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−AGE−DEA、99.70重量%、及びIPA、0.30重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、3個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0118】
実施例7:ビスH−AGE及びジイソプロパノールアミンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された、65.849gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、26.052gのジイソプロパノールアミン(DIPA)、及び30.000gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、これらの条件で完了まで保った。
【0119】
IPAは、単に減圧蒸留のみを3時間使用して除去した(45℃、〜5mmHg)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。減圧蒸留後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−AGE−DIPA、99.70重量%、及びIPA、0.30重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、3個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0121】
実施例8:ビスH及びアリルジグリセロールのヒドロシリル化
56.81gのビスH及びアリルジグリセロールの合計(合計71.19g)の半分を、窒素パージ下で反応フラスコ中において混合し、45℃に加熱した。一旦45℃にて、IPA中の1%溶液のKarstedt触媒(25.48μL)を添加して、8ppm Ptを得た。反応を発熱させ、80℃に冷却した。アリルジグリセロールのもう半分を反応溶液に添加した。一旦、反応を再度発熱し、70℃に冷却した。次いで、反応を70℃にて4時間保ち、次いで、冷却した。
【0122】
反応後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−アリルジグリセロール、88.88重量%、及び異性体、11.12重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、すぐ下で例証されているように3個のヒドロキシル官能基を有する。
【0124】
実施例9:ビスH及びアリルキシリトールのヒドロシリル化
9.739gのアリルキシリトール及び20.017gのIPAを、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、50℃に加熱した。シリンジに、10.261gのビスHを充填し、次いでシリンジポンプに入れた。一旦50℃にて、ビスHを881μL/分で反応に計量供給した。〜5%のビスHを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(83.96μL)を添加して、16ppm Ptを得た。反応を発熱させ、すべてのビスHを添加した後で、60℃に冷却した。次いで、反応を、60℃にて3時間保ち、次いで冷却した。
【0125】
未反応のビスH及びIPAは、Rotovapを使用して3〜5時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−アリルキシリトール、97.74重量%、及び異性体、2.86重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、4個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0127】
実施例10:ビスH−AGE−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された5.516gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、1.984gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、5.250gのメタノール及び12.250gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、反応が完了するまでこれらの条件で保った。
【0128】
IPA及びメタノールは、Rotovapを使用してストリッピングした(75℃、3mbar)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−AGE−トリス、99.70重量%、及びIPA、0.30重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、4個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0130】
実施例11:ビスH−AGE及びn−メチルグルカミンのエポキシ開環反応
実施例5で生成された15.824gのエポキシ官能トリシロキサン中間体、9.176gのn−メチルグルカミン(n−methylglucamine、NMG)、8.750gのメタノール及び16.250gのIPAを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、反応が完了するまでこれらの条件で保った。
【0131】
メタノール及びIPAは、Rotovapを使用して3時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−AGE−NMG、98.20重量%、及びIPA、1.80重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、6個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0133】
実施例12:AGE及びDIPAのエポキシ開環反応
12.855gのAGE、12.500gのDIPA及び24.645gのトルエンを、反応フラスコに添加した。反応は、反応溶液越しに窒素パージを使用して、不活性雰囲気中で行った。次いで、反応を75℃に加熱し、これらの条件で完了まで保った。
【0134】
トルエンは、Rotovapを使用して3時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。反応の進展をH1 NMRにより追跡した。反応は、エポキシのCHピークが〜3.1ppmから〜3.9ppmに完全にシフトした際に、完了とみなした。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:AGE−DIPA、99.70重量%、及びトルエン、0.30重量%。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている(各Rがプロパノール基である場合)。
【0136】
実施例13:ビスH及びアリルAGE−DIPAのヒドロシリル化
1.2594gのビスH、実施例12で生成された1.266gのアリルAGE−DIPA材料、及び2.052gのIPAは、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、60℃に加熱した。一旦60℃にて、この溶液に、ヘキサメチルジシロキサン中のKarstedt触媒の1%溶液(20.26μL)を添加して、30ppm Ptを得た。反応を発熱させ、70℃に冷却した。次いで、反応は70℃にて完了まで保った。
【0137】
反応は、未反応のSi−Hピークが、H1 NMRスペクトルにおいて〜4.56ppmで存在しなくなった場合完了とみなす。IPAは、Rotovapを使用して4時間ストリッピングした(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下の通りであった:ビスH−AGE−DIPA、89.77重量%、AGE−DIPA異性体、9.99重量%、及びIPA、0.24重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、3個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0139】
実施例14(予想):ビスH及びアリルソルビトールのヒドロシリル化
10.3gのアリルソルビトール及び20.017gのIPAは、窒素パージ下で、反応フラスコ中において混合し、50℃に加熱する。シリンジに、10.3gのビスHを充填し、次いでシリンジポンプに入れる。一旦50℃にて、ビスHを反応容器に881μL/分で計量供給する。〜5%のビスHを添加した後で、ヘキサメチルジシロキサン(83.96μL)中のKarstedt触媒の1%溶液を添加して、16ppm Ptを得る。反応を発熱させ、ビスHのすべてを添加した後で、60℃に冷却する。次いで、反応を60℃にて3時間保ち、次いで冷却する。
【0140】
未反応のビスH及びIPAは、Rotovapを使用して5時間ストリッピングする(75℃、3mbar)。ストリッピング後の化学組成は、以下のように評価される:ビスH−アリルソルビトール、96.0重量%、及び異性体、4.0重量%。この実施例で形成されたトリシロキサンは、5個のヒドロキシル官能基を有する。この実施例の反応スキームは、すぐ下で例証されている。
【0142】
「含むこと(comprising)」又は「含む(comprise)」という用語は、本明細書において、それらの最も広い意味で、「含むこと(including)」、「含む(include)」、「から本質的になる(consist(ing)essentially of)」、及び「からなる(consist(ing)of)」)という見解を意味し、包含するように使用されている。実例を列記する「例えば(for example)」「例えば(e.g.,)」、「例えば(such as)」及び「が挙げられる(including)」の使用は、列記されている例のみに限定しない。したがって、「例えば(for example)」又は「例えば(such as)」は、「例えば、それらに限定されないが(for example, but not limited to)」又は「例えば、それらに限定されないが(such as, but not limited to)」を意味し、他の類似した、又は同等の例を包含する。本明細書で使用されている「約(about)」という用語は、機器分析により測定した、又は試料を取り扱った結果としての数値のわずかなバリエーションを、合理的に包含若しくは説明する働きをする。そのようなわずかなバリエーションは、±0〜10、±0〜5又は±0〜2.5%の規模であってよい。更に、「約」という用語は、ある範囲の値に関連する場合、数値の両方に当てはまる。更に、「約」という用語は、明確に記載されていない場合でも、数値に当てはまることがある。
【0143】
一般的に、本明細書で使用されている、ある範囲の値におけるハイフン「−」又はダッシュ「−」は、「〜へ(to)」又は「から(through)」であり、「>」は「〜を上回る(above)」又は「超(greater−than)」であり、「≧」は「少なくとも(at least)」又は「以上(greater−than or equal to)」であり、「<」は「〜を下回る(below)」又は「未満(less−than)」であり、「≦」は「多くとも(at most)」又は「以下(less−than or equal to)」である。前述の特許出願、特許、及び/又は特許出願公開のそれぞれは、個別の基準で、特に1つ以上の非限定的な実施形態における参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0144】
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載されている表現、及び特定の化合物、組成物又は方法に限定されず、これらは、添付の特許請求の範囲内にある詳細な実施形態の間で変化し得ることが、理解されるべきである。様々な実施形の詳細な特徴又は態様について記載している、本明細書で依拠とされたいずれかのマーカッシュグループに関しては、異なる、特別な、及び/又は想定外の結果が、他の全マーカッシュメンバーとは無関係のそれぞれのマーカッシュグループの各メンバーから得られることは理解されるべきである。マーカッシュグループの各メンバーは、個々に、及び、又は組み合わされて依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。
【0145】
本発明の様々な実施形態の記載を依拠とする任意の範囲及び部分的範囲は、独立して、及び包括的に、添付の特許請求の範囲内にあることも理解されるべきであり、全体値及び/又は小数値を含むすべての範囲を、そのような値が本明細書で明確に書かれていなくても、説明し、想定することが理解される。当業者は、列挙された範囲及び部分的範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、可能にし、そのような範囲及び部分的範囲は、更に関連性がある2等分、3等分、4等分、5等分などに描かれ得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1〜0.9」の範囲は、更に、下方の3分の1、すなわち、0.1〜0.3、中央の3分の1、すなわち、0.4〜0.6、及び上方の3分の1、すなわち、0.7〜0.9に描かれ得、これらは、個々に、及び包括的に、添付の特許請求の範囲内であり、個々に、及び/又は包括的に依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。更に、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」「未満」「わずか」などに関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むと理解されるべきである。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、25〜35の部分範囲などを本質的に含み、各部分範囲は、個々に、及び/又は包括的に依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。最終的に、開示した範囲の範囲内の個々の数が依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。例えば、「1〜9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば3、並びに、小数点を含む個々の数(又は分数)、例えば4.1を含み、これは、依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。
【0146】
本発明は、実例となる手段で本明細書に記載されており、使用されている用語は、限定せずに説明する文言の性質であることが意図されていると理解されるべきである。本発明の多くの修飾及びバリエーションは、上記指示を踏まえ、実行できる。本発明は、添付の特許請求の範囲内に具体的に記載されているもの以外に、別の方法で実践してもよい。独立請求項及び従属請求項、単一及び複数の従属請求項の両方の、主題のすべての組み合わせが、本明細書において明確に想定されている。