(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6660464
(24)【登録日】2020年2月12日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】改良されたクリーニングのための不均一なガスフロークリアランスを備えたフレーム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20200227BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20200227BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20200227BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
H01L21/31 F
H01L21/68 N
C23C16/458
C23C16/455
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-515128(P2018-515128)
(86)(22)【出願日】2016年8月18日
(65)【公表番号】特表2018-530154(P2018-530154A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(86)【国際出願番号】US2016047583
(87)【国際公開番号】WO2017052855
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】62/222,731
(32)【優先日】2015年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/136,518
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】栗田 真一
(72)【発明者】
【氏名】タイナー ロビン エル
【審査官】
宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−529011(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0016468(US,A1)
【文献】
特開平06−044919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/455
C23C 16/458
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバの片側から供給され、基板とフレームを横切って反対側に排気されるガスフローの経路を、エッジ領域に沿って、処理チャンバ内の基板の表面に亘って変更するように構成されたフレームであって、
内壁と外壁とを有するフレーム本体と、
フレーム本体内に形成され、内壁によって画成された中央開口部と、
フレーム本体の第1の側部に形成されたコーナー領域と中央領域であって、コーナー領域は、第1の曲率を有する、外壁の第1の表面を規定し、中央領域は、第1の曲率よりも小さい第2の曲率を有する第2の表面を規定することで、コーナー領域のコーナー幅が中央領域の中央幅よりも小さくなり、前記両方の幅はフレームの内壁と外壁の間に規定されているコーナー領域と中央領域とを備え、
フレームは、側壁に近接する基板支持体上に配置され、フレーム本体のコーナー領域の外壁は、フレームと側壁との間にコーナー間隙を形成し、中央領域の外壁は、フレームと側壁の間に中央間隙を形成し、コーナー間隙は中央間隙よりも広くなっていて、中央領域の中央間隙よりもコーナー領域のコーナー間隙を通して、基板支持体と側壁との間を通過するより多くのフローを優先的に導いているフレーム。
【請求項2】
中央幅とコーナー幅との間の差が約5mm〜約60mmである請求項1記載のフレーム。
【請求項3】
中央幅は、コーナー幅よりも約30%〜約90%大きい請求項1記載のフレーム。
【請求項4】
フレーム本体は伝導性材料から製造される請求項1記載のフレーム。
【請求項5】
中央開口部は四辺形状を有する請求項1記載のフレーム。
【請求項6】
コーナー領域内の外壁の一部は湾曲部を有し、中央領域内の外壁の一部は実質的に直線状である請求項1に記載のフレーム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本明細書に開示される実施形態は、一般に、処理チャンバ内で基板上に膜を製造するための装置に係り、より詳細には、プラズマ処理用途で不均一なガスフローを提供するために処理チャンバ内で使用されるフレームに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
液晶ディスプレイ又はフラットパネルは、アクティブマトリクスディスプレイ(例えば、コンピュータ、テレビ及びその他のモニタ等)に一般に使用されている。プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)は、基板(例えば、半導体ウェハ又はフラットパネルディスプレイのための透明基板等)上に薄膜を堆積させるために使用される。PECVDは、一般に、前駆体ガス又はガス混合物を基板を含む真空チャンバに導入することによって達成される。前駆体ガス又はガス混合物は、典型的には、処理チャンバの上部近くに配置された分配プレートを介して下方に向けられる。処理チャンバ内の前駆体ガス又はガス混合物は、電極に結合された1以上の電源から電力(例えば、高周波(RF)電力)を処理チャンバ内の電極に印加することによって、プラズマにエネルギー化(例えば、励起)される。励起されたガス又はガス混合物は、反応して基板の表面上に材料の層を形成する。この層は、例えば、パッシベーション層、ゲート絶縁体、バッファ層、及び/又はエッチングストップ層であるかもしれない。この層はより大きな構造の一部(例えば、ディスプレイデバイスで用いられる薄膜トランジスタ(TFT)又はアクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED))であってもよい。
【0003】
典型的には、PECVD技術によって処理されるフラットパネルは大きい。例えば、フラットパネルは4平方メートルを超えることがある。処理中、ガラス基板の縁部及び裏面並びにチャンバ内要素は、堆積から保護されなければならない。典型的には、堆積マスキングデバイス(例えば、シャドウフレーム)が基板の周縁部に配置され、処理ガス又はプラズマが基板の端部及び裏面に到達するのを防止し、処理中に基板を支持部材上に保持する。シャドウフレームは、処理チャンバ内で支持部材の上方に配置され、支持部材が上昇した処理位置に移動すると、シャドウフレームが持ち上げられて基板の端部に接触する。その結果、シャドウフレームは、基板の上面の周縁部の数ミリメートルを覆い、これによって、基板上の端部及び裏面の堆積を防止する。
【0004】
シャドウフレームを使用する利点を考慮しつつも、いくつかの欠点がある。例えば、堆積プロセスの間、処理チャンバ内に供給される処理ガスは、処理領域に流入するだけでなく、他の領域(例えば、基板端部、チャンバ壁及びシャドウフレームに近い領域)を通って流れるかもしれず、その結果、堆積プロセスの間に望ましくないガス分布プロファイルを生じさせ、堆積の均一性及び欠陥率に影響を与えるかもしれない。更に、標準的なシャドウフレームによって引き起こされるフローパターンは、クリーニングの均一性及び効率に影響を及ぼすかもしれず、除去膜堆積物と衝突し、クリーニングプロセス中にチャンバ要素の剥離又は過洗浄及び侵食を生じさせる可能性がある。
【0005】
従って、処理チャンバ内で使用するための改良されたフレーム構造が必要とされている。
【0006】
本明細書に記載される実施形態は、一般に、フレームとプラズマ処理チャンバの側壁の間で不均一なガスフローを提供するプラズマ処理チャンバで用いられるフレームに関する。一実施形態において、フレームは、内壁と外壁とを有するフレーム本体であって、内壁と外壁はフレーム本体を画成するフレーム本体と、フレーム本体内に形成され、内壁によって画成された中央開口部と、フレーム本体の第1の側部に形成されたコーナー領域と中央領域を備える。コーナー領域は、中央領域の中央幅より小さいコーナー幅を有し、幅は内壁と外壁の間に規定される。
【0007】
他の実施形態において、処理チャンバは、内部に処理領域を画定する上壁と、側壁と、底壁を含むチャンバ本体と、処理領域内に配置される基板支持体と、基板支持体を取り囲むフレームを備え、フレームの外壁とチャンバ本体の内壁の間の間隙は、外壁の中央領域の近傍でより狭い。
【0008】
更に他の実施形態において、処理チャンバ内で不均一なガスフローを制御する方法は、フレームと処理チャンバの間に画定されたコーナー間隙及び中央間隙から処理チャンバ内に画成された処理領域内にガスフローを向ける工程を有し、ガスフローは、中央間隙を介した第2のフローレートより大きなコーナー間隙を介して流れる第1のフローレートを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述した構成が詳細に理解されるように、上記で簡単に要約された本発明のより具体的な説明が実施形態を参照して行われる。実施形態の幾つかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを図示するものであり、本発明は他の等しく効果的な実施形態を含み得るので、本発明の範囲を限縮すると解釈されるべきでないことに留意すべきである。
【
図1】一実施形態に係るフレームが配置された処理チャンバの断面図である。
【
図2C】処理チャンバで使用されるフレームの異なる例の上面図を示す。
【
図2AC】処理チャンバで使用される基板支持アセンブリの上に又は近接して配置されたフレームの異なる例の断面図である。
【
図6B】処理チャンバ内に配置された基板支持体の他の例を示す。
【0010】
理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な限り同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び構成は、更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込むことができると考えられる。
【0011】
本開示は、一般に、処理チャンバ内に配置されたとき、エッジ領域に沿って、及び、基板の上面に亘ってガスフロー経路を変更するように構成された様々な外周形状を有するフレームに関する。フレームの外周形状は、フレームとチャンバ壁との間を通過するガスフロー経路、ガスフローレート、ガスフロー速度及びプロセスガス速度を制御するよう選択することができ、これによって、処理チャンバ内で実行される堆積、エッチング又はクリーニングプロセスから生じる堆積プロファイル、エッチングプロファイル又はクリーニングプロファイルを効率的に制御することができる。
【0012】
本明細書の実施形態は、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社の一部門であるAKTアメリカ社から入手可能なPECVDシステム等の大面積基板を処理するように構成されたPECVDシステムを参照して例示的に説明される。しかしながら、開示されたフレームは、他のシステム構成(例えば、エッチングシステム、他の化学気相堆積システム及び他のプラズマ処理システム)においても有用性を有すると理解されるべきである。更に、本明細書で開示される実施形態は、他の製造業者によって提供されるプロセスチャンバを使用して実施され得ると理解されるべきである。
【0013】
図1は、一実施形態に係るPECVD装置の断面図である。装置は、1以上の膜が基板140上に堆積され得る真空処理チャンバ100を含む。この装置は、1以上の基板(例えば、とりわけ、半導体基板、フラットパネルディスプレイ基板及びソーラーパネル基板等)を処理するために使用され得る。
【0014】
処理チャンバ100は、一般に、処理容積106を画定する側壁102、底部104、及びシャワーヘッド110を含む。基板支持体(又はサセプタ)130は、処理容積106内に配置される。基板支持体130は、基板140を支持するための基板受容表面132を含む。処理容積106は側壁102を貫通して形成された開口部108を介してアクセスされ、これによって、基板支持体130が下降位置にあるときに基板140がチャンバ100の内外に移送され得る。1以上のステム134をリフトシステム136に結合してもよく、これによって、基板支持体130を昇降させる。
図1に示されるように、基板140は、基板140をチャンバ100内外に搬送させることができる下降位置にある。基板140は、処理のために、図示されていない処理位置まで上昇させることができる。基板受容表面132上に配置された基板140の上面とシャワーヘッド110との間の間隔は、基板支持体130が処理位置まで上昇したときに約400mil〜約1,200milの間であってもよい。一実施形態では、この間隔は約400mil〜約800milの間であってもよい。
【0015】
リフトピン138は基板支持体130を貫通して移動可能に配置され、基板140を基板受容表面132から離間させ、基板のロボット搬送を容易にする。また、基板支持体130は、基板支持体130を所望の温度に維持するための加熱及び/又は冷却素子139を含むことができる。また、基板支持体130は、基板支持体130の周縁部にRFリターン経路を提供するためのRFリターンストラップ131を含むことができる。
【0016】
シャワーヘッド110は、その周縁部でサスペンション114によってバッキングプレート112に結合されることができる。また、シャワーヘッド110は、1以上のカップリングサポート160によってバッキングプレート112に結合されることができ、サグを防止し、及び/又は、シャワーヘッド110の真直度/曲率を制御する。
【0017】
ガス源120をバッキングプレート112に結合することができ、処理ガスをバッキングプレート112のガス出口142及びシャワーヘッド110のガス通路111を介して基板受容表面132上に配置された基板140に供給する。処理容積106内の圧力を制御するために、真空ポンプ109をチャンバ100に結合することができる。RF電源122をバッキングプレート112及び/又はシャワーヘッド110に結合し、シャワーヘッド110にRF電力を提供することができる。RF電源はシャワーヘッド110と基板支持体130との間に電界を生成し、これによって、シャワーヘッド110と基板支持体130の間でガスからプラズマを生成することができる。種々の周波数(例えば、約0.3MHz〜約200MHzの間)を用いることができる。一実施形態では、RF電源は、13.56MHzの周波数で提供される。
【0018】
また、リモートプラズマ源124(例えば、誘導結合リモートプラズマ源)をガス源120とバッキングプレート112との間に結合することができる。基板処理の間に、クリーニングガスをリモートプラズマ源124に提供することができ、これによって、チャンバ要素をクリーニングするために、遠隔プラズマが生成され処理容積106内に供給される。クリーニングガスは、RF電力源122からシャワーヘッド110に印加される電力によって、処理容積106にある間に、更に励起されることができる。適切なクリーニングガスは、NF
3、F
2、SF
6を含むが、これに限定されない。
【0019】
フレーム133は基板140の周辺領域に隣接して配置され、基板140と接触するか、又は基板140から離間されることができる。いくつかの実施形態では、フレーム133は、基板140の下に配置されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、フレーム133は、基板140の上方に配置されるように構成され得る。フレーム133は、シャドウフレーム、非接触フレーム(例えば、基板が基板支持体130上に配置されたときに基板と接触しない)、フローティングフレーム、リムーバブルフレーム、閉じ込めリング、フロー制御構造、又は基板140の周辺に隣接して配置可能な他の適切な構造であってもよい。
【0020】
図1に示される実施形態において、基板支持体130が下降すると、フレーム133はフレーム支持体162上に載置されることができ、これによって、基板支持体130に配置される、又は、基板支持体130から除去される基板140のための間隙が提供される。一実施形態では、フレーム支持体162は、チャンバ側壁102と同じ材料を含むことができる。別の実施形態では、フレーム支持体162は、伝導性材料、誘電体材料、ステンレス鋼又はアルミニウムを含むことができる。フレーム133は、基板140の縁部及び基板140によって覆われていない基板支持部130の領域において堆積を減少させることができる。基板支持部130が処理位置まで上昇すると、フレーム133は基板140及び/又は基板支持体130に係合し、フレーム支持体162から持ち上げられる。
【0021】
クリーニングプロセスの間、フレーム133はフレーム支持体162上に載置されることができる。また、基板受容表面132は、クリーニング中にフレーム133をフレーム支持体162から持ち上げることなく、フレーム133に接触するレベルに上昇させられることができる。
【0022】
基板支持体130は、外形プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、フレーム133又はその一部は、基板支持体130に装着された場合、基板支持体130の周縁部を超えて延在することができ、基板支持体130の周縁部の外側プロファイルを画定する。基板支持体130と処理チャンバ100の側壁との間の開放領域の量は、基板支持体130及びその上に位置する基板140を通過するガスの量を制御する。従って、他の領域に比べ、基板支持体130の1の領域に近接したより多くの開口領域を優先的に有することによって、他と比べ、基板支持体130及び基板140の1の領域に流れるガスの量を制御することができる。例えば、基板支持体130の中央領域に近接する開放領域は、基板支持体130のコーナー領域に近接する開放領域と異なることができ、従って、より大きい開放領域を有する領域を介してより多くのフローを優先的に向けることができる。優先的に1つの領域により多くのフローを向けることは、他のコンダクタンスの非対称性を補償するため利用することができ、これによって、基板に亘ってより均一なフローを形成することができ、又は、基板の1の領域に他の領域と比べてより多くのガスが流れるようにすることができる。一例では、フローは、コーナー領域と比較して基板支持体130の中央領域に優先的に向けられてもよい。別の例では、フローは、中央領域と比較して基板支持体130のコーナー領域に優先的に向けられてもよい。別の例では、フローは、他の側部と比較して基板支持体130の1の側部に優先的に向けられてもよい。基板支持体130の1の側部における開口領域は、基板支持体130のプロファイル形状を選択することにより選択されることができ、これによって、基板支持体130のプロファイルと処理チャンバ100の側壁との間の間隙の幅(例えば、基板支持体130及び/又はフレーム133の外周部の曲率)を制御し、及び/又は、後述のように、フレーム130に形成された孔部の直径及び/又は数の選択によって選択されることができる。
【0023】
図2Aは、処理チャンバ(例えば、
図1に示される処理チャンバ100)内で利用され得るフレーム133の上面図を示す。フレーム133はフレーム本体202を含む。フレーム本体202は、内壁250と、フレーム本体202を実質的に正方形/長方形の形状に画定する外壁252とを含む。
【0024】
フレーム本体202の内壁250は、基板140の周縁領域107を僅かに覆う中央開口部251を画定する。内壁250、従って中央開口部251も、四辺形を有する。フレーム本体202の内壁250は、基板140の端部領域209に近接するような(例えば、接触する、又は、内部で所定の距離だけ離間する)サイズに形成されてもよい。
【0025】
一例では、フレーム133は、
図2AAの円形155内に示される断面図のように、基板140の周辺領域107(例えば、エッジ領域209)の上方に(例えば、非接触で)配置されてもよい。基板140の上方に(例えば、非接触で)配置されるフレーム133は、フレーム133と基板140の間に間隙158を形成することができ、ガスはそこを通って流れる。代替的に、フレーム133は、
図2ABの円形156によって示されるように、基板140の周辺領域107(例えば、エッジ領域209)と接触して配置されてもよく、その間に隙間はない。更に別の例では、フレーム133は、
図2ACに示される円形157によって示されるように、底部コーナー161が基板140の上部コーナー158と接触するように、基板140の真上に位置してもよく、その間に隙間はない。基板140とフレーム133の間の相対的な位置関係は、必要に応じてどのような配置であってもよいことに留意すべきである。
図2A、
図2B及び
図2Cに示される実施形態では、フレーム133、222、224は、
図2AA及び2ABの例で示されるように、基板140の点線で示されるように、基板140と接触して又は基板140と接触しない状態で、基板140の上方に配置される。
【0026】
図2Aに示される例を再び参照すると、フレーム133の外壁252は、処理チャンバ100の側壁102と離間した関係にある実質的に真っ直ぐなプロファイルを有し、フレーム133の4つの側部と処理チャンバ100の側壁102の間に間隙225を画成する。フレーム133の中央領域253と処理チャンバ100の側壁102の間の間隙225は所定の幅215、208を有することができ、いくつかの実施形態では、約40mmより大きい。フレーム133の中央領域253の外壁252、216は実質的に真っ直ぐに構成されているので、フレーム133の外壁252、216の4つの側部と処理チャンバ100の側壁102との間の幅215、208を等しくすることができる。例えば、外壁216及び/又は外壁252と処理チャンバ100の側壁102の間の幅215、208は、それぞれ実質的に同じであってもよい。更に、フレーム133の外壁216、252は実質的に真っ直ぐに構成されているので、フレーム133の第1のコーナー217から処理チャンバ100の側壁102に沿った第2のコーナー219までの第1の幅207及び第2の幅210は、フレーム133の中央領域253に画定された幅208、205と実質的に同じである。
【0027】
本明細書で説明される用語「コーナー」又は「コーナー領域」は、フレームの注目した辺であって、辺の交差点から離れる方向に各々の辺の長さの約4分の1未満で延びる辺によって部分的に境界付けられる領域を表すことに留意すべきである。本明細書で説明される用語「中央」又は「中央領域」は、辺の中央点を含む辺の一部であって、2つの隣接するコーナー領域によって境界付けられる部分を表す(例えば、フレームの辺の全長の約3分の1から半分)。
【0028】
図2Bは、処理チャンバ(例えば、
図1に示される処理チャンバ100)内で利用することができるフレーム222の別の例を示す。
図2Aに示されるフレーム133と同様に、
図2Bのフレーム222は、フレーム222の内壁297によって画定された中央開口部299を有するフレーム本体294を含む。基板140の点線で示されるように、開口部299は、基板140が、フレーム222の内壁297によってわずかに重なり合って配置されることを可能にするサイズである。
【0029】
更に、フレーム222は、フレーム本体294の外周を画定する内壁297に対向する外壁296を含む。一例では、フレーム222の外壁296は、非直線状であってもよい。例えば、外壁296は、処理チャンバ100の側壁102に接近している(例えば、10mm未満の幅264)中央領域256によって画定される湾曲(例えば、弓形)を有してもよい。中央領域256は、第1の曲率を有する第1の表面254を画定することができる。
【0030】
外壁296のコーナー領域291は、中央領域256に対して、処理チャンバ100の側壁102からより遠くに位置し、従って、コーナー領域291と処理チャンバ100の側壁102の間でコーナー間隙289を形成する。第2の曲率を有する第2の表面269は、フレーム222の外壁296のコーナー領域291に形成されてもよい。湾曲した第2の表面269は、第1の表面254の曲率より大きな曲率(即ち、半径)を有するように構成される。いくつかの例では、中央領域256内の第1の表面254は、最小からゼロまでの曲率を有する(例えば、中央領域256に亘って実質的に直線形となる)ように構成することができ、間に形成された最小の間隙を介してフレーム222と処理チャンバ100の側壁102の整合を容易にする。
【0031】
中央領域256に対するフレーム222のコーナー領域291の更なる間隔は、基板のエッジに対して、基板のコーナー部に優先的により多くの処理ガスを向けると考えられる。フレーム222と側壁102の間に画定されたコーナー間隙289を通過する追加的なガスフローは、コーナー間隙に対して(
図2Bにおいて図示せず)、基板140の表面に亘って流れるガスフロー経路を変化させることができる。外壁254の幾何学的形状は、幅264、263及びコーナー間隙289の寸法、並びに、側壁102とフレーム222のコーナー領域256、291の間に形成された中央間隙に影響を与えることができ、従って、フレーム222と側壁102の間を流れるガスの制御可能なチョークされたフローを提供する。中央間隙に対する、コーナー間隙289を介して流れるガスのフローの差は、基板140の上面に亘る処理ガスのフロー勾配を形成することができ、これは一定の堆積プロセスにとって有益であり得ると考えられる。中央領域256に形成された中央間隙に対し、コーナー領域291に形成されたより大きなコーナー間隙289を利用することによって、コーナー間隙289を介するフローを増加させることができる。従って、外壁296の幾何学的形状は、中央間隙に対し、コーナー間隙289のサイズ/寸法を制御するように選択することができ、従って、中央ガスフローに対し、コーナーガスフローを制御することが可能になる。フレーム222の中央及びコーナー領域256、291と処理チャンバ100の側壁に形成された間隙の不均一な寸法は、基板表面に亘るガスフロー分布を効率的に変えることができる。チョークされたフローの異なるコンダクタンスにより、基板の異なる領域に到達する処理ガスの量が異なるという結果を生じるので、基板140の表面上に堆積される膜プロファイル、膜特性及び膜厚を制御することができる。フレーム222による堆積の間に提供される同じフロー制御は、クリーニングプロセス中に処理チャンバ100の異なる領域に亘ってクリーニング効率を制御することも可能にする。
【0032】
中央間隙に対し、コーナー間隙289の所定のサイズ/寸法比を有することにより、膜の特性/クリーニングの均一性を調整できることが発見されている。
図2Cに更に示されるように、中央間隙287は、側壁102と、フレーム224の中央領域283内に外壁285として形成された比較的直線状の表面279を備えたフレームの間に画定することができる。比較的湾曲した表面282が、フレーム224の外壁285のコーナー領域281に形成されてもよい。中央間隙287は、約10mm〜約40mmの間の幅205を有することができる。外壁285の幾何学的形状は、異なる領域(例えば、中央及びコーナー領域283、281)において異なる曲率を有するので、中央間隙287とフレーム224と側壁102との間に画定されるコーナー間隙280は異なる幅を有し、従って、コーナー領域283、281でより大きなガスフローを得ることができる。その結果、より高いコーナーガスフローは基板140の上面に亘ってガスフロー経路/プロファイルを変化させ、堆積/クリーニング特性を変化させる。
【0033】
同様に、中央開口部238は、フレーム224の内壁297によって画定される。中央開口部238は、基板140がその中に位置決めされ、フレーム224の内壁297に僅かに重なり合うことを可能にする。
【0034】
図3A〜
図3Cは圧力プロファイルマップ302、304、306を示し、
図4A〜
図4Cは、各々
図2A〜
図2Cと異なる構成のフレーム133、222、224を利用して基板表面上で検出されたガスフロー速度プロファイルマップ400、402、404を示す。比較的直線状の外壁252(40mmより大きい均一幅208、215、207、210を有する中央及びエッジ間隙を有する)を有するフレーム133について
図3Aに示されるように、マップ302に示される圧力プロファイルは、中央領域308、309内で比較的高い圧力を有し、エッジ領域310、311、312で比較的低い圧力を有することができ、特に、コーナー313で圧力が低い(例えば、中央の高圧力とエッジの低圧力)。この例では、圧力勾配(例えば、中央領域308の最高圧力からコーナー領域313の最低圧力を引いて算出される圧力変動)を約0.1〜0.2Torrに制御することができ、コーナーの低圧に対する、中央の高圧プロファイルを維持する。
【0035】
更に、
図4A〜
図4Cに示されるガスフロー速度マップにおいて、基板表面に亘るガスフロー速度の変化も、フレーム133、222、224の異なる構成に相関していることが示されている。実質的に比較的直線的な外壁252を有するフレーム133を利用した
図4Aに示されるガスフロー速度マップ400において、ガスフロー速度は中央領域406では比較的低く、コーナー領域418とエッジ領域416では比較的高い。特に、エッジ領域416におけるガスフロー速度は、コーナー領域418におけるガスフロー速度よりも約15%〜約20%高い。
図4Aに示される例では、ガスフロー速度は、中央の低速度から高いエッジ速度まで徐々に上昇する勾配プロファイルを有する(例えば、中央領域406の速度が最も低く、領域410、412、414で徐々に速度が高くなり、コーナー領域418で速度がより高くなり、エッジ領域416での最高速度になる)。
【0036】
図2Bに示されるフレーム222を備えた
図3B及び
図4Bに示される別の例では、圧力プロファイルマップ304及びガスフロー速度プロファイルマップ402は、比較的高いコーナーフローを有するフレーム222(例えば、側壁102に対してフレーム222の中央領域256に形成された10mmより小さい最小間隙幅264)は、中央領域315において最も高い圧力を有し、コーナー領域320において最も低いガスフロー速度を有することができる。同様に、圧力は中央領域316、317からコーナー領域318、320まで徐々に低下する。圧力勾配(例えば、中央領域315の最高圧力からコーナー領域320の最低圧力を引いて算出される圧力変動)は、中央高圧力からコーナー低圧力まで約0.1〜0.2Torrであるかもしれない。
【0037】
更に、コーナーフローは
図2Bのフレーム222によって形成されたコーナー間隙289によって強化されるので、中央領域315の圧力は、強化されたコーナーフローのない
図2Aのフレーム133を用いた
図3Aの中央領域の308の圧力より高い。一例では、
図3Bの中央領域315の圧力は約1.46〜1.48Torrであってもよく、
図3Aの中央領域308の圧力は約1.41〜1.42Torrであるかもしれず、強化されたコーナーフローがないプロセスより約3%〜5%高い。
【0038】
対照的に、
図4Bに示されるように、最も低いガスフロー速度は中央領域420に見出され、次いで、中央領域422、424、426からエッジ領域428まで徐々に増加し、コーナー430で最も高いガスフロー速度が見出される。上述したように、コーナー間隙289を有するフレーム222は強化されたコーナーガスフローを有しているので、コーナー430で最も高いガスフロー速度を有し、中央領域420で最も低いガスフロー速度を有する。
図4Bのガスフロー速度マップ402を、(例えば、強化されたコーナーフローを有していないフレーム133を利用した)
図4Aのマップと比較すると、フレーム222からの強化されたコーナーフローを有するコーナー領域430におけるガスフロー速度は約8〜9m/s(メートル毎秒)であり、強化されたコーナーフローのないコーナー領域418におけるガスフロー速度は約6〜6.5m/sであるかもしれず、これは約20%低いガスフロー速度である。従って、フレーム222を利用することによって、基板表面に亘る圧力プロファイル及びガスフロー速度プロファイルを調整することができ、堆積プロセス中の堆積均一性及びプロファイル制御を効率的に向上させ、及び/又は、チャンバクリーニングプロセス中のクリーニング効率を高める。
【0039】
更に、強化されたコーナーガスフローを有さないか又は有するマップ302、304、400、402と対照的に、
図2Cのフレーム244は、
図3C及び
図4Cのマップ306、404に示されるように、中間的な圧力勾配及びガスフロー速度勾配を提供する。また、
図2Cのフレーム244は、(フレーム133からの隙間225によって画定される40mmより大きな幅208と比較して)10mmより小さい減少された幅205を有する中央間隙287を提供するので、チョークされたガスフローは、コーナー間隙280を介して流れないだけでなく、中央間隙287を介して流れないかもしれない。従って、
図2Aのフレーム133によってコーナー領域219を介して優先的に向けられるフローの程度は、
図2Bのフレーム222によってコーナー間隙289を介するガスフローほど顕著でないかもしれない。従って、フレームと処理チャンバの側壁との間の中央領域に形成される間隙のサイズ/寸法を調整することによって、基板の中間エッジに対し、コーナーに優先的に向けられるガスフローの量を調整することができ、これによって、必要に応じて異なる堆積プロファイル及びクリーニング効率を得ることができる。
【0040】
図3Cの圧力プロファイルマップ306は、中央間隙287を有するフレーム224であって、依然として少量のガスフローの通過を許容するフレーム(例えば、
図2Aの40mmより大きな幅208と比較して、10mm〜40mmの減少された中央間隙幅205を有する)によれば、中央領域322で最も高い圧力が見出され、コーナー領域328で最も低い圧力が見出される。圧力は、中央領域322、324、326からコーナー領域まで序々に低下する。圧力勾配(例えば、中央領域322の最高圧力からコーナー領域328の最低圧力を引いて算出される圧力変動)は、高圧中央からエッジ/コーナー低圧まで約0.1〜0.2Torrであり得る。
【0041】
図3Cの圧力プロファイルマップ306は、
図3Aの圧力プロファイルマップ302と比較的類似している。領域322の圧力は約1.42Torrであり、
図3Aの中央領域308の圧力と同様である。
【0042】
対照的に、
図4Cのガスフロー速度マップ404によれば、
図4Cに示されるように、最も低いガスフロー速度は中央領域432に見出され、中央領域434、436、438、440からエッジ領域440及びコーナー領域442の両方で同様な最も高いガスフロー速度まで徐々に増加する。
図2Cのフレーム224によって生じるコーナーガスフローは、
図2Bのフレーム222によって生じるコーナーガスフローほど大きくないので、コーナー領域442及びエッジ領域440で生成されるガスフロー速度は同様となる傾向があり、例えば約6〜6.5m/sの狭い範囲であり、従って、基板140の周縁領域107の周りでより均一なガスフロー速度を提供する。従って、基板の中央領域及びエッジ領域の両方で均一なガスフロー速度が要望される実施形態においては、10mm〜約40mmの減少された間隙寸法205を備えた
図2Cのフレーム224が望ましいかもしれない。
【0043】
窒化ケイ素が基板上に堆積される例では、
図2Bのフレーム222を利用して、基板の端部に対して、コーナーに優先してガスフローを増強することができ、これによって、基板のコーナーでの窒化ケイ素の堆積を強化する。酸化ケイ素又はポリシリコン(例えば、低温ポリシリコン(LTPS))堆積プロセスが実行される別の例では、
図2Cのフレーム224を利用することができ、これによって、基板のエッジ及びコーナー領域の両方においてより均一なガスフロー速度を提供する。
【0044】
図5Aは、
図2Bのフレーム222の平面図を示す。上述のように、フレーム222は、フレーム本体294を画定する外壁252と、内壁297とを有する。内壁297は、長方形又は正方形のような実質的に四辺形の開口部を画定する。フレーム222のコーナー領域291は、第2の曲率を有する第2の面269を有する。中央領域256は、必要に応じて線形又は非線形のプロファイルを有することができる第1の表面254を有する。
図5に示される実施形態において、中央領域256内の第1の表面254は実質的に直線状の構成である。いくつかの例では、第1の表面254は、第1の曲率で湾曲してもよい。このような場合、第1の表面254の半径によって定義される第1の曲率は、第2の表面269によって規定される第2の曲率の半径より小さい。一例では、第2の曲率は、第1の曲率より約30%〜約90%大きい。
【0045】
フレーム本体294は、中央領域256において約5mm〜約1000mmの中央本体幅502と、コーナー領域291において約10mm〜約1500mmのコーナー本体幅504を有する。一例では、コーナー本体幅504は、フレーム本体294の中央本体幅502より約30%〜約90%短い。更に、中央領域256からコーナー領域291までのフレーム本体294の1つの側部についての総幅偏差(幅502、504の間の差)は、フレーム222の1つの側部に沿って約5mm〜約60mmである。一実施形態では、フレーム222は矩形である。
【0046】
同様に構成すると、
図2Cのフレーム224は、コーナー領域281に形成された曲面282よりも小さい曲率を備えた中央領域283に形成された比較的直線状の表面279を有する。しかしながら、
図2Cのフレーム224が、処理チャンバ100内に配置されると、側壁102とフレーム224の間に間隙287(約10mm〜約40mmの間)を依然として維持するので、コーナー領域281と中央領域283の間のフレーム本体294の幅の変動は、
図2Bのフレーム222ほど大きくないかもしれない。例えば、中央領域283からコーナー領域281までの
図2Cのフレーム224の1の側部だけの総幅偏差は、約5mm〜約40mmである。
図2Cのフレーム224の中央領域283は、コーナー領域281の幅よりも約35%及び約85%大きい幅を有することができる。
【0047】
図5Bは、フレーム510の異なる領域の周りにフロー勾配を生成するため、フレーム510に形成された異なるサイズの孔部522、518を有するフレーム510の別の例を示す。例えば、フレーム510は、フレーム510のコーナー領域514及び中央領域512に各々形成された孔部518、522を有することができる。フレーム510の異なる領域で異なるフローレートを有するようにするために、孔部522、518によって提供される開口面積の量は変更されてもよい。開口面積は、孔部522、518の数及び/又はサイズを選択することにより変更することができる。一例では、フレーム510のコーナー領域514に位置する孔部518は、フレーム510の中央領域512に位置する孔部522の直径516より大きい直径520を有することができ、これによって、中央領域512に対してコーナー領域514でのフローがより大きくなる。コーナー領域514に位置する孔部518の直径520は、中央領域512に位置する孔部522の直径516より、約30%〜約90%大きい。他の実施形態では、孔部522、518の数及び任意で直径も、また、中央領域512に対してコーナー領域514において30%〜90%大きなフローを有するように選択されることができる。選択的に、孔部522、518の開口面積は、中央領域512に対してコーナー領域514において30%及び約90%小さなフローを有するように選択されることができる。
【0048】
上記の概念と同様に、強化されたコーナーフローは、基板支持体に形成される異なる他の外周の幾何学的形状(例えば、
図6A〜
図6Bに示される基板支持体600、又は、処理チャンバ100の側壁102)を用いることによっても達成することができる。(上述の基板支持体130と同様ではあるが、異なる外周の幾何学的形状を有している)基板支持体600は、基板支持体600に形成された所望の曲率を有する4つの側部601を有する実質的に四辺形の構成を有することができる。側部601の適切な曲率を選択することにより、基板支持体600の周囲と処理チャンバの側壁102の間の間隙を変更することができ、これによって、選択された曲率に応じて、中央領域602に対してコーナー領域604に、又は、コーナー領域604に対して中央領域602により多くのフローを生じさせることができる。
図6A〜
図6Bに示される例では、基板140は基板支持体600上に配置される。各々の側部601は中央領域602とコーナー領域604を有する。コーナー領域604は、中央領域602の幅608より短い幅610(例えば、基板140の側壁605から基板支持体600の側部601まで)を有する。強化されたコーナーフローは、コーナー領域604の幅610を中央領域602の幅608より約30%及び約90%小さくすることによって得られる。
【0049】
別の例では、基板支持体600は、従来の基板支持体(例えば、
図1に示されるような矩形の幾何学的形状を備えた基板支持体130)であって、矩形のフレーム本体650とフレーム本体650に取り付けられた取り外し可能なスカート652を有するものであってもよい。取り外し可能なスカート652は、適切なファスナー654によってフレーム本体650に取り付けることができる。取り外し可能なスカート652は、異なる幾何学的形状構造(例えば、非対称形状、湾曲部、孔部等を含む)を有するように構成することができ、これによって、基板140の異なる周縁領域107でより多くのガスフローを好ましく制御する。
図1に示されるように、ポンピングポート109を処理チャンバ100の特定の側部に配置することができるので、処理チャンバ100の異なる位置(例えば、側部)での異なるポンピング効率は、基板140の周縁領域107の異なる側部で非対称なガスフロー速度又はガスフロープロファイルをもたらすことができる。取り外し可能なスカート652を利用することにより、基板支持体601の外周プロファイルを変化させることができ、これによって、基板140の周縁領域107に隣接するガスフロー経路又はガスフローを制御することができる。例えば、スカート652の形状は、ポンピングポート106に近接する処理チャンバ100との間で、基板支持体601の対向側部に対してより小さい間隙を有するように選択することができ、これによって、基板支持体601の周縁領域107と基板140の周りのガスのフローを実質的に均一にすることができる。更に、必要な場合、取り外し可能なスカート652は、追加的に、基板支持体601の特定の側部(例えば、基板支持体の4側部の全てではなく)で使用されてもよく、これによって、必要な場合、不均一なガスフローが得られる。
【0050】
図6BはA−A線に沿って切断された基板支持部600の断面図を示す。湾曲した幾何学的形状を有する中央領域602は、基板140の側壁605から離間した所定の幅608を有する。上述のように、コーナー領域604に画成された幅610は
図6Bに示される幅608より小さい。処理チャンバ100の側壁102の幾何学的形状を変更することによって強化されたコーナーフローを得ることができ、処理チャンバ100の側壁102を、必要に応じて異なるガスフロー速度/圧力を基板140に生成することができるような方法で湾曲させることができる。
【0051】
要約すると、本明細書に開示された実施形態は、基板表面全体に亘って供給されるガスフロー経路(即ち、基板端部に対する基板のコーナーに供給されるガスの比)、速度及びプロセス圧力を変更又は調整するために利用され得る異なる外周の幾何学的形状を備えたフレームに関する。これによって、異なるプロセス要件又は状況に対して均一又は不均一なガスフロー経路を選択することができ、基板表面に亘って所望のガス分布を得ることができ、堆積又はクリーニングの効率を改善することができる。
【0052】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく創作することができる。