特許第6660688号(P6660688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6660688接着性積層体、接着性積層体の製造方法、及び積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6660688
(24)【登録日】2020年2月13日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】接着性積層体、接着性積層体の製造方法、及び積層体
(51)【国際特許分類】
   C09J 123/26 20060101AFI20200227BHJP
   C09J 163/04 20060101ALI20200227BHJP
   C09J 7/00 20180101ALI20200227BHJP
   C09J 7/30 20180101ALI20200227BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   C09J123/26
   C09J163/04
   C09J7/00
   C09J7/30
   B32B27/00 M
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-156364(P2015-156364)
(22)【出願日】2015年8月6日
(65)【公開番号】特開2017-36352(P2017-36352A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【弁理士】
【氏名又は名称】貞廣 知行
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】武井 邦浩
(72)【発明者】
【氏名】丸山 悠以子
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 宏和
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−218633(JP,A)
【文献】 特表2010−512426(JP,A)
【文献】 特表2010−512428(JP,A)
【文献】 特許第5664836(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B32B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、
前記第1の接着層又は前記第2の接着層のいずれか一方又は両方が、
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の90〜99.9質量部と、
常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜10質量部と、を含有する接着性樹脂組成物を溶融混練して得られる接着剤からなることを特徴とする接着性積層体
【請求項2】
前記基材層の形成材料が環状オレフィンポリマー(COP)であり、かつ、前記第1の中間層及び前記第2の中間層の形成材料は、酸変性ポリプロピレン、メタロセン系ポリエチレンおよびメタロセン系ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の接着性積層体。
【請求項3】
前記基材層の形成材料がメチルペンテンポリマー(TPX)であり、かつ、前記第1の中間層及び前記第2の中間層の形成材料は、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系エラストマーおよびポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の接着性積層体。
【請求項4】
前記第1の中間層及び前記第2の中間層の形成材料は、カルボン酸によって酸変性されているオレフィン系ポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の接着性積層体。
【請求項5】
前記接着性樹脂組成物が、
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の95〜99.9質量部と、
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜5質量部と、を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着性積層体
【請求項6】
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)が、ビスフェノールA構造を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着性積層体
【請求項7】
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、100〜300である請求項1〜のいずれか一項に記載の接着性積層体
【請求項8】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、融点が100〜180℃の無水マレイン酸変性ポリプロピレンであって、
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の融点が、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の融点よりも高い、請求項1〜のいずれか一項に記載の接着性積層体
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の接着性積層体の製造方法であって、
前記接着性樹脂組成物を用いて前記接着剤を製造する工程において、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とを溶融混練することを特徴とする接着性積層体の製造方法。
【請求項10】
前記溶融混練が240〜300℃の加熱下で行われる請求項に記載の接着性積層体の製造方法。
【請求項11】
第1の金属層、請求項1〜8のいずれか一項に記載の接着性積層体、及び第2の金属層をこの順に備えてなることを特徴とする積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の被着体、特に金属に対して優れた接着性を有する接着剤及び接着剤の製造方法、当該接着剤材料として用い得る接着性樹脂組成物、並びに、当該接着剤からなる接着層を備えた接着性積層体及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属等の被着体に接着する材料として、酸変性ポリオレフィン樹脂を有するホットメルト接着剤が知られている。
例えば特許文献1には、重量平均分子量が15000〜150000、且つ、固形分酸価が100〜300である、二塩基カルボン酸無水物変性ポリオレフィン樹脂を含有する、ポリオレフィン多層フィルム用接着性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−1661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、当該組成物がを用いることにより、樹脂や金属等の有機・無機材料に対して良好な接着性を得ることができるとしている。確かに特許文献1に記載のような酸変性ポリオレフィン樹脂のみを必須とする接着性樹脂組成物を用いた場合、接着性樹脂組成物からなる接着剤層と被着体との接着を良好とすることは条件によっては可能である。しかしながら、当該接着剤層を介して金属被着体の積層を行った場合、耐久性に劣るという問題があった。
そのため、従来技術においては、金属、ガラス、プラスチックなどの各種の被着体に対して、優れた接着性及び耐久性を有する接着剤樹脂組成物は知られていなかった。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであって、金属、ガラス、プラスチックなどの各種の被着体に対して、優れた接着力及び耐久性を有する接着性樹脂組成物、接着剤の製造方法、接着剤、接着性積層体、及び積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の90〜99.9質量部と、常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜10質量部と、を含有することを特徴とする接着性樹脂組成物である。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の95〜99.9質量部と、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜5質量部と、を含有することが好ましい。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)が、ビスフェノールA構造を有するものであることが好ましい。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、100〜300であることが好ましい。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、融点が100〜180℃の無水マレイン酸変性ポリプロピレンであって、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の融点が、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の融点よりも高いことが好ましい。
本発明の第二の態様は、接着性樹脂組成物を用いて接着剤を製造する方法であって、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とを溶融混練することを特徴とする接着剤の製造方法である。
前記溶融混練が240〜300℃の加熱下で行われることが好ましい。
本発明の第三の態様は、接着性樹脂組成物を溶融混練して得られることを特徴とする接着剤である。
本発明の第四の態様は、第1の接着層、基材層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が、本発明の第三の態様に記載の接着剤からなることを特徴とする接着性積層体である。
本発明の第五の態様は、第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が、本発明の第三の態様に記載の接着剤からなることを特徴とする接着性積層体である。
本発明の第六の態様は、第1の金属層、前記接着性積層体、及び第2の金属層をこの順に備えてなることを特徴とする積層体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、金属、ガラス、プラスチック等の各種の被着体に対して、優れた接着性及び耐久性を有する接着性樹脂組成物、接着剤の製造方法、接着剤、接着性積層体、及び積層体を得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、好適な実施の形態に基づき、本発明を説明する。
【0009】
[接着性樹脂組成物]
本発明の第一の態様の接着性樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の90〜99.9質量部と、常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)の0.1〜10質量部と、を含有するものである。
以下、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)を「(A)成分」、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)を「(B)成分」ということがある。
【0010】
(酸変性ポリオレフィン樹脂(A))
本発明において、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とは、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂であって、ポリオレフィン系樹脂中に、カルボキシ基や無水カルボン酸基等の酸官能基を有するものである。
(A)成分は、不飽和カルボン酸またはその誘導体によるポリオレフィン系樹脂の変性や、酸官能基含有モノマーとオレフィン類との共重合等により得られる。なかでも(A)成分としては、ポリオレフィン系樹脂を酸変性して得られたものが好ましい。
酸変性方法としては、有機過酸化物や脂肪族アゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で、ポリオレフィン樹脂と酸官能基含有モノマーとを溶融混練するグラフト変性が挙げられる。
【0011】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンとのブロック共重合体等が挙げられる。なかでも、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体;以下、「ホモPP」ということがある。)、プロピレン−エチレンのブロック共重合体(以下、「ブロックPP」と言うことがある。)、プロピレン−エチレンのランダム共重合体(以下、「ランダムPP」と言うことがある)等のポリプロピレン系樹脂が好ましく、特にランダムPPが好ましい。
共重合する場合の前記オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、α−オレフィン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
【0012】
酸官能基含有モノマーは、エチレン性二重結合と、カルボキシ基又はカルボン酸無水物基とを同一分子内に持つ化合物であって、各種の不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸、又はジカルボン酸の酸無水物が挙げられる。
カルボキシ基を有する酸官能基含有モノマー(カルボキシ基含有モノマー)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、テトラヒドロフタル酸、エンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸(エンディック酸)などのα,β−不飽和カルボン酸モノマーが挙げられる。
カルボン酸無水物基を有する酸官能基含有モノマー(カルボン酸無水物基含有モノマー)としては、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水エンディック酸などの不飽和ジカルボン酸無水物モノマーが挙げられる。
これらの酸官能基含有モノマーは、(A)成分において1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0013】
なかでも酸官能基含有モノマーとしては、後述する(B)成分との反応性が高いことから酸無水物基を有する酸官能基含有モノマーが好ましく、カルボン酸無水物基含有モノマーがより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
酸変性に用いた酸官能基含有モノマーの一部が未反応である場合は、未反応の酸官能基含有モノマーによる接着力の低下を防ぐため、予め未反応の酸官能基含有モノマーを除去したものを(A)成分として用いることが好ましい。
【0014】
(A)成分において、ポリオレフィン系樹脂又はオレフィン類由来の成分は、(A)成分の全量100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましい。
【0015】
(A)成分の融点は、(A)成分と後述する(B)成分とを溶融混練する際の温度を考慮して、100℃〜180℃であることが好ましい。上記範囲の融点を有する(A)成分を用いることにより、常法及び一般的な装置を用いた場合にも、(A)成分と後述する(B)成分とを、(A)成分の融点よりも十分に高い温度で溶融混練することができる。また、溶融混練を用いて(A)成分と後述する(B)成分とを反応させる場合、(A)成分に比して(B)成分の融点が低いことが好ましいが、上記範囲の融点を有する(A)成分を用いることにより、(B)成分の選択の自由度を高めることができる。
【0016】
また、上述のように(A)成分の融点は、後述する(B)成分の融点よりも高いことが好ましいが、(A)成分の融点は(B)成分の融点よりも10℃以上高いことがより好ましく、20℃以上高いことがさらに好ましく、30℃以上高いことが特に好ましい。(A)成分の融点が(B)成分よりも十分に高いことにより、溶融混練を行った際に(B)成分が先に溶融し、樹脂の形状を保持した状態の(A)成分中に浸透し、均一に(A)成分と(B)成分とが反応する結果、良好な耐久性を得ることができる。
【0017】
なかでも(A)成分としては、接着性、及び適度な融点の観点から、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好ましい。
【0018】
(フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B))
(B)成分は、常温で固体であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂である。常温において固体である(B)成分を用いることで、溶融混練によって前記(A)成分と(B)成分とを重合させる場合にも、(A)成分の溶融温度に合わせて溶融混練を行うことができ、且つ、その際に(B)成分の特性が損なわれ難くなる。
【0019】
本発明においてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とは、フェノールとホルムアルデヒドとを酸縮合して得られるフェノールノボラック樹脂を基本構造とし、その構造の一部にエポキシ基が導入された化合物である。フェノールノボラック型エポキシ樹脂における1分子あたりのエポキシ基導入量は特に限定されるものではないが、エピクロルヒドリン等のエポキシ基原料とフェノールノボラック樹脂とを反応させることにより、フェノールノボラック樹脂中に多数存在するフェノール性水酸基に多数のエポキシ基が導入されるため、通常は多官能エポキシ樹脂となる。
【0020】
なかでも(B)成分としては、基本骨格としてフェノールノボラック構造を有し、且つ、ビスフェノールA構造を併せて有する樹脂が好ましい。なお、(B)成分中のビスフェノールA構造は、ビスフェノールAから誘導され得る構造であればよく、ビスフェノールAの両端水酸基がエポキシ基含有基等の基で置換されていてもよい。
(B)成分の一例としては、下記一般式(1)で表される樹脂が挙げられる。
【0021】
【化1】
[式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、nは0〜10の整数であり、Rはエポキシ基を有する基である。]
【0022】
式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。nが2以上の整数の場合、R、Rはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
式(1)で表される樹脂中は、下記(i)〜(iii)の少なくともいずれか1つを満たすことが好ましい。
(i)R及びRの両方がメチル基、(ii)R及びRの両方がメチル基、(iii)R及びRの両方がメチル基
例えば、上記(i)を満たすことにより、式(1)においてR及びRが結合する炭素原子と、当該炭素原子が結合する2つのヒドロキシフェニル基と、がビスフェノールAから誘導される構造を構成することとなる。
【0023】
式(1)中、Rはエポキシ基を有する基である。エポキシ基を有する基としては、エポキシ基、エポキシ基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられ、なかでもグリシジル基が好ましい。
【0024】
(B)成分のエポキシ当量は、100〜300であることが好ましく、200〜300であることがより好ましい。エポキシ当量(g/eq)は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量であって、この値が小さいほど樹脂中のエポキシ基が多いことを意味する。エポキシ当量の比較的小さい(B)成分を用いることにより、(B)成分の添加量を比較的少量とした場合にも、(B)成分と被着体との接着性が良好となり、且つ、(B)成分と前記(A)成分とが十分に架橋する。
【0025】
このような(B)成分としては、三菱化学社製のjER154、jER157S70、jER−157S65;DIC社製のEPICLON N−730A、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、いずれも商品名)等の市販品を用いることもできる。
【0026】
本発明の接着性樹脂組成物は、(A)成分の酸官能基と、(B)成分のエポキシ基との双方が、被着体(特に被着体が有する水酸基等の官能基)に対する接着性官能基として機能することにより、金属、ガラス、プラスチックなどの各種の被着体に対して、優れた接着性を奏することが可能となると考えられる。
また、(A)成分の酸官能基の一部と、(B)成分のエポキシ基の一部とが反応し、(A)成分と(B)成分の架橋構造ができ、この架橋構造により樹脂の強度が補強され、優れた接着性と共に良好な耐久性が得られるものと考えられる。
【0027】
本発明の接着性樹脂組成物において、(A)成分90〜99.9質量部に対して、(B)成分は0.1〜10質量部で含有される。さらに好ましくは(A)成分95〜99質量部に対して、(B)成分が1〜5%質量部であり、最も好ましくは(A)成分97〜99質量部に対して、(B)成分が1〜3%質量部である。
本発明の接着剤組成物は、所望により混和性のある添加剤、付加的な樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤等を適宜含有することができる。
【0028】
[接着剤の製造方法]
本発明の第二の態様である接着剤の製造方法は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)とを溶融混練するものである。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)としてはそれぞれ、上述した第一の態様の(A)成分、(B)成分と同様である。前記(A)成分と、前記(B)成分とを含有する前記接着剤樹脂組成物を、公知の装置を用いて溶融混練することにより、(A)成分と(B)成分とを反応させることができる。
溶融混練の装置としては、一軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、プラストミル、加熱ロールニーダーなどを使用することができる。(A)成分及び(B)成分の反応時における、(B)成分のエポキシ基の分解を抑制するため、水分等のエポキシ基と反応し得る揮発成分は、予め装置外へ除去しておき、且つ、反応中に揮発成分が発生する場合には脱気等により随時装置外へ排出することが望ましい。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)が、酸官能基として酸無水物基を有する場合、前記(B)成分のエポキシ基との反応性が高く、より穏和な条件下で反応が可能となるため好ましい。
【0029】
溶融混練時の加熱温度は、(A)成分及び(B)成分が十分に溶融し、且つ熱分解しないという点で、240〜300℃の範囲内から選択することが好ましい。
なお、混練温度は、溶融混練装置から押し出された直後における、溶融状態の接着性樹脂組成物に、熱電対を接触させる等の方法によって測定することが可能である。
【0030】
[接着剤]
本発明の第三の態様である接着剤は、前記第一の態様の接着剤樹脂組成物を溶融混練して得られるものであって、溶融混練の方法は上述した第二の態様と同様である。本発明の接着剤は、(A)成分と(B)成分とを含有する前記接着性樹脂組成物からなるものであるため、金属、ガラス、プラスチック等の各種の被着体同士を、経時劣化や環境劣化が抑制された状態で良好に接着させることができる。
【0031】
[接着性積層体]
本発明の第四の態様の接着性積層体は、第1の接着層、基材層、及び第2の接着層をこの順に備えてなり、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が前記第三の態様の接着剤からなる。
また、本発明の第五の態様の接着性積層体は、第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層、及び第2の接着層をこの順に備えてなる接着性積層体であって、前記第1の接着層又は第2の接着層のいずれか一方又は両方が、前記第三の態様の接着剤からなる。
第四及び第五の接着性積層体は、前記本発明の接着性樹脂組成物から形成され、フィルム、シート等の形状を有する積層体であって、接着性樹脂フィルムや、接着性樹脂シート等として多用途に用いることができる。
【0032】
第四及び第五の態様における第1及び第2の接着層は、少なくともいずれか一方が前記第三の態様の接着剤からなるものであるが、両方が第三の態様の接着剤からなることが好ましい。
【0033】
第四及び第五の態様における基材層は、十分な機械強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂;環状オレフィンポリマー(COP)、メチルペンテンポリマー(TPX)等のポリオレフィンポリマー等からなる合成樹脂フィルム;金属層;ガラス板等を用いることができる。
なかでも、線膨張係数が低く、当該接着性積層体を用いて金属等の被着体を接着した際にも層間剥離を起こしづらいことから、PEN、COP又はTPXが好ましく、COP又はTPXが特に好ましい。
線膨張係数の低い樹脂を用いることにより、積層体に熱がかかり、または冷却されたときに積層体の収縮が小さくなり、金属を含んだ積層体のひずみが小さくなる。
また、基材層に添加物として粒子状もしくは繊維状のフィラーを入れることができる。フィラーは耐熱性の高いフィラーであればよく、有機フィラー、無機フィラーが挙げられる。フィラーを入れることにより、ホットメルト接着性積層体の収縮力をさらに抑えることができ、ホットメルト接着性積層体自体の強度を上げることもできる。本発明においては、基材層の耐熱性、収縮性の観点から無機フィラーを添加することが好ましい。
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカなどの酸化物、タルク、スメクタイト、マイカ、カオリナイトなどの鉱物、炭素繊維や炭素粒子等の炭素化合物、ガラスからなる微粒子が挙げられる。また、形状としては球状、棒状、板状等が挙げられるが、板状の化合物が好ましい。
【0034】
第五の態様における第1の中間層は、基材層及び第1の接着層に対する接着性を有する層である。また、第2の中間層は、基材層及び第2の接着層に対する接着性を有する層である。
第1、第2の中間層に求められる接着性とは、基材層と接着層の積層体としての強度を保つための強度の事を指しており、接着性が高いと層間剥離が起きにくくなる。
第1、第2の中間層の形成材料は、第1、第2の中間層が上述の接着性を有するものであれば特に限定されないが、基材層の形成材料に応じて適宜選択される。
【0035】
基材層の形成材料が環状オレフィンポリマー(COP)である場合、第1、第2の中間層の形成材料は、酸変性ポリプロピレン、メタロセン系ポリエチレンおよびメタロセン系ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、第1、第2の中間層の形成材料としては、ポリプロピレン、メタロセン系ポリエチレンおよびメタロセン系ポリプロピレンからなる群から選択される1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、第1、第2の中間層の形成材料が、酸変性ポリプロピレン、メタロセン系ポリエチレンおよびメタロセン系ポリプロピレンの3成分からなる場合、これら3成分の合計を100質量部としたとき、メタロセン系ポリエチレンの配合量が30質量部〜50質量部、メタロセン系ポリプロピレンの配合量が30質量部〜40質量部であることが好ましく、酸変性ポリプロピレンの配合量が20質量部、メタロセン系ポリエチレンの配合量が50質量部、メタロセン系ポリプロピレンの配合量が30質量部であることが特に好ましい。前記中間層を用いて本発明の本発明の第五の態様、すなわち接着層/中間層/基材層/中間層/接着層の5層構成を構成する際は、溶融押出流涎により同時に製膜形成することが好ましい。
【0036】
基材層の形成材料がメチルペンテンポリマー(TPX)である場合、第1、第2の中間層の形成材料は、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系エラストマーおよびポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち第1、第2の中間層の形成材料としては、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系エラストマーおよびポリプロピレンからなる群から選択される1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、メチルペンテンポリマーとしては、酸変性メチルペンテンポリマーを用いてもよい。
例えば、第1、第2の中間層の形成材料が、メチルペンテンポリマー、酸変性メチルペンテンポリマー、ポリブテン系エラストマーおよびポリプロピレンの4成分からなる場合、これら4成分の合計を100質量部としたとき、メチルペンテンポリマーの配合量が10質量部〜70質量部、さらに好ましくは20質量部〜50質量部、酸変性メチルペンテンポリマーの配合量が0質量部〜50質量部、さらに好ましくは0〜30質量部ポリブテン系エラストマーの配合量が5質量部〜40質量部、さらに好ましくは10〜30質量部、ポリプロピレンの配合量が5質量部〜40質量部であることが好ましい。前記中間層を用いて本発明の本発明の第五の態様、すなわち接着層/中間層/基材層/中間層/接着層の5層構成を構成する際は、溶融押出流涎により同時に製膜形成することが好ましい。
【0037】
接着性積層体はたとえば、第1の接着層、基材層及び第2の接着層、又は、第1の接着層、第1の中間層、基材層、第2の中間層及び第2の接着層を、押出成形機を用いて共押出することにより製造してもよく;別途溶融成膜した第1の接着層及び第2の接着層を、基材層の両面に熱ラミネートして製造してもよく(第四の態様);基材層の両面に第1及び第2の中間層材料を溶液塗布した後に乾燥させて第1及び第2の中間層を形成し、その後、別途溶融成膜した第1の接着層及び第2の接着層を、形成された第1及び第2の中間層上に熱ラミネートすることにより製造してもよい(第五の態様)。
【0038】
第五の態様において塗布により中間層を設ける場合、中間層はオレフィン系のポリマーを用いて中間層を設けることが好ましい。オレフィン系ポリマーはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンが好ましく、マレイン酸等のカルボン酸によって酸変性されていることが好ましい。
【0039】
接着性積層体における各層の厚さとしては、第1及び第2の接着層は5〜80μmが好ましく、さらに10〜50μmが好ましい。基材層は50〜300μmが好ましく、さらに60〜200μmが好ましい。また、第1及び第2の中間層は、共押出により製造する場合は5〜20μmが好ましく、溶液塗布により製造する場合には0.5〜5μmが好ましい。
【0040】
[積層体]
本発明の第六の態様の積層体は、第1の金属層、前記第四又は第五の態様の接着性積層体、及び第2の金属層をこの順に備えてなるものである。接着性積層体中の接着層が、本発明の接着性樹脂組成物から形成されるものであるため、金属同士を接着した場合にも良好な接着性及び耐久性を得ることが可能となる。第六の積層体に用いる接着性積層体は、その両面が金属層と接することから、前記第1及び第2の接着層の両方が本発明の接着性樹脂組成物(接着剤)からなることが好ましい。
本発明の積層体を用いて接着する被着体である第1の金属層及び第2の金属層は一般に知られている金属板、金属平面板もしくは金属箔を用いることができる。これらに用いられる金属としては例えば、鉄、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛、チタン、クロムであってよく、合金であるステンレス等であってもよい。また、金属によるめっきや金属を含む塗料による塗布加工により表面加工処理をされた金属もしくは非金属を第1又は第2の金属層として用いてもよい。特に好ましくは、鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス、表面加工処理処理をされた金属からなる金属平面板もしくは金属箔であり、これらを第1の金属層及び/又は第2の金属層として用いることにより、本発明の接着層が特に強固な接着力を発揮する。
【実施例】
【0041】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0042】
[実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−4]
(接着性樹脂フィルム)
表1中に示す(A)成分及び(B)成分を280℃2分間溶融混練後、押出成形により所定の厚さのフィルム状に成形して接着シートを得た。
【0043】
【表1】
【0044】
表1中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点140℃)
(A)−2:ポリプロピレン重合体(融点140℃)
(A)−3:無水マレイン酸変性1−ブテン−ポリプロピレン共重合体(融点150℃、1−ブテン:ポリプロピレン=50:50(質量比))
(B)−1:「jER157S70」(商品名、三菱化学社製)(ビスフェノールA構造を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂;粘度=80;エポキシ当量=210)
(B)−2:「jER154」(商品名、三菱化学社製)(フェノールノボラック型エポキシ樹脂;粘度=80;エポキシ当量=180)
【0045】
(接着性評価)
厚さ300μm、縦10mm×横30mmのアルミニウム箔、厚さ300μm、縦10mm×横30mmのステンレス箔、及び、上記で得られた各例の接着シートを10mm×10mmに切出した接着シート片を用意した。
アルミニウム箔の短辺端部に、接着シート片の一端が揃うように重ねた後、さらに、接着シート片の他端にステンレス箔の短辺端部が揃い、且つ、接着シート片を介してアルミニウム箔とステンレス箔とが重なり合うように載置した。0.5MPaのの圧力をかけながら、150℃で5秒間貼り合わせることで、接着面積100m、平面視で縦10mm×横50mmの大きさの積層体とした。
得られた各例の積層体のアルミニウム箔、ステンレス箔の端部をそれぞれ治具によりはさみ、速度=10mm/分、チャック間距離=20mmの条件で、引張せん断試験機を用いて引張せん断試験を行った。
下記評価基準に基づいて評価を行った。結果を「接着性」として表1中に併記する。
A:せん断力が320N以上であった。
B:せん断力が250N以上320N未満であった。
C:せん断力が200N以上250N未満であった。
D:せん断力が200N未満であった。
【0046】
(耐久性評価)
上記接着性評価と同様にして得られた各例の積層体を、95℃のお湯に100時間漬けて耐久試験を行った。耐久試験後の試験サンプルである積層体のアルミニウム箔、ステンレス箔の端部をそれぞれ治具によりはさみ、速度=10mm/分、チャック間距離=20mmの条件で、引張せん断試験機を用いて引張せん断試験を行った。
下記評価基準に基づいて評価を行った。結果を「耐久性」として表1中に併記する。
A:せん断力が250N以上であった。
B:せん断力が200N以上250N未満であった。
C:せん断力が100N以上200N未満であった。
D:せん断力が100N未満であった。
【0047】
表1に示す結果から、本発明の接着性樹脂組成物を用いた実施例1−1〜1−5は、比較例1−1〜1−4に比して優れた耐久性を有することが確認できた。
【0048】
[実施例2−1〜2−4]
(接着性評価)
前記(A)−1の98質量部と、前記(B)−1の2質量部とを、表2に示す温度で2分間溶融混練後、押出成形により所定の厚さのフィルム状に成形して接着シートを得た。
得られた接着シートを用いて、上記接着性評価と同様にして積層体を作製し、上記同様に引張せん断試験を行った。
上記評価基準と同様に評価を行った結果を表2中に併記する。
【0049】
【表2】
【0050】
表2に示す結果から、本発明の接着性樹脂組成物を用いて、溶融混練を240〜300℃で行った場合、特に優れた接着性を有することが確認できた。
【0051】
[実施例3−1〜3−5]
実施例3−1〜3−5では、前記(A)−1の98質量部と、前記(B)−1の2質量部とを有する接着性樹脂組成物を用いた。
【0052】
(実施例3−1)
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、PENと共に共押出成形を行い、「接着層(厚さ42μm)−PEN基材(厚さ75μm)−接着層(厚さ42μm)」の3層構成からなる接着性積層体を得た。
【0053】
(実施例3−2)
厚さ75μmのPEN基材の両面に、厚さ2.0μmの中間層を形成するように、マレイン酸変性プロピレン―ブテン共重合体の分散溶液を溶液塗布し、乾燥させた。
また、(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、押出成形して接着フィルム(厚さ40μm)を2枚製造した。
次いで、PEN基材の両面に設けられた中間層上に、別途得られた上記接着フィルムを載置して170℃で熱ラミネートし、「接着層−中間層−PEN基材−中間層−接着層」の5層構成からなる接着性積層体を得た。
【0054】
(実施例3−3)
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、基材となるCOP、中間層となる、ポリプロピレンとメタロセン系ポリエチレンとメタロセン系ポリプロピレンとスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合ポリマーと共に共押出成形を行い、「接着層(厚さ27μm)−中間層(厚さ15μm)−COP基材(厚さ75μm)−中間層(厚さ15μm)−接着層(厚さ27μm)」の5層構成からなる接着性積層体を得た。
【0055】
(実施例3−4)
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、基材となるTPX、中間層となる、メチルペンテンポリマーとポリブテンとポリプロピレンとの混合ポリマーと共に共押出成形を行い、「接着層(厚さ27μm)−中間層(厚さ15μm)−TPX基材(厚さ75μm)−中間層(厚さ15μm)−接着層(厚さ27μm)」の5層構成からなる接着性積層体を得た。
【0056】
(実施例3−5)
(A)成分及び(B)成分を有する接着剤組成物を280℃で2分間溶融混練後、押出成形して接着フィルム(厚さ159μm)を製造した。
【0057】
(積層体の耐久強度評価)
厚さ300μm、縦30mm×横30mmのアルミニウム箔に、各例の3層若しくは5層接着性積層体又は接着フィルムを30mm×30mmに切り出したものを積層し、その上に厚さ300μm、縦30mm×横30mmに切り出したステンレス箔の端部を載置して、0.5MPaの圧力をかけながら、150℃で5秒間貼り合わせて積層体とした。
この積層体を95℃のお湯に300時間漬け、浸漬後の積層体の状態を観察して評価を行った。結果を「積層体強度」として表3に示す。
A:目に見える剥がれがなく、積層体のゆがみも見られなかった。
B:目に見えて目立った、剥がれが見られず、大きなゆがみも見られなかった。
C:若干の剥がれ、もしくは若干の積層体のゆがみが見られたが、許容範囲内であった。
D:全面に剥がれが見られ、積層体がゆがんでいた。
【0058】
【表3】
【0059】
表3に示す結果から、本発明の接着性樹脂組成物を用いて、接着層と基材シートとの間に中間層を設ける構成とした場合、特に優れた積層体強度を有することが確認できた。また、接着した積層体の接着性・耐久性はいずれも良好であった。