(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子を含む光検出部と、光学フィルタを含むフィルタ部とを有し、前記受光素子が前記光学フィルタを介して外部と光学的に接続されるように前記光検出部と前記フィルタ部とが接合されたセンサ装置と、
支持基板と前記支持基板上に設けられたランド電極とを有する実装基板と、
を備え、
前記センサ装置は、前記実装基板において前記ランド電極を有する面と向かい合う対向面を有し、
前記対向面は、前記光検出部と前記フィルタ部との接合面の端部を含み、
前記光検出部と前記ランド電極とが半田を介して接続されており、かつ、
前記接合面の端部は前記実装基板から50μm以上離れており、かつ、
前記接合面の端部と前記半田との距離が250μm以上である、光センサ装置。
受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子を含む光検出部と、光学フィルタを含むフィルタ部とを有し、前記受光素子が前記光学フィルタを介して外部と光学的に接続されるように前記光検出部と前記フィルタ部とが接合されたセンサ装置と、
第1の支持基板と、前記第1の支持基板上に設けられた第1のランド電極とを有する実装基板と、
第2の支持基板と、前記第2の支持基板上に設けられた第2のランド電極とを有するサブ基板と、を備え、
前記光検出部のうち前記受光素子を含む面の裏側と前記第2のランド電極とが第1の半田を介して接続されており、
前記サブ基板の側面と前記第1のランド電極は、前記光検出部と前記フィルタ部との接合面の端部を前記実装基板から離して配置するように、第2の半田を介して接続されており、
前記センサ装置は、前記実装基板において前記第1のランド電極を有する面と向かい合う対向面を有し、
前記対向面は、前記接合面の端部を含み、
前記接合面の端部は前記実装基板から50μm以上離れており、かつ、
前記接合面の端部と前記第2の半田との距離は、250μm以上である、光センサ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(第1、第2の態様、第1〜第5実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明を実施するための形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
<第1の態様>
(1)光センサ装置
第1の態様に係る光センサ装置は、受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子を含む光検出部と、光学フィルタを含むフィルタ部とを有し、受光素子が光学フィルタを介して外部と光学的に接続されるように光検出部とフィルタ部とが接合されたセンサ装置と、支持基板と該支持基板上に設けられたランド電極とを有する実装基板と、を備える。光検出部とランド電極とが接続されており、かつ、光検出部とフィルタ部との接合面の端部は実装基板から50μm以上離れている。すなわち、光検出部とランド電極は、光検出部とフィルタ部との接合面の端部を実装基板から離して配置するように、半田等を介して接続されている。接合面の端部と実装基板との間は50μm以上離れている。これにより、フラックスの侵入を防止し、光の検知の精度を向上させた光センサ装置を実現することができる。
【0012】
第1の態様において、接合面の端部と実装基板との間の距離(すなわち、離間距離)が50μm以上である理由は、製造誤差や材料ばらつきを考慮した場合に、50μmよりも小さい場合には、離間距離が短いため毛細管現象によりフラックスが接合面に達し、センサ装置の内部へ浸入してしまうからである。
本発明者が行った実験では、上記離間距離が0μmである4ロットの光センサ装置と、上記離間距離が20μmである1ロットの光センサ装置では、すべての光センサ装置で、接合面へのフラックス侵入があることが確認された。これに対し、上記離間距離が50μmである3ロットの光センサ装置では、すべての光センサ装置で、接合面へのフラックス侵入は無いことが確認された。
【0013】
この時のランド電極の半田ペースト塗布端と、光検出部とフィルタ部との接合面の端部との距離は、250μmであった。つまり、フラックスは、支持基板上を250μm以上拡散するものと考えられるが、上記離間距離が50μm以上である場合は実装基板から隔離して配置されたセンサ装置下面側では拡散が抑えられるため、フラックスが接合面の端部に達することが無くなった結果、接合面端部からのセンサ装置内部へのフラックスの進入が無くなったものと考えられる。
なお、上記離間距離は、例えば半田リフローなどでの半田加熱工程でフラックスが拡散するときの接合面の端部と実装基板との間の距離を意味するものであり、加熱工程前に予め塗布された半田ペースト上にセンサ装置が実装されている状態は含まないことは言うまでも無い。また、上記離間距離は、パッケージ及び基板の製造上のばらつきによる凹凸がある場合は最短の距離である事は言うまでも無い。
【0014】
また、第1の態様に係る光センサ装置では、接合面の端部と支持基板との間にランド電極が存在しなくてもよい。すなわち、ランド電極は、接合面の端部と支持基板との間から外れた位置にのみ配設されていてもよい。これにより、上記離間距離をより大きくすることができ、リフロー時のセンサ装置内部へのフラックスの侵入をより防止することができる。また、第1の態様に係る光センサ装置では、支持基板は、接合面の端部の直下に凹部を有してもよい。すなわち、支持基板のうちの接合面の端部と向かい合う位置に凹部が形成されていてもよい。これにより、接合面の端部と実装基板との距離をより大きくすることができ、リフロー時のセンサ装置内部へのフラックスの侵入をより防止することができる。
【0015】
(2)センサ装置
光センサ装置が備えるセンサ装置は、受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子を含む光検出部と、光学フィルタを含むフィルタ部とを有し、受光素子が光学フィルタを介して外部と光学的に接続されるように光検出部とフィルタ部とが接合されたものである。
光検出部とフィルタ部は、直に接触した状態で接合されてもよいし、接着剤等を介して接合されてもよい。光検出部とフィルタ部を接合する際は、光検出部または光検出部の接合される部分の少なくとも一部に接着剤を塗布する方法や、フィルタ部に光検出部をはめ込む方法などを用いることができる。接合面端部の少なくとも一部にはセンサ装置内部へ通じる隙間が存在してもよい。
このセンサ装置の支持基板と向かい合う面側に、接合面の端部を底部とする凹部が形成されてもよい。ここで、凹部の形は、三角錐状でもよく、また、直方体状でもよい。凹部は、モールド工程で用いる金型に凸形状を施すことで形成することができる。また、上記接合面の角の面取りする工程や接合面を切削する工程などで形成することができる。これにより、接合面の端部と実装基板との離間距離をより大きくすることができ、リフロー時のセンサ装置内部へのフラックスの侵入をより防止することができる。
【0016】
(2.1)光検出部
センサ装置が有する光検出部は、受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子を含むものである。本発明に用いられる受光素子は光電変換部を含む。光電変換部は、フォトダイオードおよびフォトコンダクタ等、光電変換によって信号を出力する「量子型センサ」であってよい。また、光が赤外線の場合は、光電変換部は、サーモパイル、焦電型センサ等の赤外線吸収による温度変化を電気信号に変換する「熱型センサ」であってもよい。外部からの電力供給を最小限に抑えて消費電力を低減する観点から、光電変換部には量子型センサを用いることが好ましい。より具体的には、量子型センサは、InSbを用いたPNまたはPIN接合構造を有する量子型センサが挙げられるがこれに制限されない。また光検出部に含まれる受光素子の周りは、樹脂等によってモールドされていてもよい。
【0017】
(2.2)フィルタ部
センサ装置が有するフィルタ部は、光学フィルタを含む。例えば、フィルタ部は、基体と、基体を貫く開口部と、開口部内の少なくとも一部に配置された光学フィルタとを有する。また、基体を貫く光学的な開口部が形成されていれば良いため、光学フィルタが基体表面から突出していても良い。そして、フィルタ部は、この光学フィルタを介して光検出部の受光素子が外部と光学的に接続されるように光検出部に接合されるものである。
本発明に用いられる光学フィルタは、所望の波長範囲の光を選択的に(即ち、透過率高く)透過させる機能を有するものであってよい。例えば、光学フィルタは、特定の波長帯の光のみを透過する機能を有するものであってよい。或いは、この光学フィルタは、透過カバー、レンズなど、単に光を透過する機能を有するものであってもよい。フィルタ部の基体には、樹脂など、光センサ装置の特性に応じて種々の材料を用いることができる。
【0018】
(2.3)開口部
フィルタ部の開口部の形状は、光学フィルタを配置することができるとともに、開口部に配置された光学フィルタを介して受光素子が外部と光学的に接続されるような形状であれば特に限定されない。具体例としては、フィルタ部に円筒状や直方体状の穴を形成し、円筒状の穴の一部に光学フィルタを形成したものが考えられるが、特にこれに限定されない。
【0019】
(3)実装基板
光センサ装置が備える実装基板は、支持基板と、支持基板上に設けられたランド電極とを有するものである。ここで、ランド電極は、複数のランド電極でもよい。また、実装基板は、支持基板の表面の一部を覆う絶縁膜をさらに有してもよい。
【0020】
(3.1)支持基板
実装基板が有する支持基板は、支持基板上にランド電極や絶縁膜を形成し、その上にセンサ装置を設置することができるものであれば特に限定されない。支持基板の材料についても特に制限されない。例えばFR4、セラミックス基板、Si基板、GaAs基板、サファイヤ等が挙げられるがこの限りではない。
【0021】
(3.2)ランド電極
実装基板が有するランド電極は、支持基板上に設けられたものである。本発明に用いられるランド電極としては、Al、Cu、Ag、Auなどの適宜の金属もしくは合金からなるものを用いることができるが、光センサ装置の出力端子と支持基板との電気的なコンタクトを取ることができるものであれば、特にこれらに限定されない。また、実際には、支持基板上でランドから他の部品への接続金属配線が伸びることになる。なおこれら接続金属配線については、各図面には図示していない。
【0022】
(3.3)絶縁膜
実装基板が有する絶縁膜は、支持基板の表面の一部を覆うものである。絶縁膜を形成する材料としては、ソルダーレジストやポリイミドやシリコン系樹脂等を用いることができるが、特にこれらに限定されない。
【0023】
(3.4)半田
センサ装置は半田を介して実装基板上のランド電極に接続される。半田は、半田ペーストと呼ばれるペーストの状態で塗布され、リフローをすることで半田ペースト内のフラックスが除去され、半田付けが行われる。この半田ペーストは、半田粉末とフラックスからなり、加熱工程で半田ペーストの温度が上昇すると半田ペースト内のフラックスが接合する金属表面に広がり酸化膜を化学的に除去し、半田ペースト内の半田粉が融けて金属表面と接合することで、半田が金属表面に固定される。また半田の材料としては、スズ、銀、銅、鉛、インジウム等の金属混合粉体を用いることができるが、特にこれらに限定されない。また半田ペーストの材料としては、半田とフラックス等の混合材を用いることができるが、特にこれらに限定されない。
また、拡散物としてフラックスを挙げているが、実装時に拡散する物質であれば特にこれに限定されない。例えば、実装時に実装基板と電子部品とを固定する仮止め剤やポッティング液などがある。
【0024】
<第2の態様>
(1)光センサ装置
第2の態様に係る光センサ装置は、受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子を含む光検出部と、光学フィルタを含むフィルタ部とを有し、受光素子が光学フィルタを介
して外部と光学的に接続されるように光検出部とフィルタ部とが接合されたセンサ装置と、第1の支持基板と、第1の支持基板上に設けられた第1のランド電極とを有する実装基板と、第2の支持基板と、第2の支持基板上に設けられた第2のランド電極とを有するサブ基板と、を備える。光検出部のうち受光素子を含む面の裏側と第2のランド電極とが半田を介して接続されている。サブ基板と第1のランド電極は、サブ基板の側面
が実装基板の表面に、半田等を介して接続されている。
また、実装基板は、第1の支持基板の表面の一部を覆う絶縁膜をさらに有していてもよい。そして、この絶縁膜は、接合面の端部と第1の支持基板との間に介在していてもよい。
【0025】
(2)サブ基板
光センサ装置が備えるサブ基板は、第2の支持基板と、第2の支持基板上に設けられた第2のランド電極とを有する。このサブ基板は、第2の支持基板の表面の一部を覆う絶縁膜をさらに有していてもよい。サブ基板は、センサ装置と実装基板とを中継する中継基板である。
このサブ基板は、サブ基板の側面
が実装基板上に配置するように、半田等を介して実装基板の第1のランド電極と接続されるものであれば、特に限定されない。第2の支持基板の材料についても特に制限されない。すなわち、第2の支持基板として、例えばFR4、セラミックス基板、Si基板、GaAs基板、サファイヤ等が挙げられるがこの限りではない。
【0026】
<実施形態>
以下、上記した第1、第2の態様の具体例として、図面を参酌しながら第1〜第6実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の第1〜第6実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
【0027】
(1)第1実施形態
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光センサ装置100の構成例を示す断面図である。また、
図2は、フィルタ部70の構成例を示す平面図である。
図3は、光センサ装置100の構成例を示す平面図である。なお、
図3に示す平面図をA−A’線で切断した断面図が、
図1に対応している。
図1〜
図3に示すように、光センサ装置100は、実装基板10と、実装基板10上に実装されたセンサ装置50とを備える。実装基板10は、支持基板11と、支持基板11上に設けられたランド電極13と、支持基板11の表面11aの一部を覆う絶縁膜15と、を有する。
【0028】
センサ装置50は、光検出部60と、フィルタ部70とを有する。光検出部60は、受光した光に応じた電気信号を出力する受光素子61と、受光素子61の受光面61aを除く面を覆うモールド部材63とを含む。フィルタ部70は、基体71と、基体71に設けられた開口部73と、開口部73内に配置された光学フィルタ75と、を含む。開口部73は、例えば、基体71を貫く円筒状の穴である。この開口部73内の光検出部側の位置に、光学フィルタ75が嵌め込まれている。
この光センサ装置100では、受光素子61が光学フィルタ75を介して外部と光学的に接続されるように、光検出部60とフィルタ部70とが接合されている。また、光検出部60と、実装基板10のランド電極13は、光検出部60とフィルタ部70との接合面80の端部81を実装基板10から離して配置するように、半田17を介して接続されている。そして、接合面80の端部81と、実装基板10との間は50μm以上離れている。つまり、接合面80の端部81と実装基板10との離間距離Lは50μm以上である。これにより、センサ装置50内部へのフラックスの侵入を防止し、光の検知の精度を向上させた光センサ装置を実現することができる。
【0029】
なお、本発明では、光検出部60とフィルタ部70とが直に接触した状態で接合していてもよいし、接着剤等を介して接合していてもよい。光検出部60とフィルタ部70とが直に接触している場合、接合面とは、光検出部60とフィルタ部70との接触界面のことを意味する。また、
図1等に示すように光検出部60とフィルタ部70とが接着剤90を介して接合している場合、接合面とは、光検出部60とフィルタ部70との(接着剤90を含む)接合部の厚さ方向の中間位置を通る面のことを意味する。本実施形態の各図では、光検出部60とフィルタ部70とが接着剤90を介して接合しており、接合部が接着剤90相当の厚みを有する場合を例示している。
【0030】
絶縁膜15は、ランド電極13の一部を覆っていてもよいし、ランド電極13を覆わないでその周囲を囲んでいてもよい(本実施形態の各図では、絶縁膜15はランド電極13を覆わないで、その周囲を囲んでいる場合を例示している。)。また、絶縁膜15は、接合面80の支持基板11側の端部81と、支持基板11との間には配置しないことが望ましい。すなわち、絶縁膜15は、支持基板11の表面11aのうち、フラックスが広がる範囲以外の領域に配置することが望ましい。その理由は、接合面80の端部81と支持基板11との間はフラックスが広がる範囲であり、この範囲内に絶縁膜15を配置すると、絶縁膜15は一般に支持基板上に均一に配置するため接合面80の端部81と実装基板10との離間距離の確保が出来なくなるからである。ただし、絶縁膜15を部分的に薄くでき接合面80の端部81と支持基板11の離間距離を50μm以上にできる場合は、配置してもよい。
【0031】
また、絶縁膜15は、実装基板10に対して、光検出部60とフィルタ部70との接合面80の端部81の位置を保持するためのスペーサーとして用いてもよい。例えば、支持基板11上のフラックスが広がる範囲以外の領域に絶縁膜15を配置して、この絶縁膜15を上記のスペーサーとして用いてもよい。
また、ランド電極13から他の部品などへ配線を施す場合は、配線は、接合面80の端部81と実装基板10との間の離間距離が50μm以上となるように配置すればよい。ここで、配線は、接合面80の端部81と支持基板11との間(即ち、接合面80の端部81の直下)は通らないように配置することが望ましい。なお、引き出し配線については、図示していない。
【0032】
また、ランド電極13は、センサ装置50の出力電極の他、固定用電極など、必要数を支持基板11の表面11a上に配置してよい。また、半田17は、接合面80を挟んで二箇所の接合で一組となるように配置することが望ましい。例えば、接合面80を挟んで半田17を対で配置するとともに、一方の半田17から接合面80までの距離と、他方の半田17から接合面80までの距離とを等距離にする。これにより、リフロー時の半田接合部からの引力にバランスを持たせることができるので、実装基板10に対してセンサ装置50が位置ずれすることを防ぐことができる。
【0033】
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る光センサ装置200の構成例を示す断面図である。また、
図5は、光センサ装置200の構成例を示す平面図である。なお、
図5に示す平面図をB−B’線で切断した断面図が、
図4に対応している。
図4及び
図5に示すように、第2実施形態に係る光センサ装置200において、第1実施形態に係る光センサ装置100との相違点は、接合面80の端部81と支持基板11との間にランド電極13が存在しない点である。すなわち、この光センサ装置200において、ランド電極13は、接合面80の端部81と支持基板11との間から外れた位置にのみ配設されている。これ以外の構成は、第2実施形態は第1実施形態と同じである。
これにより、光センサ装置200では、接合面80の端部81と実装基板10との距離をより大きくすることができ、リフロー時のセンサ装置50内部へのフラックスの侵入をより防止することができる。また、リフロー時に半田がランド電極13上を広がる場合、ランド電極とセンサ装置の電極とを接合する半田部位が減少し接合不足や未接合が発生するため、半田対策としても有効である。
【0034】
(3)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る光センサ装置300の構成例を示す断面図である。また、
図7は、光センサ装置300の構成例を示す平面図である。なお、
図7に示す平面図をC−C’線で切断した断面図が、
図6に対応している。
図6及び
図7に示すように、第3実施形態に係る光センサ装置300において、第2実施形態に係る光センサ装置200との相違点は、平面視で、センサ装置の周囲に周囲電極21が配設されている点である。この周囲電極21は、例えば、ランド電極13と同一工程で同時に形成されたものである。周囲電極21は、ランド電極13と同じ材料からなり、支持基板11の表面11aから同じ高さを有する。これ以外の構成は、第3実施形態は第2実施形態と同じである。
また、周囲電極21と絶縁膜15は、実装基板10に対して、光検出部60とフィルタ部70との接合面80の端部81の位置を保持するための位置決め材として用いてもよい。例えば、支持基板11上のフラックスが広がる範囲以外の領域に周囲電極21と絶縁膜15を配置して、この周囲電極21と絶縁膜15を上記の位置決め材として用いてもよい。
【0035】
(4)第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図8は、本発明の第4実施形態に係る光センサ装置400の構成例を示す断面図である。
図8に示すように、第4実施形態に係る光センサ装置400において、第2実施形態に係る光センサ装置200との相違点は、支持基板11のうちの接合面80の端部81と向かい合う位置(すなわち、端部81の直下)に凹部23が形成されている点である。これ以外の構成は、第4実施形態は第2実施形態と同じである。これにより、接合面80の端部81と実装基板10との離間距離Lをより大きくすることができ、リフロー時のセンサ装置内部へのフラックスの侵入をより防止することができる。
【0036】
(5)第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図9は、本発明の第5実施形態に係る光センサ装置500の第1の構成例を示す断面図である。
図10は、光センサ装置500の第2の構成例を示す断面図である。
図9及び
図10に示すように、第5実施形態に係る光センサ装置500において、第1実施形態に係る光センサ装置100との相違点は、センサ装置50の支持基板11と向かい合う面(例えば、下面)側に、接合面80の端部81を底部とする凹部51が形成されている点である。これ以外の構成は、第5実施形態は第1実施形態と同じである。
図9に示すように、凹部51は直方体状(断面視では矩形)に形成されていてもよい。また、
図10に示すように、凹部51は三角錐状(断面視では三角形)に形成されていてもよい。これにより、接合面80の端部81と実装基板10との離間距離Lをより大きくすることができ、リフロー時のセンサ装置50内部へのフラックスの侵入をより防止することができる。
【0037】
(6)第6実施形態
次に、本発明の第6実施形態を説明する。
図11は、本発明の第6実施形態に係る光センサ装置600の構成例を示す断面図である。また、
図12は、光センサ装置600の構成例を示す平面図である。なお、
図12に示す平面図をD−D’線で切断した断面図が、
図11に対応している。
図11及び
図12に示すように、光センサ装置600は、実装基板10と、サブ基板40と、センサ装置50と、を備える。
実装基板10及びセンサ装置50の各構成例は、例えば第1〜第5実施形態に記載した通である。 また、サブ基板40は、支持基板41と、支持基板41上に設けられたランド電極43とを有する。
図11に示すように、ランド電極43は支持基板41の表面41a及び裏面41bに形成されている。ここで、表面41aは支持基板41の第1の主面であり、裏面41bは支持基板41の第2の主面である。
【0038】
この光センサ装置600では、光検出部60のうち受光素子61を含む面の裏側と、サブ基板40のランド電極43とが半田47を介して接続されている。また、サブ基板40と、実装基板10のランド電極13は、サブ基板40の側面と実装基板の表面上に配置するように、半田17を介して接続されている。また、支持基板11の表面11aの一部を覆う絶縁膜15が、接合面80の端部81と支持基板11との間に介在していてもよい。
これにより、接合面80の端部81をフラックスが広がる範囲から遠ざけることができる。したがって、センサ装置50及び実装基板10に特別な加工
を施すことなく、リフロー時のセンサ装置50内部へのフラックスの侵入を防止することができる。
【0039】
<実施形態の効果>
本発明の第1〜第6実施形態によれば、フラックスの侵入を防止できるようにした光センサ装置を実現することができる。また、センサ装置50内部へのフラックスの侵入を防止することにより、光の検知の精度を向上させた光センサ装置を実現することができる。
【0040】
<変形例>
(1)上記の実施形態では、ランド電極13の外周と絶縁膜15とが離れている場合を図示した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではない。ランド電極13の外周と絶縁膜15は接していてもよい。また、ランド電極13の外周の少なくとも一部を絶縁膜15が覆っていてもよい。このような場合であっても、実施形態の効果を奏する。
(2)上記の実施形態では、光検出部60のうちフィルタ部70と向かい合う面と、フィルタ部70のうち光検出部60と向かい合う面とがそれぞれ平坦であり、この平坦な両面が接着剤90を介して接合されている場合を図示した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、上記した向かい合う両面には凹凸が設けられており、一方の面の凸部が他方の面の凹部に嵌め込まれることによって、光検出部60とフィルタ部70とが互いに接合されていてもよい。また、この凹凸が設けられている場合においても、上記した向かい合う両面の間に接着剤が介在していてもよい。このような場合であっても、実施形態の効果を奏する。
【0041】
<付記>
本発明の技術的思想は、以上に記載した、本発明を実施するための形態(第1、第2の態様、第1〜第6実施形態、変形例)に特定されるものではない。当業者の知識に基づいて、第1、第2の態様、第1〜第6実施形態、変形例に設計の変更等を加えてもよく、また、第1、第2の態様、第1〜第6実施形態、変形例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた形態も本発明の技術的思想に含まれる。