特許第6663346号(P6663346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6663346
(24)【登録日】2020年2月18日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】プラント設備診断システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20200227BHJP
【FI】
   G05B23/02 V
   G05B23/02 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-248486(P2016-248486)
(22)【出願日】2016年12月21日
(65)【公開番号】特開2018-101369(P2018-101369A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2018年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003285
【氏名又は名称】千代田化工建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】堀田 任晃
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 睦
(72)【発明者】
【氏名】三宅 和司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕晶
【審査官】 田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−163242(JP,A)
【文献】 特開2007−241583(JP,A)
【文献】 特開平10−300526(JP,A)
【文献】 特開2003−131735(JP,A)
【文献】 特開2009−300401(JP,A)
【文献】 特開2002−185834(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/135606(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント設備に装着された、バッテリを電源として動作する無線通信機能付きの1台以上のセンサモジュールと、
前記1台以上のセンサモジュールから送信されてくる送信データに基づいて、前記プラント設備の状態を診断する状態診断装置とを備えたプラント設備診断システムであって、
前記状態診断装置は、前記送信データに基づいて前記プラント設備が正常状態にあるか、正常状態から異常状態に移行する過程にあるかを判断して、正常状態から異常状態に移行する過程にあると判断した場合に、前記1台以上のセンサモジュールに選択指令を送信するように構成されており、
前記1台以上のセンサモジュールのそれぞれは、
前記プラント設備の被装着部の物理的状態を検知する状態検知センサと、
前記状態検知センサが検知した検知データを記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部に記憶された前記検知データを読み出して前記送信データを出力するデータ読出部と、
前記データ記憶部に記憶された所定期間の前記検知データを通信に適したデータ量に変換して前記送信データとして出力するデータ変換部と、
前記状態診断装置からの前記選択指令に応じて、前記データ読出部の出力と前記データ変換部の出力のどちらを送信するのかを選択する送信データ選択部と、
前記送信データを送信する送信機能、及び、前記状態診断装置からの前記選択指令を受信する受信機能を有する無線通信部とを備えており、
前記送信データ選択部は、前記状態診断装置が、前記プラント設備が正常状態にあることを診断していて前記選択指令を送信してきていないときは、前記データ変換部の出力を前記送信データとして選択し、前記状態診断装置から前記選択指令を受信すると前記データ読出部の出力を前記送信データとして選択することを特徴とするプラント設備診断システム。
【請求項2】
前記データ変換部は、前記プラント設備の状態が正常なときには、前記状態検知センサの検知データを一定周波数帯内で二乗平均平方根処理することによりデータ量を減少する請求項1に記載のプラント設備診断システム。
【請求項3】
前記状態診断装置は、診断結果を表示装置により表示するように構成されている請求項1に記載のプラント設備診断システム。
【請求項4】
前記状態診断装置は、診断結果をシステム管理者の携帯端末に無線で送信する機能を有している請求項1に記載のプラント設備診断システム。
【請求項5】
前記センサモジュールの前記状態検知センサは、センサ取付ブロック内に収納されており、
前記センサ取付ブロックは、外面に永久磁石を備えており、該永久磁石の磁力により前記プラント設備に装着されている請求項1に記載のプラント設備診断システム。
【請求項6】
前記状態検知センサは、少なくとも加速度センサを含んでいる請求項1に記載のプラント設備診断システム。
【請求項7】
前記状態診断装置は、
前記1台以上のセンサモジュールから前記送信データを受信する無線通信部と、
前記無線通信部で受信した前記送信データを時系列で記憶する受信データ記憶部と、
前記受信データ記憶部に記憶された時系列のデータを物理的・統計的に分析するデータ分析部と、
前記データ分析部の分析結果から前記プラント設備の状態変化を検出する状態変化検出部と、
前記状態変化検出部の検出結果に基づいて、前記プラント設備の状態が正常であるか、前記プラント設備が正常状態から前記異常状態に移行する過程にあるかを判定する状態判定部とを備えている請求項1に記載のプラント設備診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1台以上のセンサモジュールから送信されてくる送信データに基づいて、プラント設備の状態を診断するプラント設備診断システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラント設備に無線通信機能付きの1台以上のセンサモジュールを装着し、プラント設備の状態を監視するプラント設備診断システムが開発されている。例えば、特開2003−131735号公報(特許文献1)では、プラント設備等の監視対象機器(1)にセンサモジュール(2)を装備し、検出情報を中央管理装置(3)に送信して、監視対象機器の監視を行っている。
【0003】
プラント設備診断システムに用いるセンサモジュールは、多くの場合、バッテリを電源として動作する。センサモジュールを設置する場所は作業者が立ち入りにくい場所も多く、プラント設備診断システムの信頼性向上のためには、バッテリ交換等のメンテナンスの必要性を低減させることが重要である。特開2003−131735号公報(特許文献1)でも、センサモジュールの方で監視対象機器が正常か否かを判定して、正常なときには信号の送信を行わずに、異常なときに信号を送信するようにして、センサモジュールの消費電力を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−131735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2003−131735号公報(特許文献1)のように、センサモジュール側で、プラント設備の異常診断を行うようにする場合には、センサモジュールの消費電力の低減には限界がある。
【0006】
本発明の目的は、センサモジュールの消費電力を低減し、バッテリの寿命を延ばしながら、適切にプラント設備の異常の予兆を検知することが可能なプラント設備診断システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプラント設備診断システムは、プラント設備に装着された、バッテリを電源として動作する無線通信機能付きの1台以上のセンサモジュールと、1台以上のセンサモジュールから送信されてくる送信データに基づいて、プラント設備の状態を診断する状態診断装置とを備えている。
【0008】
状態診断装置は、送信データに基づいてプラント設備が正常状態にあるか、正常状態から異常状態に移行する過程にあるかを判断して、正常状態から異常状態に移行する過程にあると判断した場合に、1台以上のセンサモジュールに選択指令を送信するように構成されている。
【0009】
1台以上のセンサモジュールのそれぞれは、プラント設備の被装着部の物理的状態を検知する状態検知センサと、状態検知センサが検知した検知データを記憶するデータ記憶部と、データ記憶部に記憶された検知データを読み出して送信データを出力するデータ読出部と、データ記憶部に記憶された所定期間の検知データを通信に適したデータ量に変換して送信データとして出力するデータ変換部と、状態診断装置からの選択指令に応じて、データ読出部の出力とデータ変換部の出力のどちらを送信するのかを選択する送信データ選択部と、送信データを送信する送信機能、及び、状態診断装置からの選択指令を受信する受信機能を有する無線通信部とを備えている。そして、センサモジュールの送信データ選択部は、状態診断装置が、プラント設備が正常状態にあることを診断していて選択指令を送信してきていないときは、データ変換部の出力を送信データとして選択し、状態診断装置から選択指令を受信するとデータ読出部の出力を送信データとして選択する。
【0010】
本発明によれば、センサモジュールの側では、プラント設備の状態の診断は行わず、状態診断装置の側でプラント設備の状態の診断を行うため、センサモジュールの消費電力を抑えることができる。また、プラント設備が正常状態にある場合には、通信に適したデータ量に変換されたデータ変換部の出力を送信データとして送信し、選択指令を受信すると、すなわち、プラント設備が正常状態から異常状態に移行する過程にあると判断された場合に、データ読出部の出力を送信データとして送信するように構成されている。そのため、本発明によれば、正常時にはデータ量を減らしてセンサモジュールの消費電力を抑え、データ量を減らした送信データに基づいた簡易な診断を行い、異常を検知した時には、状態検知センサが検知した検知データそのものを送信することで詳細な状態診断を行うことができる。
【0011】
データ記憶部に記憶された所定期間の検知データを通信に適したデータ量に変換する手法は任意である。例えば、状態検知センサの検知データを一定周波数帯内で二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)処理することによりデータ量を減少するようにしてもよい。RMS処理をすれば、時間と状態検知センサの出力の二次元データを、一次元化することができ、効果的にデータ量を減らすことができる。
【0012】
状態診断装置は、診断結果を表示装置により表示するように構成されていてもよい。さらに、状態診断装置は、診断結果をシステム管理者の携帯端末に無線で送信する機能を有していてもよい。このように構成すれば、プラント設備の管理者は、表示装置や携帯端末に表示された診断結果を見て、直ちに修理等の対応を行うことができる。
【0013】
センサモジュールは、全ての部材を1つのケース内に収納して構成してもよいが、センサ部とセンサモジュール本体部の2つに分けて構成してもよい。分けて構成する場合には、状態検知センサは、外面に永久磁石を備えたセンサ取付ブロック内に収納して、センサ部として、永久磁石の磁力によりプラント設備に装着するようにすればよい。このように構成すれば、センサ部をプラント設備の適切な箇所に設置し、振動等の影響を受けないように、センサモジュール本体部をセンサ部から離して設置することが可能となる。
【0014】
状態検知センサとしては、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、角速度センサ等の各種センサや、これらの組み合わせが考えられる。プラント設備の異常は、振動として現れることが多いため、少なくとも加速度センサを含むようにすれば、プラント設備の振動を検知することが可能となる。
【0015】
状態診断装置は、1台以上のセンサモジュールから送信データを受信する無線通信部と、無線通信部で受信した送信データを時系列で記憶する受信データ記憶部と、受信データ記憶部に記憶された時系列のデータを物理的・統計的に分析するデータ分析部と、データ分析部の分析結果からプラント設備の状態変化を検出する状態変化検出部と、状態変化検出部の検出結果に基づいて、プラント設備の状態が正常であるか、プラント設備が正常状態から異常状態に移行する過程にあるかを判定する状態判定部とを備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】センサモジュール3と、状態診断装置5を含むプラント設備診断システム1の実施の形態の概念図である。
図2】センサモジュール3の構成を示すブロック図である。
図3】センサモジュール3が出力する送信データの例を示す図である。
図4】状態診断装置5の構成を示すブロック図である。
図5】センサモジュール3の動作を示すフローチャートである。
図6】状態診断装置5の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明のプラント設備診断システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、センサモジュール3と、状態診断装置5を含むプラント設備診断システム1の実施の形態の概念図であり、図2は、センサモジュール3の構成を示すブロック図であり、図3は、センサモジュール3が出力する送信データの例を示す図であり、図4は、状態診断装置5の構成を示すブロック図である。
【0018】
プラント設備診断システム1は、プラント設備(図示せず)に装着された、バッテリを電源として動作する無線通信機能付きの1台以上のセンサモジュール3(センサモジュール3a,3b,3c・・・)と、センサモジュール3から送信されてくる送信データに基づいて、プラント設備の状態を診断する状態診断装置5とから構成されている。
【0019】
[センサモジュール]
センサモジュール3のそれぞれは、大きく分けて、センサ部7と、センサモジュール本体部9とから構成されている。センサ部7とセンサモジュール本体部9は、有線で接続されており、センサ部7の電力は、センサモジュール本体部9の側から供給されている。センサ部7とセンサモジュール本体部9は、無線で接続されていてもよいのはもちろんである。
【0020】
センサ部7は、状態検知センサ11と、状態検知センサ11を収納するセンサ取付ブロック13とから構成されている。状態検知センサ11は、本実施の形態では、プラント設備の振動を検知するための(3軸)加速度センサである。センサ取付ブロック13は、外面に永久磁石を備えており、センサ部7は、センサ取付ブロック13の永久磁石によって、プラント設備に装着される。
【0021】
センサモジュール本体部9は、データ記憶部15と、データ読出部17と、データ変換部19と、送信データ選択部21と、無線通信部23とを備えている。データ記憶部15は、状態検知センサ11が検知した検知データを記憶する。
【0022】
データ読出部17は、データ記憶部に記憶された検知データを読み出して送信データを出力する。この場合の送信データをグラフに図示すると、図3(A)のように、横軸が時間、縦軸が出力(電圧)の二次元データとなる。
【0023】
データ変換部19は、データ記憶部15に記憶された所定期間の検知データを通信に適したデータ量に変換して送信データとして出力する。本実施の形態では、状態検知センサの検知データを一定周波数帯内で二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)処理することによりデータ量を減少する。この場合の送信データは、図3(B)に示すように、[Grms](時間変化する加速度(G)の平均的な大きさを表す単位)となり、一次元データとなる。
【0024】
送信データ選択部21は、状態診断装置5からの選択指令及び復帰指令に応じて、データ読出部17の出力とデータ変換部19の出力のどちらを送信するのかを選択する。データ変換部19の出力は、データ読出部17の出力と比べてデータ量が少ないため、データ変換部19が選択されている場合には、センサモジュール3の消費電力を抑えることができる。
【0025】
無線通信部23は、送信データを送信する送信機能、及び、状態診断装置からの選択指令及び復帰指令を受信する受信機能を有する。無線通信部23で使用する無線通信規格は任意であるが、本実施の形態では、LPWA(Low Power, Wide Area)と呼ばれる広域の無線通信が利用可能である。LPWAは、通信距離が長いもので数kmにも及びながら通信電力が非常に低く、電池で動作するセンサモジュールでの利用に有利なことが特徴である。そのため、LPWAを利用することで、センサモジュール群が広いプラント設備に設置された場合でも、センサモジュール3と状態診断装置5の間に中継器等を介在させる必要がなくなり、また、センサモジュール3の消費電力を抑えることができる。
【0026】
[状態診断装置]
状態診断装置5は、プラント設備に異常が発生してから対処することを目的とするものではなく、プラント設備が正常状態から異常状態に移行する過程にあるかを判断して、異常の予兆を検知することを目的とするものである。
【0027】
状態診断装置5は、無線通信部25と、受信データ記憶部27と、データ分析部29と、状態変化検出部31と、状態判定部33とを備えている。無線通信部25は、1台以上のセンサモジュール3から送信データを受信する。受信データ記憶部27は、無線通信部25で受信した送信データを時系列で記憶する。データ分析部29は、受信データ記憶部27に記憶された時系列のデータ読み出し、物理的・統計的に分析する。状態変化検出部31は、データ分析部29の分析結果からプラント設備の状態変化を検出する。本実施の形態では、プラント設備の振動を加速度センサで検知し、その出力に基づいて、プラント設備の状態変化を検出している。そして、状態判定部33が、状態変化検出部31の検出結果に基づいて、プラント設備の状態が正常であるか、プラント設備が正常状態から異常状態に移行する過程にあるかを判定する。
【0028】
本実施の形態では、状態判定部33には、予め、正常状態の同じプラント設備、または、同タイプのプラント設備の振動を計測して得られた正常振動データに基づいて予め定めた閾値範囲もしくは閾値判定のための演算式が記憶されている。状態判定部33は、現在の振動と正常振動データの乖離度、及び、プラント設備の現在の振動が、閾値範囲内に収まっているか否かを判断することで、プラント設備が正常状態から異常状態に移行する過程にあるか否かを判定している。プラント設備の現在の振動が、この閾値範囲を逸脱している状態が、異常状態である。
【0029】
[フローチャート]
次に、図5及び図6を用いて、本実施の形態のセンサモジュール3と、状態診断装置5の動作を説明する。図5は、センサモジュール3の動作を示すフローチャートであり、図6は、状態診断装置5の動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、スタート時点では、プラント設備が正常状態であるとすると、センサモジュール3の送信データ選択部21は、データ変換部19を選択し(ステップST1)、状態診断装置5から選択指令があるまでは、繰り返し、二乗平均平方根データ(Grms)を送信する(ステップST2、ステップST3)。このようにして、プラント設備が正常状態の間は、データ変換部19の出力を送信データとして送信することで、センサモジュール3の消費電力を抑えることができる。
【0031】
状態診断装置5は、センサモジュール3のデータ変換部19の出力である送信データを受信し(ステップST101)、受信する度に、データ分析部29、状態変化検出部31、状態判定部33が繰り返しデータ分析(ステップST102)、及び、判定を行う(ステップST103)。この判定は、二乗平均平方根データに基づく簡易な判定である。状態判定部33が、プラント設備が正常状態から異常状態に移行する過程にあると判定すると、状態診断装置5は、センサモジュール3に対して選択指令を出力する(ステップST104)。同時に、状態診断装置5は図示しない表示装置に診断結果を表示し、また、診断結果をシステム管理者の携帯端末に無線で送信する。
【0032】
センサモジュール3が選択指令を受信すると、送信データ選択部21は、データ読出部17を選択し(ステップST4)、状態診断装置5から次の選択指令(復帰指令)があるまでは、繰り返し、データ読出部17の出力を送信する(ステップST5、ステップST6)。
【0033】
状態診断装置5は、センサモジュール3のデータ読出部17の出力である送信データを受信する(ステップST105)。データ読出部17の出力は図3の(A)に示すように連続的なデータであり、データ分析部29、状態変化検出部31、及び、状態判定部33は、受信データに基づく詳細な判定を行う(ステップST106)。同時に、状態診断装置5は図示しない表示装置に診断結果を表示し、また、診断結果をシステム管理者の携帯端末に無線で送信する。
【0034】
システム管理者は、診断結果に基づき、プラント設備の修理や交換の必要性を判断し、適切な処理を行う。処理完了後、システム管理者は、携帯端末から完了通知を通知し、完了通知を受信した状態診断装置5は、復帰指令を出力する(ステップST107)。
【0035】
詳細な判定結果に基づき、状態判定部33が異常がないと判定できる場合には、状態診断装置5が自動的に復帰指令を出力することも可能である。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で変更が可能であるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、センサモジュールの消費電力を低減し、バッテリの寿命を延ばしながら、適切にプラント設備の異常の予兆を検知することが可能なプラント設備診断システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 プラント設備診断システム
3 センサモジュール
5 状態診断装置
7 センサ部
9 センサモジュール本体部
11 状態検知センサ
13 センサ取付ブロック
15 データ記憶部
17 データ読出部
19 データ変換部
21 送信データ選択部
23 無線通信部
25 無線通信部
27 受信データ記憶部
29 データ分析部
31 状態変化検出部
33 状態判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6