特許第6665151号(P6665151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665151
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】清掃用シート
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/34 20060101AFI20200302BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20200302BHJP
   A01N 37/44 20060101ALI20200302BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20200302BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20200302BHJP
   A47L 13/17 20060101ALI20200302BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20200302BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20200302BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20200302BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20200302BHJP
   A61K 31/14 20060101ALI20200302BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20200302BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20200302BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 3/33 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   A01N25/34 A
   A01N33/12 101
   A01N37/44
   A01P1/00
   A01P3/00
   A47L13/17 A
   A61K8/19
   A61K8/41
   A61K8/44
   A61K9/70
   A61K31/14
   A61K47/18
   A61P31/04
   A61P31/12
   C11D1/62
   C11D3/04
   C11D3/26
   C11D3/33
   C11D3/48
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-246789(P2017-246789)
(22)【出願日】2017年12月22日
(65)【公開番号】特開2019-112342(P2019-112342A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2018年1月22日
【審判番号】不服2019-12782(P2019-12782/J1)
【審判請求日】2019年9月26日
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(73)【特許権者】
【識別番号】593085808
【氏名又は名称】ADEKAクリーンエイド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100123009
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 由貴子
(72)【発明者】
【氏名】八戸 敬
(72)【発明者】
【氏名】岡本 翔太朗
【合議体】
【審判長】 久保 竜一
【審判官】 窪田 治彦
【審判官】 長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−531247(JP,A)
【文献】 特開2017−7998(JP,A)
【文献】 特表2005−513074(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0039974(US,A1)
【文献】 特開2012−233058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L13/00-13/62
A01N33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤を0.1質量%以上、20質量%以下、(B)成分として水酸化カリウム、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤を0.01質量%以上、10質量%以下、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが10.5以上、13.5以下であり、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)の値が0.5以上、8以下であり、
前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする清掃用シート。
【請求項2】
(A)成分が、炭素数12から16のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、またはオクチルデシルジメチルアンモニウムクロライドを含むことを特徴とする請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項3】
前記基材シートが、レーヨン、ポリノジック、キュプラより選ばれた少なくとも1種以上の再生繊維を50%以上含み、残りが合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含む請求項1または2のいずれかに記載の清掃用シート。
【請求項4】
(C)成分が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、又はこれらの塩の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の清掃用シート。
【請求項5】
前記水性除菌剤が、さらに(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の清掃用シート。
【請求項6】
前記水性除菌剤が、さらに(F)成分としてモノエタノールアミンを含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の清掃用シート。
【請求項7】
水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分と(F)成分を、質量比で(A)/(F)の値が0.1以上、10以下となる割合で含有することを特徴とする請求項6に記載の清掃用シート。
【請求項8】
基材シートが、再生繊維を50%以上含み、基材シートを構成する繊維100質量部当たり、水性除菌剤が150質量部以上、350質量部以下含浸されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の清掃用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌やカビに対する除菌性、ウイルスの不活化効果だけでなく、高いアルカリ領域においても清拭後の拭き取り痕を軽減でき、抗菌持続性、抗ウイルス持続性、有効除菌剤成分量の低下、基材シートの変色を抑え、薬剤抵抗性が高い芽胞菌にも優れた除菌性を発揮する清掃用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
除菌剤等を含有する水溶液を不織布に含浸させた所謂ウエットシート(清掃用シート)という形態は、簡便で使いやすく、使い捨てできるため、常に清潔なものを使用できることから、家庭用だけではなく、食品工場、厨房、医療施設における環境整備などで使用されている。
【0003】
特許文献1には、ε−ポリリジン及び/またはその塩、pH緩衝能を有する電解質、及びアミノ酸が配合された抗菌剤組成物及びそれを用いた抗菌性シート状物品が開示されている。
【0004】
特許文献2には、水と殺菌防腐剤と水溶性保湿剤と、必要により更に可溶化剤を含む清浄薬剤を含浸させた清拭シートが開示されている。
【0005】
特許文献3には、水性含浸液が剥離性シリコーン皮膜を形成するシリコーンや油性香料を含み、シリコーンや油性香料の一部又は全部が水性エマルジョンとして含有されている水性含浸液が含浸された清掃用水解性ウェットシートが開示されている。
【0006】
また清掃用シートに含浸されている除菌剤として、第四級アンモニウム塩型界面活性剤を含むものが知られており、特許文献4には、ポリアミノプロピルビグアナイドと第四級アンモニウム塩との混合物、安息香酸ナトリウム、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、非イオン界面活性剤及び水を含むpH3.5〜4.5の繊維シート含浸用水溶性組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−67586号公報
【特許文献2】特開2006−230612号公報
【特許文献3】特開2011−30793号公報
【特許文献4】特開2013−151447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1から3に記載されている清掃用シートでは、薬剤抵抗性が高い芽胞菌への除菌性や抗ウイルス持続性が十分ではない。
【0009】
一方、特許文献4に記載されているような第四級アンモニウム塩を含む除菌剤は、除菌効果は優れているが、不織布等の基材シートに含浸されると基材シートの繊維に強く吸着されて有効な除菌剤成分量が低下し、除菌剤の含浸量を多くしないと除菌性や除菌持続性が低下する虞があった。基材シートとして再生繊維、特にレーヨンを含む繊維からなるものを用いると、基材シートが親水性となるため、水を主体とした除菌剤の含浸量を増大させることができるが、レーヨンは除菌剤の有効成分の吸着性が他の繊維に比して高いため、基材シートに含浸された除菌剤中の有効成分量やpHの低下が著しく、基材シートに含浸させる除菌剤量が増大しても除菌性やその持続性を十分に向上させることは困難であり、また基材シートの抗ウイルス性を改善することも困難であった。
また、pHをよりアルカリ性にすることで、除菌性の向上は認められるものの清拭後の拭き取り痕が増えてしまう課題があった。
【0010】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、細菌やカビに対する除菌性、ウイルスの不活化効果だけでなく、高いアルカリ領域においても清拭後の拭き取り痕を軽減でき、抗菌持続性、抗ウイルス持続性を有し、基材シートに含浸させた際の除菌効果やウイルス不活化効果の低下する虞のない清掃用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討した結果、第四級アンモニウム塩型界面活性剤、水酸化カリウム、アミノカルボン酸型キレート剤、水を基材シートに含浸させてなり、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが10.5以上、13.5以下である清掃用シートが、従来の清掃用シートの問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち本発明は、
(1)液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤を0.1質量%以上、20質量%以下、(B)成分として水酸化カリウム、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤を0.01質量%以上、10質量%以下、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが10.5以上、13.5以下であり、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)の値が0.5以上、8以下であり、
前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする清掃用シート、
(2)(A)成分が、炭素数12から16のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、またはオクチルデシルジメチルアンモニウムクロライドを含むことを特徴とする上記(1)の清掃用シート、
(3)前記基材シートが、レーヨン、ポリノジック、キュプラより選ばれた少なくとも1種以上の再生繊維を50%以上含み、残りが合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含む上記(1)又は(2)のいずれかの清掃用シート、
(4)(C)成分が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、又はこれらの塩の少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかの清掃用シート、
(5)前記水性除菌剤が、さらに(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかの清掃用シート、
(6)前記水性除菌剤が、さらに(F)成分としてモノエタノールアミンを含有することを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかの清掃用シート、
(7)水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分と(F)成分を、質量比で(A)/(F)の値が0.1以上、10以下となる割合で含有することを特徴とする上記(6)の清掃用シート、
(8)基材シートが、再生繊維を50%以上含み、基材シートを構成する繊維100質量部当たり、水性除菌剤が150質量部以上、350質量部以下含浸されていることを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかの清掃用シート、
を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の清掃用シートは、細菌、カビ等に対して優れた除菌性を有し、ウイルスへの不活化効果を有し、高いアルカリ領域においても清拭後の拭き取り痕を軽減でき、除菌剤を基材シートに含浸させた際の除菌効果の低下が少なく、抗菌持続性、抗ウイルス持続性等の効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の清掃用シートに含浸される水性除菌剤において、(A)成分の第四級アンモニウム塩型界面活性剤としては、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニウム塩、ジアルキルエチルメチルアンモニウム塩、ジアルキルモノメチルハイドロキシアンモニウム塩、アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルジポリオキシエチレンメチルアンモニウム塩、アルキルジポリオキシエチレンメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩及びベンゼトニウム塩等が挙げられる。ここで、アルキル基としては、炭素数4以上、22以下のアルキル基、好ましくは炭素数6以上、18以下の直鎖アルキル基が挙げられる。具体的には、例えばブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシルが挙げられ、より好ましくはオクチル、デシルである。塩としては塩素イオン、臭素イオン、炭素数1又は2のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1以上、12以下の脂肪酸イオン、炭素数1以上、3以下のアルキル基が1個以上、3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適である。(A)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムアジペート、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムグルコネート、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムスルホネート、1,4−ビス(3,3’−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイド、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)、アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、セチルピリジニウムクロライド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルメチルポリオキシエチレンアンモニウムプロピオネート、およびベンゼトニウムクロライド等が挙げられる。なかでも、除菌性やウイルス不活化効果の点から、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドが好ましく、炭素数12から16のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドがより好ましい。特にジアルキルジメチルアンモニウムクロライドが、除菌性、ウイルス不活性化効果に優れるため好ましい。
【0015】
基材シートに含浸されている水性除菌剤は、(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上、5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上、4質量%以下であることがさらに好ましい。(A)成分の含有量は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤の(A)成分の含有量が0.00045質量%未満であると除菌性が低下する場合があり、20質量%を超えると皮膚を刺激する虞がある。
【0016】
本発明の清掃用シートは、水性除菌剤に、(B)成分として、水酸化カリウムという特定のアルカリと、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤とを併用したことにより、除菌性、ウイルス不活化効果の向上だけでなく、pHが10.5以上、13.5以下という高いアルカリ領域においても清拭後の拭き取り痕を軽減できる。
【0017】
基材シートに含浸されている水性除菌剤は、(B)成分が0.005質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上、5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上、2質量%以下であることがさらに好ましい。(B)成分が0.005質量%未満であると、除菌性、ウイルス不活化効果、抗菌持続性、及び抗ウイルス持続性等の効果が低下する虞があり、10質量%を超えると皮膚刺激性、非清掃素材の腐食、及び不織布の変色に影響する虞がある。(B)成分の含有量は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。また、基材シートに含浸するための水性除菌剤は、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)の値が、0.2以上、10以下であることが好ましく、0.4以上、8以下であることがより好ましく、0.5以上、5以下であることが特に好ましい。(A)/(B)が0.2以上、10以下であると、清拭後の拭き取り痕の軽減性、除菌性、ウイルス不活化及び皮膚への刺激性を抑えることができる。(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)の値は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。
【0018】
水性除菌剤における(C)成分のアミノカルボン酸型キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、β-アラニン二酢酸(ADA)、セリン二酢酸(SDA)や、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。(C)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、洗浄性及び水酸化カリウムとの併用によって清拭後の拭き取り痕を軽減できる効果がより優れている点から、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)又はこれらの塩が好ましい。
【0019】
基材シートに含浸されている水性除菌剤は、(C)成分が0.005質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上、5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上、2質量%以下であることがさらに好ましい。(C)成分が0.005質量%未満では、清拭後の拭き取り痕の軽減性、除菌性、ウイルス不活化効果、抗菌持続性、及び抗ウイルス持続性等が低下する虞があり、10質量%を超えても、それ以上の添加効果が得られない虞がある。(C)成分の含有量は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。
【0020】
水性除菌剤における(D)成分の水としては、特に限定はなく、水道水、井水、イオン交換水、軟水などが挙げられる。(D)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、除菌性、除ウイルス性及び使用感の観点から、イオン交換水又は軟水が好ましい。
【0021】
基材シートに含浸されている水性除菌剤は、溶媒として(D)成分の水を含有し、洗浄剤組成物を構成する前記成分及びその他成分の残部となる。水の含有量は、全組成物中に70質量%以上、99.99質量%以下が好ましい。
【0022】
本発明の清掃用シートは、上記水性除菌剤が、液体の保持が可能な基材シートに含浸されているが、基材シートに含浸されている水性除菌剤は、除菌性及び清拭後の拭き取り痕を軽減できる効果が発揮できるために、pHが10.5以上、13.5以下であることが必要であるが、基材シートに含浸されている水性除菌剤は好ましくはpHが10.8以上、13以下であり、より好ましくはpHが11.0以上、12.8以下であり、特に好ましくはpHが11.2以上、12.6以下である。基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが10.5未満であると細菌やウイルスに対する効果が低下し且つ汚れに対する洗浄性が低下し、13.5を超えると被清拭物を腐食させたり、含浸している不織布の脆化などが生じる。本発明の清掃用シートに含浸される水性除菌剤は、(A)成分としての第四級アンモニウム塩型界面活性剤とともに、(B)成分として水酸化カリウムと、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含むことにより、基材シートに含浸させた際に基材シートの繊維に吸着されて有効成分である第四級アンモニウム塩型界面活性剤の量が低下したり、pHが低下したりする虞が少なく、基材シートにレーヨンを含む場合でも、有効成分量やpHが低下する虞が少ない。
【0023】
本発明の除菌シートにおける基材シートとしては、再生繊維、合成系繊維、天然繊維やこれらの混合繊維よりなる不織布、織布、網布等が挙げられるが、再生繊維を含むものが好ましい。再生繊維としてはレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテートが挙げられるが、不織布の薬剤耐性や薬剤の偏在が少ない観点でレーヨンが好ましい。基材シートに再生繊維を用いると、基材シートが親水性となり水性の除菌剤の含浸量を向上できる。基材シートの再生繊維の割合としては、10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。基材シートは再生繊維を50%以上含み、残りが合成系繊維及び/又は天然繊維からなるものが好ましい。本発明の除菌シートは、基材シートが再生繊維を50%以上含み、基材シートを構成する繊維100質量部当たり、水性除菌剤が150質量部以上、350質量部以下含浸されていることが好ましく、200質量部以上、330質量部以下含浸されていることがより好ましい。
【0024】
本発明の清掃用シートに用いる水性除菌剤には、更に(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた少なくとも1種が含有されていると、洗浄性を向上できるため好ましい。アニオン界面活性剤としては、脂肪酸、アルケニルコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸、アルキロールサルコシン、アルキル又はアルケニル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル、アマイドエーテル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸半エステル、アシルタウリン酸、アルキルモノリン酸エステル、アルキルトリリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ジポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、トリポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、トリポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸やこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル、ポリアルキレングリコールモノアルキル脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールジアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリンモノアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンモノアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックポリマー、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのランダムポリマー、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのランダムポリマー(リバースタイプ)、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック型エチレンジアミン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック型エチレンジアミン(リバースタイプ)、ソルビタンエステル、グリセライド(グリセリン(モノ又はジ)脂肪酸エステル)、ポリグリセリンのアルキル脂肪酸(モノ又はポリ)エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。両性界面活性剤としては、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、スルホベタイン、アルキルアミノ(モノ又はジ)プロピオン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルアミノエチルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、グリシンn−(3−アミノプロピル)C10〜16誘導体、アルキルポリアミノエチルグリシン、アルキルβアラニン、アルキルジエタノールアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ジアミンのオキシエチレン付加型界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。これら(E)成分の水性除菌剤中の割合は、基材シートに含浸されている除菌剤中、0.001質量%以上、5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上、2質量%以下がより好ましい。
【0025】
本発明の清掃用シートに用いる水性除菌剤には、更に(F)成分としてモノエタノールアミンを含有してもよい。モノエタノールアミンを含有すると、高アルカリ領域でも安定したpHを保持(緩衝作用)できるだけでなく、清拭後の拭き取り痕を軽減できる効果を更に向上でき、しかも除菌性、ウイルス不活化効果も向上することができる。
【0026】
(F)成分は、基材シートに含浸されている水性除菌剤中、0.005質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上、5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上、2質量%以下であることがさらに好ましい。(F)成分の水性除菌剤中の割合が0.005質量%未満では、安定したpH保持効果、清拭後の拭き取り痕を軽減効果、除菌性、ウイルス不活化効果の十分な効果が得られない虞があり、10質量%を超えると皮膚刺激性に影響する虞がある。(F)成分の含有量は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。また、基材シートに含浸されている水性除菌剤は、清拭後の拭き取り痕の軽減効果、除菌性、芽胞菌への除菌性、ウイルス不活化効果や不織布の変色防止性の点で(A)成分と(F)成分の質量比(A)/(F)の値が、0.1以上、20以下であることが好ましく、0.3以上、5以下であることがより好ましく、0.5以上、3以下であることが特に好ましい。(A)成分と(F)成分の質量比(A)/(F)の値は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。
【0027】
本発明の清掃用シートに用いる水性除菌剤は、更に当該技術分野で通常使用される成分を含有していてもよい。このような成分としては、例えば、有機溶媒、芳香剤、色素等が挙げられる。これらの水性除菌剤中の割合は0.001質量%以上、10質量%以下が好ましいが、0.05質量%以上、5質量%以下がより好ましい。
【0028】
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。有機溶媒は溶液状態における液安定性の向上の点で、水性除菌剤中に0.001質量%以上、5質量%以下配合することが好ましく、0.01質量%以上、3質量%以下配合することがより好ましい。
【0029】
上記芳香剤としては、従来公知の各種の芳香を有する天然物等に含有されるものを特に制限なく用いることができ、例えば、ペパーミントオイル等の天然物から抽出した天然香料、リモネン等の合成した合成香料、二種以上の公知香料を適宜の割合で混合して得られる香料等が挙げられる。
例えば、天然香料としては、アニス油、バジル油、ベルガモット油、シダー油、クローブ油、コリアンダー油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバヌム油、ゼラニウム油、ジャスミンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ラベンダースパイク油、ネロリ油、オークモスアブソリュート、パチョリ油、ぺチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、タイム油、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、ベチバー油、イランイラン油、ペパーミント油、しょう脳油、芳油、ペリラ油、スペアミント油、スターアニス油、ライム油、オコチア油、テレピン油、ナツメグ油、シトロネラ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、ベイ油、エレミ油、ヒバ油、桧油、グレープフルーツ油、ゆず油等が挙げられる。
【0030】
合成香料としては、炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、ラクトン又はオキシド類、エーテル類、エステル類等が挙げられる。炭化水素類としては、α−ピネン、リモネン、カンフェン、p−シメン、フェンチェン、オシメン及びグアイエン等が挙げられる。アルコール類としては、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、ネロリドール、オイゲノール、α−フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ロジノール、アンブリノール、ミルセノール、テトラヒドロリナロール、ターピネオール、セドロール、1−オクタノール、3−オクタノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、ジヒドロカルベオール、プレノール、エチルリナロール、3−ヘプタノール、ベンジルオイゲノール、2−エチルヘキサノール、3−ヘキセノール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、P−イソプロピルシクロヘキセンメタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、P−イソプロピルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−ヘキセノール、1−ノネン−3−オール、3−メチル−1−ベンタノール、2,6−ジメチル−ヘプタノール及び3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール等が挙げられる。アルデヒド類としては、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリン、トリプラール、2−ドデセナール、2,5,6−トリメチル−4−ヘプタナール、トリメチルウンデセナール、2−デセナール、p−トリルアルデヒド、アセトアルデヒドジエチルアセタール、n−オクタナール、n−デカナール、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、n−ノナナール、ウンデカナール、10−ウンデセナール、フェニルプロピオンアルデヒド、3−ヘキセナール、2−ウンデセナール及びp−メチルヒドラトロパアルデヒド等が挙げられる。ケトン類としては、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン、ジヒドロカルボン及び2−ウンデカノン等が挙げられる。ラクトン又はオキシド類としては、アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール、ジャスミンラクトン、メチルr−デカラクトン、2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン及び5−イソプロペロル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン等が挙げられる。エーテル類としては、1,8−シネオール、ローズオキサイド、セドロールメチルエーテル(セドランバー)、p−クレジルメチルエーテル、イソアミルフェニルエチルエーテル、4−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン、アネトール等が挙げられる。エステル類としては、メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチルα−ブチルブチレート、酢酸デシル及びギ酸プロピル等が挙げられる。
【0031】
上記色素としては、天然系色素、合成系色素、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。天然系色素としては、具体的には、例えば、アカキャベツ色素(紫赤色)、アカダイコン色素(赤橙〜赤紫色)、ムラサキイモ色素(紫赤色)、ビートレッド(赤色)、アルカネット色素(赤〜赤紫色)、コチニール色素(黄橙〜紫色)、ラック色素(赤橙〜紫色)、ベニバナ赤色素(赤色)、アカネ色素(黄橙〜赤紫色)、クチナシ赤色素(赤色)、ベニコウジ色素(赤色)、トウガラシ色素(黄〜赤橙色)、アナトー色素(黄〜赤橙色)、クチナシ黄色素(黄色)、ベニバナ黄色素(黄色)、ウコン色素(黄色)、マリーゴールド色素(黄色)、カラメル色素(暗褐〜黒色)、コウリャン色素(赤褐〜暗褐色)、タマネギ色素(褐色)、シアナット色素(褐色)、ペカンナッツ色素(褐色)、チコリ色素(赤褐〜褐色)、カカオ色素(赤褐〜褐色)、クロロフィル(緑色)、クチナシ青色素(青色)、スピルリナ色素(青色)などを挙げることができる。
合成系色素としては、具体的には、例えば、赤色1号、赤色2号、赤色3号、赤色4号、赤色5号、赤色101号、赤色102号、赤色103号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、橙色1号、橙色2号、黄色1号、黄色2号、黄色3号、黄色4号、黄色5号、緑色1号、緑色2号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫色1号、食用混合色素等を挙げることができる。
【0032】
本発明の清掃用シートは、含浸されている水性除菌剤が強力な除菌性、ウイルス不活化効果を有し、細菌やウイルスに対する除菌・除ウイルス性に優れるため、細菌やウイルスの汚染・混入が問題となる幅広い分野、主に医療分野、食品分野、醸造分野、農業分野など、での除菌・除ウイルスに有用である。特に、医療分野での硬質表面の除菌に好適に用いることができる。
【0033】
本発明の清掃用シートは種々の用途で適用可能であり、例えば、ヒトの皮膚表面を除く表面消毒、機器消毒、またはトイレやベッド周りにおける除菌・除ウイルス用、防カビ用、ウイルス不活化用として好適である。本発明の清掃用シートは、複数枚のシートが積層された形態、長尺なシートをロール状に巻いたり、折り畳んだ形態等に形成することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例、比較例において配合に用いた各成分を下記に示す。なお、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドの略であり、その後の数字はそれぞれEO、POの平均付加モル数を表す。尚、表中における実施例及び比較例における各成分の配合の数値は純分の質量%を表す。また、各成分中のアルキル基の表記は、例えば、アルキル(C12〜16)の場合、炭素数12以上、16以下のアルキル基を有する混合物を表す。
【0035】
(A)成分
A−1:オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド
A−2:ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド
A−3:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド
A−4:アルキル(C12〜16)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド
(A´)成分〔(A)成分の比較成分〕
A´−1:ラウリルアミン
【0036】
(B)成分
B−1:水酸化カリウム
(B´)成分〔(B)成分の比較成分〕
B´−1:水酸化ナトリウム
【0037】
(C)成分
C−1:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(EDTA−4Na)
C−2:ニトリロ三酢酸三ナトリウム塩(NTA−3Na)
C−3:メチルグリシン二酢酸三ナトリウム塩(MGDA−3Na)
C−4:グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩(GLDA−4Na)
【0038】
(D)成分
D−1:イオン交換水
【0039】
(E)成分
E−1:非イオン界面活性剤1[ポリオキシエチレン(EO:6.5モル)アルキル(C9〜11)エーテル]
E−2:非イオン界面活性剤2[ポリオキシエチレン(EO:25モル)アルキル(獣脂脂肪)エーテル]
E−3:オクチルジメチルアミンオキシド
E−4:ドデシルジメチルアミンオキシド
【0040】
(F)成分
F−1:モノエタノールアミン
【0041】
実施例1から64、比較例1から7
表1から表7に示す配合に基づき水性除菌剤を調製した。表に示す再生繊維を含む不織布の基材シートに、基材シート100質量部当たり300質量部となるように各水性除菌剤を24時間含浸させて基材シートに除菌剤を十分に行き渡らせて清掃用シートとした。万力を用いて清掃用シートを10N・cmの力で10分間締め込み、搾出された溶液(以下、搾出液という)のpH、搾出液中の(A)成分量、清掃用シートによる拭き取り痕の軽減性、除菌性、ウイルス不活化、皮膚刺激性、抗菌持続性、抗ウイルス持続性、被清掃素材に対する腐食性の試験、除菌剤による不織布の変色性の試験、洗浄性試験を行った。また、水性除菌剤に対する清掃用シートの使用感の性状を評価した。結果を表1から表7にあわせて示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
搾出液のpHの測定方法
<pHメーターの校正>
pHメーター(HORIBA製;pH/イオンメーター F−23)にpH測定用複合電極(HORIBA製;ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を入れる。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用した。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86標準液(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86、pH9.18、pH4.01の順に校正操作を行った。
<pH測定>
恒温槽内にて25℃の恒温に調整された搾出液100mLにpH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。
【0050】
搾出液中の(A)成分量(陽イオン界面活性剤量)測定方法
搾出液8mLをビーカーにとり、搾出液に0.25MのpH5.7の酢酸ナトリウム緩衝液1mL、6×10-4MのクロムアズロールS溶液1mLを順次加え、磁気攪拌機で攪拌しながら、2.0mol/Lラウリル硫酸ナトリウム水溶液で滴定して搾出液中の(A)成分量を求めた。滴定の終点は、溶液が紫からオレンジに色調変化することを目視によって判定した。
【0051】
※1:清掃用シートによる拭き取り痕の軽減性試験
15cm×15cmのガラス板を用意し、表1から表7に示す各清掃用シートにより、ガラス板表面を上下5回、左右5回清拭を行った。その後、室温にて2時間ガラス板を乾燥させ、ガラス板表面に発生した拭き残り痕について目視によって評価した。
評価基準:
◎:拭き残り痕が全く気にならない。
〇:拭き残り痕がほとんど気にならない。
△:拭き残り痕がやや気になるが、問題ないレベル。
×:拭き残り痕が気になる。
とし、△、〇、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0052】
※2:除菌性試験(芽胞菌)
試験方法:
供試菌株をSCD寒天培地(日水製薬品)に塗抹し、37℃で培養し、培養後、顕微鏡観察にて芽胞が十分に形成されていることを確認した。平板培地上に滅菌済み純水を10mL入れ、コロニーを掻き取り懸濁液を収集した。収集した懸濁液に、10000rpmで、4℃、15分間の条件で遠心洗浄を3回実施し、遠心後、滅菌済み純水を適量加え、2.0×108〜9.0×108CFU/mL程度になるように菌数を調製し、ウォーターバスにて80℃、15分間の加熱処理をして芽胞菌液とした。
各搾出液10mLに、供試芽胞菌液0.1mLを添加し、25℃にて15分間接触させた後、滅菌中和溶液を加えよく攪拌した。
芽胞菌としてBacillus subtilis NBRC3134(108CFU/mLレベル)及びClostridium difficile ATCC9689(108CFU/mLレベル)を用いた。
この1mLをSCD寒天培地で混釈培養し生菌数を確認し、下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:供試菌のlog reductionが3以上の菌数減少
2点:供試菌のlog reductionが2以上、3未満の菌数減少
3点:供試菌のlog reductionが2未満の菌数減少
として上記各菌種について菌数減少を点数で評価し、菌数減少の点数の平均値を求め、以下の基準で除菌性を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
○:平均値が1.5点以上、2.0点未満。
△:平均値が2.0点以上、2.5点未満。
×:平均値が2.5点以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0053】
※3:ウイルス不活化試験
試験方法:
試験管に0.9mLの搾出液と、108TCID50/mLとなるように調整したウイルス液0.1mLを加え、ミキサーで混合し、25℃で10分間作用させた。作用後0.1mLをサンプリングし、9.9mLの作用停止液(2%チオ硫酸ナトリウム、0.2%レシチン及び1.5%ポリソルベート80を含む細胞増殖液)に添加して100倍希釈後、ウイルスに対する水性除菌剤(搾出液)の作用を停止させた。これをウイルス感染価測定用資料原液として感染価の測定に用いた。同様に、搾出液の代わりに、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate bufferred saline、以下、PBSと略すことがある)を用いた試験を実施し、コントロールとした。リン酸緩衝生理食塩水は、塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム1.44g、リン酸二水素カリウム0.24gの4種類の塩を混合し、超純水で900mLに溶解後、塩酸でpHを7.4に調整する。1Lにメスアップ後、オートクレーブにより滅菌する。ウイルスとして、ネコカリシウイルス、マウスノロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アデノウイルス、AIDSウイルス、インフルエンザウイルスを用いた。
ウイルス感染価測定用試料原液をPBSで10倍段階希釈した後、感染価測定用試料原液及び希釈ウイルス液50μLとウシ胎仔血清(FBS)を5%添加したDulbecco‘s modified Eagle’s Medium(DMEM)に懸濁した細胞を96ウェルプレートに植え込んだ。その後、炭酸ガスふ卵器において37℃、5%CO2の条件で4日間培養した。
培養後、倒立顕微鏡下でウイルスの増殖によるCPE(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法を用いてウイルス感染価(TCID50/mL)を求め、下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:ウイルス感染価のLog reductionが5以上の減少
2点:ウイルス感染価のLog reductionが4以上、5未満の減少
3点:ウイルス感染価のLog reductionが3以上、4未満の減少
4点:ウイルス感染価のLog reductionが3未満の減少
として上記各ウイルスについてウイルス感染価の減少を点数で評価し平均値を求め、以下の基準で除ウイルス性を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0054】
※4:皮膚刺激性に関する試験
表1から表7に示す各種清掃用シートを1枚とり出し、1cm四方に切り出し、粘着テープを使用して被験者(無作為に選定した成人)のひじの内側に貼り付け、24時間経過後に剥がした直後に、皮膚の状態を目視で確認して、皮膚刺激性を評価した。
評価基準:
◎:紅斑、浮腫が全く見られない。
〇:紅斑、浮腫がほとんど見られない。
△:やや赤みのある紅斑や軽度の浮腫が見られる。
×:赤みの強い紅斑や重度の浮腫が見られる。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0055】
※5:抗菌持続性試験
20mm×20mmのステンレス板を用意し、表1から表7に示す各清掃用シートで上下5回左右5回清拭を行い、25℃に設定したインキュベーターで所定時間(1時間、12時間、24時間、72時間)静置する。対照として未処理のステンレス板も用意した。所定時間静置した各テストパネルを滅菌したプラスチックボトルに入れ、除菌性試験で調整した各種菌液(細菌:Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、Alcaligenes faecalis、Serratia marcescens、カビ:Aspergillus niger)を0.2mL接種して、パネル表面全体にまんべんなく塗布した。各テストパネルを25℃で2時間自然乾燥後、細菌についてはSCDLP培地20mL、カビについてはGPLP液体培地20mLを加え、ストマッカー袋に入れ、60回手で揉み細菌を洗い出した。洗い出した試験液について、細菌についてはSCD寒天培地、カビについてはPDA培地を用いて培養し、菌数(cfu/mL)を求め、対照と比較して下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:静置時間72時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
2点:静置時間24時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
3点:静置時間12時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
4点:静置時間1時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
として上記抗菌持続性を点数で評価した。
細菌については、抗菌持続性の5種の細菌に対する平均値を求め、以下の基準で抗菌持続性効果を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
またカビについては、抗菌持続性の1種のカビに対する平均値を求め、下記の基準で評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
細菌に対する抗菌持続性、カビに対する抗菌持続性ともに、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0056】
※6:抗ウイルス持続性試験
20mm×20mmのステンレス板を用意し、表1から表7に示す各清掃用シートでステンレス版表面を上下5回、左右5回清拭を行い、25℃に設定したインキュベーターで所定時間(1時間、12時間、24時間、72時間)静置する。対照として未処理のステンレス板も用意した。所定時間静置した各ステンレス板を滅菌したプラスチックボトルに入れ、ウイルス液(ネコカリシウイルス、マウスノロウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス)を0.2mL接種して、パネル表面全体にまんべんなく塗布した。各ステンレス板を25℃で2時間自然乾燥後、SCDLP培地20mLを加え、ストマッカー袋に入れ、60回手で揉みウイルスを洗い出した。洗い出した試験液について、細胞培養用培地で10倍希釈法による希釈系列を作成した後、それぞれのウイルスに対応する宿主細胞(ネコカリシウイルス:Crandekk-Reese feline kidney cell、マウスノロウイルス:Mouse monocyte/macrophage cell line RAW264、アデノウイルス:Hela cell、インフルエンザウイルス:Madin-Darby canine kidney cell)に接種した。
一定時間後にウイルス感染の有無を観察し、ウイルス感染価(TCID50/mL)を求め、対照と比較して下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:静置時間72時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
2点:静置時間24時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
3点:静置時間12時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
4点:静置時間1時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
として上記抗ウイルス持続性を点数で評価し、各ウイルスに対する抗ウイルス持続性の平均値を求め、以下の基準で抗ウイルス持続性効果を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0057】
※7:被清掃素材の腐食性に関する評価試験
試験方法:
表1から表7に示す各清掃用シートの搾出液に対して、3cm×5cmの大きさにカットされたステンレス板(SUS304)1枚を浸漬し、25℃で48時間保管後、各ステンレス板をイオン交換水ですすぎ24時間室温で乾燥した後、腐食度合いを目視で評価した。
評価基準:
◎:変色・さび・劣化などが全く見られない。
○:ほぼ変色・さび・劣化などが見られない。
△:一部に変色・さび・劣化などが見られるが、問題ないレベル。
×:全体に変色・さび・劣化などが見られる。とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0058】
※8:除菌剤による不織布の変色に関する評価試験
試験方法:
表1から表7に示す各清掃用シート(200mm×250mm)を10枚用い、40℃で1週間保存した後、清掃用シートの外観変化を目視によって観察した。
評価基準:
◎:変色や劣化は発生していない。
○:薄い変色や軽微な劣化がほとんど発生していない。
△:濃い変色や強い劣化が若干発生しているが、問題ないレベル。
×:全体的に濃い変色や強い劣化が発生している。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0059】
※9:洗浄性試験
試験方法:
質量を測定したSUS304試験板(15×50mm)に、牛脂:大豆油:クロロホルムを1:1:5で混合した擬似汚れを付着・乾燥させたものを試験片とし、質量を測定した。この試験片を平らな表面に固定し、表1から表7に示す各清掃用シートを50g分取り出し、2回折り畳んだ状態で、試験片の上に置き、さらに質量300gのおもりを乗せた。その状態で清掃用シートを1秒間に1回の間隔で上下に5回動かし清拭した。その後、試験片をイオン交換水ですすぎ、自然乾燥させた後、質量を測定した。洗浄率を清拭前後の試験片の質量変化により下記式より算出し、次の尺度で示した。
(数1)
洗浄率=(S−T)/(S−U)×100
S:清拭前の試験片の質量
T:清拭後の試験片の質量
U:ステンレス板の質量
評価基準:
○:洗浄率70%以上、100%以下
△:洗浄率30%以上、70%未満
×:洗浄率30%未満
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
【0060】
※10:使用感に関する評価試験
試験方法:
表1から表7に示す各清掃用シート(200mm×250mm)を10枚用い、薬液が染み込んだ不織布を1枚取り出し、清浄なステンレス表面を約30センチメートル四方に渡って、上下5回左右5回ふき取りを行い、泡立ちやべたつき水っぽさやごわごわ感・湿り気などの観点から官能試験によって使用感を確認した。また、パネラーは無作為に選定し、それぞれのサンプルにつきn=10とした。評価結果の解析には統計処理を行い、最も評価が多い項目を評価結果として採用した。
評価基準:
○:泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感がなく、適度な湿り気があり使用感が良い。
△:やや泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感がある、もしくは適度な湿り気がない。
×:泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感が非常に強い、もしくはほとんど湿り気がなく使用感が悪い。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。