特許第6669377号(P6669377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星エスディアイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000002
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000003
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000004
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000005
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000006
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000007
  • 特許6669377-可撓性二次電池 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669377
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】可撓性二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20200309BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20200309BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20200309BHJP
【FI】
   H01M2/02 K
   H01M10/04 Z
   !H01M10/0585
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-248257(P2014-248257)
(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公開番号】特開2015-118938(P2015-118938A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2017年9月29日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0156642
(32)【優先日】2013年12月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】徐 ジュン 源
(72)【発明者】
【氏名】李 正 斗
(72)【発明者】
【氏名】孫 主 ヒ
(72)【発明者】
【氏名】宋 ヒュン 和
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−214606(JP,A)
【文献】 特開2003−045378(JP,A)
【文献】 特開2000−173559(JP,A)
【文献】 特開2011−175847(JP,A)
【文献】 特開2011−175848(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/113634(WO,A1)
【文献】 特開2000−223087(JP,A)
【文献】 米国特許第03023259(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02
H01M 10/04
H01M 10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体を密封し、少なくとも1以上の接合部を有する外装材と、を含み、
前記接合部は、前記電極組立体を構成する電極面と重畳する位置から、前記電極組立体の長手方向に延長され、
前記外装材は、前記電極組立体の第1面上に付着された第1密封シート、前記第1面と反対面である前記電極組立体の第2面上に付着された第2密封シート、及び前記電極組立体の1対の側面をそれぞれ覆い包む1対の第3密封シートを含み、
前記接合部は、前記1対の第3密封シートと、前記第1密封シートとのエッジが重畳して接合された第1接合部;及び前記1対の第3密封シートと、前記第2密封シートとのエッジが重畳して接合された第2接合部;を含み、
前記第1密封シート、前記第2密封シート、及び前記1対の第3密封シートは、それぞれ順次に積層された第1絶縁層、金属層及び第2絶縁層を含み、前記第1絶縁層は、ポリプロピレンから形成され、
前記第1接合部において、前記第1密封シートの前記第1絶縁層と、前記第3密封シートの前記第1絶縁層とが接して接合され、
前記第2接合部において、前記第2密封シートの前記第1絶縁層と、前記第3密封シートの前記第1絶縁層とが接して接合され、
前記第1密封シートの前記第1絶縁層は、前記第1面と付着され、
前記第1接合部において、前記第1密封シートの前記第1絶縁層が外部を向くように、前記第1密封シートは、180゜折り込まれた可撓性二次電池。
【請求項2】
前記第1接合部と前記第2接合部は、前記長手方向に沿って、前記可撓性二次電池の一端から他端まで延長され、
前記第1接合部と前記第2接合部は、前記電極組立体を中心に互いに対称であることを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項3】
前記第2密封シートの前記第1絶縁層は、前記第2面と付着され、
前記第2接合部において、前記第2密封シートの前記第1絶縁層が外部を向くように、前記第2密封シートは、180゜折り込まれたことを特徴とする請求項に記載の可撓性
二次電池。
【請求項4】
前記第1密封シートの前記第絶縁層が、前記第1面と付着され、前記第2密封シートの前記第絶縁層が、前記第2面と付着されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性
二次電池。
【請求項5】
前記電極組立体の1対の側面と、前記1対の第3密封シートとの間に離隔空間が形成されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項6】
前記離隔空間に弾性体をさらに含み、
前記第1密封シート及び前記第2密封シートは、それぞれ前記弾性体の第1面及び第2面と付着されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項7】
前記第1接合部と前記第2接合部は、前記弾性体と重畳する位置まで延長されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項8】
前記第1密封シートと、前記第2密封シートは、少なくとも前記可撓性二次電池の一端で互いに接合されたシーリング部を形成し、
前記シーリング部は、前記長手方向と垂直である方向に沿って、形成されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項9】
前記外装材は、前記電極組立体の第1面上に付着された第1密封シートと、前記第1面と反対面である前記電極組立体の第2面上に付着された第2密封シートとを含み、
前記第2密封シートは、前記電極組立体の1対の側面を覆い包むように、前記電極組立体の幅方向に沿って、両側に延長されて曲折された1対の曲折部を含み、
前記接合部は、前記1対の曲折部が、それぞれ前記第1密封シートの両側端と重畳して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項10】
前記接合部は、前記電極組立体の長手方向に沿って、前記可撓性二次電池の一端から他端まで延長されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項11】
前記接合部において、前記第1密封シートと、前記第2密封シートは、同一材質から形成された層同士接合されたことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項12】
前記接合部において、前記第1密封シートは、前記第1面上に付着された前記層が、外部に露出されるように、180゜折り込まれたことを特徴とする請求項11に記載の可撓
性二次電池。
【請求項13】
前記電極組立体の前記1対の側面と、前記1対の曲折部との間に離隔空間を含むことを特徴とする請求項に記載の可撓性二次電池。
【請求項14】
前記離隔空間には、弾性体が位置し、
前記接合部は、前記弾性体と重畳するように延長されたことを特徴とする請求項13に記載の可撓性二次電池。
【請求項15】
前記電極組立体は、正極板、負極板、及びそれらの間に介在されるセパレータを含み、
前記外装材は、前記電極組立体を、時計周り方向または逆時計周り方向に覆い包む密封シートを含み、
前記接合部は、前記密封シートの一端部と他端部とが互いに接合されて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の可撓性二次電池。
【請求項16】
前記密封シートは、可撓性二次電池の一端部及び他端部で重畳されて2層を形成し、前記重畳された2層は、互いに接合されてシーリング部を形成したことを特徴とする請求項
15に記載の可撓性二次電池。
【請求項17】
前記接合部において、前記一端部と前記他端部は、互いに同一材質から形成された層同士当接して接合されたことを特徴とする請求項15に記載の可撓性二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電を繰り返して使用することができる電池であり、経済的であり、環境に優しいので、その使用が奨励されている。一方、最近では、二次電池が使用される電子機器の種類が多様化されており、電子機器のデザインが電子機器の購買を決定する重要な要素になっている。
【0003】
例えば、二次電池を電源供給源として使用する多様なウェアラブル・コンピュータ(wearable computer)技術及びその応用事例が開発及び発表されており、また、携帯電話、ノート型パソコンのような電子機器は、人体工学的な設計のために、所定の曲面を有するデザインに設計されている。
【0004】
このような電子機器を動作させるための二次電池は、二次電池が使用される電子機器の形状によって、曲がるというような変形を介して、二次電池の形状を多様に変化させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2010−0071814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、可撓性を有する二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、電極組立体、及び前記電極組立体を密封し、少なくとも1以上の接合部を有する外装材を含み、前記接合部は、前記電極組立体と重畳する位置から、前記電極組立体の長手方向に延長された可撓性二次電池を開示する。
【0008】
本実施形態において、前記外装材は、前記電極組立体の第1面上に付着された第1密封シート、前記第1面と反対面である前記電極組立体の第2面上に付着された第2密封シート、及び前記電極組立体の1対の側面をそれぞれ覆い包む1対の第3密封シートを含み、前記接合部は、前記1対の第3密封シートと前記第1密封シートとのエッジが重畳して接合された第1接合部、及び前記1対の第3密封シートと前記第2密封シートとのエッジが重畳して接合された第2接合部を含んでもよい。
【0009】
本実施形態において、前記第1接合部と前記第2接合部は、前記長手方向に沿って、前記可撓性二次電池の一端から他端まで延長され、前記第1接合部と前記第2接合部は、前記電極組立体を中心に互いに対称であってもよい。
【0010】
本実施形態において、前記第1密封シート、前記第2密封シート、及び前記1対の第3密封シートは、それぞれ順次に積層された第1絶縁層、金属層及び第2絶縁層を含み、前記第1接合部において、前記第1密封シートの前記第1絶縁層と、前記第3密封シートの前記第1絶縁層とが接して接合され、前記第2接合部において、前記第2密封シートの前記第1絶縁層と、前記第3密封シートの前記第1絶縁層とが接して接合してもよい。
【0011】
本実施形態において、前記第1密封シートの前記第1絶縁層は、前記第1面と付着し、前記第1接合部において、前記第1密封シートの前記第1絶縁層が外部を向くように、前記第1密封シートは、180゜折り込まれてもよい。
本実施形態において、前記第2密封シートの前記第1絶縁層は、前記第2面と付着し、前記第2接合部において、前記第2密封シートの前記第1絶縁層が外部を向くように、前記第2密封シートは、180゜折り込まれてもよい。
【0012】
本実施形態において、前記第1密封シートの前記第3絶縁層が、前記第1面と付着し、前記第2密封シートの前記第3絶縁層が、前記第2面と付着してもよい。
本実施形態において、前記電極組立体の1対の側面と、前記1対の第3密封シートとの間に離隔空間が形成してもよい。
【0013】
本実施形態において、前記離隔空間に弾性体をさらに含み、前記第1密封シート及び前記第2密封シートは、それぞれ前記弾性体の第1面及び第2面と付着してもよい。
本実施形態において、前記第1接合部と前記第2接合部は、前記弾性体と重畳する位置まで延長してもよい。
本実施形態において、前記第1密封シートと前記第2密封シートは、少なくとも前記可撓性二次電池の一端で互いに接合されたシーリング部を形成し、前記シーリング部は、前記第1方向と垂直である第2方向に沿って形成してもよい。
【0014】
本実施形態において、前記外装材は、前記電極組立体の第1面上に付着された第1密封シートと、前記第1面と反対面である前記電極組立体の第2面上に付着された第2密封シートとを含み、前記第2密封シートは、前記電極組立体の1対の側面を覆い包むように、前記電極組立体の幅方向に沿って両側に延長されて曲折された1対の曲折部を含み、前記接合部は、前記1対の曲折部がそれぞれ前記第1密封シートの両側端と重畳して形成してもよい。
【0015】
本実施形態において、前記接合部は、前記電極組立体の長手方向に沿って、前記可撓性二次電池の一端から他端まで延長してもよい。
本実施形態において、前記接合部において、前記第1密封シートと、前記第2密封シートは、同一材質から形成された層同士接合してもよい。
本実施形態において、前記接合部において前記第1密封シートは、前記第1面上に付着された前記層が外部に露出されるように180゜折り込まれてもよい。
【0016】
本実施形態において、前記電極組立体の前記1対の側面と、前記1対の曲折部との間に離隔空間を含んでもよい。
本実施形態において、前記離隔空間には弾性体が位置し、前記接合部は、前記弾性体と重畳するように延長してもよい。
【0017】
本実施形態において、前記電極組立体は、正極板、陰極板、及びそれらの間に介在されるセパレーターを含み、前記外装材は、前記電極組立体を、時計周り方向または逆時計周り方向に覆い包む密封シートを含み、前記接合部は、前記密封シートの一端部と他端部とが互いに接合されて形成してもよい。
【0018】
本実施形態において、前記密封シートは、可撓性二次電池の一端部及び他端部で重畳されて2層を形成し、前記重畳された2層は、互いに接合されてシーリング部を形成することができる。
本実施形態において、前記接合部において、前記一端部と前記他端部は、互いに同一材質から形成された層同士当接して接合してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態に係わる可撓性二次電池は、反復的な曲がり運動または反り運動においても、安定性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による可撓性二次電池を概略的に図示した部分切開斜視図である。
図2図1のI−I断面を概略的に図示した断面図である。
図3図1の可撓性二次電池の変形例を概略的に図示した断面図である。
図4図1の可撓性二次電池の他の変形例を概略的に図示した断面図である。
図5】本発明の他の実施形態による可撓性二次電池を概略的に図示した部分切開斜視図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態による可撓性二次電池を概略的に図示した部分切開斜視図である。
図7図6のII−II断面を概略的に図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明でもって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で具現される。
【0022】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明し、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それに係わる重複説明は省略する。
【0023】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用る。
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0024】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
以下の実施形態において、構成要素などの部分が、他の部分の上にまたは上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に構成要素などが介在されている場合も含む。
【0025】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されていたり、あるいは縮小されていたりすることがある。例えば、図面で示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による可撓性二次電池を概略的に図示した部分切開斜視図であり、図2は、図1のI−I断面を概略的に図示した断面図である。
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施形態による可撓性二次電池100は、電極組立体110と、電極組立体110を密封し、少なくとも1以上の接合部P1,P2を有する外装材(120A,120B,130)を含んでもよい。一例として、外装材(120A,120B,130)は、電極組立体110の第1面上に付着された第1密封シート120A、第1面と反対面である電極組立体110の第2面上に付着された第2密封シート120B、及び電極組立体110の1対の側面をそれぞれ覆い包む1対の第3密封シート130を含んでもよい。
【0027】
電極組立体110は、正極板、負極板、及びそれらの間に介在されるセパレータを含んでもよい。例えば、電極組立体110は、正極板、セパレータ及び負極板が順次に積層されて形成してもよい。
正極板は、正極活物質が塗布された正極活物質部と、正極活物質が塗布されていない正極無地部とを含んでもよい。正極活物質部は、例えば、アルミニウム板の少なくともいずれか1面の一部に、正極活物質を塗布して形成し、正極活物質が塗布されていないアルミニウム板の残りの部分が、正極無地部になってもよい。正極活物質は、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMnOのようなリチウム含有遷移金属酸化物またはリチウムカルコゲナイド化合物であってもよい。
【0028】
負極板は、負極活物質が塗布された負極活物質部と、負極活物質が塗布されていない負極無地部とを含んでもよい。負極活物質部は、例えば、銅板の少なくともいずれか1面の一部に負極活物質を塗布して形成し、負極活物質が塗布されていない銅板の残りの部分が負極無地部になってもよい。負極活物質は、結晶質炭素、非晶質炭素、炭素複合体、炭素ファイバのような炭素材料;リチウム金属またはリチウム合金;などであってもよい。
【0029】
セパレータは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、及びポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)との共重合体からなる群のうちから選択されるいずれか1つの基材に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体をコーティングすることによって製造されるが、それに限定されるものではない。
【0030】
電極組立体110には、第1電極タブ112と、第2電極タブ114とが電気的に連結してもよい。具体的には、正極無地部及び負極無地部には、それぞれ集電体116が付着され、集電体116は、第1電極タブ112または第2電極タブ114と連結してもよい。第1電極タブ112及び第2電極タブ114は、第1密封シート120Aと、第2密封シート120Bとが接合されたシーリング部115を貫通して外部に露出され、第1電極タブ112と、第2電極タブ114とを介して、電極組立体110は、充放電される。
【0031】
第1密封シート120Aは、電極組立体110の第1面上に付着され、外部の水分または酸素などの浸透を遮断することができる。第1密封シート120Aは、順次に積層された第1絶縁層122、金属層124及び第2絶縁層126を含んでもよい。
【0032】
第1絶縁層122及び第2絶縁層126は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどから形成され、金属層124は、アルミニウム、スチール、ステンレススチールなどから形成してもよいが、それらに限定されるものではない。例えば、第1密封シート120Aは、ポリプロピレン(PP)から形成された第1絶縁層122、アルミニウムから形成された金属層124、及びポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された第2絶縁層126の3層構造からなってもよい。
【0033】
第2密封シート120Bは、第1密封シート120Aと同一構成を有し、電極組立体110の第1面と反対面である電極組立体110の第2面上に付着され、外部の水分または酸素などの浸透を遮断することができる。
第1密封シート120Aと第2密封シート120Bは、少なくとも可撓性二次電池100の一端部で互いに接合され、シーリング部115を形成することができる。シーリング部115は、後述する第1接合部P1と第2接合部P2との形成方向である第1方向と垂直である第2方向に沿って形成してもよい。ここで、第2方向は、電極組立体110の幅方向を意味する。
【0034】
また、第1密封シート120Aと、第2密封シート120Bは、可撓性二次電池100の一端部と反対側に位置した可撓性二次電池100の他端部でも、互いに接合される。それとは異なり、第1密封シート120Aと、第2密封シート120Bは、一体的または連続的に形成され、前記他端部において、第1密封シート120Aが第2密封シート120Bの上部に位置するように折り込まれる構造に形成してもよい。
【0035】
1対の第3密封シート130は、電極組立体110の第1面と第2面とを繋ぎ、互いに反対側に位置した電極組立体110の1対の側面をそれぞれ覆い包むことができる。具体的には、1対の第3密封シート130それぞれは、第1密封シート120Aのエッジと重畳して接合された第1接合部P1、及び第2密封シート120Bのエッジと重畳して接合された第2接合部P2を形成することができる。それにより、1対の第3密封シート130は、第1密封シート120A及び第2密封シート120Bと共に電極組立体110を密封し、内部に電解質を収容することができる。
【0036】
第3密封シート130は、順次に積層された第1絶縁層132、金属層134及び第2絶縁層136を含んでもよい。例えば、第3密封シート130は、ポリプロピレン(PP)から形成された第1絶縁層132、アルミニウムから形成された金属層134、及びポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された第2絶縁層136の3層構造からなってもよい。すなわち、第3密封シート130は、第1密封シート120A及び第2密封シート120Bと同一構成を有することができる。
【0037】
一方、第1接合部P1及び第2接合部P2において、第3密封シート130、並びに第1密封シート120A及び第2密封シート120Bは、互いに同一材質から形成された層同士当接して接合してもよい。例えば、第1接合部P1は、第1密封シート120Aの第1絶縁層122と、第3密封シート130の第1絶縁層132とが接合されて形成してもよい。
【0038】
一例として、図2に図示されているように、第1密封シート120Aの第1絶縁層122が、電極組立体110の第1面上に付着されるとき、第1密封シート120Aは、第1接合部P1において、第1絶縁層122が外部を向くように180゜折り込まれる。すなわち、第1接合部P1において、第1密封シート120Aの第1絶縁層122と、第3密封シート130の第1絶縁層132とが当接して接合してもよい。
【0039】
第1密封シート120Aの第1絶縁層122と、第3密封シート130の第1絶縁層132は、いずれもポリプロピレン(PP)から形成してもよいが、そのように、同一材質同士接合される場合は、接合力にすぐれるだけではなく、熱膨脹係数が同一であるので、接合された界面において、熱膨脹などによる分離現象などの発生を効果的に防止することができる。
【0040】
それと同様に、第2密封シート120Bの第1絶縁層122が、電極組立体110の第2面と付着するとき、第2接合部P2としては、第2密封シート120Bの第1絶縁層122が外部を向くように、第2密封シート120Bが180゜折り込まれ、露出された第1絶縁層122には、第3密封シート130の第1絶縁層132を接合してもよい。
【0041】
第1接合部P1と第2接合部P2は、第1方向に沿って、可撓性二次電池100の一端から他端まで延長されて形成されることにより、効果的に、可撓性二次電池100を密封することができる。ここで、第1方向は、可撓性二次電池100の長手方向を意味し、また、可撓性二次電池100の曲がり方向と垂直である方向を意味する。可撓性二次電池100は、可撓性二次電池100の厚み方向、すなわち、前記第1方向、及び可撓性二次電池100の幅方向を意味する第2方向と垂直である方向に、曲がり運動または反り運動が可能である。
【0042】
第1接合部P1と第2接合部P2は、電極組立体110と重畳する位置に形成してもよい。例えば、第1接合部P1は、電極組立体110の第1面上に位置し、第2接合部P2は、電極組立体110の第2面上に位置することが可能である。また、第1接合部P1と第2接合部P2は、電極組立体110を中心に互いに対称であってもよい。そのように、第1接合部P1及び第2接合部P2が電極組立体110と重畳する位置に形成されれば、可撓性二次電池100が第1方向と垂直である方向に、曲がり運動または反り運動を行っても、第1接合部P1及び第2接合部P2への応力集中を緩和し、可撓性二次電池100の安定性を維持することが可能である。
【0043】
また、第1接合部P1及び第2接合部P2が、電極組立体110と重畳するように形成されることにより、第1密封シート120Aと、第2密封シート120Bとが電極組立体110の両側部から外部に長く延長された状態で接合される場合より、可撓性二次電池100の大きさを小さくすることが可能である。
【0044】
一方、電極組立体110の1対の側面と、1対の第3密封シート130との間には、離隔空間140を形成してもよい。離隔空間140は、可撓性二次電池100が曲がり運動を行うとき、バッファの役割を行うことができ、また、可撓性二次電池100の曲がり運動時、電極組立体110に含まれた多数層のスリップに、必要な空間を提供することが可能である。
【0045】
図3は、図1の可撓性二次電池の変形例を概略的に図示した断面図である。図3は、説明の便宜上、図2のような断面を図示している。
図3を参照すれば、可撓性二次電池200は、電極組立体210、電極組立体210の第1面上に付着された第1密封シート220A、電極組立体210の第2面上に付着された第2密封シート220B、及び電極組立体210の1対の側面をそれぞれ覆い包む1対の第3密封シート230を含んでもよい。
【0046】
電極組立体210、第1密封シート220A、第2密封シート220B及び第3密封シート230は、図1及び図2で図示して説明した電極組立体110、第1密封シート120A、第2密封シート120B及び第3密封シート130とそれぞれ同一であるので、反復して説明しない。
【0047】
第1密封シート220Aと、第2密封シート220Bは、それぞれ順次に積層された第1絶縁層222、金属層224及び第2絶縁層226を含み、第3密封シート230も、順次に積層された第1絶縁層232、金属層234及び第2絶縁層236を含む。また、第3密封シート230の第1絶縁層232、金属層234及び第2絶縁層236は、第1密封シート220Aと、第2密封シート220Bとの第1絶縁層222、金属層224及び第2絶縁層226と同一材質から形成してもよい。
【0048】
1対の第3密封シート230それぞれは、第1密封シート220Aのエッジと重畳して接合された第1接合部P1、及び第2密封シート220Bのエッジと重畳して接合された第2接合部P2を形成することが可能である。
【0049】
第1接合部P1及び第2接合部P2は、電極組立体210と重畳する位置に形成してもよい。従って、可撓性二次電池200が、反復的な曲がり運動または反り運動を行っても、第1接合部P1及び第2接合部P2への応力集中現象を緩和することができるので、可撓性二次電池100の安定性を維持することが可能である。
【0050】
また、第1接合部P1及び第2接合部P2において、第3密封シート230、並びに第1密封シート220A及び第2密封シート220Bは、互いに同一材質から形成された層同士当接して接合してもよい。
【0051】
一例として、第1密封シート220Aと、第2密封シート220Bは、それぞれ第1絶縁層222が外部を向くように、第3絶縁層226が電極組立体210と付着してもよい。また、第1接合部P1及び第2接合部P2の形成方向である第1方向と垂直である第2方向に沿った電極組立体210、第1密封シート220A及び第2密封シート220Bの幅が同一であってもよい。従って、さらに単純な工程により、第1密封シート220Aと、第2密封シート220Bとの第1絶縁層222と;第3密封シート230の第1絶縁層232と;を互いに接合してもよい。
【0052】
また、電極組立体210の1対の側面と、1対の第3密封シート230との間には、離隔空間240が形成されることにより、可撓性二次電池100が曲がり運動を行うとき、電極組立体210に含まれた多数層のスリップに、必要な空間を提供することが可能である。
【0053】
図4は、図1の可撓性二次電池の他の変形例を概略的に図示した断面図である。図4は、説明の便宜上、図2のような断面を図示している。
図4を参照すれば、可撓性二次電池300は、電極組立体310、電極組立体310の第1面上に付着された第1密封シート320A、電極組立体310の第2面上に付着された第2密封シート320B、及び電極組立体310の1対の側面をそれぞれ覆い包む1対の第3密封シート330を含んでもよい。
【0054】
1対の第3密封シート330それぞれは、第1密封シート320Aのエッジと重畳して接合された第1接合部P1、及び第2密封シート320Bのエッジと重畳して接合された第2接合部P2を形成することができ、第1接合部P1及び第2接合部P2において、第3密封シート330、並びに第1密封シート320A及び第2密封シート320Bは、互いに同一材質から形成された層同士当接して接合してもよい。
【0055】
また、電極組立体310の1対の側面と、1対の第3密封シート330との間には、弾性体350が位置することが可能である。弾性体350は、可撓性二次電池300内部に収容された電解質と化学的反応を起こさず、柔軟性を有する材質から形成してもよい。例えば、弾性体350は、シリコン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィンなどから形成してもよいが、それらに限定されるものではない。
【0056】
一方、第1密封シート320Aと、第2密封シート320Bは、弾性体350と重畳する位置まで延長されて形成され、それぞれ弾性体350の第1面及び第2面と付着してもよい。その結果、第1接合部P1及び第2接合部P2は、電極組立体310と重畳する位置から、弾性体350と重畳する位置まで延長して形成してもよい。
【0057】
そのように、第1接合部P1及び第2接合部P2が、電極組立体310だけではなく、柔軟性を有する弾性体350の第1面及び第2面の上にも形成されれば、可撓性二次電池300が、反復的な曲がり運動または反り運動を行うとき、発生した応力を等しく分散させることができるので、第1接合部P1及び第2接合部P2への応力集中を効果的に緩和し、可撓性二次電池300の安定性を維持することが可能である。
【0058】
また、弾性体350は、電極組立体310と離隔されて位置することにより、可撓性二次電池300が曲がり運動を行うとき、電極組立体310に含まれた多数層のスリップに、必要な空間を提供することが可能である。
図5は、本発明の他の実施形態による可撓性二次電池の断面を概略的に図示した断面図である。図5は、説明の便宜上、図2のような断面を図示している。
【0059】
図5を参照すれば、可撓性二次電池500は、電極組立体510、及び電極組立体510を密封し、少なくとも1以上の接合部Pを有する外装材(520A,520B)を含んでもよい。一例として、外装材(520A,520B)は、電極組立体510の第1面上に付着された第1密封シート520A、電極組立体510の第2面上に付着された第2密封シート520Bを含んでもよい。
【0060】
電極組立体510及び第1密封シート520Aは、図1及び図2で図示して説明した 電極組立体110及び第1密封シート120Aと同一であるので、反復して説明しない。
【0061】
第2密封シート520Bは、第2方向、すなわち、電極組立体510の幅方向に沿って、両側に延長されて形成され、延長された第2密封シート520Bは、電極組立体510の1対の側面を覆い包むように曲折され、1対の曲折部530を形成することが可能である。そのとき、1対の曲折部530は、電極組立体510の側面から一定距離離隔されて形成され、それにより、1対の曲折部530と、電極組立体510の側面との間には、離隔空間540を形成してもよい。
【0062】
1対の曲折部530は、第1密封シート520Aの両側端と重畳して接合されることにより、1対の接合部Pを形成することが可能である。すなわち、図5の可撓性二次電池500は、図1及び図2の可撓性二次電池100において、1対の第3密封シート130が、第2密封シート120Bと連続的に形成されたものであると見ることができる。
【0063】
接合部Pは、電極組立体510と重畳する位置に形成され、電極組立体510の長手方向に沿って、延長されて形成してもよい。従って、可撓性二次電池500が、反復的な曲がり運動または反り運動を行っても、可撓性二次電池100の安定性を維持することが可能である。
【0064】
また、第1密封シート520Aと、第2密封シート520Bは、例えば、ポリプロピレン(PP)から形成された第1絶縁層、アルミニウムから形成された金属層、及びポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された第2絶縁層の3層構造からなってもよいが、前記接合部Pにおいて、第1密封シート520Aと、第2密封シート520Bは、互いに同一材質から形成された層同士接合してもよい。例えば、第1密封シート520Aの第1絶縁層は、第2密封シート520Bの第1絶縁層と接合してもよい。
【0065】
一例として、第1密封シート520Aの第1絶縁層が、電極組立体510の第1面上に付着されるとき、第1密封シート520Aは、接合部Pにおいて、第1絶縁層が外部を向くように180゜折り込まれてもよい。従って、同一材質から形成された層同士接合された第1密封シート520Aと、第2密封シート520Bは、優秀な接合力を有することが可能である。ただし、本発明はそれに限られるものではなく、図3のように、第1密封シート520Aが折り込まれていない状態で、第2密封シート520Bと同一層同士接合してもよい。
【0066】
また、離隔空間530には、図4のように、弾性体350がさらに含まれてもよく、そのとき、接合部Pは、弾性体350と重畳するように延長して形成してもよい。
図6は、本発明のさらに他の実施形態による可撓性二次電池を概略的に図示した部分切開斜視図であり、図7は、図6のII−II断面を概略的に図示した断面図である。
図6及び図7を参照すれば、可撓性二次電池600は、電極組立体610、及び電極組立体610を密封する外装材である密封シート620を含んでもよい。
【0067】
電極組立体610は、正極板、負極板、及びそれらの間に介在されるセパレータを含んでもよく、正極板及び負極板には、それぞれ集電体616を形成してもよい。正極板及び負極板にそれぞれ形成された集電体616は、第1電極タブ612または第2電極タブ614と連結してもよい。
【0068】
密封シート620は、例えば、ポリプロピレン(PP)から形成された第1絶縁層、アルミニウムから形成された金属層、及びポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された第2絶縁層の3層構造からなってもよい。
密封シート620は、時計周り方向または逆時計周り方向に、電極組立体610を覆い包み、密封シート620の一端部622と他端部624が重畳されて接合されることにより、電極組立体610を密封させることが可能である。
【0069】
さらに具体的には、密封シート620は、電極組立体610の第1面上に付着された状態で、電極組立体610の一側面を覆い包んだ後、電極組立体610の第2面上に付着され、さらに電極組立体610の他の1つの側面を覆い包んだ後、一端部622と他端部624とを互いに接合してもよい。
【0070】
一端部622と他端部624は、互いに接合されて接合部Pを形成し、接合部Pは、電極組立体610と重畳する位置、例えば、電極組立体610の第1面上に形成してもよい。また、接合部Pは、電極組立体610の長手方向である第1方向に沿って、延長してもよい。従って、可撓性二次電池600が、反復的な曲がり運動または反り運動を行っても、接合部Pに加えられる応力が緩和されるので、可撓性二次電池600の安定性を維持することが可能である。
【0071】
また、接合部Pにおいて、一端部622及び他端部624は、互いに同一層同士当接して接合してもよい。そのために、一端部622は、接合部Pにおいて、電極組立体610の第1面と付着された面が外部を向くように、180゜折り込まれてもよい。
【0072】
一方、電極組立体610を覆い包んだ密封シート620は、可撓性二次電池600の長手方向に沿った可撓性二次電池600の一端部及び他端部で重畳されて2層を形成し、前記重畳された2層は、可撓性二次電池600の密封のために、互いに接合されてシーリング部615を形成することが可能である。
【0073】
また、密封シート620と、電極組立体610の1対の側面との間は、一定距離離隔され、離隔空間640を形成することが可能である。離隔空間640は、可撓性二次電池600が曲がり運動を行うとき、バッファの役割を行うことができ、また、可撓性二次電池600の曲がり運動時、電極組立体610に含まれた多数層のスリップに、必要な空間を提供することが可能である。
【0074】
以上のように、本発明は、図面に図示された一実施形態を参照にして説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当分野で当業者であるならば、それらから多様な変形及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の可撓性二次電池は、例えば、ウェラブルコンピュータ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
100,200,300,500,600 可撓性二次電池
110,210,310,510,610 電極組立体
112,612 第1電極タブ
114,614 第2電極タブ
115,615 シーリング部
116 集電体
120A,220A,320A,520A 第1密封シート
122,222 第1密封シート及び第2密封シートの第1絶縁層
124,224 第1密封シート及び第2密封シートの金属層
126,226 第1密封シート及び第2密封シートの第2絶縁層
120B,220B,320B,520B 第2密封シート
130,230,330 第3密封シート
132,232 第3密封シートの第1絶縁層
134,234 第3密封シートの金属層
136,236 第3密封シートの第2絶縁層
140,240,540,640 離隔空間
620 密封シート
350 弾性体
530 曲折部
622 接合部の一端部
624 接合部の他端部
P 接合部
P1 第1接合部
P2 第2接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7