【実施例】
【0093】
以下、製造例および試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
【0094】
〔製造例1〕シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物の製造
乾燥したシロキクラゲ(9g)に水(300mL)を加え、還流冷却器を用いて、80〜90℃にて2時間抽出を行った後、滅菌処理を行い、シロキクラゲ抽出液を得た(300g)。
【0095】
得られたシロキクラゲ抽出液(100g)にラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)22A−3株(受託番号:FERM P−21411)を植菌し、30℃で24時間発酵させた。得られた発酵液を濾過し、濾液を濃縮乾固することにより、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(1.6g,試料1)を得た。
【0096】
〔製造例2〕シロキクラゲ抽出酵母発酵物の製造
製造例1の過程で得られたシロキクラゲ抽出液を用い、当該シロキクラゲ抽出液(100g)に発酵用酵母(サッカロミセス・ヴェローナ,秋田今野商店社製)を植菌し、30℃で24時間発酵させた。得られた発酵液を濾過し、濾液を濃縮乾固することにより、シロキクラゲ抽出酵母発酵物(1.5g,試料2)を得た。
【0097】
〔試験例1〕ヒアルロニダーゼ活性阻害作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてヒアルロニダーゼ活性阻害作用を試験した。
【0098】
0.1mol/L酢酸緩衝液(pH3.5)に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表1を参照)0.2mLに、ヒアルロニダーゼ溶液(SIGMA社製,Type IV-S,from bovine testes,400 NF units/mL)0.1mLを加え、37℃で20分間静置した。さらに、活性化剤として2.5mmol/L塩化カルシウム0.2mLを加え、37℃で20分間静置した。これに0.8mg/mLヒアルロン酸ナトリウム溶液(from rooster comb)0.5mLを加え、37℃で40分間反応した。その後、0.4mol/L水酸化ナトリウム0.2mLを加えて反応を止め冷却した後、各反応溶液にホウ酸溶液0.2mLを加え、3分間煮沸した。氷冷後、p−DABA試薬6mLを加え、37℃で20分間反応した。その後、波長585nmにおける吸光度を測定した。
【0099】
また、ブランクとして、酵素溶液を添加しない場合についても同様の操作および吸光度の測定を行った。さらに、コントロールとして、試料を添加しない0.1mol/L酢酸緩衝液(pH3.5)を用いて同様の操作および測定を行った。
得られた結果から、下記式によりヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)を算出した。
ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加・酵素添加での波長585nmにおける吸光度
B:被験試料添加・酵素無添加での波長585nmにおける吸光度
C:試料無添加・酵素添加での波長585nmにおける吸光度
D:試料無添加・酵素無添加での波長585nmにおける吸光度
結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
表1に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有することが確認された。
【0102】
〔試験例2〕腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてTNF−α産生抑制作用を試験した。
【0103】
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した細胞を1.0×10
6cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、4時間培養した。
【0104】
培養終了後、培地を除去し、終濃度0.5%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地で溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表2を参照)を各ウェルに100μL添加し、終濃度1μg/mLで10%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS)(DIFCO社製,E.coli 0111;B4)を100μL加え、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の終濃度0.5%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地等を用いて同様の操作を行った。培養終了後、各ウェルの培養上清中のTNF−α量を、サンドイッチELISA法を用いて測定した。得られた結果から、下記式によりTNF−α産生抑制率(%)を算出した。
【0105】
TNF−α産生抑制率(%)={(B−A)/B}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのTNF−α量
B:試料無添加でのTNF−α量
結果を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
表2に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたTNF−α産生抑制作用を有することが確認された。
【0108】
〔試験例3〕エラスチン産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてエラスチン産生促進作用を試験した。
【0109】
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.2×10
5cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。
【0110】
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表3を参照)を各ウェルに150μL添加し、5日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、上清を回収し、培養上清に遊離したエラスチン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりエラスチン産生促進率(%)を算出した。
【0111】
エラスチン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのエラスチン量
B:試料無添加でのエラスチン量
結果を表3に示す。
【0112】
【表3】
【0113】
表3に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたエラスチン産生促進作用を有することが確認された。
【0114】
〔試験例4〕表皮ヒアルロン酸産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにして表皮ヒアルロン酸産生促進作用を試験した。
【0115】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10
5cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、24時間培養した。
【0116】
培養終了後、培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表4を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、7日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のヒアルロン酸量を、ヒアルロン酸結合タンパク(HABP)を用いたサンドイッチ法により測定した。測定結果から、下記式により表皮ヒアルロン酸産生促進率(%)を算出した。
【0117】
表皮ヒアルロン酸産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのヒアルロン酸量
B:試料無添加でのヒアルロン酸量
結果を表4に示す。
【0118】
【表4】
【0119】
表4に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れた表皮ヒアルロン酸産生促進作用を有していると認められた。
【0120】
〔試験例5〕IV型コラーゲン産生促進作用試験
製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてIV型コラーゲン産生促進作用を試験した。
【0121】
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×10
5cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
【0122】
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表5を参照)を各ウェルに150μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のIV型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりIV型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
【0123】
IV型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのIV型コラーゲン量
B:試料無添加でのIV型コラーゲン量
結果を表5に示す。
【0124】
【表5】
【0125】
表5に示すように、シロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、優れたIV型コラーゲン産生促進作用を有していた。
【0126】
〔試験例6〕表皮角化細胞増殖促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにして表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。
【0127】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を3.0×10
4cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表6を参照)を各ウェルに100μL添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKMG培地を用いて同様に培養した。
【0128】
表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。すなわち、3日間培養後、培地を除去し、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)緩衝液に溶解したMTTを各ウェル100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。得られた結果から、下記式により表皮角化細胞増殖促進率(%)を算出した。
【0129】
表皮角化細胞増殖促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
B:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表6に示す。
【0130】
【表6】
【0131】
表6に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有することが確認された。
【0132】
〔試験例7〕トランスグルタミナーゼ−1(TG−1)産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにTG−1産生促進作用を試験した。
【0133】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10
5cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、2日間培養した。
【0134】
培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表7を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、培地を除去し、細胞をプレートに固定させ、細胞表面に発現したトランスグルタミナーゼ−1の量を、モノクローナル抗ヒトトランスグルタミナーゼ−1抗体(Biomedical Technologies Inc.社製)を用いたELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりトランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)を算出した。
【0135】
トランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのトランスグルタミナーゼ−1量
B:試料無添加でのトランスグルタミナーゼ−1量
結果を表7に示す。
【0136】
【表7】
【0137】
表7に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたTG−1産生促進作用を有していると認められた。
【0138】
〔試験例8〕プロフィラグリンmRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてプロフィラグリンmRNA発現促進作用を試験した。
【0139】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10
4cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10
4cells/シャーレ)、一晩培養した。
【0140】
培養後に培地を除去し、正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表8を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%CO
2の条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0141】
この総RNAを鋳型とし、プロフィラグリンおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。プロフィラグリンmRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりプロフィラグリンmRNA発現促進率(%)を算出した。
【0142】
プロフィラグリンmRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表8に示す。
【0143】
【表8】
【0144】
表8に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたプロフィラグリンmRNA発現促進作用を有していた。
【0145】
〔試験例9〕セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてSPTmRNA発現促進作用を試験した。
【0146】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10
4cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10
4cells/シャーレ)、37℃・5%CO
2の条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
【0147】
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表9を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO
2の条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0148】
この総RNAを鋳型とし、SPTおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用い、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。SPTの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりSPTmRNA発現促進率(%)を算出した。
【0149】
SPT mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表9に示す。
【0150】
【表9】
【0151】
表9に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたSPTmRNA発現促進作用を有することが確認された。
【0152】
〔試験例10〕アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてAQP3mRNA発現促進作用を試験した。
【0153】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10
4cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10
4cells/シャーレ)、37℃・5%CO
2の条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
【0154】
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表10を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%CO
2の条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0155】
この総RNAを鋳型とし、AQP3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。AQP3mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりAQP3mRNA発現促進率(%)を算出した。
【0156】
AQP3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表10に示す。
【0157】
【表10】
【0158】
表10に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたAQP3mRNA発現促進作用を有することが確認された。
【0159】
〔試験例11〕ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてHAS3mRNA発現促進作用を試験した。
【0160】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10
4cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10
4cells/シャーレ)、37℃・5%CO
2の条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
【0161】
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表11を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%CO
2の条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0162】
この総RNAを鋳型とし、HAS3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。HAS3mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりHAS3mRNA発現促進率(%)を算出した。
【0163】
HAS3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表11に示す。
【0164】
【表11】
【0165】
表11に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたHAS3mRNA発現促進作用を有していた。
【0166】
〔試験例12〕グルタチオン産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてB16メラノーマ細胞に対するグルタチオン産生促進作用を試験した。
【0167】
B16メラノーマ細胞を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて前培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を10×10
4cells/mLの細胞密度になるように10%FBS含有ダルベッコMEM培地で希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。
【0168】
培養後、培地を除去し、1%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表12を参照)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の1%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、400μLのPBS(−)緩衝液にて洗浄後、150μLのM−PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
【0169】
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに溶解した細胞抽出液100μL、0.1mmol/Lリン酸緩衝液50μL、2mmol/L NADPH25μL及びグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え37℃で10分間加温した後、10mMの5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を使用して作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
【0170】
グルタチオン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料を添加した細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量
B:試料無添加の細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量(対照)
結果を表12に示す。
【0171】
【表12】
【0172】
表12に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれもB16メラノーマ細胞に対して優れたグルタチオン産生促進作用を有することが確認された。
【0173】
〔試験例13〕毛乳頭細胞増殖促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにして毛乳頭細胞増殖促進作用を試験した。
【0174】
正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(HFDPC,男性頭頂部由来)を、1%FCSおよび増殖添加剤を含有する毛乳頭細胞用増殖培地(PCGM,東洋紡社製)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を、10%FBS含有DMEM培地を用いて1.0×10
4cells/mLの細胞密度になるように希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種し、3日間培養した。
【0175】
その後、培地を除去し、無血清DMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表13を参照)200μLを各ウェルに添加し、さらに4日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の無血清DMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、MTTアッセイにより毛乳頭細胞増殖促進作用を測定した。すなわち、培地を除去し、無血清DMEM培地で調製した0.4mg/mL MTT200μLを添加し、さらに2時間培養した後、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。この抽出液について、ブルーホルマザンの吸収極大点がある570nmの吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。測定結果から、下記式に基づいて、毛乳頭細胞増殖促進率(%)を算出した。
【0176】
毛乳頭細胞増殖促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
B:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表13に示す。
【0177】
【表13】
【0178】
表13に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れた毛乳頭細胞増殖促進作用を有していると認められた。
【0179】
〔試験例14〕ケラチン関連タンパク質5.1(KAP5.1)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてKAP5.1mRNA発現促進作用を試験した。
【0180】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて37℃・5%CO
2の条件下で前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10
4cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10
4cells/シャーレ)、37℃・5%CO
2の条件下で24時間培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
【0181】
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表14を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%CO
2の条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0182】
この総RNAを鋳型とし、KAP5.1及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR Kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No.RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。KAP5.1mRNAの発現量は、「被験試料添加」、「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた結果から、下記式によりKAP5.1mRNA発現促進率(%)を算出した。
【0183】
KAP5.1 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加時の補正値
B:試料無添加時の補正値
結果を表14に示す。
【0184】
【表14】
【0185】
表14に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれもKAP5.1mRNA発現促進作用を有していると認められた。
【0186】
〔配合例1〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(製造例1) 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0187】
〔配合例2〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.05g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性甘草エキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0188】
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0189】
〔配合例4〕
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(製造例1) 0.4g
酢酸トコフェロール 適量
セファラチン 0.002g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
グリセリン 15.0g
エタノール 15.0g
香料 適量
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
防腐剤(ヒノキチオール) 適量
可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
【0190】
〔配合例5〕
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.5g
マジョラム抽出物 1.0g
ウメ果実部抽出物 0.2g
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
プロピレングリコール 2.0g
香料 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
【0191】
〔配合例6〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(製造例1) 5.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
【0192】
〔配合例7〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.3質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)