(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、特定の親局装置を示す場合には、他の親局装置と識別可能に異なる符号にて示すと共に、親局装置の総称として示す場合には同一の符号にて示している。
また、同様に、本明細書において、特定の子局装置を示す場合には、他の子局装置と識別可能に異なる符号にて示すと共に、子局装置の総称として示す場合には同一の符号にて示している。
本明細書において、「自動分析システム」とは、モジュール化された少なくとも検体搬送機構を含む、生化学自動分析システム、免疫自動分析システム、並びに、生化学及び免疫分析の双方の分析を行うハイブリッドシステム等を含むものである。
また、「自動分析装置」とは、生化学自動分析装置、免疫自動分析装置、並びに、生化学及び免疫分析の双方の分析を行うハイブリッド分析装置を含むものである。
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の分散制御システムを適用した自動分析システムの概略全体構成図である。
図1に示すように、自動分析システム(分散制御システム)10は、検体中の血液の成分及び/又は感染症等を測定する複数の自動分析装置101(
図1では、便宜上一つの自動分析装置101のみを例示)、検体を複数の自動分析装置101の間で搬送する複数の搬送モジュール103、及び、自動分析装置101と搬送モジュール102の動作又は処理を管理する操作PC106にて構成される。自動分装置101は、生化学自動分析装置、免疫自動分析装置、並びに、生化学及び免疫分析の双方の分析を行うハイブリッド分析装置等の機能モジュール102を単体もしくは複数備える。
【0012】
機能モジュール102及び搬送モジュール103は、複数の制御デバイス105を備えた複数のユニット104及び制御デバイス105を制御する分散制御装置110を備える。
分散制御装置110は、制御指令を生成する親局装置111、デバイス接続路121を介して制御デバイス105と接続される子局装置112、子局装置112と親局装置111又は子局装置112間を通信するための通信路120、及び、子局装置112と制御デバイス105間を通信するためのデバイス接続路121を備える。
自動分析システム(分散制御システム)10は、親局装置111から通信路120を介して各子局装置112に制御指令を転送し、子局装置112が受信した制御指令に基づいて、自身に接続される制御デバイス105を制御することで検体分析動作又は検体搬送動作を行う。
【0013】
ここで、機能モジュール102を構成するユニット104は、例えば、少なくとも、検体ラックに収容される複数の検体容器から所定量の検体を反応ディスクの反応容器(反応カップ)に分注する検体分注機構(図示せず)、検体が分注された反応容器(反応カップ)に、試薬ディスクに収容される試薬を所定量吸引し、吸引された所定量の試薬を吐出する試薬分注機構(図示せず)、複数の反応容器(反応カップ)を収容し所定のピッチにて回転駆動される反応ディスク(図示せず)、及び、複数の試薬ボトルを収容し所定のピッチにて回転駆動される試薬ディスク(図示せず)等である。また、ユニット104は、反応ディスクの所定の位置に配され、光源及び検出部を有する検出器(図示せず)を含む。検出器としては、例えば、吸光光度計又は散乱光検出器等が用いられる。
【0014】
また、制御デバイス105は、例えば、少なくとも、上述の検体分注機構を構成する検体分注プローブを駆動するモータ(図示せず)、検体分注プローブの先端に取り付けられる分注ノズルによる吸引/吐出のためのシリンジポンプ(図示せず)、上述の試薬分注機構を構成する分注プローブを駆動するモータ(図示せず)、及び、試薬分注プローブの先端に取り付けられる分注ノズルによる吸引/吐出のためのシリンジポンプ(図示せず)等である。また、制御デバイス105として、反応容器(反応カップ)内の検体又は試薬が混合された検体の液面を検知する液面検知センサ(図示せず)、なお、液面検知センサは静電容量式等が用いられる。反応槽或いは反応ディスク内の恒温槽の温度を検出する温度センサ、試薬ディスク又は反応ディスクをステップ的に回転駆動するステッピングモータ等が用いられる。
搬送モジュール103は、例えば、少なくとも、検体が収容された複数の検体容器を収容する検体ラックを、上述の機能モジュール102へ搬送する検体搬送機構(図示せず)、上述のユニット104の検体分注ポジションへ検体ラックを引き込む引き込みライン等である。
【0015】
図2は、
図1に示す分散制御システムの詳細構成を示す図である。
図2に示すように、
親局装置111bは、通信ポート201、ホストコンピュータI/F206、親局通信制御部202、子局装置112bの通信モードを切換えるためにマスタ切換情報を生成するマスタ切換情報転送部203、親局装置111bが処理するプログラムを格納するプログラム格納部204、プログラム格納部204に格納されたプログラムを処理するシーケンス処理部205、及び、識別番号設定部216を備える。なお、
図2において、親局装置111aも同様の構成を備えている。親局通信制御部202、マスタ切換情報転送部203、及びシーケンス処理部205は、例えば、CPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、及びにプロセッサによる各種プログラムの実行過程におけるデータ等を一時的に格納するRAM等の記憶装置にて実現される。
図2に示す例では、プログラム格納部204に格納された各種プログラムを、親局通信制御部202及びシーケンス処理部205が読み出し処理を実行する。
【0016】
また、子局装置112bは、上流通信ポート211、第1下流通信ポート212a、第2下流通信ポート212b、デジタル入出力ポート213、子局通信制御部214、親局装置111bからマスタ切換情報が転送された場合に通信ルートを変更するマスタ/スレーブ切換部215、及び、識別番号設定部216を備える。なお、
図2において、他の子局装置112a、子局装置112cも同様の構成を備えている。子局通信制御部214及びマスタ/スレーブ切換部215は、例えば、CPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、及びにプロセッサによる各種プログラムの実行過程におけるデータ等を一時的に格納するRAM等の記憶装置にて実現される。
【0017】
図2に示すように、操作PC106は、通信I/F207、通信路120、及びホストコンピュータI/F206を介して親局装置111aに接続されている。親局装置111aは、通信ポート201、通信路120、及び上流通信ポート211を介して子局装置1112aに接続されている。また、子局装置112aは、第1下流通信ポート212a、通信路120、及び上流通信ポート211を介して子局装置112bに接続されている。子局装置112bは、第1下流通信ポート212a、通信路120、及び上流通信ポート211を介して子局装置112に接続され、第2下流通信ポート212b、通信路120、及び通信ポート201を介して親局装置111bに接続されると共に、デジタル入出力ポート213及び通信路120を介して上述の制御デバイス105に接続されている。このように、
図2に示す例では、親局装置111a、子局装置112a、子局装置112b、及び子局制御装置112cから構成されるネットワークを有する一つの分散制御装置110に、新たに親局装置111bが追加された状態を示している。
【0018】
なお、
図2に示す例では、子局装置112bが、第1下流通信ポート212a及び第2下流通信ポート212bを有する構成、すなわち、2つの下流通信ポートを有する場合を例に示しているがこれに限られるものでは無く、3つ以上の下流通信ポートを有する構成としても良い。また、操作PC106は、図示しない演算部を備え、演算部は、例えば、CPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、及びプロセッサによる各種プログラムの実行過程におけるデータ等を一時的に格納するRAM等の記憶装置にて実現される。
【0019】
次に、操作PC106の動作について説明する。操作PC106は、自動分析システム(分散制御システム)10の制御プログラムを図示しない記憶装置に格納しており、各分散制御装置110(
図1)を構成する各親局装置111へ、各親局装置111の制御対象となる子局装置112を制御するための制御プログラムを装置電源投入時に、通信路120及びホストコンピュータI/F206を介して転送する。また、操作PC106は、各親局装置111から自動分析装置101の分析結果のデータ等を、ホストコンピュータI/F206及び通信路120を介して受信する。このように、記憶装置に格納される制御プログラムの読み出し及び読み出された制御プログラムの子局装置112への転送等は、上述の演算部により実行される。更に、操作PC106は、子局装置112毎に予め割り付けられた識別番号を、対応する各子局装置112へ、親局装置111及び/又は他の子局装置112を経由して転送する。これにより、各子局装置112の識別番号設定部216に識別番号が設定される。
【0020】
次に、親局装置111の動作について説明する。親局装置111は、親局通信制御部202により制御される通信ポート201を介した各子局装置112とのデータの送受信と、ホストコンピュータI/F206が操作PC106の通信I/F207に接続されている場合、親局通信制御部202により制御されるホストコンピュータI/F206を介した操作PC106とのデータの送受信も行う。また、親局装置111を構成する親局通信制御部202は、通信ポート201から入力される、詳細後述するパケットに搭載又は格納される識別番号情報が自身の識別番号設定部216に設定される識別番号と一致する場合、親局通信制御部202は、パケットに搭載又は格納される制御指令或いはセンサ情報(制御デバイス105からの情報)等を、シーケンス処理部205に転送する。
【0021】
また、親局装置111を構成する親局通信制御部202は、操作PC106から通信I/F207及びホストコンピュータI/F206を介して転送された制御プログラムをプログラム格納部204に格納する。シーケンス処理部205は、プログラム格納部204に格納される制御プログラムを読み出し実行することで、各子局装置112及び/又は他の親局装置111への制御指令を生成し、生成した制御指令を親局通信制御部202へ転送する。親局通信制御部202は、各子局装置112及び/又は他の親局装置111に設定される個別で且つ重複しない識別番号と、その識別番号に対応する子局装置112及び/又は他の親局装置111への制御指令を組み合わせたパケットを生成し、そのパケットを通信信号に変換して通信ポート201から出力する。また、親局通信制御部202は、通信ポート201を介して転送される子局装置112及び/又は他の親局装置111の識別番号と、子局装置112及び/又は他の親局装置111の入力情報或いは制御状態情報等を組み合わせたパケットの情報を受信し、シーケンス処理部205へ転送すると共に、ホストコンピュータI/F206を介して操作PC106へ転送する。
更に、親局装置111を構成する親局通信制御部202は、電源投入時に通信ポート201に接続された子局装置112に対し、マスタ切換情報転送部203が生成したマスタ切換情報を、通信ポート201を介して転送する。
【0022】
次に、子局装置112の動作について説明する。子局装置112を構成する子局通信制御部214は、デジタル入出力ポート213を介して制御デバイス105とのデータの送受信、上流通信ポート211を介して親局装置111又は他の子局装置112とのデータの送受信と、第1下流通信ポート212aを介して親局装置111又は他の子局装置112とのデータの送受信、及び、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111又は他の子局装置112とのデータの送受信を行う。
【0023】
また、子局装置112を構成する子局通信制御部214は、上流通信ポート211、第1下流通信ポート212a、又は、第2下流通信ポート212bから受信されるパケットに搭載又は格納される識別番号情報が識別番号設定部216に設定される識別番号と一致する場合、パケットに搭載又は格納される制御指令を自身と通信路120を介して接続される制御デバイス105へ転送する。
一方、子局装置112を構成する子局通信制御部214は、上流通信ポート211、第1下流通信ポート212a、又は、第2下流通信ポート212bから受信されるパケットに搭載又は格納される識別番号情報が識別番号設定部216に設定される識別番号と一致しない場合、上流通信ポート211、第1下流通信ポート212a、又は、第2下流通信ポート212bを介して、当該パケットを親局装置111又は他の子局装置112へ転送する。
【0024】
また、子局装置112を構成する子局通信制御部214は、デジタル入出力ポート213からの入力値が変化した場合、当該制御デバイス105からデジタル入出力ポート213を介して受信された入力値と、識別番号設定部216に設定される識別番号とを組み合わせた入力データパケットを上流通信ポート211又は親局装置111が接続される第1下流通信ポート212a又は第2下流通信ポート212bに送信する。
一方、子局通信制御部214は、デジタル入出力ポート213からの入力値に変化又は変更がない間は一定の通信周期にて、入力データパケットを上流通信ポート211又は親局装置111が接続される第1下流通信ポート212a又は第2下流通信ポート212bに送信する。
また、子局装置112を構成する子局通信制御部214は、上流通信ポート211、第1下流通信ポート212a、又は、第2下流通信ポート212bに接続される親局装置111からマスタ切換情報を受信した場合、マスタ/スレーブ切換部215にて、詳細後述するマスタ通信モードとスレーブ通信モードの二つの通信モードのうち、いずれか一方の通信モードに切換える。
【0025】
図3は、データの通信に用いるパケットの構造を説明する図である。
図3に示すように、パケットは、データ部300、パケットの種別を示すパケット種別部301、及び、親局装置111又は子局装置112の識別番号を示す識別番号部302から構成される。
データ部300には、制御デバイス105からの出力データ、制御指令等の子局装置112に対する制御情報、通信応答実行条件設定情報、通信応答データ設定情報等の子局装置112への設定情報、或いは親局装置111への上流指令情報が搭載又は格納される。
パケット種別部301には、例えば、制御デバイス105からの出力データパケットの場合に“10”、制御デバイス105の駆動軸制御設定情報の場合に “20”等のパケットの種類毎に一意の値が付与され、パケットのデータ部300の内容を識別するために用いられる。
識別番号部302には、親局装置111から子局装置112又は他の親局装置111にパケットを送信する場合に、送信元の子局装置112又は親局装置111自身に設定された識別番号と、送信先の子局装置112又は親局装置111自身に設定された識別番号が搭載又は格納される。
【0026】
図4は、
図2に示す一の子局装置112bがスレーブ通信モードにて動作する場合の通信ルートを示す図である。
図4に示すように、スレーブ通信モードにおいて、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、(1)上流通信ポート211を介した子局装置112a又は当該子局装置112aを経由した親局装置111aと、デジタル入出力ポート213を介した制御デバイス105とのデータの送受信を行う第1スレーブ通信ルート401a、(2)上流通信ポート211を介した子局装置112a又は当該子局装置112aを経由した親局装置111aと、第1下流通信ポート212aを介した他の子局装置112cとのデータの送受信を行う第2スレーブ通信ルート401b、及び、(3)上流通信ポート211を介した子局装置112a又は当該子局装置112aを経由した親局装置111aと、第2下流通信ポート212bを介した他の子局装置112dとのデータの送受信を行う第3スレーブ通信ルート401c、の3種類の通信ルートでデータの送受信を行う。
【0027】
スレーブ通信モードにおいて、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、上流通信ポート211を介して受信されるパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納される識別番号を参照し、自身の識別番号設定部216に設定された識別番号と一致する場合、パケットのデータ部300に搭載又は格納される制御指令を自身(子局装置112b)と接続される制御デバイス105へデジタル入出力ポート213を介して転送する。
一方、子局通信制御部214は、上流通信ポート211を介して受信されるパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納される識別番号を参照し、自身(子局装置112b)の識別番号設定部216に設定された識別番号と一致しない場合、第1下流通信ポート212aを介して他の子局装置112cへ受信したパケットを転送すると共に、第2下流通信ポート212bを介して他の子局装置112dへ受信したパケットを転送する。また、第1下流通信ポート212aを介して転送される子局装置112cにデジタル入出力ポート213を介して接続される制御デバイス105からの入力値を、上流通信ポート211を介して子局装置112a又は当該子局装置112aを経由して親局装置111aへ転送する。更に、第2下流通信ポート212bを介して転送される子局装置112dにデジタル入出力ポート213を介して接続される制御デバイス105からの入力値を、上流通信ポート211を介して子局装置112a又は当該子局装置112aを経由して親局装置111aへ転送する。
【0028】
図5は、
図2に示す一の子局装置112bがマスタ通信モードにて動作する場合の通信ルートを示す図である。
図5においては
図4と異なり、親局装置111a、子局装置112a、子局装置112b、及び子局制御装置112cから構成されるネットワークを有する一つの分散制御装置110に、新たに親局装置111bが追加された状態を示している。
図5に示すように、マスタ通信モードにおいて、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、(1)第2下流通信ポート212bを介した親局装置111bと、デジタル入出力ポート213を介した制御デバイス105とのデータの送受信を行う第1マスタ通信ルート501a、(2)上流通信ポート211を介した子局装置112aと、第2下流通信ポート212bを介した親局装置111bとのデータの送受信を行う第2マスタ通信ルート501b、及び、(3)第1下流通信ポート212aを介した子局装置112cと、第2下流通信ポート212bを介した親局装置111bとのデータの送受信を行う第3マスタ通信ルート501c、の3種類の通信ルートでデータの送受信を行う。
【0029】
マスタ通信モードにおいて、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bから転送されるパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納される識別番号を参照し、自身(子局装置112b)の識別番号設定部216に設定された識別番号と一致する場合、パケットのデータ部300に搭載又は格納される制御指令を自身(子局装置112b)と接続している制御デバイス105へデジタル入出力ポート213を介して転送する。
一方、子局通信制御部214は、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bから転送されるパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納される識別番号を参照し、自身(子局装置112b)の識別番号設定部216に設定された識別番号と一致しない場合、第1下流通信ポート212aを介して他の子局装置112cへ受信したパケットを転送すると共に、上流通信ポート211を介して他の子局装置112aへ受信したパケットを転送する。また、デジタル入出力ポート213を介して転送される制御デバイス105からの入力値を、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bに転送する。更に、子局通信制御部214は、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bから転送される制御デバイス105からの入力値を、上流通信ポート211を介して子局装置112a又は当該子局装置112aを経由して親局装置111aに転送する。
【0030】
図6は、
図2に示す他の子局装置112aがマスタ通信モードにて動作する場合の通信ルートを示す図である。
図6に示すように、マスタ通信モードにおいて、子局装置112aを構成する子局通信制御部214は、(1)上流通信ポート211を介した親局装置111aと、デジタル入出力ポート213を介した制御デバイス105とのデータの送受信を行う第1マスタ通信ルート501a、及び(2)上流通信ポート211を介した親局装置111aと、第1下流通信ポート212aを介した子局装置112bとのデータの送受信を行う第2マスタ通信ルート501b、の2種類の通信ルートでデータの送受信を行う。
図5と異なる点は、子局装置112aが有する第2下流通信ポート212bには、他の子局装置112又は他の親局装置111のいずれも接続されていないため、第2下流通信ポート212bが空きポートとなっている。そのため、マスタ通信モードにおいては、上述の第1マスタ通信ルート501a及び第2マスタ通信ルート501bの2種類の通信ルートのみとなっている。
【0031】
マスタ通信モードにおいて、子局装置112aを構成する子局通信制御部214は、上流通信ポート211を介して親局装置111aから転送されるパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納される識別番号を参照し、自身(子局装置112a)の識別番号設定部216に設定された識別番号と一致する場合、パケットのデータ部300に搭載又は格納される制御指令を自身(子局装置112a)と接続している制御デバイス105へデジタル入出力ポート213を介して転送する。
一方、子局装置112aを構成する子局通信制御部214は、上流通信ポート211を介して親局装置111aから転送されるパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納される識別番号を参照し、自身(子局装置112a)の識別番号設定部216に設定された識別番号と一致しない場合、第1下流通信ポート212aを介して他の子局装置112bへ受信したパケットを転送する。また、デジタル入出力ポート213を介して転送される制御デバイス105からの入力値を、上流通信ポート211を介して親局装置111aに転送する。更に、子局通信制御部214は、上流通信ポート211を介して親局装置111aから転送される制御デバイス105からの入力値を、第1下流通信ポート212aを介して子局装置112b又は当該子局装置112bを経由して親局装置111bに転送する。
【0032】
次に、スレーブ通信モードと、マスタ通信モードの切換えについて、
図2と
図7を用いて説明する。
図7は、子局装置112の通信モード切換処理のフローチャートである。
子局装置112bは、以下のフローによってスレーブ通信モードとマスタ通信モードとを切換える。以下では、子局装置112bと新たに追加された親局装置111bとの関係に基づき説明するが、
図2に示す、親局装置111a、子局装置112a、及び子局装置112cについても同様である。
【0033】
まず、ステップS101では、分散制御装置110を構成する親局装置111b及び子局装置112bをネットワーク接続した状態で、装置の電源を投入する。
続いて、ステップS102では、電源投入時、親局装置111bを構成するマスタ切換情報転送部203がマスタ切換情報を生成し親局通信制御部202へ転送する。親局通信制御部202は、通信ポート201に接続された子局装置112bへマスタ切換情報を転送する。
【0034】
ステップS103では、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bからマスタ切換情報が受信(取得)されたか否かを判定する。判定の結果、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bからマスタ切換情報が受信(取得)された場合、ステップS104へ進む。一方、判定の結果、第2下流通信ポート212bを介して親局装置111bからマスタ切換情報が受信(取得)されていない場合、ステップS105へ進む。
【0035】
ステップS104では、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、受信されたマスタ切換情報をマスタ/スレーブ切換部215へ転送し、マスタ/スレーブ切換部215は、通信モードをマスタ通信モードへ切換える。これにより、子局装置112bを構成する子局通信制御部214は、上述の
図5に示した第1マスタ通信ルート501a、第2マスタ通信ルート501b、及び第3マスタ通信ルート501cの3種類の通信ルートでデータの送受信を行う。
【0036】
ステップS105では、マスタ切換情報が受信されていないことから、子局装置112bを構成するマスタ/スレーブ切換部215は、通信モードをスレーブ通信モードの状態のまま維持する。
【0037】
なお、本実施例では、子局装置112bを構成するマスタ/スレーブ切換部215は、スレーブ通信モードをデフォルトとして設定している場合を想定している。仮に、マスタ/スレーブ切換部215がマスタ通信モードをデフォルトとして設定している場合においては、上述のステップS104では、通信モードをマスタ通信モードの状態のまま維持し、上述のステップS105では、マスタ/スレーブ切換部215は、通信モードをスレーブ通信モードに切換える。また、仮に、通信モードを特にデフォルとして設定していない場合には、子局装置112bを構成するマスタ/スレーブ切換部215は、上述のステップS105では、通信モードをスレーブ通信モードに切換える。
【0038】
以上の通り、本実施例によれば、ネットワークの改変を不要としつつ新たに親局装置を既存ネットワークに接続することでシステムの拡張を可能とすると共に、拡張後のシステムにおける通信性能の向上を可能とし得る分散制御装置及び分散制御システムを提供することができる。具体的には、分散制御装置110の拡張時において、自動分析システム(分散制御システム)10全体の通信性能を向上させたい場合に、既存の分散制御装置110の構成を改変することなく、新たに親局装置111を子局装置112に接続することのみで、通信性能を向上することができる。
また、本実施例によれば、新たに親局装置を既存のネットワークに接続し、プログラム制御処理及びデータ通信処理を分担させることで、システムに多数の子局装置を接続した場合に通信データが過多になることで発生するデータの通信遅延やデータ詰まりを解消し得る分散制御装置及び分散制御システムを実現できる。
【実施例2】
【0039】
図8は、本発明の他の実施例に係る実施例2の分散制御システムを適用した自動分析システムの表示画面例を示す図である。本実施例では、操作PC106の表示画面上で、新たに親局装置111等を、自動分析システム(分散制御システム)10を構成する分散制御装置110内の最適な位置に配することを可能とする点が実施例1と異なる。その他の点は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
【0040】
図8に示すように、操作PC106は、表示装置708、入力装置709、及びデータベース710を備える。表示装置708の表示画面上に表示される、システム利用者に対し自動分析システム(分散制御システム)10の設計支援を行い得る設定入力画面700は、モジュール構成入力表示領域701及びモジュールリスト表示領域706から構成される。モジュールリスト表示領域706はモジュール機種名表示部707を有し、自動分析システム(分散制御システム)10を構成し得る全ての機能モジュール102及び搬送モジュール103の機種名を列挙し、リスト形式にてモジュール機種名表示部707に表示する。また、データベース710には、機能モジュール102及び搬送モジュール103の各機種の必要通信量及び親局装置111の許容通信量が予め格納されている。
モジュール構成入力表示領域701には、操作PC106を表す操作PCシンボル702、機能モジュール102又は搬送モジュール103を表すモジュールシンボル703a,703b、親局装置111を表す第1親局装置シンボル704aと第2親局装置シンボル704b、第1親局装置の許容通信量に基づく第1親局制御範囲705a、及び第2親局装置の許容通信量に基づく第2親局制御範囲705bが表示されている。
図8に示す例では、点線で示すように、第1親局制御範囲705aは、第1親局装置シンボル704aにより4つのモジュールシンボル703aを制御可能な旨を示しており、第2親局制御範囲705bは、第2親局装置シンボル704bにより3つのモジュールシンボル703bを制御可能な旨を示している。
【0041】
以下に、新たに機能モジュール102若しくは搬送モジュール103を、既存の自動分析システム(分散制御システム)10に追加する場合を一例として説明する。
先ず、システム利用者は、制御システム設計支援アプリケーションを起動する。具体的には、操作PC106を構成する実施例1にて説明した演算部(図示せず)が、図示しない記憶装置に格納される制御システム設計支援アプリケーションプログラムを読み出し実行することで、表示装置708の表示画面上に設定入力画面700を表示する。この際、既存の自動分析システム(分散制御システム)10を構成する各シンボルがモジュール構成入力表示領域701に表示される。
図8に示す例では、操作PCシンボル702及び4つのモジュールシンボル703aが表示され、4つのモジュールシンボル703aのうち、最上流のモジュールシンボル703a、すなわち、操作PCシンボル702に接続されるモジュールシンボル703a内に第1親局装置シンボル704aが表示される。
【0042】
次に、システム利用者により、図示しないマウスの操作によりマウスポンタ又はカーソルが、設定入力画面700を構成するモジュールリスト表示領域706に表示されるモジュール機種名表示部707内の所望のモジュールの機種名上に位置付けられ、クリックにより選択されると、選択された機種名のモジュールに対応するモジュールシンボル703bがモジュール構成入力表示領域701に新たに表示される。既にモジュール構成入力表示領域701に表示されている操作PCシンボル702及び4つのモジュールシンボル703aの位置を基準とし、実際の接続関係と一致するように新規に追加するモジュールシンボル703bが、例えばシステム利用者によるマウスのドラッグにより移動される。
図8に示す例では、新規に追加される3つのモジュールシンボル703bが相互に直列に配され、最上部に配されるモジュールシンボル703bが、既にモジュール構成入力表示領域701に表示されている4つのモジュールシンボル703aのうち、最上流のモジュールシンボル703aから3番目のモジュールシンボル703aと接続するよう配される。
【0043】
モジュール構成の入力が完了すると、操作PC106を構成する演算部は、モジュール機種名表示部707に表示される各機種の必要通信量及び親局装置111の許容通信量を、データベース710にアクセスし読み出す。操作PC106を構成する演算部は、読み出した各機種の必要通信量及び親局装置111の許容通信量に基づき、モジュール構成入力表示領域701に表示される操作PCシンボル702側、すなわち、操作PCシンボル702に接続される最上流のモジュールシンボル703aから下流側に配されるモジュールシンボル703aへと対応する機種の必要通信量を順次加算しつつ、当該加算結果と親局装置111の許容通信量との比較を行う。加算結果が親局装置111の許容通信量を超えた場合、操作PC106を構成する演算部は、加算結果が親局装置111の許容通信量を超える一つ前(前段)のモジュールシンボルまでを、一つの親局装置111にて制御可能な範囲である親局制御範囲として決定する。
図8では、4つのモジュールシンボル703aまでの必要通信量を加算し、更に最上部に配されるモジュールシンボル703bの必要通信量を加算した時点で、加算結果が親局装置111の許容通信量を超えた場合を示しており、これにより、操作PC106を構成する演算部は、4つのモジュールシンボル703aまでを第1親局制御範囲705aと決定し、モジュール構成入力表示領域701に点線にて表示する。
【0044】
次に、操作PC106を構成する演算部は、最上部に配されるモジュールシンボル703bから下方に配されるモジュールシンボル703bへと対応する機種の必要通信量を順次加算しつつ、当該加算結果と親局装置111の許容通信量との比較を行う処理を繰り返し実行する。その結果、
図8に示す例では、第1親局制御範囲705a及び第2親局制御範囲705bが決定され点線にて表示されることにより、システム利用者は、2つの親局装置111を配する必要があることを容易に把握することができる。なお、
図8に示す例では、直列に接続された4つのモジュールシンボル703aのうち、最上流のモジュールシンボル703aから3番目のモジュールシンボル703aから、直列に接続された3つのモジュールシンボル703bが分岐するモジュール構成となっている。このようなモジュール構成の場合、分岐の先頭モジュールシンボル703bに新たに第2親局装置シンボル704bを配置する。
【0045】
システム利用者は、上述のように、GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)により、モジュール構成入力表示領域701に表示される第1親局装置シンボル704a及び第2親局装置シンボル704bが表示されたモジュールシンボル703a,703bに対応する機能モジュール102若しくは搬送モジュール103に、それぞれ親局装置111を配置することで、既存の自動分析システム(分散制御システム)10に新たに機能モジュール102若しくは搬送モジュール103が追加された場合であっても容易に親局装置111を最適な位置に配置でき、自動分析システム(分散制御システム)10の拡張を容易に行うことが可能となる。
【0046】
以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、システム利用者は、自動分析システム(分散制御システム)の拡張時において、新たに追加すべき親局装置の最適な配置位置及び設置数を容易に決定することが可能となる。
【実施例3】
【0047】
図9は、本発明の他の実施例に係る実施例3の分散制御システムを適用した自動分析システムの概略全体構成図である。本実施例では、各子局装置が経路情報生成部及び通信モード情報転送部を備えると共に、操作PCが経路情報格納部を参照可能に構成した点が実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
【0048】
図9に示すように、子局装置812bは、実施例1の子局装置112の構成に加え、経路情報を生成する経路情報生成部821、及び自身の通信モードを識別させるための情報を生成する通信モード情報転送部825を備える。他の子局装置812a及び子局装置813cも同様の構成を有する。なお、親局装置811a及び親局装置811bの基本構成は実施例1に示した親局装置111と同様である。また、親局装置811及び子局装置812から転送された経路情報を格納する経路情報格納部826は、操作PC106により参照可能に、操作PC106に接続されている。
図9に示す、操作PC106、親局装置811a、子局装置812a、子局装置812b、子局装置812c、及び親局装置811bの接続関係は、実施例1において
図2に示した接続関係と同様である。
【0049】
本実施例における操作PC106の動作について説明する。操作PC106は、上述の実施例1での動作に加え、システム利用者により事前に登録されたネットワーク構成の経路情報及び通信モード情報を経路情報格納部826に格納すると共に、装置電源投入時にネットワーク上に接続されている各親局装置811及び各子局装置812から通信路120を介して転送された経路情報及び通信モード情報を経路情報格納部826に格納する。操作PC106は、経路情報格納部826に格納される、システム利用者により事前に登録されたネットワーク構成の経路情報及び通信モード情報と、各親局装置811及び各子局装置812から通信路120を介して転送された経路情報及び通信モード情報とを比較し、一致していなければ、システム利用者にネットワーク構成の誤配線や分散型コントローラ(分散制御装置110)の故障を後述する方法で知らせる。また、操作PC106は、親局装置811毎に予め割り付けられた識別番号を、対応する親局装置811へ、通信路120及び/又は子局装置812を経由して転送する。これにより、各親局装置811の識別番号設定部216に識別番号が設定される。同様に、操作PC106は、子局装置812毎に予め割り付けられた識別番号を、対応する各子局装置812へ、親局装置811及び/又は他の子局装置812を経由して転送する。これにより、各子局装置812の識別番号設定部216に識別番号が設定される。
【0050】
次に、本実施例における親局装置811の動作について説明する。親局装置811は、上述の実施例1での動作に加え、マスタ切換情報を通信ポート201に接続される子局装置812に転送した後、自身の識別番号設定部216に設定された識別番号を、通信ポート201に接続された子局装置812に転送する。
【0051】
次に、本実施例における子局装置812の動作について説明する。子局装置812は、上述の施例1での動作に加え、通信モード設定後、自身の識別番号設定部216に設定された識別番号及び通信モード情報転送部825により生成された通信モード情報を、上流通信ポート211に接続される親局装置811又は子局装置812へ転送する。加えて、子局装置812は、第1下流通信ポート212a及び第2下流通信ポート212bから転送されてきた親局装置811及び他の子局装置812の識別番号及び通信モード情報に、経路情報生成部821により後述する方法にて経路情報を付加し、上流通信ポート211に接続される親局装置811又は子局装置812に転送する。
【0052】
本実施例におけるパケットの構造は、
図3に示す実施例1と同様であるが、識別番号部302に関して、子局装置812及び親局装置811が経路情報を転送する場合に、送信元が子局装置812の場合は通信モード情報及び経路情報並びに識別番号が搭載又は格納され、送信元が親局装置811の場合は経路情報及び識別番号が搭載又は格納される。
【0053】
次に、経路情報の生成方法及び転送方法について、
図10及び
図11を用いて説明する。
図10は、
図9に示す経路情報を説明するためのネットワーク構成例を示す図である。
図10に示すネットワーク構成例では、操作PC106、親局装置811a、親局装置811b、子局装置812a、子局装置812b、子局装置812c、子局装置812d、及び子局装置812eでネットワークが構成されている。このとき、親局装置811aと接続される子局装置812a、及び親局装置811bと接続される子局装置812dは、マスタ通信モードであり、この他の子局装置812b、子局装置812c、及び子局装置812eは、スレーブ通信モードである。
【0054】
また、
図10に示す例では、操作PC106の通信I/F207には便宜的に番号「1」が割り当てられており、親局装置811aには、上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「10」を点線にて表記すると共に、通信ポート201にポート番号「1」及びホストコンピュータI/F206に番号「2」が割り当てられている。子局装置812aには、上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「1」を点線にて表記するすると共に、第1下流通信ポート212aにポート番号「1」及び第2下流通信ポート212bにポート番号「2」並びに上流通信ポート211にポート番号「3」が割り当てられている。同様に、子局装置812bには、上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「2」を点線にて表記するすると共に、第1下流通信ポート212aにポート番号「1」及び第2下流通信ポート212bにポート番号「2」並びに上流通信ポート211にポート番号「3」が割り当てられている。子局装置812cには、子局装置812bには、上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「3」を点線にて表記し、第1下流通信ポート212a、第2下流通信ポート212b、及び流通信ポート211に割り当てられるポート番号は、子局装置812a及び子局装置812bと同様である。また、
図10に示すように、子局装置812dには上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「4」を点線にて表記し、子局装置812eには上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「5」を点線にて表記している。第1下流通信ポート212a、第2下流通信ポート212b、及び流通信ポート211に割り当てられるポート番号は、子局装置812a及び子局装置812bと同様である。親局装置811bには、上述の操作PC106により予め割り付けられた識別番号「11」を点線にて表記すると共に、通信ポート201にポート番号「1」及びホストコンピュータI/F206に番号「2」が割り当てられている。
【0055】
ここで、経路情報の生成方法について説明する。
図11は、
図9に示す経路情報格納部826に格納されるデータ構造を示す図である。
図11に示すように、経路情報格納部826には、親局装置811であるか子局装置812であるかを示す「親局/子局」欄、通信モードがマスタ通信モードであるかスレーブ通信モードであるかを示す「マスタ/スレーブ」欄、「識別番号」欄、及び「経路情報列」欄をテーブル形式にて格納している。例えば、親局装置811aについては、「親局/子局」欄には「親局」、マスタ/スレーブ」欄にはNullを示す「−」、「識別番号」欄には「10」、及び「経路情報列」欄には親局装置812aのホストコンピュータI/F206が接続される操作PC106の通信I/F207に割り当てられた番号「1」が格納されている。
【0056】
また、
図11に示すように、子局装置812aについては、「親局/子局」欄には「子局」、「マスタ/スレーブ」欄には「マスタ」、「識別番号」欄には「1」、及び「経路情報列」欄には「1−1」が格納されている。ここで、「経路情報列」欄に格納される「1−1」は、子局装置812aが接続される親局装置811aの通信ポート201のポート番号「1」及び操作PC106の通信I/F207に割り当てられた番号「1」を示している。すなわち、子局装置812aの通信経路は、親局装置811aを経由して操作PC106に至る経路であることから「1−1」となる。
【0057】
子局装置812bについては、「親局/子局」欄には「子局」、「マスタ/スレーブ」欄には「スレーブ」、「識別番号」欄には「2」、及び「経路情報列」欄には「1−1−1」が格納されている。ここで、「経路情報列」欄に格納される「1−1−1」は、子局装置812bが接続される子局装置812aの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812aが接続される親局装置811aの通信ポート201のポート番号「1」、及び操作PC106の通信I/F207に割り当てられた番号「1」を示している。すなわち、子局装置812bの通信経路は、子局装置812a及び親局装置811aを経由して操作PC106に至る経路であることから「1−1−1」となる。
【0058】
親局装置811bについては、「親局/子局」欄には「親局」、「マスタ/スレーブ」欄にはNullを示す「−」、「識別番号」欄には「11」、及び「経路情報列」欄には「1−1−1−1−2−1」が格納されている。ここで、「経路情報列」欄に格納される「1−1−1−1−2−1」は、親局装置811bが接続される子局装置812dの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812dが接続される子局装置812cの第2下流通信ポート212bのポート番号「2」、子局装置812cが接続される子局装置812bの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812bが接続される子局装置812aの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812aが接続される親局装置811aの通信ポート201のポート番号「1」、及び操作PC106の通信I/F207に割り当てられた番号「1」を示している。すなわち、親局装置811bの通信経路は、子局装置812d、子局装置812c、子局装置812b、子局装置812a、及び親局装置811aを順次経由して操作PC106に至る経路であることから「1−1−1−1−2−1」となる。
【0059】
子局装置812dについては、「親局/子局」欄には「子局」、「マスタ/スレーブ」欄には「マスタ」、「識別番号」欄には「4」、及び「経路情報列」欄には「1−1−1−1−2」が格納されている。ここで、「経路情報列」欄に格納される「1−1−1−1−2」は、子局装置812dが接続される子局装置812cの第2下流通信ポート212bのポート番号「2」、子局装置812cが接続される子局装置812bの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812bが接続される子局装置812aの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812aが接続される親局装置811aの通信ポート201のポート番号「1」、及び操作PC106の通信I/F207に割り当てられた番号「1」を示している。すなわち、子局装置812dの通信経路は、子局装置812c、子局装置812b、子局装置812a、及び親局装置811aを順次経由して操作PC106に至る経路であることから「1−1−1−1−2」となる。
【0060】
子局装置812eについては、「親局/子局」欄には「子局」、「マスタ/スレーブ」欄には「スレーブ」、「識別番号」欄には「5」、及び「経路情報列」欄には「1−1−1−1−2−2」が格納されている。ここで、「経路情報列」欄に格納される「1−1−1−1−2−2」は、子局装置812eが接続される子局装置812dの第2下流通信ポート212bのポート番号「2」、子局装置812dが接続される子局装置812cの第2下流通信ポート212bのポート番号「2」、子局装置812cが接続される子局装置812bの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812bが接続される子局装置812aの第1下流通信ポート212aのポート番号「1」、子局装置812aが接続される親局装置811aの通信ポート201のポート番号「1」、及び操作PC106の通信I/F207に割り当てられた番号「1」を示している。すなわち、子局装置812eの通信経路は、子局装置812d、子局装置812c、子局装置812b、子局装置812a、及び親局装置811aを順次経由して操作PC106に至る経路であることから「1−1−1−1−2−2」となる。
【0061】
以上の通り、経路情報格納部826の「経路情報列」欄に格納される経路情報は、各親局装置811及び子局装置812からパケットの識別番号部302(
図3)に搭載又は格納されて送信され、操作PC106に至るまでの途中で通過した、親局装置811の通信ポート201、子局装置812の第1下流通信ポート212a若しくは第2下流通信ポート212bのポート番号を順次追加していくことで、経路情報が生成される。
【0062】
例えば、
図9及び
図10に示すように、子局装置812bは、子局装置812aの第1下流通信ポート212aに接続されている。そのため子局装置812bより送信される経路情報は、パケットが子局装置812aに受信されると、子局装置812aを構成する経路情報生成部821により第1下流通信ポート212aのポート番号「1」となり、上流通信ポート211を介して親局装置811aへ送信される。続いて、パケットが操作PC106に接続された親局装置811aに受信されると、当該受信されたパケットは親局装置811aのホストコンピュータI/F206を介して操作PC106へ転送される。操作PC106にて親局装置811aの通信ポート201と、操作PC106の通信I/F207番号「1−1」が先頭に追加される。すなわち、
図11を用いて説明したように、子局装置812bより、子局装置812a及び親局装置811aを介して操作PC106へと至るパケットの経路情報は「1−1−1」となる。
【0063】
また、親局装置811bの場合、親局装置811bより送信されたパケットが操作PC106までの過程で順次、子局装置812dの第1下流通信ポート212a、子局装置812cの第2下流通信ポート212b、子局装置812bの第1下流通信ポート212a、子局装置812aの第1下流通信ポート212a、及び親局装置811aの通信ポート201を経由して、操作PC106の通信I/F207に受信されるため、経路情報は「1−1−1−1−2−1」となる。
【0064】
操作PC106は、全ての親局装置811a及び親局装置811bと全ての子局装置812a〜812eからのパケットの識別番号部302に搭載又は格納される、経路情報及び識別番号並びに通信モード情報を受信すると、上述の
図11に示す経路情報格納部826に格納する。従って、操作PC106は、経路情報格納部826を参照することで、全ての親局装置811a及び親局装置811bと全ての子局装置812a〜812eの経路情報及び識別番号並びに通信モードを認識することができる。
【0065】
次に、ネットワークの誤接続や分散型コントローラ(分散制御装置110)の故障をシステム利用者に知らせる構成及びネットワーク構成におけるエラー内容の判断手順について
図9、
図12、
図13を用いて説明する。
図12は、
図9に示す分散制御システムを適用した自動分析システムの表示画面例を示す図である。
図12に示すように、操作PC106は、表示装置708、入力装置709、及びデータベース710を備え、上述の経路情報格納部826に接続されている。システム利用者に対し自動分析システム(分散制御システム)10の設計支援を行い得る設定入力画面700は、ネットワーク構成表示部1101及びエラー表示部1106から構成される。ネットワーク構成表示部1101には、上述の実施例2にて説明したように、
図8に示すモジュール構成入力表示領域701にて、対話的にシステム利用者により構築されたモジュール構成を表すモジュール構成シンボル1103が表示されている。また、ネットワーク構成表示部1101には、モジュール構成シンボル1103を構成する複数のモジュールシンボル703(
図8)のうち、任意のモジュールシンボル703に対応する各機能モジュール102又は搬送モジュール103の分散制御装置110の詳細構成を示す分散制御装置構成表示部1102が、例えば、ポップアップウィンドウ形式にて拡大表示されている。なお、分散制御装置構成表示部1102の表示については、
図12に示すように、ネットワーク構成表示部1101内でポップアップウィンドウ形式にて拡大表示するものに限られず、例えば、ネットワーク構成表示部1101内にモジュール構成を表すモジュール構成シンボル1103を表示するモードと、分散制御装置構成表示部1102を表示するモードとを切換え表示する構成としても良い。分散制御装置構成表示部1102には、各機能モジュール102又は搬送モジュール103の分散制御装置110を構成する親局装置シンボル1105及び複数の子局装置シンボル1104が表示され、これら親局装置シンボル1105及び複数の子局装置シンボル1104の接続関係が一目で分かるように表示される。上記親局装置シンボル1105は親局装置811を表すシンボルであり、上記子局装置シンボル1104は子局装置814を表すシンボルである。
【0066】
また、分散型コントローラ(分散制御装置110)の誤配線及び/又は分散型コントローラ(分散制御装置110)に故障が発生している場合(なお、誤配線、故障の判断方法については後述する)、該当する親局装置シンボル1105又は子局装置シンボル1104が他のシンボルと、識別可能な表示形態にて表示される。
図12に示す例では、親局装置シンボル1105に接続されると共に、他の2つの子局装置シンボル1104に接続される一の子局装置シンボル1104に故障が発生している場合を示しており、該当する上記一の子局装置シンボル1104のみが黒く塗潰された表示形態にて表示されている。なお、このように該当するシンボルのみを黒く塗潰して表示する表示形態に代えて、ブリンク表示、異なる色にて表示、或いは、ハイライト表示する等の表示形態としても良い。すわち、他のシンボルと識別可能な表示形態であれば、いずれの表示形態であっても構わない。
【0067】
エラー表示部1106には、上述のネットワーク構成表示部1101に表示されるモジュール構成シンボル1103を構成する分散型コントローラ(分散制御装置110)のうち、いずれの分散型コントローラ(分散制御装置110)に故障が発生している或いは接続異常が発生している、分散型コントローラ(分散制御装置110)の接続箇所に誤りが生じている、或いは、分散型コントローラ(分散制御装置110)を構成する親局装置811又は子局装置812に故障が発生している等のエラー内容が表示される。
【0068】
次に、操作PC106が、ネットワーク構成の誤配線や分散型コントローラ(分散制御装置110)の故障を判定する処理について説明する。
図13は、
図9に示す分散制御システムを適用した自動分析システムのネットワーク構成の判断手順を示すフローチャートである。先ず、システム利用者は、ネットワーク構成表示アプリケーションを起動する。具体的には、操作PC106を構成する実施例1にて説明した演算部(図示せず)が、図示しない記憶装置に格納されるネットワーク構成表示アプリケーションプログラムを読み出し実行することで、
図13に示す以下の各ステップを実行する。
【0069】
図13に示すステップS201では、操作PC106が経路情報格納部826にアクセスし、経路情報格納部826に格納されるシステム利用者により事前に登録されたネットワーク構成の経路情報内に、該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811の経路情報が格納されているかを判定する。判定の結果、経路情報格納部826に該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811の経路情報が格納されていない場合、ステップS202へ進む。一方、判定の結果、経路情報格納部826に該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811の経路情報が格納されている場合、ステップS203へ進む。
【0070】
ステップS202では、操作PC106を構成する演算部は、該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811が接続されていない、若しくは故障していると判定し、ステップS209へ進む。なお、ステップS202では、操作PC106を構成する演算部は、該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811により構成される分散型コントローラ(分散制御装置110)が接続されていない、若しくは故障していると判定する。
【0071】
ステップS203では、操作PC106を構成する演算部は、経路情報格納部826に格納されている経路情報と、操作PC106を構成する通信I/F207を介して受信したパケットの識別番号部302に搭載又は格納される経路情報とを比較し、一致しているか否かを判定する。判定の結果、経路情報格納部826に格納されている経路情報と、上記パケットの識別番号部302に搭載又は格納される経路情報とが不一致の場合、ステップS204へ進む。一方、判定の結果、経路情報格納部826に格納されている経路情報と、上記パケットの識別番号部302に搭載又は格納される経路情報とが一致する場合、ステップS205へ進む。
【0072】
ステップS204では、操作PC106を構成する演算部は、該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811の接続箇所が誤っていると判定し、ステップS209へ進む。なお、ステップS204では、操作PC106を構成する演算部は、該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811より構成される分散型コントローラ(分散制御装置110)の接続箇所が誤っていると判定する。
【0073】
ステップS205では、操作PC106を構成する演算部は、該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811が、親局装置811であるか否かを判定する。判定の結果、親局装置811でない場合ステップS206へ進む。一方、判定の結果が親局装置811である場合、ステップS208へ進み、ステップS208にて異常なしとし、処理を終了する。
【0074】
ステップS206では、操作PC106を構成する演算部は、経路情報格納部826に格納されるシステム利用者により事前に登録された通信モード情報と、操作PC106を構成する通信I/F207を介して受信したパケットの識別番号部302に搭載又は格納される通信モード情報とを比較し、一致しているか否かを判定する。判定の結果、経路情報格納部826に格納されている通信モード情報と、上記パケットの識別番号部302に搭載又は格納される通信モード情報とが不一致の場合、ステップS207へ進む。一方、判定の結果、経路情報格納部826に格納されている通信モード情報と、上記パケットの識別番号部302に搭載又は格納される通信モード情報とが一致する場合、ステップS208へ進み、ステップS208にて異常なしとし、処理を終了する。
【0075】
ステップS207では、操作PC106を構成する演算部は、該当識別番号の子局装置812が故障していると判定しステップS209へ進む。
ステップS209では、ステップS202にて判定された該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811が接続されていない若しくは故障しているとの判定結果、ステップS204にて判定された該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811の接続箇所が誤っているとの判定結果、及び、ステップS207にて判定された該当識別番号の子局装置812が故障しているとの判定結果を、異常内容として表示装置708へ出力し、処理を終了する。これにより、表示装置708のエラー表示部1106に、「該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811が接続されていない若しくは故障している」、「該当識別番号の各子局装置812及び親局装置811の接続箇所が誤っている」、又は、「該当識別番号の子局装置812が故障している」とのエラー内容が表示される。
【0076】
なお、操作PC106は、
図13に示すステップS201〜ステップS209までの処理を、表示装置708のネットワーク構成表示部1101に表示されるモジュール構成に含まれる各子局装置812及び親局装置811に対して行う。
【0077】
次に、本実施例における自動分析装置101のモジュール構成から、装置に電源を投入し、上述の
図13に示したネットワーク構成を確認するまでの動作の全体フローについて、
図9、
図12、
図14を用いて説明する。
図14、
図9に示す分散制御システムを適用した自動分析システムにおける自動分析装置101のモジュール構成からネットワーク構成の確認までの手順を示すフローチャートである。
【0078】
まず、ステップS301では、システム利用者が検査室に設置される機能モジュール102及び搬送モジュール103の構成を、上述の実施例2において
図8を用いて説明した手順と同様に、制御システム設計支援を行い得る設定入力画面700に入力する。次に、ステップS302では、操作PC106は、設定入力画面700に入力されたモジュール構成に基づき、本来構成するネットワークで構成される各子局装置812及び各親局装置811の識別番号、経路情報、及び通信モード(各子局装置812のみ)を経路情報格納部826に登録する。
【0079】
次に、システム利用者が装置の電源を投入し(ステップS303)、上述の実施例1において
図7を用いて説明したステップS102〜ステップS105の処理により、子局装置812の通信モードを設定する(ステップS304)。
【0080】
次に、ステップS305では、操作PC106は、親局装置811毎に予め割り付けられた識別番号を、対応する各親局装置811へ、通信路120及び/又は子局装置812を経由して転送し、各親局装置811の識別番号設定部216に識別番号を設定する。また、操作PC106は、子局装置812毎に予め割り付けられた識別番号を、対応する各子局装置812へ、親局装置811及び/又は他の子局装置812を経由して転送し、各子局装置812の識別番号設定部216に識別番号を設定する。
【0081】
ステップS306では、各親局装置811は、設定された自身の識別番号及び経路情報をパケットの識別番号部302に搭載又は格納し、当該パケットを通信路120及び/又は子局装置812を経由して操作PC106に転送する。また、各子局装置812は、設定された自身の識別番号及び経路情報並びに通信モードをパケットの識別番号部302に搭載又は格納し、当該パケットを親局装置811及び/又は他の子局装置812を経由して操作PC106に転送する。操作PC106は、通信I/F207を介して受信される、各親局装置811の自身の識別番号及び経路情報と、各子局装置812の自身の識別番号及び経路情報並びに通信モードと、を経路情報格納部826に格納する。
【0082】
ステップS307では、操作PC106を構成する演算部は、経路情報格納部826に予めシステム利用者により登録された各親局装置811の識別番号及び経路情報と、ステップS306にて転送された各親局装置811の識別番号及び経路情報とが一致するか否かを比較する。また、操作PC106を構成する演算部は、同様に、経路情報格納部826に予めシステム利用者により登録された各子局装置812の識別番号及び経路情報並びに通信モードと、ステップS306にて転送された各子局装置812の識別番号及び経路情報並びに通信モードとが一致するか否かを比較する。なお、これら各親局装置811の識別番号及び経路情報の比較と、各子局装置812の識別番号及び経路情報並びに通信モードの比較は、上述の
図13に示した各ステップ順に従って実行する。
【0083】
ステップS308では、操作PC106を構成する演算部は、各親局装置811及び各子局装置812の、識別番号及び経路情報並びに通信モード(各子局装置812のみ)が一致しているか判定する。判定の結果、一致していなければステップS309へ進み、本来のネットワーク構成との相違点についてネットワーク構成表示部1101に表示し、エラー内容をエラー表示部1106に表示することで、システム利用者に提示する。ステップS301では、システム利用者により、装置の電源が切られ、システム構成(自動分析装置101のモジュール構成)が修正されると、修正されたシステム構成(自動分析装置101のモジュール構成)に対し、再び、ステップS303〜ステップS308までの処理を繰り返し実行する。一方、ステップS308での判定の結果、一致していれば処理を終了する。
【0084】
以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、装置起動時に分散制御装置110の異常とその内容を迅速にシステム利用者が認識することが可能となり、分散制御装置110の誤配線及び/又は分散制御装置110の故障による自動分析システム(分散制御システム)10としてのエラーの原因究明或いは復帰時間の低減が可能となる。
【0085】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。