【実施例】
【0018】
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
【0019】
試験例1 ノンフライ即席うどん
(実施例1)
表1記載の配合で、原料粉(中力粉;日清製粉製「わらべ」)に、混捏水として飽和炭酸水(約20℃、pH4.3)と食塩を添加し、製麺用ミキサーを用いて混捏してうどん生地を調製した。この生地を、製麺ロールを用いて複合及び圧延して1.2mm厚の麺帯を得た後、切刃を用いて幅3mmに切り出し、麺線を製造した。得られた麺線を100℃の蒸気で2分間蒸熱処理してα化した後、90℃の熱風で18分間乾燥させることにより、ノンフライ即席うどんを製造した。
【0020】
(実施例2)
炭酸水の半量を水に置き換えた以外は、実施例1と同様の手順でノンフライ即席うどんを製造した。
【0021】
(比較例1)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例1と同様の手順でノンフライ即席うどんを製造した。
【0022】
(比較例2)
炭酸水の代わりに、乳酸水溶液(pH4.3)を使用した以外は、実施例1と同様の手順でノンフライ即席うどんを製造した。
【0023】
(比較例3)
特許文献4の手順に準じて、麺生地調製用の水に乳酸及び炭酸水素ナトリウムの水溶液(pH6.5)を使用した以外は、実施例1と同様の手順でノンフライ即席うどんを製造した。
【0024】
(評価)
実施例1〜2及び比較例1〜3のノンフライ即席うどんを密封容器中に入れ、沸騰水を注いで復元した。復元した麺の湯戻り及び食感を、下記評価基準に基づいて10名のパネラーにより評価し、平均点を求めた。評価結果を表1に示す。
【0025】
〔評価基準〕
(湯戻り)
5点:麺の湯戻りが極めて良好であった。
4点:麺の湯戻りが良好であった。
3点:麺の湯戻りがやや良好であった。
2点:麺の湯戻りがやや悪かった。
1点:麺の湯戻りが極めて悪かった。
(食感)
5点:麺の粘弾性のバランスが極めて良好であった。
4点:麺の粘弾性のバランスが良好であった。
3点:麺の粘弾性のバランスがやや良好であった。
2点:麺の粘弾性のバランスがやや悪かった。
1点:麺の粘弾性のバランスが極めて悪かった。
【0026】
【表1】
【0027】
試験例2 ノンフライ即席中華麺
(実施例3)
表2記載の配合で、原料粉(中力粉;日清製粉製「わらべ」)に飽和炭酸水(約20℃)、かんすい(オリエンタル酵母工業製「粉末かんすい赤」)、及び食塩を添加し、製麺用ミキサーを用いて混捏して中華麺生地を調製した。この生地を、製麺ロールを用いて複合及び圧延して1.25mm厚の麺帯を得た後、切刃を用いて幅1.66mmに切り出し、麺線(生中華麺)を製造した。得られた麺線を100℃の蒸気で2分間蒸熱処理してα化した後、90℃の熱風で18分間乾燥することにより、ノンフライ即席中華麺を製造した。
【0028】
(実施例4)
炭酸水の半量を水に置き換えた以外は、実施例3と同様の手順でノンフライ即席中華麺を製造した。
【0029】
(比較例4)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例3と同様の手順でノンフライ即席中華麺を製造した。
【0030】
(評価)
試験例1と同様の手順で、実施例3〜4及び比較例4のノンフライ即席中華麺を評価した。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
試験例3 フライ即席中華麺
(実施例5)
実施例3と同様の手順で、表3記載の配合の生中華麺を製造し、α化(蒸熱処理)した。得られたα化麺線を150℃の油で2分間油ちょうすることにより、フライ即席中華麺を製造した。
【0033】
(実施例6)
炭酸水の半量を水に置き換えた以外は、実施例5と同様の手順でフライ即席中華麺を製造した。
【0034】
(比較例5)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例5と同様の手順でフライ即席中華麺を製造した。
【0035】
(評価)
試験例1と同様の手順で、実施例5〜6及び比較例5のフライ即席中華麺を評価した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
試験例4 冷蔵調理済み麺
(実施例7)
表4記載の配合で、実施例3と同様の手順で生中華麺を製造し、得られた生中華麺を2分半茹でてα化した。得られたα化麺を水冷して4℃まで冷却した後、密封袋で包装することにより、冷蔵調理済み中華麺を製造し、冷蔵保存した。
【0038】
(実施例8)
炭酸水の半量を水に置き換えた以外は、実施例7と同様の手順で冷蔵調理済み中華麺を製造した。
【0039】
(比較例6)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例7と同様の手順で冷蔵調理済み中華麺を製造した。
【0040】
(比較例7)
炭酸水の代わりに、乳酸水溶液(pH4.2)を使用した以外は、実施例7と同様の手順で冷蔵調理済み中華麺を製造した。
【0041】
(比較例8)
特許文献4の手順に準じて、麺生地調製用の水に乳酸及び炭酸水素ナトリウムの水溶液(pH6.5)を使用した以外は、実施例7と同様の手順で冷蔵調理済み中華麺を製造した。
【0042】
(評価)
実施例7〜8及び比較例6〜8の麺について、試験例1と同様の手順で10名のパネラーにより、各調理済み麺の製造直後の食感を評価するとともに、24時間冷蔵保存後の各調理済み麺について、下記評価基準に基づいて麺の老化耐性を評価し、平均点を求めた。結果を表4に示す。
【0043】
〔評価基準〕
(老化耐性)
5点:麺の老化耐性が極めて良好で、製造直後と比較して、軟らかさや粘弾性が極めて良好に維持されていた。
4点:麺の老化耐性が良好で、製造直後と比較して、軟らかさや粘弾性が良好に維持されていた。
3点:麺の老化耐性がやや良好で、製造直後と比較して、軟らかさや粘弾性が維持されていた。
2点:麺の老化耐性がやや悪く、製造直後と比較して、やや硬く脆い食感であった。
1点:麺の老化耐性が極めて悪く、製造直後と比較して、硬く脆い食感であった。
【0044】
【表4】
【0045】
試験例5 調理麺(非冷蔵)
(実施例9)
表5記載の配合で、実施例3と同様の手順で生中華麺を製造した。
【0046】
(比較例9)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例9と同様の手順で生中華麺を製造した。
【0047】
(評価)
実施例9及び比較例9の生中華麺を、沸騰した湯中で2分半茹でてα化した。得られた茹で中華麺について、試験例1と同様の手順で10名のパネラーにより茹で中華麺の食感を評価した。結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
試験例6 澱粉配合ノンフライ即席うどん及び冷蔵調理済みうどん
(実施例10)
表6のとおり原料粉に馬鈴薯澱粉(Jオイルミルズ社製「BP200」)を配合した以外は、実施例1と同様の手順でノンフライ即席うどんを製造した。
【0050】
(比較例10)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例10と同様の手順でノンフライ即席うどんを製造した。
【0051】
(実施例11)
実施例10と同様の手順で生うどんを製造し、得られた生麺線を沸騰した湯で20分間茹でてα化した。これを4℃まで水洗冷却した後、密封袋で包装することにより冷蔵調理済みうどんを製造し、これを24時間冷蔵保存した。
【0052】
(比較例11)
炭酸水の代わりに水を使用した以外は、実施例11と同様の手順で冷蔵調理済みうどんを製造した。
【0053】
(評価)
試験例1と同様の手順で、実施例10及び比較例10のノンフライ即席うどんについて、湯戻り及び食感を評価した。さらに、試験例4と同様の手順で、実施例11及び比較例11の調理済み冷蔵うどんについて、食感及び老化耐性を評価した。結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
試験例7
(製造例1〜8)
表7及び8記載のとおり炭酸水の配合量を変えた以外は、実施例3と同様の手順で生中華麺を製造した。得られた生中華麺を蒸熱処理してα化した後、乾燥してノンフライ即席中華麺とした(製造例1〜4)。一方、同様に製造した生中華麺を実施例7と同様の手順で冷蔵調理済み中華麺とした(製造例5〜8)。
ノンフライ即席中華麺については、試験例1と同様の手順で、各麺の湯戻り及び食感を評価した。一方、冷蔵調理済み中華麺については、試験例4と同様の手順で食感及び老化耐性を評価した。結果を表7及び8に示す。
【表7】
【表8】