(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射性樹脂形成工程の前に、前記実装した発光素子の上にそれぞれ透光性部材を接着する接着工程を含む請求項1〜10のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
前記透光性部材を発光素子上に配置した後に各透光性部材の側面を研削することにより各透光性部材を所定の形状に加工する加工工程を含む請求項11に記載の発光装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の発光装置の製造方法を用いて作製した発光装置100の斜視図である。
【
図3】実施形態に係る発光装置の製造方法に使用する基板10の全体構成を示す平面図である。
【
図4】(a)は、単位アライメントマーク形成領域13aの平面図であり、(b)は、単位アライメントマーク形成領域13bの平面図である。
【
図5】
図3の一部の領域Cを拡大して示す平面図である。
【
図7A】基板10上に発光素子30をフリップチップ実装したときの断面図である。
【
図7B】発光素子30上に透光性部材50を接着したときの断面図である。
【
図7C】アライメントマーク形成領域13に透光性樹脂を塗布して硬化させたときの断面図である。
【
図7D】基板上に、発光素子30、透光性部材50及び透光性樹脂80を覆う反射性樹脂70を形成したときの断面図である。
【
図7E】反射性樹脂の一部を削除して透光性部材50の上面及び透光性樹脂80の表面が露出させたときの断面図である。
【
図7F】基板及び反射性樹脂70を切断ブレードにより切断する様子を示す断面図である。
【
図7G】個々の発光装置に個片化したときの断面図である。
【
図8A】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、基体15上に配線用金属膜151を形成したときの断面図である。
【
図8B】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、配線用金属膜151の上に第1レジストR151を形成したときの断面図である。
【
図8C】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、第1レジストR151を露光して現像したときの断面図である。
【
図8D】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、現像した第1レジストR151をマスクとして配線用金属膜151をエッチングしたときの断面図である。
【
図8E】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、配線用金属膜151をエッチングした後に第1レジストR151を除去したときの断面図である。
【
図8F】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、第1下部電極1b、第2下部電極2b及び配線電極12上を含む基体15上に凸部用金属膜152を形成したときの断面図である。
【
図8G】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、凸部用金属膜152の上に第2レジストR152を形成したときの断面図である
【
図8H】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、第2レジストR152を露光して現像したときの断面図である。
【
図8I】実施形態に係る製造方法の好ましい基板準備工程において、第2レジストR152をマスクとして凸部用金属膜152をエッチングして第2レジストR152を除去したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施形態の発光装置の製造方法を用いて作製した発光装置100の斜視図であり、
図2は
図1のA−A線についての断面図である。
【0010】
この発光装置100は、基板(以下、分割後の基板であるから小片基板という。)101と発光素子30と透光性部材50と反射性樹脂70とを含む。小片基板101は、上面に設けられた第1ランド電極1及び第2ランド電極2と、下面に設けられた第1端子電極1t及び第2端子電極2tとを有する。第1ランド電極1は、第1下部電極1bと第1下部電極1bの上に設けられた第1凸部1aとを含む。第2ランド電極2は、第2下部電極2bと第2下部電極2bの上に設けられた第2凸部2aとを含む。また、第1ランド電極1は、第1ランド電極1の直下に設けられた小片基板101を貫通する貫通孔の側面に形成された接続電極1cによって第1端子電極1tに接続されている。第2ランド電極2は、第2ランド電極2の直下に設けられた小片基板101を貫通する貫通孔の側面に形成された接続電極2cによって第2端子電極2tに接続されている。ここで、接続電極1c,2cはそれぞれ貫通孔の内壁に設けられており、貫通孔において接続電極1c,2cの内側にはそれぞれ、例えば、エポキシ樹脂等の充填材が設けられている。
【0011】
発光素子30は、例えば、素子基板34と素子基板の一方の主面に設けられた半導体積層部33とを含む。また、発光素子30は、同一面側である半導体積層部33の表面に設けられたp側電極31とn側電極32とを有してなり、そのp側電極31が第1凸部1aに導電性接着部材20を介して接続され、n側電極32が第2凸部2aに導電性接着部材20を介して接続されるようにフリップチップ実装されている。尚、
図2には、簡略化して図示しているが、p側電極31とn側電極32とは電気的に分離されており、p側電極31は半導体積層部33のp型半導体層に接触し、n側電極32は半導体積層部33のn型半導体層に接触している。また、発光素子30において、p側電極31とn側電極32とが形成された面の反対側の表面が発光面である。また、発光素子30は、X方向に長くY方向に短い発光ダイオードチップである。
【0012】
透光性部材50は、X方向に長くY方向に短い直方体状の小片であり、例えば、発光素子30より一回り大きくなっており、発光素子30の発光面に導光部材40を介して接合される。透光性部材50は、例えば、樹脂からなる母材51a中に波長変換物質51bを含んでなる第1透光性部材51と、実質的に波長変換物質を含んでいない第2透光性部材52とを含む。例えば、透光性部材50が、発光装置の発光面側に実質的に波長変換物質を含まない第2透光性部材52を含んでいると、例えば、後述する製造方法において、透光性部材50上の反射性樹脂を除去する際、波長変換物質51bを含む第1透光性部材51まで研削することなく反射性樹脂を除去できる。これにより、発光素子30上に存在する波長変換物質51bの量のバラツキを小さくでき、発光装置の発光色のバラツキを小さくできる。
【0013】
反射性樹脂70は、例えば、樹脂からなる母材中に白色顔料を含む反射性部材であり、小片基板101上において発光素子30の側面、導光部材40の側面及び透光性部材50の側面を被覆している。反射性樹脂70は、発光素子30及び透光性部材50等の側面を全周にわたって包囲している。また、透光性部材50の上面と反射性樹脂70の上面は、実質的に同一面を構成している。
【0014】
以上のように構成された発光装置100は、発光素子30及び透光性部材50から側方に出射される光が反射性樹脂70によって反射されて上方(前方)から出射されるので上方(前方)からの光の取り出し効率を高くできる。このように構成される発光装置100では、反射性樹脂70を透過する光量を抑えて反射性樹脂70によって反射される光の光量を大きくするために、反射性樹脂70を一定以上の厚さに形成する必要がある。発光装置100を基板上に集合状態で作製して、発光素子30間の反射性樹脂70を切断して個々の発光装置100を製造する場合には、発光素子30及び透光性部材50の実装位置に対する切断位置の位置精度が悪いと、切断位置の位置精度のバラツキを考慮して反射性樹脂70を必要以上の厚さに形成する必要があり、小型化に制限がある。しかしながら、以下に説明する実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、アライメントマーク3の位置を精度よく認識でき、発光素子30の実装位置に対して精度よく切断位置を設定できる。これにより、反射性樹脂70を必要以上の厚さに形成する必要がなく、小型の発光装置を製造することが可能になる。
【0015】
以下、実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
ここで、
図3は、実施形態に係る発光装置100の製造方法に使用する基板10の全体構成を示す平面図である。また、
図5は、
図3の一部の領域Cを拡大して示す平面図であり、
図6は、
図5のB−B線についての断面図である。
図4の(a)は、単位アライメントマーク形成領域13aの平面図であり、
図4の(b)は、単位アライメントマーク形成領域13bの平面図である。
実施形態に係る発光装置100の製造方法は、それぞれ発光素子を含む複数の発光装置を集合状態で形成した後に個々の発光装置に分離する発光装置の製造方法であり、基板準備工程と、発光素子の実装工程と、アライメントマーク被覆工程と、反射性樹脂形成工程と、個々の発光装置に分離する切断工程と、を含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
【0016】
<基板準備工程>
基板準備工程は、上面に発光素子30が接続される配線電極12とアライメントマーク3とが設けられた基板10を準備する工程である。ここでいう配線電極12は、第1ランド電極1、第2ランド電極2及び後述するアライメントマーク3を形成するための電極枠を含む。
基板10は、例えば、
図3に示すように、複数(
図3では、6つの場合を例示)に区分された矩形形状の実装領域11と、実装領域11の外に実装領域11の一辺に沿って一直線上に設けられた複数のアライメントマーク形成領域13とを含む。複数の実装領域11は、例えば、複数の行及び列をなして配列される。ここで、本明細書において、X方向に配列されたものを行といい、Y方向に配列されたものを列といい、
図3に示す例では、実装領域11は、3行2列に配置されている。また、各実装領域11はそれぞれ、それぞれ1つの発光装置100に対応して設けられた複数の単位実装領域11uを含む。単位実装領域11uは、各実装領域11において複数の行及び列をなして配列される。
【0017】
また、アライメントマーク形成領域13はそれぞれ、例えば、2種類の単位アライメントマーク形成領域13a,13bを含む。単位アライメントマーク形成領域13a,13bは、実装領域11外に設けられたアライメントマーク形成領域13において、実装領域11の角部近傍に設けられる。
単位アライメントマーク形成領域13aは、
図4(a)に示すように、長手方向が異なるアライメントマーク3xとアライメントマーク3yを含む。単位アライメントマーク形成領域13bは、
図4(b)に示すように、アライメントマーク3xを含む。アライメントマーク3xは、長手方向がX方向に一致するように形成され、アライメントマーク3yは、長手方向がY方向に一致するように形成される。具体的には、例えば、アライメントマーク3xは、X方向に延びる対向する長辺と、その長辺の端部をそれぞれ接続する半円形状の端辺とを有するX方向に長い形状である。また、アライメントマーク3yは、Y方向に延びる対向する長辺と、その長辺の端部をそれぞれ接続する半円形状の端辺とを有するY方向に長い形状である。
【0018】
図5及び
図6には、周りが配線電極12に囲まれて基板10の表面が露出した凹形状のパターンにより構成したアライメントマーク3x,3yを示している。すなわち、配線電極12は、基板10の表面からなるアライメントマーク3x,3yを規定する電極枠3aを含んでいる。しかしながら、実施形態の製造方法では、配線電極12の一部の周りに基板10の表面を露出させて島状の配線電極12を形成して、その島状の配線電極12によりアライメントマーク3を構成してもよい。いずれの場合であっても、アライメントマーク3を発光素子30の実装位置に対して精度よく配置するために、例えば、後述するように、アライメントマーク3を形成する際のフォトリソグラフィー工程と発光素子30の実装位置を規定する第1及び第2凸部を形成するフォトリソグラフィー工程の露光工程を同一の工程とすることが好ましい。また、本実施形態の製造方法では、アライメントマークと配線電極12とを別の工程で形成してもよい。
以上のようにして、アライメントマーク3x,3yは、そのいずれかまたは双方が、各実装領域11の外側の隅部近傍に配置される。
【0019】
基板10の単位実装領域11uにはそれぞれ、
図5に示すように、第1ランド電極1及び第2ランド電極2が設けられる。また、第1ランド電極1と第2ランド電極2はそれぞれ、第1下部電極1bと第1下部電極1bの上に設けられた第1凸部1aと第2下部電極2bと第2下部電極2bの上に設けられた第2凸部2aとを含む。また、
図6に示すように、単位実装領域11uにおいて基板10の下面にはそれぞれ第1端子電極1t及び第2端子電極2tとが設けられる。各単位実装領域11uにおいて、第1ランド電極1及び第2ランド電極2はそれぞれ基板10に設けられた貫通孔の側面に形成された接続電極によって第1端子電極1t及び第2端子電極2tに接続されている。第1ランド電極1及び第2ランド電極2は、基板10上において、
図5に示すように、配線電極12の一部として設けられている。尚、
図5は、基板10の上面の一部を示す平面図であって断面図ではないが、連続して形成された配線電極12の形状が理解しやすいように、基板10の表面が露出した部分にはハッチングを付して示している。
図5において、ハッチングを付していない部分が配線電極12である。
【0020】
<実装工程>
実装工程は、発光素子30をそれぞれ所定の位置に実装する工程である。
実装工程では、必要に応じて透光性部材50をそれぞれ実装した発光素子30上に載置する工程を含んでいてもよい。以下、透光性部材50を含む場合について説明する。
【0021】
1.発光素子実装工程
発光素子実装工程では、まず、
図7Aに示すように、基板10上に発光素子30をフリップチップ実装する。具体的には、ペースト状態の導電性接着部材20を第1凸部1a上と第2凸部2a上とに塗布し、発光素子30のp側電極31とn側電極32とがそれぞれ第1凸部1aと第2凸部2aに対向するように発光素子30を載置する。そして、導電性接着部材20をリフロー炉などで加熱して溶融させた後、冷却して固化させる。この加熱溶融させたとき、第1凸部1aと第2凸部2aとによるセルフアライメント効果により、第1凸部1aと第2凸部2aに対して、高い精度で発光素子30が実装される。ここで、導電性接着部材20は、例えば、半田である。尚、
図7Aにおいては、簡略化して、第1下部電極1bと第1凸部1aとを区別することなく第1ランド電極1のみを図示し、第2下部電極2bと第2凸部2aとを区別することなく第2ランド電極2のみを図示している。
図7Aにおいて、導電性接着部材20は図示していない。
【0022】
2.透光性部材接着工程
透光性部材接着工程では、
図7Bに示すように、透光性部材50を発光素子30上にそれぞれ接着する。具体的には、発光素子30の上に液状の導光部材40を塗布して、その上に透光性部材50を載置して、導光部材40を加熱処理により硬化させる。本明細書における「液状」は、ゾル状、スラリー状を含むものとする。
【0023】
実施形態の製造方法では、透光性部材50を発光素子30上にそれぞれ接着した後、透光性部材50の外形を所定のサイズに調整する加工工程を含んでいてもよい。この加工工程は、例えば、ブレードダイシング装置により、水を吹き付けることなくドライ研削により透光性部材50の側面を研削することが好ましい。ドライ研削によると、水分による波長変換物質の変色を防止することができる。また、この加工工程では、研削用のブレードをアライメントマーク3x,3yにより位置決めして精度よく実施できる。また、加工後の削り屑の洗浄は、例えば、ドライアイスを使用し洗浄することにより、波長変換物質の水分による変色を防止することができる。
【0024】
<アライメントマーク被覆工程>
アライメントマーク被覆工程は、アライメントマークを透光性樹脂80で覆う工程である。
ここでは、
図7Cに示すように、例えば、アライメントマーク形成領域13に透光性樹脂80を連続して塗布して硬化させることによりアライメントマーク3x,3yを透光性樹脂80で被覆する。透光性樹脂80は、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、トリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いることができ、その中でもシリコーン樹脂を用いることが好ましい。また、アライメントマーク被覆工程では、透光性樹脂80を所定の幅で所定の厚さに形成するために、透光性樹脂80にナノサイズのフィラーを添加して粘度調整して塗布することが好ましい。透光性樹脂80にナノフィラーを添加した後、例えば、遠心撹拌脱泡装置により、泡を含まないようにして透光性を維持した状態でアライメントマーク3x,3y上に塗布することが好ましい。
【0025】
<反射性樹脂形成工程>
反射性樹脂形成工程は、発光素子30の光を反射する反射性樹脂70を、透光性樹脂80の表面の少なくとも一部が露出するように発光素子30の周りに形成する工程である。
尚、発光素子30の上に透光性部材50を含む場合には、発光素子30及び透光性部材50の周りに反射性樹脂70を形成する。
この反射性樹脂形成工程は、例えば、(a)反射性樹脂70を、アライメントマーク3及び発光素子30を覆うように形成して、反射性樹脂70を硬化させるA工程と、(b)硬化させた反射性樹脂70を、透光性樹脂80の上面と発光装置の発光面、すなわち、透光性部材50の表面が露出するように除去するB工程と、を含む。以下、発光素子30の上に透光性部材50を含み、さらにA工程とB工程とを含む場合について説明する。
【0026】
1.A工程(反射性樹脂形成工程)
A工程では、
図7Dに示すように、例えば、基板10上に、発光素子30及び透光性部材50の周囲に充填されるように、発光素子30、透光性部材50及び透光性樹脂80を覆う、液状の反射性樹脂70を塗布して硬化させる。反射性樹脂70は、例えば、シリコーン樹脂等の透光性樹脂に光反射材である例えば酸化チタンを添加して撹拌した後、例えば、遠心脱泡充填機にてシリンジに充填する。そして、シリンジに充填された反射性樹脂70を、例えば、圧縮成形機の金型にセットされた、発光素子30及び透光性部材50が実装された基板上に塗布する。反射性樹脂70を圧縮成形で形成する場合には、アライメントマーク3を避けて反射性樹脂70を形成することが難しいが、本実施形態の製造方法では、透光性樹脂80を形成しているので、アライメントマーク3を避けて反射性樹脂70を形成することが可能になり、後述の切断工程において、透光性樹脂80によりアライメントマーク3の精度よく認識することができる。ここでは、反射性樹脂70を、圧縮成形で形成する例を示したが、本実施形態の製造方法は、反射性樹脂70の形成は圧縮成形に限定されるものではなく、トランスファー成形等の他の方法を用いて反射性樹脂70を形成してもよい。トランスファー成形の場合、アライメントマーク3が実装領域11の近傍に設けられるので、金型により成形箇所を限定しても、反射性樹脂70がアライメントマーク3に付着することがある。しかしながら、本実施形態の製造方法では、透光性樹脂80を形成しているので、アライメントマーク3に付着させることなく反射性樹脂70を形成することが可能になり、後述の切断工程においてアライメントマーク3を透光性樹脂80により被覆することで、より確実にアライメントマーク3を認識することができる。
【0027】
2.B工程(反射性樹脂除去工程)
B工程では、透光性樹脂80の上面と発光装置の発光面が露出するように反射性樹脂70を除去する
具体的には、
図7Eに示すように、研削若しくはブラストなどによって透光性部材50の上面(発光装置の発光面)及び透光性樹脂80の表面が露出するまで、反射性樹脂70を上面から除去する。以上のようにして、発光素子30の側面及び透光性部材の側面を覆い、透光性樹脂80を通してアライメントマーク3が露出する反射性樹脂70を形成する。
以上の説明では、透光性樹脂80の上面及び発光装置の発光面が同時に露出するように反射性樹脂70を除去する例を示した。この場合、前述したアライメントマーク被覆工程において、透光性樹脂80は、透光性樹脂80の上面が、発光装置の発光面と同じか、高くなるよう配置する。また、反射性樹脂除去工程後に、上面視において、透光性樹脂80の露出面の外周よりアライメントマーク3が内側に位置するように、透光性樹脂80を配置する。これにより、後述する切断工程において、アライメントマーク3の位置を精度よく確実に認識することができる。
また、本実施形態の製造方法では、透光性樹脂80の上面と発光装置の発光面とを別の工程で露出させるようにしてもよい。透光性樹脂80の上面と発光装置の発光面とを別の工程で露出させるようにする場合、透光性樹脂80の上面が発光装置の発光面より高くなるようにしてもよいし、低くなるようにしてもよい。また、露出させる透光性樹脂80の表面は、アライメントマーク3x,3yが、上面視において、透光性樹脂80の露出させた表面の外周より内側に位置するように露出させる。
【0028】
<切断工程>
切断工程では、表面が露出された透光性樹脂80を介してアライメントマーク3x,3yの位置を認識し、認識したアライメントマーク3x,3yを基準にして、単位実装領域11u間において反射性樹脂70及び基板10を切断して個々の発光装置に分離する工程である。
切断工程では、
図7Fに示すように、透光性部材50の側面及び発光素子30の側面を所定の幅で被覆する反射性樹脂70が形成されるように基板10及び反射性樹脂70を切断ブレードにより切断する。基板10及び反射性樹脂70を切断する際、アライメントマークを基準に切断ブレードを位置決めして切断位置を設定するが、アライメントマーク3が透光性樹脂80に覆われてかつ透光性樹脂80の表面が露出されているのでアライメントマーク3を確実に認識して切断位置を精度よく位置決めすることができる。これにより、透光性部材50の側面及び発光素子30の側面を所定の幅で被覆する反射性樹脂70を形成することが可能になる。ここで、実装領域11の各角部近傍に形成された長手方向がX方向に一致するように形成されたアライメントマーク3xは、X方向に隣接する一対のアライメントマーク3xを認識することで、X方向に切断ブレードを移動して切断する際の位置決めに使用される。また、長手方向がY方向に一致するように形成されたアライメントマーク3yは、Y方向に隣接する一対のアライメントマーク3xを認識することで、Y方向に切断ブレードを移動して切断する際の位置決めに使用される。
また、アライメントマーク3が実装領域11の角部近傍に設けられることで、隣接する一対のアライメントマーク3の距離が近くなり、アライメントマーク3の認識時に生じる誤差を抑制し、切断位置の精度を高めることができる。
【0029】
また、以下の変形例に示すようにして、アライメントマークを第1凸部1a及び第2凸部2aに対して高い位置精度で形成するようにすると、第1凸部1a及び第2凸部2aに対してセルフアライメント効果により位置精度よく発光素子30を実装した上で、第1凸部1a及び第2凸部2aに対して位置精度よく形成されたアライメントマーク3を基準にして切断することが可能になる。これにより、透光性部材50の側面及び発光素子30の側面を所定の幅で被覆する反射性樹脂70を形成することが可能になる。
【0030】
この切断工程は、例えば、ブレードダイシング装置により、水を吹き付けることなく行ってもよいし、水を吹き付けながら行ってもよい。水を吹き付けながら切断する場合には、透光性部材50が、発光面側に実質的に波長変換物資51bを含んでいない第2透光性部材52を有していることが好ましく、これにより、第1透光性部材51に含まれる波長変換物質51bの変色を抑制できる。
【0031】
以上説明した実施形態の発光装置の製造方法によれば、透光性部材50の側面及び発光素子30の側面を所定の幅で被覆する反射性樹脂70を厚さのバラツキを小さくして形成することが可能になる。これにより、切断位置の精度のバラツキを考慮して反射性樹脂70を必要以上の厚さに形成する必要がなく、小型の発光装置を製造することが可能になる。
【0032】
次に、アライメントマーク3x,3yを、第1凸部1a及び第2凸部2aに対して高い位置精度で形成することができる好ましい形態の基板準備工程について説明する。
この好ましい基板準備工程では、アライメントマーク3x,3yを、周りが配線電極12に囲まれて基板10の表面が露出した凹形状のパターンにより構成するようにし、アライメントマーク3x,3yを形成する際のフォトリソグラフィー工程と発光素子30の実装位置を規定する第1凸部1a及び第2凸部2aを形成するフォトリソグラフィー工程の露光工程を同一の工程とする。
具体的には、以下のようにして基板10を準備する。
【0033】
1.配線用金属膜形成工程
まず、各単位実装領域11uにおいてそれぞれ第1下部電極1bと第2下部電極2bを形成するための配線用金属膜151を基体15の上面に形成する。尚、基体15の下面には、第1端子電極1tと第2端子電極2tとが設けられており、基体15に設けられた貫通孔に形成された接続電極1c,2cによりそれぞれ第1下部電極1bと第2下部電極2bに接続されているが、以下で参照する
図8A〜
図8Iにおいてそれらは省略している。
【0034】
ここで、配線用金属膜151は、
図8Aに示すように、アライメントマーク形成領域13を含む基体15の上面全体に形成する。この配線用金属膜151は、例えば、無電解銅メッキ層の上に電解銅メッキ層を形成することにより、所定の厚さに形成する。
【0035】
2.第1フォトリソグラフィー工程
(a)第1レジスト形成工程
次に、配線用金属膜151上全体に、例えば、露光した部分が硬化するドライフィルムレジストを塗布することにより、
図8Bに示すように第1レジストR151を形成する。
(b)第1露光工程
次に、各単位実装領域11uの第1下部電極1bと第2下部電極2bとなる部分の上に形成された第1レジストR151に光を照射してレジストを硬化させる。この第1レジストR151を硬化させる際、少なくとも単位アライメントマーク形成領域13a,13bの周りの配線用金属膜上に形成された第1レジストR151にも光を照射して硬化させる。
(c)第1現像工程
そして、第1レジストR151を硬化させた後、
図8Cに示すように、未硬化の第1レジストR151を除去する。
【0036】
(d)配線用金属膜除去工程
次に、
図8Dに示すように、パターン形成された第1レジストR151を用いて配線用金属膜151をエッチングする。
以上のようにして、
図8Eに示すように、各単位実装領域11uの第1下部電極1bと第2下部電極2bとを形成するとともに、単位アライメントマーク形成領域13a,13bの周りにそれぞれ配線電極12を形成する。
【0037】
3.凸部用金属膜形成工程
次に、
図8Fに示すように、第1凸部1a、第2凸部2a及びアライメントマーク3を囲む電極枠を形成するための凸部用金属膜152を、基体15の上面全体に形成する。凸部用金属膜152は、配線電極12が形成されていない部分については、基体15の表面に直接形成する。第1下部電極1bと第2下部電極2bを含む配線電極12が形成されている部分については、第1下部電極1b、第2下部電極2b及び配線電極12の上に形成する。凸部用金属膜152は、例えば無電解銅めっき層の上に電界銅めっきする事により、所定の厚さに形成する。
【0038】
4.第2フォトリソグラフィー工程
(a)第2レジスト形成工程
次に、
図8Gに示すように、凸部用金属膜152の上全体に第2レジストR152を塗布する。第2レジストR152としては、例えば、露光した部分が硬化するドライフィルムレジストを用いることができる。
【0039】
(b)第2露光工程
次に、例えば、第1凸部1a、第2凸部2a及びアライメントマーク3を囲む電極枠3aの上の第2レジストR152に光を照射して、第1凸部1a、第2凸部2a及び電極枠3aに対応した部分を硬化させる。
この第2レジストR152に光を照射する工程は、例えば、凸部形成用の第2レジストR152上の照射とアライメントマーク形成用の第2レジストR152上の照射とを同一の露光工程により行う。具体的には、第1凸部1a、第2凸部2a及びアライメントマーク3を囲む電極枠3aの位置情報を有するパターンデータに基づき、第1凸部1aのパターンに対応する照射と第2凸部2aのパターンに対応する照射との間、第1凸部1a及び/または第2凸部2aのパターンに対応する照射と電極枠3aのパターンに対応する照射の間で、例えば、照射位置の再設定を行うことなく、一連の連続した光を照射することにより行う。これにより、アライメントマーク3を囲む電極枠3aを第1凸部1a及び第2凸部2aに対して高い位置精度で形成することが可能になる。尚、ここでは、直接第2レジストR152に照射する例を示したが、第1凸部1a、第2凸部2a及び電極枠3aに対応したパターンが一体で形成されたフォトマスクを介して露光するようにしてもよい。
【0040】
(c)第2現像工程
次に、未硬化の第2レジストR152を除去して、
図8Hに示すように、第1凸部1a、第2凸部2a及び電極枠3aに対応したパターンの第2レジストR152を形成する。
【0041】
(d)凸部用金属膜除去工程
そして、第2レジストR152が形成された部分を除いて凸部用金属膜152をエッチングにより除去することにより、
図8Iに示すように、第1凸部1a、第2凸部2a及び電極枠3aを形成する。
【0042】
以上のようにして、第1凸部1a、第2凸部2a及び電極枠3aを形成すると、第1凸部1aのパターンに対応する照射、第2凸部2aのパターンに対応する照射及び電極枠3aのパターンに対応する照射を、一連の連続した光を照射することにより行って第2レジストパターンを形成しているので、アライメントマークを第1凸部1a及び第2凸部2aに対して高い位置精度で形成することができる。または、本製造方法において、第1凸部1a、第2凸部2a及び電極枠3aに対応したパターンが一体で形成されたフォトマスクを介して露光するようにした場合も、同様に、アライメントマーク3を第1凸部1a及び第2凸部2aに対して高い位置精度で形成することができる。
尚、本明細書において、同一の露光工程を含んでレジストをパターン形成し、該パターン形成したレジストを用いて現像することにより、アライメントマーク3と配線電極12とを形成することを、アライメントマーク3を配線電極12と同時に形成するという。
【0043】
以上の説明では、電極枠に囲まれて基板10の表面が露出した部分をアライメントマーク3とした例により説明した。しかしながら、実施形態の発光装置の製造方法はこれに限定されるものではなく、例えば、基板10の表面が露出した領域に、第1凸部1a及び第2凸部2aと同時に形成した金属層を突出させて形成し、その突出した金属層をアライメントマークとしてもよい。突出した金属層をアライメントマークとする場合にも、アライメントマークである突出した金属層を第1凸部1a及び第2凸部2aと同時に形成することにより、アライメントマークを第1凸部1a及び第2凸部2aに対して高い位置精度で形成することができる。