【文献】
Journal of the American Chemical Society,1939年,61,p.1148-1151
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
X
i1及びX
i2はそれぞれ独立して、フッ素原子を表すことが好ましく、より負に大きなΔεを示すにはX
i1及びX
i2が共にフッ素原子を表すことがより好ましい。
【0017】
Y
i1及びY
i2はそれぞれ独立して、酸素原子または硫黄原子を表すことが好ましく、より負に大きなΔεを示すにはY
i1及びY
i2が共に酸素原子または硫黄原子を表すことがより好ましい。負に大きなΔεを示しつつ液晶表示素子とした際の長期信頼性を向上させるには共に酸素原子であることが好ましい。γ
1を重視する場合にはY
i1及びY
i2のいずれかが−CH
2−であることが好ましく、Y
i2が−CH
2−であることがより好ましい。より大きなΔnを示すには共に硫黄原子であることが好ましい。
【0018】
W
i1は−CH
2O−、−OCH
2−、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CH
2−CH=、−OCH=であることが好ましく、T
ni及びγ
1を重視する場合には−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CH
2−CH=であることがより好ましく、他の液晶成分との混和性を上昇させるためには−CH
2CH
2−であることがより好ましく、大きなΔnを示すには−CH=CH−、−CH
2−CH=であることがより好ましい。
【0019】
W
i2は単結合又は−CH
2CH
2−を表すことが好ましい。
【0020】
L
i1及びL
i2はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数2から15のアルケニル基を表すことが好ましく、γ
1を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。|Δε|を大きくさせるためには、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることが特に好ましい。他の液晶成分との混和性を上昇させるためには、L
i1及びL
i2が異なることが好ましく、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基はL
i1及びL
i2のいずれか一方であることが好ましく、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基はL
i1であることが特に好ましい。L
i1及びL
i2中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていても良いが、フッ素原子に置換されていないことが好ましい。
【0024】
R
i1はγ
1を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。|Δε|を大きくさせるためには、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることが特に好ましい。R
i1が複数存在する場合、他の液晶成分との混和性を上昇させるためには、R
i1が互いに異なることが好ましく、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基は複数存在するR
i1のうちいずれか一つであることが好ましく、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基はL
i1中のR
i1であることが特に好ましい。R
i1中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていても良いが、フッ素原子に置換されていないことが好ましい。
【0027】
から選ばれる基を表すことが好ましい。具体的には、A
1はγ
1を低下させる為にはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが特に好ましい。他の液晶成分との混和性を向上させる為には、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましい。T
niを上昇させる為には、無置換の1,4−フェニレン基、無置換の1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は無置換のナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましい。負に大きなΔεを示すためには、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロー1,4−フェニレン基であることが好ましい。負に大きなΔεを示しながら、他の液晶成分との混和性を両立させるためには、A
i1中に存在するフッ素原子の数の合計は、1〜4であることが好ましく、1〜3であることが特に好ましい。
【0028】
Z
i1は、γ
1を低下させる為には単結合、−CH
2CH
2−、−CH
2O−又は−OCH
2−であることが好ましく、単結合又は−CH
2CH
2−であることが更に好ましい。T
niを上昇させるためには、単結合、−COO−,−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−であることが好ましく、単結合、−CH=CH−又は−C≡C−であることが更に好ましい。他の液晶成分との混和性を向上させる為には、単結合、−CH
2CH
2−、−CH
2O−又は−OCH
2−であることが好ましい。液晶表示素子とした際の長期信頼性を向上させるには単結合であることが好ましい。
【0029】
n
i1が2を表す場合、複数存在するZ
i1のいずれか一つ以上が単結合を表すことが好ましい。n
i1はγ
1を重視する場合には1であることが好ましい。T
niを重視する場合には2であることが好ましい。
【0030】
L
i3は水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数1から15のアルコキシ基、炭素原子数2から15のアルケニル基、炭素原子数2から15のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、γ
1を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0031】
また、L
i1が水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数1から15のアルコキシ基、炭素原子数2から15のアルケニル基、炭素原子数2から15のアルケニルオキシ基を表す場合、L
i3は
【0034】
L
i4及びL
i5はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数2から15のアルケニル基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
【0035】
L
i6及びL
i7はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数1から15のアルコキシ基、炭素原子数2から15のアルケニル基、炭素原子数2から15のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、γ
1を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0036】
L
i8又はL
i9はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数1から15のアルコキシ基、炭素原子数2から15のアルケニル基、炭素原子数2から15のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、γ
1を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0037】
また、L
i2が水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数2から15のアルケニル基を表す場合、L
i8又はL
i9のいずれか一方が、
【0040】
L
i10及びL
i11はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1から15のアルキル基、炭素原子数2から15のアルケニル基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
【0041】
一般式(i)で表される化合物において
【0043】
で表される基が存在する場合、他の液晶成分との混和性を高くする為に、当該基の数は2つ以下であることが好ましい。一般式(i)中に当該基の数が2つ存在する場合、L
i1及びL
i2、L
i1及びL
i8、L
i3及びL
i2、又はL
i3及びL
i8の位置に存在することが好ましい。一般式(i)中に当該基の数が2つ存在する場合、L
i1及びL
i2の位置に存在することが好ましい。 なお、一般式(i)で表される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
一般式(i)の中では以下の一般式(i−1)〜一般式(i−1000)で表される各化合物が好ましい。その中で特に好ましい化合物は、(i−1)、(i−2)、(i−3)、(i−4)、(i−5)、(i−6)、(i−7)、(i−8)、(i−9)、(i−10)、(i−11)、(i−12)、(i−895)、(i−896)、(i−897)、(i−898)、(i−899)、(i−900)である。
【0045】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0047】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0049】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0051】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0053】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0055】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0057】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0059】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0061】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0063】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0065】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0067】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0069】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0071】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0073】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0075】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0077】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0079】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0081】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0083】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0085】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0087】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0089】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0091】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0093】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0095】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0097】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0099】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0101】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0103】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0105】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0107】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0109】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0111】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0113】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0115】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0117】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0119】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0121】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0123】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0125】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0127】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0129】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0131】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0133】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0135】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0137】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0139】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0141】
(式中、R
i1及びR
i2は、一般式(i)におけるR
i1と同じ意味を表す。)
【0143】
本発明において、一般式(i)で表される化合物は、例えば、一般式(i−r1)
【0145】
(式中X
i2、Y
i2、W
i1、L
i2及びL
i5は一般式(i)におけるX
i2、Y
i2、W
i1、L
i2及びL
i5とそれぞれ同じ意味を表すが、複数存在するX
i2は同一であっても異なっていてもよく、
R
i3及びR
i4はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、もしくはプロピル基を表すか、またはR
i3及びR
i4は互いに結合して環状の構造となり−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、又は−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−を表し、
破線は結合が存在しなくても良く、存在しても良いことを表す。)
で表される化合物と、一般式(i−r2)
【0147】
(式中X
i1、Y
i1、L
i1、L
i3、L
i4及びW
i2は一般式(i)におけるX
i1、Y
i1、L
i1、L
i3、L
i4及びW
i2とそれぞれ同じ意味を表し、
X
i3は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。)
で表される化合物を遷移金属触媒及び塩基存在下反応させることにより、一般式(i−r3)
【0149】
(式中X
i1、X
i2、Y
i1、Y
i2、W
i1、W
i2、L
i1、L
i2、L
i3、L
i4及びL
i5は一般式(i)におけるX
i1、X
i2、Y
i1、Y
i2、W
i1、W
i2、L
i1、L
i2、L
i3、L
i4及びL
i5とそれぞれ同じ意味を表すが、複数存在するX
i2は同一であっても異なっていてもよく、
破線は結合が存在しなくても良く、存在しても良いことを表す。)
で表される化合物を得た後、該一般式(i−r3)中の−Y
i1−Hを塩基により脱プロトン化しアニオンを生成することで分子内反応させることによって得られる。より具体的には、以下のようにして製造することができる。勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製造方法1)
【0151】
(式中、L
i1、L
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1は、一般式(i)におけるL
i1、L
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1と同じ意味を表し、
R
i3及びR
i4はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、もしくはプロピル基を表すか、またはR
i3及びR
i4は互いに結合して環状の構造となり−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、又は−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−を表し、
X
i3は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表し、
X
i4は臭素原子又はよう素原子を表し、
Y
i3は−O−又は−S−を表す。)
一般式(S−1)で表される化合物をほう素化することにより一般式(S−2)で表される化合物を得ることができる。このほう素化は、有機金属試薬により脱プロトン化した後、ほう酸トリアルキルと反応させてほう素化合物とすることによって行うことができる。
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒および炭化水素系溶媒等を挙げることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt−ブチルメチルエーテル等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等が挙げられ、中でもテトラヒドロフランが好ましい。
【0152】
有機金属試薬としてはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミドおよびリチウム 2,2,4,4−テトラメチルピペリジド等を挙げることができ、入手および取り扱いの容易さからn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドが好ましく、効率的に脱プロトン化が可能であるsec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドがより好ましい。また、脱プロトン化の際には、上記有機金属試薬と共にカリウム−t−ブトキシド、テトラメチルエチレンジアミン等の塩基を添加剤として用いてもよい。脱プロトン化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。
【0153】
ほう酸トリアルキルとしては、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリプロピルおよびほう酸トリイソプロピルを用いるのが好ましいが、入手および取り扱いの容易さからほう酸トリメチルおよびほう酸トリイソプロピルがより好ましい。ほう酸トリアルキルと有機金属試薬の組み合わせとしては、上記で挙げたいずれの組み合わせも可能であるが、sec−ブチルリチウムとほう酸トリメチルの組み合わせ、およびリチウム ジイソプロピルアミドとほう酸トリイソプロピルの組み合わせが好ましく、リチウム ジイソプロピルアミドとほう酸トリイソプロピルの組み合わせがより好ましい。ほう素化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。
一般式(S−2)で表される化合物を(S−3)で表される化合物と遷移金属触媒及び塩基存在下反応させることにより一般式(S−4)で表される化合物を得ることができる。
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)であることが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じてトリフェニルホスフィン等のホスフィン系配位子を添加しても良い。
【0154】
使用する反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、エタノール、トルエンが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じて水を用いても良い。
【0155】
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、りん酸三カリウム、りん酸二水素カリウム等のりん酸塩が好ましく、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸三カリウムが更に好ましい。
【0156】
反応温度としては、反応を好適に進行させるものであれば何度でも構わないが、室温から使用している溶媒が還流する温度までが好ましく、40℃から溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から溶媒が還流するまでの温度であることが特に好ましい。
一般式(S−4)で表される化合物を分子内反応させることによって一般式(S−5)で表される化合物を得ることができる。この分子内反応は一般式(S−4)の−Y
i3−Hを塩基により脱プロトン化しアニオンを生成することで行うことができる。
この場合に使用する塩基としては金属水素化物、金属炭酸塩、金属リン酸塩、金属水酸化物、金属カルボン酸塩、金属アミド及び金属等を挙げることができ、中でもアルカリ金属水素化物、アルカリ金属りん酸塩、アルカリ金属りん酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アミド及びアルカリ金属が好ましく、アルカリ金属りん酸塩、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属炭酸塩は更に好ましい。アルカリ金属水素化物としては水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウムを、アルカリ金属りん酸塩としてはりん酸三カリウムを、アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムをそれぞれ好ましく挙げることができる。
【0157】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒及び極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びt−ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及び四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒及びN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
【0158】
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、0℃から150℃が好ましく、30℃から120℃がより好ましい。
一般式(S−5)で表される化合物をハロゲン化することにより一般式(S−6)で表される化合物を得ることができる。このハロゲン化は、有機金属試薬により脱プロトン化した後、臭素又はよう素と反応させてハロゲン化合物とすることによって行うことができる。
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒および炭化水素系溶媒等を挙げることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt−ブチルメチルエーテル等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等が挙げられ、中でもテトラヒドロフランが好ましい。
【0159】
有機金属試薬としてはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミドおよびリチウム 2,2,4,4−テトラメチルピペリジド等を挙げることができ、入手および取り扱いの容易さからn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドが好ましく、効率的に脱プロトン化が可能であるsec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドがより好ましい。また、脱プロトン化の際には、上記有機金属試薬と共にカリウム−t−ブトキシド、テトラメチルエチレンジアミン等の塩基を添加剤として用いてもよい。脱プロトン化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。
一般式(S−6)で表される化合物を(S−7)で表される化合物と遷移金属触媒及び塩基存在下反応させることにより一般式(S−8)で表される化合物を得ることができる。
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)であることが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じてトリフェニルホスフィン等のホスフィン系配位子を添加しても良い。
【0160】
使用する反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、エタノール、トルエンが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じて水を用いても良い。
【0161】
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、りん酸三カリウム、りん酸二水素カリウム等のりん酸塩が好ましく、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸三カリウムが更に好ましい。
【0162】
反応温度としては、反応を好適に進行させるものであれば何度でも構わないが、室温から使用している溶媒が還流する温度までが好ましく、40℃から溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から溶媒が還流するまでの温度であることが特に好ましい。
(製造方法2)
【0164】
(式中、L
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1は、一般式(i)におけるL
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1と同じ意味を表し、
X
i5は塩素、臭素、よう素、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表し、
Y
i3は−O−又は−S−を表し、
R
i2は炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表す。)
一般式(S−5)で表される化合物を酸化することにより一般式(S−9)で表される化合物を得ることができる。この酸化は、有機金属試薬により脱プロトン化した後、ほう酸トリアルキルと反応させてほう素化合物とし、その後酸化剤を作用させることによって行うことができる。
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒および炭化水素系溶媒等を挙げることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt−ブチルメチルエーテル等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等が挙げられ、中でもテトラヒドロフランが好ましい。有機金属試薬としてはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミドおよびリチウム 2,2,4,4−テトラメルピペリジド等を挙げることができ、入手および取り扱いの容易さからn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドが好ましく、効率的に脱プロトン化が可能であるsec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドがより好ましい。また、脱プロトン化の際には、上記有機金属試薬と共にカリウム−t−ブトキシド、テトラメチルエチレンジアミン等の塩基を添加剤として用いてもよい。脱プロトン化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。
【0165】
ほう酸トリアルキルとしては、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリプロピルおよびほう酸トリイソプロピルを用いるのが好ましいが、入手および取り扱いの容易さからほう酸トリメチルおよびほう酸トリイソプロピルがより好ましい。ほう酸トリアルキルと有機金属試薬の組み合わせとしては、上記で挙げたいずれの組み合わせも可能であるが、sec−ブチルリチウムとほう酸トリメチルの組み合わせ、およびリチウム ジイソプロピルアミドとほう酸トリイソプロピルの組み合わせが好ましく、リチウム ジイソプロピルアミドとほう酸トリイソプロピルの組み合わせがより好ましい。ほう素化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。得られたほう素化合物は一度単離してもよく、単離せずそのまま酸化剤と反応させてもよい。また、得られたほう素化合物を加水分解してほう酸化合物へと変換した後に酸化剤と反応させても構わない。
【0166】
酸化剤としては、過酸化水素水、過酢酸または過ギ酸を用いるのが好ましい。反応温度は−78℃から70℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましい。また、酸化剤との反応時には、溶媒に水が含まれていても構わない。
【0167】
一般式(S−9)で表される化合物に一般式(S−10)で表される化合物を反応させることによって一般式(S−11)で表される化合物を得ることができる。この反応は一般式(S−9)の水酸基を塩基によりフェノラートとして一般式(S−10)と反応させることで行うことができる
この場合に使用する塩基としては金属水素化物、金属炭酸塩、金属リン酸塩、金属水酸化物、金属カルボン酸塩、金属アミド及び金属等を挙げることができ、中でもアルカリ金属水素化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アミド及びアルカリ金属が好ましく、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属炭酸塩は更に好ましい。アルカリ金属水素化物としては水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウムを、アルカリ金属リン酸塩としてはリン酸三カリウムを、アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムをそれぞれ好ましく挙げることができる。
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒及び極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びt−ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及び四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒及びN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
【0168】
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、0℃から150℃が好ましく、30℃から120℃がより好ましい。なお、生成したフェノラートを一度単離してから一般式(S−5)で表される化合物と反応させてもよく、単離せずに反応させてもよいが、作業の容易さから単離せずに反応させたほうがよい。
(製造方法3)
【0170】
(式中、L
i1、L
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i11は、一般式(i)におけるL
i1、L
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1と同じ意味を表し、
Y
i3は−O−又は−S−を表す。)
一般式(S−5)で表される化合物を一般式(S−11)で表される化合物と反応させることにより一般式(S−12)で表される化合物を得ることができる。この反応は、有機金属試薬により脱プロトン化した後、一般式(S−11)と反応させることによって行うことができる。
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒および炭化水素系溶媒等を挙げることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt−ブチルメチルエーテル等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等が挙げられ、中でもテトラヒドロフランが好ましい。
有機金属試薬としてはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミドおよびリチウム 2,2,4,4−テトラメチルピペリジド等を挙げることができ、入手および取り扱いの容易さからn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドが好ましく、効率的に脱プロトン化が可能であるsec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドがより好ましい。また、脱プロトン化の際には、上記有機金属試薬と共にカリウム−t−ブトキシド、テトラメチルエチレンジアミン等の塩基を添加剤として用いてもよい。脱プロトン化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。
【0171】
一般式(S−12)で表される化合物を脱水することにより一般式(S−13)で表される化合物を得ることができる。脱水の方法としては、酸の存在下で加熱する方法が挙げられる。酸としては、例えば塩酸、硫酸、重硫酸カリウムなどの無機酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、トリフッ化ホウ素などのルイス酸が挙げられる。あるいは、脱水の方法として、水酸基をp−トルエンスルホン酸クロリド、トリフルオロメタンスルホン酸クロリド、トリホスゲンなどと反応させて脱離基に変換した後、脱離反応を行うことで脱水することもできる。
一般式(S−13)で表される化合物を有機溶媒中、金属触媒存在下、水素ガスと反応させる事で一般式(S−14)で表される化合物を得ることが出来る。
【0172】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール又はブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル又は酢酸ブチル等のエステル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、エタノール又は酢酸エチルが好ましい。また、必要に応じて塩酸、酢酸又は硫酸等の酸を添加する事も好ましい。
【0173】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、0℃から80℃が好ましく、室温から60℃が更に好ましい。
【0174】
使用する金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、パラジウム炭素、ルテニウム炭素、白金黒又は酸化白金が好ましく、パラジウム炭素が更に好ましい。
【0175】
反応する際の水素圧は、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、大気圧から0.5MPaであることが好ましく、0.2MPaから0.5MPaであることが更に好ましい。
(製造方法4)
【0177】
(式中、L
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1は、一般式(i)におけるL
i2、X
i1、X
i2、Y
i2及びW
i1と同じ意味を表し、
R
i3は炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、アルキル基又はアルケニル基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
X
i4は臭素原子又はよう素原子を表し、
X
i5は塩素原子又は臭素原子を表し、
Y
i3は−O−又は−S−を表す。)
一般式(S−6)で表される化合物を(S−15)で表される化合物と遷移金属触媒存在下反応させることにより一般式(S−16)で表される化合物を得ることができる。
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、二塩化[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、二塩化[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)であることが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じてトリフェニルホスフィン等のホスフィン系配位子を添加しても良い。
【0178】
使用する反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、エタノール、トルエンが更に好ましい。
【0179】
反応温度としては、反応を好適に進行させるものであれば何度でも構わないが、室温から使用している溶媒が還流する温度までが好ましく、40℃から溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から溶媒が還流するまでの温度であることが特に好ましい。
(製造方法5)
【0181】
(式中、L
i1、L
i2、X
i1及びX
i2は、一般式(i)におけるL
i1、L
i2、X
i1及びX
i2と同じ意味を表し、
R
i3及びR
i4はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、もしくはプロピル基を表すか、またはR
i3及びR
i4は互いに結合して環状の構造となり−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、又は−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−を表し、
X
i3は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表し、
X
i4は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基または水酸基を表し、
Y
i3は−O−又は−S−を表す。)
一般式(S−17)で表される化合物を(S−18)で表される化合物と遷移金属触媒及び塩基存在下反応させることにより一般式(S−19)で表される化合物を得ることができる。
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)であることが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じてトリフェニルホスフィン等のホスフィン系配位子を添加しても良い。
【0182】
使用する反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、エタノール、トルエンが更に好ましい。また、反応を好適に進行させるため、必要に応じて水を用いても良い。
【0183】
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、りん酸三カリウム、りん酸二水素カリウム等のりん酸塩が好ましく、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸三カリウムが更に好ましい。
【0184】
反応温度としては、反応を好適に進行させるものであれば何度でも構わないが、室温から使用している溶媒が還流する温度までが好ましく、40℃から溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から溶媒が還流するまでの温度であることが特に好ましい。
一般式(S−19)で表される化合物を分子内反応させることによって一般式(S−20)で表される化合物を得ることができる。この分子内反応は一般式(S−19)の−Y
i3−Hを塩基により脱プロトン化しアニオンを生成することで行うことができる。
この場合に使用する塩基としては金属水素化物、金属炭酸塩、金属リン酸塩、金属水酸化物、金属カルボン酸塩、金属アミド及び金属等を挙げることができ、中でもアルカリ金属水素化物、アルカリ金属りん酸塩、アルカリ金属りん酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アミド及びアルカリ金属が好ましく、アルカリ金属りん酸塩、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属炭酸塩は更に好ましい。アルカリ金属水素化物としては水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウムを、アルカリ金属りん酸塩としてはりん酸三カリウムを、アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムをそれぞれ好ましく挙げることができる。
【0185】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒及び極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びt−ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及び四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒及びN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
【0186】
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、0℃から150℃が好ましく、30℃から120℃がより好ましい。
【0187】
一般式(S−20)で表される化合物を酸化することにより一般式(S−21)で表される化合物を得ることができる。この酸化は、有機金属試薬により脱プロトン化した後、ほう酸トリアルキルと反応させてほう素化合物とし、その後酸化剤を作用させることによって行うことができる。
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒および炭化水素系溶媒等を挙げることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt−ブチルメチルエーテル等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等が挙げられ、中でもテトラヒドロフランが好ましい。有機金属試薬としてはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミドおよびリチウム 2,2,4,4−テトラメルピペリジド等を挙げることができ、入手および取り扱いの容易さからn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドが好ましく、効率的に脱プロトン化が可能であるsec−ブチルリチウムおよびリチウム ジイソプロピルアミドがより好ましい。また、脱プロトン化の際には、上記有機金属試薬と共にカリウム−t−ブトキシド、テトラメチルエチレンジアミン等の塩基を添加剤として用いてもよい。脱プロトン化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。
【0188】
ほう酸トリアルキルとしては、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリプロピルおよびほう酸トリイソプロピルを用いるのが好ましいが、入手および取り扱いの容易さからほう酸トリメチルおよびほう酸トリイソプロピルがより好ましい。ほう酸トリアルキルと有機金属試薬の組み合わせとしては、上記で挙げたいずれの組み合わせも可能であるが、sec−ブチルリチウムとほう酸トリメチルの組み合わせ、およびリチウム ジイソプロピルアミドとほう酸トリイソプロピルの組み合わせが好ましく、リチウム ジイソプロピルアミドとほう酸トリイソプロピルの組み合わせがより好ましい。ほう素化の際の反応温度は−100℃から−20℃が好ましく、−78℃から−40℃がより好ましい。得られたほう素化合物は一度単離してもよく、単離せずそのまま酸化剤と反応させてもよい。また、得られたほう素化合物を加水分解してほう酸化合物へと変換した後に酸化剤と反応させても構わない。
【0189】
酸化剤としては、過酸化水素水、過酢酸または過ギ酸を用いるのが好ましい。反応温度は−78℃から70℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましい。また、酸化剤との反応時には、溶媒に水が含まれていても構わない。
【0190】
一般式(S−21)で表される化合物に一般式(S−22)で表される化合物を反応させることによって一般式(S−23)で表される化合物を得るが、一般式(S−22)におけるX
i4の置換基の選択により幾つかの反応を用いることが可能である。
【0191】
X
i4が塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す化合物を用いた場合、一般式(S−21)の水酸基を塩基によりフェノラートとして一般式(S−22)と反応させる方法を用いることができる。この場合に使用する塩基としては金属水素化物、金属炭酸塩、金属リン酸塩、金属水酸化物、金属カルボン酸塩、金属アミド及び金属等を挙げることができ、中でもアルカリ金属水素化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アミド及びアルカリ金属が好ましく、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水素化物及びアルカリ金属炭酸塩は更に好ましい。アルカリ金属水素化物としては水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウムを、アルカリ金属リン酸塩としてはリン酸三カリウムを、アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムをそれぞれ好ましく挙げることができる。
【0192】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒及び極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びt-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及び四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒及びN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
【0193】
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、0℃から150℃が好ましく、30℃から120℃がより好ましい。なお、生成したフェノラートを一度単離してから一般式(S−22)で表される化合物と反応させてもよく、単離せずに反応させてもよいが、作業の容易さから単離せずに反応させたほうがよい。
【0194】
X
i4が水酸基を表す場合、光延反応を用いることが可能である。光延反応はアルコールと活性プロトンを持つ多種多様な求核剤とを脱水的に縮合させる反応であり、トリフェニルホスフィンと、アゾジカルボン酸誘導体又はマレイン酸誘導体を組み合わせて用いる。具体的には、一般式(S−21)で表される化合物と一般式(S−22)で表されるアルコール誘導体を三置換ホスフィン誘導体及びアゾジカルボン酸誘導体存在下に反応させることにより一般式(S−23)で表される化合物を得る。
【0195】
三置換ホスフィン誘導体としては、トリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン等が挙げられるがトリフェニルホスフィンが好ましい。又、アゾジカルボン酸誘導体としては種々の化合物が用いられており、アゾジカルボン酸誘導体に替えてマレイン酸誘導体を用いることが可能であるが、取り扱いの容易さよりトリフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸誘導体の組み合わせが望ましい。アゾジカルボン酸誘導体としてはジエチル アゾジカルボキシレート、ジイソプロピル アゾジカルボキシレート、テトラメチル アゾジカルボキシアミド、テトラプロピル アゾジカルボキシアミド、1,1‘−(アゾジカルボニル)ジピペリジンが挙げられるが、入手の容易さよりジエチル アゾジカルボキシレートおよびジイソプロピル アゾジカルボキシレートが好ましく、取り扱いの容易さよりジイソプロピル アゾジカルボキシレートがより好ましい。
【0196】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒および芳香族系溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよび四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒およびトルエン等の芳香族系溶媒等がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
【0197】
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、0℃から150℃が好ましく、0℃から30℃がより好ましい。
【0198】
一般式(S−23)で表される化合物をシグマトロピー転位させることによって一般式(S−24)で表される化合物を得ることができる。
【0199】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒及び極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びt-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及び四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等の極性溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
【0200】
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、100℃から250℃が好ましく、150℃から250℃がより好ましい。
【0201】
一般式(S−24)で表される化合物を有機溶媒中、金属触媒存在下、水素ガスと反応させることにより一般式(S−25)で表される化合物を得ることができる。
【0202】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール又はブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル又は酢酸ブチル等のエステル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、エタノール又は酢酸エチルが好ましい。また、必要に応じて塩酸、酢酸又は硫酸等の酸を添加する事も好ましい。
【0203】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、0℃から80℃が好ましく、室温から60℃が更に好ましい。
【0204】
使用する金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、パラジウム炭素、ルテニウム炭素、白金黒又は酸化白金が好ましく、パラジウム炭素が更に好ましい。
【0205】
反応する際の水素圧は、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、大気圧から0.5MPaであることが好ましく、0.2MPaから0.5MPaであることが更に好ましい。
【0206】
このように、一般式(i)で表される化合物と混合して使用することのできる化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(i)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第四成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
【0207】
即ち、第二成分は誘電率異方性が負のいわゆるn型液晶化合物であって、以下の一般式(LC3)〜一般式(LC5)で示される化合物を挙げることができる。
【0209】
(式中、R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、A
LC31、A
LC32、A
LC41、A
LC42、A
LC51及びA
LC52はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0211】
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z
LC31、Z
LC32、Z
LC41、Z
LC42、Z
LC51及びZ
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、Z
5は−CH
2−又は酸素原子を表し、X
LC41は水素原子又はフッ素原子を表し、m
LC31、m
LC32、m
LC41、m
LC42、m
LC51及びm
LC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、m
LC31+m
LC32、m
LC41+m
LC42及びm
LC51+m
LC52は1、2又は3であり、A
LC31〜A
LC52、Z
LC31〜Z
LC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
R
LC31〜R
LC52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
【0213】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC31〜A
LC52はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0215】
Z
LC31〜Z
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−又は−OCH
2−が好ましい。
【0216】
一般式(LC3)は、下記一般式(LC3−a)及び一般式(LC3−b)
【0218】
(式中、R
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31と同じ意味を表し、X
LC3b1〜X
LC3b6は水素原子又はフッ素原子を表すが、X
LC3b1及びX
LC3b2又はX
LC3b3及びX
LC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、m
LC3a1は1、2又は3であり、m
LC3b1は0又は1を表し、A
LC31及びZ
LC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。ただし、一般式(LC3−a)において一般式(LC3−b)で表される群より選ばれる化合物を除く。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
【0219】
A
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましい。
【0220】
Z
LC31は単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
【0221】
一般式(LC3−a)としては、下記一般式(LC3−a1)〜一般式(LC3−a4)を表すことが好ましい。
【0223】
(式中、R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。)
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、R
LC31が炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
【0224】
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b12)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b6)、一般式(LC3−b8)、一般式(LC3−b11)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)及び一般式(LC3−b6)を表すことがさらに好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことが最も好ましい。
【0226】
(式中、R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。)
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、R
LC31が炭素原子数2又は3のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数2のアルキル基を表すことがより好ましい。
【0227】
一般式(LC4)は下記一般式(LC4−a)から一般式(LC4−c)、一般式(LC5)は下記一般式(LC5−a)から一般式(LC5−c)
【0229】
(式中、R
LC41、R
LC42及びX
LC41はそれぞれ独立して前記一般式(LC4)におけるR
LC41、R
LC42及びX
LC41と同じ意味を表し、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるR
LC51及びR
LC52と同じ意味を表し、Z
LC4a1、Z
LC4b1、Z
LC4c1、Z
LC5a1、Z
LC5b1及びZ
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0230】
R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
【0231】
Z
LC4a1〜Z
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
【0232】
第三成分は誘電率異方性が0程度である、いわゆる非極性液晶化合物であり、以下の一般式(LC6)で示される化合物を挙げることができる。
【0234】
(式中、R
LC61及びR
LC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、A
LC61〜A
LC63はそれぞれ独立して下記
【0236】
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2CH
2−は−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z
LC61及びZ
LC62はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、m
Lc6は0〜3を表す。ただし、一般式(LC1)〜一般式(LC5)で表される化合物、及び一般式(i)を除く。)
R
LC61及びR
LC62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
【0238】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC61〜A
LC63はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0240】
Z
LC61及びZ
LC62はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましい。
【0241】
一般式(LC6)は、一般式(LC6−a)から一般式(LC6−m)
【0243】
(式中、R
LC61及びR
LC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0244】
第四成分は誘電率異方性が正のいわゆるp型液晶化合物であって、以下の一般式(LC1)及び一般式(LC2)で示される化合物を挙げることができる。
【0246】
(式中、R
LC11及びR
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、A
LC11、及びA
LC21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0248】
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3で置換されていてもよい。)を表し、X
LC11、X
LC12、X
LC21〜X
LC23はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表し、Y
LC11及びY
LC21はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、−CF
3、−OCH
2F、−OCHF
2又は−OCF
3を表し、Z
LC11及びZ
LC21はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表し、m
LC11及びm
LC21はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、A
LC11、A
LC21、Z
LC11及びZ
LC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
R
LC11及びR
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましく、直鎖状であることが更に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
【0250】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC11及びA
LC21はそれぞれ独立して下記の構造が好ましい。
【0252】
Y
LC11及びY
LC21はそれぞれ独立してフッ素原子、シアノ基、−CF
3又は−OCF
3が好ましく、フッ素原子又は−OCF
3が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0253】
Z
LC11及びZ
LC21は単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合、−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合、−OCH
2−又は−CF
2O−がより好ましい。
【0254】
m
LC11及びm
LC21は1、2又は3が好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2が好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するには2又は3が好ましい。
【0255】
一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−a)から一般式(LC1−c)
【0257】
(式中、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表し、A
LC1a1、A
LC1a2及びA
LC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、X
LC1b1、X
LC1b2、X
LC1c1〜X
LC1c4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【0258】
R
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0259】
X
LC11〜X
LC1c4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましい。
【0260】
Y
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF
3又は−OCF
3が好ましい。
【0261】
また、一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−d)から一般式(LC1−m)
【0263】
(式中、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表し、A
LC1d1、A
LC1f1、A
LC1g1、A
LC1j1、A
LC1k1、A
LC1k2、A
LC1m1〜A
LC1m3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、X
LC1d1、X
LC1d2、X
LC1f1、X
LC1f2、X
LC1g1、X
LC1g2、X
LC1h1、X
LC1h2、X
LC1i1、X
LC1i2、X
LC1j1〜X
LC1j4、X
LC1k1、X
LC1k2、X
LC1m1及びX
LC1m2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表し、Z
LC1d1、Z
LC1e1、Z
LC1j1、Z
LC1k1、Z
LC1m1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
【0264】
R
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0265】
X
LC11〜X
LC1m2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましい。
【0266】
Y
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF
3又は−OCF
3が好ましい。
【0267】
Z
LC1d1〜Z
LC1m1はそれぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−が好ましい。
一般式(LC2)は、下記一般式(LC2−a)から一般式(LC2−g)
【0269】
(式中、R
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23はそれぞれ独立して前記一般式(LC2)におけるR
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23と同じ意味を表し、X
LC2d1〜X
LC2d4、X
LC2e1〜X
LC2e4、X
LC2f1〜X
LC2f4及びX
LC2g1〜X
LC2g4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表し、Z
LC2a1、Z
LC2b1、Z
LC2c1、Z
LC2d1、Z
LC2e1、Z
LC2f1及びZ
LC2g1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
【0270】
R
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0271】
X
LC21〜X
LC2g4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましく、
Y
LC21はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF
3又は−OCF
3が好ましい。
【0272】
Z
LC2a1〜Z
LC2g4はそれぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−が好ましい。 本発明の組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
【0273】
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0274】
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0275】
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0276】
粘度の改善及びT
NIの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0277】
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
【0278】
本発明の第一実施形態の組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
【0279】
本発明に使用される液晶組成物の平均弾性定数(K
AVG)は10から25が好ましいが、その下限値としては、10が好ましく、10.5が好ましく、11が好ましく、11.5が好ましく、12が好ましく、12.3が好ましく、12.5が好ましく、12.8が好ましく、13が好ましく、13.3が好ましく、13.5が好ましく、13.8が好ましく、14が好ましく、14.3が好ましく、14.5が好ましく、14.8が好ましく、15が好ましく、15.3が好ましく、15.5が好ましく、15.8が好ましく、16が好ましく、16.3が好ましく、16.5が好ましく、16.8が好ましく、17が好ましく、17.3が好ましく、17.5が好ましく、17.8が好ましく、18が好ましく、その上限値としては、25が好ましく、24.5が好ましく、24が好ましく、23.5が好ましく、23が好ましく、22.8が好ましく、22.5が好ましく、22.3が好ましく、22が好ましく、21.8が好ましく、21.5が好ましく、21.3が好ましく、21が好ましく、20.8が好ましく、20.5が好ましく、20.3が好ましく、20が好ましく、19.8が好ましく、19.5が好ましく、19.3が好ましく、19が好ましく、18.8が好ましく、18.5が好ましく、18.3が好ましく、18が好ましく、17.8が好ましく、17.5が好ましく、17.3が好ましく、17が好ましい。消費電力削減を重視する場合にはバックライトの光量を抑えることが有効であり、液晶表示素子は光の透過率を向上させることが好ましく、そのためにはK
AVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合にはK
AVGの値を高めに設定することが好ましい。 本発明の液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
【0280】
本発明の液晶組成物は、20℃における粘度(η)が10から30mPa・sであるが、10から25mPa・sであることがより好ましく、10から22mPa・sであることが特に好ましい。
【0281】
本発明の液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ
1)が60から200mPa・sであるが、60から120mPa・sであることがより好ましく、60から100mPa・sであることが特に好ましい。
【0282】
本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が60℃から120℃であるが、70℃から100℃がより好ましく、70℃から85℃が特に好ましい。加えて、20℃においてネマチック液晶を示す事が好ましい。
【0283】
本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、重合性モノマー又は光安定剤等を含有してもよい。 本発明の化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶表示素子は、高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPSモード、FFSモード又はECBモード用等の種々のモードの液晶表示素子に適用できる。
【実施例】
【0284】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。
【0285】
T
n−iはネマチック相−等方相の転移温度を表す。
【0286】
化合物記載に下記の略号を使用する。
THF:テトラヒドロフラン
LDA:リチウム ジイソプロピルアミド
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:n−プロピル基、Bu:n−ブチル基、
Pent:n−ペンチル基
(実施例1)化合物1−2−5の合成
【0287】
【化87】
【0288】
(化合物1−2−5の合成)
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下ロートを備えた反応容器に、LDA(15.8g)およびTHF(120ml)を加え、−15℃に冷却した。1.6Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(86.7ml)を−15℃にて滴下し、1時間攪拌し、次にあらかじめTHF(25ml)に溶解しておいた化合物1−1−5(25.0g)およびホウ酸トリイソプロピル(29.4g)を−5℃にて同時に滴下し、1時間攪拌した。この反応混合物を0℃に昇温した後、10%塩酸(120ml)を加えて攪拌し、有機層を分けとった。さらに水層をトルエン(100ml)で抽出した。得られた有機層を合わせた後、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。得られた溶液を濃縮し、化合物2の粗体(31.0g)を得た。ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を用いて再結晶を行うことで、化合物1−2−5(16.4g)を得た。
(実施例2〜18)化合物1−2−0〜化合物4−2−8の合成
実施例1と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例2(化合物1−2−0)〜実施例18(化合物3−2−8)を合成した。
【0289】
【化88】
【0290】
【化89】
【0291】
(実施例19)化合物1−5−5の合成
【0292】
【化90】
【0293】
(化合物1−4−5の合成)
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下ロート、冷却管を備えた反応容器に、3−フルオロ−2−ヒドロキシクロロベンゼン(6.1g)、ビス(ジターシャリーブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)塩化パラジウム(II)錯体(0.88g)、THF(50ml)および2M炭酸セシウム水溶液(40ml)を加え、攪拌しながら60℃に昇温した。反応混合物にあらかじめTHF(45ml)に溶解しておいた化合物1−3−5(15.2g)を滴下した。60℃で7時間攪拌後、加熱を止め溶液温度を室温に戻した。その後、10%塩酸(50ml)を加えた。有機層を分けとり、さらに水層をトルエン(50ml)で再抽出した。得られた有機層を合わせた後、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。得られた溶液を濃縮後、トルエン(40ml)を加えて溶解した溶液を、シリカゲル(10g)を詰めたカラムを通過させ、さらにトルエン(60ml)を通過させた。得られたカラム通過溶液を濃縮し、化合物1−4−5(17.6g)を得た。
【0294】
(化合物1−5−5の合成)
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下ロート、冷却管を備えた反応容器に、水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル分散)(2.5g)およびDMF(30ml)を加え、攪拌しながら氷冷した。そこにあらかじめDMF(90ml)に溶解しておいた化合物1−4−5(17.6g)を滴下した。その後室温に戻し、1時間かけて溶液温度を50℃に加熱した。その後さらに1.5時間かけて溶液温度を105℃まで加熱した。105℃で8時間攪拌後、溶液温度を10℃以下まで冷却した。反応溶液に水(250ml)を加えた。結晶をろ過し、メタノールで洗浄し、真空乾燥した。得られた結晶にトルエン(17ml)を加えて溶解した溶液を、シリカゲル(10g)を詰めたカラムを通過させ、さらにトルエン(60ml)を通過させた。得られたカラム通過溶液を濃縮し、化合物1−5−5(7.2g)を得た。
(実施例20)化合物1−7−205の合成
【0295】
【化91】
【0296】
(化合物1−6−5の合成)
実施例19と同様の方法で、化合物1−5−5を得た。
【0297】
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下ロートを備えた反応容器に、ジイソプロピルアミン(3.3g)およびTHF(30ml)を加え、−10℃に冷却した。1.6Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(17.7ml)を−10℃にて滴下し、1時間攪拌し、次にあらかじめTHF(25ml)に溶解しておいた化合物1−5−5(7.2g)およびホウ酸トリイソプロピル(6.1g)を−10℃にて同時に滴下し、1時間攪拌した。この反応混合物を0℃に昇温した後、10%塩酸(100ml)を加えて攪拌し、有機層を分けとった。撹拌装置、温度計、滴下ロートを備えた反応容器に該有機層を加え、30%過酸化水素水(10ml)を滴下した。室温で1時間攪拌後、溶液温度を0℃に冷却し、15%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100ml)を加えた。有機層を分け取り、さらに水層をトルエン(50ml)で抽出した。得られた有機層を合わせた後、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。得られた溶液を濃縮し、化合物1−6−5(7.3g)を得た。
【0298】
(化合物1−7−205の合成)
窒素雰囲気下、撹拌装置、温度計、滴下ロート、冷却管を備えた反応容器に、化合物1−6−5(5.0g)、ヨウ化エチル(2.5g)、炭酸セシウム(5.4g)およびDMF(15ml)を加え、攪拌しながら60℃に加熱した。60℃で1.5時間攪拌後、溶液温度を10℃以下まで冷却した。反応溶液に水(50ml)およびトルエン(30ml)を加えた。有機層を分けとり、さらに水層をトルエン(30ml)で再抽出した。得られた有機層を合わせた後、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。得られた溶液を濃縮後、ヘキサン/トルエン混合溶媒(体積比1/1)(20ml)を加えて50℃で溶解した溶液を、シリカゲル(5.5g)を詰め50℃に加温したカラムを通過させ、ヘキサン/トルエン混合溶媒(体積比1/1)(30ml)を通過させた。得られたカラム通過溶液を濃縮し、化合物1−7−205の粗体(5.0g)を得た。アセトン/メタノール混合溶媒を用いて再結晶を繰り返すことで、化合物1−7−205(1.0g)を得た。相転移温度はCr87Iso。
(実施例21〜181)化合物1−5−0〜化合物3−7−808の合成
実施例19、実施例20と同様の反応、および必要に応じて公知の方法に準拠した方法を用いて、実施例21(化合物1−5−0)〜実施例351(化合物4−7−808)を合成した。
【0299】
【化92】
【0300】
【化93】
【0301】
【化94】
【0302】
【化95】
【0303】
【化96】
【0304】
【化97】
【0305】
【化98】
【0306】
【化99】
【0307】
【化100】
【0308】
【化101】
【0309】
【化102】
【0310】
【化103】
【0311】
【化104】
【0312】
【化105】
【0313】
【化106】
【0314】
【0315】
【化107】
【0316】
【化108】
【0317】
【化109】
【0318】
【化110】
【0319】
(実施例352)液晶組成物の調製−1
以下の物性値を示すホスト液晶(H)
を調製した。値はいずれも実測値である。
【0320】
T
n−i(ネマチック相−等方性液体相転移温度):73.8℃
Δε(25℃における誘電率異方性) :−2.79
Δn(25℃における屈折率異方性) :0.101
γ
1 (25℃における回転粘性係数):118
この母体液晶(H)97%と、実施例1で得られた化合物(1−7−205)3%からなる液晶組成物(M−A)を調製した。この組成物(M−A)のT
n−i、Δε、Δn及びγ
1の値を測定し母体液晶からの変化量をもとに、実施例1で得られた化合物(1−7−205)の各物性値の外挿値を求めると、以下のとおりであった。
【0321】
外挿T
n−i:23.8℃
外挿Δε:−14.6
外挿Δn:0.167
外挿γ
1:376mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−A)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0322】
さらに、液晶組成物(M−A)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
【0323】
(実施例353)液晶組成物の調製―2
母体液晶(H)95%と、実施例60で得られた化合物(1−7−405)5%からなる液晶組成物(M−B)を調製した。この組成物(M−B)より、実施例60で得られた化合物(1−7−405)の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γ
1の値は以下のとおりである。
【0324】
外挿T
n−i:21.8℃
外挿Δε:−14.0
外挿Δn:0.158
外挿γ
1:360mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−B)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0325】
さらに、液晶組成物(M−B)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
【0326】
(比較例1)液晶組成物の調製―3
母体液晶(H)85%と、以下に示す化合物(A)15%からなる液晶組成物(M−C)を調製した。
【0327】
【化111】
【0328】
この組成物(M−C)より、上記化合物(A)の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γ
1の値は以下のとおりである。
【0329】
外挿T
n−i:18.3℃
外挿Δε:−15.7
外挿Δn:0.184
外挿γ
1:241mPa・s
上記結果を実施例352および実施例353と比較するとΔεは同程度でありながら、T
n−iが低いことが分かる。
【0330】
(比較例2)液晶組成物の調製―4
母体液晶(H)85%と、以下に示す化合物(B)15%からなる液晶組成物(M−D)を調製した。
【0331】
【化112】
【0332】
この組成物(M−D)より、上記化合物(B)の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γ
1の値は以下のとおりである。
【0333】
外挿T
n−i:3.2℃
外挿Δε:−9.7
外挿Δn:0.073
外挿γ
1:94mPa・s
上記結果を実施例352および実施例353と比較すると|Δε|が大幅に小さくなり、T
n−iも大幅に低いことが分かる。