(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681301
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】切替え装置
(51)【国際特許分類】
H02P 3/04 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
H02P3/04 B
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-165616(P2016-165616)
(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公開番号】特開2017-46576(P2017-46576A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2019年3月26日
(31)【優先権主張番号】10 2015 216 496.9
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・シェーンリンナー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・フォン・ル・スイール
【審査官】
池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/174633(WO,A1)
【文献】
特開2014−200161(JP,A)
【文献】
特公昭50−023739(JP,B1)
【文献】
特開昭62−244109(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0239196(US,A1)
【文献】
特開2004−336878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータ(M)の電磁式の保持ブレーキ(B)を解除するための駆動電圧(UB)と、当該開放された保持ブレーキ(B)を保持するための、この駆動電圧に比べて減少された保持電圧とを、前記保持ブレーキ(B)に供給するための切替え装置において、
前記駆動電圧(UB)が、上流側に配置された、モータ(M)と保持ブレーキ(B)とから分離されて配置された1つの制御装置(S)によって供給されていること、
前記切替え装置が、前記モータ(M)内に若しくは前記モータ(M)に又は前記保持ブレーキ(B)内に若しくは前記保持ブレーキ(B)に配置されていて、前記保持ブレーキ(B)の解除後に減少された電圧を、前記駆動電圧(UB)に左右されずに1つの一定値に調整するように設けられている1つの電圧レギュレータを有すること、
前記切替え装置は、1つの比較器(U1)を有し、この比較器(U1)は、1つの基準電圧(v2)を、前記保持ブレーキ(B)で取り出され、1つの分圧器(R4,R12)によって提供された電圧(v3)と比較し、パルス幅変調された信号(v4)をこの比較器(U1)の出力部で生成するように、前記比較器(U1)は設けられていて、1つのスイッチング素子(M1)が、前記パルス幅変調された信号(v4)によって制御可能であり、前記駆動電圧(UB)が、前記スイッチング素子(M1)によってパルス化されて前記保持ブレーキ(B)に印加可能である結果、前記保持電圧が、その平均値で発生すること、及び
1つのスタートコンデンサ(C8)が、十分に充電されているときに初めて、パルス幅変調された信号(v4)が、前記比較器(U1)の出力部に出力されるように、前記比較器(U1)が、前記取り出される電圧(v3)用の入力部で前記スタートコンデンサ(C8)に接続されていること、及び
前記切替え装置への前記駆動電圧(UB)の印加後にまず、全部の前記駆動電圧(UB)が、前記保持ブレーキ(B)に印加されていて、前記スタートコンデンサ(C8)の十分な充電までの期間が、前記保持ブレーキ(B)を解除するために十分であるように、このスタートコンデンサ(C8)は設計されていることを特徴とする切替え装置。
【請求項2】
前記保持ブレーキ(B)で取り出される電圧(v3)は、1つの平滑コンデンサ(C1)によって三角波形電圧に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切替え装置。
【請求項3】
前記比較器(U1)の出力が、前記基準電圧(v2)にフィードバックされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切替え装置。
【請求項4】
前記基準電圧(v2)は、1つのツェナーダイオード(D6)によって前記駆動電圧(UB)から取り出されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の切替え装置。
【請求項5】
駆動電圧(UB)が、前記切替え装置に印加されないときに、1つの放電ダイオード(D2)が、前記スタートコンデンサ(C8)を放電することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の切替え装置。
【請求項6】
前記切替え装置は、基準電位として前記駆動電圧(UB)のより高い電位(24V)を使用すること、及び
前記スイッチング素子(M1)は、前記保持ブレーキ(B)の負の電極端子を前記駆動電圧(UB)の下電位(0V)に接続するnチャネルMOSFETとして構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の切替え装置。
【請求項7】
駆動電圧(UB)が、前記切替え装置に印加されないときに、1つのフライホイールスイッチング素子(M4)が、前記保持ブレーキ(B)に通電するフライホイール電流を遮断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の切替え装置。
【請求項8】
1つのサプレッサダイオード(D4)が、前記フライホイールスイッチング素子(M4)に並列接続されていることを特徴とする請求項7に記載の切替え装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータの電磁式の保持ブレーキを解除するための駆動電圧と、当該開放された保持ブレーキを保持するための、この駆動電圧に比べて減少された電圧とを、当該保持ブレーキに供給するための切替え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの軸が、駆動されていなくて、外部から供給された回転トルクの下でも回転されてはならない間に、電磁式の保持ブレーキは、この軸を保持するために使用される。このような保持ブレーキの安全な状態は、当該保持ブレーキが掛けられていて、この軸が保持されている状態である。それ故に、電磁式の保持ブレーキが、そのブレーキシューを開放するために駆動電圧が印加される電磁石によって解除されるように、当該電磁式の保持ブレーキは構成されている。或る人が、この駆動電圧を遮断するか、又は、当該駆動電圧が、その他の理由から消失するときに、当該ブレーキシューが、機械ばねによって当該軸に対して再び押し付けられる。
【0003】
電磁式の保持ブレーキは、リニアモータと協働しても使用される。この場合、電磁式の保持ブレーキは、非通電状態で走行子を固定子に固定する。
【0004】
保持ブレーキを解除するために、解放された状態にある当該ブレーキを保持するためよりも高い駆動電圧を使用することが、米国特許第3614565号明細書から公知である。これにより、一方では、当該ブレーキが、より早く開放され、他方では、電磁石中に発生する熱が、モータの駆動中に十分に減少される。
【0005】
欧州特許第2503682号明細書には、切替え装置が記載されている。この切替え装置の場合、異なる複数の電圧が、ブレーキを開放するために又は既に開放されたブレーキを保持するためにパルス幅変調によって設定される。この場合、当該保持ブレーキの電磁石の電圧は、印加される電圧パルスの時間平均値に相当する。この明細書では、駆動制御装置及び切替え装置が、当該保持ブレーキを制御するためにモータ内に直接に配置されているか又はモータに直接に配置されていることが、分散駆動技術において有益であることが開示されている。この構成では、当該駆動制御装置が、当該保持ブレーキのパルス幅変調された供給のために、信号を当該駆動制御装置で生成する。しかし、多くの技術分野では、従来では、中央駆動制御が、例えば多軸工作機械の数値制御によって要求されている。この欧州特許第2503682号明細書によれば、このとき、ブレーキ電圧を送電するための給電線に加えて、電圧又は電流を当該保持ブレーキで直接に測定し、中央制御装置へ伝送するセンサ線が必要である。これにより、例えば電圧降下が、当該給電線で認識され得、パルス幅変調時の適合されたデューティー比によって補償され得る。しかしながら、このような追加のセンサ線は、駆動解決手段の導線の敷設時の増大する経費を意味し、追加の誤差源も意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3614565号明細書
【特許文献2】欧州特許第2503682号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、電気モータの電磁式の保持ブレーキを解除するための駆動電圧と、当該保持ブレーキを開放するために必要な当該駆動電圧だけが中央制御装置から供給される必要がある当該開放された保持ブレーキを保持するための、この駆動電圧に比べて減少された電圧とを、当該保持ブレーキに供給するために分散式に配置された切替え装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の切替え装置によって解決される。この切替え装置の好適な詳細は、請求項1に従属する請求項に記載されている。
【0009】
電気モータの電磁式の保持ブレーキを解除するための駆動電圧と、当該開放された保持ブレーキを保持するための、この駆動電圧に比べて減少された保持電圧とを、当該保持ブレーキに供給するための切替え装置が開示される。この切替え装置は、従来の技術に比べて、当該駆動電圧が、上流側に配置された、モータと保持ブレーキとから分離されて配置された1つの制御装置によって供給されていること、当該切替え装置が、当該モータ内に若しくは当該モータに又は当該保持ブレーキ内に若しくは当該保持ブレーキに配置されていて、当該保持ブレーキの解除後に減少された電圧を、当該駆動電圧に左右されずに1つの一定値に調整するように設けられている1つの電圧レギュレータを有することを特徴とする。
【0010】
この場合、モータ及び保持ブレーキが、1つのユニットを構成し、本発明の切替え装置が、このユニット内に又はこのユニットに配置されている。当該保持ブレーキを操作するための駆動電圧が、独立して離れて配置された上流側又は中央の制御装置によって外部から供給される。この場合、個々の中央制御装置が、例えば1つの工作機械で複数のモータ及びこれらのモータの保持ブレーキを制御し得る。
【0011】
当該保持ブレーキが解除されなければならないときに、駆動電圧だけが、中央制御装置によって当該モータ若しくは当該モータ内又は当該保持ブレーキ若しくは当該保持ブレーキ内に配置された切替え装置に印加される必要がある。この駆動電圧が、再び遮断されると、この保持ブレーキが、新たにかかる。当該中央制御装置が、パルス幅変調された駆動電圧を生成する必要もなく、駆動電圧用の給電線上の電圧降下が、当該制御装置に知らせられる必要もない。上記の従来の技術のこれらの欠点が、当該中央の駆動制御用の本発明にしたがって解決されている。
【0012】
本発明の切替え装置は、当該保持ブレーキが、早く(すなわち、全部の駆動電圧によって)解除されること、及び、エネルギー損失を十分に減少させるように、当該ブレーキが、別の行程中に、当該保持ブレーキの給電線上の電圧降下に左右されない減少された電圧(保持電圧)で開放されて保持されることを分散式に提供する。さらに、当該切替え装置は、当該駆動電圧の遮断後に当該保持ブレーキを早く掛けることを保証する。
【0013】
当該ブレーキを開放するために必要なこの保持ブレーキ用の駆動電圧が、当該中央制御装置によって提供されるだけで済むように、当該モータ(若しくはこのモータのハウジング)内又は当該モータ(若しくはこのモータのハウジング)に、すなわち当該保持ブレーキのすぐ近くに分散式に配置された当該切替え装置が、ヒステリシスコンバータとして使用される組み込まれた1つの比較器に起因して自励発振式に構成されている。このとき、当該切替え装置は、最初に、全部の駆動電圧が、当該保持ブレーキの電磁石に印加され、したがって当該ブレーキが早く開放されることを提供する。したがって、当該保持ブレーキ上に印加されている平均電圧が、保持電圧に完全に一致するように、当該駆動電圧が、適合するデューティー比でパルス式に印加されることによって、パルス幅変調を用いて減少された電圧が、当該ブレーキを開放された状態で保持するために当該切替え装置によって生成される。
【0014】
電圧制御が実行されるので、様々な種類の保持ブレーキ、特に異なる電力消費を伴う保持ブレーキが、当該切替え装置に接続され得る。
【0015】
保持電圧に切り替えられる前の、当該保持ブレーキの解除時の経時変化、すなわち当該保持ブレーキが全部の駆動電圧によって開放される第1段階の期間が、当該切替え装置の個々の構成要素の仕様によって予め設定されていて、上流側に配置された制御装置によるどんな介入も必要としない。当該経時変化は、いわば既に当該切替え装置内で確定されている。
【0016】
本発明のその他の利点及び詳細が、図面に基づく1つの実施の形態の以下の説明に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び2は、第1の実施の形態による本発明の切替え装置の完全な回路図である。この回路図は、駆動技術の分野に関する、特に駆動技術の構成素子をドライブするための電子回路に関する専門家に本発明を包括的に既に開示している。以下で、これらの詳細の多くが、明細書において明確になるが、これらの図に開示された切替え装置のその他の詳細を後で参照すると、当該切替え装置は明確になる。
【0019】
モータMの保持ブレーキBが、当該切替え装置の電極端子+Vb,−Vbに接続されている。十分な電圧が、これらの電極端子+Vb,−Vbに印加されると、保持ブレーキBが、モータMの軸を解除する。
【0020】
したがって、駆動電圧UBが、外部から当該切替え装置の電極端子0V,24Vに印加されると、保持ブレーキBが、スイッチング素子M1及び
M4を通じてこの駆動電圧によって印加されている。
図1には、モータMと保持ブレーキBとから離れて配置された中央制御装置Sが概略的に示されている。この中央制御装置Sは、ブレーキBを解除するために供給電圧UBを投入でき、ブレーキBを掛けるために供給装置UBを遮断できる。
【0021】
駆動電圧UBが印加されると、スイッチング素子M4が、継続して投入されている。これに対して、スイッチング素子M1は、希望通りに減少した保持電圧を生成するために当該ブレーキの開放後にスイッチング動作される。nチャネルMOSFETとしてのこのようなスイッチング素子M1は、pチャネルを有するスイッチング素子よりも有益である(nチャネルが、同じオン抵抗の場合により速いスイッチングを可能にする)ので、当該切替え装置の全体が、より高い正の電位24Vにプルアップされていて、pチャネルMOSFETのように電位0Vにプルダウンされない。
【0022】
複数のスイッチング素子Q3及びQ4から構成された1つのコンプリメンタリドライバが、スイッチング素子M1をドライブするために使用される。同様に、このコンプリメンタリドライバも、スイッチング素子Q1によってドライブされる。この場合、スイッチング素子Q1は、レベルシフタとして使用される。このレベルシフタは、24Vにプルアップされている比較器U1のスイッチングパルスv4を、0Vにプルダウンされている当該複数のスイッチング素子Q3及びQ4に伝達する。それ故に、複数の電圧パルスが、スイッチング素子Q1に供給される必要がある。必要な電圧が、保持ブレーキBに常に印加されるように、最終的には保持ブレーキBの前方のスイッチング素子M1が、当該複数の電圧パルスに基づいて開閉される。
【0023】
したがって、保持ブレーキBが、確実に開放されるまで、駆動電圧UBが、この駆動電圧UBの投入後の特定の期間に対してこの保持ブレーキBに完全に印加されなければならない。約1秒の時間間隔が、当該特定の期間に対して適することが実証されている。その後に、保持ブレーキB上に印加されている当該電圧が、例えば当該駆動電圧UBの半分に相当し得るより低い保持電圧に設定されなければならない。このため、スイッチング素子M1が、例えば50%のデューティー比でパルス駆動される必要がある。したがって、パルスパターンが、スイッチング素子Q1の入力部で既に設定される必要がある。
【0024】
このため、比較器U1が使用される。基準電圧v2が、この比較器U1の一方の入力部に印加される。この基準電圧は、ツェナーダイオードD6と抵抗R15とによって駆動電圧UBの上電位+24Vから引き出される。このツェナーダイオードD6のおかげで、この基準電圧v2が、場合によっては起こり得る駆動電圧UBの導線上の電圧降下に左右されない。このことは、当該切替え装置の入力部の駆動電圧UBの小さい降下が、基準電圧v2を低下させないことを意味する。
【0025】
保持ブレーキBから取り出される電圧v3が、比較器U1の第2入力部に印加される。当該切替え装置が、上電位24Vにプルアップされているので、この電圧v3は、負の端子−Vbによって取り出され、抵抗Rと抵抗R12とから構成された1つの分圧器によって基準電圧v2に適合するように設定される。矩形波形信号が、電極端子−Vbで直接に取り出される。しかしながら、この矩形波形信号は、比較器U1の当該入力部で平滑コンデンサC1によって三角波形電圧に変換される。
【0026】
保持ブレーキBで取り出され、平滑された電圧v3が、基準電圧v2の下方に低下すると、比較器U1が、スイッチング素子Q1を遮断する電圧v4を出力する。次いで、スイッチング素子M1が、コンプリメンタリドライバQ3,Q4によって遮断され、保持ブレーキB上に印加されている電圧が上昇する。さらに、比較器U1の出力電圧v4が、抵抗R2によって基準電圧v2にフィードバックされる。これにより、比較器U1が電圧v3の上昇時に再び遮断する閾値が、例えば上方にシフトされる。その結果、スイッチングヒステリシスが発生する。このヒステリシスの値、すなわち比較器U1のスイッチング周波数が、抵抗R2を選択することによって制御され得る。ここでは、1〜10kHzの範囲内のスイッチング周波数が適することが実証されている。このようにしてパルス化されたスイッチング素子M1の駆動によって、及び、駆動電圧UBの供給時の導線の電力損失からの、基準電圧v2の非依存性によって、保持電圧が、保持ブレーキBで確実に決定され得、且つ良好な動作点の近くに設定され得る。当該動作点では、この保持ブレーキが、依然として確実に開放されているが、不要な損失電力が、当該ブレーキBの電磁石中で変換されない。さらに、当該駆動電圧が、より低い保持電圧から遮断されるときでも、ブレーキBが、より早く再起動する。
【0027】
しかし、当該切替え装置は、保持ブレーキBを開放するために、最初に、全部の駆動電圧UBを保持ブレーキBに印加しようともするので、スタートコンデンサC8が、当該駆動電圧UBの印加後の短い期間中はスイッチング素子M1のパルス駆動を依然として実行させないようにする。すなわち、当該駆動電圧の印加の直後は、v3が、依然としてv2よりも低い。したがって、比較器U1が切り替わり、全部の駆動電圧UBが、スイッチング素子M1の上流側の保持ブレーキBに供給される。したがって、保持ブレーキBの−Vbで取り出される電位も上昇する。このとき、スタートコンデンサC8を充電する電流が、このスタートコンデンサC8の方向へ流れる。この充電が、約1秒後に終了するまで、v3が、基準電圧v2の下に保持され続ける。すなわち、パルス駆動が依然として実行されず、スイッチング素子M1が継続して
閉じられているままであり、保持ブレーキBが、全部の駆動電圧UBによって供給される結果、可能な限り早く開放される。
【0028】
スタートコンデンサC8が、この1秒後に完全に充電されているときに初めて、v3が、v2を超えて上昇し、上記のパルス駆動が開始する。このとき、保持ブレーキB上に印加されている電圧が、当該保持電圧に減少される。
【0029】
説明したように、駆動電圧UBが印加されると、スイッチング素子M4が常に導通されている。保持ブレーキBの上電極端子+Vbが、このスイッチング素子M4を通じて上電位24Vに接続されている。当該パルス駆動が、スイッチング素子M1によって得られる。このスイッチング素子M1は、保持ブレーキBの下電極端子−Vbを下電位0Vに接続させる。M1の遮断ごとのフライホイール動作が、フライホイールダイオードD1によって実行される。
【0030】
駆動電圧UBの遮断後に、保持ブレーキBが、可能な限り早く、数ミリ秒以内に起動しなければならない。このため、保持ブレーキB内の電磁石のコイルのインダクタンスが非常に高いので、フライホイール経路を能動的に遮断することが有益である。このことは、スイッチング素子M4によって達成される。当然に、このスイッチング素子M4は、駆動電圧UBの印加時に導通されていて、それ故に駆動電圧UBの消失時に遮断する。このとき、保持ブレーキB内に蓄勢されたエネルギーが、スイッチング素子M4に並列接続されているサプレッサダイオードD4内で熱的に消滅される。したがって、このスイッチング素子は、フライホイールスイッチング素子M4とも記され得る。
【0031】
駆動電圧UBの遮断による保持ブレーキBの遮断時に、放電ダイオードD2がさらに使用される。保持ブレーキBの新たな解除時に、当該切替え装置の全ての機能が、短期間後に再び提供されるように、この放電ダイオードD2が、コンデンサC1と、特にC8とを放電する。このため、駆動電圧UBの投入後のスタートコンデンサC8の充電のための所要時間が、上記のように重要である。スタートコンデンサC8の残留電荷が、この所要時間を短縮しうる、すなわち全ての駆動電圧UBが保持ブレーキBに依然として印加されている期間を短縮しうる。
【0032】
バリスタR21が、当該切替え装置の入力部で干渉パルスに対する絶縁耐力を向上させる。このバリスタR21は、コンデンサC4と一緒に当該入力電圧を安定させる。当該切替え装置のパルス駆動に起因して、可能な限り高い静電容量が、C4のために望ましい。しかしながら、電解コンデンサの耐熱性が、非常に劣るので、電解コンデンサは、この箇所−モータの近く−では使用され得ない。この代わりに、セラミックコンデンサが使用される。
【0033】
当該切替え装置を可能な限り丈夫に構成するさらなる対策として、24Vから0Vへの低インピーダンス接続が、比較器U1に影響しないことが配慮される。R23及びR16が、急激に上昇する供給電圧の場合に大電流を防ぐ。
【符号の説明】
【0034】
M モータ
B 保持ブレーキ
S 中央制御装置
UB 駆動電圧、供給電圧
M1 スイッチング素子
M4 スイッチング素子、フライホイールスイッチング素子
Q1 スイッチング素子
Q3 スイッチング素子
Q4 スイッチング素子
U1 比較器
D1 フライホイールダイード
D2 放電ダイオード
D4 サプレッサダイオード
D6 ツェナーダイオード
R2 抵抗
R4、R12 分圧器
R15 抵抗
R21 バリスタ
C1 平滑コンデンサ
C8 スタートコンデンサ
v2 基準電圧
v3 保持ブレーキBから取り出される電圧
v4 パルス幅変調信号、スイッチングパルス
+Vb 上電極端子
−Vb 下電極端子