特許第6681750号(P6681750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681750
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】洗浄液及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20200406BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20200406BHJP
   C11D 7/08 20060101ALI20200406BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20200406BHJP
   C11D 7/50 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   H01L21/304 647Z
   C11D17/08
   C11D7/08
   C11D7/32
   C11D7/50
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-42500(P2016-42500)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-157798(P2017-157798A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220239
【氏名又は名称】東京応化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 竜生
(72)【発明者】
【氏名】関 健司
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−533631(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/129549(WO,A1)
【文献】 特開2005−333104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 7/08
C11D 7/32
C11D 7/50
C11D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の少なくとも一部がコバルトを含む金属からなる基板の洗浄に使用される洗浄液であって、
フッ化水素酸(A)、テトラゾール化合物(B)、及び水(C)を含有する洗浄液。
【請求項2】
前記テトラゾール化合物(B)が、下記式(B1):
【化1】
(式(B1)中、Rは、水素原子、又は有機基であり、Rは水素原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、又は有機基である。)
で表される化合物である、請求項1に記載の洗浄液。
【請求項3】
前記Rが水素原子である、請求項2に記載の洗浄液。
【請求項4】
前記テトラゾール化合物(B)以外の塩基性化合物(D)を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄液。
【請求項5】
水溶性有機溶剤(E)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄液。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載の洗浄液を用いて基板を洗浄する方法であって、
前記基板の表面の少なくとも一部がコバルトを含む金属からなる、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液、及びこれを用いる洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の半導体素子や液晶パネル等の表示素子を製造する際には、まず、シリコンウェハ、ガラス等の基板上にCVD蒸着された金属膜やSiO膜等の絶縁膜を形成する。次に、金属膜や絶縁膜上に、フォトレジストパターンやメタルハードマスクを形成する。そして、このフォトレジストパターンやハードマスクをマスクとして基板をドライエッチング処理し、微細回路を形成する。次いで、アッシングを行った後、洗浄液を用いてフォトレジストパターンの残渣物及びハードマスクの残渣物を洗浄除去する。
【0003】
金属膜からなるかかる微細回路を備える素子について、ますます回路の微細化が進んでいる。微細回路を形成する際の金属膜の材料としては銅が利用されることが多かった。しかし、回路のさらなる微細化を行う場合、銅膜からなる微細回路ではエレクトロマイグレーションが生じやすい問題がある。
このため、極微細な回路を形成する場合、エレクトロマイグレーションを防ぐ目的で、コバルトを含む合金やコバルトで回路表面を被覆することが提案されている。
【0004】
他方で、フォトレジストパターンの残渣物及びハードマスクの残渣物を洗浄除去するために使用し得る洗浄液には、これらの残渣物を効果的に洗浄除去できることに加えて、金属に対する防食性に優れることが望まれている。このような洗浄液については、フッ化水素酸及びそのカウンターアミンとしてアンモニアを用いた化合物(特許文献1〜3を参照)や、フッ化水素酸及びそのカウンターアミンとして1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7を用いた化合物(特許文献4を参照)等を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−83713号公報
【特許文献2】特開平9−197681号公報
【特許文献3】特開2000−47401号公報
【特許文献4】特開2000−181083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜4に記載の洗浄液は、銅等の金属に対しては高い防食性能を奏するものの、コバルトに対して必ずしも高い防食性能を示すものではない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、フォトレジストパターンの残渣物や、エッチング残渣物の除去等に用いられる洗浄液であって、コバルトを含む金属に対する防食性に優れる洗浄液、及びこれを用いる洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、洗浄液に、フッ化水素酸(A)、テトラゾール化合物(B)、及び水(C)を含有させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0009】
本発明の第一の態様は、フッ化水素酸(A)、テトラゾール化合物(B)、及び水(C)を含有する洗浄液である。
【0010】
本発明の第二の態様は、第一の態様にかかる洗浄液を用いて基板を洗浄する方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フォトレジストパターンの残渣物や、エッチング残渣物の除去等に用いられる洗浄液であって、コバルトを含む金属に対する防食性に優れる洗浄液、及びこれを用いる洗浄方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
≪洗浄液≫
洗浄液は、フッ化水素酸(A)と、テトラゾール化合物(B)と、水(C)とを含有する。また、洗浄液は、テトラゾール化合物(B)以外の塩基性化合物(D)、水溶性有機溶剤(E)等を含んでいてもよい。以下、本発明に係る洗浄液に含有される各成分について詳細に説明する。
【0013】
<フッ化水素酸(A)>
洗浄液は、フッ化水素酸を必須に含有する。
フッ化水素酸の含有量は、洗浄液中、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.08〜0.32質量%がより好ましい。このような範囲とすることにより、フォトレジストパターンの残渣物やエッチング残渣物の洗浄除去性と、コバルトを含む金属に対する防食性とのバランスをより効果的にとることができる。
【0014】
<テトラゾール化合物(B)>
洗浄液は、テトラゾール化合物(B)を必須に含有する。洗浄液が、テトラゾール化合物(B)を含むことによって、洗浄液のコバルトを含む金属に対する防食性が顕著に高められる。
テトラゾール化合物(B)の種類は、テトラゾール骨格を含む化合物であれば特に限定されない。
テトラゾール化合物(B)は、テトラゾール環と、他の環とが縮合した縮合環を含んでいてもよい。この場合、テトラゾール環と、他の環とは、テトラゾール環の1位の窒素原子と5位の炭素原子との間の単結合を共有する。
また、テトラゾール化合物(B)は、1分子中に2以上のテトラゾール環を含んでいてもよい。
【0015】
テトラゾール化合物(B)の分子量も特に限定されない。テトラゾール骨格を含む高分子化合物としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を含むテトラゾール化合物の単独重合体、又は共重合体が挙げられる。共重合体におけるコモノマーとしては、一例として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル、及びスチレン等が挙げられる。
【0016】
テトラゾール化合物(B)としては、下式(B1)で表される化合物が好ましい。
【化1】
(式(B1)中、Rは、水素原子、又は有機基であり、Rは水素原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、又は有機基である。)
【0017】
及びRにおける有機基としては、炭素原子を含み、一般に有機基と認識されている基であれば特に限定されない。
有機基はヘテロ原子を含んでいてもよい。当該ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
における、有機基の好適な例としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられる。
これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、及びこれらの構造の組み合わせのいずれでもよい。
【0019】
がアルキル基又はアルケニル基である場合、当該アルキル又はアルケニル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。アルケニル基の炭素原子数は特に限定されないが、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。
好ましいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、及び2−エチル−n−ヘキシル基等が挙げられる。好ましいアルケニル基の具体例としては、ビニル基、及びアリル基等が挙げられる。
【0020】
がシクロアルキル基である場合、当該シクロアルキル基の炭素原子数は特に限定されない。シクロアルキル基の炭素原子数は、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
シクロアルキル基の好適な例としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。
がシクロアルケニル基である場合の好適な例としては、シクロアルキル基について例示した好ましい基に対応するシクロアルケニル基が挙げられる。
【0021】
がアラルキル基である場合、当該アラルキル基に含まれるアリール基は、芳香族炭化水素基であってもよく、芳香族複素環基であってもよく、芳香族炭化水素基であるのが好ましい。アラルキル基の炭素原子数は、7〜20が好ましく、7〜12がより好ましい。
アラルキル基の好適な例としては、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル基、及びβ−ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0022】
以上説明した、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びアラルキル基は置換基を有してもよい。当該置換基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
【0023】
好ましい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。
【0024】
これらの置換基が、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、又はジアリールアミノ基である場合、これらの基に含まれるアルキル基及びアリール基の好適な例は、Rがアルキル基、又はアリール基である場合の好適な例と同様である。
【0025】
これらの置換基がアシル基、又はアシルオキシ基である場合、当該アシル基、又は当該アシルオキシ基において、カルボニル基に結合する基は、脂肪族基であっても、芳香族基であっても、脂肪族基と芳香族基とを組み合わせた基であってもよい。
アシル基、又はアシルオキシ基の炭素原子数は特に限定されないが、2〜15が好ましく、2〜10がより好ましい。
置換基としてのアシル基の好適な例としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基、α−ナフトイル基、及びβ−ナフトイル基が挙げられる。
置換基としてのアシルオキシ基の好適な例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、α−ナフトイルオキシ基、及びβ−ナフトイルオキシ基が挙げられる。
【0026】
これらの置換基が、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、又はアリールチオエーテル基である場合、これらの基に含まれるアルキル、アルケニル基、及びアリール基の好適な例は、Rがアルキル基、アルケニル基である場合の好適な例と同様である。
【0027】
における、有機基の好適な例としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基等挙げられる。
【0028】
における有機基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、又はアラルキル基である場合、これらの有機基の好適な例は、Rと同様である。
における有機基が、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、又はアリールチオエーテル基である場合、これらの有機基の好適な例は、Rについて、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びアラルキル基の置換基について説明した基と同様である。
【0029】
なお、Rが、水酸基又はメルカプト基である場合、式(B1)で表されるテトラゾール化合物は、下式の互変異性体であってもよい。
【化2】
【0030】
コバルトを含む金属に対する防食効果に特に優れる洗浄液を得やすいことから、式(B1)で表されるイミダゾール化合物の中では、下式(B2)で表されるイミダゾール化合物が好ましい。
【化3】
(式(B2)中、Rは、式(B1)と同義である。)
【0031】
式(B1)で表されるテトラゾール化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
【化4】
【0032】
以上説明したテトラゾール化合物(B)の洗浄液における使用量は特に限定されない。洗浄液中のテトラゾール化合物(B)の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.2〜1質量%が特に好ましい。
かかる範囲内の量のテトラゾール化合物(B)を用いると、種々の残渣物に対する優れた洗浄効果と、コバルトを含む金属対する優れた防食効果とを兼ね備える洗浄液を得やすい。
【0033】
<水(C)>
本発明に係る洗浄液は、水(C)を必須に含有する。
水の含有量は、洗浄液中、1.0〜80質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
【0034】
<塩基性化合物(D)>
洗浄液は、テトラゾール化合物(B)以外の塩基性化合物(D)を含有していてもよい。
塩基性化合物(D)の種類は特に限定されず、従来より、フォトレジスト等の残渣物の洗浄に用いられる洗浄液に配合される塩基性化合物から適宜選択される。
塩基性化合物(D)としては、含窒素塩基性化合物が好ましい。
【0035】
塩基性化合物(D)の好適な具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム水酸化物;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等のシラザン化合物;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のアミノシラン化合物;ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン化合物が挙げられる。
また、以下の有機アミン類も塩基性化合物(D)として好適である。有機アミン類の具体例としては、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシメチルアミン、エトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、エトキシブチルアミン、プロポキシメチルアミン、プロポキシエチルアミン、プロポキシプロピルアミン、プロポキシブチルアミン、ブトキシメチルアミン、ブトキシエチルアミン、ブトキシプロピルアミン、ブトキシブチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、及びテトラブチルエチレンジアミン、メチルアミノブチルアミン、エチルアミノブチルアミン、プロピルアミノブチルアミン、ブチルアミノブチルアミン、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、及びヒドラジン等である。
【0036】
また、下記式(d−1)で表される化合物も、塩基性化合物(D)として好ましい。
【化5】
(式(d−1)中、R1dからR5dは、それぞれ独立に水素原子、又は水酸基、カルボキシル基、アミノ基、若しくはホスホン酸基を有していてもよい炭素原子数1〜6のアルキル基を示し、R1dからR5dの少なくとも1つは水素原子である。R1dからR4dのうちいずれか1つとR5dとが相互に結合して環構造を形成してもよい。Y1d及びY2dは、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキレン基を示し、nは0〜5の整数を示す。nが2以上のとき、複数のR5d同士及び複数のY1d同士は互いに同一であっても異なっていてもよく、R5d同士が相互に結合して環構造を形成してもよい。)
【0037】
1dからR5dがとり得る炭素原子数1〜6のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、直鎖状が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、エチル基が最も好ましい。
このアルキル基は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、又はホスホン酸基を有していてもよい。そのような具体例としては、2−ヒドロキシエチル基、2−カルボキシエチル基、2−アミノエチル基、2−ホスホン酸エチル基等が挙げられる。
【0038】
1dからR4dのうちいずれか1つとR5dとが相互に結合して形成し得る環構造、あるいはR5d同士が相互に結合して形成し得る環構造としては、ピペラジン環等が挙げられる。
【0039】
1d及びY2dがとり得る炭素原子数1〜3のアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、直鎖状が好ましい。具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらの中でも、エチレン基が最も好ましい。
【0040】
nは0〜5の整数を示し、0〜2の整数がより好ましい。
【0041】
上記式(d−1)で表される塩基性化合物の具体例としては、エチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(=ジエチレントリアミン)、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(=トリエチレンテトラミン)、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、N−[(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]ピペラジン、N−(2−アミノエチル)−N’−{2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル}−1,2−エタンジアミン(=テトラエチレンペンタミン)、4−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−N’−{2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル}−1,2−エタンジアミン、1−(2−アミノエチル)−4−{[(2−アミノエチル)アミノ]エチル}ピペラジン、1−{2−[[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル}ピペラジン、1−ピペラジンエタンアミン、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール等が挙げられる。
【0042】
上記式(d−1)で表される塩基性化合物の中でも、下記一般式(d−2)で表される塩基性化合物が好ましい。
【0043】
【化6】
(式(d−2)中、Y1d、Y2d、及びnは、式(d−1)と同義である。)
【0044】
式(d−2)で表される塩基性化合物の具体例としては、エチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(=ジエチレントリアミン)、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(=トリエチレンテトラミン)、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチレントリアミン、トリメチレンテトラミン等が挙げられる。
【0045】
これらの中でも、N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(=ジエチレントリアミン)、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(=トリエチレンテトラミン)が、金属に対する防食性が特に高い洗浄液を得やすい点で特に好ましい。
【0046】
以上説明した塩基性化合物(D)は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
塩基性化合物(D)の含有量は、フッ化水素酸の含有量に応じて適宜調整できるが、洗浄液中、0.01〜2.00質量%が好ましく、0.01〜1.24質量%がより好ましい。種々の残渣物に対する洗浄除去性と、コバルトを含む金属に対する防食性とのバランスをより効果的にとりやすい。
【0048】
塩基性化合物(D)を加えるか、加えない状態の洗浄液のpHは、コバルトに対する防食効果の点から、4〜9が好ましい。
なお、洗浄液のpHは、25℃で測定された値である。
【0049】
<水溶性有機溶剤(E)>
洗浄液は、水溶性有機溶剤(E)を含んでいてもよい。
かかる水溶性有機溶剤(E)の例としては、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体;等が挙げられる。
【0050】
また、下記式(e−1)で表される、N,N−ジアルキル脂肪酸アミドも、水溶性有機溶剤(E)として好ましい。洗浄液が、式(e−1)で表される、N,N−ジアルキル脂肪酸アミドを含む場合、継続使用によってもエッチングレートが変化しにくい洗浄液を得やすい。
【0051】
【化7】
(一般式(e−1)中、R1eはイソプロピル基、又は1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基を示し、R2e及びR3eは、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
【0052】
一般式R2e及びR3eは、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭素原子数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基が挙げられる。これらのアルキル基の中では、メチル基及びエチル基が好ましい。
【0053】
式(e−1)で表されるN,N−ジアルキル脂肪酸アミドの具体例としては、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−エチル,N−メチルイソブチルアミド、N,N−ジエチルイソブチルアミド、2−ヒドロキシ−N,N,2−トリメチルプロパンアミド、N−エチル−2−ヒドロキシ−N,2−ジメチルプロパンアミド、及びN,N−ジエチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−エチル,N−メチルイソブチルアミド、2−ヒドロキシ−N,N,2−トリメチルプロパンアミド、及びN−エチル−2−ヒドロキシ−N,2−ジメチルプロパンアミドが好ましく、特にN,N−ジメチルイソブチルアミド、及び2−ヒドロキシ−N,N,2−トリメチルプロパンアミドがより好ましい。
洗浄液は、水溶性有機溶剤(E)として、2種以上のN,N−ジアルキル脂肪酸アミドを組み合わせて含んでいてもよい。
【0054】
さらに、下記式(e−2)で表される、3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールも、水溶性有機溶剤(E)として好ましい。3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールは、特に残渣の除去性能に優れる。
【化8】
(式中、R4eは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
【0055】
式(e−2)中、R4eが表す炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。中でも、溶解力の観点から、炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
式(e−2)で表される3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールとしては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(MMB)が特に好ましい。
【0056】
洗浄液中の水溶性有機溶剤(E)の含有量は、1.0〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
【0057】
<その他の成分>
洗浄液は、さらに、テトラゾール化合物(B)以外の防食剤を含有していてもよい。
この防食剤としては、特に限定されず、従来公知の防食剤を用いることができるが、ベンゾトリアゾール系化合物やメルカプト基含有化合物が好ましい。
【0058】
上記ベンゾトリアゾール系化合物としては、下記式(f−1)で表される化合物を挙げることができる。
【0059】
【化9】
【0060】
上記式(f−1)中、R1f、R2fは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ホルミル基、スルホニルアルキル基、又はスルホ基を示し、Qは水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜14の炭化水素基(ただし、当該炭化水素基はアミド結合又はエステル結合で中断されていてもよい)、又は下記一般式(f−2)で表される基を示す。
【0061】
【化10】
【0062】
上記式(f−2)中、R3fは炭素原子数1〜6のアルキレン基を示し、R4f及びR5fは、それぞれ独立に水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基若しくはアルコキシアルキル基を示す。
【0063】
なお、上記式(f−1)において、R1f、R2f、Qの各定義中、炭化水素基は、芳香族炭化水素基及び脂肪族炭化水素基のいずれでもよく、不飽和結合を有していてもよく、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、p−トリル基等が挙げられる。直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、n−プロピル基、ビニル基等が挙げられる。分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばイソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。環状の脂肪族炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。置換基を有する炭化水素基としては、例えばヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基等が挙げられる。
【0064】
また、上記式(f−1)において、Qとしては、上記式(f−2)で表される基であることが好ましい。特に上記式(f−2)で表される基の中でも、R4f及びR5fがそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である基を選択することが好ましい。
【0065】
さらに、Qは、上記式(f−1)で表される化合物が水溶性を示すように選択されることが好ましい。具体的には、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基(すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキル基、水酸基等が好ましい。
【0066】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、具体的には、ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−フェニルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−ベンゾトリアゾールカルボン酸メチル、5−ベンゾトリアゾールカルボン酸、1−メトキシ−ベンゾトリアゾール、1−(2,2−ジヒドロキシエチル)−ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール;「IRGAMET」シリーズとしてBASF社より市販されている、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタン、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスプロパン等が挙げられる。
これらの中でも、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ベンゾトリアゾール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール等が好ましい。
これらのベンゾトリアゾール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0067】
上記メルカプト基含有化合物としては、メルカプト基に結合する炭素原子のα位、β位の少なくとも一方に、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。このような化合物として、具体的には、1−チオグリセロール、3−(2−アミノフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、3−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。これらの中でも、1−チオグリセロールを用いることが特に好ましい。
これらのメルカプト基含有化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0068】
防食剤を含有する場合、その含有量は、洗浄液中、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
【0069】
また、本発明に係る洗浄液は、さらに、界面活性剤を含有していてもよい。
この界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知の界面活性剤を用いることができるが、アセチレンアルコール系界面活性剤が好ましい。
【0070】
界面活性剤を含有する場合、その含有量は、洗浄液中、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましい。
【0071】
洗浄液は、上記(A)〜(C)成分を必須に含有することにより、フォトレジストパターンの残渣物や、エッチング残渣物を好適に洗浄できるとともに、コバルトを含む金属に対する防食性に優れる。
このため、以上説明した洗浄液は、基板の表面の少なくとも一部がコバルトを含む金属からなる場合の基板の洗浄に好適に使用される。
以上説明した洗浄液は、特に、コバルトを含む金属を用いて微細な金属配線パターンを形成する際に使用される洗浄液として、好適に使用される。
【0072】
洗浄方法は、特に限定されず、浸漬法、スプレー法等が挙げられ、バッチ式又は枚葉式で処理を行うことができる。洗浄除去時間は、特に限定されるものではないが、通常、バッチ処理では10〜30分間程度、枚葉処理では0.5〜3分間程度である。本発明に係る洗浄液は枚葉処理で用いることが好ましい。洗浄液の温度は、特に限定されるものではないが、通常、25〜70℃程度である。
洗浄液による洗浄の後、純水や低級アルコール等を用いたリンス処理、及び乾燥処理を施してもよい。
【実施例】
【0073】
以下、本発明の実施例を示し、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0074】
〔実施例1〜5、及び比較例1〜8〕
(洗浄液の調製)
フッ化水素酸0.1質量%と、表1に記載の種類のテトラゾール化合物0.5質量%と、水溶性有機溶剤として3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール30質量%と、塩基性化合物として表1に記載の量のテトラヒドロフルフリルアミンと、残部の水とを均一に混合して、各実施例の洗浄液を調製した。
比較例1の洗浄液については、テトラゾール化合物を用いないことの他は、実施例と同様に調製した。
また、比較例2〜8の洗浄液については、テトラゾール化合物0.5質量%に変えて、表1に記載の種類の複素環化合物0.5質量%を用いることの他は、実施例と同様に調製した。
各実施例、及び比較例の洗浄液の25℃で測定したpHの値を表1に記す。
【0075】
実施例では、テトラゾール化合物(B)として以下のB1〜B5を用いた。
【化11】
【0076】
比較例では、テトラゾール化合物(B)に変わる複素環化合物として、以下のB6〜B12を用いた。
【化12】
【0077】
(コバルト防食性評価)
最外層として厚さ100nmのコバルト層を備える基板を防食性の評価に用いた。コバルト層は厚さ20nmのチタン層上に形成されている。
各実施例及び比較例の洗浄液に、50℃で15分間、基板を浸漬させた。浸漬後、基板表面を水にてリンスし、次いで、基板を窒素ブローにより乾燥させた。
乾燥後の基板の、コバルト層のシート抵抗値を4探針法にて測定して、浸漬後のコバルト層の膜厚(Å)を測定した。
浸漬前後のコバルト層の膜厚の変化から、コバルト層のエッチングレートを求めた。
エッチングレート(Å/min.)の測定結果を表1に示す。
なお、比較例4及び5では、コバルト層の剥離が生じたため、エッチングレートを求めなかった。
【0078】
(基板表面状態)
コバルト防食性評価における洗浄液浸漬後の、コバルト層について、白色の曇りの有無、コバルト層の剥離の有無を目視にて観察し、基板の表面状態を評価した。
監察結果を、表1に記す。
【0079】
【表1】
【0080】
実施例、及び比較例より、テトラゾール化合物を含有する実施例の洗浄液を用いる場合、コバルトのエッチングが顕著によくされているのに対して、テトラゾール化合物以外の複素環化合物を含有するか、テトラゾール化合物もその他の複素環化合物も含有しない、比較例の洗浄液を用いる場合、コバルトが著しくエッチングされるか、コバルト層の状態に剥離等の悪影響が生じることが分かる。