特許第6682114号(P6682114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682114
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】結球野菜収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 45/26 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
   A01D45/26
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-42175(P2016-42175)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-153449(P2017-153449A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2019年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】楢原 陽三郎
(72)【発明者】
【氏名】塚本 茂善
(72)【発明者】
【氏名】原田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】李 昇圭
(72)【発明者】
【氏名】長田 秀治
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−018085(JP,A)
【文献】 米国特許第06298865(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 45/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前方で結球野菜を引き抜いて切断し後方に搬送する収穫作業部を備え、前記収穫作業部は、結球野菜を圃場から引き抜く掻込ホイールと、引き抜かれた結球野菜の根茎部を後方に挟持搬送する根茎搬送帯と、前記根茎搬送帯の上方後部に位置して結球野菜の結球部を後方に挟持搬送する結球搬送帯と、前記根茎搬送帯と前記結球搬送帯との間に位置して結球野菜の根茎部を切断する切断装置とを有する結球野菜収穫機において、
前記切断装置の後方で前記結球搬送帯の下方に配置され、前記結球搬送帯によって搬送中の結球野菜の根茎部切断面に向けて下方から洗浄水を噴射する洗浄ノズル体と、前記洗浄ノズル体に洗浄水を供給する洗浄水供給部とを有する洗浄装置を備え
前記洗浄装置は、前記洗浄水供給部としての洗浄水タンクと、該洗浄水タンクから前記洗浄ノズル体へ洗浄水を圧送するポンプとを有し、更に、搬送中の結球野菜が前記洗浄ノズル体へ接近したことを検出する接近センサーと、該接近センサーの出力信号に基づくタイミングで前記ポンプを所定時間作動させる制御部とを有している
結球野菜収穫機。
【請求項2】
前記結球搬送帯は、前後方向に延びる左右一対の搬送体であり、各搬送体の内側に所定間隔で配置された複数のテンションプーリと、一対の搬送体の対向間隔が狭まる方向に前記複数のテンションプーリを付勢すると共に前記対向間隔が広がる方向に揺動可能な複数のテンションアームとを有し、
前記接近センサーは、搬送中の結球野菜によって、前記複数のテンションアームのうちの一つが、前記対向間隔が広がる方向に揺動したことを検出するように構成されている、請求項に記載の結球野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャベツ、レタス及び白菜等の結球野菜を収穫するために、走行機体の前方で結球野菜を引き抜いて切断し後方に搬送する収穫作業部を備えた結球野菜収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の結球野菜収穫機として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この結球野菜収穫機の収穫作業部は、結球野菜を圃場から引き抜く掻込ホイールと、結球野菜の根茎部を後方に挟持搬送する根茎搬送帯と、結球野菜の結球部を後方に挟持搬送する結球搬送帯と、搬送中の結球野菜の根茎部を切断する切断装置(カッター)とを備えている。
【0003】
また、同様の結球野菜収穫機として、特許文献2に記載されたものがある。この結球野菜収穫機は、結球野菜の根茎部を切断する回転切断刃の上面に洗浄水を噴射する洗浄ノズル体を備えている。これにより、切断刃の表面に付着した泥土を除き、切断刃の泥が結球野菜の根茎部切断面を汚損しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−18085号公報
【特許文献2】実公平5−13145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された結球野菜収穫機で白菜、キャベツ等の結球野菜を収穫する際に、結球野菜収穫機の操作の熟練度が低い場合に、又は圃場の悪条件等に起因して、切断装置が泥土で汚れ、結球野菜の根茎部切断面を汚損してしまうことがある。その対策として、特許文献2に記載されているような、切断刃を洗浄ノズル体で洗浄する構成を付加することも考えられるが、結球野菜の根茎部切断面を直接洗浄するわけではないので、その効果は限定的であると考えられる。また、火山灰の降灰等に起因して、圃場から引き抜く前の結球野菜がすでに汚れているような場合は、収穫後の結球野菜の洗浄や再調整の作業が必要となる。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消し、収穫後の結球野菜の洗浄や再調整の必要性をできるだけ低減することができる結球野菜収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、走行機体の前方で結球野菜を引き抜いて切断し後方に搬送する収穫作業部を備え、前記収穫作業部は、結球野菜を圃場から引き抜く掻込ホイールと、引き抜かれた結球野菜の根茎部を後方に挟持搬送する根茎搬送帯と、前記根茎搬送帯の上方後部に位置して結球野菜の結球部を後方に挟持搬送する結球搬送帯と、前記根茎搬送帯と前記結球搬送帯との間に位置して結球野菜の根茎部を切断する切断装置とを有する結球野菜収穫機において、前記切断装置の後方で前記結球搬送帯の下方に配置され、前記結球搬送帯によって搬送中の結球野菜の根茎部切断面に向けて下方から洗浄水を噴射する洗浄ノズル体と、前記洗浄ノズル体に洗浄水を供給する洗浄水供給部とを有する洗浄装置を備え、前記洗浄装置は、前記洗浄水供給部としての洗浄水タンクと、該洗浄水タンクから前記洗浄ノズル体へ洗浄水を圧送するポンプとを有し、更に、搬送中の結球野菜が前記洗浄ノズル体へ接近したことを検出する接近センサーと、該接近センサーの出力信号に基づくタイミングで前記ポンプを所定時間作動させる制御部とを有しているというものである。
【0009】
請求項の発明は、請求項に記載の結球野菜収穫機において、前記結球搬送帯は、前後方向に延びる左右一対の搬送体であり、各搬送体の内側に所定間隔で配置された複数のテンションプーリと、一対の搬送体の対向間隔が狭まる方向に前記複数のテンションプーリを付勢すると共に前記対向間隔が広がる方向に揺動可能な複数のテンションアームとを有し、前記接近センサーは、搬送中の結球野菜によって、前記複数のテンションアームのうちの一つが、前記対向間隔が広がる方向に揺動したことを検出するように構成されているというものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の結球野菜収穫機によれば、切断装置の後方で結球搬送帯の下方に配置され、結球搬送帯によって搬送中の結球野菜の根茎部切断面に向けて下方から洗浄水を噴射する洗浄ノズル体と、洗浄ノズル体に洗浄水を供給する洗浄水供給部とを有する洗浄装置を備えているので、搬送中の結球野菜の外側が根茎部切断面を中心に下方からの洗浄水によって洗浄される。洗浄後の汚水は自由落下によって圃場に落下する。
【0011】
根茎部切断後の結球野菜が結球搬送帯によって保持された状態で下方から噴射された洗浄水によって洗浄されるので、合理的に、かつ安定して根茎部切断面を洗浄することができるだけでなく、火山灰の降灰等に起因して結球野菜の外側が汚れているような場合にも効果的に洗浄することができる。これにより、収穫後の結球野菜の洗浄や再調整の必要性をできるだけ低減することができる結球野菜収穫機が提供される。また、既存の結球野菜収穫機に洗浄ノズル体、洗浄水供給部等の少ない部品を追加するだけで、上記の効果を奏する結球野菜収穫機を得ることも可能である。
【0012】
また、搬送中の結球野菜が洗浄ノズル体へ接近したことを接近センサーの出力信号に基づいて制御部が検出し、制御部はその検出に基づくタイミングで、洗浄水タンクから洗浄ノズル体へ洗浄水を圧送するポンプを所定時間作動させるので、洗浄水を無駄に消費することなく、効率的に結球野菜(根茎部切断面)の洗浄を行うことができる。
【0013】
請求項の結球野菜収穫機によれば、結球野菜を柔軟に挟持して搬送するために備えられている結球搬送帯の既存の構造を利用して、接近センサーを実現することができる。つまり、搬送中の結球野菜によって、複数のテンションアームのうちの一つが、結球搬送帯の対向間隔が広がる方向に揺動したことを検出することによって、結球野菜が洗浄ノズル体へ接近したことを検出する。これにより、簡単な構成で確実に結球野菜の洗浄ノズル体への接近を検出し、洗浄水を無駄に消費することなく、効率的に結球野菜(根茎部切断面)の洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態における結球野菜収穫機の側面図である。
図2】結球野菜収穫機の平面図である。
図3】動力伝達系統のスケルトン図である。
図4】結球野菜収穫機の油圧系統図である。
図5】前置搬送帯とその周辺を模式的に示す平面図である。
図6】前置搬送帯とその周辺を模式的に示す側断面図である。
図7】洗浄装置の概略構成を示す模式図である。
図8】洗浄装置を構成する接近センサーとその周辺の構造を示す模式図である。
図9】別実施形態に係る結球野菜収穫機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体2の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0016】
まず、主として図1及び図2を参照しながら、結球野菜収穫機1の概略構造について説明する。実施形態の結球野菜収穫機1は、走行部としての左右一対の走行クローラ3にて支持された走行機体2を備えている。走行機体2の前部右側に操縦部4が設けられている。
【0017】
操縦部4は、操縦コラム4a、サイドコラム4b及び操縦座席4cを備えている。操縦コラム4aには、走行機体2の旋回方向及び旋回速度を変更操作する操向ハンドル5が設けられている。サイドコラム4bには、走行機体2の変速操作を行う主変速レバー6、副変速レバー7、後述する引抜き搬送装置14を昇降操作する引抜き昇降レバー(図示省略)、作業クラッチレバー8、切断装置19の高さ位置を調節操作する切断調節具10(レバー又は切換スイッチ)等が配置されている。実施形態の切断調節具10は、操縦部4の後部側、具体的にはサイドコラム4bの後部側に配置されている。
【0018】
操縦座席4cの下方には動力源としてのエンジン11が搭載されている。エンジン11の前方で且つ左右走行クローラ3の間には、エンジン11からの動力を適宜変速して左右両走行クローラ3に伝達するためのミッションケース12が配置されている。
【0019】
操縦部4の左側には、結球野菜Aを引き抜いて後方に搬送する収穫作業部13が配置されている。収穫作業部13は、結球野菜Aを引き抜いて結球部を挟持し後方に搬送する引抜き搬送装置14と、搬送中の結球野菜Aの根茎部を切断する切断装置19とを備えている。引抜き搬送装置14は、前端側に位置する左右一対の掻込ホイール16L,16Rと、左右一対の根茎搬送帯17L,17Rと、根茎搬送帯17L,17Rの上方後部に前低後高に傾斜して設けられた左右一対の結球搬送帯18L,18Rとを備えている。側面視で結球搬送帯18L,18Rと根茎搬送帯17L,17Rの間に、切断装置19が配置されている。
【0020】
また、実施形態の収穫作業部13は、白菜のような縦長の結球形状を有する結球野菜Aの収穫に適した構造とするために、結球搬送帯18L,18Rの前方で掻込ホイール16L,16Rの上方に位置し、結球搬送帯18L,18Rの挟持位置より上(好ましくは結球野菜Aの重心位置より上)で結球野菜Aの結球部を挟持して結球搬送帯18L,18Rへ搬送する前置搬送帯59L,59Rを備えている。この構造の詳細については後述する。
【0021】
掻込ホイール16L,16Rは上向き凸の錐体状に形成されている。すなわち、掻込ホイール16L,16Rは、側面視で半径中心側が外周側より高くなるように形成されている。掻込ホイール16L,16Rは前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。互いに対向する掻込ホイール16L,16Rを内向きに回転させることによって、圃場における結球野菜Aの根茎部は中央側に掻き込まれ(引き込まれ)、根茎搬送帯17L,17Rの始端側に誘導される。
【0022】
根茎搬送帯17L,17Rは、互いに内向きに周回駆動することによって、結球野菜Aの根茎部を左右から挟持して当該根茎部を切断装置19に向けて案内するものである。根茎搬送帯17L,17Rも前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。結球搬送帯18L,18Rは、互いに内向きに周回駆動することによって、結球野菜Aの結球部を左右から挟持した状態で後ろ斜め上方に搬送するものである。実施形態の結球搬送帯18L,18Rは、側面視で根茎搬送帯17L,17Rと平行状に配置されている。従って、結球搬送帯18L,18Rも、根茎搬送帯17L,17Rと同様に、前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。
【0023】
引抜き搬送装置14及び切断装置19等を支持する左右一対の前部フレーム20L,20Rは、後端側を回動支点にして、走行機体2の前部左側に固着された支持台21に昇降回動可能に軸支されている。そして、走行機体2と前部フレーム20L,20Rとの間には単動式の油圧シリンダ22が介装されている。油圧シリンダ22の伸縮動によって、引抜き搬送装置14の傾斜角度を変更したり引抜き搬送装置14を持ち上げたりできる。なお、前部フレーム20L,20Rの前部下面側には、圃場における結球野菜Aの根茎部に掻込ホイール16L,16Rを位置合わせするための左右一対の橇体(図示省略)を設けてもよい。
【0024】
収穫作業部13(引抜き搬送装置14)の後方には、結球野菜Aを搬送しながら選別する前後長手の選別用コンベヤ25が配置されている。実施形態では、引抜き搬送装置14と選別用コンベヤ25とが進行方向前後に直線的に並べられている。引抜き搬送装置14の後方に選別用コンベヤ25が水平状に位置している。引抜き搬送装置14で後ろ斜め上方に搬送された結球野菜Aの結球部は、選別用コンベヤ25上に転落して載ることになる。
【0025】
走行機体2における操縦部4の後方(選別用コンベヤ25の右側)は、作業スペース兼コンテナ載置スペース39になっている。走行機体2の右側には、上向き回動して折り畳み収納可能に構成された補助作業台31が設けられている(図2参照)。展開された補助作業台31に作業者が搭乗した状態で走行機体2を走行させながら、圃場の結球野菜Aを連続的に収穫する。実施形態では、走行機体2と補助作業台31とに跨ってコンテナ34が載置され、その周囲に作業者が搭乗することになる。
【0026】
結球野菜収穫機1にて結球野菜Aを収穫する作業は、以下のような流れになる。掻込ホイール16L,16Rにて圃場から引き抜かれた結球野菜Aは、根茎部が根茎搬送帯17L,17Rに挟持されると共に結球部が前置搬送帯59L,59Rに挟持された状態で後方へ搬送され、前置搬送帯59L,59Rから結球搬送帯18L,18Rへ受け渡される。
【0027】
根茎搬送帯17L,17R及び結球搬送帯18L,18Rで挟持された結球野菜Aは切断装置19まで搬送され、切断装置19にて結球野菜Aの根茎部が切断される。根茎部切断後の結球野菜Aは結球搬送帯18L,18Rにてさらに後方に搬送され、引抜き搬送装置14から選別用コンベヤ25上に転落する。選別用コンベヤ25上の結球野菜Aは、走行機体2上の作業者がコンテナ34に収容する。
【0028】
次に、図3及び図4を参照しながら、結球野菜収穫機1の動力伝達系統と油圧系統とについて説明する。結球野菜収穫機1の動力伝達系統は、掻込ホイール16L,16R及び根茎搬送帯17L,17Rへの系統と、結球搬送帯18L,18R、前置搬送帯59L,59R、選別用コンベヤ25及び切断装置19への系統とからなる二系統に分類されている。実施形態では、走行部である左右一対の走行クローラ3が走行機体2に搭載したエンジン11の動力によって駆動する一方、前述の二系統がエンジン11とは別の駆動源である油圧モータ61〜63の動力によって駆動するように構成している。詳細は後述するが、結球野菜収穫機1の油圧回路100上では、結球搬送兼コンベヤ用油圧モータ62を制御する第2可変絞り弁67の配下に切断用油圧モータ63をおいている。
【0029】
従って、掻込ホイール16L,16R及び根茎搬送帯17L,17Rが根茎搬送用油圧モータ61によって回転駆動し、結球搬送帯18L,18R、前置搬送帯59L,59R及び選別用コンベヤ25が結球搬送兼コンベヤ用油圧モータ62によって回転駆動し、切断装置19が切断用油圧モータ63によって回転駆動する。このため、エンジン11による走行クローラ3の走行速度とは無関係に、前述の三系統の駆動速度を任意に設定することが可能になっている。
【0030】
根茎搬送用油圧モータ61の動力は、ベルト・プーリ伝動系55及び左右の搬送帯駆動軸56L,56Rを介して、左右の根茎搬送帯17L,17Rに伝達される。各根茎搬送帯17L,17Rが巻き掛かる従動プーリ57L,57Rの従動回転軸は上向きに突出していて、従動回転軸の上端側には、各掻込ホイール16L,16Rの回転中心部が固定されている。従って、各掻込ホイール16L,16Rは、対応する根茎搬送帯17L,17Rの周回駆動に連動して互いに内向きに回転する。
【0031】
結球搬送兼コンベヤ用油圧モータ62の動力は、ベルト・プーリ伝動系42を介して入力分配軸44に伝達される。入力分配軸44に伝達された動力は、選別用コンベヤ25と結球搬送帯18L,18R等との二方向に分岐して伝達される。入力分配軸44から結球搬送帯18L,18R等に向かう分岐動力は、入力中継軸45を介して搬送入力軸46に伝達される。搬送入力軸46には、左右一対の搬送下部ギヤケース47L,47Rが設けられている。搬送入力軸46から左搬送下部ギヤケース47Lに伝達された動力は、左搬送下部ギヤケース47Lから突出する左伝動軸48Lを介して左結球搬送帯18Lに伝達される。搬送入力軸46から右搬送下部ギヤケース47Rに伝達された動力は、右搬送下部ギヤケース47Rから突出する右伝動軸48Rを介して右結球搬送帯18Rに伝達される。
【0032】
また、詳しい構造は後述するが、結球搬送帯18L,18Rの従動プーリ(又はその回転軸)には前置搬送帯59L,59Rが架けられたプーリがそれぞれ取り付けられ、前置搬送帯59L,59Rは、結球搬送帯18L,18Rに連動して作動する。
【0033】
エンジン11の出力部には、ベルト・プーリ伝動系41を介して、各油圧モータ61〜63に作動油を供給する油圧ポンプ60を動力伝達可能に連結している。図4に示すように、結球野菜収穫機1の油圧回路100は、前述の油圧ポンプ60を備えている。油圧ポンプ60の吸入側は、走行機体2に搭載した作動油タンク15に接続していて、作動油タンク15内部の作動油が油圧ポンプ60に供給される。油圧ポンプ60の吐出側には、根茎搬送用油圧モータ61と、根茎搬送用油圧モータ61への作動油量を調節する第1操作ダイヤル64(手動操作具)付きの第1可変絞り弁65と、結球搬送兼コンベヤ用油圧モータ62と、結球搬送兼コンベヤ用油圧モータ62及び切断用油圧モータ63への作動油量を調節する第2操作ダイヤル66(手動操作具)付きの第2可変絞り弁67と、切断用油圧モータ63とを接続している。なお、結球野菜収穫機1の油圧回路100は、リリーフ弁やオイルフィルタ等も備えている。
【0034】
次に、図5及び図6を参照し、前置搬送帯59L,59Rについて説明する。以下の説明において、左右の区別をする必要が無い場合は、左右を示す添え字L,Rを省略して「前置搬送帯59」のように記載することがある。他の部材についても同様であり、例えば「結球搬送帯18」のように記載することがある。また、図5の平面図において、主として右側の部材に参照番号を記載し、左側の同等部材の参照番号は省略している。
【0035】
図5は前置搬送帯59とその周辺を模式的に示す平面図である。前置搬送帯59、結球搬送帯18及び根茎搬送帯17が図示されている。図6は、前置搬送帯59及び結球搬送帯18とそれらが架け渡されるプーリや支持フレームを側断面図として描いている。
【0036】
前置搬送帯59の説明に先立って、関連する結球搬送帯18の構成について説明を加える。結球搬送帯18は、前部フレーム20の先端側に遊転自在に取り付けられた従動プーリ181と、後端側の駆動プーリとに架け渡された無限周回ベルトであり、その内側には所定間隔で複数のテンションプーリ182とそれを支持する複数のテンションアーム183とが所定間隔で配置されている。テンションアーム183は、一対の結球搬送帯18L,18Rの対向間隔が狭まる方向にテンションプーリ182を付勢すると共に対向間隔が広がる方向(矢印の方向)に揺動可能である。
【0037】
付勢手段として、例えばスプリング(図示せず)が使用され、結球野菜Aの結球部を挟持した結球搬送帯18L,18Rがテンションプーリ182を通過するときに、付勢手段の付勢力(復元力)に抗してテンションアーム183が矢印の方向に揺動する。これにより、結球搬送帯18L,18Rは結球野菜Aの結球部を柔軟に挟持して搬送することができる。
【0038】
前置搬送帯59は、掻込ホイール16の上方から結球搬送帯18の前方へ、平面視で部分的に結球搬送帯18と重なるように配置され、結球搬送帯18の挟持位置より上で結球野菜Aの結球部を挟持して結球搬送帯18へ搬送する。好ましくは、結球野菜Aの重心位置より上で結球野菜Aの結球部を挟持するように前置搬送帯59の縦方向位置が設定されている。この前置搬送帯59の働きによって白菜のような縦長の結球野菜Aの上部が挟持されるので、根茎搬送帯17及び前置搬送帯59によって結球野菜が倒れることなく略正立した姿勢で結球搬送帯18へ受け渡される。その結果、根茎部の切断精度の低下や搬送部での詰まりが発生しにくくなる。
【0039】
図5に示すように、前置搬送帯59は、結球搬送帯18の従動プーリ181に取り付けられた主プーリ591、前置主フレーム596の前端部に取り付けられた前プーリ592、揺動フレーム597の後端部に取り付けられた後プーリ593、及び前置主フレーム596と揺動フレーム597にそれぞれ取り付けられたテンションプーリ594,595(計5個のプーリ)に架け渡されている。従って、前置搬送帯59は結球搬送帯18から動力伝達されて結球搬送帯18に連動して駆動する。このため、結球搬送帯18への動力伝達を利用して前置搬送帯59を駆動でき、前置搬送帯59への動力伝達系統の簡素化を図れる。また、前置搬送帯59を駆動させるのに新たな(専用の)駆動源を用いる必要がなく、前置搬送帯59自体の脱着も容易に行える。なお、図6の側断面図ではテンションプーリ594,595の図示が省略されている。
【0040】
前置主フレーム596の後端部は、前部フレーム20から立設されたボス支柱598にボルト598aによって着脱可能に締結されている。従って、前置主フレーム596は、ボス支柱598を介して前部フレーム20の先端側に位置固定的に設けられている。揺動フレーム597は、枢支軸599を介して前置主フレーム596の前端側に回動可能に枢支されている。つまり、揺動フレーム597は前置主フレーム596に対して前端側の枢支軸599を中心に後端側が揺動可能に取り付けられている。また、図5から分かるように、一対の前置搬送帯59L,59Rの対向間隔は前端側から後端側へ徐々に狭くなるように設定されている。
【0041】
さらに、揺動フレーム597の前端部と前置主フレーム596の略中央部との間に引張ばね601が取り付けられ、この付勢力(復元力)によって揺動フレーム597は後端側が互いに接近する方向、つまり、対向間隔が狭くなる方向に付勢されている。従って、一対の前置搬送帯59L,59Rが結球野菜Aを結球搬送帯18L,18Rへ搬送する際に、結球野菜Aが引張ばね601の付勢力に抗して一対の前置搬送帯59L,59Rの後端側を押し開くように作用する。これにより、収穫された結球野菜の結球部の大きさに多少のばらつきがあっても、前置搬送帯59L,59Rが結球野菜Aの結球部を柔軟に挟持して結球搬送帯18L,18Rまで搬送することができる。
【0042】
図5及び図6に示すように、前置搬送帯59の先端側は掻込ホイール16に平面視でラップしている。このため、掻込ホイール16上面側での結球野菜の倒れ込みを前置搬送帯59の存在によって防止でき、安定した結球野菜の掻き込み性能を確保できる。
【0043】
揺動フレーム597側のテンションプーリ595は揺動フレーム597に対して位置固定的に取り付けられている。前置主フレーム596側のテンションプーリ594は、ボス支柱598を支点として左右回動可能なテンションアーム603の先端側に取り付けられている。テンションアームの後端部と前置主フレーム596の後端部との間にはテンションばね604が取り付けられている。テンションばね604の付勢力(復元力)によって、テンションプーリ594は前置搬送帯59に常時張力を付与する方向に付勢されている。
【0044】
なお、図5及び図6では、前置搬送帯59の主プーリ591の径を結球搬送帯18の従動プーリ181の径より若干小さく描いているが、前置搬送帯59の周回速度を結球搬送帯18の周回速度に等しくするためには、前置搬送帯59の主プーリ591の径を結球搬送帯18の従動プーリ181の径と等しくする必要がある。逆に、両者の径を変えることにより、前置搬送帯59の周回速度と結球搬送帯18の周回速度とに差をつける調整が可能である。
【0045】
また、上記のような構成の前置搬送帯59L,59Rを含む伝動系ユニットが収穫作業部13に対して着脱可能であることが好ましい。実施形態では、収穫作業部13の前部フレーム20から立設されたボス支柱598に対して、前置主フレーム596の後端部をボルト598aによって着脱可能に取り付けている。この場合、前置主フレーム596及び揺動フレーム597が前プーリ592、後プーリ593並びにテンションプーリ594,595と共にユニット化されていて、ボルト598aの着脱によって前置搬送帯59を含む伝動系ユニット(主プーリ591を除く)を収穫作業部13に簡単に取り付けたり取り外したりできる。
【0046】
主プーリ591の支軸の下端側には取付座591aを設けている。結球搬送帯18の従動プーリ181の上面に取付座591aをボルト締結することによって、従動プーリ181に主プーリ591を着脱可能に取り付けている。この場合、主プーリ591の支軸は従動プーリ181の回転軸602と同軸状に延びている。従って、結球搬送帯18の従動プーリ181の回転軸心と主プーリ591の回転軸心とは一致している。
【0047】
なお、前置主フレーム596にボス支柱598の上端側を溶接等で固定し、ボス支柱598の下端側を前部フレーム20に対してボルト等の締結手段によって着脱可能に取り付けてもよい。
【0048】
上記のような構成により、前置搬送帯59L,59Rを含む伝動系ユニットが収穫作業部13に対して着脱自在であれば、例えば収穫対象が白菜であるかキャベツであるかに応じて前置搬送帯59L,59Rを含む伝動系ユニットを取り外したり取り付けたりすることができ、それによって無駄のない効率的な収穫作業を行うことができる。また、主としてキャベツの収穫用に開発された既存の結球野菜収穫機に前置搬送帯59L,59Rを含む伝動系ユニットを後付部品として取り付けることにより、白菜のような縦長の結球野菜の収穫に適した結球野菜収穫機とすることも可能である。
【0049】
なお、変形例として、結球搬送帯18の従動プーリ181が、前部フレーム20の先端部に固着された回転軸602に対して遊転する構造としてもよい。この場合は、前置搬送帯59の主プーリ591も回転軸602に対して遊転するように構成し、従動プーリ181の上面に主プーリ591を固定することにより、前置搬送帯59が結球搬送帯18に連動して作動する。
【0050】
次に、本発明に係る洗浄ノズル体87や洗浄水供給部88を含む洗浄装置の詳細について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、洗浄装置の概略構成を示す模式図であり、図8は、洗浄装置を構成する接近センサーとその周辺の構造を示す模式図である。
【0051】
図7に示すように、切断装置19の後方(搬送下流側)で且つ結球搬送帯18の下方には、洗浄ノズル体87が配置されている。洗浄ノズル体87には、上向きに開口した多数の噴射口が形成されている。洗浄ノズル体87は、切断装置19によって根茎部が切断されて結球搬送帯18L,18Rによって搬送中の結球野菜Aの根茎部切断面に向けて洗浄水を噴射する。洗浄水は、走行機体2の前部に配置された洗浄水供給部88の洗浄水タンク881からポンプ882によって圧送され、洗浄水供給管883を通って洗浄ノズル体87に供給される。実施形態の洗浄ノズル体87は、搬送方向に沿った前後に長い棒状の形態になっているが、これに限らず、例えば噴射口付きのノズル単体を搬送方向に沿って複数個並べて設けたものであってもよい。
【0052】
結球搬送帯18L,18Rの搬送方向における洗浄ノズル体87の上流側に、結球野菜Aの洗浄ノズル体87への接近を検出する接近センサー89が配置され、その出力信号が制御部CUに入力されている。制御部CUは、接近センサー89の出力信号に基づくタイミングで、ポンプ882を所定時間だけ作動させる。つまり、制御部CUは内蔵タイマーを用いて、接近センサー89の出力信号が変化した時点から所定時間T1が経過するとポンプ882をONにし、更に所定時間T2が経過するとポンプ882をOFFにする。これらの所定時間T1及びT2は、結球搬送帯18L,18Rの搬送速度等を考慮して、結球野菜Aが洗浄ノズル体87の始端側上方を通過するタイミングと時間に合わせて予め設定される。
【0053】
接近センサー89の一例を図8に基づいて説明する。この接近センサー89は、結球搬送帯18L,18Rに備えられた複数の揺動自在なテンションアームのうちの一つが揺動したことを検出するリミットスイッチで構成されている。つまり、結球野菜Aを柔軟に挟持して搬送するために備えられた結球搬送帯18L,18Rの既存の構造を利用して、結球野菜Aが洗浄ノズル体87の始端側へ接近したことを検出する。
【0054】
結球搬送帯18L,18Rは、図3を用いて前にも説明したように、前後方向に延びる左右一対の無限周回ベルトであり、各結球搬送帯18L,18Rの内側には、複数のテンションプーリ182と複数のテンションアーム183とが所定間隔で配置されている。各テンションアーム183は、その先端部にテンションプーリ182が遊転自在に取り付けられ、基端部が前部フレーム20L,20Rに枢支されている。そして、スプリングのような付勢手段によって、テンションアーム183は一対の結球搬送帯18L,18Rの対向間隔dが狭まる方向に付勢されている。
【0055】
結球野菜Aの結球部を挟持した結球搬送帯18L,18Rがテンションプーリ182を通過するときに、一対のテンションアーム183が対向間隔dを広げる方向(矢印の方向)に揺動する。図7では左から2番目のテンションアーム183が破線の位置から実線の位置へ揺動する様子が示されている。このとき、接近センサーとしてのリミットスイッチ89がONからOFF(若しくはOFFからON)に変化する。その出力信号の変化に基づいて、結球野菜Aが洗浄ノズル体87へ接近したことを制御部CUが判断できる。
【0056】
なお、図8では右側の結球搬送帯18Rのテンションアーム183の揺動のみが接近センサー89で検出されるが、左側の結球搬送帯18Lのテンションアーム183の揺動を検出する接近センサー89も設置し、2個の接近センサー89のAND条件に基づいて、結球野菜Aが洗浄ノズル体87へ接近したことを制御部CUが判断するように設定してもよい。接近センサー89は洗浄ノズル体87よりも搬送上流側に設置する必要があるが、その設置位置は、結球搬送帯18L,18Rの搬送速度、ポンプ882の応答時間、洗浄水供給管883の長さ等を考慮して適切に定められる。
【0057】
また、制御部CUはマイクロコンピューターを用いて構成され、この洗浄装置のために専用に設けてもよいが、収穫作業部13や走行機体2の動作を制御する制御部(マイクロコンピュータ)にプログラムを追加して制御部CUを実現してもよい。あるいは、ディスクリート電子部品を用いてタイマー回路やリレー回路で制御部CUを構成してもよい。
【0058】
また、洗浄ノズル体87は、切断装置19の後方で結球搬送帯18L,18Rの下方であれば任意の位置に設置することができる。つまり、図7に示す範囲SR(切断装置19の後方から結球搬送帯18L,18Rの後端までの間であり且つ結球搬送帯18L,18Rの下方)であれば任意の位置に洗浄ノズル体87を設置することができる。範囲SR内の複数個所に離間して、あるいは所定区間に連続して複数のノズル単体を設置してもよい。
【0059】
また、使用できる洗浄水の量に余裕がある場合は、制御部CUがポンプ882をONにする所定時間T2を長く設定し、連続して搬送される結球野菜Aに対して洗浄ノズル体87から連続して洗浄水を噴射するようにしてもよい。ただし、通常は洗浄水タンク881の容量(使用できる洗浄水の量)に制限があるので、制御部CUが接近センサー89の出力信号に基づくタイミングで所定時間T2だけポンプ882をONにする制御を行うことにより、洗浄水を無駄に消費することなく、効率的に結球野菜A(根茎部切断面)の洗浄を行うことができる。
【0060】
なお、詳細な図示は省略するが、例えば洗浄ノズル体87の下方側に水回収槽を配置して、結球野菜A洗浄後の汚水を水回収槽に集め、フィルタ体を介して汚水をろ過してから洗浄水タンク881に濾過水を回収するように構成することもできる。そうすれば、洗浄水タンク881をあまり大型化しなくても、継続的かつ効率的に洗浄水タンク881内の洗浄水を使用することが可能になる。
【0061】
次に、従来技術として前述した特許文献1に記載のキャベツ収穫用の結球野菜収穫機に本発明の洗浄ノズル体87や洗浄水供給部88を含む洗浄装置を適用した例を別実施形態として説明する。図9に示すように、この結球野菜収穫機1の収穫作業部13は、上記の実施形態のような前置搬送帯を備えておらず、その代わりに、姿勢調節部材70を備えている。姿勢調節部材70は、収穫作業部13(引抜き搬送装置14)の前部上方に設けられ、掻込ホイール16L,16Rで引き抜かれた結球野菜Aの上部に揺動自在の当接ローラを当接させることにより、結球野菜Aの姿勢を正す働きを有する。姿勢調節部材70の具体的な構造と動作については、特許文献1に詳細に記載されており、ここでの説明は省略する。他の構成は上記実施形態の結球野菜収穫機1と同様である。
【0062】
図9に示すように、この結球野菜収穫機1の場合も、上記実施形態と同様に、切断装置19の後方で結球搬送帯18L,18Rの下方に洗浄ノズル体87を配置し、結球搬送帯18L,18Rによって搬送中の結球野菜の根茎部切断面に向けて下方から洗浄水を噴射するように構成する。また、洗浄ノズル体87に洗浄水を供給する洗浄水タンクやポンプを含む洗浄水供給部88を走行機体2の前部に配置する。洗浄水供給部88やその制御の詳細については上記の実施形態と同様である。
【0063】
上記のように、切断装置19の後方で結球搬送帯18L,18Rの下方に設置された洗浄ノズル体87と走行機体2の前部に設置された洗浄水供給部88を含む洗浄装置を備えていることにより、結球野菜収穫機1は、切断装置19で根茎部が切断されて結球搬送帯18L,18Rで搬送中の結球野菜Aの根茎部切断面を合理的に、かつ安定して洗浄することができるだけでなく、火山灰の降灰等に起因して結球野菜Aの外側が汚れているような場合にも効果的に洗浄することができる。これにより、収穫後の結球野菜Aの洗浄や再調整の必要性をできるだけ低減することができる。また、既存の結球野菜収穫機に洗浄ノズル体87、洗浄水供給部88等の少ない部品を追加するだけで、上記のような効果を奏する結球野菜収穫機を得ることも可能である。
【0064】
以上に説明した本発明の実施形態はあくまで一例であって、説明の中で適宜述べた変形例に限らず、種々の変形が可能である。また、図面に例示した各部の形状、大きさ、構造等は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
2 走行機体
13 収穫作業部
16L,16R 掻込ホイール
17L,17R 根茎搬送帯
18L,18R 結球搬送帯
19 切断装置
87 洗浄ノズル体
88 洗浄水供給部
89 接近センサー
182 テンションプーリ
183 テンションアーム
881 洗浄水タンク
882 ポンプ
A 結球野菜
CU 制御部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9