(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683612
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】軽量バッフル又は補強要素、及びそのような軽量バッフル又は補強要素の生産方法
(51)【国際特許分類】
C08J 9/12 20060101AFI20200413BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
C08J9/12CES
C08J9/12CFC
C08J9/12CFF
B62D25/04 Z
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-539049(P2016-539049)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2017-505359(P2017-505359A)
(43)【公表日】2017年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2014077529
(87)【国際公開番号】WO2015086806
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年12月6日
(31)【優先権主張番号】13197147.5
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】バンサン ベルペール
【審査官】
加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−539304(JP,A)
【文献】
特開2010−059223(JP,A)
【文献】
特開2012−228987(JP,A)
【文献】
特開2003−306173(JP,A)
【文献】
特開2005−153715(JP,A)
【文献】
特開2003−094475(JP,A)
【文献】
特開2012−210722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/12
B62D 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 少なくとも1つのキャリア要素(21)、及び
− 前記キャリア要素(21)によって支持される、少なくとも1つの膨張可能な微孔質要素(25)
を含む、製品の構造体にあるキャビティ又は中空構造体(C)を封止、遮断及び/又は補強するための要素(20)であって、
前記膨張可能な微孔質要素(25)が、
− 化学的な発泡剤を含む、熱、湿度、及び/又は放射によって膨張可能な材料(22)、及び
− 前記膨張可能な微孔質要素(25)の製造前又は製造中に前記膨張可能な材料(22)に組み込まれた複数の気泡(24)
を含む、製品の構造体にあるキャビティ又は中空構造体(C)を封止、遮断及び/又は補強するための要素(20)。
【請求項2】
前記膨張可能な微孔質要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも10%少ないことを特徴とする、請求項1に記載の要素(20)。
【請求項3】
前記膨張可能な微孔質要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも25%少ないことを特徴とする、請求項1に記載の要素(20)。
【請求項4】
前記膨張可能な微孔質要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも40%少ないことを特徴とする、請求項1に記載の要素(20)。
【請求項5】
前記気泡(24)が、空気、窒素、二酸化炭素、ガス状炭化水素、希ガス、又はそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素(20)。
【請求項6】
前記気泡(24)が、空気、窒素、二酸化炭素、ガス状炭化水素、希ガス、又はそれらの混合物で満たされた熱可塑性シェルに含まれていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素(20)。
【請求項7】
前記膨張可能な材料(22)が、前記要素(20)の製造プロセス中に前記気泡(24)の形成を引き起こす第2の発泡剤を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素(20)。
【請求項8】
以下の工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の要素(20)に組み込まれる膨張可能な微孔質要素(25)の製造方法:
− 膨張可能な材料(22)を成形及び/又は押出成形して、複数の気泡(24)を含む膨張可能な微孔質要素(25)を形成する工程であって、ガス、液体又は超臨界流体が前記材料(22)中へ供給されている間に、前記材料(22)内に前記ガス、液体又は超臨界流体を維持するために十分に高い温度及び十分に高い圧力を前記材料(22)に適用することを含む、工程。
【請求項9】
以下の工程を含む、請求項1〜4又は6のいずれか一項に記載の要素(20)に組み込まれる膨張可能な微孔質要素(25)の製造方法:
− 膨張可能な材料(22)を成形及び/又は押出成形して膨張可能な微孔質要素(25)を形成する工程であって、前記膨張可能な材料(22)が、熱可塑性シェルからなる本質的な球体を含み、前記熱可塑性シェルからなる本質的な球体が、前記膨張可能な微孔質要素(25)に複数の気泡(24)を形成するためにもたらされる十分に高い温度によって、成形及び/又は押出成形プロセス中に膨張する膨張可能なガス、液体又は超臨界流体で満たされている、工程。
【請求項10】
以下の工程を含む、請求項1〜4又は7のいずれか一項に記載の要素(20)に組み込まれる膨張可能な微孔質要素(25)の製造方法:
− 膨張可能な材料(22)を成形及び/又は押出成形して膨張可能な微孔質要素(25)を形成する工程であって、前記膨張可能な材料(22)が、第2の発泡剤を含み、前記第2の発泡剤が、成形及び/又は押出成形プロセス中にガス及び残留物へと分解することによって前記膨張可能な微孔質要素(25)内に複数の気泡(24)を形成する、工程。
【請求項11】
前記膨張可能な材料(22)が、エポキシ樹脂、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン、又はそれらの誘導体若しくは混合物を含む少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
陸用、水用、又は空用の乗り物のキャビティ又は中空構造体(C)、及び/又は建造物のキャビティ又は中空構造体(C)を封止、遮断、又は補強して、それにより騒音、振動、及び/又は熱の伝達を削減し、かつ/又は前記キャビティ又は中空構造体(C)の周囲の対象を機械的に強化するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の要素(20)の使用。
【請求項13】
キャビティ又は中空構造体(C)を遮断及び/又は補強するための方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の要素(20)を前記キャビティ又は中空構造体(C)に導入し、その後、前記膨張可能な微孔質要素(25)を膨張して、膨張した要素(20’)を形成することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車車両のキャビティなどのキャビティを封止、遮断(baffling)及び/又は補強するための軽量バッフル又は補強要素、そのような要素を製造するプロセス、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
工業製品は、製造プロセスから生じる及び/又は重量削減などの種々の目的のために製品内に設計されるオリフィス及びキャビティ、又は他の中空部を含むことが多い。自動車車両は、例えば、車両の構造ピラー及び車両ドアのシートメタルを含め、車両全体にわたって、いくつかのそのようなオリフィス及びキャビティを含む。オリフィス及びキャビティに組み込まれた封止部材又はバッフル要素によって、そのようなオリフィス及びキャビティを封止して、車両内の1つの領域から別の領域へ通過する騒音、振動、噴煙、埃、及び水などを最小限にすることが望ましいことが多い。同様に、そのような部材又は要素は、工業製品、例えば自動車の部品の中空構造体を補強するという追加的な役割を果たすことが多いため、機械的応力に対する抵抗力は増すが、中空構造体の軽量という利点を依然として維持する。
【0003】
封止、遮断又は補強するために使用されるそのような要素は、プラスチック、金属、又は別の剛体材料で作られたキャリアと、それに取り付けられた熱可塑性材料の1つ以上の層とからなることが多く、この層は、熱又は別の物理的若しくは化学的な形態のエネルギーが加えられると、その体積を膨張させることができる。そのような設計では、製造プロセス中にバッフル又は補強要素を構造体の中空部内へと挿入することが可能であるだけでなく、例えば構造体の内壁を、依然として液体によってアクセス可能(又はキャビティを通過可能)な状態のままにすることが可能である。例えば、車両の製造プロセス中に、金属フレームの中空部は、液体を電着することによって依然として大部分が被覆され得る一方、バッフル又は補強要素は既に挿入されており、及びその後、熱処理ステップ中に、バッフル又は補強の膨張可能な熱可塑性材料層が意図されたとおりにキャビティを閉鎖するように膨張する。
【0004】
そのようなバッフル又は補強要素の開発により、高度に進化したシステムがもたらされており、ここでは、膨張可能な材料は、その体積を2000%以上まで増大させてキャビティを満たす発泡体様の構造体を形成し、かつ封止、遮断、又は補強されることが予定された構造体の壁に付着することができる。特に、自動車の製造では、これは、車体において、かなりの重量削減、及び騒音又は振動の優れた減衰をもたらす。
【0005】
さらに膨張できる先端材料では、材料の初期質量を削減し、したがって、さらに重量削減及びコスト効率に貢献することが可能である。
【0006】
しかしながら、膨張可能な材料の部分が一層小さくなることにより、バッフル又は補強要素の製造時に問題も生じ得る。そのような要素(又は少なくとも膨張可能な材料層)は、通常、射出成形又は押出成形によって生産されるため、ごく小さいセクションの供給は、より高い射出圧力などのより速い処理の要求を生じるか、又はバリ、ショートショット(不完全な成形品)又は材料の劣化などの品質問題を引き起こす。
【0007】
したがって、膨張可能な材料の初期質量は少ないが、材料の非常に小さい初期体積に関連する問題のない、バッフル又は補強要素を製造する方法を得ることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、材料を節約した小規模の製造から通常生じる欠点のない、重量が削減されかつ材料コストが削減されたバッフル及び/又は補強要素を提供することである。さらに、本発明は、そのようなバッフル及び/又は補強要素を生産する方法を提案する。
【0009】
本発明は、製造プロセス中に微孔質気泡を組み込むことによって、膨張可能な材料の密度を低減させ、それにより、一定の体積での重量を著しく削減する一方で、体積を削減するか又は前記膨張可能な材料層の幾何学的形状を変更する必要なく、良好な加工性を維持することにより、その問題に対する解決法を提供する。
【0010】
本発明は、これを、複数の微細な気泡を含む膨張可能な材料の1つ以上の層を含むバッフル及び/又は補強要素を提供することによる、独立
的態様1の特徴によって達成する。従属
的態様は、本発明による製品、又は本発明による製品を得るプロセス、又はそのような製品の使用の実施形態を提示する。
すなわち本発明の態様は、以下のとおりである:
〈態様1〉
以下を含む、車両のキャビティなどの、製品の構造体にあるキャビティ(C)を封止、遮断及び/又は補強するための要素(20):
− 少なくとも1つのキャリア要素(21);
− 前記キャリア要素(21)によって支持される、少なくとも1つの膨張可能な要素(25)であって、
− 熱、湿度、及び/又は放射によって膨張可能な材料(22)、及び
− 前記膨張可能な材料(22)に組み込まれた複数の気泡(24)
を含む、膨張可能な要素(25)。
〈態様2〉
前記膨張可能な要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも1%少ないことを特徴とする、態様1に記載の要素(20)。
〈態様3〉
前記膨張可能な要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも10%少ないことを特徴とする、態様1に記載の要素(20)。
〈態様4〉
前記膨張可能な要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも25%少ないことを特徴とする、態様1に記載の要素(20)。
〈態様5〉
前記膨張可能な要素(25)の重量が、前記気泡(24)のない同じ要素よりも少なくとも40%少ないことを特徴とする、態様1に記載の要素(20)。
〈態様6〉
前記膨張可能な材料(22)が発泡剤を含むことを特徴とする、態様1〜5のいずれか一項に記載の要素(20)。
〈態様7〉
前記気泡(24)が、空気、窒素、二酸化炭素、ガス状炭化水素、希ガス、又はそれらの混合物を含むことを特徴とする、態様1〜6のいずれか一項に記載の要素(20)。
〈態様8〉
前記気泡(24)が、空気、窒素、二酸化炭素、ガス状炭化水素、希ガス、又はそれらの混合物で満たされた熱可塑性シェルを含むことを特徴とする、態様1〜6のいずれか一項に記載の要素(20)。
〈態様9〉
前記膨張可能な材料(22)が、前記要素(20)の製造プロセス中に前記気泡(24)の形成を引き起こす第2の発泡剤を含むことを特徴とする、態様1〜6のいずれか一項に記載の要素(20)。
〈態様10〉
以下の工程を含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の要素(20)に組み込まれる膨張可能な要素(25)の製造方法:
− 膨張可能な材料(22)を成形及び/又は押出成形して膨張可能な要素(25)を形成する工程であって、成形及び/又は押出成形プロセスは、前記膨張可能な要素(25)に複数の気泡(24)を生じさせるために、前記成形及び/又は押出成形プロセス中にガス、液体又は超臨界流体が前記材料(22)中へ供給されている間に、前記材料(22)内に前記ガス、液体又は超臨界流体を維持するために十分に高い温度及び十分に高い圧力を前記材料(22)に適用することを含む、工程。
〈態様11〉
以下の工程を含む、態様1〜6又は8のいずれか一項に記載の要素(20)に組み込まれる膨張可能な要素(25)の製造方法であって、
− 膨張可能な材料(22)を成形及び/又は押出成形して膨張可能な要素(25)を形成する工程であって、前記膨張可能な材料(22)が、熱可塑性シェルからなる本質的な球体を含み、前記熱可塑性シェルからなる本質的な球体が、前記膨張可能な要素(25)に複数の気泡(24)を形成するためにもたらされる十分に高い温度によって、成形及び/又は押出成形プロセス中に膨張する膨張可能なガス、液体又は超臨界流体で満たされている、工程。
〈態様12〉
以下の工程を含む、態様1〜6又は9のいずれか一項に記載の要素(20)に組み込まれる膨張可能な要素(25)の製造方法:
− 膨張可能な材料(22)を成形及び/又は押出成形して膨張可能な要素(25)を形成する工程であって、前記膨張可能な材料(22)が、第2の発泡剤を含み、前記第2の発泡剤が、成形及び/又は押出成形プロセス中にガス及び残留物へと分解することによって前記膨張可能な要素(25)内に複数の気泡(24)を形成する、工程。
〈態様13〉
前記膨張可能な材料(22)が、エポキシ樹脂、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン、又はそれらの誘導体若しくは混合物を含む少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする、態様10〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
〈態様14〉
陸用、水用、又は空用の乗り物、好ましくは自動車車両のキャビティ又は中空構造体(C)、及び/又は建造物のキャビティを封止、遮断、又は補強して、それにより騒音、振動、及び/又は熱の伝達を削減し、かつ/又は前記キャビティの周囲の対象を機械的に強化するための、態様1〜9のいずれか一項に記載のバッフル及び/又は補強要素(20)の使用。
〈態様15〉
キャビティ又は中空構造体(C)を遮断及び/又は補強するための方法であって、態様1〜9のいずれか一項に記載の要素(20)を前記キャビティ又は中空構造体(C)に導入し、その後、前記膨張可能な要素(25)を膨張して、膨張した要素(20’)を形成することを特徴とする、方法。
【0011】
本発明の任意の実施形態の原理は、バッフル及び/又は補強要素の膨張可能な熱可塑性材料の一部をガスで置換して、ガスを、材料内において微視的な泡の形態で微細に及び広く均一に分散させることである。そのような微視的な泡のサイズは、一般に、約1マイクロメートル〜数マイクロメートル、好ましくは1〜100マイクロメートルに及び、及びこれらの泡は、広いサイズ分布を有しても、又は実質的に均一なサイズを有してもよく、全て周囲の熱可塑性マトリクス及びそれらが生産された方法に依存する。本明細書で開示する本発明によるガスを組み込まないバッフル及び/又は補強要素と比較して、本発明の実施形態は、膨張可能な材料の体積の1%超、好ましくは10%超、一層好ましくは25%超、最も好ましくは40%超がガスによって置換される。当然ながら、この置換は、ガスによる熱可塑性材料の置換を増やすことによって、材料層の総質量(重量)を比例して減少させる。この効果は、主に、熱可塑性材料の量を節約できることであり、この節約は、使用されるガス量に直接対応する、すなわち、したがって、より大きい材料層が同じ量の材料で生産され得るため、小規模の成形又は押出成形に関連する問題、例えばプロセス又は品質の問題に直面することが少なくなる。
【0012】
最も好ましい実施形態では、バッフル及び/又は補強要素の膨張可能な材料層は、熱可塑性の熱膨張可能な材料をその所望の形状に成形又は押出成形し、及び同時に、熱可塑性材料が金型に導入される間又はその前に、熱可塑性溶融物中へとその超臨界状態のガス、好ましくは窒素又は二酸化炭素を供給することによって製造される。十分に高い温度及び十分に高い圧力下では、ガス(又は超臨界流体)及び熱可塑性材料は、実質的に単相(single−phasic)のほとんど均質な混合物を形成する。温度が下がる及び/又は圧力が降下するとき、超臨界流体がガス抜けするにつれて、複数の微細分散した微視的な泡が形成するため、膨張可能な材料層に微孔質構造を形成する。これに好適なプロセスは、例えば、企業Trexel Inc.(USA)により商品名MuCell(登録商標)で商品化されている。
【0013】
別の実施形態では、微視的な気泡は、熱可塑性材料をいわゆる「膨張可能な微小球」と混合することによって、膨張可能な材料層中へと導入される。これらは、例えば、低沸点の液化炭化水素をカプセル化する熱可塑性シェルを含む、微視的な実質的な球体である。昇温条件下では、そのような微小球は、膨張し、直径約5マイクロメートルから約90マイクロメートルまで成長し、この成長は、熱の影響下で熱可塑性シェルを軟化させかつ液化炭化水素の内容物がガス状になるときに液化炭化水素の内容物の圧力を増すことによって行われる。そのような微小球は、例えば、AkzoNobel N.V.(the Netherlands)によって商品名Expancel(登録商標)で販売されている。本発明との調和を図るように、気泡の十分高い組み込み率を達成するために、膨張可能な材料層を含む材料の少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、一層好ましくは少なくとも15wt%、さらに一層好ましくは少なくとも25wt%、特に好ましくは少なくとも30wt%、最も好ましくは少なくとも40wt%が、そのような微小球からなる必要がある。
【0014】
さらなる実施形態では、バッフル及び/又は補強要素上の膨張可能な材料層の微孔質構造は、膨張可能な材料層の成形又は押出成形の前に、熱可塑性材料中へと第2の発泡剤を混合することによって実現される。そのような第2の発泡剤の例は、化学的な発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド、スルホヒドラジド(sulfohydrazide)、カーボネート、又は物理的な発泡剤を含む。本発明に有用な第2の発泡剤は、膨張可能な材料の変態温度で始まる分解反応性(ガス状生成物の形成を含む)又はガス放出活性を示す必要があるため、ガス放出は、成形又は押出成形プロセスの少し前又はその間に、膨張可能な材料の内部で発生する。好ましくは、第2の発泡剤は、50℃〜150℃、一層好ましくは50℃〜110℃、さらに一層好ましくは50℃〜90℃で分解するか又はガスを放出する。しかしながら、そのような第2の発泡剤のガス放出を生じる条件は、バッフル及び/又は補強要素上の膨張可能な材料の膨張を生じる条件とは十分に異なることが重要である。両プロセスが熱によってトリガーされる場合、泡を形成するプロセスの閾値は、膨張の閾値よりも著しく低い、好ましくは少なくとも20℃低い、一層好ましくは少なくとも30℃低い、最も好ましくは少なくとも40℃低い必要がある。
【0015】
本発明によるバッフル及び/又は補強要素の膨張可能な材料層の上述の微孔質構造は、例えば騒音又は振動の削減、又は熱的絶縁などに対するバッフル又は封止要素としてのその使用に都合がよい。しかしながら、任意の幾何学的形状のキャリア部分が可能であり、及びリブ、横断壁など、及びキャリア用の剛体材料を含む好適な設計によって、また、本発明の実施形態を用いて、強度のある補強要素を得ることができる。
【0016】
図面では、その考えられる実施形態の1つ(
図2A及び
図2B)を提示することによって、本発明の目的の単純な図を提供する。より良好に理解するため及び比較するために、本発明によるものではない例も示す(
図1A及び
図1B)。本発明の概念に重要である特徴にのみ符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】その膨張可能な材料層の膨張前の、キャビティに導入された従来のバッフル又は補強要素の断面図である。
【
図1B】その膨張可能な材料層の膨張後の、キャビティに導入された従来のバッフル又は補強要素の断面図である。
【
図2A】その膨張可能な材料層の膨張前の、キャビティに組み込まれた本発明によるバッフル及び/又は補強要素の実施形態の断面図である。
【
図2B】その膨張可能な材料層の膨張後の、キャビティに組み込まれた本発明によるバッフル及び/又は補強要素の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
用語「膨張可能な材料層」及び「膨張可能な要素」は、本明細書を通して区別しないで使用される。単位用語「wt%」は、重量パーセントを意味する。用語「質量」及び「重量」は、本明細書では区別しないで使用される。
【0019】
本発明は、製造又は構築された物体のキャビティ又は中空構造部品を充填できる、バッフル及び/又は補強要素を製造するために改良されたプロセス(及びその製品)を目指し、この充填は、1)前記キャビティに挿入され、及び2)トリガーされた(例えば、熱によって)化学的又は物理的プロセスに起因して部分的に膨張し、したがって、キャビティを完全に又は部分的に充填し、かつその壁の1つ以上に付着することによって達成される。バッフル及び/又は補強要素を様々な製品又は構築品に用い得ることが考えられるが、例示するために、バッフル及び/又は補強要素は、本明細書では、主に自動車車両において用いられているとして説明する。
【0020】
図2A及び
図2Bは、本発明によるバッフル又は補強要素の断面図を示す。より具体的には、
図2Aでは、そのようなバッフル又は補強要素20がその自然な状態において、非膨張状態にある概略図を示す一方、
図2Bでは、その膨張状態にある同じ要素20’を示す。
図2Bは、膨張した材料層25’が、自動車の中空構造部品内のキャビティなどのキャビティCの壁にどのように付着するかを示す。そのような車の中空部は、本体構成要素(例えば、パネル)、フレーム構成要素(例えば、液圧成形チューブ)、ピラー構造体(例えば、Aピラー、Bピラー、Cピラー、又はDピラー)、バンパー、又はルーフなどを含み得る。
【0021】
本発明によるバッフル及び/又は補強要素20は、意図された役割に好適な任意の形態及び幾何学的形状を取り得るキャリア要素21と、その特定の製造に起因して、複数の気泡24を含む膨張可能な材料22の少なくとも1つの層25とを含む。
【0022】
比較しかつより理解するために、
図1A及び
図1Bに、従来のバッフル又は補強要素(本発明によるものではない)を示し、キャリア要素11、及び膨張可能な材料12の層を含むその基本的な特徴を示す。
図1Aは、膨張可能な材料12の膨張前のバッフル又は補強要素10を示し、
図1Bは、ここではキャビティCの壁に付着している膨張した材料層12’を含む、膨張後のバッフル又は補強要素10’を示す。概略的に示す膨張可能な材料12の層は、体積が、
図2Aに示す本発明の対応する層25よりも小さいが、同じ量の膨張可能な材料が、両比較例において使用されていると考えられる。これは、本発明の教示を適用することによって、バッフル及び/又は補強要素20に気泡24を組み込むことによって、より大きい体積(及び小型部品のより簡単な製造)が達成され得ることを表す。
【0023】
キャリア要素21は、本発明の実施形態に使用可能である形状に処理され得る任意の材料からなっていてもよい。好ましい材料は、ポリマー材料、例えばプラスチック、エラストマー、熱可塑性、熱硬化性ポリマー、それらのブレンド又は他の組み合わせなどである。好ましい熱可塑性材料は、限定されるものではないが、ポリマー、例えばポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、又は塩素化ポリオレフィンなどを含む。さらに好ましいものは、高温安定性のポリマー、例えばポリ(フェニルエーテル)、ポリスルホン、又はポリエーテルスルホンである。他の好適な材料は、金属、特にアルミニウム又は鋼、又は自然に生じる有機材料、例えば木材又は他の(プレス加工された)繊維性材料を含む。また、ガラス状材料又はセラミック材料を使用できる。そのような材料のいずれかの組み合わせを使用することが可能である。そのような材料が充填され得る(例えば繊維、鉱物、クレイ、シリケート、カーボネート、又はこれらの組み合わせなどによって)ことも考慮される。国際公開第2004043668号パンフレット(参照により本明細書に援用する)に開示されているように、そのようなキャリア材料は発泡され得ることも考慮される。本発明によるバッフル及び/又は補強要素20において使用されるキャリア21に特に好ましい材料は、ポリアミド、好ましくはポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド11、ポリアミド12、又はそれらの混合物である。
【0024】
キャリア要素21は、さらに、任意の形状又は幾何学的形状を取り得る。いくつかの直接接続されていない部品からもなり得る。例えば、それは塊状で、中空とし得るか、又は発泡できるか、又はグリット様の構造を取ることができる。キャリア要素の表面は、一般に、バッフル及び/又は補強要素20の意図された使用に従って、滑らかであるか、粗いか、又は構造化され得る。
【0025】
本発明によるバッフル及び/又は補強要素20の製造プロセスは、キャリア21の材料に大きく依存している。キャリアの材料が(射出)成形され得るか又は押出成形され得る場合、バッフル及び/又は補強要素20の全体が、キャリア21及び膨張可能な材料層25の二段階射出成形プロセス又は共押出成形プロセスにおいて生産され得る。二段階射出成形プロセスを使用する場合、第1のステップでは、キャリア要素21用の材料が金型に射出される。固化後、射出成形具のキャビティは、拡大又は調整されるか、あるいは射出成形部片は、別の工具に移されて、第2の構成要素、この場合、膨張層25用の材料22が射出される。
【0026】
キャリア21が、例えば金属又は合金からなるため、射出成形又は押出成形によって付形されない場合、キャリアは、まず、好適なプロセスによって製造された後で射出成形具に導入され、及び膨張可能な材料層25が、キャリア要素21が配置された工具に射出成形される。別の可能性は、作製済みのキャリア21上に膨張可能な材料層25を押し出すことである。当然ながら、好適なプロセスによってキャリア21及び膨張可能な材料層25を個別に製造し、その後、任意の好適な手段によって、例えば化学的に又は物理的に、例えば接着剤などによって、又は機械的に、例えばボルト締め、ねじ留めなどによって、膨張可能な材料層25をキャリア21に取り付ける可能性もある。
【0027】
膨張可能な材料層25は、膨張可能な材料22及び複数の気泡24からなる。膨張可能な材料22として好適なものは、基本的に、制御された条件下で発泡できる任意の材料である。一般に、材料の発泡は、熱、湿度、又は電磁波放射によってトリガーされ得るが、温度制御された膨張(発泡)が好ましい。
【0028】
そのような膨張可能な材料22は、一般に、化学的又は物理的な発泡剤を含む。化学的な発泡剤は、温度、湿度、又は電磁波放射の影響下で分解する有機又は無機化合物であるが、形成された分解生成物のうちの少なくとも1つはガスである。物理的な発泡剤は、限定するものではないが、所定の温度でガス状になる化合物を含む。したがって、化学的及び物理的な発泡剤の両方とも、膨張可能な材料層25の膨張可能な材料22において膨張を引き起こすのに好適である。
【0029】
好ましくは、膨張可能な材料22は、化学的な発泡剤が使用される間に、熱的に発泡される。好適な化学的な発泡剤は、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トリヒドラジノトリアジン、及びN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド(N,N’−dimethyl−N,N’−dinitrosoterephthalamide)、及びこれらの組み合わせなどである。発泡(膨張)を引き起こす分解反応に必要な熱は、外部に又は内部に加えられることができ、後者は、例えば、発熱反応からのものである。好ましくは、膨張可能な材料22は、160℃未満、特に80℃〜150℃、一層好ましくは90℃〜140℃の温度で発泡する。
【0030】
バッフル及び/又は補強要素20が自動車の製造において使用される場合、膨張可能な材料22の膨張活性化温度は、遮断又は補強される自動車の部品の製造条件に調整されることが好ましい。一例として、バッフル及び/又は補強要素20は、電着液体によって処理される必要のある構造体のキャビティに挿入され得、その非膨張状態20においては、依然として構造体の表面にアクセス可能なままであり、及びその後、自動車の部品の熱処理の際に、バッフル及び/又は補強要素20は、その意図された最終形状20’まで同時に膨張する。そのような場合には、膨張温度は、前記熱処理の温度条件、すなわち90℃〜200℃に対応する必要がある。
【0031】
膨張可能な材料22に好適な複合材料は、例えば、室温(約20℃)においては実質的に固体でありかつ高い衝撃強度を示す一成分(one−component)エポキシ樹脂を含み、及びシリカ又はナノクレイなどのチキソトロピー添加剤を含有する。一例として、そのようなエポキシ系は、通常、20〜50wt%の液状エポキシ樹脂、0〜30wt%の固体エポキシ樹脂、5〜30wt%の強化用添加剤(toughening additive)、1〜5wt%の物理的又は化学的な発泡剤、10〜40wt%の充填剤、1〜10wt%のチキソトロピー添加剤、及び2〜10wt%の熱によって活性化される硬化剤を含む。強化剤(toughener)として好適なものは、例えば、ニトリルゴム、又はポリエーテルポリオール−ポリウレタン誘導体に基づく反応性液状ゴム、コアシェルポリマー、及び当業者に公知の他のそのような系を含む。
【0032】
発泡剤と一緒に膨張可能な材料22に組み込まれ得るさらに好適な材料は、結晶性のOH−機能性ポリエステル及び他のポリオール、好ましくはポリエーテルポリオール、及びブロックイソシアネート基を備えるポリイソシアネートを含む一成分ポリウレタン組成物を含む。結晶性ポリエステルの融点は、約50℃を上回る必要がある。イソシアネート基は、例えば、カプロラクタム、フェノール、又はベンゾキサロン(benzoxalones)などの求核試薬によってブロックされ得る。さらに好適なものは、例えば、Degussa GmbH(Germany)によって、例えば商品名Vestagon(登録商標)BF 1350及びVestagon(登録商標)BF 1540で市販されている、粉体塗装において使用されるようなブロックポリイソシアネートである。他の好適なポリイソシアネートは、当業者に公知でありかつ例えば欧州特許第0 204 970号明細書において説明されている、いわゆるカプセル化又は表面失活されたポリイソシアネートを含む。
【0033】
膨張可能な材料22にさらに好適なものは、例えば国際公開第2005080524号パンフレット(参照により本明細書に援用する)に開示されているような、発泡剤を含有する2成分エポキシ/ポリウレタン組成物である。膨張可能な材料22にさらに好適な材料は、限定するものではないが、発泡剤を含有する、エチレン−ビニル−アセテートポリマー系、ポリオレフィン材料、少なくとも1種のモノマー、アルファ−オレフィンを備えるコポリマー及びターポリマー、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂などを含む。
【0034】
特に好適な膨張可能な材料は、例えば、米国特許第5,266,133号明細書及び同第5,373,027号明細書(これら全てを参照により本明細書に援用する)に説明されているような、Sika Corp.(USA)によって商品名SikaBaffle(登録商標)240、SikaBaffle(登録商標)250、又はSikaBaffle(登録商標)255で市販されているものである。そのような材料は、本発明によるバッフル及び/又は補強要素20の製造に特に好ましい。
【0035】
補強能力の高い製品を目指して本発明を使用する場合、特に好ましい材料は、例えば、Sika Corp.(USA)によって商品名SikaReinforcer(登録商標)941で販売されているものなどの材料を含む。そのような材料は、米国特許第6,387,470号明細書(参照により本明細書に援用する)に開示されている。
【0036】
気泡24は、膨張可能な材料層25の製造前又は製造中に材料22に組み込まれる。好ましい実施形態では、バッフル及び/又は補強要素20の膨張可能な材料層は、熱可塑性の熱膨張可能な材料を所望の形状に成形又は押出成形し、及び熱可塑性材料が金型に導入されている間に又はその前に、多かれ少なかれ同時に熱可塑性溶融物中へとガス、好ましくは窒素又は二酸化炭素を、その超臨界状態で供給することによって製造される。十分に高い温度及び十分に高い圧力下では、ガス(又は超臨界流体)及び熱可塑性材料は、実質的に単相のほとんど均質な混合物を形成する。温度が下がる及び/又は圧力が降下すると、超臨界流体がガス抜けするにつれて複数の微細分散した微視的な泡が形成されるため、膨張可能な材料層に微孔質構造が形成される。これに好適なプロセスは、例えば企業Trexel Inc.(USA)によって商品名MuCell(登録商標)で商品化されている。
【0037】
熱可塑性材料をいわゆる「膨張可能な微小球」に混合することによって、微視的な気泡24を膨張可能な材料22に導入することも可能である。これらは、例えば、低沸点の液化炭化水素をカプセル化する熱可塑性シェルを含む、微視的な、実質的に球体である。昇温条件下では、そのような微小球は膨張し、熱の影響下でガス状になるとき、例えば、膨張可能な材料層25の製造プロセスの際に、熱可塑性シェルを軟化させ、かつ液化炭化水素含量の圧力を高めることによって、直径約5マイクロメートルから約90マイクロメートルまで成長する。そのような微小球は、例えば、AkzoNobel N.V.(the Netherlands)によって商品名Expancel(登録商標)で販売されている。本発明との調和を図るように、気泡の十分に高い組み込みを達成するために、膨張可能な材料層を含む材料の少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、一層好ましくは少なくとも15wt%、さらに一層好ましくは少なくとも25wt%、特に好ましくは少なくとも30wt%、最も好ましくは少なくとも40wt%は、そのような微小球からなる必要がある。
【0038】
さらに、バッフル及び/又は補強要素20上の膨張可能な材料層25の微孔質構造は、膨張可能な材料層25の成形又は押出成形前に膨張可能な材料22に第2の発泡剤を混合することによって実現され得る。そのような第2の発泡剤の例は、化学的な発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド、スルホヒドラジド、カーボネート、又は物理的な発泡剤を含む。本発明に有用な第2の発泡剤は、膨張可能な材料22の変態温度で始まる分解反応性(ガス状生成物の形成を含む)又はガス放出活性を示す必要があるため、ガス放出は、成形又は押出成形プロセスの少し前に又はその間に、膨張可能な材料22の内部で生じる。好ましくは、第2の発泡剤は、50℃〜150℃、一層好ましくは50℃〜110℃、さらに一層好ましくは50℃〜90℃で分解するか又はガスを放出する。しかしながら、そのような第2の発泡剤のガス放出を生じる条件は、バッフル及び/又は補強要素20上の膨張可能な材料22の膨張を生じる条件とは十分に異なることが重要である。両プロセスが熱によってトリガーされる場合、泡を形成するプロセスの閾値は、膨張に対する閾値よりも著しく低い、好ましくは少なくとも20℃低い、一層好ましくは少なくとも30℃低い、最も好ましくは少なくとも40℃低い必要がある。
【0039】
周囲条件下で、すなわち約1バールの圧力及び約20℃の温度でガス状であるいずれの物質も、本発明によるバッフル及び/又は補強要素20の膨張可能な材料層25内の気泡24によって微孔質構造を形成するガスとして使用され得る。好ましくは、使用されるガスは、比較的安価であり、及び/又は不要な化学的な副反応を回避するために非反応性であり、及び/又は簡単に超臨界流体に変換される。そのような好ましいガスの例は、(限定するものではないが)空気、窒素、二酸化炭素、ガス状炭化水素、希ガス、又はそれらの混合物を含む。特に好ましいのは、窒素及び/又は二酸化炭素及び/又はガス状炭化水素であり、それらの例は、プロパン、プロペン、ブタン、ブテン、イソブタン、イソブテン、又はそれらの混合物を含む。
【0040】
当然ながら、本発明は、本明細書で説明される例、特に、本発明の一般的な原理又は1つの単純な実施形態を示すにすぎない図面に限定されない。しかしながら、当業者は、いくつかの修正形態が本発明の教示内にあることを認識するであろう。したがって、以下の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲及び内容を決定するために研究されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
10;20 バッフル及び/又は補強要素
10’;20’ 膨張したバッフル及び/又は補強要素
11;21 キャリア要素
12;22 膨張可能な材料
12’;22’ 膨張した材料
24 膨張可能な材料に組み込まれた気泡
24’ 膨張した材料に組み込まれた気泡
25 膨張可能な材料層又は膨張可能な要素
25’ 膨張した材料層又は膨張した要素
C キャビティ又は中空構造体