(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力される複数の映像信号のうちのいずれか1つを、第1の選択信号に基づいて選択し、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する同期信号に同期して出力する第1の選択部と、
前記選択信号を生成する選択信号生成部と、
前記第1の選択部から出力された映像信号に基づく映像の画質を調整する画質調整部と、
を含み、
前記画質調整部は、画質調整のための設定値を保持する第1の設定部を含み、前記第1の設定部に保持する設定値の変更を行っている間、設定変更中を示す第1のステータス信号を前記第1の選択部に供給する
半導体装置。
前記第1の選択部は、前記第1の選択信号の信号レベルの遷移に応じて選択する映像信号を切り替える場合に、前記第1の選択信号の信号レベルの遷移が生じた後に到来する切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了時点まで切り替え元の映像信号を出力し、その後、切り替え先の映像信号を、切り替え先の映像信号に付随する同期信号に同期して出力する
請求項1に記載の半導体装置。
前記第1の選択部は、前記第1のステータス信号に基づいて前記第1の設定部に保持される設定値の変更完了を検出した後に、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する同期信号に同期して出力する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記第1の選択部は、前記第1のステータス信号に基づいて前記第1の設定部に保持される設定値の変更完了を検出した後に、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する同期信号に同期して出力する第1のモードと、前記第1の選択信号の信号レベルの遷移が生じた直後に到来する切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了後に、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する同期信号に同期して出力する第2のモードと、に切り替え可能に構成されている
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
入力される複数の映像信号のうちのいずれか1つを、第2の選択信号に基づいて選択し、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する同期信号に同期して出力する第2の選択部と、
前記第2の選択部から出力された映像信号に応じた映像のサイズを、当該映像を表示する表示部のサイズにスケーリングするスケーリング処理部と、
を更に含み、
前記スケーリング処理部によって処理された映像信号が、前記第1の選択部に入力される
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記スケーリング処理部は、スケーリング処理のための設定値を保持する第2の設定部を含み、前記第2の設定部に保持する設定値の変更を行っている間、設定変更中を示す第2のステータス信号を前記第2の選択部に供給し、
前記第2の選択部は、前記第2のステータス信号に基づいて前記第2の設定部に保持される設定値の変更完了を検出した後に、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する同期信号に同期して出力する
請求項7に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は適宜省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る映像表示システム1および半導体装置100の構成を示すブロック図である。映像表示システム1は、半導体装置100、ディスプレイ200およびシステム制御部300を含んで構成されている。半導体装置100は、システム制御部300による制御の下で、ディスプレイ200に表示させる映像の選択、スケーリング処理および画質調整等を行うディスプレイコントローラである。
【0015】
半導体装置100は、ビデオデコーダ11、スケーリング処理部13、画質調整部15、ディスプレイインターフェース16、選択信号生成部17、第1のセレクタ14、第2のセレクタ12、映像入力端子21、22、映像出力端子23、同期信号出力端子24を含んで構成されている。
【0016】
映像入力端子21、22には、半導体装置100の外部から映像信号が入力される。本実施形態において、映像入力端子21にはデジタル映像信号である第1の映像信号S
V1が入力され、映像入力端子22にはアナログ映像信号である第2の映像信号S
V2が入力される。また、半導体装置100には、第1の映像信号S
V1に付随する第1の垂直同期信号S
S1および第2の映像信号S
V2に付随する第2の垂直同期信号S
S2が入力される。
【0017】
映像表示システム1が、例えば、カーナビゲーションシステムに搭載される場合、第1の映像信号S
V1は、地図映像を含むナビゲーション映像に対応するものであってもよく、第2の映像信号S
V2は、バックモニタを構成するカメラによって撮影された映像に対応するものであってもよい。
【0018】
ビデオデコーダ11は、アナログ映像信号である第2の映像信号S
V2をデジタル信号に変換する。なお、第2の映像信号S
V2が、映像信号と同期信号とが合成されたコンポジット映像信号である場合、ビデオデコーダ11によって映像信号と同期信号とが分離される。
【0019】
第2のセレクタ12には、第1の映像信号S
V1、第1の垂直同期信号S
S1、ビデオデコーダ11によってデジタル信号に変換された第2の映像信号S
V2、および第2の垂直同期信号S
S2が入力される。また、第2のセレクタ12には、選択信号生成部17によって生成された、映像信号の選択指令を含む第2の選択信号a2が入力される。第2のセレクタ12は、第2の選択信号a2に基づいて、第1の映像信号S
V1およびデジタル信号に変換された第2の映像信号S
V2のうちの一方を選択する。第2のセレクタ12は、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する垂直同期信号に同期して出力する。例えば、第2のセレクタ12は、選択信号a2に基づいて第1の映像信号S
V1を選択した場合には、第1の映像信号S
V1に付随する第1の垂直同期信号S
S1に同期して、第1の映像信号S
V1を出力する。
【0020】
スケーリング処理部13は、第2のセレクタ12から出力された映像信号に対して、当該映像信号に基づく映像のサイズをディスプレイ200のサイズに適合させるスケーリング処理を行う。
【0021】
図2は、スケーリング処理部13の構成を示すブロック図である。スケーリング処理部13は、スケーリング処理回路132および複数のレジスタ131a〜131eを含んで構成されている。スケーリング処理回路132は、レジスタ131a〜131eに保持された設定値に応じたスケーリング処理を入力された映像信号に対して行う。レジスタ131a〜131eは、スケーリング処理のための設定値c2を書き換え可能に保持する記憶部である。レジスタ131a〜131eに保持される設定値c2は、半導体装置100の外部に設けられたシステム制御部300から供給される。
【0022】
半導体装置100から出力される映像信号(以下出力映像信号という)が切り替わる場合、スケーリング処理部13のレジスタ131a〜131eに保持される設定値c2が書き換えられることにより、スケーリング処理部13の設定変更が行われる。例えば、出力映像信号が、第2の映像信号S
V2から第1の映像信号S
V1に切り替わる場合、スケーリング処理部13のレジスタ131a〜131eに保持される設定値c2は、切り替え元の第2の映像信号S
V2に対応する設定値から、切り替え先の第1の映像信号S
V1に対応する設定値に書き換えられる。
【0023】
第1のセレクタ14には、スケーリング処理が施されていない第1の映像信号S
V1、スケーリング処理部13においてスケーリング処理が施された第1または第2の映像信号、第1の垂直同期信号S
S1および第2の垂直同期信号S
S2が入力される。また、第1のセレクタ14には、選択信号生成部17によって生成された、映像信号の選択指令を含む第1の選択信号a1が入力される。第1のセレクタ14は、第1の選択信号a1に基づいて、入力された2つの映像信号のうちの一方を選択する。第1のセレクタ14は、選択した映像信号を、選択した映像信号に付随する垂直同期信号に同期して出力する。例えば、第1のセレクタ14は、選択信号a1に基づいてスケーリング処理が施されていない第1の映像信号S
V1を選択した場合には、第1の垂直同期信号S
S1に同期して、第1の映像信号S
V1を出力する。
【0024】
画質調整部15は、第1のセレクタ14から出力された映像信号に対してコントラスト調整、オフセット調整、ガンマ補正等の画質調整を行う。
図3は、画質調整部15の構成を示すブロック図である。画質調整部15は、画質調整回路152および複数のレジスタ151a〜151eを含んで構成されている。画質調整回路152は、レジスタ151a〜151eに保持された設定値に応じた画質調整処理を、入力された映像信号に対して行う。レジスタ151a〜151eは、画質調整のための設定値c1を書き換え可能に保持する記憶部である。より具体的には、レジスタ151a〜151eは、コントラスト、オフセット、ガンマ補正等の画質調整項目毎の設定値を保持する。レジスタ151a〜151eに保持される設定値c1は、半導体装置100の外部に設けられたシステム制御部300から供給される。
【0025】
半導体装置100において、出力映像信号が切り替わる場合、画質調整部15のレジスタ151a〜151eに保持される設定値c1が書き換えられることにより、画質調整部15の設定変更が行われる。例えば、出力映像信号が、第2の映像信号S
V2から第1の映像信号S
V1に切り替わる場合、画質調整部15のレジスタ151a〜151eに保持される設定値c1は、切り替え元の第2の映像信号S
V2に対応する設定値から、切り替え先の第1の映像信号S
V1に対応する設定値に書き換えられる。
【0026】
ディスプレイインターフェース16は、画質調整部15によって画質調整がなされた映像信号を、ディスプレイ200に適合した形式で出力する。ディスプレイインターフェース16から出力された映像信号は、映像出力端子23から半導体装置100の外部に出力され、ディスプレイ200に供給される。また、映像出力端子23から出力される映像信号に付随する垂直同期信号は、同期信号出力端子24から半導体装置100の外部に出力され、ディスプレイ200に供給される。
【0027】
選択信号生成部17は、第1のセレクタ14および第2のセレクタ12において選択すべき映像信号の選択指令を含む第1の選択信号a1および第2の選択信号a2を生成する。例えば、第1の映像信号S
V1に基づく映像をディスプレイ200に表示させる場合において、第1の映像信号S
V1に基づく映像のサイズが、ディスプレイ200のサイズに適合している場合には、選択信号生成部17は、第1のセレクタ14に直接入力された第1の映像信号S
V1を選択する第1の選択信号a1を生成する。一方、第1の映像信号S
V1に基づく映像をディスプレイ200に表示させる場合において、当該映像のサイズが、ディスプレイ200のサイズに適合していない場合には、選択信号生成部17は、第2のセレクタ12に入力された第1の映像信号S
V1を選択する第2の選択信号a2を生成するとともに、第1のセレクタ14に入力された、スケーリング処理が施された第1の映像信号S
V1を選択する第1の選択信号a1を生成する。また、第2の映像信号S
V2に基づく映像をディスプレイ200に表示させる場合には、選択信号生成部17は、第2のセレクタ12に入力された第2の映像信号S
V2を選択する第2の選択信号a2を生成するとともに、第1のセレクタ14に入力された、スケーリング処理が施された第2の映像信号S
V2を選択する第1の選択信号a1を生成する。
【0028】
選択信号生成部17は、レジスタ(図示せず)を含み、該レジスタに保持された設定値に応じて第1の選択信号a1および第2の選択信号a2を生成する。該レジスタに保持される設定値は、半導体装置100の外部に設けられたシステム制御部300から供給される。なお、第1の選択信号a1および第2の選択信号a2は、第1の垂直同期信号S
S1および第2の垂直同期信号S
S2とは非同期である。
【0029】
図4は、半導体装置100の動作の一例を示すタイミングチャートであり、第1の垂直同期信号S
S1、第2の垂直同期信号S
S2、第1の選択信号a1、半導体装置100から出力される垂直同期信号(以下、出力垂直同期信号という)、出力映像信号の時間推移を示す。
図4には、一例として、出力映像信号を、第2の映像信号S
V2から第1の映像信号S
V1に切り替える場合の動作が示されている。
【0030】
第1のセレクタ14は、第1の選択信号a1の信号レベルの遷移を検出すると、第1の選択信号a1の信号レベルが遷移した直後に到来する、切り替え元の第2の映像信号S
V2のフレーム期間の終了時点まで切り替え元の第2の映像信号S
V2の出力を継続する。なお、第2の映像信号S
V2のフレーム期間の終了時点は、第2の垂直同期信号S
S2によって検出することが可能である。第1のセレクタ14は、切り替え元の第2の映像信号S
V2のフレーム期間が終了した後、切り替え先の第1の映像信号S
V1を、これに付随する第1の垂直同期信号S
S1に同期して出力する。このように、第1のセレクタ14は、第1の選択信号a1に基づいて選択する映像信号を切り替える場合に、切り替え元の映像信号の出力終了のタイミングを、切り替え元の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させ、切り替え先の映像信号の出力の開始のタイミングを、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させる。
【0031】
第1の垂直同期信号S
S1と、第2の垂直同期信号S
S2とは非同期であるため、第1のセレクタ14の動作を、上記のように、第1の垂直同期信号S
S1および第2の垂直同期信号S
S2に同期させた場合には、切り替え元の第2の映像信号S
V2の出力終了時点と、切り替え先の第1の映像信号S
V1の出力開始時点とが不一致となる。第1のセレクタ14は、切り替え元の第2の映像信号S
V2の出力終了時点から切り替え先の第1の映像信号S
V1の出力開始時点までの間、映像信号の出力を停止させる。
【0032】
第1のセレクタ14から出力された第1の映像信号S
V1は、画質調整部15およびディスプレイインターフェース16を経由して、第1の垂直同期信号S
S1とともにディスプレイ200に供給される。
【0033】
このように、第1のセレクタ14が、第1の選択信号a1に基づいて、選択する映像信号を切り替える場合に、切り替え先の映像信号を、これに付随する垂直同期信号に同期して出力することで、ディスプレイ200は、映像信号の切り替え直後から垂直同期信号による同期をとることが可能となり、映像信号の切り替えに伴う映像の乱れを防止することができる。従って、本実施形態に係る半導体装置100によれば、映像の切り替えを行う際に、乱れた映像を表示させないようにするための映像ミュートを行うことを要しない。
【0034】
また、第1のセレクタ14は、第1の選択信号a1に基づいて、選択する映像信号を切り替える場合に、切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了時点まで、切り替え元の映像信号の出力を継続させるので、映像の切り替わりの直前に、切り替え元の映像が部分的に欠落してディスプレイ200に表示されることを防止できる。
【0035】
なお、上記したように、第1のセレクタ14は、切り替え元の映像信号の出力終了時点から切り替え先の映像信号の出力開始時点までの間、映像信号の出力を停止させるが、映像信号の出力停止期間は短期間であり、映像信号の出力が停止される直前の映像が、ディスプレイ200において残像として表示されるので、映像信号の出力停止に伴う映像の途切れは、ユーザによって認識されにくいものとなっている。なお、切り替え元の映像信号を保持するためのバッファメモリを設け、切り替え元の映像信号の出力終了時点から切り替え先の映像信号の出力開始時点までの間、バッファメモリに保持された切り替え直前の映像信号を読み出してディスプレイ200に供給してもよい。これにより、映像信号の出力停止期間の発生をなくすことができる。また、本実施形態に係る半導体装置100は、映像信号の出力が停止に至るタイミングで生じる切り替え元の垂直同期信号のパルスが、半導体装置100の外部に出力されないように構成されている。すなわち、所定の間隔よりも短い間隔で垂直同期信号を出力しないように構成されている。
【0036】
なお、第2のセレクタ12の動作は、第1のセレクタ14の動作と同様である。すなわち、第2のセレクタ12は、第2の選択信号a2の信号レベルが遷移した直後に到来する、切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了時点まで切り替え元の映像信号の出力を継続する。第2のセレクタ12は、切り替え元の映像信号のフレーム期間が終了した後、切り替え先の映像信号を、これに付随する垂直同期信号に同期して出力する。すなわち、第2のセレクタ12は、第2の選択信号a2に基づいて選択する映像信号を切り替える場合に、切り替え元の映像信号の出力終了のタイミングを、切り替え元の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させ、切り替え先の映像信号の出力開始のタイミングを、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させる。
【0037】
図5は、比較例に係る映像信号の出力方法を示すタイミングチャートであり、
図5には、
図4に示す場合と同様、出力映像信号を、第2の映像信号S
V2から第1の映像信号S
V1に切り替える場合が例示されている。
【0038】
比較例に係る映像信号の出力方法は、本発明の実施形態に係る第1のセレクタ14および第2のセレクタ12を、第1の選択信号a1および第2の選択信号a2の信号レベルの遷移に応じて出力する映像信号を即時に切り替える単純なセレクタに置き換えた場合に相当する。
【0039】
すなわち、比較例では、
図5に示すように、第1の選択信号a1の信号レベルの切り替りが生じた時点で、即時に出力映像が切り替る。従って、比較例によれば、第1の垂直同期信号S
S1とは非同期となるタイミングで、第1の映像信号S
V1がディスプレイ200に入力される。従って、ディスプレイ200において、第1の映像信号S
V1の入力後、第1の垂直同期信号S
S1による同期がとれるまでの間、表示される映像に乱れが生じることとなる。
【0040】
また、比較例によれば、切り替え元の第2の映像信号S
V2のフレーム期間が終了する前に、出力映像信号の切り替えが行われるので、映像信号の切り替りの直前に、切り替え元の映像が部分的に欠落してディスプレイ200に表示されるおそれがある。
【0041】
一方、本発明の実施形態によれば、第1のセレクタ14において、切り替え元の映像信号の出力終了のタイミングを、切り替え元の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させるとともに、切り替え先の映像信号の出力開始のタイミングを、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させているので、出力映像信号の切り替え時に、ディスプレイ200に表示される映像の乱れを防止するとともに、切り替え元の映像が部分的に欠落して表示されることを防止できる。
【0042】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る映像表示システム2および半導体装置101の構成を示すブロック図である。
【0043】
本実施形態に係る半導体装置101において、画質調整部15は、出力映像信号の切り替えに伴ってレジスタ151a〜151e(
図3参照)に保持される設定値c1の変更(書き換え)を行っている間、画質調整部15が設定変更中であることを示す第1のステータス信号b1を生成し、これを第1のセレクタ14に供給する。画質調整部15は、レジスタ151a〜151eに保持される設定値c1の変更(書き換え)が完了した後、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期して、レジスタ151a〜151eに新たに設定された設定値に基づく画質調整を有効とする。
【0044】
本実施形態に係る半導体装置101において、第1のセレクタ14は、画質調整部15から供給される第1のステータス信号b1に基づいて画質調整部15における設定変更の完了を検出した後に、第1の選択信号a1に基づいて選択した映像信号を、当該選択した映像信号に付随する垂直同期信号に同期して出力する。
【0045】
また、本実施形態に係る半導体装置101において、スケーリング処理部13は、出力映像信号の切り替えに伴ってレジスタ131a〜131e(
図2参照)に保持される設定値c2の変更(書き換え)を行っている間、スケーリング処理部13が設定変更中であることを示す第2のステータス信号b2を生成し、これを第2のセレクタ12に供給する。スケーリング処理部13は、レジスタ131a〜131eに保持される設定値c2の変更(書き換え)が完了した後、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期して、レジスタ131a〜131eに新たに設定された設定値に基づくスケーリング処理を有効とする。
【0046】
本実施形態に係る半導体装置101において、第2のセレクタ12は、スケーリング処理部13から供給される第2のステータス信号b2に基づいてスケーリング処理部13における設定変更の完了を検出した後に、第2の選択信号a2に基づいて選択した映像信号を、当該選択した映像信号に付随する垂直同期信号に同期して出力する。
【0047】
図7は、半導体装置101の動作の一例を示すタイミングチャートであり、第1の垂直同期信号S
S1、第2の垂直同期信号S
S2、第1の選択信号a1、第1のステータス信号b1、画質調整部15における設定、出力垂直同期信号、出力映像信号の時間推移を示す。
図7には、一例として、出力映像信号を、第2の映像信号S
V2から第1の映像信号S
V1に切り替える場合の動作が示されている。
【0048】
画質調整部15は、選択信号生成部17から供給される第1の選択信号a1の信号レベルの遷移を検出すると、第1のステータス信号b1の信号レベルを、設定変更中を示すハイレベルに遷移させる。その後、切り替え先の第1の映像信号S
V1に対応する設定値c1が、システム制御部300から画質調整部15に供給される。画質調整部15は、レジスタ151a〜151eに保持する設定値c1を、切り替え元の第2の映像信号S
V2に対応する設定値から切り替え先の第1の映像信号S
V1に対応する設定値に書き換える。画質調整部15は、レジスタ151a〜151eに保持する設定値の書き換えを行っている間、第1のステータス信号b1をハイレベルに維持する。画質調整部15は、レジスタ151a〜151eの書き換えが完了すると、第1のステータス信号b1の信号レベルをローレベルに遷移させる。
【0049】
第1のセレクタ14は、第1のステータス信号b1に基づいてレジスタ151a〜151eに保持される設定値の変更完了を検出した直後(すなわち、第1のステータス信号b1がハイレベルからローレベルに遷移した直後)に到来する、切り替え元の第2の映像信号S
V2のフレーム期間の終了時点まで切り替え元の第2の映像信号S
V2の出力を継続する
【0050】
第1のセレクタ14において、切り替え元の第2の映像信号S
V2が出力されている間、画質調整部15は、切り替え元の第2の映像信号S
V2に対応した画質設定を維持する。画質調整部15は、レジスタ151a〜151eに保持される設定値c1の変更が完了した後、切り替え先の第1の映像信号S
V1に付随する第1の垂直同期信号S
S1に同期して、新たに設定された設定値c1に基づく画質調整(すなわち、切り替え先の第1の映像信号S
V1に対応する画質調整)を有効とする。
【0051】
第1のセレクタ14は、レジスタ151a〜151eに保持される設定値c1の変更完了を検出した後(第1のステータス信号b1がハイレベルからローレベルに遷移した後)、切り替え先の第1の映像信号S
V1を、これに付随する第1の垂直同期信号S
S1に同期して出力する。なお、第1のセレクタ14は、切り替え元の第2の映像信号S
V2の出力終了時点から切り替え先の第1の映像信号S
V1の出力開始時点までの間、映像信号の出力を停止させる。第1のセレクタ14から出力された切り替え先の第1の映像信号S
V1は、切り替え先の第1の映像信号S
V1に対応した設定がなされた画質調整部15によって処理される。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る半導体装置101によれば、出力映像信号の切り替えに伴って行われる画質調整部15の設定変更が完了した後に、切り替え先の映像信号が第1のセレクタ14から出力される。これにより、画質調整部15の設定変更が完了していない段階で、切り替え先の映像信号が第1のセレクタ14から出力されることを防止することができる。仮に、画質調整部15の設定変更が完了していない段階で、切り替え先の映像信号が第1のセレクタ14から出力された場合には、切り替え先の映像信号に対して、不適切な画質調整がなされ、切り替え先の映像信号に基づく映像を所望の画質でディスプレイ200に表示させることができないおそれがある。
【0053】
本実施形態に係る半導体装置101によれば、第1のセレクタ14から出力される切り替え先の映像信号に対しては、常に切り替え先の映像信号に対応した画質調整がなされることとなり、切り替え先の映像信号に基づく映像を所望の画質でディスプレイ200に表示させることが可能となる。
【0054】
また、本実施形態に係る半導体装置101によれば、第1の実施形態に係る半導体装置100と同様、第1のセレクタ14において、切り替え元の映像信号の出力終了のタイミングを、切り替え元の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させるとともに、切り替え先の映像信号の出力開始のタイミングを、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期させているので、出力映像信号の切り替え時に、ディスプレイ200に表示される映像の乱れを防止するとともに、切り替え元の映像が部分的に欠落して表示されることを防止できる。
【0055】
なお、スケーリング処理部13および第2のセレクタ12は、それぞれ、画質調整部15および第1のセレクタ14と同様の動作を行う。すなわち、スケーリング処理部13は、選択信号生成部17から供給される第2の選択信号a2の信号レベルの遷移を検出すると、第2のステータス信号b2の信号レベルを、設定変更中を示すハイレベルに遷移させる。その後、切り替え先の映像信号に対応する設定値c2が、システム制御部300からスケーリング処理部13に供給される。スケーリング処理部13は、レジスタ131a〜131eに保持する設定値c2を、切り替え元の映像信号に対応する設定値から切り替え先の映像信号に対応する設定値に書き換える。スケーリング処理部13は、レジスタ131a〜131eに保持する設定値の書き換えを行っている間、第2のステータス信号b2をハイレベルに維持する。スケーリング処理部13は、レジスタ131a〜131eの書き換えが完了すると、第2のステータス信号b2の信号レベルをローレベルに遷移させる。
【0056】
第2のセレクタ12は、第2のステータス信号b2に基づいてレジスタ131a〜131eに保持される設定値の変更完了を検出した直後(すなわち、第2のステータス信号b2がハイレベルからローレベルに遷移した直後)に到来する、切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了時点まで切り替え元の映像信号の出力を継続する。
【0057】
第2のセレクタ12において、切り替え元の映像信号が出力されている間、スケーリング処理部13は、切り替え元の映像信号に対応した画質設定を維持する。スケーリング処理部13は、レジスタ131a〜131eに保持される設定値c2の変更が完了した後、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期して、新たに設定された設定値c2に基づくスケーリング処理(すなわち、切り替え先の映像信号に対応するスケーリング処理)を有効とする。
【0058】
第2のセレクタ12は、レジスタ131a〜131eに保持される設定値c2の変更完了を検出した後(第2のステータス信号b2がハイレベルからローレベルに遷移した後)、切り替え先の映像信号を、これに付随する垂直同期信号に同期して出力する。第2のセレクタ12から出力された切り替え先の映像信号は、切り替え先の映像信号に対応した設定がなされたスケーリング処理部13によって処理される。
【0059】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る映像表示システム3および半導体装置102の構成を示すブロック図である。
【0060】
本実施形態に係る半導体装置102において、画質調整部15は、上記した第2の実施形態と同様、出力映像信号の切り替えに伴ってレジスタ151a〜151e(
図3参照)に保持される設定値c1の変更(書き換え)を行っている間、画質調整部15が設定変更中であることを示す第1のステータス信号b1を生成し、これを第1のセレクタ14に供給する。画質調整部15は、レジスタ151a〜151eに保持される設定値c1の変更(書き換え)が完了した後、切り替え先の映像信号に付随する垂直同期信号に同期して、レジスタ151a〜151eに新たに設定された設定値に基づく画質調整を有効とする。
【0061】
本実施形態に係る半導体装置102において、第1のセレクタ14は、第1のステータス信号b1に基づいて、画質調整部15における設定変更の完了を検出した後に、切り替え先の映像信号を、当該映像信号に付随する垂直同期信号に同期して出力する第1のモードと、第1の選択信号の信号レベルの遷移が生じた直後に到来する切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了後に、選択した映像信号を、当該選択した映像信号に付随する垂直同期信号に同期して出力する第2のモードと、に切り替え可能に構成されている。第1のセレクタ14は、システム制御部300から供給されるモード選択指令d1に基づいて、第1のモードおよび第2のモードのいずれか一方を選択する。
【0062】
第1のモードが選択された場合の動作は、先に参照した
図7に例示されている。第1のモードによれば、切り替え先の映像信号が第1のセレクタ14から出力された時点で、画質調整部15の設定変更が完了しているので、切り替え先の映像信号に対して適切な画質調整がなされる。しかしながら、第1のモードによれば、画質調整部15における設定変更に比較的長い時間を要する場合には、第1の選択信号a1の信号レベルが遷移してから切り替え先の映像信号が出力されるまでに比較的長い時間を要する。すなわち、切り替え先の映像をディスプレイ200に速やかに表示させることができないおそれがある。
【0063】
一方、第2のモードが選択された場合の動作は、
図9に例示されている。
図9は、半導体装置102の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図9には、一例として、半導体装置102から出力される映像信号を、アナログ映像信号である第2の映像信号S
V2からデジタル映像信号である第1の映像信号S
V1に切り替える場合の動作が示されている。
【0064】
第2のモードによれば、第1のセレクタ14は、画質調整部15における設定変更が完了しているか否かにかかわらず、第1の選択信号a1の信号レベルの遷移が生じた直後に到来する切り替え元の映像信号のフレーム期間の終了とともに切り替え元の第2の映像信号S
V2の出力を終了させ、その後、切り替え先の第1の映像信号S
V1を、これに付随する第1の垂直同期信号S
S1に同期して出力する。第2のモードによれば、第1の選択信号a1の信号レベルが遷移してから切り替え先の映像信号が出力されるまでの時間を、第1のモードと比較して短くすることができる。すなわち、切り替え先の映像をディスプレイ200に速やかに表示させることができる。しかしながら、第2のモードによれば、
図9に示されるように、設定変更が完了していない画質調整部15によって、切り替え先の映像信号S
V1に対する画質調整がなされる場合がある。この場合、切り替え先の映像を所望の画質でディスプレイ200に表示させることができない。
【0065】
図10は、システム制御部300が、モード選択指令d1を生成する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
ステップS1において、システム制御部300は、例えば、映像表示システム3が備える操作部(図示せず)に対する操作入力に基づいて、ディスプレイ200に表示させる映像信号の切り替え要求の有無を判断する。システム制御部300は、ディスプレイ200に表示させる映像信号の切り替え要求を検出すると、処理をステップS2に移行する。
【0067】
ステップS2において、システム制御部300は、映像信号の切り替えに伴って行われる画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数が、所定数以上であるか否かを判断する。例えば、画質調整部15の設定変更を行う場合に、変更項目が多い程、設定変更に要する設定値c1の数が多くなる。また、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数が多くなる程、画質調整部15において設定変更に要する時間が長くなる。なお、システム制御部300は、切り替え元の映像信号および切り替え先の映像信号の種類等に基づいて、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数を特定する。
【0068】
システム制御部300は、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数が、所定数以上であると判定した場合には、処理をステップS3に移行し、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数が、所定数未満であると判定した場合には、処理をステップS4に移行する。
【0069】
ステップS3において、システム制御部300は、第2のモードを選択すべきモード選択指令d1を生成し、これを第1のセレクタ14に供給する。モード選択指令d1を受信した第1のセレクタ14は、第2のモードで動作する。
【0070】
ステップS4において、システム制御部300は、第1のモードを選択すべきモード選択指令d1を生成し、これを第1のセレクタ14に供給する。これにより、第1のセレクタ14は、第1のモードで動作する。
【0071】
以上のように、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数が所定数以上である場合に、第1のセレクタ14を第2のモードで動作させることで、映像信号の切り替え当初において、切り替え先の映像信号に対応した画質調整がなされない状態が発生する可能性があるものの、画質調整部15の設定変更に要する時間が長くなることに伴う映像信号の切り替えタイミングの著しい遅延を回避することができる。
【0072】
また、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数が所定数未満である場合、第1のセレクタ14を第1のモードで動作させることで、映像信号の切り替え当初から、切り替え先の映像信号に対応した画質調整がなされることとなり、且つ、画質調整部15の設定変更に要する時間は比較的短くなるので、映像信号の切り替えタイミングが著しく遅れることもない。なお、本実施形態では、画質調整部15の設定変更に要する設定値c1の数に応じて、第1のセレクタ14の動作モードを決定する場合を例示したが、この態様に限定されるものではない。例えば、設定すべきデータ量に応じて第1のセレクタ14の動作モードを決定してもよい。例えば、設定すべきデータ量が閾値以上である場合に、第2のモードを選択し、設定すべきデータ量が閾値未満である場合に、第1のモードを選択してもよい。また、前回画質調整部15の設定変更に要した時間を記憶しておき、それが閾値を超えるか否かで第1のセレクタ14の動作モードを決定してもよい。
【0073】
なお、上記した第1〜第3の実施形態において、半導体装置100、101および102に入力される映像信号が2つである場合を例示したが、半導体装置100、101および102に入力される映像信号は3つ以上であってもよい。この場合、第1のセレクタ14および第2のセレクタ12は、3つ以上の映像信号の中から1つを選択するように構成される。
【0074】
なお、半導体装置100、101および102は、本発明における半導体装置の一例である。第1のセレクタ14は、本発明における第1の選択部の一例である。第2のセレクタ12は、本発明における第2の選択部の一例である。選択信号生成部17は、本発明における選択信号生成部の一例である。画質調整部15は、本発明における画質調整部の一例である。レジスタ151a〜151eは、本発明における第1の設定部の一例である。
スケーリング処理部13は、本発明におけるスケーリング処理部の一例である。レジスタ131a〜131eは、本発明における第2の設定部の一例である。映像表示システム1、2および3は、本発明における映像表示システムの一例である。ディスプレイ200は、本発明におけるディスプレイの一例である。システム制御部300は、本発明における制御部の一例である。