特許第6688059号(P6688059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688059
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】熱式流量センサ
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/69 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   G01F1/69 A
   G01F1/69 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-238038(P2015-238038)
(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公開番号】特開2017-102091(P2017-102091A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】奥村 勝弥
(72)【発明者】
【氏名】西脇 圭亮
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−300486(JP,A)
【文献】 実開昭58−172842(JP,U)
【文献】 特開平4−343023(JP,A)
【文献】 実開平7−16129(JP,U)
【文献】 米国特許第4519246(US,A)
【文献】 特開平7−265195(JP,A)
【文献】 特開平3−244896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00− 9/02
G01K 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる導管に、温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を巻回したセンシング部を有する熱式流量センサであって、
前記導管の外面に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の外面に形成された溝とを備え、
前記発熱抵抗体が、前記溝に沿って巻回されている熱式流量センサ。
【請求項2】
前記発熱抵抗体を前記導管の外側から覆う第2絶縁層をさらに備え、
前記第2絶縁層の熱伝導率が、前記第1絶縁層の熱伝導率よりも小さい請求項1記載の熱式流量センサ。
【請求項3】
前記絶縁層が、無機材料から形成されている請求項1又は2記載の熱式流量センサ。
【請求項4】
前記導管が、金属から形成されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱式流量センサ。
【請求項5】
流体が流れる導管に、温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を巻回したセンシング部を有する熱式流量センサの形成方法であって、
前記導管の外面に第1絶縁層を形成し、
前記第1絶縁層の外面に溝を形成し、
前記溝に沿って前記発熱抵抗体を巻回することを特徴とする熱式流量センサの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式流量センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱式流量センサとしては、特許文献1に示すように、流体が流れるメイン流路と、このメイン流路から分岐したセンサ流路と、このセンサ流路に設けられた流量検出機構とを備えたものがある。
【0003】
この流量検出機構は、センサ流路を形成する導管に、温度に応じて抵抗値が変化する一対の発熱抵抗体を巻回して構成されるセンシング部と、このセンシング部の出力信号を用いてメイン流路を流れる流体の質量流量を算出する流量算出部とを備えている。
【0004】
従来の発熱抵抗体は、その外側周面がポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の絶縁性樹脂により被覆されている。
【0005】
ここで、熱式流量センサを例えば半導体製造プロセスに用いる場合には、前記センシング部の温度は、通常200℃未満である。このため、前記絶縁性樹脂の熱劣化による絶縁性の低下を考慮する必要はない。
【0006】
しかしながら、近年の半導体製造プロセスでは、固体材料を昇華させた材料ガスが用いられることなどにより、材料ガスが高温化している。そうすると、前記センシング部の温度が、絶縁性樹脂の耐熱温度を超える場合がある。その結果、絶縁性樹脂が熱劣化して、その絶縁性が低下し、発熱抵抗体同士が短絡する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−300403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、熱式流量センサのセンシング部の耐熱温度を上げることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る熱式流量センサは、流体が流れる導管に、温度に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗体を巻回したセンシング部を有する熱式流量センサであって、前記導管の外面に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の外面に形成された溝とを備え、前記発熱抵抗体が、前記溝に沿って巻回されていることを特徴とする。
【0010】
この熱式流量センサであれば、発熱抵抗体が第1絶縁層の外面に形成された溝に沿って巻回されているので、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂により被覆された発熱抵抗体を用いる必要が無い。したがって、第1絶縁層を例えばアルミナなどの無機材料から形成することで、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂を不要にすることができ、熱式流量センサのセンシング部の耐熱温度を上げることができる。
また、溝に沿って発熱抵抗体が巻回されるので、絶縁性樹脂を用いずに発熱抵抗体同士の短絡を防止することができ、また、発熱抵抗体の巻回作業を容易にすることができる。
さらに、溝に発熱抵抗体の一部が配置されるので、溝内面と発熱抵抗体の接触面積を大きくし、また、発熱抵抗体を導管に近づけることができる。これにより、導管への熱伝達効率を向上させることができ、流量測定の精度を向上させることができる。
【0011】
発熱抵抗体から外部への放熱を低減して、流量測定の精度を向上させるためには、前記発熱抵抗体を前記導管の外側から覆う第2絶縁層をさらに備え、前記第2絶縁層の熱伝導率が、前記第1絶縁層の熱伝導率よりも小さいことが望ましい。また、この第2絶縁層は、発熱抵抗体を導管に固定する機能も奏する。
【0012】
前記導管が、金属から形成されていることが望ましい。これならば、前記第2絶縁層による被覆の効果を一層顕著にすることができる。つまり、発熱抵抗体からの熱を、導管を介して、流体へ効率良く伝えることができる。
【発明の効果】
【0013】
このように構成した本発明によれば、発熱抵抗体が第1絶縁層の外面に形成された溝に沿って巻回されているので、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂により被覆された発熱抵抗体を用いる必要が無い。したがって、熱式流量センサのセンシング部の耐熱温度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のマスフローコントローラの構成を示す模式図である。
図2】同実施形態のセンシング部の構成を示す断面図である。
図3】同実施形態のセンシング部の製造工程を示す模式図である。
図4】センシング部の変形例を示す断面図である。
図5】センシング部の別の変形例を示す断面図である。
図6】本発明の熱式流量センサを用いたマスフローコントローラの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係る熱式流量センサの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態の熱式流量センサ100は、例えば半導体製造装置に組み込まれて半導体製造プロセスに用いられるものである。
具体的にこの熱式流量センサ100は、図1に示すように、流体である試料ガスGが流れるメイン流路2と、このメイン流路2から分岐して試料ガスGを分流させるセンサ流路3と、試料ガスGの流量を検出する流量検出機構4と、メイン流路2におけるセンサ流路3の分岐点Pと合流点Qの間に設けられ、複数の内部流路51を有する流体抵抗としての層流素子5とを備える。試料ガスとしては、例えばSF等の半導体処理用ガスや半導体材料ガス等である。
【0017】
なお、層流素子5は、メイン流路2及びセンサ流路3の分流比が所定の設計値となるようにするものである。この層流素子5は、定流量特性を有するバイパス素子等の抵抗部材から構成されている。
具体的に層流素子5としては、複数本の細管を外管の内部に挿入して形成したもの、又は多数の貫通孔を形成した薄い円板を複数枚積層して形成したもの等を用いることができる。
【0018】
メイン流路2は、流体導入ポート21及び流体導出ポート22を有する概略直管状のメイン流路管20により形成されている。なお、メイン流路2は、概略直方体形状をなすブロック体に形成された内部流路であっても良い。
【0019】
センサ流路3は、メイン流路管20に接続されたセンサ流路管30により形成されている。センサ流路管30は、概略逆U字形状をなす中空細管(導管)である。本実施形態のセンサ流路管30は、ステンレス等の金属製である。なお、センサ流路管30は、金属以外の他の素材を用いて形成することができる。
【0020】
流量検出機構4は、メイン流路2を流れる試料ガスGの流量を検出するものである。この流量検出機構4は、センサ流路3に分流した流量を検出するためのセンシング部41と、当該センシング部41の出力信号を取得してメイン流路2を流れる試料ガスGの少なくとも質量流量を算出する流量算出部42とを備えている。
【0021】
センシング部41は、センサ流路3における上流側に設けられた上流側コイル411と、センサ流路3における下流側に設けられた下流側コイル412とを有する。
【0022】
上流側コイル411は、センサ流路3の上流側におけるセンサ流路管30の外側周面30aに発熱抵抗体6を巻き付けて構成されている。また、下流側コイル412は、センサ流路3の下流側におけるセンサ流路管30の外側周面30aに発熱抵抗体6を巻き付けて構成されている。
【0023】
上流側コイル411及び下流側コイル412の発熱抵抗体6は、温度に応じて電気抵抗値が変化する金属線から形成されている。
【0024】
流量算出部42は、前記上流側コイル411及び下流側コイル412が構成の一部とされた電気回路であり、ブリッジ回路、増幅回路及び補正回路等を備えている。この流量算出部42は、試料ガスGの瞬時流量をセンサ部411、412によって電気信号(電圧値)として検出してセンサ流路3中の試料ガスGの流量を算出する。そして、流量算出部42は、メイン流路2とセンサ流路3との分流比に基づいて、メイン流路2中の試料ガスGの流量を算出する。また、流量算出部42は、その算出流量に応じたセンサ出力信号(流量測定信号)を出力する。
【0025】
しかして、本実施形態の熱式流量センサ100では、図2に示すように、前記センサ流路管30の外側周面30aに螺旋溝7が形成されている。
【0026】
この螺旋溝7は、前記上流側コイル411及び前記下流側コイル412の設置範囲に亘って形成されている。螺旋溝7のピッチは、発熱抵抗体6を螺旋溝7に沿って巻回した場合に、互いに隣接する巻回単位要素(発熱抵抗体の一巻き分)が互いに接触しない程度としてある。
【0027】
なお、螺旋溝7の断面形状は、前記発熱抵抗体6の断面に対応する形状である。本実施形態では、発熱抵抗体6の断面形状は円形であり、前記螺旋溝7の断面形状は部分円弧状である。螺旋溝7の深さは、発熱抵抗体6の少なくとも一部を収容する深さであればよい。なお、螺旋溝7の断面形状としては、V字形状、U字形状、矩形状、又は、底に向かって幅が小さくなる台形状等であっても良い。
【0028】
また、この螺旋溝7は、絶縁層8(以下、第1絶縁層8という。)により被覆されている。第1絶縁層8は、螺旋溝7全体を被覆しており、螺旋溝7の内面だけでなく、螺旋溝7の内面に連続したセンサ流路管30の外側周面30aの一部も被覆している。本実施形態の第1絶縁層8は、センサ流路管30の流路方向に沿って螺旋溝7全体を含む範囲において、センサ流路管30の外側周面30a全周を被覆している。
この第1絶縁層8は、例えばアルミナ等の電気絶縁性を有する無機材料から形成されている。また、第1絶縁層8は、例えば蒸着又は溶射等により形成された薄膜であり、略均一の膜厚を有するものである。
【0029】
前記第1絶縁層8によって螺旋溝7を被覆することによって、第1絶縁層8の外側周面には、前記螺旋溝7に対応した螺旋溝9が形成される。
【0030】
そして、発熱抵抗体6は、第1絶縁層8の外側周面に形成された螺旋溝9に沿って巻回されることにより、第1絶縁層8を介して螺旋溝7に沿って巻回されている。
【0031】
本実施形態では、前記螺旋溝7(螺旋溝9)に巻回された発熱抵抗体6(上流側コイル411及び下流側コイル412)が、センサ流路管30の外側から第2絶縁層10により被覆されている。つまり、発熱抵抗体6(上流側コイル411及び下流側コイル412)は、第1絶縁層8及び第2絶縁層10の2層により全体が覆われている。
この第2絶縁層10は、例えばアルミナ等の電気絶縁性を有する無機材料から形成されている。また、第2絶縁層10は、例えば蒸着又は溶射等により形成された薄膜である。
【0032】
次に、このセンシング部41の形成方法の一例について、図3を参照して説明する。
センサ流路管30の外側周面30aに、例えば切削加工等の機械加工によって、螺旋溝7を形成する(図3(A))。
次に、螺旋溝7全体を覆うように、例えば蒸着又は溶射によって、例えばアルミナ等の無機材料からなる絶縁膜(第1絶縁層8)を形成する(図3(B))。
そして、第1絶縁層8の外側周面に形成された螺旋溝9に、絶縁性樹脂が被覆されていない発熱抵抗体6を巻回して、上流側コイル411及び下流側コイル412を形成する(図3(C))。
その後、発熱抵抗体6及び第1絶縁層8を覆うように、例えば蒸着又は溶射によって、例えばアルミナ等の無機材料からなる絶縁膜(第2絶縁層10)を形成する(図3(D))。この第2絶縁層10を形成することにより、上流側コイル411及び下流側コイル412が、センサ流路管30に固定される。
以上により、センシング部41が形成される。
【0033】
このように構成した熱式流量センサ100によれば、発熱抵抗体6が第1絶縁層8の外面に形成された螺旋溝9に沿って巻回されているので、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂により被覆された発熱抵抗体6を用いる必要が無い。本実施形態では、第1絶縁層8を例えばアルミナなどの無機材料から形成することで、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂を不要にすることができ、熱式流量センサ100のセンシング部41の耐熱温度を上げることができる。特に、第1絶縁層8としてアルミナを用いれば、熱伝導率が高いことから、熱式流量センサ100の応答速度を速くすることができる。
また、螺旋溝9に沿って発熱抵抗体6が巻回されるので、絶縁性樹脂を用いずに発熱抵抗体6同士の短絡を防止することができ、また、発熱抵抗体6の巻回作業を容易にすることができる。
さらに、螺旋溝9に発熱抵抗体6の一部が配置されるので、溝9内面と発熱抵抗体6の接触面積を大きくし、また、発熱抵抗体6をセンサ流路3に近づけることができる。これにより、センサ流路3を流れる流体への熱伝達効率を向上させることができ、流量測定の精度を向上させることができる。
【0034】
発熱抵抗体6が、センサ流路管30の外側から第2絶縁層10により被覆されているので、発熱抵抗体6から外部への放熱を低減して、流量測定の精度を向上させることができる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、第1絶縁層8が、螺旋溝7の内面及びそれに連続するセンサ流路管30の外側周面30aの一部に亘って形成されているが、図4に示すように、螺旋溝7の内面のみに形成されたものであっても良い。この場合であっても、第1絶縁層8の外面に溝9が形成される。第2絶縁層10を設けた場合には、第2絶縁層10がセンサ流路管30の外側周面30に接触する。
【0036】
また、前記実施形態では、センサ流路管30の外面に螺旋溝7が形成されることによって第1絶縁層8の外面に螺旋溝9が形成されているが、図5に示すように、センサ流路管30に螺旋溝7を形成することなく、第1絶縁層8の外面に螺旋溝9を形成しても良い。
【0037】
さらに、第1絶縁層8に形成される溝は、螺旋溝に限られず、第1絶縁層8の外側周面の全周に亘って形成された複数の環状溝であっても良い。この環状溝は、互いにセンサ流路の流れ方向に離間して形成される。このとき、発熱抵抗体6は、この環状溝の周方向の一部に部分的に収容されてセンサ流路管30に螺旋状に巻回される。その他、前記溝は、第1絶縁層8の外側周面の一部に亘って形成された複数の部分溝であっても良い。このとき、発熱抵抗体6は、この部分溝の周方向の全部又は一部に部分的に収容されてセンサ流路管30に螺旋状に巻回される。
【0038】
また、第1絶縁層8及びセンサ流路管30の間又は第1絶縁層8及び発熱抵抗体6の間に、その他の中間層を設ける構成としても良い。
【0039】
また、前記実施形態の第1絶縁層8及び第2絶縁層10はともに、アルミナ等の同一の無機材料から形成しているが、両者を互いに異なる無機材料から形成しても良い。例えば、第2絶縁層10の熱伝導率が、第1絶縁層8の熱伝導率よりも小さい材料とすれば、センサ流路管30及び発熱抵抗体6の熱交換効率を妨げることなく、放熱を抑えることができる。
【0040】
前記実施形態のセンシング部は、上流側コイル及び下流側コイルの間にヒータを設けた構成としても良い。このセンシング部は、前記ヒータにより生じる温度分布の変化を、上流側コイル及び下流側コイルの温度差から検出して、流体の質量流量を検出する。この場合、上流側コイル及び下流側コイルを、前記実施形態のように第1絶縁層に形成された溝に沿って巻回する構成とする。また、ヒータを発熱抵抗体で構成する場合には、当該ヒータを絶縁層に形成された溝に沿って巻回する構成としても良い。なお、ヒータのみを絶縁層に形成された溝に沿って巻回する構成としても良い。
【0041】
前記実施形態の質量流量センサ100をマスフローコントローラZに用いても良い。この場合、低真空領域において高精度且つ高感度に流量を測定することができるため、非常に高精度な流量制御を実現し得るマスフローコントローラZを提供することができる。
【0042】
この質量流量センサ100を組み込むマスフローコントローラZの具体的態様としては、例えば、図6に示すように、前記実施形態の質量流量センサ100と、メイン流路2の合流点MPより下流側に設けた流量制御バルブZ1と、質量流量センサ100の出力する流量測定信号の示す信号値(測定流量値)及び入力手段(図示しない)により入力される流量設定信号の示す目標流量である設定流量値に基づいて流量制御バルブZ1の弁開度を制御する弁制御部Z2と、を具備する。
【0043】
前記実施形態の質量流量センサ及びマスフローコントローラを半導体製造プロセス以外にも用いることができる。
【0044】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
100・・・熱式流量センサ
30 ・・・導管(センサ流路管)
41 ・・・センシング部
6 ・・・発熱抵抗体
8 ・・・第1絶縁層
9 ・・・溝(螺旋溝)
10 ・・・第2絶縁層
図1
図2
図3
図4
図5
図6